情 報 通 信 自 動 ナンバープレート 読 取 装 置 の 開 発 加 藤 武 彦 * 田 中 佳 代 浅 田 昌 利 安 原 宏 行 立 木 佳 那 栄 児 玉 迪 弘 安 原 佑 輔 浅 井 俊 弘 荻 内 康 雄 Development of Automatic License Plate Recognition Device by Takehiko Kato, Kayo Tanaka, Masatoshi Asada, Hiroyuki Yasuhara, Kanae Tachiki, Michihiro Kodama, Yusuke Yasuhara, Toshihiro Asai and Yasuo Ogiuchi In Japan, automatic license plate recognition systems have been used for more than ten years for measuring the time required for a vehicle to travel between different points and for applications which need detailed plate information. Due to their efficacy, these systems are now being utilized throughout the country. To better respond to the requirements in these applications, we have developed an automatic license plate recognition device that features a high recognition rate, low failure rate, compact design, high reliability, and low running and installation costs by incorporating innovations in both software and hardware such as new image processing algorithms, an advanced camera unit, and an image processing board. Drawing on this technology, we are currently working on the development of recognition systems for foreign license plates. Keywords: automatic license plate recognition, automatic vehicle identification, image processing, plate detection, plate extraction, character recognition 1. 緒 言 日 本 において 自 動 ナンバープレート 読 取 システムは 車 両 の 旅 行 時 間 計 測 やその 他 詳 細 なナンバープレート 情 報 を 必 要 とする 様 々なアプリケーションに 利 用 する 目 的 で 10 年 以 上 前 から 実 用 化 され その 有 効 性 から 現 在 では 全 国 に 普 及 している 我 々は 種 々のアプリケーションに 求 められるニーズに 応 えるべく ハードウェア ソフトウェアの 両 面 に 様 々な 工 夫 を 施 し 新 しい 画 像 処 理 アルゴリズム 先 進 の 撮 像 部 と 画 像 処 理 ボードにより 高 認 識 率 低 誤 読 率 高 車 色 判 定 率 小 型 軽 量 低 ランニングコスト 低 設 置 工 事 コスト 高 信 頼 性 といった 特 長 を 有 する 自 動 ナンバープレート 読 取 装 置 を 開 発 した また 海 外 のナンバープレート 認 識 を 目 指 し 今 回 開 発 した 技 術 に 別 の 画 像 処 理 アルゴリズムを 組 み 合 わせた 読 取 装 置 の 研 究 開 発 を 行 っている 本 稿 では これらの 開 発 の 取 り 組 みについて 報 告 する 図 1 自 動 ナンバープレート 読 取 システムの 構 成 自 動 ナンバープレート 読 取 装 置 によって 認 識 または 判 定 さ れた 情 報 等 は ネットワーク 回 線 を 通 して 中 央 装 置 に 伝 送 さ れ 旅 行 時 間 計 測 等 の 様 々なアプリケーションに 利 用 される 2. 自 動 ナンバープレート 読 取 システムの 概 要 自 動 ナンバープレート 読 取 システムは 図 1に 示 すよう に 自 動 ナンバープレート 読 取 装 置 中 央 装 置 それぞれ の 装 置 間 のネットワーク 回 線 から 構 成 される 自 動 ナン バープレート 読 取 装 置 は 通 常 は 路 側 に 設 置 され 道 路 を 撮 影 する 撮 像 部 と ナンバープレート 上 の 文 字 車 種 ( 自 家 用 / 事 業 用 大 型 / 小 型 ) 車 色 等 を 認 識 又 は 判 定 する 制 御 部 から 構 成 される 3. 画 像 処 理 アルゴリズム 3 1 画 像 処 理 の 流 れ ナンバープレート 情 報 認 識 や 車 色 判 定 の 高 精 度 化 を 実 現 するためには それぞれの 文 字 を 分 離 できるレベルの 高 解 像 度 画 像 と 共 に ナンバープ レート 上 の 文 字 を 正 しく 認 識 し 人 間 の 感 覚 に 近 い 色 判 定 を 行 う 画 像 処 理 アルゴリズムが 重 要 なキーとなる ナンバープレート 情 報 認 識 と 車 色 判 定 の 画 像 処 理 の 流 れ を 図 2に 示 す まず 撮 影 された 画 像 から 車 両 に 取 り 付 け 2012 年 7 月 SEI テクニ カルレビュー 第 181 号 ( 99 )
図 2 画 像 処 理 の 流 れ られたナンバープレートの 位 置 を 検 出 し(ナンバープレー ト 位 置 検 出 ) 次 に 検 出 したナンバープレート 位 置 からナ ンバープレートの 領 域 を 抽 出 する(ナンバープレート 領 域 抽 出 ) その 後 文 字 認 識 と 車 色 判 定 を 実 行 する 前 者 で は 抽 出 したナンバープレート 上 の 文 字 を 認 識 し 後 者 では 抽 出 したナンバープレート 位 置 から 画 像 中 のボンネットの 領 域 を 推 測 しその 色 を 判 定 する 我 々は ナンバープレート 位 置 検 出 ナンバープレート 領 域 抽 出 文 字 認 識 車 色 判 定 においてそれぞれ 新 しい 画 像 処 理 アルゴリズムを 開 発 した 3 2 ナンバープレート 位 置 検 出 撮 像 部 で 撮 影 さ れた 画 像 には 車 両 の 他 に 車 両 や 道 路 周 辺 の 建 造 物 によ る 影 や 反 射 光 歩 行 者 などが 含 まれている 場 合 がある こ のような 状 況 を 考 慮 した 上 で 車 両 に 取 り 付 けられたナン バープレートをすべて 検 出 する 必 要 がある そこで ナン バープレート 部 分 は 輝 度 変 化 が 大 きいことに 着 目 し 高 精 度 なナンバープレート 位 置 検 出 手 法 を 開 発 した 画 像 上 のナンバープレートの XY 座 標 は 以 下 のように 検 出 する( 図 3 参 照 ) 1フレーム 間 差 分 により 動 きのある 画 素 を 検 出 する 2 動 きのある 画 素 に 関 して 隣 接 画 素 との 輝 度 差 を 算 出 する 3 輝 度 差 を 水 平 方 向 垂 直 方 向 に 投 影 したヒストグラム を 作 成 する 4 垂 直 に 投 影 されたヒストグラムの 重 心 位 置 をナンバー プレートのX 座 標 として 検 出 する 5 水 平 に 投 影 されたヒストグラムのいくつかのピークの うち 最 も 下 に 位 置 するものをナンバープレートのY 座 標 として 検 出 する 図 3 ナンバープレートの(X,Y) 座 標 6 検 出 した XY 座 標 に 対 して 各 座 標 を 基 準 としたヒス トグラムの 分 布 とテクスチャ 情 報 を 用 いて 不 要 な 影 等 の 判 定 を 行 う 実 験 では 98 %の 精 度 で 正 しいナンバープレートの 位 置 を 得 ることができた 3 3 ナンバープレート 領 域 抽 出 次 に ナンバー プレートの 位 置 に 基 づき ナンバープレートの 領 域 を 抽 出 する 日 本 では ナンバープレートの 大 きさと 色 は 定 めら れているが 画 像 上 でのナンバープレートの 形 状 は カメ ラとナンバープレートの 相 対 位 置 によって 様 々に 変 わる また 文 字 が 隠 れたナンバープレート 斜 めに 取 り 付 けら れたナンバープレートなどがある これらの 条 件 を 考 慮 し て ナンバープレートの 領 域 を 抽 出 する 必 要 がある そこ で 画 像 上 でのナンバープレート 形 状 に 影 響 されることな く 正 確 にナンバープレートの 領 域 を 抽 出 する 手 法 を 開 発 した( 図 4 参 照 ) 図 4 数 字 配 置 の 特 定 1 数 字 の 候 補 を 検 出 する 2 隣 接 する 2 つの 数 字 の 候 補 ( 図 4における 実 線 枠 )を 選 び これを 基 準 として 残 りの 数 字 の 配 置 パターン ( 図 4における 点 線 枠 )を 想 定 する 3 想 定 した 配 置 パターンに 数 字 の 候 補 が 存 在 するかどう かを 判 定 し 該 当 する 領 域 をナンバープレート 領 域 と して 抽 出 する 本 手 法 を 用 いることで 斜 めに 取 り 付 けられたナンバー プレートや 数 字 が 隠 れたナンバープレートでも 正 しくナ ンバープレート 領 域 を 抽 出 することができる 実 験 では ナンバープレートの 位 置 を 正 しく 算 出 できた ものに 対 して 99 %の 精 度 で 正 しいナンバープレート 領 域 を 抽 出 することができた 3 4 文 字 認 識 ナンバープレート 上 の 各 文 字 は 以 下 に 記 載 するように 全 ての 文 字 についてあらかじめ 用 意 しておいたテンプレートと 比 較 することで 認 識 する 1それぞれ 文 字 の 位 置 を 推 定 し 抽 出 する 2(それぞれの 文 字 について)サイズと 輝 度 を 正 規 化 する ( 100 ) 自 動 ナンバープレート 読 取 装 置 の 開 発
図 5 色 見 本 を 用 いた 車 色 判 定 3(それぞれの 文 字 について) 特 徴 量 を 計 算 する 4 算 出 した 特 徴 量 と 用 意 しておいたテンプレートの 特 徴 量 とを 比 較 することにより 類 似 度 を 計 算 する 5 最 も 類 似 度 の 高 い 結 果 を 選 択 する 本 システムでは 高 い 認 識 精 度 が 求 められるが 特 に 誤 認 識 に 対 する 要 求 が 厳 しいため 類 似 度 の 計 算 には 複 数 の アルゴリズムを 組 み 合 わせて 高 精 度 化 を 図 っている 実 験 では 正 しくナンバープレート 領 域 を 抽 出 できたも のに 対 して 99 %の 精 度 で 全 ての 文 字 を 正 しく 認 識 するこ とができた 3 5 車 色 判 定 最 後 に 抽 出 したナンバープレー ト 位 置 から 画 像 中 のボンネットの 領 域 を 推 測 し ナンバー プレートの 輝 度 に 応 じた 色 見 本 を 参 照 することにより そ の 色 を 判 定 する 物 体 の 画 像 中 における 色 データ(RGB 値 )は 照 明 条 件 に 依 存 する 照 明 条 件 は 太 陽 の 位 置 や 角 度 天 候 道 路 周 辺 の 建 造 物 の 有 無 など 様 々な 環 境 条 件 の 組 み 合 わせに よって 決 まる しかし これらの 環 境 条 件 から 直 接 的 に 照 明 条 件 を 推 定 することは 現 実 的 ではない そこで 本 装 置 では 一 般 にナンバープレートの 色 は 法 律 により 定 義 されていることに 着 目 し 画 像 中 のナンバープ レートの 輝 度 から 照 明 条 件 を 推 定 し 推 定 した 照 明 条 件 に 応 じた 色 見 本 を 用 いることで 車 両 の 色 を 判 定 する 手 法 を 採 用 した 以 下 に その 概 要 について 説 明 する まず 予 め ナンバープレートの 輝 度 が 異 なるような 複 数 の 照 明 条 件 に 対 応 して 色 と RGB 値 の 対 応 を 持 つ 色 見 本 を 作 成 しておく この 色 見 本 を 用 いて 実 際 に 車 色 を 判 定 する 際 の 処 理 手 順 を 以 下 に 示 す 1ナンバープレート 輝 度 の 推 定 ナンバープレート 領 域 抽 出 で 求 めたナンバープレート 領 域 に 対 して 平 均 輝 度 をナンバープレート 輝 度 として 算 出 する 2 色 見 本 の 選 択 図 5の 右 側 に 示 すような 色 見 本 を 予 め 作 成 しておき 1 で 算 出 されたナンバープレート 輝 度 に 対 応 する 色 見 本 を 選 択 する 3 色 判 定 領 域 の 決 定 ナンバープレート 位 置 検 出 で 求 めたナンバープレートの 位 置 に 基 づき 色 判 定 に 最 適 な 領 域 であるボンネットやト ランクの 位 置 を 推 定 し 色 判 定 領 域 を 決 定 する 4 領 域 内 の 各 画 素 の 色 判 定 次 に 色 判 定 領 域 に 含 まれる 各 画 素 の 色 を 2で 選 択 さ れた 色 見 本 を 用 いて 判 定 する 本 手 法 では 人 間 の 感 覚 に (1) 近 いとされる CIEL*a*b* 表 色 系 を 用 いて ユークリッド 距 離 を 計 算 することで 色 見 本 から 最 も 近 い 色 を 選 択 する 5 各 色 のカウント 色 判 定 領 域 内 において 判 定 された 色 の 数 をそれぞれカウ ントし 頻 度 が 高 い 色 を 車 両 の 色 とみなす しかし 商 用 車 などは 複 数 の 色 で 塗 装 されることが 多 く カウント 数 が 最 大 となった 色 のみ 出 力 することはユーザの 利 便 性 を 損 ね る 結 果 となる そこで 本 装 置 では 頻 度 が 高 い 2 色 をそ の 車 両 の 色 として 出 力 することにより ユーザの 利 便 性 の 向 上 を 図 った 実 験 では 車 色 を 9 色 に 分 類 し 照 明 条 件 の 違 いにより 変 化 するナンバープレートの 輝 度 を 8 段 階 であると 仮 定 し て 8 つの 色 見 本 を 作 成 した 評 価 した 車 両 で 80 % 以 上 の 正 解 を 得 ることができた 4. ハードウェア 及 びソフトウェア 高 いナンバープレート 情 報 の 認 識 率 と 車 色 判 定 精 度 と 共 に 我 々が 自 動 ナンバープレート 読 取 装 置 として 重 要 であ ると 考 えている ランニングコスト 設 置 工 事 コスト 信 頼 性 /セキュリティ 安 全 性 の 観 点 から ハードウェア ソフトウェアの 両 面 に 様 々な 工 夫 を 施 した 4 1 高 いナンバープレート 認 識 率 最 新 の 高 解 像 度 カメラと 高 解 像 度 レンズを 採 用 することでナンバープレー ト 上 の 各 文 字 をはっきりと 分 離 し 先 に 述 べた 画 像 処 理 ア ルゴリズムとの 組 み 合 わせで 高 い 認 識 率 を 達 成 している 4 2 ランニングコスト (1) 電 気 料 金 ( 消 費 電 力 ) 消 費 電 力 で 支 配 的 となるのは 夜 間 に 点 灯 する LED 照 明 2012 年 7 月 SEI テクニ カルレビュー 第 181 号 ( 101 )
と 画 像 処 理 ボードである LED 照 明 は カメラの 視 野 角 からはみ 出 た 光 は 無 駄 とな り 消 費 電 力 の 増 加 につながることから 照 射 角 がカメラの 視 野 角 と 一 致 し かつ 高 効 率 である LED を 採 用 した 画 像 処 理 ボードについては 低 消 費 電 力 の 組 込 用 プロセッサを 使 用 した 独 自 の 画 像 処 理 ボードを 開 発 した (2) これらによ り 1 制 御 部 と 4 撮 像 部 の 構 成 (4 車 線 をカバーする 典 型 的 な 構 成 )において 日 本 にて 安 価 な 定 額 電 灯 契 約 が 適 用 で きる 消 費 電 力 ( 電 力 容 量 )400VA 以 下 を 達 成 した (2)メンテナンス 費 一 般 に LED 照 明 の 発 光 パワーは 経 年 劣 化 により 低 下 する ため 長 期 間 の 稼 働 には LED 照 明 の 定 期 交 換 が 必 要 となる が 撮 像 部 に 内 蔵 される LED 照 明 の 定 期 交 換 は その 部 品 コスト 自 体 に 加 えバケット 車 や 車 線 規 制 により 多 くのコス トを 要 するためメンテナンス 費 で 大 きな 要 素 となる 従 っ て LED 照 明 の 長 寿 命 化 がメンテナンス 費 の 低 減 につなが る 一 つのアプローチとして LEDの 使 用 数 量 を 増 やし LED 一 つあたりに 流 す 電 流 を 抑 制 することで 経 年 劣 化 の 進 行 を 遅 らせ 照 明 の 長 寿 命 化 を 図 ることできるが 撮 像 部 の 大 型 化 につながり 後 に 述 べる 設 置 工 事 コストや 都 市 景 観 の 観 点 から 好 ましくない そこで 劣 化 の 少 ない 特 殊 な LED の 採 用 その 発 光 周 期 及 び 発 光 期 間 の 制 御 高 放 熱 設 計 に より 小 型 軽 量 かつ 試 算 では 7 年 以 上 の 長 寿 命 の 撮 像 部 を 実 現 した (3) 通 信 ( 契 約 者 回 線 ) 費 今 回 開 発 した 自 動 ナンバープレート 読 取 装 置 は 1 制 御 部 につき 4 撮 像 部 まで 接 続 することができるが 3 車 線 以 上 の 上 下 線 道 路 に 設 置 する 場 合 など 1 地 点 で 5 撮 像 部 以 上 の 設 置 が 必 要 となるケースがしばしば 発 生 する その 場 合 2 つ 以 上 の 制 御 部 が 必 要 となるが 制 御 部 それぞれか ら 契 約 者 回 線 を 通 して 中 央 装 置 にデータを 伝 送 すると 契 約 数 が 増 え 通 信 費 が 増 大 する そこで 標 準 的 な LAN ケー ブルで 制 御 部 間 を 接 続 できる 仕 組 みを 持 たせ 近 接 する 複 数 の 制 御 部 のデータを 集 約 して 契 約 者 回 線 1 回 線 にて 伝 送 できるようにすることで 回 線 費 の 低 減 を 可 能 にした 4 3 設 置 工 事 コスト 高 効 率 LEDの 採 用 に 加 え 放 熱 性 の 良 い 材 料 の 使 用 冷 却 ファンの 配 置 位 置 の 最 適 化 等 屋 外 用 途 機 器 に 関 する 技 術 ノウハウを 駆 使 し 撮 像 部 の 小 型 軽 量 化 (6kg 以 下 )に 成 功 した これにより 道 路 標 識 の 既 存 柱 等 に 設 置 できるケースが 増 え 設 置 工 事 コス トの 低 減 につながる 4 4 信 頼 性 /セキュリティ 一 般 に 機 械 的 な 可 動 部 は 半 導 体 等 の 電 子 部 品 と 比 較 して 故 障 や 寿 命 による 劣 化 のリスクが 高 いと 考 えられる そこで データ 記 憶 媒 体 と してハードディスクではなく CF(コンパクトフラッシュ) カードを 採 用 することと 映 像 の 明 るさ 制 御 にレンズのメ カニカルアイリスではなくカメラの 電 子 シャッタを 採 用 す ることで 機 械 的 な 駆 動 部 を 極 力 排 除 し 装 置 の 信 頼 性 を 上 げた また 同 様 の 観 点 から 画 像 処 理 ボードに 実 装 する コンデンサはアルミ 電 解 コンデンサではなく 固 体 コンデン サのみとした セキュリティに 関 しては 中 央 装 置 へ 伝 送 されるか ネットワーク 回 線 の 異 常 時 に 装 置 内 に 蓄 積 されるデータに 対 し コンピュータ 分 野 で 広 く 使 われている 汎 用 的 な 方 式 で 暗 号 化 を 行 っている 4 5 安 全 性 万 一 のボルトの 緩 み 等 による 撮 像 部 の 落 下 を 防 止 するため 落 下 防 止 ワイヤ ダブルナットボ ルト 割 ピンを 使 用 している 5. 自 動 ナンバープレート 読 取 装 置 の 仕 様 表 1に 開 発 した 自 動 ナンバープレート 読 取 装 置 の 仕 様 を 示 す 認 識 項 目 認 識 率 項 目 特 殊 ナンバープレート 認 識 対 象 車 両 表 1 自 動 ナンバープレート 読 取 装 置 の 仕 様 最 大 認 識 視 野 幅 4.0m 認 識 可 能 な 車 両 の 速 度 認 識 可 能 な 車 両 の 最 小 間 隔 内 容 ナンバープレート 上 の 全 ての 文 字 自 家 用 / 事 業 用 の 別 大 型 / 小 型 ( 大 板 / 中 板 プレート)の 別 >95% ナンバープレート 上 の 全 ての 文 字 を 正 し く 認 識 する 率 文 字 隠 しナンバープレート 斜 めに 取 り 付 けられたナンバープレート 車 両 検 出 : 四 輪 車 及 びバイク ナンバープレート 認 識 : 四 輪 車 及 びバイク* * バイク: 開 発 中 最 大 120km/h 0.5 秒 車 色 判 定 9 色 ( 昼 間 ) 側 射 角 最 大 30 データ 蓄 積 セキュリティ 1 制 御 部 あたりの 撮 像 部 数 4 撮 像 部 まで 回 線 集 約 サイズ/ 重 量 環 境 条 件 消 費 電 力 照 明 寿 命 撮 像 部 制 御 部 間 のケーブル 長 撮 像 部 落 下 防 止 その 他 回 線 の 異 常 時 中 央 装 置 への 送 信 データ を 蓄 積 ( 復 旧 時 に 中 央 装 置 に 伝 送 ) 汎 用 的 な 方 式 でデータを 暗 号 化 3 制 御 部 まで 集 約 可 能 撮 像 部 : 200mm(H) 300mm(W) 450mm(D) 以 下 / 6kg 以 下 制 御 部 : 850mm(H) 450mm(W) 350mm(D) 以 下 / 60kg 以 下 周 囲 温 度 :-10 ~ +50 防 水 : IPX3 最 大 瞬 間 風 速 : 50m/s < 400VA@4 撮 像 部 + 1 制 御 部 / AC100V >7 年 最 大 100m 落 下 防 止 ワイヤ ダブルナットボルト 割 ピン くもり 防 止 ヒータガラス 装 備 ( 102 ) 自 動 ナンバープレート 読 取 装 置 の 開 発
6. 海 外 ナンバープレート 認 識 への 取 り 組 み 現 在 本 稿 で 述 べたアルゴリズムと HOG(Histogram oforientedgradient) 1 特 徴 をベースとした Bagof Features (3) と SVM(SupportVectorMachine) 2 法 を 用 いた 別 のアルゴリズムとを 組 み 合 わせ 海 外 のナンバープ レート 認 識 の 研 究 開 発 を 行 っている この 組 み 合 わせアルゴリズムを 民 生 用 デジタルカメラで 撮 影 したタイ 国 のサンプル 車 両 画 像 に 対 して 適 用 した 結 果 ナンバープレート 検 出 率 は 90 %を 上 回 った 図 6にタ イ 国 ナンバープレートの 抽 出 の 例 を 示 す 用 語 集 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1 HOG Histgram of Oriented Gradient : 画 像 特 徴 量 の 一 つ 画 像 を 複 数 の 局 所 領 域 に 分 割 し 各 領 域 内 の 輝 度 の 勾 配 方 向 のヒストグラムを 並 べたベクトルを 特 徴 量 とする 位 置 ず れや 照 明 の 変 動 に 対 して 頑 健 であるという 特 長 をもつ 2 SVM SupportVectorMachine :パターン 認 識 手 法 の 一 つ 2 クラスの 分 類 問 題 に 関 して 理 論 的 に 最 も 性 能 が 高 い 手 法 の 一 つであり 未 学 習 データに 対 して 高 い 識 別 性 能 を 持 つと される 参 考 文 献 (1) Commission Internationale de l'eclairage, Colorimetry, third Edition, CIE Publication 15(2004) (2) 加 藤 武 彦 川 崎 紀 一 山 本 英 典 田 中 佳 代 日 根 野 谷 俊 男 ITS 機 器 共 通 プラットフォームの 開 発 SEI テクニカルレビュー 第 171 号 pp.21-26(july 2007) (3) 八 木 斉 藤 ( 編 ) コンピュータビジョン 最 先 端 ガイド3 アドコ ム メディア (2010) 図 6 タイ 国 ナンバープレートの 抽 出 例 7. 結 言 我 々は ソフトウェア ハードウェア 面 で 様 々な 工 夫 を 施 し 新 しい 画 像 処 理 アルゴリズム 先 進 の 撮 像 部 と 画 像 処 理 ボードにより 高 い 認 識 率 低 誤 読 率 高 車 色 判 定 率 小 型 高 信 頼 性 低 ランニングコスト 低 設 置 工 事 コスト 等 様 々な 特 長 を 有 する 新 しい 自 動 ナンバープレート 読 取 装 置 を 開 発 した 現 在 海 外 のナンバープレート 認 識 の 研 究 開 発 を 行 っている 8. 謝 辞 本 装 置 を 開 発 するにあたり ご 指 導 ご 協 力 頂 きました 全 ての 関 係 各 位 に 対 し 深 く 感 謝 の 意 を 表 します 執 筆 者 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 加 藤 武 彦 * : 住 友 電 工 システムソリューション 主 席 カメラを 用 いた 交 通 センサの 開 発 に 従 事 田 中 佳 代 : 住 友 電 工 システムソリューション 主 席 浅 田 昌 利 : 住 友 電 工 システムソリューション 主 査 安 原 宏 行 : 住 友 電 工 システムソリューション 立 木 佳 那 栄 : 住 友 電 工 システムソリューション 交 通 システム 事 業 部 児 玉 迪 弘 : 住 友 電 工 システムソリューション 安 原 佑 輔 : 住 友 電 工 システムソリューション 浅 井 俊 弘 : 住 友 電 工 システムソリューション 博 士 ( 工 学 ) 荻 内 康 雄 : 情 報 通 信 研 究 所 主 査 博 士 ( 工 学 ) ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- * 主 執 筆 者 2012 年 7 月 SEI テクニ カルレビュー 第 181 号 ( 103 )