郵 政 改 革 推 進 室 ヒアリング 資 料 平 成 21 年 12 月 11 日 生 命 保 険 協 会
1. 官 業 時 代 の 簡 保 事 業 に 対 する 問 題 認 識 簡 易 生 命 保 険 と 民 間 生 保 との 競 争 条 件 の 不 整 合 国 営 事 業 として 一 定 の 事 業 制 限 のもと 民 間 と 競 合 することなく 民 業 を 補 完 する 目 的 (*1)で 事 業 を 開 始 官 業 の 特 典 を 背 景 に 事 業 拡 大 を 進 め 簡 易 保 険 単 独 で 生 保 業 界 全 体 に 匹 敵 ( 郵 政 公 社 発 足 当 時 総 資 産 で 全 生 保 累 計 対 比 約 9 割 )する 程 度 まで その 規 模 を 拡 大 し 民 間 生 命 保 険 と 市 場 で 競 合 した その 結 果 以 下 の 問 題 点 が 顕 在 化 し 生 命 保 険 協 会 ではその 問 題 の 解 決 を 訴 えてきた 簡 易 保 険 事 業 の 特 典 肥 大 化 の 結 果 として 顕 在 化 した 問 題 点 項 目 内 容 政 府 保 証 監 督 官 庁 業 務 範 囲 税 負 担 保 険 金 支 払 等 に 対 する 政 府 保 証 事 業 者 と 監 督 者 が 実 質 的 に 同 一 保 険 貯 金 郵 便 の 三 事 業 兼 営 ( 営 業 面 コスト 面 で 兼 営 メリットを 享 受 ) 法 人 税 住 民 税 事 業 税 固 定 資 産 税 等 の 納 付 を 免 除 簡 易 保 険 事 業 の 制 約 加 入 限 度 額 制 限 販 売 保 険 種 類 の 制 限 資 産 運 用 対 象 の 制 限 順 次 拡 大 (*1) 簡 易 保 険 業 の 設 立 趣 旨 衆 議 院 本 会 議 簡 易 生 命 保 険 法 案 提 案 理 由 説 明 ( 大 正 5 年 2 月 8 日 箕 浦 逓 信 大 臣 ) 普 通 保 険 の 及 ばざる 所 を 補 ふということが 最 も 大 切 なことであ る 決 して 普 通 保 険 と 競 争 するものではない 1 1 健 全 な 生 保 市 場 の 発 展 の 阻 害 有 利 な 競 争 条 件 を 有 したまま 民 間 生 保 と 同 一 市 場 で 競 合 し 公 平 公 正 な 競 争 原 理 に 基 づく 生 命 保 険 市 場 の 健 全 な 発 展 を 阻 害 2 効 率 的 な 金 融 市 場 の 形 成 の 阻 害 運 用 資 産 の 約 8 割 を 国 政 府 関 係 機 関 地 方 公 共 団 体 等 の 公 的 部 門 に 資 金 提 供 しており 偏 った 運 用 が 効 率 的 な 金 融 市 場 の 形 成 を 阻 害 3 潜 在 的 な 国 民 負 担 の 発 生 諸 税 の 納 付 を 免 除 された 額 は 例 えば 平 成 14 年 までの 10 年 間 で2.4 兆 円 に 上 ると 試 算 される その 間 民 間 生 保 は 合 計 で 約 6 兆 円 を 納 税
2. 官 業 時 代 における 簡 保 事 業 の 民 業 への 影 響 1 民 間 生 保 との 競 合 加 入 限 度 額 の 引 き 上 げや 新 商 品 の 発 売 サービスの 実 施 など 制 度 内 容 の 充 実 を 図 り 民 間 生 保 が 主 力 として いる 保 障 性 商 品 の 市 場 へ 進 出 した 民 業 の 補 完 という 趣 旨 から 離 れて 民 業 と 競 合 しながらその 影 響 力 を 拡 大 し 民 業 を 圧 迫 した 養 老 保 険 終 身 保 険 こども 保 険 年 金 保 険 定 期 保 険 財 形 保 険 介 護 保 険 養 老 保 険 商 品 拡 大 ( 民 間 追 随 )の 状 況 保 険 種 類 定 期 付 養 老 保 険 定 期 付 終 身 保 険 生 存 給 付 金 付 養 老 保 険 発 売 年 民 間 保 険 簡 易 保 険 明 治 14 年 明 治 14 年 昭 和 24 年 昭 和 34 年 昭 和 34 年 昭 和 37 年 昭 和 43 年 昭 和 50 年 昭 和 51 年 昭 和 60 年 平 成 10 年 大 正 5 年 大 正 5 年 昭 和 46 年 昭 和 39 年 大 正 15 年 昭 和 49 年 平 成 16 年 昭 和 51 年 昭 和 60 年 昭 和 63 年 平 成 12 年 軽 度 の 疾 病 等 でも 告 知 で 加 入 可 能 な 保 険 簡 易 保 険 種 類 名 は 特 定 養 老 保 険 契 約 件 数 収 入 保 険 料 総 資 産 全 生 保 11,101 万 件 簡 保 7,264 万 件 65% 契 約 件 数 収 入 保 険 料 総 資 産 の 比 較 全 生 保 111.2 兆 円 平 成 4 年 度 末 2 拡 大 の 推 移 簡 保 66.7 兆 円 60% 全 生 保 18.9 兆 円 簡 保 14.3 兆 円 76% 全 生 保 142.1 兆 円 簡 保 125.7 兆 円 88% 全 生 保 142.1 兆 円 簡 保 125.7 兆 円 88% ( 郵 政 公 社 発 足 当 時 平 成 14 年 度 実 績 ) 平 成 14 年 度 末
2. 官 業 時 代 における 簡 保 事 業 の 民 業 への 影 響 2 同 一 市 場 での 競 合 状 況 平 成 14 年 度 末 郵 政 公 社 発 足 当 時 の 民 間 生 保 の 新 契 約 について 個 人 保 険 の75% 個 人 年 金 の90% が 簡 易 保 険 の 限 度 額 の 範 囲 内 で 競 合 民 間 生 保 の 保 険 金 額 別 新 契 約 状 況 ( 件 数 占 率 ) 民 間 生 保 の 年 金 額 別 新 契 約 状 況 ( 件 数 占 率 ) 1000 万 円 超 25.4% 簡 保 と 競 合 する 民 間 生 保 の 新 契 約 < 保 険 金 額 > 1000 万 円 以 下 < 年 金 額 ( 年 額 )> 90 万 円 以 下 90 万 円 超 10.4% 1000 万 円 以 下 74.6% 簡 保 の 限 度 額 以 下 の 保 険 年 金 も 民 間 生 保 ですでに 十 分 に 提 供 している 90 万 円 以 下 89.6% 民 間 生 保 新 契 約 金 額 別 件 数 占 率 ( 平 成 14 年 度 ) 簡 易 保 険 における 租 税 等 の 免 除 額 ( 試 算 ) 事 業 税 等 (*1) 法 人 税 住 民 税 等 (*2) 合 計 < 参 考 > 保 護 機 構 負 担 金 (*3) 13,072 億 円 11,067 億 円 24,139 億 円 ( 平 成 5~14 年 度 合 計 ) 922 億 円 3 生 命 保 険 協 会 試 算 ( 郵 政 公 社 発 足 当 時 ) *1: 事 業 税 固 定 資 産 税 印 紙 税 地 価 税 等 経 常 費 用 として の 税 金 *2: 簡 保 余 剰 金 から 事 業 税 等 及 び 保 護 機 構 負 担 金 を 差 引 き 算 出 した 税 引 前 利 益 をもとに 試 算 *3: 簡 易 保 険 が 上 乗 せで 保 護 機 構 へ 拠 出 するとした 場 合 の 負 担 金 額 (H10~14 年 度 合 計 )
3. 生 命 保 険 協 会 が 行 ってきた 主 張 郵 政 民 営 化 における に 生 命 保 険 協 会 の 主 張 ( 平 成 16 年 2 月 ) 簡 保 事 業 は 既 に 役 割 を 終 えており 本 来 的 には 縮 小 廃 止 すべき 仮 に 民 営 化 される 場 合 には 官 業 としての 特 典 を 全 廃 するとともに 民 間 生 保 との 間 で 競 争 条 件 を 完 全 に 同 一 化 することが 必 要 主 張 縮 小 廃 止 具 体 的 内 容 理 由 簡 保 事 業 によらないと 提 供 出 来 ない 商 品 サービスは 存 在 しない 簡 保 加 入 動 機 の 調 査 において 近 くに 民 間 生 保 等 がない ことを 理 由 に 挙 げたのは0.3%(*1)であり 加 入 に 際 して 店 舗 の 存 在 に 対 する 意 識 は 薄 く 民 間 生 保 において 十 分 代 替 可 能 現 状 民 営 化 法 に 基 づき 平 成 29 年 までに 民 営 化 することとされ た 競 争 条 件 の 完 全 同 一 化 同 一 ルールの 適 用 三 事 業 分 離 新 旧 分 離 政 府 保 証 の 解 消 業 務 拡 大 官 業 特 典 などを 全 廃 政 府 保 証 廃 止 納 税 保 護 機 構 加 入 義 務 化 保 険 業 法 による 監 督 事 業 間 のリスク 遮 断 徹 底 の 観 点 から 機 能 毎 に 分 離 独 立 すべき リスク 遮 断 の 観 点 から 分 離 の 上 利 益 は 既 契 約 者 に 還 元 すべき 顧 客 情 報 の 厳 格 管 理 ( 新 契 約 への 流 用 防 止 )が 必 要 暗 黙 の 政 府 保 証 である 政 府 出 資 を 早 期 に 完 全 に 解 消 競 争 条 件 の 完 全 同 一 化 までは 商 品 種 類 を 拡 充 すべきでなく 加 入 限 度 額 も 維 持 するだけでなく 引 き 下 げるべき 保 険 業 法 適 用 等 により 措 置 分 社 化 により 措 置 管 理 機 構 の 設 置 分 社 化 に より 措 置 29 年 までに 段 階 的 に 処 分 ( 民 営 化 法 第 7 条 ) 民 営 化 に 関 する 状 況 に 応 じ 緩 和 を 検 討 ( 順 次 拡 大 ) 民 営 化 後 の 生 命 保 険 協 会 の 主 張 ( 平 成 21 年 3 月 ) (*1) 生 命 保 険 文 化 センター 生 命 保 険 に 関 する 全 国 実 態 調 査 平 成 15 年 12 月 かんぽ 生 命 による 新 規 業 務 の 認 可 に 当 たっては 次 の 点 が 措 置 されることが 必 要 である 旨 主 張 1 同 種 の 業 務 を 営 む 事 業 者 との 適 正 な 競 争 関 係 を 阻 害 しないための 公 正 な 競 争 条 件 の 確 保 2お 客 さま 保 護 の 観 点 からの 適 切 な 態 勢 整 備 4
4. 郵 政 改 革 に 対 する 認 識 要 望 閣 議 決 定 ( 郵 政 改 革 の 基 本 方 針 ) 平 成 21 年 10 月 20 日 郵 政 事 業 の 抜 本 的 見 直 し( 郵 政 改 革 )については 国 民 生 活 の 確 保 及 び 地 域 社 会 の 活 性 化 等 のため 日 本 郵 政 グループ 各 社 等 のサービスと 経 営 の 実 態 を 精 査 するほか 以 下 によるものとして 検 討 を 進 め その 具 体 的 な 内 容 をまとめた 郵 政 改 革 法 案 ( 仮 称 )を 次 期 通 常 国 会 に 提 出 し そ の 確 実 な 成 立 を 図 るものとする 1. 郵 政 事 業 に 関 する 国 民 の 権 利 として 国 民 共 有 の 財 産 である 郵 便 局 ネットワークを 活 用 し 郵 便 郵 便 貯 金 簡 易 生 命 保 険 の 基 本 的 なサービ スを 全 国 あまねく 公 平 にかつ 利 用 者 本 位 の 簡 便 な 方 法 により 郵 便 局 で 一 体 的 に 利 用 できるようにする 2.このため 郵 便 局 ネットワークを 地 域 や 生 活 弱 者 の 権 利 を 保 障 し 格 差 を 是 正 するための 拠 点 として 位 置 付 けるとともに 地 域 のワンストッ プ 行 政 の 拠 点 としても 活 用 することとする 3.また 郵 便 貯 金 簡 易 生 命 保 険 の 基 本 的 なサービスについてのユニバーサルサービスを 法 的 に 担 保 できる 措 置 を 講 じるほか 銀 行 法 保 険 業 法 等 に 代 わる 新 たな 規 制 を 検 討 する 加 えて 国 民 利 用 者 の 視 点 地 域 金 融 や 中 小 企 業 金 融 にとっての 役 割 に 配 慮 する 4.これらの 方 策 を 着 実 に 実 現 するため 現 在 の 持 株 会 社 4 分 社 化 体 制 を 見 直 し 経 営 形 態 を 再 編 成 する この 場 合 郵 政 事 業 の 機 動 的 経 営 を 確 保 するため 株 式 会 社 形 態 とする 5.なお 再 編 成 後 の 日 本 郵 政 グループに 対 しては 更 なる 情 報 開 示 と 説 明 責 任 の 徹 底 を 義 務 付 けることとする 6. 上 記 措 置 に 伴 い 郵 政 民 営 化 法 の 廃 止 を 含 め 所 要 の 法 律 上 の 措 置 を 講 じる 郵 政 改 革 の 基 本 方 針 に 対 する 当 会 の 認 識 当 会 がこれまでに 問 題 意 識 を 表 明 して 解 決 が 図 られてきた 国 営 事 業 時 代 の 特 典 ( 政 府 保 証 三 事 業 兼 営 租 税 負 担 の 減 免 民 間 と 異 なる 監 督 規 制 等 )が 復 活 し 民 間 生 保 と 同 一 市 場 で 競 合 するよう な 制 度 となるのであれば 健 全 な 生 命 保 険 市 場 発 展 の 阻 害 要 因 となりかねない 郵 政 改 革 法 案 において 配 慮 いただきたいこと 1かんぽ 生 命 が 今 後 も 民 間 生 保 と 同 一 市 場 で 競 合 するのであれば 公 正 な 競 争 条 件 を 確 保 すること 2 公 正 な 競 争 条 件 の 確 保 適 切 な 態 勢 整 備 が 実 現 しないのであれば 保 険 金 額 の 限 度 額 引 上 げをは じめとする 業 務 範 囲 の 拡 大 を 認 めないこと 5
日 本 郵 政 株 式 会 社 郵 便 貯 金 銀 行 及 び 郵 便 保 険 会 社 の 株 式 の 処 分 の 停 止 等 に 関 する 法 律 案 の 可 決 にあたって 平 成 21 年 12 月 4 日 生 命 保 険 協 会 会 長 佐 藤 義 雄 本 日 日 本 郵 政 株 式 会 社 郵 便 貯 金 銀 行 及 び 郵 便 保 険 会 社 の 株 式 の 処 分 の 停 止 等 に 関 す る 法 律 案 が 臨 時 国 会 において 可 決 されました 郵 政 事 業 の 抜 本 的 な 見 直 しについては 今 後 その 具 体 的 な 内 容 が 政 府 において 検 討 され 郵 政 改 革 法 案 がとりまとめられること になりますが 郵 政 改 革 に 係 る 当 会 の 考 え 方 について 以 下 の 通 り 表 明 いたします 当 会 はかねてより 郵 政 民 営 化 ( 簡 保 事 業 の 民 営 化 )にあたっては 公 正 かつ 自 由 な 民 間 の 生 命 保 険 市 場 に 吸 収 統 合 し 活 力 ある 経 済 社 会 の 実 現 につなげ 国 民 の 利 益 を 増 大 させることが 必 要 であるとの 認 識 でおります この 実 現 のためには 同 種 の 業 務 を 営 む 事 業 者 との 適 正 な 競 争 関 係 を 阻 害 しないための 公 正 な 競 争 条 件 の 確 保 が 前 提 であるとの 認 識 に 変 わるところはありません 今 般 の 郵 政 民 営 化 の 見 直 しについては その 趣 旨 が 国 民 生 活 の 確 保 及 び 地 域 社 会 の 活 性 化 にあるものと 存 じますが 見 直 しの 前 提 には 国 民 生 活 の 向 上 及 び 国 民 経 済 の 健 全 な 発 展 に 寄 与 すること との 基 本 理 念 が 変 わることなく 存 在 するものと 考 えます 当 会 としては 今 後 検 討 される 法 案 の 中 で かんぽ 生 命 と 民 間 生 命 保 険 会 社 との 公 正 な 競 争 条 件 が 確 保 されなければ 生 命 保 険 市 場 の 健 全 な 発 展 を 阻 害 するものと 認 識 しており ます 従 いまして 公 正 な 競 争 条 件 の 確 保 および 引 受 支 払 やコンプライアンス 等 の 適 切 な 態 勢 整 備 が 実 現 しないのであれば かんぽ 生 命 における 保 険 金 の 限 度 額 の 引 上 げを はじめとする 業 務 範 囲 の 拡 大 は 認 められるべきではないと 考 えております 今 後 政 府 による 具 体 的 な 検 討 においては 上 述 の 基 本 理 念 に 鑑 み かねてからの 当 会 の 主 張 である 公 正 な 競 争 条 件 の 確 保 に 引 き 続 き 配 慮 いただきたいと 考 えます あわせて 当 会 を 含 む 事 業 者 の 意 見 聴 取 国 民 からの 意 見 募 集 等 透 明 性 の 高 いプロセ スを 経 たうえでの 慎 重 な 検 討 が 行 われることを 要 望 いたします 以 上 本 件 に 関 するお 問 い 合 わせ 先 生 命 保 険 協 会 企 画 部 駒 田 吉 岡 広 報 部 田 辺 鍜 治 03-3286-2651 03-3286-2714 このニュースは ホームページでもご 覧 になれます http://www.seiho.or.jp/