issue date 2022/07/04 尾河眞樹ドル : インフレ抑制が最重要課題に森本淳太郎欧州通貨 :ECB フォーラムで目新しい材料はなし石川久美子豪ドル :RBA の利上げ幅と先行き示唆は? インフレ抑制が最重要課題に 先週のシントラでのフォーラムがタカ派的な内容で 市場心理に影を落とし

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FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

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○ユーロ

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ファンダの鬼・柳澤 浩と小杉 篤諭の「ファンダメンタルズの学び方、活かし方セミナー!」

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

Microsoft Word ECB利下げ.doc

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

ルの変動幅は対ドルで.5% にも満たない下落で済んでいますが これは HKMA が 4 月以降 たびたび香港ドル買い 米ドル売り介入を行っているためです ( 図表 2) この香港ドルについて 足下では一部で 米ドル高 新興国通貨安が大きく進む事態となった場合 アジア通貨危機の際のように香港ドルも売り

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TFX_フィスコ通貨ウォッチャー

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

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外為マンスリービュー 1月号 【ドル/円・ユーロ/円】

平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

Economic Indicators_  定例経済指標レポート

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外為ウィークリービュー 11月30日号

参考資料いちよし証券投資情報部 2019 年 10 月 7 日 極端な悲観相場の修正へ 業績の下方修正リスクも織り込み 日米経済指標に注目 最終ページに お客様にご確認いただきたい重要な注意事項を記載しております 必ずご確認ください

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マクロ インサイト FRB FRB 長期金利 FRB bp 図表 1 FRB と市場の金利予測の乖離 FOMC 予測 vs 市場予測 年末 年末 2.0 市場が

オーバルネクスト ETF 情報 2010 年 2 月 15 日号 ( 株 ) オーバルネクスト 東京都中央区日本橋兜町 13-2 TEL 03(5641)5777

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

外為マンスリービュー 5月号 【ドル/円・ユーロ/円】

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

マクロ インサイト ボラティリティ上昇が株価下落を増幅 VIX 7 VIX VIX VIX Euro Stoxx 5 VSTOXX VIX 6 VIX 5. VSTOXX VIX VIX VIX VIX 図表 株式市場はロケットのような軌道を描いて急騰後 利益確定売りに押された S&P5 指数 8

株式市場 米国株 国内の政策動向や海外の政治動向などに注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場はほぼ変わらずとなりました 月初には 2 月末のトランプ大統領の議会演説を好感して 株価は大幅上昇となりました しかし その後は 新政権の経済政策に対する期待が徐々に後退

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Currency201207

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低インフレ 乏しい利上げ観測労働市場に目を向けると 8 月の失業率は約 年ぶりの低水準となる5.3% に低下した 雇用者数も伸びており 一部では技術者不足の声も聞かれる RBAは今後数年 失業率は自然失業率とされる5.% を目指して低下が続くとの見方を示している ただ 賃金の上昇率は ~ 月期が前年

株式市場 米国株 上値が重く神経質な展開 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました FOMC( 米国連邦公開市場委員会 ) における利上げの有無 大統領選挙の動向 ドイツの大手銀行の資本不足懸念などに一喜一憂する展開となりました 月半ばにかけて 利上げ観測や原油

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4月CPI~物価は横ばいの推移 耐久財の特殊要因を背景に、市場予想を上回る3 ヶ月連続の上昇

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株式市場 米国株 国内外の政治動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 好調な企業決算発表を受けて上昇米国株式市場は上昇しました 月前半までは2017 年 1-3 月期の決算発表内容が総じて好調であったことが株価を支えました 月半ばには コミー前 FBI( 連邦捜査局 )

株式市場 米国株 景気 企業業績は依然として堅調 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 貿易摩擦への懸念から下落米国株式市場は下落しました トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限する方針を表明したことから 世界的な貿易摩擦への懸念が高まり下落して始まりました その後 貿

人民元週間レポート 2019 年 3 月 29 日発行 みずほ銀行 ( 中国 ) 有限公司 中国為替資金部

当ページは 各種の信頼できると考えられる情報源から取得した情報に基づき アクサ生命保険株式会社が作成し提供するものです 情報の内容に関しては万全を期しておりますが その正確性 完全性については これを保証するものではありません 日本株式市場 運用環境 [ 2015 年 4 月 ~2016 年 3 月

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株式市場 米国株 高値警戒感の高まりなどから上昇一服も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました トランプ政権で閣僚などの人事において一部で混乱が見られましたが トランプ大統領の発言などにより減税 金融規制緩和などへの期待が高まったことや 発表された米国企

定期調査の質問のうち 代表的なものの結果 1. 日本の株価を 企業のファンダメンタルズと比較してどう評価するか 問 1. 日本の株価は企業の実力( ファンダメンタルズ ) あるいは合理的な投資価値にくらべて 1. 低すぎる 2. 高すぎる 3. ほぼ正しく評価されている 4. わからないという質問で

(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

円 N 先週のメキシコペソ相場今週の見通し 12 月 17 日 - 12 月 21 日取引レンジ 5.53 円 円想定レンジ 5.50 円 円 対円レートは強含み 大幅な歳出拡大計画の発表が期待されており 歳出拡大による景気浮揚への期待が高まったことから 投機的なペソ売り

GFT FX/CFDモーニング・コメント*9日の市場展望*

35.2%( 同 9.0%) 上昇している ( 今回は これまでに 17.2% 上昇 ) 過去のゴルディロックス相場がいつ始まったかを厳密に規定することは困難だが ゴルディロックス相場の終焉は明快だ 何らかのショックとともに VIX 指数がある日突然ジャンプするからだ 第 1 回目の終焉はアジア通貨

2019年度はマクロ経済スライド実施見込み

外為ウィークリービュー 12月7日号

GFT FX/CFDモーニング・コメント*9日の市場展望*

受益者の皆様へ 平成 28 年 2 月 15 日 弊社投資信託の基準価額の下落について 平素より弊社投資信託をご愛顧賜り 厚くお礼申しあげます さて 先週末 2 月 12 日 ( 金 ) 以下のファンドの基準価額が 前営業日の基準価額に対して 5% 以上下落しており その要因につきましてご報告いたし

第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

株式市場 米国株 トランプ氏の政策への期待感後退で調整も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました 11 月 8 日 ( 現地 ) に行われた大統領選挙でトランプ氏が当選し 減税やインフラ投資の拡大などの同氏の政策に注目が集まりました 債券市場では金利が上

エコノミスト便り

中国:PMI が示唆する生産・輸出の底打ち時期

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米労働市場は直近の回復基調に変化なし ~FRB出口政策への影響は限定的~

グローバル・マクロ・ウォッチ

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株式市場 米国株 先行き不透明感強いがファンダメンタルズは良好 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました 堅調な経済指標の発表を受けて米国の年内利上げ観測が高まったことで 金利動向の影響を受けやすいディフェンシブセクターの一部が軟調に推移しました また 米

為替相場展望2018年12月号

Invesco Premia Plus Fund

今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

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経済金融・情勢資料  15年7月 

Ⅰ.ファンダメンタルズ

2013 年 8 月 19 日号

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株式市場 米国株 新政権の政策期待による上昇も一服 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました ISM( 全米供給管理協会 ) 指数など月初に発表された経済統計がおおむね良好であったことを受け 月前半の株式市場は堅調に推移しました 月半ば以降は 高値警戒感な

は多くても 実際の投票行動はこれとは異なってくる可能性がある 第 2 に トランプ政権の中国政策に対する支持が広くみられることだ 関税という手法を用いることに対する批判はあるものの 中国による強制的な技術移転などに対する反発は強く この点に関する共和党 民主党の見解の差は小さい ( 民主党内にも対中

変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

第 79 回 2017 年 5 月投資家アンケート調査結果 アンケート調査にご協力下さりました皆様 今年 5 月に実施致しましたアンケート調査にご回答下さり誠にありがとうございます このたび調査結果をまとめましたのでお送りさせていただきます ご笑覧賜れましたら幸 いです 今後もアンケート調査にご協力

外為ウィークリービュー 12月14日号

日本株市場を泳ぐ 5 頭のクジラ SMBC 日興証券株式会社投資情報部 2016 年 10 月 4 日更新版

Economic Indicators_  定例経済指標レポート

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外為ウィークリービュー 11月29日号

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

第1章

中国におけるインフレの行方 中国経済は減速しているものの 過熱の解消にはまだ至っていない 年 9 月のリーマン ショックを受けて 中国は輸出が大幅に落ち込み 景気後退を余儀なくされたが 兆元に上る内需拡大策や 金利と預金準備率の大幅な引き下げをはじめとする拡張的財政 金融政策が実施されたことを受けて

MONEX 個人投資家サーベイ 2016年2月調査

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スライド 1

MONEXグローバル個人投資家サーベイ

利上げを躊躇させる英国家計債務の増大

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金融市場2017年11月号

ピクテ・インカム・コレクション・ファンド(毎月分配型)

Ⅰ.ファンダメンタルズ

高まっていた市場参加者の正常化期待が頂点に達し 金利上 昇とともに約 70 銭の円高を招きました これに対して日銀は円 高によるデフレ圧力の高まりを恐れ 2 月 2 日に指し値オペ ( 指 定した利回りで国債を無制限に買い入れることで金利上昇を 抑制する手段 ) を実施しました 現行の金融政策を堅持

Transcription:

issue date 尾河眞樹ドル : インフレ抑制が最重要課題に森本淳太郎欧州通貨 :ECB フォーラムで目新しい材料はなし石川久美子豪ドル :RBA の利上げ幅と先行き示唆は? インフレ抑制が最重要課題に 先週のシントラでのフォーラムがタカ派的な内容で 市場心理に影を落としている 実際に米経済指標も悪化傾向で 景気後退懸念は高まりつつある 今週も重要な経済指標が並ぶが 特にインフレ関連の指標には注目したい 先週のドル円は上昇し 一時 137 円ちょうどを付ける場面もみられた ただ 週末にかけて反落し 終わってみれば 135 円台前半と 週間ベースではほぼ横這いとなった ポルトガルのシントラで開催された欧州中銀 (ECB) 主催のフォーラムで 米欧英中銀が揃ってタカ派的な発言となったことから円安が進行 ただ 先週発表された米経済指標は 6 月のコンファレンスボード消費者信頼感指数 ( 図表 1) 6 月の ISM 製造業景況指数を含めて 景況感が軒並み市場予想を下回ったうえ 1-3 月の米実質 GDP( 確定値 ) が前期比年率 -1.6% と 改定値の -1.5% から下方修正されるなど弱いものが目立った これを受けて 市場で米景気後退懸念が強まるなか 米長期金利が低下 10 年債利回りが 2.8% 台まで低下したことが ドルを押し下げた 米株価は下落し NY ダウは週間ベースで 403 ドル安となった 前述したシントラでのフォーラムでは 29 日に ECB のラガルド総裁 FRB のパウエル議長 英中銀 (BOE) のベイリー総裁 国際決済銀行 (BIS) ゼネラルマネージャーのカーステンス氏がパネルディスカッションに登壇したが 総じてタカ派的な内容だったと言える 特にパウエル議長は 景気を必要以上に減速させるリスクがある と認めたうえで それよりも 物価安定の回復に失敗することがより大きな間違いだ と述べ 景気をある程度犠牲にしてもインフレを抑制するとのスタンスを明確に示した ラガルド総裁も パンデミック以前の超低インフレの時代が戻る可能性は低く 中央銀行は物価上昇に適応する必要がある などと述べた それぞれ異口同音にインフレに対抗する姿勢が示されたことで 日本との政策の格差がより際立った格好だ 今週は 米連邦公開市場委員会 (FOMC) の議事要旨が発表される 同会合ではメンバーによる政策金利見通し ( ドットチャート ) が大幅に引き上げられるなど 全体的に大きくタカ派にシフトしたことなどから 議論の内容には注目したい ただ 前述したシントラでのパウエル FRB 議長の発言などもあり タカ派的な内容になることは既に市場に織り込まれているとみられるため 金融市場への影響は限定的だろう カギはインフレに関わる経済指標ではないだろうか 特に 賃金の上昇に歯止めがかかるかどうかがポイントで たとえば JOLT( 求人労働異動調査 ) は 前回 4 月の求人件数が 3 月のピークからやや減少したが まだ高水準に留まっている ( 図表 2) これが減少しないと賃金の上昇圧力は落ち着きにくい 加えて 6 月雇用統計の労働参加率が前回の 62.3% から上昇するか また平均時給が前回の前年比 5.2% から低下するかどうかという点は インフレの状況を見るにあたって重要だ インフレ傾向が収まらなければ 利上げのペースが速まるとの見方が強まり 再び米長期金利とドルはじわり上昇する公算が大きい ソニーフィナンシャルグループ ( 株 ) 金融市場調査部長チーフアナリスト 尾河眞樹 今週のドル円予想レンジ 134.00-137.00 円 今週の注目材料 ( いずれも現地時間 ) 米 7 月 4 日 : 休場 欧 7 月 4 日 :5 月生産者物価指数 中 7 月 5 日 :6 月財新サービス業 PMI 豪 7 月 5 日 :RBA 金融政策発表 米 7 月 5 日 :5 月製造業新規受注 欧 7 月 6 日 :5 月小売売上高 米 7 月 6 日 :6 月 ISM 非製造業景況指数 FOMC 議事要旨 5 月 JOLT 求人件数 豪 7 月 7 日 :5 月貿易収支 欧 7 月 7 日 :ECB 理事会議事要旨 加 7 月 7 日 :5 月貿易収支 6 月 Ivey 購買部協会景気指数 米 7 月 7 日 :5 月貿易収支 日 7 月 8 日 :5 月国際収支 経常収支 6 月景気ウォッチャー調査 欧 7 月 8 日 : ラガルドECB 総裁 発言 ブラジル 7 月 8 日 :6 月消費者物価指数 加 7 月 8 日 :6 月雇用統計 米 7 月 8 日 :6 月雇用統計 図表 1: 消費者信頼感指数 ( コンファレンスボード ミシガン大 ) 110 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 出所 : コンファレンスボード ミシガン大 SFGI 図表 2:JOLT 求人件数 0 ( 万件 ) 0 0 0 600 400 コンファレンスボード ( 左軸 ) ミシガン大 ( 右軸 ) 200 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 60 40 出所 :FLS SFGI 1

欧州通貨ソニーフィナンシャルグループ ( 株 ) ECB フォーラムで目新しい材料はなし ユーロ圏のインフレ率はドイツ以外加速 大幅利上げへの思惑が強まるが ユーロドルは依然として金利差が示す水準より下方に乖離している ECB フォーラムでは ラガルド総裁から今後の政策に関する新たな情報は得られなかった 金融市場調査部アナリスト森本淳太郎 今週のユーロ円予想レンジ 137.00-144.00 円 ユーロ 先週のユーロは対ドル 対円共に下落 ユーロドルは 6 月 16 日以来となる 1.03 ドル台まで下落する場面が見られたほか ユーロ円も一時 6 月 17 日以来初めて 円台を割り込んだ 今後の金融政策を左右する上で最も重要なインフレ率は 国により強弱入り交じる内容に 29 日に発表されたドイツの 6 月消費者物価指数 (CPI) は 前年比 +7.6% と横這いとの市場予想に反し 前月 (+7.9%) から低下 燃料税引き下げや公共交通機関の料金割引などの政府の措置が奏功した 一方 翌日発表されたフランスの CPI は前年比 +5.8% と前月 (+5.2%) から大きく加速し 市場予想も上回った 同国以外にも イタリアやスペインが過去最高のインフレ率を更新する中 ユーロ圏全体のインフレ率は総合で前年比 +8.6% と前月 (+8.1%) から加速 ただ コア指数は +3.7% と 市場予想に反し小幅ながら前月 (+3.8%) から低下した ( 図表 2) 単月の値で判断することは困難ながら 物価高騰が消費者心理を急速に悪化させ 消費の抑制を通じてインフレがピークアウトしつつある様子が窺える また 金融市場では各国中銀の利上げから 利上げ後の景気後退リスクに関心が移りつつある中 先週は米欧で長期金利が大きく低下 6 月 16 日には 1.9% 台まで上昇していたドイツの 10 年債利回りは 一時 1.2% を割り込んだ このところ急激に縮小していた米独実質金利差は再度拡大し ユーロの下落を促す要因となっている 更に 足下のユーロドルの水準は過去の金利差との連動性に鑑みれば著しく下方に乖離しており ( 図表 3) 欧州中銀 (ECB) と米連邦準備理事会 (FRB) のバランスシート縮小に対するスタンスの差や 将来のユーロ圏経済への懸念が 金利差以上のユーロ売りを招いていると考えられる こうした傾向は ECB の利上げ開始後も続く公算が大きく ユーロドルの軟調地合いは FRB の利上げが軌道に乗ってくる年末付近までは継続することが予想される なお 先週は 28~30 日にシントラで ECB フォーラムが開催され 最終日にはラガルド ECB 総裁 パウエル FRB 議長 ベイリー英中銀 (BOE) 総裁らがパネルディスカッションを行った 議論の中でラガルド総裁は 今後はこれまでのような低インフレの時代には戻らない との認識を示し グローバリゼーションの流れが変化しつつあると指摘 インフレ率は見通し期間 (2024 年まで ) を通じて目標の 2% を超えるとの予測を改めて示し 中銀の行動の必要性を強調した ただ ドラギ前総裁が デフレの力はリフレの力に置き換わった と述べ その後のユーロの急騰のきっかけとなった 2017 年の同フォーラムと比較すると ラガルド総裁のスタンスは極めて慎重であり 理事会以外の場で不要な憶測を呼び起こしたくないとの思惑が感じられた モデレーターが ECB の利上げのスタンスを 漸進的 (gradual) と表現した際は 漸進的かつ選択的 (optional) であり データ次第 (data dependent) だと即座に訂正 各国の最新のインフレ率について問われた際は ユーロ圏全体の指数を待つべきだ と言質を与えない 断片化 ( 周辺国の金利急騰 ) を防止する措置についても ユーロ圏全体に金融政策が浸透することが重要 との見解を示したものの 手法については パンデミック緊急購入プログラム (PEPP) の再投資に関して柔軟性を持たせることで対応するなど 既に知られている情報のみが提示された ラガルド総裁の慎重姿勢からは政策の裁量を残したいとの思惑が感じられ このところ急速にタカ派化した ECB が データ次第 で今後再び掌を返す可能性もゼロではない 図表 1: ユーロチャート ( 日足 ) ( ドル ) ( 円 ) 1.24 146 1.22 144 1.20 1.18 ユーロドル ( 左軸 ) 142 1.16 138 1.14 136 1.12 134 1.10 132 1.08 1.06 128 1.04 ユーロ円 ( 右軸 ) 126 1.02 124 2021/5 2021/8 2021/11 2022/2 2022/5 図表 2: ユーロ圏消費者物価指数 (HICP) (%) 9.0 8.0 7.0 6.0 5.0 総合 4.0 3.0 2.0 コア 1.0 0.0-1.0 20/1 20/7 21/1 21/7 22/1 図表 3: ユーロドルと米独実質金利差 ( ドル ) (%pt) 1.30 0.0 1.25 1.20 1.15 1.10 1.05 米独実質金利差 ( 右軸 ) ユーロドル ( 左軸 ) -0.5-1.0-1.5-2.0 1.00-2.5 2021/1 2021/4 2021/7 2021/10 2022/1 2022/4 2022/7 注 : 実質金利差 = 米 10 年実質金利 独 10 年実質金利 2

今週の注目通貨 : 豪ドルソニーフィナンシャルグループ ( 株 ) RBA の利上げ幅と先行き示唆は? 豪ドルは足下 市場のリスクセンチメントの悪化から下押し圧力が強まっている ただ RBA が 5 日の理事会で 50bp 利上げを決定すれば 一旦は反発の可能性も もっとも 豪ドルは反発したとしても 目先は持続性にかける展開となりそうだ 6 月の豪ドルは米国の金利先高観を背景とする米ドルの上昇の中で対ドルでは軟調 一方 日銀の金融緩和策の長期化観測が円売り材料となる中で 対円では比較的底堅い推移となっていた しかし 6 月末以降 米国の速いペースでの利上げによる景気後退懸念が拡大する中 リスクオフの豪ドル売りも散見される ( 図表 1) 基本的に豪ドルを含む資源国通貨は金融市場全体のリスクセンチメントの影響を受けやすい 今週は米 6 月雇用統計など重要指標の発表が予定されており これらの結果からリスクオフ継続となれば豪ドルにも下押し圧力が続こう ただ 5 日には豪中銀 (RBA) の金融政策発表も予定されており 併せて注目だ 前回 6 月 7 日の RBA 理事会では 政策金利を 50bp 引き上げ 0.85% にするとした ( 大半が 25bp か 40bp 予想 図表 2) 豪経済の先行きについて楽観的な見方を維持する一方 労働需給がタイトで 賃金の伸びが加速することを予想 さらにインフレが 1 カ月前の予想を上回るとの見通しであることを表明 今後数カ月 RBA は金融環境の正常化プロセスをより進める と追加利上げに積極的な姿勢を見せた その後発表された豪州の 5 月雇用統計は 失業率が改善予想に反して横ばいの 3.9% だったものの 労働参加率が市場予想以上の回復 (66.4% 66.9%) を見せ 正規雇用主導で雇用者数も大きく伸びたことで 6 月半ばのキャッシュレート先物市場では 7 月の利上げ幅について 50bp を超えるとの織り込みが一時進んでいた しかし 21 日に発表された 6 月理事会の議事要旨において 6 月時点でも議論されたのが 25bp と 50bp の利上げであったこと そしてロウ RBA 総裁が 7 月も同様の幅での利上げを議論する見通しであるとの方針を述べると キャッシュレート先物市場における 7 月の利上げ幅に対する織り込みは急低下 足下では 50bp 利上げが 5 割強織り込まれる程度となっている 通信社が集計するエコノミスト予想の大半が 50bp 予想で ごく一部ながらも 75bp 予想が残る状態であることと対照的だ 実際の利上げが 50bp 幅となれば 発表直後の豪ドルは買い優勢で反応する公算が大きい ただし そうなったとしても 金融市場全体のリスクセンチメントが弱ければ 豪ドル買いが継続する可能性は低いとみる その一因として RBA が先々の見通しを示すことに消極的になっていることが挙げられる 21 日 RBA は 21 年 11 月まで 1 年 8 カ月にわたり実施してきたイールドカーブコントロール (YCC) の総括レビューを発表した これにおいて RBA は 利回り目標と 2024 年まで利上げを想定しないという 中心予測 を巡る表現の組み合わせは フォワードガイダンスはカレンダーベースでなく 状況次第 ( で修正される ) と強調する努力を怠らせた とし (YCC の終了により ) 目標が維持されると予想していた一部の市場参加者にとって厳しいものとなった 今回の経験が中銀によるこの種の将来のコミットメントの効力を損なうおそれがある とまとめた 今後 RBA が市場に対するメッセージについてより慎重になる可能性が高い また すでに RBA はこれまでも理事会において 経済見通しの最大の不確実性要素として家計消費を挙げている 急激なインフレと利上げと その一方で賃金上昇の遅れによって すでに個人の景況感は急激な悪化を見せている ( 図表 3) 今はインフレ抑制に積極姿勢の RBA だが 今後 先行きの見通しをハト派化させる可能性は十分にある そうなれば 一段と豪ドル売り圧力が掛かることもあり得るため 注意が必要だ 図表 1: 豪ドルチャート 金融市場調査部シニアアナリスト石川久美子 今週の豪ドル円予想レンジ 89.50-93.50 円 ( 円 ) ( 米ドル ) 98 0.82 72 2021/8 2021/10 2021/12 2022/2 2022/4 2022/6 図表 2: 豪州のインフレ率と政策金利 5 4 3 2 1 0 96 94 92 88 86 84 82 78 76 74 対円 ( 左軸 ) 対ドル ( 右軸 ) 図表 3: 豪州の個人と企業の景況感 0. 0.78 0.76 0.74 0.72 0.70 0.68 0.66-1 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 グレーゾーンはインフレ目標出所 :RBA 豪統計局 135 125 115 110 105 95 85 75 70 65 60 6 (%) CPI 基調インフレ率政策金利 ウエストパック消費者信頼感 ( 左軸 ) NAB 企業景況感 ( 右軸 ) 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 40 35 30 25 20 15 10 5 0-5 -10-15 -20-25 -30-35 -40 3

ソニーフィナンシャルグループ金融市場調査部 研究員紹介 尾河眞樹 ( おがわまき ) 執行役員兼金融市場調査部長チーフアナリストファースト シカゴ銀行 JP モルガン チェース銀行などの為替ディーラーを経て ソニー財務部にて為替リスクヘッジと市場調査に従事 その後シティバンク銀行 ( 現 SMBC 信託銀行 ) で個人金融部門の投資調査企画部長として 金融市場の調査 分析を担当 2016 年 8 月より現職 テレビ東京 Newsモーニングサテライト 日経 CNBCなどにレギュラー出演し 金融市場の解説を行っている 主な著書に 新版 本当にわかる為替相場 (2016 年日本実業出版社 ) ビジネスパーソンなら知っておきたい仮想通貨の本当のところ (2018 年朝日新聞出版社 ) などがある ソニー ライフケア取締役 ウェルスナビ株式会社取締役 石川久美子 ( いしかわくみこ ) 金融市場調査部シニアアナリスト 商品先物専門紙での貴金属および外国為替担当の編集記者を経て 2009 年 4 月に外為どっとコムに入社し 外為どっとコム総合研究所の立ち上げに参画 同年 6 月から同社研究員として 外国為替相場について調査 分析を行う 2016 年 11 月より現職 外国為替市場に関するレポート執筆の他 テレビ東京 Newsモーニングサテライト など多数のテレビやラジオ番組に出演し 金融市場の解説を行う また Twitterでの情報発信なども行っている 資源国 新興国通貨に強い 菅野雅明 ( かんのまさあき ) 金融市場調査部シニアフェローチーフエコノミスト 1974 年日本銀行に入行後 秘書室兼政策委員会調査役 ロンドン事務所次長 調査統計局経済統計課長 同参事などを歴任 日本経済研究センター主任研究員を経て 1999 年 JPモルガン証券入社 ( チーフエコノミスト 経済調査部長 マネジングディレクター ) 2017 年 4 月より現職 総務省 統計審議会 委員ほか財務省 内閣府 厚生労働省などで専門委員などを歴任 日本経済新聞 十字路 経済教室 など執筆多数 テレビ東京 News モーニングサテライト 日経 CNBC[ 昼エクスプレス コメンテーター 1974 年東京大学経済学部卒 1979 年シカゴ大学大学院経済学修士号取得 渡辺浩志 ( わたなべひろし ) 金融市場調査部担当部長シニアエコノミスト 1999 年に大和総研に入社し 経済調査部にてエコノミストとしてのキャリアをスタート 2006 年 ~2008 年は内閣府政策統括官室 ( 経済財政分析 総括担当 ) へ出向し 経済財政白書 等の執筆を行う 2011 年からはSMBC 日興証券金融経済調査部および株式調査部にて機関投資家向けの経済分析 情報発信に従事 2017 年 1 月より現職 内外のマクロ経済についての調査 分析業務を担当 ロジカルかつデータの裏付けを重視した分析を行っている 森本淳太郎 ( もりもとじゅんたろう ) 金融市場調査部アナリストみずほフィナンシャルグループにて企画業務 法人営業などを経験した後 2019 年 8 月より現職 外国為替市場の調査 分析業務 中でも主にユーロなどの欧州通貨に関するレポートを担当している また 新型コロナウイルスの感染状況と金融市場の関連に特化したレポートを執筆するなど 幅広い観点から金融市場の分析を行っている 宮嶋貴之 ( みやじまたかゆき ) 金融市場調査部シニアエコノミスト 2009 年にみずほ総合研究所に入社 エコノミストとしてアジア 日本経済 不動産 五輪 観光等を担当 2011 年 ~2013 年は内閣府 ( 経済財政分析担当 ) へ出向 官庁エコノミストとして 経済財政白書 月例経済報告 等を担当 2021 年 4 月より現職 主な著書 ( 全て共著 ) は TPP- 日台加盟の影響と展望 ( 国立台湾大学出版中心 ) キーワードで読み解く地方創生 ( 岩波書店 ) 図解 ASEANを読み解く ( 東洋経済新報社 ) 激震原油安経済 ( 日経 BP)

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