デジタル 出 版 をはじめる 人 へ 1 出 版 する 前 に 考 えておきたいこと 出 版 の 歴 史 は 紙 を 基 準 にしてきました デジタル 出 版 とは 何 がどう 違 うのだろうか 時 を 重 ねた 知 恵 伝 統 が 産 み 出 すものに 学 びそこから 飛 躍 する 手 段 を 導 きだすこと 1.1 世 の 中 に 自 分 が 書 いたものを 示 すもの 人 々が 読 むもの 出 版 とは 自 分 が 書 いたものを 世 の 中 に 示 す 行 為 です 人 々に 読 んでもらうものです 文 章 がわかりにくいことはないか 独 りよがりではないか 意 味 が 不 明 ではないか 出 版 する 前 に 客 観 的 な 立 場 から 一 度 なりとも 読 み 直 しのプロセスを 通 すべきです 1.2 普 遍 的 な 基 準 に 則 った 出 版 原 稿 であること( 残 す 残 る) デジタル 出 版 には 標 準 的 な 基 準 があります 本 書 ではそれを 準 拠 として 説 明 します 基 準 を 無 視 した 自 分 本 位 の 原 稿 であれば 読 まれる 本 としての 寿 命 は 短 くなります ただ 意 見 を 主 張 する 一 過 性 の 表 現 なら いくらでも 適 当 な 他 の 方 法 はあるはずです 出 版 するなら それを 残 すもの それが 残 るもの という 観 点 から 考 えるべきです 1.3 出 版 の 普 遍 的 フォーマット EPUB3 を 前 提 に 考 える( 世 界 基 準 ) 保 存 状 態 さえ 良 ければ 実 体 を 伴 う 紙 の 本 は 消 えず いつまでも 読 むことができます これに 対 して 実 体 が 見 えないデジタルの 本 は 消 えたことさえ 分 からないものです だからこそ 出 版 の 普 遍 的 フォーマットで 世 界 的 な 基 準 に 則 りデータを 作 ります EPUB3 は デジタル 出 版 の 世 界 的 な 基 準 といえるものです これを 前 提 に 考 えます ロマンサーは EPUB3 のフォーマットで 出 版 ができるように 考 えられたツールです 1.4 世 界 的 な 本 の 管 理 情 報 である ISBN を 尊 重 する( 流 通 を 意 識 する) 世 界 的 な 本 の 管 理 情 報 として 国 際 標 準 図 書 番 号 というナンバーリングがあります それは ISBN(International Standard Book Number)という 国 際 標 準 の 管 理 方 法 です あなたの 本 の 存 在 というアイデンティティを 世 界 に 主 張 できる 確 固 とした 方 法 です 1
ISBN はデジタル 出 版 においても 対 応 しており 一 定 の 方 法 に 従 って 取 得 が 可 能 です 取 得 方 法 はいくつかあり ボイジャーが 代 行 して ISBN を 取 得 することができます 1.5 出 版 者 は 発 行 元 の 責 任 があります ボイジャーは 販 売 元 です 出 版 者 = 発 行 元 つまり 出 版 物 の 内 容 に 責 任 を 持 つのは 出 版 するあなた 自 身 です ボイジャーは 販 売 委 託 サービスをあなたにご 提 供 する 販 売 元 としての 立 場 です 発 行 元 も 販 売 元 も 出 版 物 に 対 して 責 任 を 持 つ 立 場 であることを 知 る 必 要 があります 1.6 校 正 と 校 閲 (フェアな 立 場 ) 推 敲 (すいこう)を 重 ねて 書 き 上 げた 原 稿 を 出 版 する 前 に 必 ず 校 正 校 閲 という 過 程 は 必 要 です 誤 字 脱 字 はないか 内 容 ( 事 実 認 識 )に 間 違 いはないか おかしな 言 い 回 し はないか できるだけ 客 観 的 視 点 から 友 人 など 自 分 以 外 の 人 に 読 んでもらいます 自 分 で 行 う 場 合 には 原 稿 を 書 き 終 えてから 時 間 を 空 けて 他 人 が 書 いた 文 章 だと 思 って 読 み 直 してください 最 終 段 階 まで 事 実 認 識 に 間 違 いがないかは 最 重 視 してください * わかりやすい 事 実 の 具 体 例 として 以 下 の 事 項 を 特 記 しておきます 固 有 名 詞 電 話 番 号 住 所 価 格 2 本 はどのように 組 み 立 てられているか 紙 の 本 の 基 本 的 な 構 造 を 説 明 します デジタルの 本 との 比 較 ですので 並 製 本 (ソフトカバー ペーパーバック)の 例 です 2.1 紙 の 本 の 基 本 構 造 2.1.1 表 紙 (カバー 背 表 紙 ) 本 には 表 紙 があります 本 の 裏 面 にあるのは 裏 表 紙 背 中 の 部 分 にあるのが 背 表 紙 です デジタルの 本 の 場 合 表 紙 は 存 在 しますが 背 表 紙 や 裏 表 紙 とか 無 いのが 普 通 でしょう 2
縦 書 きの 場 合 の 表 紙 背 表 紙 裏 表 紙 2.1.2 目 次 本 の 内 容 として 見 出 し( 章 )の 項 目 と 該 当 ページを 記 した 一 覧 です デジタルの 本 では 見 出 し( 章 )ページへリンクすることが 一 般 的 です 2.1.3 章 の 見 出 しと 本 文 本 の 中 身 です ある 程 度 のまとまりごとに 見 出 しをつけます まとまりのレベルの 大 きな 順 に 章 (または 大 見 出 し ) 節 (または 中 見 出 し ) 項 (または 小 見 出 し ) と 言 います 2.1.4 奥 付 本 文 の 終 了 した 一 番 最 後 に その 出 版 物 の 発 行 者 としての 責 任 の 所 在 を 記 します 書 名 著 者 名 発 行 者 名 連 絡 先 発 行 日 などを 記 した 部 分 です 2.1.5 ページ 番 号 (ノンブル) 各 ページの 順 序 を 示 すために 付 けてある 番 号 です 表 示 されている 位 置 表 示 方 法 は 一 定 ではなくさまざまです 3
2.1.6 柱 (はしら) ページの 中 で 書 名 章 名 などを 記 したものです 2.2 縦 書 きと 横 書 き 文 字 が 上 から 下 へ 行 が 右 から 左 に 進 むように 書 かれたものを 縦 書 き と 言 います 文 字 が 左 から 右 へ 行 が 上 から 下 へ 進 むように 書 かれたものを 横 書 き と 言 います 2.3 ページの 配 置 通 常 は 縦 書 きの 本 ではページは 右 から 左 に 配 置 します 横 書 きの 本 のではページは 左 から 右 に 配 置 します 縦 書 きの 場 合 のページの 配 置 横 書 きの 場 合 のページの 配 置 3 デジタルの 本 は 紙 の 本 とどこが 違 うか 3.1 ひとつの 本 にはひとつのコンテナ コンテナ とは 入 れ 物 のことです 紙 の 本 の 場 合 は ひとつの 作 品 は 一 定 の 本 というコンテナに 固 定 化 された 形 で 内 容 が 印 字 されているものです 3.2 いくつものコンテナに 流 れ 込 むデジタルの 本 デジタルの 本 では 複 数 の コンテナ に 本 の 内 容 は 流 れ 込 みます コンテナ は スマートフォンから パソコンまで 表 示 画 面 はさまざまです 流 れ 込 む コンテナ によって どのように 表 示 されるかは 固 定 されません 4
3.3 一 定 のレイアウトには 納 まらない 同 じ 版 面 であれば 小 さな 画 面 と 大 きな 画 面 とでは 小 さな 画 面 が 読 みにくいでしょう 版 面 レイアウトを 流 動 的 に 変 化 させることで 表 示 画 面 に 合 わせて 見 せる 方 法 がありま す この 方 法 / 形 式 を リフロー 型 形 式 と 呼 びます リフロー 形 式 の 例 マンガのようにレイアウトが 固 定 されている 形 式 は 固 定 レイアウト 形 式 と 呼 びます 小 さな 画 面 でも 大 きな 画 面 でも 表 示 レイアウト 画 面 は 一 定 です 固 定 レイアウト 形 式 の 例 ( 電 子 書 籍 少 女 VOYAGER 探 訪 記 木 野 陽 ) 5
3.4 運 搬 と 配 信 根 本 的 な 流 通 の 違 い 紙 の 本 には 実 体 つまり 大 きさと 重 さがあります 紙 の 本 を 出 版 しようとすれば こ の 実 体 の 運 搬 と 在 庫 管 理 が 必 要 になります 対 してデジタルの 本 はデータですので 配 信 という 手 段 で 流 通 します 4. デジタルで 読 書 の 特 徴 デジタルでの 出 版 を 行 う 際 に 紙 の 本 から 学 ぶべきところは 学 び 棄 てるべきところは 棄 てましょう 4.1 本 の 伝 統 を 受 け 継 ぐ( 本 から 学 ぶ) 紙 の 本 には これまで 蓄 積 されてきた 読 みやすさ のための 基 準 があります 4.1.1 章 節 項 の 見 出 し 見 出 しは 文 章 のまとまりに 対 してその 内 容 を 短 くまとめたものです その 見 出 しを 一 覧 に 並 べると 目 次 になり 本 の 内 容 の 一 覧 になります 適 切 に 見 出 しが 入 っている 文 章 は 読 みやすくなります 短 編 小 説 の 場 合 は 必 ずしも 必 要 ありません 4.1.2 引 用 のルール: 他 の 文 との 区 別 文 字 下 げ かぎ 括 弧 ( )で 囲 む 等 他 の 著 作 物 から 引 用 する 場 合 にはルールがあります 以 下 は 文 化 庁 の 著 作 物 が 自 由 に 使 える 場 合 にある 引 用 に 関 する 注 意 事 項 です 引 用 における 注 意 事 項 他 人 の 著 作 物 を 自 分 の 著 作 物 の 中 に 取 り 込 む 場 合,すなわち 引 用 を 行 う 場 合, 一 般 的 に は, 以 下 の 事 項 に 注 意 しなければなりません (1) 他 人 の 著 作 物 を 引 用 する 必 然 性 があること (2)かぎ 括 弧 をつけるなど, 自 分 の 著 作 物 と 引 用 部 分 とが 区 別 されていること (3) 自 分 の 著 作 物 と 引 用 する 著 作 物 との 主 従 関 係 が 明 確 であること( 自 分 の 著 作 物 が 主 体 ) (4) 出 所 の 明 示 がなされていること ( 第 48 条 ) 出 典 : 文 化 庁 著 作 物 が 自 由 に 使 える 場 合 本 の 書 き 方 として 注 意 すべきは(3)です 短 い 文 の 場 合 にはかぎ 括 弧 ( )で 囲 み かつ 出 所 を 明 示 して 自 分 の 文 章 と 区 別 しま す 長 い 文 (あるいは 段 落 )の 場 合 には 前 後 に 空 きを 入 れ 段 落 を 2 文 字 程 度 下 げて かつ 出 所 を 明 示 するなどの 方 法 で 自 分 の 文 章 と 区 別 します 6
引 用 の 表 現 例 4.1.3 行 頭 の 字 下 げ 日 本 語 の 本 の 場 合 には 行 頭 ( 段 落 の 先 頭 )を 1 文 字 下 げるのが 一 般 的 です これは 段 落 がどこで 区 切 られているのかを 視 認 しやすくするためと 言 われています かぎ 括 弧 ( )や 二 重 かぎ 括 弧 ( )で 開 始 する 段 落 の 場 合 には 下 げないことも 多 いです ネットの 文 章 などでは1 行 空 けることで 段 落 と 段 落 の 区 切 りを 表 現 することもあります が 本 の 場 合 には 段 落 ごとに1 行 空 けると 間 延 びするので 段 落 の 区 切 りを 明 確 にする ためには 行 頭 を 1 字 下 げましょう 4.1.4 箇 条 書 きにおけるぶらさげインデント 行 の 先 頭 に 中 点 ( )や 数 字 などをつけた 箇 条 書 きの 場 合 には ぶら 下 げインデントと いう 形 式 にします これは 行 が 折 り 返 されて 次 の 行 になった 場 合 に 2 行 目 以 降 の 文 字 を 下 げるものです ぶら 下 げインデントの 例 4.1.5 句 読 点 文 の 終 わりには 句 点 ( )をつけます 7
文 中 の 切 れ 目 並 列 あるいは 意 味 をはっきりさせるための 区 切 りとして 読 点 ( )をつ けます 4.1.6 禁 則 処 理 文 章 を 表 示 する 際 に 行 頭 や 行 末 に 来 てはならない 文 字 があります それを 回 避 するた めの 処 理 を 禁 則 処 理 といいます デジタルの 本 の 場 合 には 通 常 はリーダーが 自 動 的 に 行 います 行 頭 に 来 てはならない 文 字 の 例 終 わり 括 弧 類 :)]} 句 読 点 類 :,. 行 末 に 来 てはならない 文 字 の 例 始 め 括 弧 類 :([{ 4.1.7 書 体 の 変 更 ( 原 則 明 朝 体 かゴシック 体 のみ) 文 章 の 意 味 に 合 わせて 書 体 を 変 更 することがあります しかし 原 則 として 明 朝 体 かゴシック 体 のいずれかです 書 体 の 変 更 を 行 う 例 本 文 は 明 朝 体 とし キーワードや 強 調 箇 所 のみゴシック 体 にする 見 出 しをゴシック 体 にする 4.1.8 太 字 強 調 のため 一 部 の 文 字 (あるいは 段 落 )を 太 字 で 表 現 することがあります 4.1.9 下 線 強 調 のため 文 章 の 一 部 に 下 線 をつけることがあります 縦 書 きの 場 合 は 文 の 右 側 に 線 が 付 きます これを 傍 線 (ぼうせん) と 呼 びます 4.1.10 斜 体 ( 和 文 では 原 則 として 使 わない 欧 文 で 参 考 文 献 の 場 合 など) 他 の 文 と 意 味 を 変 えるため 文 章 の 一 部 を 斜 体 にすることがあります 通 常 は 日 本 語 ( 和 文 )には 原 則 として 斜 体 は 使 いません 日 本 語 の 文 章 の 中 で 使 用 される 欧 文 などに 利 用 されることがあります 欧 文 の 参 考 文 献 などは 斜 体 で 表 示 することがあります 4.1.11 ルビ(ふりがな) 文 字 の 右 側 ( 縦 書 きの 場 合 )または 文 字 の 上 側 に 本 文 よりも 小 さな 文 字 で 表 示 されるふ りがなを ルビ と 言 います 8
ルビの 例 4.1.12 縦 中 横 縦 中 横 (たてちゅうよこ)とは 縦 書 きの 文 章 の 中 で 数 字 などを 組 にして 横 に 並 べた ものです 縦 中 横 の 例 4.1.13 改 ページ 改 ページとは 意 図 的 に 挿 入 したページ 区 切 りのことです 4.2 デジタルならではの 表 現 4.2.1 書 籍 内 リンク デジタルの 本 では 同 じ 書 籍 の 中 の 別 の 場 所 にリンクを 付 けて ジャンプできます 4.2.2 ハイパーリンク ハイパーリンクとは 本 の 中 なら インターネット 上 の 場 所 たとえばホームページや YouTube の 動 画 などに 対 してリンクを 付 けてジャンプできます 4.2.3 脚 注 ( 紙 の 本 との 違 い) 紙 の 本 では 脚 注 は 同 一 ページの 下 の 部 分 に 記 述 されます デジタルの 本 では 章 の 最 9
後 にまとめて 脚 注 を 表 示 し 本 文 の 該 当 する 箇 所 からその 脚 注 にリンクするなどの 方 法 で 実 現 します 4.2.4 ナビゲーション( 閲 覧 操 作 ) 紙 の 本 では 目 次 には 該 当 するページ 番 号 が 書 いてあり 自 分 でページをめくって 目 的 のページに 移 動 します デジタルの 本 では 目 次 からのリンクで 目 的 のページにジャン プします リーダーの 機 能 として 目 次 を 一 覧 表 示 し そこから 該 当 のページにジャンプで きます 4.3 画 像 について 本 の 中 に 説 明 用 の 資 料 あるいは 内 容 を 想 起 させるための 画 像 を 挿 入 できます 4.3.1 画 像 の 形 式 画 像 にはさまざまな 形 式 (フォーマット)があります デジタルの 本 で 使 用 できる 主 な 形 式 は 以 下 の 2 つです (1)JPEG 形 式 主 として 写 真 などに 適 した 形 式 です デジタルカメラなどで 撮 影 した 写 真 はこの 形 式 です 拡 張 子 :jpg / jpe / jpeg / JPG / JPE /JPEG (2)PNG 形 式 主 としてイラストや 図 表 に 適 した 形 式 です JPEG 形 式 では 拡 大 すると にじんで 見 えることがあるのでカッチリとした 線 や 図 形 文 字 などがある 場 合 に 向 いてます 拡 張 子 :png / PNG 4.3.2 画 像 解 像 度 画 像 のサイズを 表 す 際 に 画 像 解 像 度 という 言 葉 が 使 われます 密 度 のことを 指 した り 総 画 素 数 ( 横 幅 のピクセル 数 高 さのピクセル 数 )のことを 指 すこともあります 重 要 なのは 画 像 の 横 幅 のピクセル 数 と 高 さのピクセル 数 です 4.3.3 画 像 のレイアウト デジタルの 本 では さまざまなサイズで 表 示 されるため 紙 の 本 と 同 様 なレイアウトに はできません 複 雑 なレイアウトを 追 及 するよりも 行 と 行 の 間 に 挿 入 するか 1 ページに 1 枚 だけ 表 示 するほうがいい 結 果 になります 10
4.4 禁 忌 行 と 行 の 間 に 挿 入 する 例 MS Word を 使 って 原 稿 を 書 くとき 印 刷 を 前 提 とするなら 問 題 ないことでも デジタル の 本 としては 大 変 な 問 題 になってしまうことがあります 4.4.1 改 行 でページを 送 るな ひたすら 改 行 を 入 れて ページを 送 ることはしてはなりません デジタルの 本 では 1 ペ ージに 表 示 される 行 数 文 字 数 は 一 定 ではありません 改 行 でページを 送 ると 意 図 しない 空 白 ページが 多 数 できてしまう 原 因 になってしまい ます 4.4.2 スペース( 空 白 )で 文 の 位 置 を 調 整 するな( 小 さなデバイスでの 不 都 合 ) 多 くのスペースを 入 れて 下 寄 せ 右 寄 せにするなどレイアウトの 調 整 をしてはなりませ ん デジタルの 本 では 1 行 の 文 字 数 は 一 定 ではありません スペースで 下 寄 せにすると 意 図 しない 場 所 に 表 示 される 原 因 になってしまいます 4.4.3 長 い 文 への 長 いルビ( 例 えば 15 文 字 以 上 の 文 に 対 してのルビ) 長 いルビは 避 けてください たとえば 文 章 に 対 して 別 の 意 味 を 表 示 するような 目 的 でつけたルビはうまく 表 示 されません 4.4.4 見 出 しも 改 ページもない 文 章 ( 表 示 が 遅 くなる) 長 編 の 場 合 には 必 ず 見 出 しをつけるか 内 容 の 区 切 りで 改 ページを 入 れるようにして ください 区 切 りのない 文 章 は 読 みにくいだけでなく リーダーで 表 示 する 際 に 動 作 が 遅 くなる 原 因 となります 11
5. 負 の 要 素 を 受 け 入 れる 5.1 できない だからこそ 考 える デジタルの 本 では 不 可 能 な 表 現 もたくさんあります 以 下 はその 例 です 1. 二 重 取 り 消 し 線 2. 割 注 割 注 の 例 (W3C 技 術 ノート 日 本 語 組 版 処 理 の 要 件 ( 日 本 語 版 ) より) 3. 鏡 文 字 ( 左 右 が 反 転 している 文 字 ) これらが 使 えないとなったら どうすればいいかを 考 えましょう 二 重 取 り 消 し 線 は 必 要 か? 代 替 の 方 法 で 対 処 できないか? 通 常 の 取 り 消 し 線 ではダメか? 割 注 は 括 弧 で 囲 んで 少 し 小 さく 表 示 することで 対 応 できないか? 鏡 文 字 は 本 当 に 必 要 な 表 現 か? ど うしても 必 要 なら 画 像 に 代 替 して 表 現 すればどうか? 紙 の 本 でしているように 全 く 同 じ にする ことがデジタルの 目 的 ではないです 観 点 を 変 えましょう 違 う 考 えに 立 ちまし ょう そもそも 違 うものです 紙 でできたレイアウトがなぜデジタルの 本 ではできないか? コンテンツを 表 示 するペ ージのサイズが 紙 では 一 定 なのに デジタルはまちまちだからです レイアウトなどない に 等 しいものだったのです レイアウトにこだわるよりも ここは 見 出 し ここは 引 用 のように 文 章 のパーツの 意 味 に 重 きをおいて 考 えることがデジタルでは 重 要 です 前 後 左 右 にどの 程 度 の 間 隔 を 空 けるのか 文 字 サイズを 変 えるのか などを 考 えるべきで す 装 飾 も 同 じです 好 き 放 題 色 を 付 けたりサイズを 変 えたりするのではなく ここは 強 調 ここは 注 記 のように 文 章 のパーツの 意 味 ごとに 統 一 した 見 え 方 にすべきです 12
5.2 全 ての 点 で 劣 っている だからどうした? 1. ショックな 言 い 方 ですね でもそのくらいの 気 持 ちでいてください 2. 紙 の 本 と 同 じレベルに 考 えるならば デジタルは 紙 の 本 に 及 ばない 3. 紙 では 普 通 のレイアウトだが 自 由 に 画 像 をページに 配 置 できない 4. 裏 を 返 せば 紙 の 本 でのレイアウトは 一 定 の 固 定 版 面 しか 存 在 しない 5. 紙 の 本 は 美 しい 書 体 が 自 由 だが デジタルの 本 では 極 力 制 限 される 6. 紙 の 本 ならほぼ 永 久 だが 誰 もデジタルの 本 が 永 久 だと 今 は 言 えない 7. けれどこれからの 時 代 紙 の 本 だけが 出 版 のすべてではありません 8. 紙 の 本 との 比 較 ではなく 新 しい 次 元 で 出 版 をこそ 考 えていくべき 9. あなた 自 身 が 新 奇 を 可 能 にするのだ ということに 挑 んでください 10. 古 い 価 値 観 での 見 劣 りなど 新 しい 価 値 観 との 比 較 にはなりません 11. 大 事 なのは 新 しい 時 代 に 新 しい 価 値 の 創 造 に 参 加 することなのです 5.3 何 でもできることではない 簡 単 だということでもない 1. やはり 粘 りと 忍 耐 手 間 を 惜 しんでは 何 ひとつとしてやり 通 せません 2. 仕 事 として やり 通 す 意 志 と 覚 悟 をもって 立 ち 向 かうべきことなのです 3. 安 価 だと 軽 く 考 えるべきことではないです 時 間 だって 大 切 なお 金 です 4. 実 際 のお 金 はかからなくても 注 ぐ 労 力 と 時 間 は 厳 然 と 使 われています 5. 何 ができるのか 目 的 にあった 必 要 とする 機 能 をまず 確 実 に 掴 まえます 6. 慣 れない 人 にとっては 説 明 の 用 語 の 理 解 も 容 易 ではないことでしょう 7. 自 力 で 理 解 するのが 難 しければ まずはサポートの 力 を 借 りるべきです 8. 基 本 的 な 手 法 を 掴 み 取 ることで 制 作 へ 取 り 組 む 積 極 性 が 格 段 に 増 します 5.4 どうしてあなたはデジタルにやってきたのか? 1. あなたがデジタルで 出 版 する 理 由 は 何 かをもう 一 度 振 り 返 ってください 2. デジタルを 手 段 とするほかあなたに 与 えられるチャンスはありましたか 3. 他 の 方 法 があなたに 残 されていたなら なぜその 方 法 を 選 ばなかったか 4. 他 に 方 法 がない 人 にとって デジタルは 大 きく 貢 献 できる 手 段 でしょう 5. 何 も 持 たない 人 全 てを 棄 てさった 人 にこそデジタルは 福 音 となります 6. 一 人 ぽっちの 孤 立 無 援 になった 時 人 はただ 黙 りこんでしまうものです 7. そんなあなたにデジタルの 出 版 は 手 を 差 し 伸 べる 機 会 をつくるはずです 8. 傷 ついてこそ 棄 てさってこそ 再 びトライする 機 会 がきっと 訪 れます 9. デジタルでつなぐ 人 の 心 こそ 新 しい 価 値 の 創 造 という 私 達 の 目 標 です 13