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就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

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川越市幼稚園就園奨励費補助金交付要綱

(2) 勤 続 5 年 を 超 え 10 年 までの 期 間 については 勤 続 期 間 1 年 につき 本 俸 月 額 の100 分 の140 (3) 勤 続 10 年 を 超 え 20 年 までの 期 間 については 勤 続 期 間 1 年 につき 本 俸 月 額 の100 分 の180 (4)

定款  変更

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( 補 助 金 等 交 付 決 定 通 知 に 加 える 条 件 ) 第 7 条 市 長 は 交 付 規 則 第 11 条 に 規 定 するところにより 補 助 金 の 交 付 決 定 に 際 し 次 に 掲 げる 条 件 を 付 するものとする (1) 事 業 完 了 後 に 消 費 税 及 び

Taro-29職員退職手当支給規程

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

 

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(2) 保 育 料 等 減 免 措 置 に 関 する 調 書 (3) 地 方 税 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 226 号 ) 第 5 条 第 2 項 第 1 号 に 規 定 する 市 町 村 民 税 の 課 税 の 状 況 を 証 明 する 書 類 又 は 生 活 保 護 法 ( 昭 和

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2. 会 計 規 程 の 業 務 (1) 規 程 と 実 際 の 業 務 の 調 査 規 程 や 運 用 方 針 に 規 定 されている 業 務 ( 帳 票 )が 実 際 に 行 われているか( 作 成 されている か)どうかについて 調 べてみた 以 下 の 表 は 規 程 の 条 項 とそこに

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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目 次 市 民 税 の 減 免 に つ い て 1 減 免 の 一 般 的 な 留 意 事 項 2 減 免 の 範 囲 お よ び 減 免 割 合 3 1 生 活 保 護 法 の 規 定 に よ る 保 護 を 受 け る 者 3 2 当 該 年 に お い て 所 得 が 皆 無 と な っ た

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(2) 単 身 者 向 け 以 外 の 賃 貸 共 同 住 宅 等 当 該 建 物 に 対 して 新 たに 固 定 資 産 税 等 が 課 税 される 年 から 起 算 して5 年 間 とする ( 交 付 申 請 及 び 決 定 ) 第 5 条 補 助 金 の 交 付 を 受 けようとする 者 は

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死 亡 後 の 手 続 きリスト 2 14 日 以 内 住 民 票 の 抹 消 届 の 提 出 市 町 村 役 場 の 戸 籍 住 民 登 録 窓 口 届 出 人 の 印 鑑 本 人 確 認 できる 証 明 書 類 ( 運 転 免 許 証 パスポ-ト) 世 帯 主 変 更 届 の 提 出 市 町 村

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Ⅲ 相 続 財 産 の 分 割 に 関 する 確 認 事 項 1 遺 言 がありますか? 有 遺 言 公 正 証 書 又 は 家 公 証 人 役 場 等 要 月 日 無 庭 裁 判 所 の 検 認 を 受 否 ( 通 ) けた 遺 言 書 2 死 因 贈 与 があります 有 贈 与 契 約 書 要

4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

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失 によって 告 知 事 項 について 事 実 を 告 げずまたは 不 実 のことを 告 げたときは 共 済 契 約 者 に 対 する 書 面 による 通 知 をもって 共 済 契 約 を 解 除 することができます た だし 当 組 合 がその 事 実 を 知 りまたは 過 失 によってこれを 知

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2 前 項 に 定 める 日 に 支 給 する 給 与 は 総 額 給 与 を12 分 割 した 額 ( 以 下 給 与 月 額 という ) 扶 養 手 当 住 居 手 当 通 勤 手 当 単 身 赴 任 手 当 寒 冷 地 手 当 及 び 業 績 手 当 並 びに 前 月 分 の 超 過 勤 務

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後期高齢者医療制度

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

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Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

とする ( 減 免 額 の 納 付 ) 第 6 条 市 長 は 減 免 を 受 け た 者 が 偽 り そ の 他 不 正 な 方 法 に よ り 減 免 の 決 定 を 受 け た こ と を 知 っ た と き 前 の 申 告 が あ っ た と き 又 は 同 条 第 2 項 の 規 定 によ


2 条 ) ア 育 児 休 業 の 対 象 とならない 職 員 ( 法 第 2 条 及 び 条 例 第 2 条 関 係 ) (ア) 臨 時 的 に 任 用 される 職 員 (イ) 育 児 休 業 に 係 る 期 間 を 任 期 と 定 めて 採 用 された 職 員 (ウ) 勤 務 延 長 職 員 (

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( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補 助 金 の 額 は 第 5 条 第 2 項 の 規 定 による 無 線 LAN 機 器 の 設 置 箇 所 数 に 1 万 5 千 円 を 掛 けた 金 額 と 第 5 条 第 3 項 に 規 定 する 補 助 対 象 経 費 の2 分 の1のいずれか 低

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(6) 31 年 以 上 の 期 間 については 1 年 につき100 分 の120 2 前 項 に 規 定 する 者 のうち 負 傷 若 しくは 病 気 ( 以 下 傷 病 という 傷 病 は 国 家 公 務 員 共 済 組 合 法 ( 昭 和 33 年 法 律 第 128 号 ) 第 81 条

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( 支 給 制 限 ) 第 4 条 市 長 は 前 条 の 規 定 にかかわらず 給 対 象 者 が 次 の 各 号 のいずれかに 該 当 するとき は 給 金 を 支 給 しないものとする (1) 年 額 405,696 円 以 上 の 公 的 年 金 等 を 受 給 しているとき (2) 生 活

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

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損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

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第 3 章 会 員 ( 会 員 の 資 格 ) 第 5 条 協 会 の 会 員 は 協 会 の 目 的 に 賛 同 して 入 会 した 次 の 各 号 に 掲 げる 者 とする (1) 軽 種 馬 を 生 産 する 者 (2) 軽 種 馬 を 育 成 する 者 (3) 馬 主 (4) 調 教 師 (

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平 均 賃 金 を 支 払 わなければならない この 予 告 日 数 は 平 均 賃 金 を 支 払 った 日 数 分 短 縮 される( 労 基 法 20 条 ) 3 試 用 期 間 中 の 労 働 者 であっても 14 日 を 超 えて 雇 用 された 場 合 は 上 記 2の 予 告 の 手 続

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

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の 基 礎 の 欄 にも 記 載 します ア 法 人 税 の 中 間 申 告 書 に 係 る 申 告 の 場 合 は 中 間 イ 法 人 税 の 確 定 申 告 書 ( 退 職 年 金 等 積 立 金 に 係 るものを 除 きます ) 又 は 連 結 確 定 申 告 書 に 係 る 申 告 の 場

4 乙 は 天 災 地 変 戦 争 暴 動 内 乱 法 令 の 制 定 改 廃 輸 送 機 関 の 事 故 その 他 の 不 可 抗 力 により 第 1 項 及 び 第 2 項 に 定 める 業 務 期 日 までに 第 1 条 第 3 項 の 適 合 書 を 交 付 することができない 場 合 は

土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

別 紙 軽 費 老 人 ホームの 収 入 認 定 について 平 成 22 年 3 月 9 日 千 葉 県 健 康 福 祉 部 高 齢 者 福 祉 課 本 紙 は 平 成 18 年 1 月 24 日 老 発 第 号 厚 生 労 働 省 老 健 局 長 通 知 老 人 保 護 措 置 費

第 4 条 (1) 使 用 者 は 2 年 を 超 えない 範 囲 内 で( 期 間 制 勤 労 契 約 の 反 復 更 新 等 の 場 合 は その 継 続 勤 労 した 総 期 間 が2 年 を 超 えない 範 囲 内 で) 期 間 制 勤 労 者 を 使 用 することができる ただ し 次 の


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(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

1 ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 の 事 業 税 の 課 税 について ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 は 収 入 金 額 を 課 税 標 準 として 収 入 割 の 申 告 となります ( 法 72 条 の2 72 条 の 12 第 2 号 ) ガス 供 給 業 とその 他 の 事

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の 購 入 費 又 は 賃 借 料 (2) 専 用 ポール 等 機 器 の 設 置 工 事 費 (3) ケーブル 設 置 工 事 費 (4) 防 犯 カメラの 設 置 を 示 す 看 板 等 の 設 置 費 (5) その 他 設 置 に 必 要 な 経 費 ( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補

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はファクシミリ 装 置 を 用 いて 送 信 し 又 は 訪 問 する 方 法 により 当 該 債 務 を 弁 済 す ることを 要 求 し これに 対 し 債 務 者 等 から 直 接 要 求 しないよう 求 められたにもかか わらず 更 にこれらの 方 法 で 当 該 債 務 を 弁 済 するこ

(2) 広 島 国 際 学 院 大 学 ( 以 下 大 学 という ) (3) 広 島 国 際 学 院 大 学 自 動 車 短 期 大 学 部 ( 以 下 短 大 という ) (4) 広 島 国 際 学 院 高 等 学 校 ( 以 下 高 校 という ) ( 学 納 金 の 種 類 ) 第 3 条

Transcription:

滞 納 処 分 の 基 礎 知 識 弁 護 士 楠 晋 一 1 法 律 文 献 の 略 語 国 保 法 : 国 民 健 康 保 険 法 地 税 法 : 地 方 税 法 地 自 法 : 地 方 自 治 法 徴 収 法 : 国 税 徴 収 法 徴 収 法 基 本 通 達 : 国 税 徴 収 法 基 本 通 達 通 則 法 : 国 税 通 則 法 通 則 法 基 本 通 達 : 国 税 通 則 法 基 本 通 達 行 審 法 : 行 政 不 服 審 査 法 行 訴 法 : 行 政 事 件 訴 訟 法 判 タ: 判 例 タイムズ 赤 い 本 : その 差 押 え 違 法 で す! ( 楠 晋 一 勝 俣 彰 仁 川 本 善 孝 著 2014 日 本 機 関 紙 出 版 センター) 2 滞 納 処 分 ( 国 税 徴 収 法 47 条 以 下 国 保 法 79 条 の 2 地 自 法 231 条 の 3 第 3 項 地 税 法 728 条 7 項 他 )とは? 市 役 所 と 市 民 との 関 係 では 市 民 が 市 役 所 に 支 払 い 義 務 があるものでも 公 債 権 ( 税 金 国 保 料 介 護 保 険 料 保 育 料 等 )と 呼 ばれるものと 私 債 権 ( 公 営 住 宅 家 賃 等 )と 呼 ばれるものの2つに 分 けら れます 滞 納 処 分 とは 強 制 徴 収 公 債 権 について 滞 納 が 生 じた 場 合 に 役 所 が 滞 納 税 金 等 を 回 収 するため に 行 う 一 連 の 手 続 をいいます 法 律 上 滞 納 した 場 合 は 滞 納 処 分 を 義 務 的 に 行 わなくてはなりません( 徴 収 法 47 条 1 項 地 税 法 728 条 1 項 他 ) 私 債 権 は 民 間 同 士 の 争 いと 同 様 に 役 所 が 裁 判 で 訴 えるなどしてからでないと 強 制 執 行 できま せん また 私 債 権 は 役 所 といえど 自 力 では 執 行 できないので 裁 判 所 の 執 行 官 に 執 行 してもらう 必 要 があります 3 滞 納 処 分 の 手 続 き( 赤 い 本 26 頁 も 参 照 ) 法 律 で 決 められている 滞 納 処 分 の 流 れを 簡 単 に 書 くと 以 下 のとおりです ただ 実 際 には 内 部 マニュアル 等 で 財 産 調 査 をする 前 に 何 度 か 手 紙 や 電 話 や 滞 納 者 の 自 宅 を 訪 問 して 滞 納 者 に 催 告 し て それを 無 視 する 人 に 対 して 財 産 調 査 をすることにしている 自 治 体 が 一 般 的 です 債 権 の 発 生 納 付 期 限 を 過 ぎる(この 時 点 で 滞 納 ここから 先 が 滞 納 処 分 ) 納 付 期 限 から 20 日 以 内 に 滞 納 者 に 督 促 状 送 付 ( 督 促 地 税 法 726 条 1 項 本 文 ) 滞 納 者 の 財 産 に 差 し 押 さえるできる 財 産 がないか 調 べる( 財 産 調 査 徴 収 法 141 条 ) 督 促 状 発 送 日 から 数 えて 10 日 以 内 に 納 付 できない 場 合 は 滞 納 者 の 財 産 を 差 押 え( 差 押 え 地 税 1

法 728 条 1 項 1 号 ) 差 押 書 や 差 押 調 書 を 交 付 して 差 押 えの 通 知 ( 徴 収 法 68 条 同 54 条 ) 1 差 押 え 財 産 が 現 金 なら 差 し 押 えた 時 点 で 手 続 終 了 差 押 え 財 産 が 銀 行 預 金 のような 債 権 の 場 合 は 役 所 が 銀 行 からお 金 を 取 り 立 てて 回 収 ( 徴 収 法 67 条 1 項 ) 差 押 え 財 産 が 不 動 産 ( 土 地 や 建 物 ) 動 産 の 場 合 は 売 ってお 金 に 換 えて( 換 価 )して 回 収 換 価 は 公 売 が 原 則 ( 徴 収 法 94 条 ) 回 収 完 了 4 財 産 調 査 ( 金 融 機 関 の 調 査 は 徴 収 法 141 条 3 号 または 4 号 ) 徴 収 職 員 は 滞 納 処 分 のため 滞 納 者 の 財 産 を 調 査 する 必 要 があるときは その 必 要 と 認 められる 範 囲 内 において 滞 納 者 や 滞 納 者 の 財 産 の 占 有 者 滞 納 者 の 債 権 者 債 務 者 財 産 取 得 者 滞 納 者 が 出 資 している 法 人 に 質 問 や 検 査 ができます これを 財 産 調 査 といいます 財 産 調 査 は 本 来 帳 簿 等 の 調 査 も 含 む 概 念 ですが 滞 納 処 分 の 時 には 金 融 機 関 や 保 険 会 社 等 にあ る 滞 納 者 の 財 産 の 実 態 を 調 査 する 点 に 主 眼 があります 滞 納 者 のものと 評 価 できる 各 種 の 預 金 債 権 の 有 無 差 し 入 れ 担 保 の 有 無 ( 不 動 産 の 有 無 が 分 かります ) 株 式 等 の 保 護 預 かりの 有 無 生 命 保 険 の 有 無 貸 金 の 有 無 等 を 調 査 します とりわけ 預 金 調 査 では 銀 行 から 過 去 の 取 引 履 歴 も 開 示 させ ることで 別 の 財 産 を 調 査 するヒントを 得 ます そのため 役 所 は 預 金 調 査 を 重 視 する 傾 向 があり ます (1) 滞 納 処 分 のため 滞 納 者 の 財 産 を 調 査 する 必 要 があるとき とは 滞 納 処 分 のため 滞 納 者 の 財 産 の 有 無 所 在 種 類 数 量 価 額 利 用 状 況 第 三 者 の 権 利 の 有 無 等 ( 以 下 徴 収 法 141 条 関 係 において 財 産 の 状 況 等 という )を 明 らかにするため 調 査 する 必 要 があるときをいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 141-1) 質 問 の 内 容 及 び 検 査 の 方 法 等 は 財 産 の 状 況 等 を 明 らかにするために 必 要 であると 認 められる 範 囲 内 に 限 られ( 徴 収 法 基 本 通 達 141-1) 徴 収 職 員 は いわゆる 普 遍 的 一 般 的 な 調 査 はすべきでない と 考 えられています (2) 相 当 の 理 由 がある ( 徴 収 法 141 条 2 号 3 号 )とは 滞 納 者 等 の 陳 述 帳 簿 書 類 の 調 査 伝 聞 調 査 等 により 滞 納 者 の 財 産 を 占 有 し 又 は 滞 納 者 と 債 権 債 務 の 関 係 を 有 し 若 しくは 滞 納 者 から 財 産 を 取 得 したと 認 められる 場 合 等 をいいます( 徴 収 法 基 本 1 既 に 滞 納 者 の 財 産 が 他 の 税 金 等 の 滞 納 によって 差 し 押 さえられている 場 合 は 参 加 差 押 え 財 産 の 交 付 要 求 をして 配 当 を 受 け 徴 収 ( 地 税 法 728 条 5 項 ) 2

通 達 141-3) (3) 滞 納 者 が 株 主 又 は 出 資 者 である 法 人 とは 滞 納 者 が 株 主 である 株 式 会 社 又 は 滞 納 者 が 出 資 者 である 持 分 会 社 各 種 協 同 組 合 信 用 金 庫 人 格 のない 社 団 等 をいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 141-4) 5 差 押 えのルール 役 所 も 好 き 勝 手 に 差 押 えできるわけではなく ルールに 従 って 行 う 必 要 があります (1) 差 押 えの 対 象 財 産 についてのルール 差 し 押 さえる 財 産 は 滞 納 者 の 財 産 差 押 禁 止 財 産 を 差 し 押 さえることはできない (2) 滞 納 者 の 財 産 といえるか 滞 納 者 の 財 産 といえるかどうかは 一 般 的 にはその 外 観 で 判 断 します つまり 大 まかにいえば 動 産 なら 滞 納 者 が 所 持 しているかどうか( 民 法 186 条 1 項 参 照 ) 不 動 産 や 自 動 車 は 登 記 や 登 録 名 義 が 滞 納 者 かどうかで 判 断 します ただし 外 観 上 は 滞 納 者 以 外 の 人 のものだとしても 帳 簿 などから 滞 納 者 の 財 産 であることが 分 かれば 差 押 えできます また 預 金 の 場 合 は 名 義 だけではなく 預 金 の 種 類 誰 がお 金 を 出 したか 誰 がお 金 を 入 れる 手 続 をしたか 通 帳 や 銀 行 印 を 誰 が 保 管 していたか 等 の 諸 要 素 を 総 合 的 に 勘 案 して 誰 が 自 己 の 預 金 とする 意 思 を 有 していたかという 観 点 から 判 断 します( 徴 収 法 基 本 通 則 62-17(1)) 滞 納 者 の 預 金 と 判 断 できれば 名 義 にかかわらず 差 し 押 さえることができます( 同 (2)) (3) 差 押 禁 止 財 産 といえるか( 徴 収 法 75 条 から 78 条 ) 滞 納 者 の 財 産 のうち 特 定 の 物 は 主 として 滞 納 者 保 護 の 観 点 から 差 押 禁 止 財 産 とされています ア 絶 対 的 差 押 禁 止 財 産 ( 徴 収 法 75 条 1 項 ) 主 に 生 活 必 需 品 や 商 売 に 欠 かせない 物 などが 入 っています なお 商 品 は 換 価 を 目 的 とし ますので たとえ 業 務 上 欠 くことのできないものであっても 絶 対 的 差 押 禁 止 財 産 からは 除 外 され ています( 徴 収 法 75 条 1 項 5 号 徴 収 法 基 本 通 則 75-13) 民 事 執 行 は 2 か 月 分 の 最 低 生 活 費 (66 万 円 )が 差 押 禁 止 財 産 とされています( 民 執 法 131 条 3 号 民 執 令 1 条 )が 滞 納 処 分 では 現 金 は 差 押 禁 止 財 産 とはされていません 条 文 上 明 確 でない 規 定 の 具 体 例 などは 徴 収 法 基 本 通 達 の 75 条 関 連 のところに 書 かれています イ 条 件 付 差 押 禁 止 財 産 ( 徴 収 法 78 条 ) 絶 対 的 差 押 禁 止 財 産 に 当 たるとまでは 言 えませんが 一 定 の 財 産 については 滞 納 者 が 差 押 えをしな いよう 求 めることができます 3

(ア) 対 象 となる 財 産 (ただし 徴 収 法 75 条 1 項 3 号 から 5 号 まで( 農 業 等 に 欠 くことができない 財 産 )に 掲 げる 財 産 は 除 きます ) 農 業 に 必 要 な 機 械 器 具 家 畜 類 飼 料 種 子 その 他 の 農 産 物 肥 料 農 地 及 び 採 草 放 牧 地 (1 号 ) 漁 業 に 必 要 な 漁 網 その 他 の 漁 具 えさ 稚 魚 その 他 の 水 産 物 及 び 漁 船 (2 号 ) 職 業 又 は 事 業 ( 前 二 号 に 規 定 する 事 業 を 除 く )の 継 続 に 必 要 な 機 械 器 具 その 他 の 備 品 及 び 原 材 料 その 他 たな 卸 をすべき 資 産 (3 号 ) (イ) 差 押 えをしないよう 求 められる 要 件 滞 納 者 が 別 に 滞 納 額 の 全 額 を 徴 収 することができる 財 産 を 直 ちに 差 押 えできる 状 態 で 提 供 し た 財 産 の 現 金 化 が 困 難 でないこと 財 産 が 第 三 者 の 権 利 の 目 的 となっていないこと (ウ) 職 業 又 は 事 業 の 継 続 に 必 要 な 機 械 器 具 その 他 の 備 品 とは 現 に 職 業 又 は 事 業 に 従 事 している 者 が その 機 械 等 を 差 し 押 さえられることにより 現 在 程 度 の 職 業 又 は 事 業 の 継 続 維 持 に 支 障 があると 認 められる 程 度 に 職 業 又 は 事 業 に 関 係 を 有 する 機 械 等 をい います( 徴 収 法 基 本 通 達 78-8) (エ) 原 材 料 その 他 たな 卸 をすべき 資 産 とは 原 材 料 商 品 製 品 半 製 品 仕 掛 品 副 産 物 建 築 用 又 は 修 理 用 資 材 ( 例 えば セメント 鉄 くず 木 材 レール まくら 木 電 線 電 柱 機 械 部 品 等 ) 消 耗 品 ( 例 えば 油 くぎ 包 装 材 料 その 他 事 務 用 品 等 ) その 他 の 貯 蔵 品 等 会 計 処 理 上 棚 卸 しをして 現 在 量 を 確 認 するものをいい ます( 徴 収 法 基 本 通 達 78-9) ウ 給 料 等 の 差 押 禁 止 ( 徴 収 法 76 条 ) (ア) 民 事 執 行 の 場 合 給 料 はその 4 分 の 3 の 部 分 もしくは 33 万 円 のいずれか 低 い 金 額 を 超 えて 差 押 えすることは できません( 民 執 法 152 条 1 項 民 執 令 2 条 1 項 1 号 ) また 広 範 な 差 押 えが 行 われた 場 合 は 差 押 え 範 囲 の 変 更 を 求 める 訴 え( 民 執 法 153)が 起 こせます (イ) 滞 納 処 分 の 場 合 民 事 執 行 よりももっと 厳 しいレベルまで 差 押 えが 認 められています また 差 押 え 範 囲 の 変 更 を 求 める 訴 えもありません これは 滞 納 処 分 での 滞 納 者 保 護 が 差 押 禁 止 財 産 だけでなく 滞 納 処 分 の 停 止 ( 役 所 が 職 権 で 積 極 的 に 発 動 する)の 二 段 構 えで 図 られていることにも 基 づくといわれています 滞 納 処 分 によって 給 料 等 を 差 し 押 さえる 場 合 の 差 押 え 禁 止 額 は 徴 収 法 76 条 1 項 徴 収 法 施 行 令 34 条 により 以 下 のように 定 められています 4

差 押 え 禁 止 額 =A( 給 料 から 天 引 きされる 所 得 税 住 民 税 社 会 保 険 料 )+B( 最 低 生 活 費 相 当 額 ( 現 在 は 10 万 +4.5 万 世 帯 主 を 除 いた 家 族 人 数 ))+ 生 活 費 の 加 算 額 (( 総 支 給 額 -A- B)の 2 割 ) なお 差 押 えの 対 象 となる 給 料 等 には 役 員 報 酬 超 過 勤 務 手 当 扶 養 家 族 手 当 宿 日 直 手 当 通 勤 手 当 等 が 含 まれます( 徴 収 法 基 本 通 達 76-1) 差 押 えの 範 囲 の 変 更 を 求 める 手 続 きはないが 差 押 えにより 生 活 の 維 持 を 困 難 にするおそれが ある 金 額 については 職 権 で 差 押 猶 予 や 差 押 えの 解 除 が 可 能 ( 徴 収 法 基 本 通 達 76-11) (ウ) 賞 与 その 月 に 支 払 われる 給 料 等 とみなして 給 料 と 同 じ 計 算 で 差 押 禁 止 額 が 決 まります ただし 給 料 と 賞 与 が 同 じ 月 に 支 給 されるとしても 最 低 生 活 費 相 当 額 は 1 回 しかカウントしません( 同 条 3 項 徴 収 法 基 本 通 則 76-13) (エ) 退 職 金 差 押 禁 止 額 は 同 条 4 項 徴 収 法 施 行 令 34 条 により 以 下 のように 定 められています 差 押 え 禁 止 額 =A( 給 料 から 天 引 きされる 所 得 税 住 民 税 社 会 保 険 料 )+B(10 万 +4.5 万 世 帯 主 を 除 いた 家 族 人 数 3))+C(B 2 割 ( 退 職 金 支 給 の 基 礎 になった 年 数 -5)) エ 社 会 保 険 制 度 に 基 づく 給 付 の 差 押 え 禁 止 ( 徴 収 法 77 条 ) (ア) 民 事 執 行 の 場 合 年 金 恩 給 休 業 手 当 金 を 差 し 押 さえることはできません( 国 民 年 金 法 24 条 本 文 厚 生 年 金 保 険 法 41 条 本 文 恩 給 法 11 条 3 項 本 文 国 家 公 務 員 共 済 組 合 法 49 条 本 文 等 ) (イ) 滞 納 処 分 の 場 合 年 金 恩 給 等 を 給 料 とみなして 給 料 と 同 じ 金 額 だけ 差 押 えが 認 められています( 国 民 年 金 法 24 条 但 書 厚 生 年 金 保 険 法 41 条 但 書 恩 給 法 11 条 3 項 但 書 国 家 公 務 員 共 済 組 合 法 49 条 但 書 等 ) また 退 職 一 時 金 一 時 恩 給 などは 退 職 手 当 等 とみなして 上 の 退 職 金 の 計 算 式 を 適 用 します ( 徴 収 法 77 条 後 段 ) オ 特 別 法 によって 差 押 えが 禁 止 されている 主 なもの 徴 収 法 に 規 定 されている 以 外 にも 以 下 に 支 給 されるお 金 は それぞれの 法 律 に 差 押 えをしては いけないと 定 められています 1 公 的 な 保 護 援 護 等 として 支 給 された 金 品 例 : 高 額 療 養 費 傷 病 手 当 などの 健 康 保 険 の 保 険 給 付 ( 国 保 法 67, 健 康 保 険 法 61) 生 活 保 護 金 品 ( 生 活 保 護 法 58) 障 害 者 自 立 支 援 給 付 ( 障 害 者 総 合 支 援 法 13) 児 童 福 祉 法 に 基 づい て 支 給 された 金 品 ( 同 法 57 条 の 5) 児 童 手 当 ( 児 童 手 当 法 15) 児 童 扶 養 手 当 ( 児 童 扶 養 手 当 法 24) 特 別 児 童 扶 養 手 当 ( 特 別 児 童 扶 養 手 当 支 給 法 16 児 童 扶 養 手 当 法 24) 養 育 医 5

療 費 ( 母 子 保 健 法 24) 後 期 高 齢 者 医 療 給 付 ( 高 齢 者 の 医 療 の 確 保 に 関 する 法 律 62) 雇 用 保 険 給 付 ( 雇 用 保 険 法 11) 介 護 保 険 給 付 ( 介 護 保 険 法 25) 2 職 務 上 の 災 害 補 償 等 を 受 ける 権 利 例 : 災 害 補 償 を 受 ける 権 利 ( 労 基 法 83 条 2 項 ) 労 災 補 償 を 受 ける 権 利 ( 労 働 者 災 害 補 償 保 険 法 12 条 の5 第 2 項 ) 3 特 定 の 災 害 補 償 等 を 受 ける 権 利 例 : 自 賠 責 保 険 の 被 害 者 の 保 険 金 請 求 権 及 び 自 動 車 保 有 者 の 保 険 金 仮 渡 請 求 権 自 動 車 保 有 者 不 明 時 の 損 害 填 補 請 求 権 ( 自 動 車 損 害 賠 償 保 障 法 18 74) 刑 事 補 償 金 ( 刑 事 補 償 法 22) 犯 罪 被 害 者 等 給 付 金 ( 犯 罪 被 害 者 等 給 付 金 の 支 給 等 による 犯 罪 被 害 者 等 の 支 援 に 関 する 法 律 17) 公 害 健 康 被 害 補 償 給 付 ( 公 害 健 康 被 害 の 補 償 等 に 関 する 法 律 16) 原 子 力 事 業 者 がか けていた 責 任 保 険 契 約 の 保 険 金 について 原 子 力 事 故 の 被 害 者 が 受 け 取 る 権 利 ( 被 害 者 が 差 し 押 さえる 場 合 を 除 きます)( 原 子 力 損 害 の 賠 償 に 関 する 法 律 9 条 3 項 ) 4 一 定 の 共 済 金 または 保 険 金 を 受 ける 権 利 例 : 損 害 保 険 金 ( 保 険 法 22 条 3 項 ) これ 以 外 にも 差 押 禁 止 財 産 の 範 囲 及 び 差 押 えの 登 記 又 は 登 録 を 嘱 託 する 場 合 の 関 係 機 関 につい て ( 昭 和 58 年 7 月 13 日 付 国 税 庁 長 官 通 達 微 徴 4-2( 例 規 )) 別 表 1 に 記 載 されています カ 差 押 禁 止 額 を 超 える 差 押 えについて 給 与 等 賞 与 退 職 金 については 滞 納 者 の 承 諾 があれば 差 押 禁 止 額 を 超 えて 差 し 押 さえでき ます( 徴 収 法 76 条 5 項 ) その 承 諾 は 書 面 で 行 います( 徴 収 法 基 本 通 達 76-15)ので 払 うつも りがないのにサインさせられることのないように 注 意 してください キ 給 料 が 銀 行 振 込 みされた 場 合 の 金 銭 の 差 押 えについて 給 料 等 に 基 き 既 に 受 け 取 った 金 銭 は 1ヶ 月 の 給 料 の 差 押 禁 止 額 から 次 の 給 料 日 までの 日 数 を 日 割 した 金 額 を 限 度 として 差 押 えが 禁 止 されます( 徴 収 法 76 条 2 項 ) 通 達 は 給 料 が 銀 行 振 込 みの 場 合 徴 収 法 76 条 2 項 は 適 用 されないとしますが 差 押 えにより 生 活 の 維 持 を 困 難 にするおそれがあ る 金 額 については 差 押 猶 予 や 差 押 えの 解 除 ができるとしています( 徴 収 法 基 本 通 達 76-11) ク 差 押 え 禁 止 債 権 が 振 り 込 まれる 預 金 口 座 を 差 し 押 さえることができるか? ( 赤 い 本 43 頁 以 下 ) これまで 最 高 裁 平 成 10 年 2 月 10 日 判 決 があるので 差 押 禁 止 債 権 も 預 金 口 座 に 振 り 込 まれれ ば 自 由 に 差 押 えができると 考 え 方 をとる 役 所 もありました しかし 差 押 禁 止 債 権 の 制 度 趣 旨 が 完 全 に 無 視 されてしまう 点 でこの 考 え 方 は 大 いに 問 題 がありました 6

預 金 口 座 に 振 込 まれた 差 押 禁 止 債 権 であっても 差 押 えが 違 法 となることを 認 めた 広 島 高 裁 松 江 支 部 平 成 25 年 11 月 27 日 判 決 が 出 ましたので 今 後 は 役 所 が 差 押 禁 止 債 権 が 振 り 込 まれたと 知 り つつ 預 金 口 座 の 差 押 えを 強 行 した 場 合 は 不 法 行 為 が 成 立 する 余 地 があることに 注 意 すべきです (ア) 最 高 裁 平 成 10 年 2 月 10 日 判 決 ( 金 融 法 務 事 情 1535 号 64 頁 ) 事 案 :AのY 信 用 金 庫 からの 借 入 につき 連 帯 保 証 人 となっていた 原 告 Xが 平 成 5 年 2 月 から 3 月 にかけてXがY 信 金 に 有 する 普 通 預 金 口 座 に 国 民 厚 生 年 金 42 万 余 と 労 災 保 険 金 167 万 余 が 振 り 込 まれた けがで 仕 事 が 続 けられなくなったXは 同 年 4 月 1 日 にY 信 金 に 対 して 支 払 停 止 を 告 げたところ Y 信 金 は 期 限 の 利 益 を 喪 失 したとして 同 月 2 日 にAとXに 対 して 一 括 弁 済 を 催 告 し Y 信 金 は 同 月 9 日 に 保 証 債 務 残 高 18 万 円 余 りとXがY 信 金 に 預 けていた 普 通 預 金 ( 残 高 36 万 円 余 り)を 対 当 額 で 相 殺 した なお Xの 口 座 には 年 金 や 労 災 保 険 金 以 外 にも 他 の 金 融 機 関 からの 入 金 や 生 命 保 険 会 社 か らの 入 金 Xによる 出 し 入 れ 保 険 料 の 支 払 などにも 利 用 されていた 最 高 裁 の 判 示 : 原 審 の 適 法 に 確 定 した 事 実 関 係 の 下 においては 所 論 の 点 に 関 する 原 審 の 判 断 は 正 当 として 是 認 することができ その 過 程 に 所 論 の 違 法 はない 原 審 ( 札 幌 高 等 裁 判 所 平 成 9 年 5 月 25 日 判 決 金 融 法 務 事 情 1535 号 67 頁 )の 判 示 : 年 金 等 のよ うに 差 押 ができない 旨 定 められている 給 付 については それらが 受 給 者 の 預 金 口 座 に 振 り 込 まれた 場 合 においても 受 給 者 の 生 活 保 持 の 見 地 から 右 差 押 禁 止 の 趣 旨 は 十 分 に 尊 重 されて しかるべきではある しかし 国 民 年 金 及 び 労 災 補 償 保 険 金 の 受 給 権 が 差 押 等 を 禁 止 されて いるとしても その 給 付 金 が 受 給 者 の 預 金 口 座 に 振 り 込 まれると それは 受 給 者 の 預 金 債 権 に 転 化 し 受 給 者 の 一 般 財 産 になるから この 預 金 債 権 は 原 則 として 差 押 等 禁 止 債 権 として の 属 性 を 承 継 しない 従 って これを 受 働 債 権 とする 相 殺 は 禁 止 されない (イ) 広 島 高 裁 松 江 支 部 平 成 25 年 11 月 27 日 判 決 (ジュリスト 1485 号 131 頁 ) 事 案 : 鳥 取 県 が 原 告 Xが 滞 納 している 自 動 車 税 個 人 事 業 税 を 回 収 するために XのA 銀 行 預 金 口 座 に 児 童 手 当 13 万 円 が 振 り 込 まれた 当 日 に 同 口 座 を 差 し 押 さえて 預 金 全 額 13 万 0073 円 を 回 収 し 上 記 各 税 に 配 当 した Xは 差 押 え 配 当 処 分 の 無 効 を 理 由 とする 処 分 の 取 消 し な らびに 被 告 鳥 取 県 に 対 して 回 収 した 金 額 の 返 還 と 慰 謝 料 の 支 払 を 求 めた 判 示 :α) 差 押 処 分 の 取 消 請 求 が 認 められるか 被 差 押 債 権 の 取 立 てにより 債 権 差 押 処 分 の 効 果 がなくなった 後 は, 差 押 処 分 の 取 消 によって 回 復 すべき 法 律 上 の 利 益 がないと 判 断 して 差 押 処 分 の 取 消 請 求 は 却 下 した その 上 で 判 決 は 差 押 処 分 が 違 法 であることで 滞 納 者 が 受 けた 損 害 は, 差 押 処 分 の 取 消 等 ではなく, 不 法 行 為 に 基 づく 損 害 賠 償 請 求 あるいは 不 当 利 得 返 還 請 求 の 方 法 つまりいきなり 民 事 訴 訟 を 起 こして 損 害 回 復 を 図 ればよいとした β) 差 押 禁 止 債 権 が 預 金 口 座 に 振 り 込 まれた 場 合 でも 差 押 禁 止 となるか 7

判 決 は 最 判 平 成 10 年 2 月 10 日 の 先 例 性 を 認 め 差 押 等 禁 止 債 権 に 係 る 金 員 が 預 金 口 座 に 振 り 込 まれると 原 則 差 押 等 禁 止 債 権 の 属 性 を 承 継 しないと 判 断 した しかし 本 件 では 県 税 局 が 差 押 処 分 時 に 預 金 口 座 に 児 童 手 当 が 振 り 込 まれることを 認 識 して いたこと 被 差 押 債 権 の 大 部 分 が 児 童 手 当 の 振 込 により 形 成 されたことから 差 押 時 点 では 預 金 債 権 のうちの 児 童 手 当 相 当 額 はいまだ 児 童 手 当 の 属 性 を 失 っていないとして 差 押 禁 止 債 権 の 性 質 の 承 継 を 認 めた そして 差 押 は 児 童 手 当 法 15 条 の 趣 旨 に 反 するとして 違 法 と 判 示 し 児 童 手 当 相 当 額 の 返 還 を 認 めた 今 後 資 産 がない 人 について 差 押 禁 止 債 権 が 預 金 口 座 に 振 り 込 まれた 直 後 に 口 座 を 差 し 押 える 行 為 は 原 則 違 法 となると 考 えられ これまでの 行 政 の 運 用 に 強 い 警 鐘 を 鳴 らすものといえる γ) 違 法 な 差 押 について 国 家 賠 償 が 認 められるか 判 決 は 上 記 最 高 裁 判 決 があるから 事 件 当 時 においては 差 押 禁 止 債 権 が 預 金 口 座 に 振 り 込 まれた 直 後 に 差 押 えすることも 許 されると 考 えることに 相 当 な 合 理 性 があったとして 国 家 賠 償 や 不 当 利 得 返 還 請 求 の 悪 意 利 息 の 請 求 は 認 めなかった しかしながら この 高 裁 判 決 が 確 定 したことで 今 後 差 押 禁 止 債 権 の 属 性 が 承 継 されるケー スで 今 回 と 同 様 の 差 押 えが 行 われた 場 合 は 役 所 はこの 判 決 があることを 知 りながら 差 押 えし たと 評 価 されて 悪 意 利 息 の 請 求 が 認 められたり 国 家 賠 償 請 求 において 故 意 過 失 が 認 めら れる 余 地 は 十 分 あると 考 えられる (4) 差 押 え 財 産 の 選 択 差 押 えの 対 象 財 産 の 選 択 は 徴 収 職 員 の 裁 量 で 決 められますが 徴 収 法 基 本 通 達 47-17は 選 択 の 際 には 以 下 に 掲 げる 事 項 に 十 分 留 意 して 選 択 するよう 定 めています 1 第 三 者 の 権 利 を 害 することが 少 ない 財 産 であること( 徴 収 法 49 条 参 照 ) 2 滞 納 者 の 生 活 の 維 持 又 は 事 業 の 継 続 に 与 える 支 障 が 少 ない 財 産 であること 3 換 価 が 容 易 な 財 産 であること 4 保 管 又 は 引 揚 げに 便 利 な 財 産 であること (5) 生 命 保 険 契 約 の 解 約 返 戻 金 請 求 権 の 取 立 て 生 命 保 険 を 差 し 押 さえた( 正 確 には 生 命 保 険 契 約 の 解 約 返 戻 金 請 求 権 を 差 し 押 さえた) 場 合 には 役 所 は その 取 立 権 に 基 づき 保 険 を 解 約 することができます 生 命 保 険 は 役 所 から 解 約 通 知 が 保 険 会 社 に 到 達 した 日 から 1 ヶ 月 で 解 約 になります( 保 険 法 60 条 同 法 89 条 ) ただし 解 約 するに 当 たっては 解 約 によって 滞 納 租 税 を 回 収 する 役 所 の 利 益 と 保 険 契 約 者 及 び 保 険 金 受 取 人 の 不 利 益 ( 保 険 金 請 求 権 や 特 約 に 基 づく 入 院 給 付 金 請 求 権 等 の 喪 失 )とを 比 較 して 考 える 必 要 があります 次 のような 場 合 には 解 約 することで 役 所 の 利 益 よりも 契 約 者 の 不 利 益 の 方 が 著 しいことにならないか 役 所 は 慎 重 に 判 断 するものとされています( 徴 収 法 基 本 通 達 67-6) (1) 近 々 保 険 事 故 の 発 生 により 多 額 の 保 険 金 請 求 権 が 発 生 することが 予 測 される 場 合 8

(2) 被 保 険 者 が 現 実 に 特 約 に 基 づく 入 院 給 付 金 の 給 付 を 受 けており 当 該 金 員 が 療 養 生 活 費 に 充 て られている 場 合 (3) 老 齢 又 は 既 病 歴 を 有 する 等 の 理 由 により 他 の 生 命 保 険 契 約 に 新 規 に 加 入 することが 困 難 であ る 場 合 (4) 差 押 えに 係 る 滞 納 税 額 と 比 較 して 解 約 返 戻 金 の 額 が 著 しく 少 額 である 場 合 (6) 超 過 差 押 の 禁 止 ( 徴 収 法 48 条 1 項 ) 税 金 を 徴 収 するために 必 要 な 財 産 以 外 の 財 産 は 差 し 押 えることができません もっとも 差 押 財 産 が 物 の 形 状 から 分 割 できない 物 や 分 割 することでその 物 の 価 値 が 大 きく 下 がる 物 など 不 可 分 物 といえる 場 合 は その 財 産 の 価 額 が 滞 納 額 を 超 えるときであっても 超 過 差 押 えには 当 たりません( 徴 収 法 基 本 通 達 48-3) (7) 無 益 な 差 押 えの 禁 止 ( 徴 収 法 48 条 2 項 ) 差 押 時 における 差 押 対 象 財 産 の 処 分 予 定 価 額 が 滞 納 処 分 費 用 と 滞 納 国 保 料 より 優 先 して 回 収 さ れる 税 金 等 の 金 額 の 合 計 額 を 超 える 見 込 みがなければ 滞 納 国 保 料 の 回 収 に 役 立 ちませんので 差 押 えはできません( 徴 収 法 48 条 2 項 ) もっとも 処 分 予 定 価 額 が 滞 納 処 分 費 用 及 び 滞 納 国 保 料 より 優 先 して 回 収 される 税 金 等 の 金 額 の 合 計 額 を 超 える 見 込 みのないことが 一 見 して 明 らかでない 限 り 直 ちに 差 押 えが 違 法 となるわけで はありません( 徴 収 法 基 本 通 達 48-5) 6 納 税 緩 和 制 度 (1) 納 期 限 の 延 長 ( 通 則 法 11 条 地 税 法 20 条 の 5 の 2) 災 害 その 他 やむを 得 ない 理 由 により 租 税 等 を 期 限 内 に 納 められない 場 合 は 国 税 は 災 害 等 が 止 んだ 時 から 2 カ 月 以 内 地 方 税 は 条 例 の 定 める 期 間 納 付 期 限 が 延 長 されます ア 災 害 その 他 やむを 得 ない 理 由 とは? 自 然 現 象 の 異 変 による 災 害 や 火 災 やガス 爆 発 といった 人 為 による 異 常 な 災 害 申 告 等 をする 者 の 重 傷 病 その 他 の 自 己 の 責 めに 帰 さないやむを 得 ない 事 実 といった 申 告 申 請 請 求 届 出 その 他 書 類 の 提 出 納 付 または 徴 収 に 関 する 行 為 ができないことをいい 災 害 その 他 やむを 得 ない 理 由 の ために 資 金 不 足 を 生 じて その 結 果 として 納 付 ができない 場 合 は 含 みません( 通 則 法 基 本 通 達 11-1) イ 効 果 納 期 限 が 延 長 されると 延 滞 税 が 免 除 されます( 通 則 法 63 条 2 項 地 税 法 20 条 の9の5 第 1 項 ) (2) 災 害 により 損 失 を 受 けた 場 合 の 納 税 の 猶 予 ( 通 則 法 46 条 1 項 地 方 税 にはなし) ア 要 件 9

1 災 害 により 損 失 を 受 けたこと 2 通 則 法 46 条 1 項 各 号 通 則 令 14 条 所 定 の 国 税 について 行 うこと 3 災 害 の 止 んだ 日 から 2 カ 月 以 内 に 申 請 したこと イ 猶 予 の 期 間 財 産 の 損 失 の 程 度 に 応 じた 期 間 ( 納 期 限 から 1 年 以 内 ) 延 長 の 規 定 なし ウ 猶 予 の 効 果 猶 予 期 間 中 新 たに 督 促 滞 納 処 分 ができない( 通 則 法 48 条 1 項 ) 既 になされた 差 押 えの 解 除 ( 同 条 2 項 ) 時 効 の 不 進 行 ( 同 73 条 4 項 ) 延 滞 税 は 原 則 全 額 免 除 ( 同 63 条 1 項 ) (3) 災 害 廃 業 等 により 納 付 困 難 な 場 合 の 納 税 猶 予 ( 地 税 法 15 条 1 項 通 則 法 46 条 2 項 ) ア 要 件 1 以 下 の 要 件 のいずれかに 該 当 すること 財 産 につき 災 害 ( 通 則 法 基 本 通 達 46-1 参 照 )を 受 けたり 盗 難 にあった 納 税 者 や 生 計 を 一 にする 親 族 が 病 気 になったり 負 傷 した 法 令 の 規 定 又 は 業 績 の 著 しい 悪 化 等 のやむを 得 ない 理 由 により 事 業 の 全 部 又 は 一 部 を 廃 止 又 は 休 止 した ( 通 則 法 基 本 通 達 46-11) 納 税 者 がその 事 業 につき 著 しい 損 失 を 受 けた( 通 則 法 基 本 通 達 46-11-2) 上 記 に 類 する 事 実 があった( 通 則 法 基 本 通 達 46-12 参 照 ) 2 1の 事 実 のために 租 税 を 一 時 に 納 付 できないこと 3 納 税 者 が 猶 予 を 申 請 したこと イ 猶 予 の 期 間 納 付 能 力 に 応 じた 期 間 ( 猶 予 の 始 期 から 1 年 以 内 )( 通 則 法 46 条 2 項 地 税 法 15 条 1 項 ) 延 長 は 最 長 2 年 以 内 ( 通 則 法 46 条 7 項 地 税 法 15 条 3 項 ) ウ 猶 予 の 金 額 納 付 できない 金 額 が 限 度 ( 通 則 法 46 条 2 項 地 税 法 15 条 1 項 ) 分 割 納 付 できる( 通 則 法 46 条 4 項 地 税 法 15 条 1 項 ) エ 猶 予 の 効 果 猶 予 期 間 中 新 たな 督 促 滞 納 処 分 不 可 ( 通 則 法 48 条 1 項 地 税 法 15 条 の 2 第 1 項 ) 既 になされた 差 押 えの 解 除 ( 通 則 法 48 条 2 項 地 税 法 15 条 の 2 第 2 項 ) 時 効 の 不 進 行 ( 通 則 法 73 条 4 項 地 税 法 18 条 の 2 第 4 項 ) 10

延 滞 税 は 要 件 1の 事 実 により 全 額 免 除 と 半 額 免 除 に 区 別 ( 通 則 法 63 条 1 項 地 税 法 15 条 の 9 第 1 項 ) 非 免 除 部 分 について 裁 量 免 除 可 能 ( 通 則 法 63 条 3 項 地 税 法 15 条 の 9 第 2 項 ) オ 担 保 の 提 供 について 国 税 の 場 合 は 原 則 担 保 が 必 要 ただし 以 下 の 場 合 は 担 保 不 要 ( 通 則 法 46 条 5 項 ) 1 猶 予 金 額 が 100 万 円 以 下 または 猶 予 期 間 が 3 カ 月 以 内 の 場 合 ( 同 項 但 書 前 段 ) 2 通 則 法 50 条 記 載 の 財 産 がなく かつ 保 証 人 となる 適 当 な 者 がいない 場 合 3 財 産 はあるがその 財 産 の 見 積 価 額 が 猶 予 に 係 る 国 税 及 びこれに 先 立 つ 抵 当 権 等 により 担 保 され る 債 権 その 他 の 債 権 の 合 計 額 を 超 える 見 込 みがない 場 合 4 担 保 を 取 ることで 事 業 の 継 続 または 生 活 の 維 持 に 著 しい 支 障 を 与 えると 認 められる 場 合 ( 以 上 同 項 但 書 後 段 通 則 法 基 本 通 達 46-14) 地 方 税 の 場 合 も 原 則 担 保 が 必 要 ただし 金 額 期 間 を 勘 案 して 担 保 を 徴 する 必 要 がない 場 合 と して 条 例 で 定 めた 場 合 は 担 保 不 要 ( 地 税 法 16 条 1 項 ) (4) 天 災 貧 困 等 を 理 由 とする 国 保 料 減 免 ( 地 税 法 717 条 国 保 法 77 条 ) 国 保 料 ( 税 )については 地 税 法 717 条 で 天 災 その 他 特 別 の 事 情 がある 場 合 において 国 保 料 の 減 免 を 必 要 とすると 認 める 者 貧 困 により 生 活 のため 公 私 の 扶 助 を 受 ける 者 その 他 特 別 の 事 情 があ る 者 に 限 り 市 町 村 の 条 例 より 国 保 料 の 減 免 ができると 定 めています 減 免 の 要 件 や 内 容 は 各 市 町 村 によって 異 なるが 大 阪 では 府 下 全 自 治 体 で 条 例 による 減 免 制 度 が 定 められています (5) 国 保 料 の 法 定 軽 減 (7 割 5 割 2 割 ) 3 割 軽 減 世 帯 全 員 の 所 得 の 合 計 が 基 準 額 以 下 の 世 帯 について 医 療 分 後 期 高 齢 者 支 援 金 分 介 護 分 保 険 料 の 平 等 割 均 等 割 を 軽 減 します 世 帯 全 員 の 所 得 が 判 明 していれば 7 割 5 割 2 割 軽 減 については 国 保 料 決 定 時 に 自 動 的 に 適 用 されます なお 大 阪 市 では 2 割 軽 減 が 適 用 されている 世 帯 のうち 3 割 軽 減 基 準 額 以 下 の 世 帯 について は 国 保 料 決 定 後 に 残 りの 1 割 部 分 を 申 請 により 軽 減 できる 制 度 があります (6) 滞 納 処 分 の 停 止 ( 地 税 法 15 条 の7 徴 収 法 153) ア 意 義 一 定 の 要 件 に 該 当 する 場 合 に 滞 納 処 分 による 強 制 徴 収 の 手 続 を 停 止 するものです 原 則 滞 納 し ている 税 金 すべてに 対 して 行 われます( 徴 収 法 基 本 通 達 153-8) 税 務 署 長 等 の 職 権 によりますので 滞 納 者 は 停 止 しないことを 理 由 に 不 服 申 立 てや 裁 判 は 起 こ せません( 徴 収 法 基 本 通 達 153-5) 逆 に 税 務 署 長 等 は 滞 納 者 の 申 請 が 無 くても 停 止 できます イ 要 件 11

以 下 のいずれかの 事 実 がある 場 合 1 滞 納 処 分 をすることができる 財 産 がないとき 2 生 活 を 著 しく 窮 迫 させるおそれがあるとき 3 納 税 者 の 所 在 及 び 滞 納 処 分 を 実 行 すべき 財 産 がともに 不 明 の 場 合 ウ 要 件 の 具 体 的 説 明 (ア) 1 滞 納 処 分 をすることができる 財 産 がないとき とは (a) 差 押 えの 対 象 となった またはなりうる 財 産 の 価 値 が 滞 納 処 分 費 用 と 滞 納 租 税 に 優 先 する 債 権 の 合 計 額 を 超 える 見 込 みがない 場 合 つまり 滞 納 処 分 をしても 滞 納 租 税 の 回 収 につながらない 場 合 または (b) 差 し 押 さえられる 財 産 はすべて 差 し 押 さえて 換 価 したが なお 回 収 できない 滞 納 租 税 が 残 った 場 合 をいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 153-2) (イ) 2 生 活 を 著 しく 窮 迫 させるおそれがあるとき とは 滞 納 者 の 財 産 につき 滞 納 処 分 を 執 行 することにより 滞 納 者 が 生 活 保 護 法 の 適 用 を 受 けなければ 生 活 を 維 持 できない 程 度 の 状 態 ( 最 低 生 活 費 相 当 額 {10 万 +4.5 万 ( 家 族 人 数 1( 世 帯 主 ))} で 営 まれる 生 活 の 程 度 )になるおそれのある 場 合 をいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 153-3) そのため 現 に 生 活 保 護 を 受 けている 人 はもちろん 滞 納 処 分 によって 生 活 保 護 に 追 いやられる 境 界 層 の 人 もこの 要 件 に 該 当 します エ 効 果 1 滞 納 処 分 が 禁 止 され 差 押 が 解 除 されます( 徴 収 法 153 条 3 項 ) 2 滞 納 処 分 の 執 行 停 止 が 3 年 間 継 続 したときはその 租 税 債 務 は 消 滅 します( 同 条 4 項 ) 延 滞 税 も 消 滅 します( 徴 収 法 基 本 通 達 153-13) 消 滅 した 場 合 は 滞 納 者 に 通 知 がなされることになっ ています( 徴 収 法 基 本 通 達 153-17) 3 延 滞 金 が 免 除 されます( 通 則 法 63 条 1 項 本 文 徴 収 法 基 本 通 達 143-14) オ 滞 納 処 分 の 停 止 中 に 滞 納 者 は 自 分 から 進 んで 滞 納 租 税 を 納 付 できるか? 徴 収 法 基 本 通 達 153-11は 滞 納 処 分 の 停 止 をした 場 合 において 滞 納 者 が 自 分 から 進 んでその 停 止 されている 税 金 を 納 付 したときには 滞 納 している 税 金 に 充 てて 差 し 支 えないとしています しかし この 通 達 を 根 拠 に 役 所 が 生 活 保 護 受 給 者 に 対 して 受 給 前 の 滞 納 税 金 を 納 めるように 迫 ることは 許 されません 強 引 な 説 得 には 抗 議 して 止 めさせましょう (6) 換 価 の 猶 予 納 税 者 に 一 定 の 事 由 がある 場 合 に 納 税 者 の 財 産 の 換 価 を 猶 予 するものです これまで 換 価 の 猶 予 には 税 務 署 長 等 の 職 権 によるものしかありませんでした しかし 平 成 2 7 年 改 正 により 申 請 による 換 価 の 猶 予 が 認 められました ア 職 権 による 換 価 の 猶 予 ( 地 税 法 15 条 の 5 徴 収 法 151 条 ) (ア) 要 件 1 滞 納 者 が 納 税 について 誠 実 な 意 思 を 有 すると 認 められること 12

2 徴 収 の 猶 予 または 申 請 による 換 価 の 猶 予 を 受 けている 場 合 ではないこと 3 いずれかの 要 件 を 満 たすこと その 財 産 を 直 ちに 換 価 することにより 滞 納 者 の 事 業 の 継 続 又 は 生 活 の 維 持 を 困 難 にするおそ れがあるとき 財 産 の 換 価 を 猶 予 する 方 が 直 ちに 換 価 するより 滞 納 に 係 る 地 方 団 体 の 徴 収 金 及 び 近 い 将 来 に おいて 納 付 すべき 地 方 団 体 の 徴 収 金 の 徴 収 上 有 利 であるとき (イ) 納 税 について 誠 実 な 意 思 を 有 すると 認 められる の 意 義 滞 納 者 が 現 在 においてその 滞 納 に 係 る 租 税 を 優 先 的 に 納 付 する 意 思 を 有 していることをいう その 意 思 の 有 無 は 従 来 において 期 限 内 に 納 付 していたこと 過 去 に 納 税 の 猶 予 又 は 換 価 の 猶 予 等 を 受 けた 場 合 において 確 実 に 分 割 納 付 を 履 行 していたこと 滞 納 租 税 の 早 期 完 納 に 向 けた 経 費 の 節 約 借 入 の 返 済 額 の 減 額 資 金 調 達 等 の 努 力 が 適 切 になされていることなどの 事 情 を 考 慮 して 判 定 する 過 去 のほ 脱 の 行 為 又 は 滞 納 の 事 実 のみで 誠 実 な 意 思 の 有 無 を 判 定 するのではなく 現 在 における 滞 納 国 税 の 早 期 完 納 に 向 けた 取 組 も 併 せて 考 慮 する (いずれも 徴 収 法 基 本 通 達 151-2) (ウ) 滞 納 者 の 事 業 の 継 続 を 困 難 にするおそれがあるとき とは 事 業 の 不 要 不 急 の 資 産 を 処 分 する 等 事 業 経 営 の 合 理 化 を 行 った 後 においても なお 差 押 財 産 を 換 価 するとその 滞 納 者 の 事 業 の 継 続 を 困 難 にするおそれがあると 認 められる 場 合 をいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 151-3) (エ) 生 活 の 維 持 を 困 難 にするおそれがあるとき とは 差 押 財 産 を 換 価 することにより 滞 納 者 の 必 要 最 低 限 の 生 活 費 程 度 の 収 入 が 期 待 できなくなる 場 合 をいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 151-4) (オ) 滞 納 に 係 る 地 方 団 体 の 徴 収 金 の 徴 収 上 有 利 であるとき とは (1) 滞 納 者 の 財 産 のうち 滞 納 処 分 ができるすべての 財 産 につき 滞 納 処 分 を 執 行 したとしても 滞 納 額 を 全 額 徴 収 できない 場 合 であって 換 価 処 分 を 執 行 しないこととした 場 合 には その 猶 予 期 間 内 に 新 たな 滞 納 を 生 ずることなく その 猶 予 すべき 租 税 の 全 額 を 徴 収 することができると 認 めら れるとき (2) 換 価 すべき 財 産 の 性 質 形 状 用 途 所 在 等 の 関 係 で 換 価 できるまでには 相 当 の 期 間 を 要 する と 認 められる 場 合 で 換 価 処 分 を 執 行 しないことが その 猶 予 すべき 租 税 及 びその 猶 予 すべき 期 間 内 において 納 付 すべきこととなる 租 税 の 徴 収 上 有 利 であると 認 められるとき (3) 滞 納 租 税 につき 直 ちに 徴 収 できる 場 合 等 であっても 最 近 において 納 付 すべきこととなる 租 税 と 既 に 滞 納 となっている 租 税 との 総 額 については 換 価 処 分 を 執 行 しないことが 徴 収 上 有 利 であ ると 認 められるとき のいずれかに 該 当 する 場 合 をいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 151-5) イ 申 請 による 換 価 の 猶 予 ( 地 税 法 15 条 の 6 徴 収 法 151 条 の 2) 13

(ア) 要 件 1 納 付 すべき 租 税 を 一 時 に 納 付 することにより その 事 業 の 継 続 又 はその 生 活 の 維 持 を 困 難 にす るおそれがあると 認 められること 2 滞 納 者 が 租 税 の 納 付 または 納 入 について 誠 実 な 意 思 を 有 すると 認 められること 3 納 付 すべき 租 税 について 納 税 の 猶 予 の 適 用 を 受 けている 場 合 でないこと( 徴 収 法 基 本 通 達 151 の 2-10) 4 原 則 として 換 価 の 猶 予 の 申 請 にかかる 租 税 以 外 の 租 税 に 滞 納 がないこと( 徴 収 法 151 条 の 2 第 2 項 地 税 法 15 条 の 6 第 2 項 ) 5 地 方 税 の 場 合 はその 他 条 例 で 定 めた 場 合 に 該 当 しないこと( 地 税 法 15 条 の 6 第 2 項 ) (イ) 事 業 の 継 続 を 困 難 にするおそれがある ( 徴 収 法 151 条 の 2 第 1 項 地 税 法 15 条 の 6 第 1 項 )とは? 事 業 に 不 要 不 急 の 資 産 を 処 分 するなど 事 業 経 営 の 合 理 化 を 行 った 後 においても なお 租 税 を 一 時 に 納 付 することにより 事 業 を 休 止 し 又 は 廃 止 させるなど その 滞 納 者 の 事 業 の 継 続 を 困 難 に するおそれがある 場 合 をいう( 徴 収 法 基 本 通 達 151 の 2-3) (ウ) 生 活 の 維 持 を 困 難 にするおそれがある ( 徴 収 法 151 条 の 2 第 1 項 地 税 法 15 条 の 6 第 1 項 )とは? 租 税 を 一 時 に 納 付 することにより 滞 納 者 の 必 要 最 低 限 の 生 活 費 程 度 の 収 入 が 確 保 できなくなる 場 合 をいう( 徴 収 法 基 本 通 達 151 の 2-4) (エ) 納 税 について 誠 実 な 意 思 を 有 する ( 徴 収 法 151 条 の 2 第 1 項 地 税 法 15 条 の 6 第 1 項 ) とは? 職 権 による 換 価 の 猶 予 と 同 じ( 徴 収 法 基 本 通 達 151 の 2-2 同 151-2) (オ) 換 価 の 猶 予 の 申 請 にかかる 租 税 以 外 の 租 税 の 滞 納 がないこと( 徴 収 法 151 条 の 2 第 2 項 地 税 法 15 条 の6 第 2 項 ) 換 価 の 猶 予 の 申 請 に 係 る 租 税 以 外 の 租 税 であって 納 期 限 までに 納 付 されていないものをいう ただし 納 税 の 猶 予 又 は 換 価 の 猶 予 の 申 請 中 の 租 税 ならびに 現 に 納 税 の 猶 予 又 は 換 価 の 猶 予 を 受 けている 租 税 は 除 く( 徴 収 法 基 本 通 達 151 の 2-9) (カ) 申 請 書 の 提 出 期 間 地 方 税 の 場 合 は 納 期 限 から 条 例 で 定 められた 期 間 の 経 過 前 国 税 の 場 合 は 納 期 限 から 6 カ 月 以 内 に 申 請 書 を 地 方 税 の 場 合 は 首 長 に 国 税 の 場 合 は 税 務 署 長 に 申 請 書 を 提 出 する 必 要 があります ( 徴 収 法 151 条 の 2 第 1 項 地 税 法 15 条 の 6 第 1 項 ) 申 請 書 の 記 載 事 項 や 添 付 書 類 は 徴 収 法 151 条 の 2 第 3 項 徴 収 法 施 行 令 53 条 2 項 地 税 法 15 条 の 6 の 2 第 2 項 に 記 載 されています (キ) 担 保 について 原 則 担 保 が 必 要 例 外 については 納 税 の 猶 予 の 記 載 を 参 照 ( 徴 収 法 152 条 3 項 通 則 法 46 条 5 項 地 税 法 16 条 1 項 ) 14

ウ 効 果 ( 徴 収 法 152 条 地 税 法 15 の 5 の 3 同 15 の 6 の 3) 差 押 財 産 の 換 価 処 分 が 制 限 されます また 必 要 があると 認 められる 場 合 は 差 押 を 猶 予 し 既 にしている 差 押 を 解 除 することができます( 徴 収 法 152 条 2 項 地 税 法 15 の 5 の 3 第 1 項 同 15 の6の3 第 1 項 ) 延 滞 税 についても 半 額 は 免 除 され 残 り 半 額 はさらに 減 免 されることがあります( 通 則 法 63 条 1 項 同 条 3 項 ) エ 換 価 の 猶 予 の 期 間 換 価 の 猶 予 をする 期 間 は 1 年 を 限 度 として 滞 納 者 の 財 産 の 状 況 その 他 の 事 情 からみて 合 理 的 かつ 妥 当 な 金 額 で 分 割 して 納 付 した 場 合 において その 猶 予 した 租 税 を 完 納 することができる 最 短 期 間 とする( 徴 収 法 基 本 通 達 151-5-2 同 151 の 2-7) ただし 猶 予 期 間 内 に 納 付 できないこと がやむを 得 ない 場 合 すなわち 納 税 者 の 責 任 とはいえない 場 合 はすでに 猶 予 した 期 間 と 併 せて2 年 間 までは 猶 予 期 間 の 延 長 ができます( 徴 収 法 152 条 1 項 通 則 法 46 条 7 項 ) オ 換 価 の 猶 予 が 認 められる 金 額 猶 予 が 認 められる 金 額 は 納 付 を 困 難 とする 金 額 として 次 の(1)の 額 から(2)の 額 を 控 除 し た 残 額 を 限 度 とする( 徴 収 法 152 条 1 項 徴 収 法 施 行 令 53 条 3 項 徴 収 法 基 本 通 達 152-1) (1) 納 付 すべき 租 税 の 額 (2) 滞 納 者 の 納 付 能 力 を 判 定 した 日 ( 調 査 日 )において 滞 納 者 が 有 する 現 金 預 貯 金 その 他 の 換 価 の 容 易 な 財 産 の 価 額 に 相 当 する 金 額 から それぞれ 次 に 定 める 額 ( 徴 収 法 基 本 通 達 152-3 及 び 同 152-4 に 従 って 計 算 し 当 該 金 額 が 0 円 に 満 たない 場 合 には 0 円 とする )を 控 除 した 残 額 イ 滞 納 者 が 法 人 の 場 合 には その 事 業 の 継 続 のために 当 面 必 要 な 運 転 資 金 の 額 ロ 滞 納 者 が 個 人 の 場 合 には 次 に 掲 げる 額 の 合 計 額 (イ) 滞 納 者 及 び 滞 納 者 と 生 計 を 一 にする 配 偶 者 その 他 の 親 族 の 生 活 の 維 持 のために 通 常 必 要 と される 費 用 に 相 当 する 金 額 ( 滞 納 者 が 負 担 すべきものに 限 る ) (ロ) 滞 納 者 の 事 業 の 継 続 のために 当 面 必 要 な 運 転 資 金 の 額 カ 分 納 について 猶 予 された 金 額 は 猶 予 期 間 中 に 毎 月 分 割 払 いをする この 場 合 滞 納 者 の 財 産 の 状 況 その 他 の 事 情 からみて 毎 月 の 納 付 金 額 が 合 理 的 かつ 妥 当 なもの( 滞 納 者 の 財 産 の 状 況 その 他 の 事 情 から みて 滞 納 者 の 事 業 の 継 続 又 は 生 活 の 維 持 を 困 難 にすることなく 猶 予 期 間 内 の 各 月 において 納 付 す ることができる 金 額 であって かつ その 猶 予 に 係 る 租 税 を 最 短 の 期 間 で 完 納 することができる 金 額 )となるようにしなければならない ( 徴 収 法 152 条 1 項 通 則 法 46 条 4 項 徴 収 法 基 本 通 達 152-7) 15

7 消 滅 時 効 (1) 消 滅 時 効 期 間 ア 国 保 料 国 保 料 債 権 は 2 年 で 消 滅 時 効 にかかります( 国 保 法 110 条 1 項 ) 時 効 の 起 算 点 ( 消 滅 時 効 のカ ウントダウンを 始 めるスタート 地 点 )については 特 に 規 定 がありませんので 納 付 書 記 載 の 納 期 限 日 の 翌 日 からとなります イ 税 ( 国 保 税 含 む) 法 定 納 期 限 ( 納 付 書 記 載 の 納 期 限 日 )の 翌 日 から 数 えて5 年 で 消 滅 時 効 にかかります( 地 税 法 18 条 1 項 柱 書 ) ウ 延 滞 金 裁 判 例 によれば 延 滞 金 は 遅 延 利 息 の 実 質 があり 滞 納 日 数 に 応 じて 日 々 発 生 し 発 生 した 次 の 日 から 請 求 できるので 消 滅 時 効 の 起 算 日 は 発 生 日 の 翌 日 と 考 えられています( 大 阪 高 裁 昭 和 45 年 4 月 17 日 判 決 判 タ 252 号 276 頁 ) しかし この 考 え 方 によると 国 保 料 等 が 時 効 消 滅 しても 国 保 料 なら 直 近 2 年 国 保 税 に 至 って は 直 近 5 年 の 延 滞 金 は 時 効 にかかっておらず 時 効 消 滅 した 国 保 料 等 の 延 滞 金 のみが 請 求 可 能 にな るという 奇 妙 な 結 論 になります 時 効 の 効 果 は 起 算 日 に 遡 ります( 民 法 144 条 ) つまり 消 滅 時 効 にかかった 国 保 料 等 は 初 めから 存 在 しなかったものとみなされるのです それならば 元 の 国 保 料 等 が 存 在 しない 以 上 延 滞 金 も 起 算 日 に 遡 って 発 生 しなかったというべきであり 延 滞 金 は 支 払 う 必 要 がないというべきでしょ う (2) 時 効 の 効 力 ア 一 般 の 場 合 民 法 では 時 効 の 効 果 を 受 けたい 人 は 相 手 方 にその 旨 の 意 思 表 示 ( 援 用 )をしなくてはなりませ ん( 民 法 145 条 ) また 時 効 が 完 成 しても あえて 払 いたい 人 は 時 効 の 利 益 を 放 棄 して 支 払 うことができます イ 税 の 場 合 国 保 料 等 が 消 滅 時 効 にかかった 場 合 は 消 滅 時 効 の 援 用 は 必 要 なく 市 町 村 は 自 動 的 に 請 求 でき なくなります( 税 は 地 税 法 18 条 2 項 国 保 料 は 国 保 法 79 条 の 2 地 自 法 236 条 2 項 ) そのた め もし 時 効 消 滅 後 に 間 違 って 支 払 った 場 合 市 町 村 は 支 払 われた 国 保 料 等 を 過 誤 納 金 として 返 さ なくてはなりません (3) 時 効 の 中 断 16

時 効 の 中 断 とは 時 効 のカウントダウンが 振 出 しに 戻 ることをいいます 翌 日 から 再 度 カウント ダウンが 始 まります なお 本 税 の 時 効 が 中 断 した 場 合 その 効 果 は 延 滞 金 にも 及 びます( 地 税 法 18 条 の2 第 5 項 ) ア 中 断 事 由 一 般 について 時 効 の 中 断 については 国 保 法 や 租 税 法 に 特 別 規 定 があるものを 除 き 民 法 の 規 定 が 準 用 されます ( 地 税 法 18 条 3 項 国 保 料 は 国 保 法 79 条 の 2 地 自 法 236 条 3 項 ) 民 法 では 147 条 に 時 効 の 中 断 事 由 が 定 められています イ 承 認 民 法 147 条 で 一 番 問 題 になるのは 承 認 です( 同 条 3 号 ) 承 認 とは 払 わなければいけない 税 金 の 存 在 を 認 識 して その 認 識 を 表 明 したと 認 めるに 足 りる 行 為 はすべて 承 認 に 当 たります ですので 納 税 の 猶 予 の 申 請 や 国 保 料 等 の 一 部 納 付 は 承 認 に 当 た ります( 通 則 法 基 本 通 達 73-3,73-4 参 照 ) また 黙 示 の 承 認 でも 時 効 が 中 断 します ウ 徴 収 ( 納 付 ) 通 知 督 促 民 法 に 規 定 のない 時 効 中 断 理 由 として 徴 収 の 通 知 や 督 促 があります つまり 督 促 状 が 届 け ば それだけで 時 効 のカウントダウンが 振 出 しに 戻 ります( 地 税 法 18 条 の 2 第 1 項 柱 書 国 保 料 は 国 保 法 110 条 2 項 ) カウントダウンが 始 まるのは 納 付 書 の 期 限 が 到 来 したとき( 地 税 法 18 条 の 2 第 1 項 1 号 ) と 督 促 状 が 届 いた 日 から 数 えて 10 日 経 過 した 日 からである( 同 項 2 号 ) (4) 時 効 の 停 止 時 効 の 停 止 も 時 効 の 中 断 と 同 様 に 時 効 のカウントダウンは 止 まりますが 中 断 とは 異 なりカウ ントダウンは 振 出 しに 戻 らず 停 止 事 由 がなくなれば 残 りの 時 間 につきカウントダウンが 再 開 しま す 民 法 では 相 続 財 産 に 関 する 160 条 天 変 地 異 に 関 する 161 条 があります また 徴 収 の 猶 予 中 や 差 押 財 産 の 換 価 の 猶 予 中 は その 猶 予 期 間 中 は 時 効 が 停 止 します( 地 税 法 18 条 の 2 第 4 項 ) 8 徴 収 担 当 者 の 指 導 と 信 義 則 (1) 問 題 点 納 税 者 間 の 公 平 を 図 ることと 職 員 の 指 示 を 信 頼 した 特 定 の 納 付 者 の 保 護 を 図 ることを 天 秤 にか けることになる (2) 最 高 裁 判 決 ( 最 高 裁 昭 和 62 年 10 月 30 日 判 決 判 タ657-66)における 租 税 法 における 信 義 誠 実 の 原 則 の 法 理 の 適 用 要 件 事 案 :Aは 酒 販 店 経 営 昭 和 29 年 分 から 昭 和 45 年 分 まで 青 色 申 告 Aの 死 亡 後 事 業 を 引 き 継 い だ 息 子 Xは 昭 和 46 年 分 から 自 ら 青 色 申 告 の 承 認 申 請 することなく 自 分 の 所 得 として X 名 義 の 青 色 申 告 書 で 確 定 申 告 毎 年 課 税 当 局 からは 青 色 申 告 用 紙 の 送 付 がなされ かつ 17

毎 年 受 理 されていた 昭 和 52 年 に Y 税 務 署 が 昭 和 48 年 分 と 49 年 分 についてXが 青 色 申 告 の 承 認 を 得 ていないことを 理 由 に 白 色 申 告 として 更 正 処 分 をしたので Xが 処 分 の 取 消 しを 求 めた 判 決 : 租 税 法 規 に 適 合 する 課 税 処 分 に 係 る 信 義 誠 実 の 原 則 の 法 理 による 違 法 を 考 え 得 るのは 納 税 者 間 の 平 等 公 平 という 要 請 を 犠 牲 にしてもなお 当 該 課 税 処 分 に 係 る 課 税 を 免 れさせ 納 税 者 の 信 頼 を 保 護 しなければ 正 義 に 反 するといえるような 特 別 の 事 情 が 存 することが 必 要 で あるとした 上 で 少 なくとも 1 税 務 官 庁 が 納 税 者 に 対 し 信 頼 の 対 象 となる 公 的 見 解 を 表 示 したこと 2 納 税 者 がその 表 示 を 信 頼 し その 信 頼 に 基 づいて 行 動 したこと 3 後 にその 表 示 に 反 する 課 税 処 分 が 行 われたこと 4 そのために 納 税 者 が 経 済 的 不 利 益 を 受 けたこと 5 納 税 者 が 税 務 官 庁 の 右 表 示 を 信 頼 し その 信 頼 に 基 づいて 行 動 したことにつき 納 税 者 の 責 めに 帰 すべき 事 由 がないこと といった 考 慮 が 不 可 欠 である 本 件 は 税 務 署 長 の 承 認 を 受 けていないときは 青 色 申 告 書 を 提 出 しても 青 色 申 告 の 効 力 を 認 める 余 地 はない 上 記 要 件 に 照 らしても 本 件 更 正 処 分 がY 税 務 署 が Xに 与 えた 公 的 見 解 の 表 示 に 反 する 処 分 であるとはいえない として 信 義 誠 実 の 原 則 の 法 理 の 適 用 を 考 え る 余 地 はないとした 担 当 者 とのやりとりはほとんどが 口 頭 でしょうから できるだけやりとりの 経 緯 をその 都 度 残 し ておくように 心 がけましょう 9 審 査 請 求 滞 納 処 分 の 各 決 定 について 不 服 がある 場 合 は 審 査 請 求 ができます 審 査 請 求 をすれば 決 定 もしくは 裁 決 が 出 るまでの 間 は 原 則 として 差 押 え 財 産 の 換 価 ができない とされています( 地 税 法 19 の 7 通 則 法 105 条 1 項 ) 平 成 28 年 4 月 から 新 しい 行 政 不 服 審 査 制 度 が 始 まりますので 以 下 はそれに 従 って 記 述 しま す (1) 地 方 税 の 場 合 ア 申 立 先 税 の 場 合 は 都 道 府 県 税 については 知 事 に 市 町 村 税 については 市 町 村 長 に 対 して 審 査 請 求 を 行 います( 地 税 法 19 条 1 項 行 審 法 4 条 1 号 なお 今 後 行 審 法 が 出 てくるときの 地 税 法 19 条 1 項 は 省 略 します) イ 不 服 申 立 期 間 18

その 処 分 があったことを 知 った 日 の 翌 日 から 数 えて 3 カ 月 以 内 にする 必 要 があります( 行 審 法 18 条 1 項 ) 審 査 請 求 は 原 則 処 分 があつた 日 の 翌 日 から 数 えて1 年 以 内 にしなければいけません ( 同 条 2 項 ) ただし 滞 納 処 分 に 関 し 欠 陥 があることを 理 由 とする 審 査 請 求 については 審 査 請 求 の 期 限 内 で あっても 次 に 掲 げる 日 または 期 限 後 は 申 立 てできないとされている( 地 方 税 19 条 の 4)ので 注 意 が 必 要 です 1 督 促 差 押 えに 係 る 通 知 を 受 けた 日 の 翌 日 から 起 算 して3カ 月 を 経 過 した 日 2 不 動 産 等 についての 差 押 え その 公 売 期 日 等 3 不 動 産 等 についての 公 告 から 売 却 決 定 までの 処 分 換 価 財 産 の 買 受 代 金 の 納 付 の 期 限 4 換 価 代 金 等 の 配 当 換 価 代 金 等 の 交 付 期 日 ウ 審 査 請 求 手 続 (ア) 法 改 正 による 主 な 変 更 点 1 審 理 員 制 度 が 導 入 され 原 処 分 に 関 わった 人 が 審 査 請 求 に 関 わる 余 地 がなくなりました( 行 審 法 9 条 2 項 1 号 ) 2 行 政 不 服 審 査 会 制 度 が 導 入 され 裁 決 が 出 るまでに1 度 は 第 三 者 ( 行 政 関 係 者 以 外 )による 審 理 が 確 保 されることになり 手 続 の 公 平 性 が 向 上 しました 3 これまで 認 められていなかった 口 頭 意 見 陳 述 の 際 の 処 分 庁 に 対 する 質 問 権 処 分 庁 から 提 出 さ れた 証 拠 の 写 しの 交 付 ( 謄 写 ) 証 拠 調 べの 拡 大 ( 関 係 者 への 事 情 聴 取 や 検 証 )が 図 られ 国 民 の 救 済 手 段 としての 審 査 請 求 の 役 割 が 高 まりました (イ) 具 体 的 な 手 続 の 流 れ 1 法 定 された 事 項 を 記 載 した 審 査 請 求 書 を 担 当 窓 口 に 提 出 する( 行 審 法 19 条 ) 2 形 式 的 な 不 備 は 担 当 官 から 修 正 が 求 められる( 補 正 命 令 同 23 条 ) 不 適 法 な 審 査 請 求 でな ければ 審 理 手 続 が 始 まる 3 審 査 庁 にて 審 理 を 担 当 する 職 員 ( 審 理 員 )が 指 名 され 審 査 請 求 人 に 通 知 される( 同 9 条 ) 4 処 分 庁 から 弁 明 書 が 提 出 され( 同 29 条 ) 審 査 請 求 人 に 送 付 される( 同 条 5 項 ) 5 審 査 請 求 人 は 弁 明 書 に 対 して 反 論 書 を 提 出 することができる( 同 30 条 ) 6 審 査 請 求 人 または 参 加 人 の 申 立 てがあったときは 口 頭 意 見 陳 述 の 機 会 が 設 けられる( 同 31 条 ) 口 頭 意 見 陳 述 には 処 分 庁 担 当 者 も 出 頭 する( 同 条 2 項 ) 口 頭 意 見 陳 述 に 際 しては 申 立 人 が 審 理 員 の 許 可 を 得 た 上 で 審 査 請 求 に 係 る 事 件 に 関 し 処 分 庁 に 対 して 質 問 をするこ とができる( 同 条 5 項 ) 7 審 査 請 求 人 または 参 加 人 は 証 拠 書 類 または 証 拠 物 を 提 出 することができる( 同 32 条 l 項 ) 処 分 庁 も 当 該 処 分 の 理 由 となった 事 実 を 証 する 書 類 その 他 の 物 件 を 審 査 庁 に 提 出 する ことができる( 同 32 条 2 項 ) 審 査 庁 が 提 出 すべき 相 当 の 期 間 を 定 めたときは その 期 間 内 に 提 出 しなければならない( 同 33 条 ) 19

8 審 理 員 は 審 査 請 求 人 もしくは 参 加 人 の 申 立 てによりまたは 職 権 で 書 類 その 他 の 物 件 の 所 持 人 に 対 し 相 当 の 期 間 を 定 めて 提 出 を 求 めたり( 同 33 条 ) 適 当 と 認 める 者 に 参 考 人 として 事 実 の 陳 述 を 求 め または 鑑 定 を 求 めたり( 同 34 条 ) 必 要 な 場 所 につき 検 証 を 行 うことがで きる( 同 35 条 ) 9 審 査 請 求 人 または 参 加 人 は 審 理 員 に 対 し 処 分 庁 から 提 出 された 書 類 その 他 の 物 件 の 閲 覧 お よび 写 しの 交 付 を 求 めることができる( 同 38 条 ) 写 しの 交 付 は 書 面 により 申 し 出 る( 行 審 法 施 行 令 10 条 ) なお 手 数 料 の 減 免 規 定 あり( 行 審 法 38 条 5 項 同 施 行 令 13 条 ) 10 必 要 な 審 理 を 終 えたときは 審 理 手 続 を 終 了 する( 行 審 法 41 条 ) 審 理 手 続 が 終 結 したとき 審 理 員 は 遅 滞 なく 審 査 庁 がすべき 裁 決 に 関 する 意 見 書 ( 審 理 員 意 見 書 )を 作 成 し 審 査 庁 に 提 出 する( 同 42 条 ) 他 方 審 理 請 求 人 および 処 分 庁 等 審 理 関 係 者 に 審 理 手 続 の 終 結 と 審 理 員 意 見 書 の 提 出 予 定 時 期 を 通 知 する( 同 41 条 3 項 ) 11 審 査 庁 が 審 理 員 意 見 書 の 提 出 を 受 けたときは 行 審 法 43 条 1 項 列 挙 事 由 ( 例 えば 審 査 請 求 人 が 諮 問 を 希 望 しないなど)がある 場 合 を 除 き 行 政 不 服 審 査 会 等 に 諮 問 しなければならない ( 同 43 条 ) 12 行 政 不 服 審 査 会 は 必 要 があると 認 める 場 合 は 審 査 請 求 人 参 加 人 審 査 庁 (この 3 者 をまと めて 審 査 関 係 人 という )に 対 して 主 張 書 面 資 料 の 提 出 適 当 と 認 める 者 に 事 実 の 陳 述 を 求 め 鑑 定 を 求 めたりすることその 他 必 要 な 調 査 をすることができる( 行 審 法 74 条 ) 審 査 関 係 人 は 主 張 書 面 や 資 料 を 提 出 することができる( 同 76 条 ) 13 審 査 関 係 人 の 申 立 てにより 口 頭 意 見 陳 述 の 機 会 が 与 えられる ただし 審 査 会 が 必 要 ないと 認 める 場 合 はこの 限 りでない( 同 75 条 ) 14 提 出 資 料 の 閲 覧 および 写 しの 交 付 を 求 めることができる( 同 78 条 ) 手 数 料 の 減 免 規 定 あり ( 同 条 5 項 ) 15 諮 問 を 受 けた 機 関 は 審 査 庁 に 対 して 書 面 にて 答 申 を 行 う( 同 79 条 ) 答 申 書 は 審 査 請 求 人 及 び 参 加 人 に 交 付 される 16 審 理 および 行 政 不 服 審 査 会 等 の 答 申 の 結 果 審 査 庁 が 裁 決 を 行 う( 同 44 条 以 下 ) (2) 国 保 料 の 場 合 ア 申 立 先 各 都 道 府 県 にある 国 民 健 康 保 険 審 査 会 に 申 し 立 てます( 国 保 法 91 条 ) イ 不 服 申 立 期 間 原 則 処 分 があったことを 知 った 日 の 翌 日 から 数 えて 3 カ 月 以 内 に 文 書 または 口 頭 で 申 し 立 てる 必 要 があります( 国 保 法 99 条 本 文 ) これまでの 60 日 から 3 カ 月 に 延 長 されました ウ 審 査 請 求 手 続 国 民 健 康 保 険 審 査 会 の 手 続 でも 行 政 不 服 審 査 法 の 改 正 に 沿 って 口 頭 意 見 陳 述 の 充 実 証 拠 調 べの 充 実 証 拠 の 閲 覧 謄 写 の 拡 大 などが 図 られることになります 20

(3) 取 消 訴 訟 審 査 請 求 結 果 にも 不 服 がある 場 合 は 取 消 訴 訟 を 起 こすことができます 審 査 請 求 をした 後 でな ければ 裁 判 を 起 こすことは 原 則 できません( 地 税 法 19 条 の 12 国 保 法 103 条 ) 取 消 訴 訟 は 審 査 請 求 の 決 定 裁 決 があったことを 知 った 日 から6か 月 以 内 に 提 起 しなければな りません( 行 訴 法 14 条 1 項 4 項 ) また 決 定 裁 決 の 日 から 数 えて1 年 を 経 過 したときは 正 当 な 理 由 があるときを 除 いて 取 消 訴 訟 を 提 起 することができません( 同 条 2 項 3 項 ) 11 罰 則 (1) 滞 納 処 分 免 脱 罪 滞 納 処 分 の 執 行 を 免 れる 目 的 でその 財 産 を 隠 蔽 し 損 壊 し 地 方 団 体 の 不 利 益 に 処 分 し 又 は その 財 産 に 係 る 負 担 を 偽 つて 増 加 する 行 為 をした ( 以 下 滞 納 処 分 免 脱 行 為 といいます ) 国 保 料 等 の 支 払 義 務 者 は 3 年 以 下 の 懲 役 若 しくは 250 万 円 以 下 の 罰 金 に 処 せられるだけでなく 場 合 によっては 懲 役 刑 と 罰 金 刑 の 両 方 を 科 されることもあります( 地 税 法 729 条 1 項 同 条 706 条 1 項 ) 第 三 者 が 国 保 料 等 の 支 払 義 務 者 に 滞 納 処 分 の 執 行 を 免 れさせる 目 的 で 滞 納 処 分 免 脱 行 為 をした 人 も 同 じ 処 分 を 受 けます( 同 法 729 条 2 項 ) 事 情 を 知 って 滞 納 処 分 免 脱 行 為 の 相 手 方 になった 人 ( 例 えば 差 押 直 前 の 財 産 を 買 った 人 )は 2 年 以 下 の 懲 役 150 万 円 以 下 の 罰 金 に 処 せられるだけでなく 場 合 によっては 懲 役 刑 と 罰 金 刑 の 両 方 を 科 されることもあります( 同 条 3 項 ) 法 人 の 代 表 者 または 法 人 もしくは 人 の 代 理 人 使 用 人 その 他 の 従 業 者 がその 法 人 または 人 の 業 務 または 財 産 に 関 して 滞 納 処 分 免 脱 行 為 をした 場 合 は その 行 為 者 を 罰 するだけでなく その 法 人 または 人 に 行 為 者 と 同 じ 条 文 に 基 づいて 罰 金 刑 を 科 します( 同 条 4 項 ) 民 間 では 滞 納 処 分 免 脱 罪 と 似 た 犯 罪 として 強 制 執 行 妨 害 罪 ( 刑 法 第 96 条 の 2)が 定 められてい ます しかし 強 制 執 行 妨 害 罪 は 2 年 以 下 の 懲 役 刑 または 50 万 円 以 下 の 罰 金 刑 のいずれかしか 科 せられません 法 律 は 税 金 を 免 れる 行 為 は より 悪 質 と 考 えて より 重 く 処 罰 しているといえま す (2) 執 行 を 免 れる( 免 れさせる) 目 的 とは? 滞 納 処 分 免 脱 罪 は 滞 納 処 分 の 執 行 を 免 れる 目 的 で 行 われることが 必 要 です 滞 納 処 分 の 執 行 を 免 れる 目 的 とは 滞 納 処 分 の 執 行 の 実 益 をなくそうとする 意 図 をいいます ( 徴 収 法 基 本 通 達 187-2) 滞 納 処 分 の 執 行 を 免 れる 目 的 で 行 為 すれば 直 ちに 犯 罪 が 成 立 し 滞 納 処 分 を 執 行 したかどうか 又 は 滞 納 処 分 の 対 象 となった 国 税 の 徴 収 ができたかどうかは 関 係 ありません( 徴 収 法 基 本 通 達 187-3) 21

(3) 処 罰 される 行 為 ( 滞 納 処 分 免 脱 行 為 )とは? ア 財 産 滞 納 処 分 の 対 象 となりうべき 動 産 不 動 産 及 び 債 権 をいいます ア 隠 蔽 財 産 についての 仮 装 売 買 仮 装 贈 与 財 産 の 隠 匿 等 によって 徴 収 職 員 による 財 産 の 発 見 を 困 難 にさせる 行 為 をいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 187-4) イ 損 壊 財 産 の 構 造 の 一 部 又 は 全 部 について 損 傷 を 与 え その 性 質 形 状 を 変 える 等 その 財 産 の 財 産 的 価 値 を 害 する 行 為 をいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 187-5) ウ 地 方 団 体 の 不 利 益 に 処 分 贈 与 不 当 に 低 額 な 対 価 による 売 買 換 価 容 易 な 財 産 と 換 価 困 難 な 財 産 との 交 換 賃 借 権 の 設 定 債 務 免 除 その 他 財 産 の 処 分 によって 国 を 不 利 益 にさせる 一 切 の 行 為 をいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 187-6) エ その 財 産 にかかる 負 担 を 偽 って 増 加 する 行 為 虚 偽 に 地 上 権 賃 借 権 を 設 定 する 等 その 財 産 の 価 値 の 減 少 を 仮 装 する 一 切 の 行 為 をいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 187-7) オ 滞 納 処 分 免 脱 行 為 の 相 手 方 になる 情 を 知 つて とは 納 税 者 又 はその 財 産 を 占 有 する 第 三 者 が 滞 納 処 分 の 執 行 を 免 れ 又 は 免 れさせる 目 的 で 徴 収 法 第 187 条 第 1 項 所 定 の 行 為 をすることを 納 税 者 又 はその 財 産 を 占 有 する 第 三 者 の 相 手 方 が 知 っていることをいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 187-11) 納 税 者 又 はその 財 産 を 占 有 する 第 三 者 の 相 手 方 となつた 者 とは 納 税 者 又 は 納 税 者 の 財 産 を 占 有 する 第 三 者 がした 隠 ぺい 損 壊 国 に 不 利 益 な 処 分 財 産 の 負 担 を 虚 偽 に 増 加 させる 行 為 につい て それらの 行 為 の 相 手 方 となった 者 をいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 187-10) 納 税 者 の 財 産 を 占 有 する 第 三 者 とは 正 当 な 権 原 の 有 無 にかかわらず 納 税 者 の 財 産 を 占 有 し ている 第 三 者 をいいます( 徴 収 法 基 本 通 達 187-9) 以 上 22