第 4 章 先 進 事 例 からみた 休 廃 校 施 設 利 活 用 の 手 法 効 果
第 4 章 先 進 事 例 からみた 休 廃 校 施 設 利 活 用 の 手 法 効 果 第 4 章 先 進 事 例 からみた 休 廃 校 施 設 利 活 用 の 手 法 効 果 1 休 廃 校 施 設 の 現 状 (1) 全 国 的 な 現 状 文 部 科 学 省 の 調 査 によれば 平 成 4 年 度 から 平 成 23 年 度 の 公 立 学 校 の 年 度 別 廃 校 数 は 平 成 16 年 度 に 500 校 を 超 え 平 成 23 年 度 は474 校 であった 毎 年 400~500 校 が 廃 校 となっている 現 状 がある 都 道 府 県 別 にみると 北 海 道 が 一 番 多 く 760 校 滋 賀 県 が 最 も 少 ない 32 校 であり 地 域 によっても 廃 校 数 に 大 きな 差 があることが 分 かる 休 校 等 ( 文 部 科 学 省 の 調 査 によると 調 査 基 準 日 において 在 学 者 がいない 学 校 ( 廃 校 を 除 く)をいう ) は 平 成 24 年 5 月 1 日 現 在 435 校 となっている 徳 島 高 知 と 四 国 地 方 で 休 校 等 が 多 い 状 況 にある なお 徳 島 県 内 では 廃 校 が 79 校 休 校 等 が67 校 であり 休 校 等 の 数 は 全 国 一 である 現 在 休 校 等 と なっている 学 校 に 児 童 生 徒 数 が 増 加 し 改 めて 学 校 として 利 用 することは 難 しいと 考 えられるため 休 校 等 の 学 校 については 廃 校 になっていく 可 能 性 が 極 めて 高 いということができる 700 600 500 400 300 200 100 0 校 11 42 136 高 等 学 校 中 学 校 小 学 校 189 155 12 43 100 160 122 図 表 4-1 公 立 学 校 の 年 度 別 廃 校 発 生 件 数 265 215 225 217 15 8 179 19 185 17 184 51 47 11 13 18 43 47 46 50 43 163 122 153 123 199 311 340 26 45 64 68 221 227 66 82 274 86 117 374 71 71 314 105 72 249 114 101 75 87 275 272 530 559 77 474 109 58 114 平 成 4 年 5 年 6 年 7 年 8 年 9 年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 19 年 20 年 21 年 22 年 23 年 422 577 456 426 464 460 88 333 368 93 323 資 料 : 文 部 科 学 省 廃 校 施 設 等 活 用 状 況 調 査 について 平 成 24 年 9 月 14 日 報 道 発 表 - 141 -
図 表 4-2 公 立 学 校 の 都 道 府 県 別 廃 校 発 生 件 数 ( 平 成 4 年 度 ~ 平 成 23 年 度 ) 0 100 200 300 400 500 600 700 800 北 海 道 東 京 新 潟 青 森 岩 手 熊 本 広 島 福 島 秋 田 大 分 山 形 兵 庫 長 崎 福 岡 和 歌 山 神 奈 川 島 根 京 都 高 知 山 口 愛 媛 大 阪 岐 阜 宮 城 石 川 鹿 児 島 栃 木 岡 山 奈 良 茨 城 三 重 群 馬 富 山 千 葉 静 岡 埼 玉 徳 島 鳥 取 山 梨 宮 崎 愛 知 長 野 香 川 福 井 佐 賀 沖 縄 滋 賀 303 277 253 246 221 190 184 183 181 169 157 146 137 133 132 132 128 125 124 123 123 121 120 118 111 109 109 106 105 96 95 94 87 84 79 78 76 74 72 71 60 44 42 35 32 389 760 小 学 校 中 学 校 高 等 学 校 等 資 料 : 文 部 科 学 省 廃 校 施 設 等 活 用 状 況 調 査 について 平 成 24 年 9 月 14 日 報 道 発 表 - 142 -
第 4 章 先 進 事 例 からみた 休 廃 校 施 設 利 活 用 の 手 法 効 果 図 表 4-3 公 立 学 校 の 都 道 府 県 別 休 校 等 数 ( 平 成 24 年 5 月 1 日 現 在 ) 0 10 20 30 40 50 60 70 徳 島 高 知 山 口 三 重 広 島 鹿 児 島 山 形 大 分 和 歌 山 京 都 岡 山 愛 媛 香 川 福 井 北 海 道 熊 本 宮 崎 奈 良 宮 城 長 崎 鳥 取 滋 賀 長 野 山 梨 埼 玉 石 川 兵 庫 富 山 新 潟 福 島 福 岡 静 岡 群 馬 岩 手 沖 縄 佐 賀 島 根 大 阪 千 葉 愛 知 岐 阜 神 奈 川 東 京 栃 木 茨 城 秋 田 青 森 5 5 4 4 4 4 4 4 3 3 3 3 3 2 2 2 1 1 1 1 1 2 13 12 12 10 10 9 8 7 19 18 23 23 27 27 33 55 小 学 校 中 学 校 特 別 支 援 学 校 67 資 料 : 文 部 科 学 省 廃 校 施 設 等 活 用 状 況 調 査 について 平 成 24 年 9 月 14 日 報 道 発 表 - 143 -
(2) 廃 校 施 設 の 活 用 状 況 廃 校 になった 4,709 校 のうち 建 物 が 残 っているのが4,222 校 である 建 物 がある 4,222 校 のうち2,963 校 が 活 用 されている 学 校 はもともと 地 域 の 拠 点 であることから その 地 域 にあった 活 用 を 図 っているケースも 多 い しかしながら 活 用 されていない1,259 校 のうち 1,000 校 で 利 用 予 定 がないという 状 況 である 図 表 4-4 廃 校 施 設 の 活 用 動 向 校 5,000 4,709 なし 487(10.3%) 4,222 4,000 3,000 活 用 2,963(70.2%) 2,000 あり 4,222(89.7%) 1,259 1,000 未 活 用 1,259(29.8%) あり 259(20.6%) なし 1,000(79.4%) 0 建 物 現 存 の 有 無 建 物 現 存 校 あり の 活 用 実 態 未 活 用 施 設 の 今 後 の 活 用 予 定 資 料 : 文 部 科 学 省 廃 校 施 設 等 活 用 状 況 調 査 について 平 成 24 年 9 月 14 日 報 道 発 表 - 144 -
第 4 章 先 進 事 例 からみた 休 廃 校 施 設 利 活 用 の 手 法 効 果 (3) 休 校 施 設 の 活 用 状 況 休 校 等 435 校 のうち7 割 弱 が 活 用 されている 図 表 4-5 休 校 等 の 活 用 実 態 未 活 用 155 校 35.6% 活 用 280 校 64.4% 資 料 : 文 部 科 学 省 廃 校 施 設 等 活 用 状 況 調 査 について 平 成 24 年 9 月 14 日 報 道 発 表 (4) 廃 校 後 現 存 する 建 物 の 主 な 活 用 用 途 既 存 の 学 校 施 設 である 体 育 館 やグランドを 利 用 した 社 会 体 育 施 設 や 教 室 等 を 利 用 する 公 民 館 資 料 館 等 として 活 用 する 割 合 が 高 くなっている 福 祉 施 設 体 験 交 流 施 設 などは 既 存 の 学 校 施 設 のまま 活 用 すると 使 い 勝 手 がよくない 部 分 もでてくることから 改 修 工 事 等 が 必 要 になることも 多 く 社 会 体 育 施 設 等 に 比 べてそのような 活 用 は 少 ないことが 分 かる 図 表 4-6 廃 校 後 現 存 する 建 物 の 主 な 活 用 用 途 ( 平 成 23 年 度 ) 900 校 802 754 600 300 0 社 会 体 育 施 設 資 公 料 民 館 館 等 337 医 福 療 祉 施 施 設 設 等 300 291 体 験 交 流 施 設 等 庁 舎 等 181 そ 企 の 業 他 法 創 人 業 施 支 設 援 等 施 設 32 25 住 大 宅 学 施 設 資 料 : 文 部 科 学 省 廃 校 施 設 等 活 用 状 況 調 査 について 平 成 24 年 9 月 14 日 報 道 発 表 を 基 に 作 成 - 145 -
2 休 廃 校 施 設 に 対 する 国 県 の 取 組 動 向 (1) 文 部 科 学 省 の 取 組 近 年 の 少 子 化 に 伴 う 児 童 生 徒 数 の 減 少 等 による 学 校 統 合 の 進 展 により 廃 校 施 設 等 が 増 加 している 学 校 施 設 は 国 庫 補 助 金 等 の 多 額 の 補 助 を 受 けて 整 備 した 施 設 であり 地 域 住 民 にとってももっと も 身 近 な 公 共 施 設 であることから 廃 校 となった 後 も 積 極 的 に 活 用 していくことが 求 められている 原 則 として 国 庫 補 助 等 を 受 けて 整 備 した 建 物 等 を 学 校 以 外 に 転 用 したり 売 却 する 場 合 は 補 助 金 相 当 額 の 国 庫 納 付 などにより 文 部 科 学 大 臣 の 承 認 を 得 るための 財 産 処 分 手 続 が 必 要 である 文 部 科 学 省 では 廃 校 施 設 等 の 積 極 的 な 活 用 を 進 めるために 廃 校 施 設 等 の 転 用 に 際 して 手 続 きの 弾 力 化 簡 素 化 を 図 っている 現 在 は 従 来 の 取 扱 いを 改 正 し 公 立 学 校 施 設 整 備 費 補 助 金 等 に 係 る 財 産 処 分 の 承 認 等 について ( 平 成 20 年 6 月 18 日 付 け 20 文 科 施 第 122 号 文 部 科 学 省 大 臣 官 房 文 教 施 設 企 画 部 長 通 知 )により 更 なる 国 庫 納 付 金 免 除 範 囲 の 抜 本 的 な 拡 大 及 び 手 続 きの 簡 素 化 を 図 り ほ とんどの 場 合 において 国 庫 納 付 金 を 不 要 としている 例 えば 国 庫 補 助 事 業 完 了 後 10 年 以 上 経 過 し た 建 物 を 無 償 による 財 産 処 分 ( 転 用 貸 与 譲 与 取 壊 し)の 場 合 は 相 手 先 を 問 わず 国 庫 納 付 金 が 不 要 となった またこのような 廃 校 施 設 の 活 用 に 関 する 課 題 の 解 消 を 図 るため 未 来 につなごう みんなの 廃 校 プロジェクト を 立 ち 上 げ 廃 校 施 設 の 活 用 に 係 る 情 報 を 文 部 科 学 省 にて 集 約 し ホームページに 公 表 をしたり 廃 校 施 設 活 用 に 当 たっての 国 庫 補 助 等 の 制 度 を 紹 介 している 図 表 4-7 公 立 学 校 施 設 整 備 費 補 助 金 等 に 係 る 財 産 処 分 手 続 きの 概 要 資 料 : 文 部 科 学 省 - 146 -
第 4 章 先 進 事 例 からみた 休 廃 校 施 設 利 活 用 の 手 法 効 果 図 表 4-8 転 用 施 設 の 改 修 に 対 する 補 助 等 ( 平 成 25 年 5 月 現 在 ) 区 分 所 管 官 庁 事 業 名 対 象 となる 転 用 施 設 等 ( 独 ) 日 本 スポーツ 振 興 スポーツ 振 興 くじ 文 部 科 学 省 センタースポーツ 振 興 事 業 部 助 成 課 (toto) 助 成 ( 地 域 ス ポーツ 施 設 整 備 助 成 ) 地 域 スポーツ 施 設 文 化 庁 厚 生 労 働 省 農 林 水 産 省 文 化 財 部 記 念 物 課 管 理 係 老 健 局 高 齢 者 支 援 課 雇 用 均 等 児 童 家 庭 局 総 務 課 ( 児 童 福 祉 ) 雇 用 均 等 児 童 家 庭 局 総 務 課 ( 児 童 福 祉 ) 雇 用 均 等 児 童 家 庭 局 育 成 環 境 課 社 会 援 護 局 障 害 保 健 福 祉 部 障 害 福 祉 課 農 村 振 興 局 整 備 部 農 村 整 備 官 農 村 振 興 局 農 村 政 策 部 都 市 農 村 交 流 課 農 村 振 興 局 都 市 農 村 交 流 課 都 市 農 業 室 林 野 庁 林 政 部 木 材 利 用 課 総 務 省 国 土 交 通 省 経 済 産 業 省 資 源 エネルギー 庁 文 部 科 学 省 自 治 行 政 局 過 疎 対 策 室 自 治 行 政 局 市 町 村 課 都 市 局 市 街 地 整 備 課 住 宅 局 住 宅 総 合 整 備 課 住 環 境 整 備 室 国 土 政 策 局 地 方 振 興 課 経 済 産 業 政 策 局 地 域 経 済 産 業 グループ 産 業 施 設 課 電 力 ガス 事 業 部 電 力 基 盤 整 備 課 電 源 地 域 整 備 室 研 究 開 発 局 原 子 力 課 立 地 地 域 対 策 室 内 閣 府 地 域 活 性 化 推 進 室 資 料 : 文 部 科 学 省 地 域 の 特 性 を 活 かし た 史 跡 等 総 合 活 用 支 援 推 進 事 業 ( 国 宝 重 要 文 化 財 等 保 存 整 備 費 補 助 金 ) 地 域 介 護 福 祉 空 間 整 備 等 交 付 金 ( 介 護 基 盤 緊 急 整 備 等 臨 時 特 例 基 金 ) 次 世 代 育 成 支 援 対 策 施 設 整 備 交 付 金 子 育 て 支 援 対 策 臨 時 特 例 交 付 金 ( 安 心 こども 基 金 ) 放 課 後 子 ども 環 境 整 備 事 業 社 会 福 祉 施 設 等 施 設 整 備 費 補 助 金 農 山 漁 村 活 性 化 プロ ジェクト 支 援 交 付 金 都 市 農 村 共 生 対 流 総 合 対 策 交 付 金 農 のある 暮 らしづ くり 交 付 金 森 林 林 業 再 生 基 盤 づ くり 交 付 金 ( 木 造 公 共 建 築 物 等 の 整 備 ) 過 疎 地 域 等 自 立 活 性 化 推 進 交 付 金 市 町 村 合 併 推 進 体 制 整 備 費 補 助 金 社 会 資 本 整 備 総 合 交 付 金 ( 都 市 再 生 整 備 計 画 事 業 ) 社 会 資 本 整 備 総 合 交 付 金 ( 空 き 家 再 生 等 推 進 事 業 ) 集 落 活 性 化 推 進 事 業 成 長 産 業 企 業 立 地 促 進 等 施 設 整 備 費 補 助 事 業 電 源 立 地 地 域 対 策 交 付 金 地 域 再 生 事 業 におけ る 地 方 債 の 特 例 - 147 - 史 跡 等 のガイダンス 施 設 埋 蔵 文 化 財 センター 老 人 福 祉 施 設 等 児 童 福 祉 施 設 等 ( 保 育 所 子 育 て 支 援 のための 拠 点 施 設 を 除 く) 私 立 保 育 所 子 育 て 支 援 のための 拠 点 施 設 放 課 後 児 童 クラブ 放 課 後 児 童 クラブ 障 害 者 施 設 等 都 市 と 農 村 の 交 流 拠 点 施 設 山 村 都 市 交 流 促 進 のための 自 然 体 験 学 習 農 業 体 験 学 習 等 の 拠 点 となる 滞 在 型 活 動 施 設 農 山 漁 村 の 持 つ 豊 かな 自 然 や 食 を 観 光 教 育 健 康 等 に 活 用 する 地 域 の 手 づくり 活 動 に 必 要 な 拠 点 施 設 ( 農 産 物 直 売 施 設 体 験 学 習 農 園 福 祉 農 園 移 住 定 住 促 進 施 設 等 ) 介 護 福 祉 農 園 等 の 附 帯 施 設 ( 事 務 室 休 憩 室 ) 滞 在 型 市 民 農 園 の 休 憩 ( 簡 易 宿 泊 ) 施 設 農 産 物 処 理 加 工 施 設 人 材 育 成 施 設 等 交 流 施 設 等 の 公 共 施 設 地 域 間 交 流 地 域 振 興 を 図 るための 生 産 加 工 施 設 資 料 展 示 施 設 教 育 文 化 施 設 地 域 芸 能 文 化 体 験 施 設 等 ( 過 疎 地 域 遊 休 施 設 再 整 備 事 業 においては 過 疎 地 域 の 廃 校 舎 等 の 遊 休 施 設 を 改 修 する 費 用 が 対 象 ) 旧 合 併 特 例 法 第 5 条 に 規 定 する 市 町 村 建 設 計 画 に 基 づき 実 施 する 事 業 都 市 再 生 整 備 計 画 に 位 置 付 けられたまちづくりに 必 要 な 施 設 宿 泊 施 設 交 流 施 設 体 験 学 習 施 設 創 作 活 動 施 設 文 化 施 設 等 既 存 公 共 施 設 を 再 編 し ワンストップサービスの 実 現 やサービスコストの 低 減 を 図 る 事 業 に 必 要 な 施 設 整 備 企 業 立 地 促 進 法 により 国 の 同 意 を 得 た 基 本 計 画 の 対 象 区 域 内 で 当 該 計 画 に 基 づいて 成 長 産 業 におけ る 企 業 立 地 産 業 集 積 形 成 のために 整 備 される 貸 工 場 貸 事 業 場 電 源 立 地 地 域 における 地 域 住 民 の 福 祉 の 向 上 に 資 するものとして 必 要 と 認 められる 公 共 用 施 設 施 設 の 統 廃 合 等 により 不 要 となった 公 共 施 設 又 は 公 用 施 設 で 特 定 政 策 課 題 の 解 決 に 資 する 当 該 施 設 の 除 却 事 業 ( 除 却 のみでも 国 庫 補 助 金 の 対 象 とな る 事 業 )について 地 方 債 の 起 債 対 象 とする
(2) 徳 島 県 内 の 取 組 徳 島 県 内 では 図 表 4-9にあげたような 休 廃 校 施 設 を 利 活 用 した 取 組 がある 図 表 4-9 徳 島 県 内 の 休 廃 校 施 設 の 利 活 用 の 取 組 動 向 廃 校 の 活 用 方 策 の 公 募 ( 三 好 市 ) ホームページで 休 廃 校 施 設 の 情 報 の 公 表 活 用 方 法 利 用 者 などを 広 く 募 集 東 みよし 町 徳 島 市 美 馬 市 三 好 市 勝 浦 町 上 勝 町 いやしの 里 増 川 笑 楽 耕 ( 東 みよし 町 ) 山 の 楽 校 自 然 の 宿 あさひ ( 上 勝 町 ) 上 勝 町 営 複 合 住 宅 ( 上 勝 町 ) ふれあいの 里 さかもと ( 勝 浦 町 ) 農 山 村 体 験 宿 泊 施 設 に 転 用 自 然 体 験 合 宿 のできる 宿 泊 施 設 に 転 用 落 合 複 合 住 宅 として 町 営 の 賃 貸 住 宅 に 転 用 農 村 体 験 宿 泊 施 設 に 転 用 地 域 住 民 組 織 で 運 営 - 148 -
第 4 章 先 進 事 例 からみた 休 廃 校 施 設 利 活 用 の 手 法 効 果 3 休 廃 校 施 設 の 利 活 用 に 係 る 取 組 動 向 (1) 活 用 事 例 の 分 析 ( 一 財 ) 都 市 農 山 漁 村 交 流 活 性 化 機 構 (まちむら 交 流 きこう)( 以 下 同 機 構 )では 廃 校 活 用 に 向 けた 情 報 提 供 と 普 及 促 進 を 図 ることを 目 的 に 平 成 23~24 年 度 にかけ 全 国 廃 校 活 用 セミナーを 全 国 各 地 で 開 催 し 事 例 報 告 の 基 礎 資 料 ( 以 下 事 例 報 告 概 要 書 )を 取 りまとめている 本 節 では 事 例 報 告 概 要 書 から 廃 校 施 設 の 利 活 用 に 係 る 取 組 動 向 を 整 理 する なお 全 国 的 な 動 向 としては 前 述 の 文 部 科 学 省 の 資 料 である 図 表 4-6 廃 校 後 現 存 する 建 物 の 主 な 活 用 用 途 ( 平 成 23 年 度 ) において 社 会 体 育 施 設 や 公 民 館 資 料 館 等 の 活 用 が 多 いという 状 況 であるが 同 機 構 作 成 による 事 例 報 告 概 要 書 では グリーン ツーリズムや 都 市 農 村 交 流 を 基 調 とする 事 例 を 主 として 整 理 していることから 体 験 交 流 施 設 が 多 い 傾 向 にある 点 には 留 意 されたい ア 活 用 タイプ 活 用 タイプをみてみると 交 流 施 設 38 校 (76.0%) 文 化 施 設 10 校 (20.0%) 教 育 施 設 と 製 造 施 設 が 各 1 校 (2.0%)ずつであり 全 体 の4 分 の3を 交 流 施 設 と 図 表 4-10 廃 校 施 設 の 活 用 タイプ 教 育 施 設 1 校 2.0% 製 造 施 設 1 校 2.0% して 利 用 している 交 流 施 設 では 自 然 体 験 をはじめ 様 々な 事 業 を 展 開 し ている 交 流 施 設 の 多 くは 宿 泊 機 能 も 有 しており 学 校 に 宿 泊 するというなかなか 体 験 できない 魅 力 を 感 じ 文 化 施 設 10 校 20.0% ることができ 利 用 者 が 多 く 成 功 している 事 例 もある ( 注 1) 交 流 施 設 ( 主 に 体 験 学 習 等 を 行 う 施 設 ) 文 化 施 設 ( 主 に 作 品 の 展 示 や 製 作 を 行 う 施 設 ) 教 育 施 設 ( 大 学 などの 教 育 の 場 を 提 供 する 施 設 ) 製 造 施 設 ( 特 産 品 の 製 造 施 設 ) ( 注 2) 活 用 タイプは 事 例 報 告 概 要 書 を 基 に 地 方 自 治 研 究 機 構 にお いて 分 類 したものである 交 流 施 設 38 校 76.0% イ 開 設 主 体 開 設 主 体 では 自 治 体 29 校 (58.0%) 自 治 体 以 外 図 表 4-11 開 設 主 体 21 校 (42.0%)であり 自 治 体 が 開 設 主 体 となった 施 設 がやや 多 い しかしながら 自 治 体 以 外 が 開 設 した ものも 約 4 割 あるという 状 況 である 学 校 施 設 はもともと 自 治 体 が 所 有 していたものであ るが その 利 活 用 においては 必 ずしも 自 治 体 主 導 で ないことが 分 かる 自 治 体 以 外 21 校 42.0% 自 治 体 29 校 58.0% - 149 -
ウ 運 営 主 体 運 営 主 体 では 自 治 体 4 校 (8.0%) 自 治 体 以 外 4 6 校 (92.0%)であり 自 治 体 以 外 が9 割 以 上 を 占 め ている 自 治 体 で 開 設 してもその 後 の 運 営 の 多 くは 自 治 体 の 手 を 離 れているということができる 自 治 体 以 外 の 運 営 主 体 の 内 訳 としては NPO 法 人 自 治 会 地 域 協 議 会 等 の 地 元 の 方 を 中 心 に 組 織 された 団 体 以 外 や 民 間 企 業 や 大 学 等 があり 多 様 な 運 営 主 体 が 廃 校 の 利 活 用 をしている 図 表 4-12 運 営 主 体 自 治 体 4 校 8.0% 自 治 体 以 外 46 校 92.0% エ 運 営 形 態 運 営 形 態 では 借 受 け27 校 (60.0%) 指 定 管 理 17 校 (37.8%) 管 理 委 託 1 校 (2.2%)であり 最 も 多 いのは 借 受 け である 指 定 管 理 の 形 態 をとっている 施 設 もあり これは 地 域 に 応 じた 施 設 の 運 営 側 と 自 治 体 との 関 係 で 異 なって くると 考 えられる 廃 校 を 利 活 用 するに 際 しては その 施 設 を 継 続 的 に 運 営 していくことができる 運 営 形 態 としていくことも 求 められている 図 表 4-13 運 営 形 態 借 受 け 27 校 60.0% 管 理 委 託 1 校 2.2% 指 定 管 理 17 校 37.8% オ 廃 校 から 利 活 用 開 始 までの 期 間 廃 校 から 利 用 開 始 までの 期 間 では 3 年 以 内 31 校 (62.0%) 4~5 年 以 内 12 校 (24.0%) 6~10 年 以 内 3 校 (6.0%) 11 年 以 上 4 校 (8.0%)であり 3 年 以 内 に 利 用 を 開 始 している 施 設 が6 割 を 超 える 活 用 用 途 によっては 改 修 工 事 等 も 必 要 になってくる ことから このような 点 も 含 めて 学 校 が 廃 校 になる 前 から 廃 校 施 設 の 利 活 用 用 途 を 検 討 していくことで 早 期 利 活 用 開 始 に 結 びついている 図 表 4-14 廃 校 から 利 用 開 始 までの 期 間 6~10 年 以 内 3 校 6.0% 4~5 年 以 内 12 校 24.0% 11 年 以 上 4 校 8.0% 3 年 以 内 31 校 62.0% - 150 -
第 4 章 先 進 事 例 からみた 休 廃 校 施 設 利 活 用 の 手 法 効 果 カ 施 設 構 造 施 設 構 造 では 木 造 26 校 (52.0%) RC 造 19 校 (38.0%) RC 造 木 造 3 校 (6.0%) 木 造 鉄 骨 造 2 校 (4.0%)であり 木 造 が 一 番 多 い 木 造 26 校 の 内 訳 を 活 用 タイプでみてみると 交 流 施 設 21 校 文 化 施 設 5 校 であり それぞれの 活 用 タイプの 半 分 以 上 が 木 造 構 造 である また 木 造 26 校 の 内 訳 を 施 設 階 層 でみてみると 平 屋 14 校 2 階 12 校 であり 木 造 の 場 合 平 屋 が 多 い 傾 向 にある 図 表 4-15 施 設 構 造 RC 造 木 造 3 校 6.0% 木 造 鉄 骨 造 2 校 4.0% 木 造 26 校 52.0% RC 造 19 校 38.0% キ 施 設 階 層 施 設 階 層 では 2 階 24 校 (48.0%) 平 屋 18 校 (36.0%) 3 階 8 校 (16.0%)であり 2 階 建 ての 学 校 がおよそ 半 分 を 占 めている 活 用 タイプにより 必 要 な 階 層 は 異 なるものの3 階 ま である 大 規 模 な 施 設 の 数 は 多 くない 施 設 面 積 との 関 連 にもなるが 大 規 模 な 施 設 ほど 維 持 管 理 に 手 間 がか かると 考 えられる 3 階 建 て8 校 の 施 設 構 造 は8 校 ともRC 造 で 活 用 タイ プは 交 流 施 設 7 校 文 化 施 設 1 校 となっている 図 表 4-16 施 設 階 層 3 階 8 校 16.0% 2 階 24 校 48.0% 平 屋 18 校 36.0% ク 施 設 面 積 施 設 面 積 では 1,000m2 以 下 27 校 (56.3%) 2,000 m2 以 下 18 校 (37.5%) 2,000m2 以 上 3 校 (6.3%)で あり 1,000 m2 以 下 の 小 規 模 施 設 が5 割 である 施 設 面 積 の 最 高 値 は2,147m2 最 低 値 は200m2 平 均 値 は1,003 m2であった 2,000 m2 以 上 の3 校 の 活 用 タイプは 交 流 施 設 1 校 文 化 施 設 2 校 であり 大 規 模 施 設 を 活 用 した 文 化 活 動 を 行 っている 図 表 4-17 施 設 面 積 2,000m2 以 下 18 校 37.5% 2,000m2 以 上 3 校 6.3% 1,000m2 以 下 27 校 56.3% ( 注 ) 施 設 面 積 には 活 用 後 新 築 したものも 含 む - 151 -
ケ 改 修 費 用 改 修 費 用 では 100 万 円 以 内 2 校 (4.3%) 1,000 万 円 以 内 10 校 (21.7%) 1 億 円 以 内 21 校 (45.7%) 1 億 円 以 上 13 校 (28.3%)であり 最 高 値 が3 億 7,377 万 9,000 円 最 低 値 が 61 万 円 平 均 値 が 7,469 万 8,000 円 であった 改 修 費 用 が 大 きな 負 担 となり 利 活 用 が 進 まないとい う 事 態 も 想 定 できるが 各 種 補 助 金 等 を 活 用 して 利 活 用 を 進 めている 事 例 をみることができる 改 修 費 用 1 億 円 以 上 の13 校 の 活 用 タイプは 交 流 施 設 12 校 文 化 施 設 1 校 で 交 流 施 設 への 改 修 費 用 がかかっている 図 表 4-18 改 修 費 用 1 億 円 以 上 13 校 28.3% 100 万 円 以 内 2 校 4.3% 1,000 万 円 以 内 10 校 21.7% 1 億 円 以 内 21 校 45.7% ( 注 ) 改 修 費 用 には 新 築 したものも 含 む コ 施 設 整 備 費 負 担 者 施 設 整 備 費 負 担 者 では 自 治 体 33 校 (66.0%) 自 治 体 以 外 17 校 (34.0%)であり 施 設 整 備 に 当 たって は6 割 以 上 の 施 設 で 自 治 体 が 負 担 している 施 設 整 備 に 際 しては 補 助 金 等 のメニューも 多 数 あることから 自 治 体 と 連 携 を 密 にしていくことも 重 要 であると 考 え られる 自 治 体 以 外 においては 運 営 の 中 で 資 金 を 集 め 新 た な 建 物 を 新 築 するケースもある 図 表 4-19 施 設 整 備 負 担 者 自 治 体 以 外 17 34.0% 自 治 体 33 66.0% ( 注 ) 自 治 体 と 自 治 体 以 外 の 両 方 が 出 資 している 場 合 それぞれ 1と 数 える (2) まとめ 50 事 例 を 分 析 したところ 自 治 体 が 施 設 を 開 設 しても 自 治 体 以 外 に 運 営 が 移 っていく 場 合 が 多 い ことが 分 かった そのため 自 治 体 だけで 利 活 用 方 策 の 知 恵 を 絞 るのではなく 運 営 まで 見 据 えて 地 域 住 民 等 を 巻 き 込 むことが 重 要 である 利 活 用 のための 施 設 整 備 に 当 たっては 補 助 金 等 を 利 用 したと しても 多 大 な 費 用 がかかることから 自 治 体 の 財 源 も 基 盤 にすることで 施 設 整 備 が 進 むのではないだ ろうか そして いくら 施 設 を 整 備 しても 利 用 したいというニーズがないと 本 末 転 倒 となるため き ちんと 利 用 意 向 を 把 握 するとともに 継 続 的 な 施 設 の 維 持 運 営 ができる 仕 組 みづくりが 求 められる - 152 -
第 4 章 先 進 事 例 からみた 休 廃 校 施 設 利 活 用 の 手 法 効 果 図 表 4-20 2012&2013 全 国 廃 校 活 用 セミナー 事 例 報 告 概 要 書 掲 載 50 事 例 区 分 施 設 名 県 市 町 村 活 用 タイプ 1 大 野 ESD 自 然 学 校 鹿 児 島 県 垂 水 市 交 流 施 設 2 子 どもの 森 森 の 学 舎 宮 崎 県 門 川 町 交 流 施 設 3 やかた 田 舎 の 学 校 大 分 県 中 津 市 交 流 施 設 4 五 島 列 島 ファンクラブ 半 泊 分 校 長 崎 県 五 島 市 交 流 施 設 5 山 里 の 美 術 館 共 星 の 里 福 岡 県 朝 倉 市 文 化 施 設 6 きくちふるさと 水 源 交 流 館 熊 本 県 菊 池 市 交 流 施 設 7 青 海 島 共 和 国 山 ロ 県 長 門 市 交 流 施 設 8 ほしはら 山 のがっこう 広 島 県 三 次 市 交 流 施 設 9 アーク&クラフツビレッジ 岡 山 県 美 咲 町 文 化 施 設 10 農 家 食 堂 上 代 学 校 鳥 取 県 伯 書 町 製 造 販 売 11 エコビレッジかきのきむら 島 根 県 吉 賀 町 交 流 施 設 12 石 鎚 ふれあいの 里 愛 媛 県 西 条 市 交 流 施 設 13 かがわ ものづくり 学 校 香 川 県 綾 川 町 文 化 施 設 14 ふれあいの 里 さかもと 徳 島 県 勝 浦 町 交 流 施 設 15 農 村 交 流 施 設 森 の 巣 箱 高 知 県 津 野 町 交 流 施 設 16 西 土 佐 環 境 文 化 センター 四 万 十 楽 舎 高 知 県 四 万 十 市 交 流 施 設 17 伊 吹 山 文 化 資 料 館 滋 賀 県 米 原 市 文 化 施 設 18 旧 大 森 小 学 校 三 原 谷 の 川 の 風 まつり 兵 庫 県 豊 岡 市 文 化 施 設 19 ふるさと 元 気 村 奈 良 県 宇 陀 市 文 化 施 設 20 秋 津 野 ガルテン 和 歌 山 県 田 辺 市 交 流 施 設 21 綾 部 市 里 山 交 流 研 修 センター 京 都 府 綾 部 市 交 流 施 設 22 岡 崎 市 ホタル 学 校 愛 知 県 岡 崎 市 交 流 施 設 23 野 原 工 房 げんき 村 三 重 県 大 紀 町 交 流 施 設 24 大 杉 谷 自 然 学 校 三 重 県 大 台 町 交 流 施 設 25 旧 木 沢 小 学 校 長 野 県 飯 田 市 交 流 施 設 26 島 田 市 山 村 都 市 交 流 センターささま 静 岡 県 島 田 市 交 流 施 設 27 ラーニングアーバー 横 蔵 岐 阜 県 揖 斐 川 町 交 流 施 設 28 鉢 & 田 島 征 三 絵 本 と 木 の 実 の 美 術 館 新 潟 県 十 日 町 市 文 化 施 設 29 能 登 半 島 里 山 里 海 自 然 学 校 ( 金 沢 大 学 能 登 楽 舎 ) 石 川 県 珠 洲 市 交 流 施 設 30 ふるさと 体 験 村 四 季 の 丘 石 川 県 穴 水 町 交 流 施 設 31 旧 小 羽 小 学 校 富 山 県 富 山 市 交 流 施 設 32 ふくい 森 の 子 自 然 学 校 福 井 県 福 井 市 交 流 施 設 33 宿 泊 体 験 交 流 施 設 月 影 の 郷 新 潟 県 上 越 市 交 流 施 設 34 牧 郷 ラボ 神 奈 川 県 相 模 原 市 文 化 施 設 35 多 摩 川 源 流 大 学 ( 小 菅 キャンパス) 山 梨 県 小 菅 村 教 育 施 設 36 石 岡 市 体 験 型 観 光 施 設 朝 日 里 山 学 校 茨 城 県 石 岡 市 交 流 施 設 37 昭 和 ふるさと 村 栃 木 県 茂 木 町 交 流 施 設 38 星 ふる 学 校 くまの 木 栃 木 県 塩 谷 町 交 流 施 設 39 自 然 の 宿 くすの 木 千 葉 県 南 房 総 市 交 流 施 設 40 王 余 魚 沢 倶 楽 部 青 森 県 青 森 市 文 化 施 設 41 四 季 の 学 校 谷 ロ 谷 ロがっこそば 山 形 県 金 山 町 交 流 施 設 42 学 校 の 宿 希 望 の 丘 岩 手 県 八 幡 平 市 交 流 施 設 43 白 神 自 然 学 校 一 ツ 森 学 校 青 森 県 鯵 ヶ 沢 町 交 流 施 設 44 りょうぜん 里 山 がっこう 福 島 県 伊 達 市 交 流 施 設 45 校 舎 の 宿 さんさん 館 宮 城 県 南 三 陸 町 交 流 施 設 46 飛 生 アートコミュニティー 北 海 道 白 老 町 文 化 施 設 47 松 前 町 交 流 の 里 づくり 館 北 海 道 松 前 町 交 流 施 設 48 黒 松 内 ぶなの 森 自 然 学 校 北 海 道 黒 松 内 町 交 流 施 設 49 登 別 市 ネイチャーセンターふおれすと 鉱 山 北 海 道 登 別 市 交 流 施 設 50 雨 煙 別 小 学 校 コカ コーラ 環 境 ハウス 北 海 道 栗 山 町 交 流 施 設 ( 注 ) 活 用 タイプは 事 例 報 告 概 要 書 を 基 に 地 方 自 治 研 究 機 構 において 分 類 したもの 資 料 : 一 般 財 団 法 人 都 市 農 村 交 流 活 性 化 機 構 2012&2013 全 国 廃 校 活 用 セミナー 事 例 報 告 概 要 書 - 153 -
4 先 進 事 例 地 における 休 廃 校 利 活 用 の 手 法 効 果 (1) 事 例 調 査 の 概 要 ア 調 査 の 目 的 廃 校 施 設 を 利 活 用 している 先 進 自 治 体 を 調 査 対 象 とした 平 成 25 年 度 以 降 美 馬 市 内 の 学 校 施 設 の 利 活 用 の 展 望 にも 資 する 事 例 調 査 とする 観 点 から 主 に 多 目 的 施 設 として 利 活 用 している 団 体 を 選 定 した イ 調 査 対 象 団 体 ( 所 管 課 ) 及 び 調 査 日 程 下 記 団 体 を 選 定 し 担 当 者 へのヒアリング 調 査 意 見 交 換 等 を 実 施 した 視 察 及 び 施 設 管 理 をして いる NPO 等 のヒアリングも 実 施 した 図 表 4-21 調 査 対 象 団 体 及 び 調 査 日 程 調 査 対 象 団 体 所 管 課 管 理 団 体 調 査 日 みらい 館 大 明 ( 東 京 都 豊 島 区 ) にしすがも 創 造 舎 ( 東 京 都 豊 島 区 ) 複 合 施 設 ふれんど 平 尾 ( 東 京 都 稲 城 市 ) 募 集 による 廃 校 利 用 ( 香 川 県 まんのう 町 ) 文 化 商 工 部 学 習 スポーツ 課 NPO 法 人 いけぶくろ 大 明 文 化 商 工 部 文 化 デザイン 課 NPO 法 人 アートネットワーク ジャパン NPO 法 人 芸 術 家 と 子 どもたち 総 務 課 企 画 政 策 課 平 成 25 年 12 月 18 日 平 成 25 年 12 月 26 日 平 成 26 年 1 月 23 日 平 成 26 年 1 月 24 日 ウ 調 査 項 目 これまでの 経 緯 現 在 の 利 用 状 況 - 154 -
第 4 章 先 進 事 例 からみた 休 廃 校 施 設 利 活 用 の 手 法 効 果 事 例 1 みらい 館 大 明 豊 島 区 ( 東 京 都 ) 団 体 の 概 要 人 口 271,643 人 ( 平 成 26 年 1 月 1 日 現 在 ) 面 積 13.01k m2 豊 島 区 東 京 都 取 組 の 経 緯 千 代 田 区 平 成 9 年 1 月 に 豊 島 区 立 小 中 学 校 の 適 正 化 第 一 次 整 備 計 画 に 基 づき 大 明 小 学 校 の 閉 校 が 決 定 平 成 15 年 7 月 に 大 明 廃 校 後 の 施 設 を 考 える 会 が 豊 島 区 議 会 へ 大 明 小 学 校 跡 の 施 設 活 用 についての 請 願 を 提 出 し 採 択 される 平 成 16 年 12 月 地 域 住 民 による 大 明 小 学 校 跡 施 設 検 討 組 織 発 足 準 備 会 を 組 織 し その 後 計 8 回 の 協 議 会 を 実 施 その 後 平 成 17 年 3 月 に 大 明 小 学 校 が 閉 校 となる 平 成 17 年 4 月 に 大 明 小 学 校 跡 施 設 活 用 協 議 会 検 討 報 告 会 にて1 施 設 等 の 無 償 借 用 2 独 立 採 算 による 施 設 運 営 3 地 域 住 民 による 運 営 管 理 を 前 提 とし 生 涯 学 習 やまちづくりに 関 する 事 業 を 展 開 することを 報 告 する 平 成 17 年 9 月 に 区 と 大 明 小 学 校 跡 施 設 の 地 域 住 民 による 自 主 管 理 運 営 に 関 する 協 定 書 及 び 無 償 賃 貸 契 約 を 締 結 し 10 月 に 生 涯 学 習 施 設 としてオープンする 利 用 状 況 施 設 に 深 い 愛 着 を 持 った 地 域 住 民 による 自 主 管 理 運 営 をしており スタッフは 現 在 常 勤 2 名 非 常 勤 3 名 パート7 名 で 構 成 されている ボランティアの 力 も 大 きい 区 立 の 他 の 施 設 に 比 べて 利 用 登 録 の 要 件 が 緩 和 されており 利 用 しやすい 半 年 ごとに 地 域 優 先 で 予 約 を 受 け 付 けており 継 続 的 なサークル 活 動 等 ができる 演 劇 団 体 の 稽 古 場 利 用 生 涯 学 習 国 際 交 流 映 画 上 映 会 などが 行 われている JR 池 袋 駅 から 徒 歩 15 分 住 宅 街 に 立 地 3 階 建 ての RC 造 延 床 面 積 4175.8 m2 給 食 室 を 区 の 実 施 する 耐 震 工 事 に 併 せ てスタジオに 改 修 した 元 図 書 室 は 豊 島 区 とNPO 法 人 が 協 働 で 行 う 豊 島 区 若 者 支 援 事 業 の 会 場 と なっている - 155 -
事 例 2 にしすがも 創 造 舎 豊 島 区 ( 東 京 都 ) 団 体 の 概 要 人 口 271,643 人 ( 平 成 26 年 1 月 1 日 現 在 ) 面 積 13.01k m2 豊 島 区 東 京 都 取 組 の 経 緯 千 代 田 区 平 成 15 年 に 豊 島 区 の 協 働 事 業 提 案 制 度 による 廃 校 活 用 事 業 にて 現 在 利 用 してい る NPO2 団 体 が 提 案 を 行 う 平 成 16 年 8 月 に 文 化 芸 術 創 造 の 拠 点 施 設 としてオープンした その 際 には 文 化 芸 術 創 造 支 援 事 業 実 施 協 定 及 び 土 地 建 物 の 使 用 賃 借 契 約 を 締 結 し 区 が 消 防 設 備 保 守 非 常 時 の 修 繕 費 等 を 負 担 NPOは 体 育 館 等 を 稽 古 場 として 貸 し 出 すことによる 使 用 料 収 入 により 光 熱 費 水 道 費 人 件 費 などの 施 設 運 営 経 費 を 賄 う 仕 組 みである 平 成 16 年 12 月 に 地 域 再 生 計 画 の 認 定 により 転 用 に 伴 う 国 庫 補 助 金 の 返 納 が 不 要 になる その 後 18 年 3 月 地 域 再 生 計 画 の 追 加 での 支 援 措 置 を 活 用 し 日 本 政 策 投 資 銀 行 の 低 利 融 資 を 受 け 体 育 館 を 改 修 しフェスティバル/トーキョーの 会 場 として 利 用 可 能 となる 利 用 状 況 演 劇 ダンス 等 の 創 造 の 場 を 提 供 する 稽 古 場 運 営 をはじめ アートを 通 じた 様 々な 地 域 交 流 事 業 や 文 化 交 流 事 業 を 実 施 している 稽 古 場 利 用 者 は 半 年 ごとに 継 続 利 用 5 日 以 上 を 条 件 としてホームページで 利 用 希 望 を 公 募 し ている 5 日 以 内 の 短 期 利 用 の 受 付 も 平 成 25 年 9 月 から 開 始 し 稼 働 率 は 高 い 状 態 にある 稽 古 場 利 用 による 近 隣 住 民 への 配 慮 に 気 をつけ 良 好 な 関 係 を 維 持 している 建 物 の 機 密 性 防 音 設 備 については 不 便 と 感 じており 施 設 の 老 朽 化 も 課 題 となっている 都 営 三 田 線 西 巣 鴨 駅 からすぐ 国 道 に 面 して 立 地 するにしすがも 創 造 舎 地 下 1 階 地 上 4 階 建 ての RC 造 の 校 舎 と 演 劇 の 会 場 としても 利 用 できる 体 育 館 がある 体 育 館 は 演 劇 の 稽 古 場 公 演 会 場 とし て 利 用 できるように 運 営 している NPO 法 人 が 音 響 照 明 や 屋 根 の 改 修 を 行 った 玄 関 を 改 修 してカフェにしている 地 域 の 人 々も 気 軽 に 利 用 でき アーティ ストとの 交 流 を 目 的 にしたワーク ショップの 場 所 にもなっている - 156 -
第 4 章 先 進 事 例 からみた 休 廃 校 施 設 利 活 用 の 手 法 効 果 事 例 3 複 合 施 設 ふれんど 平 尾 稲 城 市 ( 東 京 都 ) 団 体 の 概 要 人 口 86,169 人 ( 平 成 26 年 1 月 1 日 現 在 ) 面 積 17.97k m2 取 組 の 経 緯 東 京 都 稲 城 市 千 代 田 区 平 成 14 年 3 月 に 旧 稲 城 第 八 小 学 校 が 廃 校 となり その 後 1 年 間 別 の 小 学 校 の 大 規 模 改 修 工 事 のため 仮 校 舎 として 利 用 した 旧 稲 城 第 八 小 学 校 施 設 の 利 用 を 図 るため 旧 稲 城 第 八 小 学 校 の 施 設 等 利 用 庁 舎 検 討 会 ( 庁 内 ) 及 び 市 民 の 検 討 会 による 検 討 を 行 い 地 域 再 生 計 画 の 認 定 や 財 産 処 分 の 手 続 きを 経 て 平 成 16 年 7 月 1 日 から 暫 定 利 用 を 開 始 した 平 成 22 年 度 に1 階 部 分 平 成 24 年 度 に2 階 から4 階 までの 改 修 工 事 を 実 施 し 平 成 25 年 4 月 に 生 活 文 化 施 設 発 達 支 援 センター 教 育 センター 郷 土 資 料 室 体 育 施 設 のほか 福 祉 作 業 所 シルバー 人 材 センター 作 業 所 等 を 含 む 複 合 施 設 としてリニューアルオープンした 利 用 状 況 生 活 文 化 施 設 として 各 種 市 民 団 体 等 の 活 動 場 所 となっており 平 成 25 年 4 月 ~12 月 の 利 用 者 数 は 15,133 人 である 規 模 が 大 きく 部 屋 数 も 多 いことから 教 育 福 祉 関 連 の 団 体 等 が 利 用 するなど 有 効 活 用 して いる 利 用 者 団 体 の 代 表 者 市 民 代 表 及 び 行 政 の 参 加 する 運 営 協 議 会 を 組 織 し 定 期 的 な 会 議 を 開 催 することで 連 携 を 図 っている 4 階 建 てと 増 築 棟 2 階 建 てがあり 非 常 に 大 きな 施 設 である 利 用 者 は 地 域 住 民 が 中 心 であり 徒 歩 自 転 車 自 家 用 車 で 来 所 する 図 書 館 を 改 装 した 市 民 ホール 稼 働 率 が 高 い 発 達 支 援 センター 教 育 センターが 主 に 使 用 する 施 設 としてプレイルームが ある また 教 育 センターや 郷 土 資 料 室 等 の 行 政 機 能 も 入 っている - 157 -
事例4 募集による廃校利用 まんのう町 香川県 団体の概要 人口 19,826 人 平成 26 年1月1日現 在 面積 194.3k 高松市 取組の経緯 まんのう町 合併等を契機として学校の統廃合を行 香川県 い 4つの小学校が廃校となる 廃校舎を 有効活用するため広報 誌や ホームページで広く利活用のアイデア を募集した そこで提案されたアイデアをもとに地区懇談会で住民の意思を確認し 利用希望者を募集し た 結果4校とも利用者が決定し アトリエやギャラリー 福祉ボランティア団体の拠点となる ほか カルチャー教室等も開かれ 地域の新しいにぎわいづくりに貢献している 利用状況 まんのう町が施設の管理者となっている そのため 光熱水費の基本的な部分は町が負担し 利用者の活動等によって追加で発生した費用については利用者に負担をしてもらう また 4校中3校で施設の賃借料を徴収している 民間企業が利用することによって地元の新たな雇用創出につながっている 民間企業に1階部分を貸している 竹 の加工や食品加工を行っている 小高 い山の上にあるため 周辺からの苦情 等はない 元ランチルームのスペースは食品加工 の作業場となっている 大型の機械等 があるため 元ランチルームの広さを うまく活用している事例である 158 芸術活動の場として 芸術家3名に貸 している また 地域特産物食品加工 による飲食の場を提供している 集落 活性化推進事業による補助を活用し 改修を行った