地 上 形 レーザスキャナとVRS-RTKによる 河 川 計 測 手 法 について 伊 藤 与 志 雄 By Yoshio,Ito 1.はじめに わが 国 の 国 土 は 環 太 平 洋 造 山 帯 に 位 置 し,その 成 因 から 地 質 が 脆 弱 で 地 形 も 急 峻 であるため 山 地 の 侵 食 が 生 じやすい. 山 地 部 で 生 産 された 土 砂 は 河 川 をとおして 下 流 に 運 ばれ, 谷 の 出 口 で 礫 主 体 の 扇 状 地 を,さら に 下 流 に 移 動 すると 砂 泥 主 体 の 沖 積 平 野 を 形 成 し 海 に 至 っている この 土 砂 は, 海 域 では 沿 岸 域 に 堆 積 し たり,また 漂 砂 となって 移 動 し 海 岸 地 形 を 形 成 している 戦 後 の 経 済 成 長 は, 土 砂 移 動 に 対 して 大 規 模 な 人 為 的 インパクトを 加 えた 土 砂 災 害 防 御 のための 砂 防 ダム の 建 設 や 植 林 事 業 による 荒 地 の 減 少, 水 資 源 開 発 や 洪 水 防 御 のための 大 規 模 なダム 貯 水 池 の 建 設, 洪 水 流 下 能 力 増 大 のための 掘 削 や 建 設 資 材 利 用 のための 河 道 の 砂 利 採 取 などである これにより, 河 川 への 土 砂 供 給 の 減 少 がはじまり 現 在 に 至 っている 現 在 一 級 河 川 大 井 川 の 県 管 理 区 間 は( 河 口 より 24,0k~72,0k)の 内 の 土 砂 管 理 計 画 は 毎 年 行 なう 400m ピ ッチの 定 期 横 断 測 量 により 48km 区 間 の 土 量 平 均 河 床 の 比 較 ( 年 ごと 比 較 )を 行 い 静 岡 県 として 土 砂 移 動 の 現 状 調 査 分 析 を 行 い 検 討 している しかし 国 土 交 通 省 河 川 審 議 会 において 総 合 的 な 土 砂 管 理 の 目 的 とする 所 の 時 間 的 空 間 的 な 拡 がりをも った 土 砂 移 動 の 場 ( 流 砂 系 )において それぞれの 河 川 海 岸 の 特 性 を 踏 まえて 国 土 マネジメントの 一 環 として 適 切 な 土 砂 管 理 を 行 なう 為 には 従 来 の 管 理 手 法 では 限 界 がある 理 想 的 な 検 証 方 法 として 時 系 列 に 河 道 状 況 の 三 次 元 データを 取 り 出 す 事 が 出 来 る 空 中 写 真 測 量 や 航 空 レー ザ 計 測 による 判 読 方 法 も 考 えられるが 空 中 写 真 測 量 は 1
(1) 精 度 の 確 保 が 難 しい 事 (2) 河 道 微 地 形 データの 形 成 の 際 に 技 術 者 の 主 観 が 入 りやすく 熟 練 を 要 する 事 等 の 問 題 点 がある 一 方 航 空 レーザを 用 いた 手 法 も 考 えられるが (1) コストがかかる (2) 従 来 の 定 期 横 断 測 量 との 関 連 付 けが 難 しい 等 の 問 題 点 がある そこで 時 間 的 空 間 的 な 拡 がりを 持 った 土 砂 移 動 の 場 を 時 系 列 的 に 判 読 する 事 を 目 的 として 一 定 区 間 の 微 地 形 河 道 モデルを 作 成 し 今 後 の 土 砂 管 理 計 画 に 資 する 為 に 精 度 及 び 計 測 スピードに 優 れる 地 上 形 レーザス キャナ( 以 下 地 上 形 LS)と VRS-RTKGPS( 仮 想 基 準 点 リアルタイム 測 位 ) 組 み 合 わせた 手 法 により 計 測 を 行 なう 方 法 で 一 級 河 川 大 井 川 による 一 定 区 間 ( 上 長 尾 :50.6km~52.2km 崎 平 62.6km~64.2km) 一 級 河 川 安 倍 川 ( 静 岡 市 葵 区 田 町 :4.0km~6.0km)において 計 測 業 務 を 行 なった 事 例 を 紹 介 する 2. 計 測 の 特 色 流 域 広 範 囲 を 計 測 する 場 合 は 航 空 レーザ 計 測 による 手 法 が 有 効 である( 実 際 国 土 交 通 省 管 理 区 間 で 行 なって いる)が 局 所 においての 微 地 形 数 値 地 形 モデルを 作 成 するには 地 上 形 LSによる 手 法 が 有 効 である 本 計 測 の 特 色 は 次 のように 要 約 される (1) リーグル 社 製 地 上 形 LS(LMS-Z420i)と 光 波 測 距 儀 を 比 較 すると 測 定 距 離 について 測 定 原 理 が 基 本 的 に 違 うため 単 純 に 比 較 することはできないが X 軸 方 向 の 距 離 精 度 について 比 較 してみると 地 上 形 LSは±10mm に 対 し 光 波 測 距 儀 ±5mm であり 高 い 精 度 を 保 持 することができる ( 表 2-1) (2) 機 械 原 点 を 中 心 に 距 離 は 半 径 1キロ 上 下 方 向 80 度 水 平 方 向 360 度 の 空 間 情 報 を10 分 程 度 で 計 測 (リーグル 社 製 地 上 形 LS) (3) 一 度 の 計 測 で 大 量 のデータ 取 得 (8000 点 / 秒 ) (4) ノンミラー 計 測 の 為 安 全 性 に 優 れる (5) 計 測 スピードにより 計 測 費 の 大 幅 なコストダウン (6) データ 取 得 は 自 動 化 の 為 技 術 者 の 主 観 が 入 らない (7) 安 全 な 赤 外 線 を 使 用 JISレーザ 製 品 の 安 全 基 準 する (JIS C 6802:2005) AEL 値 ( 被 ばく 放 出 限 界 )はクラス1 地 上 形 LSの 大 きな 特 徴 は 空 中 写 真 測 量 が 現 地 に 設 けた 対 空 標 識 を 写 真 から 判 読 し3 次 元 現 地 データを 作 成 していくのに 対 して 現 地 に 任 意 に 設 置 した 評 定 点 にて 公 共 座 標 系 にデータを 補 正 することから3 次 元 現 地 データ( 微 地 形 モデル)を 作 成 するのに 大 幅 な 時 間 短 縮 が 可 能 という 点 にある また 従 来 の 光 波 測 距 儀 と 比 較 しても 精 度 がほとんど 劣 らない 為 従 来 管 理 手 法 である 横 断 図 との 比 較 検 証 も 行 なえることから 過 去 のデータを 無 駄 にすることもなくなる 利 点 もある 機 種 分 解 能 測 定 距 離 距 離 精 度 1 測 定 誤 差 誤 差 比 率 m ビーム 拡 がり 角 データ 取 得 2
LMS-Z420i 5mm 2m~1km ±10mm 2 mm/350 20mm/ 100m 8,000 点 / 秒 光 波 測 距 儀 - 2000m 以 上 ±5mm 1 mm/350-200~300 点 / 日 表 2-1 地 上 形 LSと 航 空 写 真 測 量 との 比 較 表 ( 図 2-1) 及 び 地 上 形 LSと 航 空 レーザ 測 量 との 比 較 表 ( 図 2-2) を 比 較 するとそれぞれの 利 点 欠 点 が 明 らかであるが 共 通 して 言 える 事 は 計 測 費 用 のコストダウンに 地 上 形 LSは 大 きく 寄 与 する 事 がよく 判 る 地 上 形 レーザ 測 量 と 航 空 写 真 測 量 の 特 徴 比 較 地 上 形 レーザ 測 量 と 航 空 レーザ 測 量 の 特 徴 比 較 地 上 形 レーザ 測 量 航 空 写 真 測 量 地 上 形 レーザ 測 量 航 空 レーザ 測 量 図 面 縮 尺 ( 高 さ) 1/250 1/2,500 図 面 縮 尺 ( 高 さ) 1/250 1/1,000 等 高 線 0,5mコンター 2mコンター 地 形 情 報 多 くの 部 分 で 地 形 を 計 測 経 験 による 推 測 や 現 地 調 査 資 料 地 物 認 識 可 能 (デジタルカメラ 搭 載 ) ほぼ 認 識 可 能 微 地 形 情 報 等 高 線 に 微 小 な 凹 凸 表 現 編 集 による 均 一 な 形 状 色 彩 情 報 有 有 等 高 線 0,5mコンター 1mコンター 樹 木 下 の 地 形 情 報 多 くの 部 分 で 地 形 を 計 測 多 くの 部 分 で 地 形 を 計 測 地 物 認 識 可 能 (デジタルカメラ 搭 載 ) 不 明 瞭 ( 高 さのみの 表 現 ) 微 地 形 情 報 等 高 線 に 微 小 な 凹 凸 表 現 等 高 線 に 微 小 な 凹 凸 表 現 色 彩 情 報 有 (デジタルカメラ 搭 載 ) 無 計 測 又 は 撮 影 条 件 天 気 や 日 照 の 影 響 少 晴 天 緊 急 時 の 対 応 自 動 化 の 可 能 性 データ 処 理 現 地 に 立 ち 入 る 必 要 がないため 災 害 発 生 後 でも 安 全 に 作 業 の 実 施 が 可 全 てがデジタルデータであるた め 自 動 処 理 に 向 いている 直 接 デジタルデータを 自 動 的 に 取 得 するため 熟 練 度 に 依 存 しな い 迅 速 性 や 計 測 精 度 安 全 性 など の 点 で 限 界 アナログ 航 空 写 真 の 場 合 はデジ タル 画 像 に 変 換 図 化 作 業 は 時 間 がかかること や 熟 練 度 によっても 影 響 を 受 け やすい 計 測 又 は 撮 影 条 件 天 気 や 日 照 の 影 響 少 現 地 に 立 ち 入 る 必 要 がないため 緊 急 時 の 対 応 災 害 発 生 後 でも 安 全 に 作 業 の 実 施 が 可 自 動 化 の 可 能 性 全 てがデジタルデータであるた め 自 動 処 理 に 向 いている 計 測 コスト 従 来 測 量 よりもコストダウン 天 気 や 日 照 の 影 響 少 春 期 又 は 秋 期 現 地 に 立 ち 入 る 必 要 がないため 災 害 発 生 後 でも 安 全 に 作 業 の 実 施 が 可 全 てがデジタルデータであるため 自 動 処 理 に 向 いている 航 空 機 の 費 用 がかかりコストが かかる 図 2-1 図 2-2 3. 計 測 の 具 体 的 実 施 方 法 実 施 の 方 法 のフローチャートを 図 3-1に 示 し 下 記 に 方 法 を 説 明 する 1) レーザ 計 測 実 際 の 河 道 状 況 を 微 地 形 表 現 が 可 能 となるように 高 密 度 で 均 等 なデータを 取 得 する 為 に GPS 測 距 儀 に 用 いる 長 脚 を 用 いてデータを 取 得 する またこの 際 各 測 定 ポイントにて 測 定 したデータの 合 成 と 測 定 データの 公 共 座 標 に 補 正 する 為 に 設 けた 評 定 点 を 複 数 河 道 に 設 け VRS-RTKにて 観 測 する 2) データ 解 析 地 形 図 作 成 各 測 定 ポイントから 行 なったレーザ 計 測 により 得 られたデータを 合 成 する DTM(Digital Terrain Model : 土 地 を 被 覆 する 地 物 植 生 を 含 まないモデル)を 作 成 検 証 し 地 形 図 を 作 成 する 3) 微 地 形 判 読 及 び 検 証 レーザ 計 測 時 に 同 時 取 得 した 現 地 RGBデータを 合 成 した 現 地 3 次 元 モデルから 現 在 管 理 している 定 期 横 断 測 量 成 果 を 重 ね 合 わせ 検 証 する 3
VRS-RTK による 観 測 評 定 点 計 画 準 備 地 上 レーザ 計 測 VRS-RTK 観 測 外 部 データ 取 込 座 標 解 析 三 角 網 計 算 データ 解 析 DTM 作 成 等 高 線 作 図 3 次 元 地 形 モデル 三 角 網 編 集 座 標 編 集 追 加 鳥 瞰 図 ( 形 状 確 認 ) 写 真 や 図 面 の 重 ね 表 示 テクスチャ 貼 付 等 線 形 計 算 任 意 断 面 微 地 形 図 作 成 断 面 図 ( 縦 横 断 ) 既 存 横 断 線 との 比 較 各 種 解 析 業 務 表 面 積 体 積 傾 斜 など 4
図 3-1 4. 地 上 形 LSの 精 度 管 理 地 上 形 LS 計 測 技 術 の 特 徴 を 利 用 することによって 高 精 度 な3 次 元 地 形 データの 取 得 が 迅 速 に 行 なえる 可 能 性 が 結 果 として 判 明 した 実 際 今 回 の 計 測 には 大 井 川 の 計 測 区 間 ( 合 計 3.2km)においての 計 測 には5 日 間 安 倍 川 ( 計 測 区 間 2k) の 計 測 には3 日 間 の 時 間 しか 要 していない 地 上 形 LSによる 座 標 点 群 のデータのトータルステーション( 以 下 TS)による 実 測 も 精 度 管 理 を 行 い それ ぞれ 計 測 範 囲 の5%で 行 なう 作 業 も 行 なった 地 上 形 LSから 得 られる 点 群 データは 計 測 機 より 照 射 される 赤 外 線 スポットの 中 のΦの 中 の 最 大 反 射 率 を 極 座 標 で 取 得 する ( 表 4-1 図 4-1 参 照 ) つまり 赤 外 線 スポットは 測 定 対 象 地 点 において 斜 めに 当 たればそのΦの 拡 がりは 大 きくなり 計 測 データに おいて 誤 差 が 生 じる 可 能 性 が 高 くなる 従 って 地 上 形 LS 計 測 の 際 には 計 測 範 囲 5%の 実 測 による 精 度 管 理 は 必 要 であると 考 えられる 材 質 反 射 率 (%) 表 面 形 状 白 い 紙 100まで 大 きい 材 木 ( 松 乾 燥 状 態 ) 94 雪 80~90 ビールの 泡 88 白 い 石 造 建 築 85 石 灰 石 粘 土 75 印 刷 された 新 聞 紙 69 ティッシュ(2 枚 重 ね) 60 落 葉 樹 標 準 60 針 葉 樹 標 準 30 拡 散 反 射 炭 酸 塩 の 砂 ( 乾 燥 ) 57 炭 酸 塩 の 砂 ( 湿 り) 41 海 岸 の 砂 砂 漠 標 準 50 木 製 パレット 25 滑 らかなコンクリート 24 小 石 の 入 ったアスファルト 17 溶 岩 8 黒 いネオプレン( 合 成 ゴム) 5 黒 いゴム 製 タイヤ 2 反 射 シート 1250 リトロリフレク 光 沢 の 無 い 白 いプラスチック 110 ティング( 反 射 光 沢 の 無 い 黒 いプラスチック 17 率 が 増 幅 され 透 明 なプラスチック 50 る 表 面 形 状 ) 囲 表 4-1 図 4-1 今 回 使 用 した 地 上 形 LSのメーカー 発 表 スペックは 下 記 の 通 り ( 表 4-2) 測 定 範 囲 2~1000m( 反 射 率 80% 以 上 の 自 然 物 ) 5
スキャニンク 角 / 速 度 上 :ラインスキャン( 上 下 ) 方 向 下 :フレームスキャン( 左 右 ) 方 向 ( 注 ) スキャン 範 囲 : 80 1~20 スキャン/ 秒 ( 注 ) スキャン 範 囲 :360 0.01~15 度 / 秒 レーザ 光 の 広 がり 角 0.25mrad(100mの 距 離 で 2.5cm のビーム 拡 散 ) 測 定 精 度 標 準 ± 1 cm(カタロク 値 ) 本 体 重 量 サイス ( 高 さ 直 径 ) 電 源 動 作 環 境 13 kg 435 φ210 mm 11~15VDC(max3A) -10~50 (-20~60 ) 雨 天 霧 降 雪 不 可 表 4-2 今 回 の 計 測 では 河 道 状 況 の 起 伏 にもよるが 100mのピッチにて 計 測 を 行 なった Φの 拡 がり 等 を 考 慮 すると やはり 地 上 形 LSのメーカー 毎 の 機 器 としての 性 能 差 にもよるが 実 測 (TS)との 精 度 検 証 を 行 なう 為 に は 地 上 形 LSによる 計 測 の 際 に ラインスキャン( 上 下 ) 方 向 とフレームスキャン( 左 右 ) 方 向 の 赤 外 線 照 射 ステップ 角 度 の 設 定 も 重 要 な 要 因 となる 成 果 品 に 求 められる 精 度 によってそれらステップ 角 度 を 調 整 する 必 要 があるが ステップ 角 度 を 細 かくすれ ばするほど 計 測 時 間 はかかり それは 計 測 コスト 及 びデータ 処 理 の 時 間 に 跳 ね 返 ってくることとなる 現 在 地 上 形 LSの 計 測 に 関 しては 未 だ 計 測 単 価 という 標 準 的 な 費 用 算 出 根 拠 は 整 備 されてはいないが 計 測 の 際 には 精 度 確 保 の 必 要 性 から 計 測 の 際 のステップ 角 度 の 打 ち 合 わせは 必 要 だと 考 えられる LS 対 象 物 レーザ 光 2.5cm 100m 赤 外 線 レーザの 拡 幅 模 式 図 計 測 の 際 に 各 計 測 ポイントにおいて 取 得 したデータのマージ( 合 成 )に 使 用 する 評 定 点 の 数 によっても 計 測 点 群 データの 精 度 に 影 響 が 出 ることから 今 回 の 計 測 では 各 計 測 ポイントから 見 渡 せる 評 定 点 の 数 は 最 低 1 5 点 を 確 保 した ( 一 般 的 には4 点 以 上 ) この 評 定 点 の 計 測 に 対 して 使 用 したのが VRS-RTK であり 今 回 の 計 測 に 際 して 計 測 スピードの 大 幅 な 向 上 と 計 測 人 員 の 大 幅 な 削 減 に 繋 がる 要 因 となった 6
また 地 上 形 LSによる 水 中 計 測 は 不 可 能 な 為 水 中 は VRS-RTK により 端 点 を 捕 捉 した 実 際 計 測 チームの 人 員 は3 人 で 行 い 大 井 川 の 計 測 区 間 ( 合 計 3.2km)においての 計 測 には5 日 間 安 倍 川 の 計 測 には3 日 間 の 時 間 しか 要 さなかった つまり 計 測 員 の 数 も 少 なく 計 測 日 数 の 短 縮 が 可 能 となり 大 幅 なコスト 削 減 をもたらす 効 果 もある 5. 各 種 解 析 今 回 の 計 測 にて 取 得 したDTM( 数 値 地 形 モデル)の 特 色 はその 範 囲 内 においては 自 由 自 在 に 縦 断 横 断 図 の 作 成 が 可 能 というのが 大 きな 特 色 がある 従 来 の 管 理 手 法 (TSによる 定 期 横 断 測 量 )にて 計 測 したデータとの 比 較 は 図 5-1に 示 す この 図 5-1からも 明 らかであるが 地 上 形 LSによるデータは 非 常 に 精 度 の 高 い 計 測 が 高 速 且 つ 安 価 に 計 測 が 可 能 という 事 が 理 解 できる また 計 測 して 微 地 形 図 として 作 成 した 範 囲 に 関 しては 自 由 自 在 に 縦 断 横 断 図 面 を 抽 出 する 事 も 可 能 である ( 図 5-2) 図 5-1 図 5-2 7
図 5-3 一 級 河 川 大 井 川 の 県 管 理 区 間 は( 河 口 より 24,0k~72,0k)の 内 の 土 砂 管 理 計 画 は 毎 年 行 なう 400m ピッチの 定 期 横 断 測 量 により 48km 区 間 の 土 量 平 均 河 床 の 比 較 ( 年 ごと 比 較 )を 行 い 静 岡 県 として 土 砂 移 動 の 現 状 調 査 分 析 を 行 い 検 討 しているが やはり 横 断 測 量 ピッチが 粗 い 為 総 合 的 な 土 砂 移 動 の 把 握 は 難 しいことから 今 回 行 なった 地 上 形 LSと VRS-RTK を 合 わせた 計 測 手 法 は 今 後 の 河 川 土 砂 移 動 のメカニズムを 明 らかにする 上 で 非 常 に 有 効 な 手 法 といえる また 微 地 形 図 以 外 にも 点 群 データは3 次 元 での 表 現 も 可 能 なことから この 他 に 陰 影 図 ( 地 表 の 斜 度 の 程 度 に 応 じて 陰 影 を 付 け 立 体 感 を 表 した 図 ) や 段 彩 図 ( 標 高 におうじて 色 彩 を 変 化 させた 図 ) などに よる 情 報 を 加 えることによって より 確 実 度 の 高 い 微 地 形 の 変 化 を 捉 えることが 出 来 る ( 図 5-3) また 経 年 的 に 行 なう もしくは 毎 年 同 じ 時 期 に 計 測 を 行 ない 作 成 した 微 地 形 図 や3 次 元 河 道 データを 重 ね 合 わせる 等 の 解 析 を 行 なう 事 によって 土 砂 の 動 きを 流 砂 系 としてとらえ (1) 土 砂 生 産 箇 所 の 的 確 な 抽 出 (2) 的 確 な 土 砂 移 動 現 象 の 予 測 と 観 測 (3) 土 砂 生 産 流 出 ポテンシャルの 評 価 等 に 対 しても 有 効 な 効 果 を 上 げることが 可 能 となる 6. 終 わりに 一 級 河 川 安 倍 川 においての 計 測 も 従 来 測 量 と 比 較 してコストは3 分 の1 スピードは8 倍 という 大 幅 な 効 率 向 上 がみられた ここ 数 年 の 社 会 資 本 の 整 備 特 にハード 面 に 対 しての 国 や 県 をはじめとする 地 方 自 治 体 の 予 算 は それを 確 保 する 事 自 体 大 変 厳 しい 環 境 になってきております 血 税 を 投 じる 社 会 資 本 整 備 に 対 して より 無 駄 のない 予 算 執 行 の 為 に 先 端 的 な 技 術 を 取 り 入 れるといった 特 に 公 共 分 野 にこの 計 測 手 法 が 積 極 的 に 取 り 入 れられる 事 は 納 税 者 としても 非 常 に 喜 ばしいことである 8