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相 続 税 法 の 改 正 目 一 国 外 転 出 をする 場 合 の 譲 渡 所 得 等 の 特 例 の 創 設 に 伴 う 相 続 税 及 び 贈 与 税 の 納 税 義 務 等 の 見 直 し 536 次 二 保 険 に 関 する 調 書 の 見 直 し 541 三 その 他 の 見 直 し 543 はじめに 本 稿 では 平 成 27 年 度 税 制 改 正 に 盛 り 込 まれた 事 項 のうち 相 続 税 法 関 係 の 改 正 の 概 要 について 説 明 します これらの 改 正 事 項 が 盛 り 込 まれた 所 得 税 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 は 去 る 3 月 31 日 に 可 決 成 立 し 同 日 法 律 第 9 号 として 公 布 されています また 以 下 の 関 係 政 省 令 もそれぞれ 公 布 制 定 さ れています 相 続 税 法 施 行 令 の 一 部 を 改 正 する 政 令 ( 平 成 27 年 政 令 第 144 号 ) 復 興 特 別 所 得 税 に 関 する 政 令 の 一 部 を 改 正 す る 政 令 ( 平 成 27 年 政 令 第 152 号 ) 相 続 税 法 施 行 規 則 の 一 部 を 改 正 する 省 令 ( 平 成 27 年 財 務 省 令 第 24 号 ) 一 国 外 転 出 をする 場 合 の 譲 渡 所 得 等 の 特 例 の 創 設 に 伴 う 相 続 税 及 び 贈 与 税 の 納 税 義 務 等 の 見 直 し 1 改 正 前 の 制 度 の 概 要 ⑴ 相 続 税 及 び 贈 与 税 の 納 税 義 務 相 続 税 の 納 税 義 務 者 の 区 分 とその 納 税 義 務 の 範 囲 は 次 のとおりとされています( 旧 相 法 1 の3) 1 無 制 限 納 税 義 務 者 相 続 又 は 遺 贈 により 取 得 した 財 産 の 全 てに ついて 納 税 義 務 を 負 う 者 で 次 に 掲 げる 者 をい います イ 相 続 又 は 遺 贈 により 財 産 を 取 得 した 個 人 でその 取 得 した 時 において 日 本 国 内 に 住 所 を 有 する 者 ロ 相 続 又 は 遺 贈 により 財 産 を 取 得 した 次 に 掲 げる 個 人 でその 財 産 を 取 得 した 時 におい て 日 本 国 内 に 住 所 を 有 しない 者 イ 日 本 国 籍 を 有 する 個 人 (その 個 人 又 は 被 相 続 人 が 相 続 開 始 前 5 年 以 内 のいずれ かの 時 において 日 本 国 内 に 住 所 を 有 して いたことがある 場 合 に 限 ります ) ロ 日 本 国 籍 を 有 しない 個 人 ( 被 相 続 人 が 相 続 開 始 の 時 において 日 本 国 内 に 住 所 を 有 していた 場 合 に 限 ります ) 2 制 限 納 税 義 務 者 相 続 又 は 遺 贈 により 財 産 を 取 得 した 個 人 で その 財 産 を 取 得 した 時 において 日 本 国 内 に 住 所 を 有 しない 者 ( 上 記 1ロの 者 を 除 きます ) については その 相 続 又 は 遺 贈 により 取 得 し た 財 産 のうち 日 本 国 内 にある 財 産 のみに 対 し て 相 続 税 を 納 める 義 務 があるものとされてい ます 3 特 定 納 税 義 務 者 被 相 続 人 から 相 続 又 は 遺 贈 により 財 産 を 取 得 しなかった 者 のうち 相 続 税 法 第 21 条 の16 第 1 項 の 規 定 により 相 続 時 精 算 課 税 の 適 用 を 受 ける 財 産 をその 被 相 続 人 から 相 続 又 は 遺 贈 536

により 取 得 したものとみなされるものをいい ます ( 注 ) 上 記 3を 除 き 贈 与 税 の 納 税 義 務 に 関 して も 相 続 税 の 納 税 義 務 ( 上 記 1 及 び2)と 同 様 となっていました( 旧 相 法 1 の 4 ) ⑵ 債 務 控 除 1 無 制 限 納 税 義 務 者 相 続 又 は 遺 贈 により 取 得 した 財 産 の 価 額 か ら 次 の 金 額 のうちその 者 の 負 担 に 属 する 部 分 の 金 額 を 控 除 した 金 額 を その 者 の 課 税 価 格 とすることとされています( 旧 相 法 131) イ 被 相 続 人 の 債 務 で 相 続 開 始 の 際 現 に 存 するもの( 公 租 公 課 を 含 みます ) ロ 被 相 続 人 に 係 る 葬 式 費 用 2 制 限 納 税 義 務 者 相 続 又 は 遺 贈 により 取 得 した 財 産 で 日 本 国 内 にあるものの 価 額 から 次 の 金 額 のうちそ の 者 の 負 担 に 属 する 部 分 の 金 額 を 控 除 した 金 額 をその 者 の 課 税 価 格 とすることとされてい ます( 旧 相 法 132) イ その 財 産 に 係 る 公 租 公 課 ロ その 財 産 を 目 的 とする 抵 当 権 等 で 担 保 さ れる 債 務 ハ その 財 産 の 取 得 維 持 管 理 のために 生 じ た 債 務 ニ その 財 産 に 関 する 贈 与 の 義 務 ホ 被 相 続 人 が 国 内 に 営 業 所 等 を 有 していた 場 合 における 営 業 上 の 債 務 ( 注 ) 上 記 の 公 租 公 課 には 被 相 続 人 の 死 亡 の 際 債 務 の 確 定 しているものの 金 額 のほか 被 相 続 人 に 係 る 所 得 税 ( 例 : 準 確 定 申 告 によ る 所 得 税 ) 相 続 税 贈 与 税 登 録 免 許 税 等 の 税 額 で 被 相 続 人 の 死 亡 後 相 続 税 の 納 税 義 務 者 が 納 付 し 徴 収 されることとなった 税 額 を 含 みます ただし 相 続 人 の 責 めに 帰 すべき 事 由 により 納 付 することとなった 延 滞 税 利 子 税 加 算 税 等 は 含 みません ⑶ 更 正 の 請 求 の 特 則 相 続 税 又 は 贈 与 税 の 申 告 書 を 提 出 した 者 は 一 定 の 事 由 により 申 告 又 は 決 定 に 係 る 課 税 価 格 及 び 相 続 税 額 又 は 贈 与 税 額 が 過 大 となったとき は その 事 由 が 生 じたことを 知 った 日 の 翌 日 か ら 4 か 月 以 内 に 更 正 の 請 求 をすることができる こととされています( 旧 相 法 321 旧 相 令 8 ) ( 注 ) 一 定 の 事 由 とは 次 に 掲 げる 事 由 をいい ます 1 未 分 割 財 産 が 分 割 されたこと 2 認 知 等 により 相 続 人 に 異 動 を 生 じたこと 3 遺 留 分 減 殺 請 求 に 基 づき 返 還 すべき 又 は 弁 償 すべき 額 が 確 定 したこと 4 遺 言 書 が 発 見 され 又 は 遺 贈 の 放 棄 があ ったこと 5 条 件 付 きで 物 納 の 許 可 が 行 われた 場 合 に おいて 物 納 に 充 てた 財 産 について 一 定 の 事 由 が 生 じたこと 6 民 法 第 910 条 の 規 定 による 価 額 請 求 が 行 わ れたことその 他 の1~5に 準 ずる 事 由 が 生 じたこと 7 相 続 財 産 法 人 から 相 続 財 産 の 分 与 を 受 け たこと 8 遺 産 分 割 により 配 偶 者 の 税 額 軽 減 を 適 用 して 計 算 した 相 続 税 額 に 異 動 を 生 じたこと 9 贈 与 税 の 課 税 価 格 に 算 入 した 財 産 のうち に 相 続 開 始 と 同 年 中 の 贈 与 により 取 得 した 財 産 で 相 続 税 の 課 税 価 格 に 加 算 されるもの があったこと 2 改 正 の 内 容 ⑴ 改 正 の 趣 旨 巨 額 の 含 み 益 を 有 する 株 式 を 保 有 したまま 国 外 転 出 し キャピタルゲイン 非 課 税 国 において 売 却 することにより 課 税 逃 れを 行 うことが 可 能 となっています このような 課 税 逃 れに 対 応 す るため 所 得 税 法 において 一 定 の 国 外 転 出 者 に 対 して 国 外 転 出 直 前 に 対 象 資 産 を 譲 渡 して 同 時 に 買 い 戻 したとみなして その 未 実 現 のキ ャピタルゲインに 課 税 する 譲 渡 所 得 等 の 課 税 の 537

特 例 を 創 設 することとされました( 詳 細 は 前 掲 の 所 得 税 法 等 ( 国 外 転 出 時 の 特 例 の 創 設 ) の 改 正 をご 参 照 ください ) この 特 例 では 最 長 10 年 間 の 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けることができますが その 納 税 猶 予 期 間 中 は 相 続 税 贈 与 税 の 納 税 義 務 の 判 定 において 国 内 に 住 所 を 有 していたのと 同 様 の 扱 いとする など この 特 例 の 創 設 に 併 せ 相 続 税 法 において も 所 要 の 整 備 が 行 われています ⑵ 具 体 的 内 容 1 納 税 義 務 の 範 囲 国 外 転 出 をする 場 合 の 譲 渡 所 得 等 の 特 例 ( 所 法 60の 2 ) 又 は 贈 与 等 により 非 居 住 者 に 資 産 が 移 転 した 場 合 の 譲 渡 所 得 等 の 特 例 ( 所 法 60の 3 )の 規 定 により 所 得 税 を 課 税 された 後 国 外 転 出 をした 者 又 は 贈 与 者 若 しくは 相 続 人 が 所 得 税 の 納 税 猶 予 を 適 用 した 場 合 には 納 税 猶 予 期 間 中 に 納 税 猶 予 を 適 用 している 者 等 が 死 亡 した 場 合 又 は 財 産 の 贈 与 をした 場 合 の 相 続 税 又 は 贈 与 税 の 納 税 義 務 の 判 定 に 際 し ては その 者 は 相 続 の 開 始 又 は 贈 与 前 5 年 以 内 に 相 続 税 法 の 施 行 地 に 住 所 を 有 していたも のとみなして 課 税 関 係 を 整 理 することとされ ました 具 体 的 な 措 置 の 内 容 は 次 のとおりです イ 相 続 税 所 得 税 法 第 137 条 の 2 又 は 第 137 条 の 3 の 規 定 の 適 用 がある 場 合 における 納 税 義 務 の 範 囲 については 次 のとおりとされました ( 相 法 1の32) イ 国 外 転 出 をしたことにより 一 定 の 株 式 等 の 特 定 の 資 産 ( 以 下 対 象 資 産 とい います )の 含 み 益 に 対 して 所 得 税 が 課 され 所 得 税 法 第 137 条 の 2 第 1 項 の 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 け さらに 同 条 第 2 項 の 規 定 により 納 税 猶 予 期 間 を10 年 に 延 長 している 個 人 が 死 亡 した 場 合 には その 個 人 は 相 続 税 の 納 税 義 務 の 判 定 にあた っては その 死 亡 に 係 る 相 続 の 開 始 前 5 年 以 内 のいずれかの 時 において 日 本 国 内 に 住 所 を 有 していたものとみなされます ロ 非 居 住 者 に 対 象 資 産 を 贈 与 したことに より 所 得 税 が 課 され 所 得 税 法 第 137 条 の 3 第 1 項 ( 同 条 第 3 項 の 規 定 により 納 税 猶 予 期 間 を10 年 に 延 長 している 場 合 を 含 みます )の 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けて いる 者 (ロにおいて 贈 与 者 といいま す )から 当 該 贈 与 により 財 産 を 取 得 し た 者 (ロにおいて 受 贈 者 といいま す )が 死 亡 した 場 合 には その 受 贈 者 は 相 続 税 の 納 税 義 務 の 判 定 にあたって は その 受 贈 者 の 死 亡 に 係 る 相 続 の 開 始 前 5 年 以 内 のいずれかの 時 において 日 本 国 内 に 住 所 を 有 していたものとみなされ ます ただし その 受 贈 者 が 所 得 税 の 課 税 に 係 る 贈 与 の 前 5 年 以 内 のいずれの 時 においても 日 本 国 内 に 住 所 を 有 してい たことがない 場 合 には この 規 定 の 適 用 はありません ハ 居 住 者 (ハにおいて 被 相 続 人 とい います )が 死 亡 し 対 象 資 産 を 相 続 (ハ において 一 次 相 続 といいます )し た 非 居 住 者 (ハにおいて 一 次 相 続 人 といいます )が 被 相 続 人 に 課 された 所 得 税 について 所 得 税 法 第 137 条 の 3 第 2 項 ( 同 条 第 3 項 の 規 定 により 納 税 猶 予 期 間 を10 年 に 延 長 している 場 合 を 含 みま す )の 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けていた 場 合 において その 一 次 相 続 人 が 死 亡 (ハ において 二 次 相 続 といいます )を したときは その 一 次 相 続 人 は 二 次 相 続 に 係 る 相 続 税 の 納 税 義 務 の 判 定 にあた っては 二 次 相 続 の 開 始 前 5 年 以 内 のい ずれかの 時 において 日 本 国 内 に 住 所 を 有 していたものとみなされます ただし その 一 次 相 続 人 が 一 次 相 続 の 開 始 前 5 年 以 内 のいずれの 時 においても 日 本 国 内 に 住 所 を 有 していたことがない 場 合 には この 規 定 の 適 用 はありません 538

ロ 贈 与 税 所 得 税 法 第 137 条 の 2 又 は 第 137 条 の 3 の 規 定 の 適 用 がある 場 合 における 納 税 義 務 の 範 囲 については 次 のとおりとされました ( 相 法 1の42) イ 国 外 転 出 をしたことにより 対 象 資 産 に ついて 所 得 税 が 課 され 所 得 税 法 第 137 条 の 2 第 1 項 の 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 け さらに 同 条 第 2 項 の 規 定 により 納 税 猶 予 期 間 を10 年 に 延 長 している 個 人 が 財 産 の 贈 与 をした 場 合 には その 個 人 は 贈 与 税 の 納 税 義 務 の 判 定 にあたっては その 贈 与 の 前 5 年 以 内 のいずれかの 時 におい て 日 本 国 内 に 住 所 を 有 していたものとみ なされます ロ 非 居 住 者 に 対 象 資 産 の 贈 与 (ロにおい て 一 次 贈 与 といいます )をしたこ とにより 所 得 税 が 課 され 所 得 税 法 第 137 条 の 3 第 1 項 ( 同 条 第 3 項 の 規 定 に より 納 税 猶 予 期 間 を10 年 に 延 長 している 場 合 を 含 みます )の 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けている 者 から 一 次 贈 与 により 財 産 を 取 得 した 者 (ロにおいて 一 次 受 贈 者 といいます )が 財 産 の 贈 与 (ロにおい て 二 次 贈 与 といいます )をした 場 合 には その 一 次 受 贈 者 は 贈 与 税 の 納 税 義 務 の 判 定 にあたっては その 二 次 贈 与 の 前 5 年 以 内 のいずれかの 時 において 日 本 国 内 に 住 所 を 有 していたものとみな されます ただし 一 次 受 贈 者 が 一 次 贈 与 の 前 5 年 以 内 のいずれの 時 においても 日 本 国 内 に 住 所 を 有 していたことがない 場 合 には この 規 定 の 適 用 はありません ハ 居 住 者 (ハにおいて 被 相 続 人 とい います )が 死 亡 し 対 象 資 産 を 相 続 した 非 居 住 者 である 相 続 人 が 被 相 続 人 に 課 された 所 得 税 について 所 得 税 法 第 137 条 の 3 第 2 項 ( 同 条 第 3 項 の 規 定 により 納 税 猶 予 期 間 を10 年 に 延 長 している 場 合 を 含 みます )の 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けて いた 場 合 において その 相 続 人 が 財 産 の 贈 与 をした 場 合 には その 相 続 人 は 贈 与 税 の 納 税 義 務 の 判 定 にあたっては そ の 贈 与 の 前 5 年 以 内 のいずれかの 時 にお いて 日 本 国 内 に 住 所 を 有 していたものと みなされます ただし その 相 続 人 が 相 続 の 開 始 前 5 年 以 内 のいずれの 時 におい ても 日 本 国 内 に 住 所 を 有 していたことが ない 場 合 には この 規 定 の 適 用 はありま せん 2 債 務 控 除 所 得 税 法 の 改 正 に 伴 い 控 除 できる 公 租 公 課 の 範 囲 が 見 直 されました 国 外 転 出 等 をする 場 合 に 対 象 資 産 の 含 み 益 に 課 される 所 得 税 のうち 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けている 部 分 については 納 税 猶 予 を 適 用 し ている 者 が 対 象 資 産 を 譲 渡 せず 日 本 に 帰 国 し た 場 合 等 には 所 得 税 の 課 税 を 取 り 消 すこと ができることとされていることから 税 負 担 が 生 じないこととなります 他 方 相 続 税 の 債 務 控 除 においては 相 続 の 開 始 時 において 確 実 と 認 められる 債 務 のみが 控 除 の 対 象 とさ れています これを 踏 まえると 将 来 的 に 納 付 の 必 要 がなくなる 可 能 性 がある 所 得 税 を 債 務 控 除 することはバランスを 欠 くことから 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 については 債 務 控 除 の 対 象 としないこととされました( 相 法 143 本 文 相 令 3 2 本 文 ) ただし 猶 予 期 間 中 に 対 象 資 産 の 譲 渡 があ ったことにより 納 税 猶 予 期 間 が 終 了 したこと 等 によりに 納 税 猶 予 されていた 所 得 税 を 納 付 した 場 合 には その 時 点 で 債 務 控 除 が 可 能 と なり 次 の3の 更 正 の 請 求 の 特 則 の 手 続 によ り 債 務 控 除 ができることとされました( 相 法 143ただし 書 相 令 3 2ただし 書 ) ( 注 ) 上 記 の 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 とは 次 のイの 金 額 からロの 金 額 を 控 除 した 金 額 をいいます イ 国 外 転 出 の 日 の 属 する 年 分 の 所 得 税 法 第 120 条 第 1 項 第 3 号 に 掲 げる 金 額 539

ロ 対 象 資 産 につき 所 得 税 法 第 60 条 の 2 第 1 項 から 第 3 項 までの 規 定 の 適 用 がない ものとした 場 合 における 国 外 転 出 の 日 の 属 する 年 分 の 所 得 税 法 第 120 条 第 1 項 第 3 号 に 掲 げる 金 額 具 体 的 には 債 務 控 除 の 対 象 となる 公 租 公 課 の 範 囲 から 次 の 所 得 税 が 除 かれています イ 死 亡 の 際 既 に 行 われた 確 定 申 告 により 納 税 義 務 が 確 定 していたが 納 税 猶 予 を 適 用 していた 次 の 所 得 税 ( 相 法 143) イ 国 外 転 出 をしたことにより 対 象 資 産 に ついて 所 得 税 が 課 され 所 得 税 法 第 137 条 の 2 第 1 項 ( 同 条 第 2 項 の 規 定 により 納 税 猶 予 期 間 が10 年 に 延 長 された 場 合 を 含 みます )の 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けて いた 者 が 死 亡 した 場 合 の 相 続 税 における その 死 亡 した 者 から 納 付 義 務 を 承 継 した 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 に 相 当 する 所 得 税 ロ 非 居 住 者 に 対 象 資 産 を 贈 与 したことに より 所 得 税 が 課 され 所 得 税 法 第 137 条 の 3 第 1 項 ( 同 条 第 3 項 の 規 定 により 納 税 猶 予 期 間 が10 年 に 延 長 された 場 合 を 含 みます )の 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けてい た 贈 与 者 が 死 亡 した 場 合 の 相 続 税 におけ るその 贈 与 者 から 納 付 義 務 を 承 継 した 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 に 相 当 する 所 得 税 ハ 居 住 者 (ハにおいて 被 相 続 人 とい います )が 死 亡 し 対 象 資 産 を 相 続 した 非 居 住 者 (ハにおいて 一 次 相 続 人 と いいます )が 被 相 続 人 に 課 された 所 得 税 について 所 得 税 法 第 137 条 の 3 第 2 項 ( 同 条 第 3 項 の 規 定 により 納 税 猶 予 期 間 を10 年 に 延 長 している 場 合 を 含 みま す )の 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けていた 場 合 において その 一 次 相 続 人 が 死 亡 ( 二 次 相 続 )をしたときは 二 次 相 続 の 相 続 人 が 一 次 相 続 人 から 納 付 義 務 を 承 継 した 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 に 相 当 する 所 得 税 ロ 居 住 者 (ロにおいて 被 相 続 人 といい ます )が 死 亡 し 対 象 資 産 を 相 続 した 非 居 住 者 が 被 相 続 人 に 課 された 所 得 税 につい て 所 得 税 法 第 137 条 の 3 第 2 項 ( 同 条 第 3 項 の 規 定 により 納 税 猶 予 期 間 を10 年 に 延 長 している 場 合 を 含 みます )の 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けていた 場 合 (すなわち 被 相 続 人 の 死 亡 時 にはまだ 租 税 債 権 が 確 定 してい なかったものの 準 確 定 申 告 により 租 税 債 権 が 確 定 した 所 得 税 について 納 税 猶 予 を 適 用 していた 場 合 )における 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 に 相 当 する 所 得 税 ( 相 令 3 2) ( 備 考 ) 納 税 猶 予 が 終 了 し 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 に 相 当 する 所 得 税 を 納 付 した 場 合 には これらの 税 額 は 相 続 税 の 計 算 上 債 務 控 除 の 対 象 となりますが その 場 合 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 の 本 税 に 併 せ 所 得 税 の 納 期 限 から 相 続 開 始 の 日 までの 期 間 に 対 応 する 利 子 税 を 控 除 することができます ただし 相 続 開 始 後 の 期 間 に 対 応 する 利 子 税 は 他 の 附 帯 税 と 同 様 に 控 除 することはできませ ん なお 上 記 ロの 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 に 係 る 利 子 税 については 全 て 相 続 人 の 猶 予 期 間 に 対 応 するものであることから 控 除 できる 利 子 税 はありません 3 更 正 の 請 求 の 特 則 上 記 2のとおり 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 に 相 当 する 所 得 税 を 納 付 した 場 合 には 債 務 控 除 の 対 象 となります その 場 合 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けていた 所 得 税 の 納 付 という 後 発 的 な 事 由 により 債 務 控 除 が 可 能 となる すなわち 課 税 価 格 及 び 相 続 税 額 が 減 少 しますが 相 続 税 の 申 告 内 容 を 訂 正 する 手 続 きが 必 要 となる ことから 更 正 の 請 求 の 特 則 の 該 当 事 由 に 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 を 納 付 したことが 追 加 さ れました 具 体 的 には 次 に 掲 げる 場 合 には 相 続 税 の 更 正 の 請 求 ができることとされました( 相 法 321 九 イ ロ 相 令 8 3) イ 所 得 税 法 第 137 条 の 2 第 13 項 の 規 定 によ り 国 外 転 出 をした 者 に 係 る 納 税 猶 予 分 の 所 540

得 税 額 に 係 る 納 付 の 義 務 を 承 継 したその 者 の 相 続 人 がその 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 に 相 当 する 所 得 税 を 納 付 することとなったこと ロ 所 得 税 法 第 137 条 の 3 第 15 項 の 規 定 によ り 適 用 贈 与 者 等 に 係 る 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 に 係 る 納 付 の 義 務 を 承 継 したその 適 用 贈 与 者 等 の 相 続 人 が 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 に 相 当 する 所 得 税 を 納 付 することとなったこ と ( 注 ) 適 用 贈 与 者 等 とは 対 象 資 産 を 贈 与 したことにより 所 得 税 が 課 され 納 税 猶 予 を 適 用 している 者 及 び 非 居 住 者 が 対 象 資 産 を 相 続 したことにより 所 得 税 が 課 され た 被 相 続 人 の 相 続 人 で 納 税 猶 予 を 適 用 し ている 者 をいいます ハ 所 得 税 法 第 137 条 の 3 第 2 項 の 規 定 の 適 用 を 受 ける 相 続 人 が 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 に 相 当 する 所 得 税 を 納 付 することとなった こと なお 猶 予 期 間 中 に 対 象 資 産 の 譲 渡 があっ たことや 納 税 猶 予 期 間 が 終 了 したこと 等 によ り 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けていた 所 得 税 を 納 付 することとなった 場 合 には 更 正 の 請 求 が 可 能 となるため 所 得 税 の 準 確 定 申 告 の 場 合 と 同 様 に 実 際 にその 所 得 税 を 納 付 したか 否 かは 更 正 の 請 求 の 可 否 に 影 響 ありません ( 注 ) 上 記 2と3の 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 には 所 得 税 法 の 規 定 による 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 のほか この 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 額 に 係 る 東 日 本 大 震 災 からの 復 興 のための 施 策 を 実 施 す るために 必 要 な 財 源 の 確 保 に 関 する 特 別 措 置 法 の 規 定 の 適 用 に 係 る 復 興 特 別 所 得 税 の 額 が 含 まれます( 復 興 特 別 所 得 税 に 関 する 政 令 13) 3 適 用 関 係 上 記 の 改 正 は 平 成 27 年 7 月 1 日 以 後 に 相 続 又 は 遺 贈 により 取 得 する 財 産 に 係 る 相 続 税 及 び 同 日 以 後 に 贈 与 により 取 得 する 財 産 に 係 る 贈 与 税 につ いて 適 用 されます( 改 正 法 附 則 1 二 ロ 341~3) 二 保 険 に 関 する 調 書 の 見 直 し 1 改 正 前 の 制 度 の 概 要 保 険 会 社 等 又 は 退 職 手 当 金 を 支 給 した 者 で 日 本 国 内 に 営 業 所 等 を 有 するものは その 月 中 に 支 払 った 生 命 保 険 契 約 の 保 険 金 若 しくは 一 定 の 損 害 保 険 契 約 の 保 険 金 又 は 退 職 手 当 金 等 について 原 則 として 翌 月 15 日 までに 受 取 人 別 又 は 受 給 者 別 の 調 書 をその 営 業 所 等 の 所 在 地 の 所 轄 税 務 署 長 に 提 出 しなければなりません( 相 法 591 相 令 301 相 規 301) 2 改 正 の 趣 旨 及 び 内 容 保 険 契 約 者 は 解 約 によりいつでも 解 約 返 戻 金 を 受 け 取 ることができるため 保 険 契 約 者 が 死 亡 し た 場 合 には その 者 の 払 込 保 険 料 により 形 成 され た 解 約 返 戻 金 相 当 額 については 生 命 保 険 契 約 に 関 する 権 利 として 相 続 税 が 課 税 されますが 改 正 前 の 調 書 制 度 では 保 険 契 約 者 の 死 亡 により 契 約 者 名 義 が 相 続 人 に 変 更 されても 保 険 金 の 支 払 事 由 が 生 じていないため 調 書 が 提 出 されず 税 務 署 が 把 握 するのは 容 易 ではありませんでした このた め 生 命 保 険 契 約 に 関 する 権 利 について 申 告 が 漏 れている 場 合 がありました また 生 命 保 険 金 等 について 所 得 税 が 課 される 場 合 において 所 得 金 額 の 計 算 上 控 除 できるのは 原 則 としてその 生 命 保 険 金 等 の 受 取 人 本 人 が 払 い 込 んだ 保 険 料 等 に 限 られますが 例 えば 法 人 が 契 約 した 生 命 保 険 契 約 について 個 人 に 名 義 を 変 更 した 後 その 個 人 に 対 して 保 険 金 が 支 払 われた 場 合 に 本 来 所 得 金 額 の 計 算 上 控 除 できない 旧 契 約 者 (= 法 人 )の 払 込 保 険 料 をも 含 めて 控 除 している など 正 しい 所 得 税 の 申 告 が 行 われていないケー スがありました( 贈 与 税 においても 類 似 のケース がありました ) 541

こうした 問 題 に 対 応 するため 保 険 に 関 する 調 書 について 次 の 見 直 しを 行 うこととされました ⑴ 死 亡 による 契 約 者 変 更 の 場 合 の 調 書 の 創 設 保 険 会 社 等 で 日 本 国 内 に 営 業 所 等 を 有 するも のは 生 命 保 険 契 約 又 は 損 害 保 険 契 約 の 契 約 者 が 死 亡 したことに 伴 いこれらの 契 約 の 契 約 者 の 変 更 の 手 続 を 行 った 場 合 には その 変 更 の 効 力 が 生 じた 日 の 属 する 年 の 翌 年 1 月 31 日 までに 一 定 の 事 項 を 記 載 した 調 書 をその 調 書 を 作 成 し た 営 業 所 等 の 所 在 地 の 所 轄 税 務 署 長 に 提 出 しな ければならないこととされました ( 注 1) 保 険 会 社 等 とは 保 険 業 又 は 共 済 事 業 を 行 う 者 をいい 営 業 所 等 とは 営 業 所 事 務 所 その 他 これらに 準 ずるものをいいます ( 注 2) 調 書 に 記 載 すべき 事 項 は 次 のとおりで す( 新 相 規 305) イ その 変 更 後 の 契 約 者 の 氏 名 又 は 名 称 及 び 住 所 若 しくは 居 所 又 は 本 店 若 しくは 主 たる 事 務 所 の 所 在 地 ロ その 変 更 前 の 契 約 者 の 氏 名 及 び 住 所 又 は 居 所 ハ その 変 更 前 の 契 約 者 が 死 亡 した 日 ニ その 変 更 の 効 力 が 生 じた 日 ホ 上 記 ハ 又 はニのいずれかの 日 における その 変 更 に 係 る 契 約 の 解 約 返 戻 金 相 当 額 へ 保 険 料 の 総 額 及 び 上 記 ロの 契 約 者 が 払 い 込 んだ 保 険 料 の 金 額 ト その 他 参 考 となるべき 事 項 ( 注 3) 次 の 契 約 については 調 書 を 提 出 する 必 要 はありません( 新 相 規 306) イ 解 約 返 戻 金 相 当 額 が100 万 円 以 下 である 生 命 保 険 契 約 又 は 損 害 保 険 契 約 ロ 一 定 期 間 内 に 保 険 事 故 ( 共 済 事 故 を 含 みます )が 発 生 しなかった 場 合 において 返 還 金 その 他 これに 準 ずるものの 支 払 が ない 生 命 保 険 契 約 又 は 損 害 保 険 契 約 ハ 次 に 掲 げる 契 約 イ 独 立 行 政 法 人 中 小 企 業 基 盤 整 備 機 構 と 締 結 した 共 済 契 約 のうち 一 定 のもの ロ 条 例 の 規 定 により 地 方 公 共 団 体 が 精 神 又 は 身 体 に 障 害 のある 者 に 関 して 実 施 する 共 済 制 度 に 係 る 契 約 ハ 条 例 の 規 定 により 地 方 公 共 団 体 が 交 通 事 故 に 基 因 する 傷 害 に 関 して 実 施 す る 共 済 制 度 に 係 る 契 約 ニ 普 通 保 険 約 款 において 団 体 又 は 団 体 の 代 表 者 を 契 約 者 とし 当 該 団 体 に 所 属 する 者 を 被 保 険 者 とすることとなってい る 生 命 保 険 契 約 又 は 損 害 保 険 契 約 ホ マンションの 管 理 組 合 又 は 管 理 者 等 を 契 約 者 とし その 共 用 部 分 又 は 団 地 共 用 部 分 を 保 険 の 目 的 とする 損 害 保 険 契 約 ⑵ 保 険 金 等 の 支 払 調 書 の 記 載 事 項 の 追 加 保 険 金 の 支 払 をする 保 険 会 社 等 で 日 本 国 内 に 営 業 所 等 を 有 するものは 保 険 金 の 支 払 を 受 け る 者 の 各 人 別 に 次 に 掲 げる 事 項 を 記 載 した 調 書 を 作 成 しなければならないこととされました なお 次 の1から5までは 改 正 前 から 記 載 す べきとされていた 事 項 であり 次 の6が 今 般 の 改 正 により 記 載 事 項 として 追 加 された 項 目 です ( 新 相 規 301) 改 正 前 からの 記 載 事 項 1 その 支 払 を 受 ける 者 の 氏 名 又 は 名 称 及 び 住 所 若 しくは 居 所 又 は 本 店 若 しくは 主 たる 事 務 所 の 所 在 地 平 成 28 年 1 月 1 日 以 後 は 個 人 番 号 又 は 法 人 番 号 が 追 加 されます 2 その 月 中 に 支 払 った 保 険 金 の 金 額 3 その 支 払 の 基 礎 となる 契 約 に 係 る 保 険 料 の 総 額 4 その 支 払 の 確 定 した 日 5 その 支 払 の 直 前 において 契 約 者 であった 者 ( 以 下 現 契 約 者 いいます )の 氏 名 又 は 名 称 及 び 住 所 若 しくは 居 所 又 は 本 店 若 しくは 主 たる 事 務 所 の 所 在 地 平 成 28 年 1 月 1 日 以 後 は 個 人 番 号 又 は 法 人 番 号 が 追 加 されます 改 正 により 追 加 された 事 項 542

6 契 約 ( 上 記 ⑴の( 注 3)ハからホまでの 契 約 を 除 きます )の 締 結 後 にその 契 約 に 係 る 契 約 者 の 変 更 (その 契 約 に 係 る 契 約 者 の 死 亡 に 伴 い 行 われるものを 除 きます )が 行 われ た 場 合 には 次 に 掲 げる 事 項 イ 契 約 者 の 変 更 (その 契 約 に 係 る 契 約 者 の 変 更 が 2 回 以 上 行 われた 場 合 には 最 後 の 契 約 者 の 変 更 ) 前 の 契 約 者 の 氏 名 又 は 名 称 及 び 住 所 若 しくは 居 所 又 は 本 店 若 しくは 主 たる 事 務 所 の 所 在 地 ロ その 契 約 に 係 る 現 契 約 者 が 払 い 込 んだ 保 険 料 の 額 ハ その 契 約 に 係 る 契 約 者 の 変 更 が 行 われた 回 数 3 適 用 関 係 上 記 2⑴の 改 正 は 保 険 会 社 等 の 営 業 所 等 が 生 命 保 険 契 約 又 は 損 害 保 険 契 約 の 契 約 者 が 死 亡 した ことに 伴 い 契 約 者 の 変 更 の 手 続 を 行 うことにより 平 成 30 年 1 月 1 日 以 後 に 変 更 の 効 力 が 生 ずる 場 合 について 適 用 されます( 改 正 法 附 則 344) 上 記 2⑵の 改 正 は 保 険 会 社 等 の 営 業 所 等 が 契 約 者 の 変 更 ( 契 約 者 の 死 亡 に 伴 い 行 われるものを 除 きます )の 手 続 を 行 うことにより 平 成 30 年 1 月 1 日 以 後 にその 契 約 者 の 変 更 の 効 力 が 生 じる 場 合 について 適 用 されます この 場 合 平 成 30 年 1 月 1 日 前 に 効 力 が 生 じた 契 約 者 の 変 更 の 回 数 は 記 載 すべき 変 更 の 回 数 には 含 まれないものとされ ています( 改 正 相 規 附 則 3 ) 三 その 他 の 見 直 し 1 個 人 番 号 制 度 の 導 入 に 伴 う 見 直 し ⑴ 改 正 の 趣 旨 行 政 手 続 における 特 定 の 個 人 を 識 別 するため の 番 号 の 利 用 等 に 関 する 法 律 においては 税 務 当 局 に 提 出 される 確 定 申 告 書 や 法 定 調 書 等 につ いて 番 号 ( 個 人 番 号 及 び 法 人 番 号 )を 用 いて 効 率 的 に 名 寄 せ 突 合 することを 可 能 とし よ り 正 確 な 所 得 把 握 に 資 する 観 点 から 税 法 に 基 づき 税 務 当 局 が 行 う 国 税 の 賦 課 徴 収 に 関 する 事 務 ( 申 告 書 の 処 理 調 査 等 )に 番 号 を 活 用 す ることとされています 各 税 法 においては こうした 対 応 が 可 能 とな るよう 税 務 当 局 に 提 出 される 申 告 書 法 定 調 書 等 については その 提 出 者 ( 申 告 を 行 う 者 法 定 調 書 の 提 出 義 務 者 等 )に 対 し 提 出 者 本 人 及 び 記 載 項 目 とされている 第 三 者 ( 扶 養 控 除 の 対 象 者 給 与 等 の 支 払 を 受 ける 者 等 )に 係 る 番 号 の 記 載 を 求 めることとされました 改 正 の 背 景 及 び 趣 旨 の 詳 細 については 後 掲 の 行 政 手 続 における 特 定 の 個 人 を 識 別 するた めの 番 号 の 利 用 等 に 関 する 法 律 の 施 行 に 伴 う 国 税 通 則 法 等 の 改 正 ( 平 成 28 年 1 月 マイナンバー 利 用 開 始 ) をご 参 照 ください ⑵ 改 正 の 内 容 各 税 法 の 規 定 により 記 載 事 項 を 定 めている 場 合 には それぞれの 規 定 により 行 政 手 続 におけ る 特 定 の 個 人 を 識 別 するための 番 号 の 利 用 等 に 関 する 法 律 第 2 条 第 5 項 に 規 定 する 個 人 番 号 又 は 同 条 第 15 項 に 規 定 する 法 人 番 号 を 記 載 するこ ととされました 具 体 的 には 次 の 書 類 の 記 載 事 項 としてこれ らの 書 類 を 提 出 する 者 の 個 人 番 号 又 は 法 人 番 号 が 追 加 されました 相 続 税 法 施 行 令 に 記 載 事 項 を 規 定 するもの 1 障 害 者 非 課 税 信 託 申 告 書 ( 相 令 4 の10 1) 租 税 特 別 措 置 法 施 行 令 に 記 載 事 項 を 規 定 するも の 2 特 例 適 用 農 地 等 の 変 更 届 出 書 ( 措 令 40の 6 40の 7 ) 3 代 替 農 地 等 の 取 得 等 に 関 する 承 認 申 請 書 ( 措 令 40の 6 40の 7 ) 543

4 代 替 農 地 等 の 取 得 又 は 都 市 営 農 農 地 等 該 当 に 関 する 承 認 申 請 書 ( 措 令 40の 6 40の 7 ) 5 一 時 的 道 路 用 地 等 としての 貸 付 けに 関 する 承 認 申 請 書 ( 措 令 40の 6 40の 7 ) 6 一 時 的 道 路 用 地 等 としての 貸 付 けに 係 る 貸 付 期 限 の 延 長 届 出 書 ( 措 令 40の 6 40の 7 ) 7 ( 農 地 についての) 納 税 猶 予 の 継 続 届 出 書 ( 措 令 40の 6 40の 7 ) 8 ( 農 地 についての) 免 除 届 出 書 ( 措 令 40の 6 40の 7 ) 9 山 林 についての 納 税 猶 予 の 継 続 届 出 書 ( 措 令 40の 7 の 4 17) 10 非 上 場 株 式 等 についての 納 税 猶 予 の 継 続 届 出 書 ( 措 令 40の 8 40の 8 の 2 ) 11 医 療 法 人 の 持 分 に 係 る 経 済 的 利 益 について の 納 税 猶 予 の 免 除 届 出 書 ( 措 令 40の 8 の 4 11) 相 続 税 法 施 行 規 則 に 記 載 事 項 を 規 定 するもの 12 遺 産 が 未 分 割 であることについてやむを 得 ない 事 由 がある 旨 の 承 認 申 請 書 ( 相 規 1 の 6 1ほか) 13 障 害 者 非 課 税 信 託 取 消 申 告 書 ( 相 規 3 1) 14 障 害 者 非 課 税 信 託 廃 止 申 告 書 ( 相 規 4 1) 15 障 害 者 非 課 税 信 託 に 関 する 異 動 申 告 書 ( 相 規 5 12) 16 障 害 者 非 課 税 信 託 の 受 託 者 の 変 更 があった 場 合 に 提 出 する 書 類 ( 相 規 6 ) 17 相 続 税 の 申 告 書 ( 相 規 131) 18 贈 与 税 の 申 告 書 ( 相 規 171) 19 贈 与 税 の 申 告 内 容 の 開 示 請 求 書 ( 相 規 291 2) 20 支 払 調 書 等 の 光 ディスク 等 による 提 出 承 認 申 請 書 支 払 調 書 等 の 本 店 等 一 括 提 出 に 係 る 承 認 申 請 書 ( 相 規 301213) 幼 稚 園 教 育 用 財 産 の 取 得 廃 止 現 況 届 出 書 ( 相 規 附 則 45) 家 事 充 当 金 額 の 限 度 額 の 認 定 ( 変 更 ) 申 請 書 ( 相 規 附 則 8) 租 税 特 別 措 置 法 施 行 規 則 に 記 載 事 項 を 規 定 する もの 特 定 受 贈 森 林 経 営 計 画 対 象 山 林 に 係 る 届 出 書 ( 措 規 23の 2 の 2 69) 特 例 農 地 等 についての 使 用 貸 借 による 権 利 の 設 定 に 関 する 届 出 書 ( 措 規 23の 7 9) 推 定 相 続 人 の 死 亡 に 伴 う 他 の 推 定 相 続 人 等 に 対 する 使 用 貸 借 による 権 利 の 設 定 に 関 する 届 出 書 ( 措 規 23の 7 12) 推 定 相 続 人 の 死 亡 に 伴 う 受 贈 者 の 農 業 経 営 開 始 の 届 出 書 ( 措 規 23の 7 14) 特 例 適 用 農 地 等 について 農 用 地 利 用 集 積 計 画 の 定 めるところによる 賃 借 権 等 の 設 定 に 基 づき 貸 し 付 けた 旨 の 届 出 書 ( 措 規 23の 7 16) 貸 付 特 例 適 用 農 地 等 に 係 る 継 続 届 出 書 ( 措 規 23の 7 19) 貸 付 特 例 適 用 農 地 等 の( 変 更 ) 届 出 書 ( 措 規 23の 7 ) 代 替 農 地 等 の 取 得 価 額 等 の 明 細 書 ( 措 規 23 の 7 ) 買 取 りの 申 出 等 に 伴 う 代 替 農 地 等 の 取 得 価 額 等 に 関 する 明 細 書 ( 措 規 23の 7 ) 都 市 営 農 農 地 等 該 当 に 関 する 明 細 書 ( 措 規 23の 7 ) 一 時 的 道 路 用 地 等 としての 貸 付 けに 係 る 継 続 貸 付 届 出 書 ( 措 規 23の 7 ) 一 時 的 道 路 用 地 等 としての 貸 付 けに 係 る 地 上 権 等 が 消 滅 した 旨 の 届 出 書 ( 措 規 23の 7 ) 営 農 困 難 時 貸 付 けに 関 する 届 出 書 ( 措 規 23 の7) 耕 作 の 放 棄 又 は 賃 借 権 等 の 消 滅 があった 営 農 困 難 時 貸 付 農 地 等 について 新 たな 営 農 困 難 時 貸 付 けを 行 った 旨 の 届 出 書 耕 作 の 放 棄 又 は 賃 借 権 等 の 消 滅 があった 営 農 困 難 時 貸 付 農 地 等 を 自 己 の 農 業 の 用 に 供 した 旨 の 届 出 書 ( 措 規 23の 7 ) 耕 作 の 放 棄 又 は 賃 借 権 等 の 消 滅 があった 営 544

農 困 難 時 貸 付 農 地 等 に 係 る 新 たな 営 農 困 難 時 貸 付 けに 関 する 承 認 申 請 書 ( 措 規 23の 7 ) 納 税 猶 予 の 特 定 貸 付 けに 関 する 届 出 書 ( 措 規 23の 7 の 2 1 23の 8 の 2 1) 賃 借 権 等 の 消 滅 又 は 耕 作 の 放 棄 があった 特 定 貸 付 農 地 等 について 新 たな 特 定 貸 付 けを 行 った 旨 の 届 出 書 賃 借 権 等 の 消 滅 又 は 耕 作 の 放 棄 があった 特 定 貸 付 農 地 等 を 自 己 の 農 業 の 用 に 供 した 旨 の 届 出 書 ( 措 規 23の 7 の 2 3) 賃 借 権 等 の 消 滅 又 は 耕 作 の 放 棄 があった 特 定 貸 付 農 地 等 に 係 る 新 たな 特 定 貸 付 けに 関 す る 承 認 申 請 書 ( 措 規 23の 7 の 2 5) 山 林 についての 相 続 税 の 納 税 猶 予 の 免 除 届 出 書 ( 措 規 23の 8 の 4 ) 非 上 場 株 式 等 についての 納 税 猶 予 の 免 除 届 出 書 ( 死 亡 免 除 特 例 免 除 )( 措 規 23の 9 23の10) 非 上 場 株 式 等 についての 納 税 猶 予 の 免 除 申 請 書 ( 措 規 23の 9 23の10) 非 上 場 株 式 等 についての 納 税 猶 予 の 再 計 算 免 除 申 請 書 ( 措 規 23の 9 ) 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けている 農 地 等 につい て 収 用 交 換 等 による 譲 渡 を 行 った 場 合 の 利 子 税 の 特 例 の 適 用 に 関 する 届 出 書 ( 措 規 23の13 1) ( 注 ) 上 記 の 条 番 号 等 は 平 成 27 年 度 税 制 改 正 後 の ものです なお 過 去 の 一 部 改 正 法 の 附 則 を 根 拠 にす る 書 類 は 省 略 しています また 上 に 掲 げていない 書 類 であっても 国 税 通 則 法 の 規 定 により 個 人 番 号 の 記 載 を 求 められる 書 類 があります 上 記 のうち1 及 び13~15の 書 類 ( を 付 し たもの)については 金 融 機 関 を 経 由 して 提 出 することとされているため これらの 書 類 を 受 理 した 金 融 機 関 の 営 業 所 等 の 長 は その 金 融 機 関 の 法 人 番 号 を 付 記 した 上 で 税 務 署 長 へ 提 出 することとされています ⑶ 適 用 関 係 上 記 の 改 正 は 原 則 として 行 政 手 続 におけ る 特 定 の 個 人 を 識 別 するための 番 号 の 利 用 等 に 関 する 法 律 の 施 行 に 伴 う 関 係 法 律 の 整 備 等 に 関 する 法 律 ( 平 成 25 年 法 律 第 28 号 ) 附 則 第 3 号 に 掲 げる 規 定 の 施 行 の 日 ( 平 成 28 年 1 月 1 日 ) 以 後 に 提 出 する 書 類 について 適 用 されます( 行 政 手 続 における 特 定 の 個 人 を 識 別 するための 番 号 の 利 用 等 に 関 する 法 律 及 び 行 政 手 続 における 特 定 の 個 人 を 識 別 するための 番 号 の 利 用 等 に 関 す る 法 律 の 施 行 に 伴 う 関 係 法 律 の 整 備 等 に 関 する 法 律 の 施 行 に 伴 う 財 務 省 関 係 政 令 の 整 備 に 関 す る 政 令 4 8 22~28 平 成 26 年 7 月 改 正 相 規 附 則 2 平 成 26 年 7 月 改 正 措 規 附 則 46) ただし 上 記 ⑵1718の 申 告 書 については 平 成 28 年 1 月 1 日 以 後 の 相 続 若 しくは 遺 贈 又 は 贈 与 により 取 得 した 財 産 に 係 る 相 続 税 又 は 贈 与 税 について 適 用 されます( 平 成 26 年 7 月 改 正 相 規 附 則 2 6) 2 申 告 書 の 添 付 書 類 の 見 直 し ⑴ 改 正 前 の 制 度 の 概 要 次 の 特 例 については 納 税 者 自 身 が 居 住 する ことを 要 件 とすること 又 は 過 去 の 住 所 を 確 認 す る 必 要 があることから 特 例 の 適 用 を 受 けるた めには 申 告 書 等 に 住 民 票 の 写 し 又 は 戸 籍 の 附 票 の 写 しを 添 付 する 必 要 がありました 1 贈 与 税 の 配 偶 者 控 除 ( 相 法 21の 6 旧 相 規 9 柱 書 三 ) 2 相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 選 択 ( 相 法 21の 9 旧 相 規 111 一 ) 3 小 規 模 宅 地 等 についての 相 続 税 の 課 税 価 格 の 計 算 の 特 例 ( 措 法 69の 4 旧 措 規 23の 2 7 二 ロ ハ) 4 直 系 尊 属 から 住 宅 取 得 等 資 金 の 贈 与 を 受 け た 場 合 の 贈 与 税 の 非 課 税 措 置 ( 措 法 70の 2 旧 措 規 23の 5 の 2 10 一 イ⑷ ロ⑶ ハ⑷ 二 イ⑵ ロ⑶ ハ⑴⑵ 三 イ⑵ ロ⑶ ハ⑷) 5 特 定 の 贈 与 者 から 住 宅 取 得 等 資 金 の 贈 与 を 受 けた 場 合 の 相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 特 例 ( 措 545

法 70の 3 旧 措 規 23の 6 9 一 イ⑵ ロ⑶ ハ ⑷ 二 イ⑵ ロ⑶ ハ⑴⑵ 三 イ⑵ ロ⑶ ハ⑷) 6 東 日 本 大 震 災 の 被 災 者 が 直 系 尊 属 から 住 宅 取 得 等 資 金 の 贈 与 を 受 けた 場 合 の 贈 与 税 の 非 課 税 ( 震 災 税 特 法 38の 2 旧 震 災 税 特 規 14の 2 12 一 イ⑸ ロ⑶ ハ⑷ 二 イ⑵ ロ⑶ ハ ⑴⑵ 三 イ⑵ ロ⑶ ハ⑷) ⑵ 改 正 の 内 容 上 記 1 のとおり 個 人 番 号 が 導 入 されること に 伴 い 上 記 ⑴の 各 種 特 例 については 申 告 が あった 場 合 に 税 務 署 長 が 行 政 手 続 における 特 定 の 個 人 を 識 別 するための 番 号 の 利 用 等 に 関 する 法 律 の 規 定 により 氏 名 及 び 住 所 等 を 確 認 するこ とができることになったことから 住 民 票 の 写 しや 戸 籍 の 附 票 の 写 しの 添 付 を 要 しないことと されました なお 上 記 ⑴3の 小 規 模 宅 地 等 についての 相 続 税 の 課 税 価 格 の 計 算 の 特 例 については 国 外 に 居 住 する 者 であっても 要 件 を 満 たせば 特 例 の 適 用 が 可 能 であることから その 者 が 個 人 番 号 を 有 しない 可 能 性 もあり 税 務 署 長 が 個 人 番 号 で 居 住 の 事 実 を 確 認 できない 場 合 があることか ら 個 人 番 号 を 有 しない 者 にあっては その 者 が 特 定 居 住 用 宅 地 等 である 小 規 模 宅 地 等 を 自 己 の 居 住 の 用 に 供 していることを 明 らかにする 書 類 等 を 提 出 する 必 要 があります ⑶ 適 用 関 係 上 記 の 改 正 は 原 則 として 行 政 手 続 におけ る 特 定 の 個 人 を 識 別 するための 番 号 の 利 用 等 に 関 する 法 律 の 施 行 に 伴 う 関 係 法 律 の 整 備 等 に 関 する 法 律 ( 平 成 25 年 法 律 第 28 号 ) 附 則 第 3 号 に 掲 げる 規 定 の 施 行 の 日 ( 平 成 28 年 1 月 1 日 ) 以 後 に 相 続 若 しくは 遺 贈 又 は 贈 与 により 取 得 する 財 産 に 係 る 相 続 税 又 は 贈 与 税 について 適 用 され ます 上 記 ⑴2の 書 類 の 改 正 は 平 成 27 年 1 月 1 日 において20 歳 未 満 である 者 が 平 成 28 年 1 月 1 日 以 後 に 贈 与 により 取 得 する 財 産 に 係 る 贈 与 税 に ついて 適 用 され 平 成 27 年 1 月 1 日 において20 歳 以 上 である 者 が 平 成 27 年 12 月 31 日 以 前 に 贈 与 により 取 得 した 財 産 又 は 平 成 28 年 1 月 1 日 以 後 に 贈 与 により 取 得 する 財 産 に 係 る 贈 与 税 につい ては 従 前 どおりとされています 546