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日 本 経 済 の 正 しい 見 方 考 え 方 日 本 の 財 政 問 題 日 本 経 済 は リーマンショックや 東 日 本 大 震 災 等 により 大 打 撃 を 受 け 財 政 の 悪 化 が 続 いている 随 分 以 前 から 日 本 の 財 政 はいずれ 破 綻 する と 言 われ 続 けてきたが 未 だ 日 本 の 財 政 は 破 綻 してい ない それどころか 財 政 の 信 認 の 目 安 でもある 国 債 金 利 は 低 水 準 で 推 移 している 日 本 の 財 政 は 本 当 にいずれ 破 綻 するのか それともそのような 懸 念 は 全 く 無 いのか 様 々なデー タを 紹 介 しながら 日 本 の 財 政 問 題 ( 財 政 赤 字 の 現 状 深 刻 さなど)について 考 察 する ポ イ ン ト 1. 日 本 の 財 政 問 題 の 現 状 213 年 度 末 の 国 の 借 金 は 過 去 最 大 の1,25 兆 円 214 年 度 末 は1,144 兆 円 の 見 込 み うち 普 通 国 債 残 高 ( 国 の 公 債 残 高 )は78 兆 円 214 年 度 予 算 の 一 般 会 計 歳 入 歳 出 規 模 は95.9 兆 円 歳 出 総 額 の 対 名 目 GDP 比 は19.2% 社 会 保 障 関 係 費 は 初 めて3 兆 円 を 超 過 国 債 費 は23.3 兆 円 (うち 利 払 費 は1.1 兆 円 ) 歳 入 不 足 を 補 う 公 債 金 収 入 は 約 41 兆 円 公 債 残 高 は 過 去 2 年 間 で 約 56 兆 円 増 加 214 年 度 の 日 本 の 財 政 を 年 収 546 万 円 の 家 計 に たとえると 年 間 413 万 円 の 赤 字 で 借 金 が 累 増 し7,8 万 円 のローンを 抱 えている 状 態 政 策 的 経 費 が 税 収 等 を 上 回 り プライマリー バランス(PB: 基 礎 的 財 政 収 支 )は 赤 字 2. 海 外 との 比 較 でみた 日 本 の 財 政 の 現 状 日 本 の 総 債 務 残 高 対 GDP 比 の 悪 化 は 名 目 GDPが 成 長 していないことが 大 きく 影 響 3.なぜここまで 財 政 が 悪 化 したか 原 因 背 景 赤 字 国 債 の 発 行 は1975 年 度 以 降 に 本 格 化 財 政 健 全 化 に 向 けた 目 標 達 成 は 失 敗 が 続 いてきた 199 年 度 末 から214 年 度 末 までの 公 債 残 高 の 増 加 額 約 63 兆 円 のうち 税 収 の 減 少 要 因 が 約 198 兆 円 社 会 保 障 関 係 費 の 増 加 要 因 が 約 21 兆 円 1985 年 度 比 で214 年 度 末 の 公 債 残 高 は 約 5.8 倍 に 増 大 する 見 込 みだが 利 払 費 の 見 込 みは1.1 兆 円 で1985 年 度 とほぼ 同 水 準 にある 4. 日 本 の 財 政 問 題 に 関 する 疑 問 を 解 消 財 政 赤 字 の 累 増 に 伴 い 財 政 の 硬 直 化 世 代 間 の 不 公 平 拡 大 などの 問 題 が 見 られる 214 年 度 見 通 しの 国 民 負 担 率 (41.6%)の 低 さ から 増 税 等 による 財 政 再 建 の 余 地 がある 5. 日 本 の 財 政 運 営 に 関 する 懸 念 材 料 社 会 保 障 関 係 費 の 増 大 家 計 貯 蓄 率 の 低 下 デ フレ 経 済 脱 却 による 金 利 上 昇 等 が 懸 念 される 6. 持 続 可 能 な 財 政 運 営 を 目 指 して 名 目 3% 程 度 の 平 均 成 長 率 を 達 成 しても 22 年 度 のPBは 1.9% 程 度 の 赤 字 が 残 る 見 込 み 短 期 的 にはPBの 黒 字 化 により 一 般 政 府 の 債 務 残 高 対 GDP 比 を 安 定 させ 中 長 期 的 には 先 進 諸 国 平 均 並 みの 水 準 に 低 下 させることが 必 要 財 政 規 律 の 維 持 には 法 的 拘 束 力 のある 中 期 財 政 計 画 の 策 定 予 算 制 度 の 透 明 性 確 保 等 が 必 要 財 政 破 綻 の 回 避 には 社 会 保 障 制 度 の 抜 本 改 革 等 による 歳 出 抑 制 などが 不 可 欠 * 注 意 :とくに 断 りの 無 い 限 り 本 稿 では 日 本 の 国 の 財 政 に 関 することについて 言 及 している 参 考 : 財 政 とは 国 の 経 済 活 動 である 財 政 には 資 源 配 分 の 調 整 所 得 の 再 分 配 経 済 の 安 定 化 の3つの 機 能 がある 4 月 から 翌 年 3 月 までの1 年 間 ( 会 計 年 度 )の 収 入 を 歳 入 支 出 を 歳 出 という 国 の 会 計 は 国 の 基 本 的 活 動 を 行 うのに 必 要 な 歳 入 歳 出 を 経 理 する 一 般 会 計 と 国 が 行 う 特 定 の 事 業 や 資 金 を 運 用 する 等 の 目 的 で 一 般 会 計 と 区 分 して 設 けられ た 特 別 会 計 からなる - 1 -

1 日 本 の 財 政 問 題 の 現 状 1.213 年 度 末 の 国 の 借 金 は 過 去 最 大 の1,25 兆 円 財 務 省 の 国 債 及 び 借 入 金 並 びに 政 府 保 証 債 務 現 在 高 (213 年 度 末 現 在 )によると 国 債 や 借 入 金 政 府 短 期 証 券 を 合 計 した 国 の 借 金 は 過 去 最 大 の1,24 兆 9,568 億 円 となった 内 訳 は 国 債 が853 兆 7,636 億 円 借 入 金 が55 兆 5,47 億 円 を 示 すための 残 高 で いわゆる 国 の 借 金 として 引 用 される 数 字 ( 普 通 国 債 に 限 定 せず 財 投 債 政 府 短 期 証 券 等 を 含 む) 一 般 政 府 総 債 務 212 年 度 末 実 績 1,142 兆 円 国 際 比 較 に 資 するため 世 界 共 通 の 基 準 (SNA (*) ) に 基 づき 一 般 政 府 ( 中 央 政 府 地 方 政 府 及 び 社 会 保 障 基 金 )の 債 務 残 高 を 集 計 した 数 字 * 内 閣 府 発 表 の 国 民 経 済 計 算 (SNA)では GDP 等 のフ ロー 統 計 に 留 まらず 家 計 金 融 機 関 等 の 各 部 門 別 のストック 統 計 ( 資 産 負 債 )が 提 供 されている 一 時 的 な 資 金 不 足 を 補 うための 政 府 短 期 証 券 が 115 兆 6,884 億 円 なお 政 府 保 証 債 務 現 在 高 は44 兆 5,326 億 円 となっている 213 年 1 月 1 日 時 点 の 日 本 の 総 人 口 1 億 2,722 万 人 で 借 金 総 額 を 割 ると 赤 ん 坊 から1 歳 を 超 え た 高 齢 者 も 含 めて 国 民 1 人 当 たり 約 86 万 円 の 借 金 を 抱 えている( 背 負 っている)ことになる 公 的 債 務 の 大 きさを 国 際 比 較 する 場 合 国 と 地 方 を 合 算 した 指 標 を 使 うが 前 述 の 金 額 は 国 の 分 のみの 国 債 及 び 借 入 金 現 在 高 となっている 国 の 借 金 は1981 年 度 に1 兆 円 を 超 過 その 後 約 19 年 経 過 した2 年 に5 兆 円 を 突 破 1, 兆 円 を 超 えたのは13 年 後 の213 年 6 月 末 時 点 で 明 らかに 借 金 の 増 加 ペースが 速 まっている 国 の 借 金 は214 年 度 末 には1,144 兆 円 になる 見 通 し 参 考 : 各 種 統 計 による 債 務 残 高 の 相 違 集 計 する 債 務 の 範 囲 によって いくつかの 債 務 残 高 指 標 が 公 表 されている 普 通 国 債 残 高 214 年 度 末 見 込 み78 兆 円 国 の 公 債 残 高 として 引 用 される 数 字 国 と 地 方 の 公 債 等 残 高 同 971 兆 円 一 般 的 な 政 策 経 費 から 発 生 した 長 期 債 務 を 集 計 し た 数 字 国 と 地 方 の 長 期 債 務 残 高 同 1,1 兆 円 利 払 償 還 財 源 が 主 として 税 財 源 により 賄 われる 国 地 方 の 長 期 債 務 を 集 計 した 数 字 国 債 及 び 借 入 金 現 在 高 同 1,144 兆 円 市 場 からの 調 達 など 国 の 資 金 調 達 活 動 の 全 体 像 国 債 とは 国 債 は 普 通 国 債 と 財 政 投 融 資 特 別 会 計 国 債 に 大 別 されるが 金 融 商 品 としては 全 く 同 じもの 普 通 国 債 1 建 設 国 債 2 特 例 公 債 3 年 金 特 例 公 債 4 復 興 債 及 び5 借 換 債 があり 普 通 国 債 の 利 払 い 償 還 財 源 は 主 として 税 財 源 により 賄 われる 1 2 3は 一 般 会 計 において 発 行 され その 発 行 収 入 金 は 一 般 会 計 の 歳 入 の 一 部 となる 4は 東 日 本 大 震 災 特 別 会 計 において 5は 国 債 整 理 基 金 特 別 会 計 において 発 行 され その 発 行 収 入 金 は それぞれの 特 別 会 計 の 歳 入 の 一 部 となる 1 建 設 国 債 : 公 共 事 業 出 資 金 及 び 貸 付 金 の 財 源 を 調 達 するために 発 行 2 特 例 公 債 ( 赤 字 国 債 ): 公 共 事 業 費 等 以 外 の 歳 出 に 充 てる 財 源 を 調 達 することを 目 的 として 特 別 の 法 律 に 基 づき 発 行 3 年 金 特 例 公 債 : 基 礎 年 金 の 国 庫 負 担 の 追 加 に 伴 い 見 込 まれる 費 用 の 財 源 となる 税 収 が 入 るまでのつ なぎとして 212 年 度 及 び213 年 度 に 発 行 4 復 興 債 : 東 日 本 大 震 災 からの 復 興 のための 施 策 に 必 要 な 財 源 となる 税 収 等 が 入 るまでのつなぎとし て 211 年 度 から215 年 度 まで 発 行 5 借 換 債 : 普 通 国 債 の 償 還 額 の 一 部 を 借 り 換 える 資 金 を 調 達 するために 発 行 財 政 投 融 資 特 別 会 計 国 債 ( 財 投 債 ) 財 投 債 は 財 政 融 資 資 金 において 運 用 の 財 源 に 充 てるために 発 行 され その 発 行 収 入 金 は 財 政 投 融 資 特 別 会 計 の 歳 入 の 一 部 となる ただし 財 投 債 は その 償 還 や 利 払 いが 財 政 融 資 資 金 の 貸 付 回 収 金 により 行 われている - 2 -

2. 国 の 財 政 は 大 赤 字 214 年 度 予 算 から 214 年 度 予 算 の 一 般 会 計 歳 入 歳 出 規 模 は 前 年 度 当 初 予 算 比 3.5% 増 の95 兆 8,823 億 円 で 当 初 予 算 としては 過 去 最 大 15か 月 予 算 として 見 ると 2 年 連 続 で1 兆 円 超 の 規 模 となった 歳 出 総 額 の 対 名 目 GDP 比 は19.2%で 5 年 連 続 で 19% 台 の 水 準 が 続 いている 歳 出 は 社 会 保 障 関 係 費 地 方 交 付 税 交 付 金 等 などの 基 礎 的 財 政 収 支 対 象 経 費 が3.2% 増 の72 兆 6,121 億 円 ( 構 成 比 75.7%)となっている 主 要 経 費 別 では エネルギー 対 策 費 (13.5% 増 ) 公 共 事 業 関 係 費 (12.9% 増 )の 増 加 率 が 目 立 つが 金 額 ベースでは 社 会 保 障 関 係 費 が3 兆 5,175 億 円 (4.8% 増 )となり 初 めて3 兆 円 を 超 えた 消 費 増 税 や 景 気 回 復 の 動 きを 踏 まえ 主 要 歳 出 経 費 の 大 半 が 前 年 度 当 初 予 算 比 で 増 加 しており 財 政 規 律 (*1) の 緩 みが 顕 在 化 したと 思 われる 国 債 の 元 利 払 いに 充 てられる 費 用 の 国 債 費 は 4.6% 増 の23 兆 2,72 億 円 (6 年 連 続 の 増 額 ) が 計 上 されており このうち 利 払 費 は2.3% 増 の 1 兆 98 億 円 (*2) となっている *1: 財 政 を 放 漫 に 運 営 するのではなく 秩 序 正 しく 運 営 するための 規 律 *2: 利 払 費 算 定 の 基 礎 となる 想 定 金 利 は 213 年 度 当 初 予 算 と 同 じ1.8%と 据 え 置 かれている 一 方 歳 入 面 をみると 所 得 税 や 法 人 税 消 費 税 等 の 税 収 ( 租 税 及 び 印 紙 収 入 )は16.% 増 の5 兆 1 億 円 ( 構 成 比 52.1%)が 見 込 まれるが これ にその 他 収 入 ( 国 有 地 の 売 却 費 等 の 税 外 収 入 : 同 4.8%)を 加 算 しても 約 55 兆 円 にとどまり 約 41 兆 円 の 歳 入 不 足 が 発 生 する この 歳 入 不 足 を 補 う ために 国 の 借 金 である 公 債 金 収 入 は 3.7% 減 の 41 兆 2,5 億 円 建 設 国 債 6 兆 2 億 円 特 例 公 債 ( 赤 字 国 債 )35 兆 2,48 億 円 が 計 上 されている 税 収 は27 年 度 ( 決 算 ベース) 以 来 7 年 ぶり に5 兆 円 台 を 回 復 すると 見 込 む 特 に 消 費 税 は 4 兆 6,9 億 円 増 (*) の15 兆 3,39 億 円 が 見 込 まれ 初 めて 所 得 税 を 上 回 る 税 収 となっている * 消 費 税 率 引 上 げに 伴 う 増 収 4 兆 5,35 億 円 を 含 む 参 考 :( ) 内 は 前 年 度 当 初 予 算 比 所 得 税 :14 兆 7,9 億 円 (8,92 億 円 増 ) 法 人 税 :1 兆 18 億 円 (1 兆 3,4 億 円 増 ) 214 年 度 予 算 約 95.9 兆 円 : 歳 出 内 訳 * 基 礎 的 財 政 収 支 対 象 経 費 :726,121 億 円 (75.7%) * 国 債 費 :232,72 億 円 (24.3%) 214 年 度 予 算 約 95.9 兆 円 : 歳 入 内 訳 * 租 税 及 び 印 紙 収 入 :5,1 億 円 (52.1%) * 公 債 金 :412,5 億 円 (43.%) 国 債 費 利 払 費 等 1.6% 所 得 税 15.4% 国 債 費 債 務 償 還 費 13.7% 社 会 保 障 31.8% 特 例 公 債 36.8% 法 人 税 1.4% その 他 1.1% 防 衛 5.1% 文 教 及 び 科 学 振 興 5.7% 公 共 事 業 6.2% 地 方 交 付 税 交 付 金 等 16.8% 資 料 : 財 務 省 日 本 の 財 政 関 係 資 料 (214 年 2 月 ) 建 設 公 債 6.3% その 他 収 入 4.8% その 他 1.3% 消 費 税 16.% 資 料 : 財 務 省 日 本 の 財 政 関 係 資 料 (214 年 2 月 ) - 3 -

公 債 金 収 入 は 当 初 予 算 ベースでみると21 年 度 以 降 5 年 連 続 で4 兆 円 超 の 発 行 が 続 いている 歳 出 に 対 する 公 債 ( 普 通 国 債 ) 発 行 額 の 割 合 を 示 す 公 債 依 存 度 は43.%となり 前 年 度 の46.3% ( 年 金 特 例 国 債 を 除 いたベース)から3.3%ポイント 低 下 したが 5 年 連 続 4% 台 で 推 移 している 3. 一 般 会 計 における 税 収 歳 出 総 額 の 推 移 日 本 の 財 政 は 197 年 代 以 前 から 歳 出 が 税 収 を 上 回 る 赤 字 の 状 態 が 続 いていたが バブル 期 ま 膨 張 した 一 方 税 収 は38.7 兆 円 にとどまり 公 債 発 行 額 は52. 兆 円 と 過 去 最 大 規 模 に 膨 らんだ 4. 増 加 が 続 く 社 会 保 障 関 係 費 等 一 般 会 計 歳 出 について196 年 度 から214 年 度 へ の 主 要 経 費 別 の 推 移 をみると 社 会 保 障 の 充 実 や 急 速 に 進 展 する 高 齢 化 の 影 響 等 によって 社 会 保 障 関 係 費 は.2 兆 円 (196 年 度 )から3.5 兆 円 (214 年 度 )に 増 加 し 公 債 残 高 の 累 増 を 反 映 し て 国 債 費 も.3 兆 円 から23.3 兆 円 に 増 加 では 税 収 も 右 肩 上 がりで 伸 びて ( 兆 円 ) 一 般 会 計 税 収 歳 出 総 額 の 推 移 12 いたため 毎 年 公 債 発 行 額 資 料 : 財 務 省 日 本 の 財 政 関 係 資 料 (214 年 2 月 ) 11. の 公 債 発 行 額 は 1 一 般 会 計 税 収 95.9 非 常 に 低 い 水 準 8 一 般 会 計 歳 出 であった バブル 崩 壊 以 降 も 歳 出 は 右 肩 上 がりが 続 いて 6 52. 5. 4 2 いたが 税 収 は 199 年 をピーク 75 76 77 78 79 8 81 82 83 84 85 86 87 88 89 9 91 92 93 94 95 96 97 98 99 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 ( 年 度 ) に 右 肩 下 がりの *212 年 度 までは 決 算 213 年 度 は 補 正 後 予 算 214 年 度 は 当 初 予 算 による * 公 債 発 行 額 は 211 年 度 の 東 日 本 大 震 災 にかかる 復 興 債 212 年 度 213 年 度 の 年 金 特 例 公 債 ( 基 礎 状 況 が 続 き 両 年 金 国 庫 負 担 2 分 の1を 実 現 する 財 源 を 調 達 するためのもの) 等 を 除 いている 者 の 差 は 拡 大 この 赤 字 分 を 埋 ( 兆 円 ) 一 般 会 計 歳 出 の 主 要 経 費 の 推 移 めるために 多 額 の 公 債 発 行 が 続 12 1 資 料 : 財 務 省 我 が 国 の 財 政 事 情 (214 年 度 予 算 政 府 案 ) (213 年 12 月 ) *2 年 度 までは 決 算 214 年 度 は 予 算 による 89.3 95.9 国 債 費 けられてきた 23.3 8 その 他 69.3 21.4 29 年 度 はリ 公 共 事 業 関 係 費 14.3 2. ーマンショック 6 地 方 交 付 税 等 43.4 22.5 6. 後 の 経 済 危 機 に 2.6 4 社 会 保 障 関 係 費 5.5 11.9 16.1 対 する 財 政 支 出 計 15.9 7. 15.8 2 6.9 15.9 により 歳 出 総 8.2 1.7 7. 額 は 過 去 最 大 の 8.2 11.5 17.6 3.5 11. 兆 円 まで 196 197 198 199 2 214 ( 年 度 ) - 4 -

一 般 会 計 歳 出 総 額 に 占 める 割 合 で 見 ると 社 会 保 障 関 係 費 は11.6%から31.8%に 上 昇 しており 金 額 のみならずウェートも 高 まっている また 国 債 費 も1.7%から24.3%と 大 幅 にウェートが 高 まっている 公 共 事 業 関 係 費 は 厳 しい 財 政 状 況 を 反 映 して17.3%から6.2%まで 低 下 した 5. 増 える 公 債 発 行 額 高 止 まりする 公 債 依 存 度 として 国 会 の 審 議 を 経 て 可 決 法 案 化 されるこ とが 発 行 の 条 件 となっている バブル 崩 壊 後 悪 化 する 景 気 を 支 えるための 公 共 事 業 が 増 加 し 多 額 の 建 設 国 債 が 発 行 された 1999 年 度 以 降 は 建 設 国 債 を 大 幅 に 上 回 るペースで 赤 字 国 債 が 大 量 に 発 行 されるようになり 多 額 の 赤 字 国 債 発 行 が 常 態 化 している 公 債 ( 普 通 国 ( 兆 円 ) 公 債 ( 普 通 国 債 ) 発 行 額 公 債 依 存 度 の 推 移 (%) 債 )のうち 建 6 資 料 : 財 務 省 日 本 の 財 政 関 係 資 料 (214 年 2 月 ) 6 設 国 債 は 道 路 や 港 など 社 会 4 条 公 債 発 行 額 ( 建 設 国 債 ) * 公 債 依 存 度 は 公 債 発 行 額 を 歳 出 額 で 除 して 算 出 5 特 例 公 債 発 行 額 ( 赤 字 国 債 ) 5 公 債 発 行 額 基 盤 を 整 備 する ために 目 的 を 限 定 して 発 行 する 国 債 のこと 財 政 法 第 4 条 に 基 づいて 発 行 4 3 2 1 公 債 依 存 度 ( 右 軸 ) 4 3 2 1 されるため 4 75 76 77 78 79 8 81 82 83 84 85 86 87 88 89 9 91 92 93 94 95 96 97 98 99 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 ( 年 度 ) *212 年 度 までは 決 算 213 年 度 は 補 正 後 予 算 214 年 度 は 当 初 予 算 による 条 公 債 とも 呼 ば * 公 債 発 行 額 は 211 年 度 の 東 日 本 大 震 災 にかかる 復 興 債 212 年 度 213 年 度 の 年 金 特 例 公 債 ( 基 礎 れており 国 会 年 金 国 庫 負 担 2 分 の1を 実 現 する 財 源 を 調 達 するためのもの) 等 を 除 いている の 承 認 を 受 けれ ( 兆 円 ) 公 債 ( 普 通 国 債 ) 残 高 の 累 増 ば 発 行 が 可 能 特 例 公 債 ( 赤 字 国 債 )は 毎 9 8 7 資 料 : 財 務 省 日 本 の 財 政 関 係 資 料 (214 年 2 月 ) * 公 債 残 高 は 各 年 度 の3 月 末 現 在 額 但 し 213 年 度 末 は 実 績 見 込 み 214 年 度 末 は 当 初 予 算 に 基 づく 見 込 み 年 の 歳 入 不 足 を 6 復 興 債 残 高 4 条 公 債 残 高 ( 建 設 国 債 ) 補 填 するために 5 特 例 公 債 残 高 ( 赤 字 国 債 ) 発 行 される 国 債 4 公 債 残 高 のこと 赤 字 国 債 は 使 い 道 が 決 まっておらず 赤 字 国 債 を 発 行 3 2 1 75 76 77 78 79 8 81 82 83 84 85 86 87 88 89 9 91 92 93 94 95 96 97 98 99 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 するためには ( 年 度 ) 毎 年 1 年 限 り の 特 例 公 債 法 案 * 特 例 公 債 残 高 は 国 鉄 長 期 債 務 国 有 林 野 累 積 債 務 等 の 一 般 会 計 承 継 による 借 換 国 債 臨 時 特 別 公 債 減 税 特 例 公 債 及 び 年 金 特 例 公 債 を 含 む * 東 日 本 大 震 災 にかかる 復 興 債 (211 年 度 は 一 般 会 計 において 212 年 度 以 降 は 東 日 本 大 震 災 復 興 特 別 会 計 において 負 担 )を 公 債 残 高 に 含 めている(211 年 度 末 :1.7 兆 円 212 年 度 末 :1.3 兆 円 213 年 度 末 :9.4 兆 円 214 年 度 末 :11.4 兆 円 ) - 5 -

公 債 依 存 度 ( 公 債 発 行 額 歳 出 額 )は 1979 年 度 (34.7%)から199 年 度 (9.2%)までは 低 下 傾 向 が 続 いていたが その 後 は 増 加 傾 向 が 続 く 1998 年 度 以 降 は3%を 超 える 水 準 が 続 き 29 年 度 (52.%) 以 降 は4%を 超 える 水 準 が 続 く 6. 過 去 2 年 間 で 公 債 残 高 が 約 56 兆 円 も 増 加 199 年 代 後 半 から 公 債 残 高 が 急 激 に 増 加 199 年 台 前 半 には2 兆 円 に 満 たなかったが 年 々 増 加 の 一 途 を 辿 った 過 去 2 年 間 で 約 56 兆 円 増 加 し 214 年 度 末 は78 兆 円 214 年 度 一 般 会 計 税 収 約 5 兆 円 の 約 16 年 分 に 相 当 と 見 込 まれている 財 務 省 の 日 本 の 財 政 関 係 資 料 (214 年 2 月 ) には 国 民 1 人 当 たり 約 615 万 円 4 人 家 族 で 約 2,459 万 円 の 借 金 があり 将 来 世 代 に 大 きな 負 担 を 残 すことになる と 記 されている 7. 日 本 の 財 政 を 家 計 にたとえると 214 年 度 の 日 本 の 財 政 を 年 収 (*1) 546 万 円 の 家 計 にたとえると 必 要 経 費 総 額 (*2) 959 万 円 のうち 家 計 費 (*3) は726 万 円 (うち 田 舎 への 仕 送 り (*4) 161 万 円 ) ローン 元 利 払 (*5) が233 万 円 となっており (*6) 年 間 413 万 円 の 赤 字 となる この 不 足 分 を 借 金 して なんとか 帳 尻 を 合 わせて 家 計 を 成 り 立 たせ ているが 借 金 が 累 増 し7,8 万 円 のローン (*7) を 抱 えていることになる *214 年 度 一 般 会 計 予 算 の 次 の 項 目 に 該 当 する 1: 税 収 + 税 外 収 入 2: 一 般 会 計 歳 出 3: 基 礎 的 財 政 収 支 対 象 経 費 4:うち 地 方 交 付 税 等 5: 国 債 費 6: 公 債 金 収 入 ( 借 金 ) 7: 公 債 残 高 8. 財 政 健 全 化 の 目 標 に 用 いられる 指 標 財 政 健 全 化 の 目 標 には 毎 年 度 の 収 支 を 示 すフ ロー 指 標 プライマリー バランス(PB) 財 政 収 支 や 債 務 の 累 積 を 示 すストック 指 標 債 務 残 高 対 GDP 比 が 用 いられる (1)プライマリー バランス(PB) プライマリー バランス( 基 礎 的 財 政 収 支 )は 借 入 を 除 く 税 収 税 外 収 入 の 歳 入 から 国 債 の 元 本 返 済 や 利 子 の 支 払 いにあてる 国 債 費 を 除 く 歳 出 を 差 し 引 いた 値 ( 収 支 ) その 時 点 で 必 要 とされる 政 策 的 経 費 を その 時 点 の 税 収 等 でどれ だけ 賄 えているかを 示 す 指 標 である *PB=( 歳 入 - 公 債 金 収 入 )-( 歳 出 - 国 債 費 ) 日 本 は 政 策 的 経 費 が 税 収 等 を 上 回 り PBは 赤 字 の 状 態 PBが 均 衡 すれば 単 年 度 において 行 政 サービス 等 に 係 る 費 用 負 担 を 公 債 発 行 に 頼 ら ずに( 将 来 世 代 に 先 送 りすることなく) 現 在 の 税 収 等 で 賄 えることを 意 味 している (2) 財 政 収 支 PBが 均 衡 しても 利 払 費 ( 債 務 残 高 金 利 ) 分 だけ 金 利 の 水 準 に 比 例 して 債 務 残 高 が 増 加 する 債 務 残 高 の 増 加 を 回 避 するには 利 払 費 を 含 む 財 政 収 支 の 均 衡 ( 財 政 赤 字 の 解 消 : 新 たな 借 金 額 と 過 去 の 借 金 を 返 す 額 が 同 額 )が 必 要 となる 財 政 健 全 化 目 標 として 他 の 先 進 国 等 では 財 政 収 支 対 GDP 比 ( 参 考 :ユーロ 基 準 3%)が 用 いられ ることが 多 いが 日 本 はPBを 用 いており 諸 外 国 から 見 て 甘 い 指 標 となっている (3) 債 務 残 高 対 GDP 比 ( 参 考 :ユーロ 基 準 6%) 国 地 方 の 債 務 残 高 をGDPで 除 すことで 経 済 規 模 に 対 する 債 務 の 大 きさを 測 るもので 財 政 の 健 全 性 を 図 る 上 で 重 要 視 されている 国 債 平 均 利 率 が 大 幅 に 上 昇 した 場 合 税 収 増 の 大 部 分 を 利 払 費 に 充 当 することが 必 要 となり 経 済 回 復 による 税 収 増 が 帳 消 しとなるリスクを 抱 えている 債 務 残 高 対 GDP 比 は 金 利 変 動 と 経 済 成 長 率 の 水 準 の 影 響 を 受 ける PBが 均 衡 している 状 態 で は 金 利 > 経 済 成 長 率 の 場 合 に 同 比 は 上 昇 し 金 利 < 経 済 成 長 率 の 場 合 に 同 比 は 低 下 する - 6 -

国 の 中 で 債 務 残 高 対 GDP 比 が 最 低 であったが 2 海 外 との 比 較 でみた 日 本 の 財 政 の 現 状 1999 年 にはイタリアを 抜 き 214 年 時 点 での 差 は 1. 財 政 収 支 の 国 際 比 較 ( 対 GDP 比 ) 主 要 先 進 国 の 動 きをみると 日 本 の 財 政 は 国 際 的 に 見 ても 近 年 急 激 に 悪 化 した 様 子 がわかる ホ イント 85.2%pt に 拡 大 している 3. 純 債 務 残 高 の 国 際 比 較 ( 対 GDP 比 ) 政 府 は 公 債 を 含 めて 金 融 資 産 ( 債 券 貸 付 金 199 年 代 後 半 に 主 要 先 進 国 で 財 政 収 支 (%) 財 政 収 支 の 国 際 比 較 ( 対 GDP 比 ) 日 本 の 改 善 が 進 む 中 日 1 アメリカ イギリス 本 の 財 政 収 支 は 大 幅 な 赤 字 が 続 いた 2 年 代 に 入 り 日 5 ドイツ フランス.2 イタリア カナダ 本 の 財 政 収 支 は 改 善 に 向 かいかけたが 28 年 秋 以 降 の 金 融 5 6.7 7.6 経 済 危 機 の 影 響 から 1 他 の 主 要 国 と 同 様 に 13.7 15 一 気 に 悪 化 した 1999 2 21 22 23 24 25 26 27 28 29 21 211 212 213 214 ( 暦 年 ) 21 年 代 に 入 り 資 料 : 財 務 省 日 本 の 財 政 関 係 資 料 (214 年 2 月 ) OECD Economic Outlook 94 (213 年 11 月 )による データを 用 いており 214 年 度 予 算 ( 政 府 案 )の 内 容 を 反 映 しているものではない 他 国 の 財 政 収 支 が 改 * 数 値 は 一 般 政 府 ( 中 央 政 府 地 方 政 府 社 会 保 障 基 金 を 合 わせたもの)ベース ただし 日 本 及 び 米 国 は 社 会 保 障 基 金 を 除 いた 値 善 する 中 日 本 は 大 * 日 本 の 財 政 収 支 については 単 年 度 限 りの 特 殊 要 因 を 除 いた 数 値 幅 な 財 政 赤 字 が 続 い 総 債 務 残 高 の 国 際 比 較 ( 対 GDP 比 ) 日 本 (%) ている 25 アメリカ 231.9 2. 総 債 務 残 高 の 国 際 イギリス ドイツ 比 較 ( 対 GDP 比 ) 2 フランス 資 産 を 相 殺 してい イタリア 146.7 ない 債 務 残 高 総 債 15 カナダ 務 残 高 ( 一 般 政 府 ベ ース)の 対 GDP 比 を 見 ると 主 要 先 進 国 と 比 較 して 日 本 だ けに 急 激 な 上 昇 傾 向 1 5 11. 83.4 がみられる 1999 2 21 22 23 24 25 26 27 28 29 21 211 212 213 214 ( 暦 年 ) 日 本 は 197 年 代 資 料 : 財 務 省 日 本 の 財 政 関 係 資 料 (214 年 2 月 ) OECD Economic Outlook 94 (213 年 11 月 )による データを 用 いており 214 年 度 予 算 ( 政 府 案 )の 内 容 を 反 映 しているものではない 中 頃 までは 主 要 先 進 * 数 値 は 一 般 政 府 ( 中 央 政 府 地 方 政 府 社 会 保 障 基 金 を 合 わせたもの)ベース - 7 -

株 式 出 資 金 等 )を 保 有 しており 財 政 状 況 の 判 断 では 負 債 ( 総 債 務 )だけでなく 債 務 残 高 から 金 融 資 産 を 控 除 した 純 債 務 も 注 目 する 必 要 がある 政 府 の 総 債 務 残 高 から 政 府 が 保 有 する 金 融 資 産 ( 年 金 積 立 金 等 )を 差 し 引 いた 純 債 務 残 高 で 見 ても 日 本 は 突 出 しており 主 要 先 進 国 で 最 悪 の 水 準 にある * 数 値 は 一 般 政 府 ( 中 央 政 府 地 方 政 府 社 会 保 障 基 金 を 合 わせたもの)ベースで 政 府 の 総 支 出 には 利 払 費 が 含 まれている *1 位 はデンマーク57.7% アメリカは21 位 39.6% 政 府 の 社 会 保 障 支 出 ( 対 GDP 比 )をみると 日 本 は1995 年 の23か 国 中 22 位 の14.7%から 211 年 には12 位 の25.4%に 上 昇 *1 位 はデンマーク33.6% アメリカは23 位 16.9% * 純 債 務 は 相 殺 する 金 融 資 産 の 範 囲 ( 流 動 性 による 分 政 府 の 社 会 保 障 以 外 の 支 出 ( 対 GDP 比 : 利 払 費 類 )が 各 国 で 大 きく 異 なり 国 際 比 較 の 観 点 では 総 債 務 ( 粗 債 務 )が 望 ましい 但 し 総 債 務 も 政 府 が を 除 く)をみると 日 本 は1995 年 の23か 国 中 17 位 保 有 する 公 債 の 計 上 方 法 に 相 違 があり 不 完 全 * 純 債 務 残 高 を 比 較 する 場 合 日 本 政 府 の 金 融 資 産 の 多 くは 将 来 の 社 会 保 障 給 付 を 賄 う 積 立 金 であり す ぐに 取 り 崩 して 債 務 の 償 還 や 利 払 いの 財 源 とするこ の18.%から 211 年 には23 位 の14.8%に 低 下 *1 位 はハンガリー23.4% アメリカは17 位 18.9% 政 府 の 租 税 収 入 ( 対 GDP 比 )をみると 日 本 は とができないこと 等 に 留 意 が 必 要 1995 年 の34か 国 中 31 位 の17.5%から 211 年 に なお 財 務 省 の 国 の 財 務 書 類 (212 年 度 ) は33 位 の16.8%に 低 下 を 見 ると 負 債 は1,117 兆 円 資 産 は64 兆 円 とな *1 位 はデンマーク46.7% アメリカは31 位 18.5% っている 全 ての 資 産 を 負 債 の 返 済 に 充 当 するこ 政 府 の 財 政 収 支 ( 対 GDP 比 )をみると 日 本 は とはできないが このうち 現 金 化 しやすい 現 1995 年 の3か 国 中 21 位 の-6.5%から 214 年 に 金 預 金 有 価 証 券 貸 付 金 出 資 金 の 合 計 額 は は3 位 の-8.5%に 低 下 約 334 兆 円 あり 資 産 との 見 合 いで 考 えれば ネ *1 位 はノルウェー11.% アメリカは26 位 -5.8% ットの 負 債 額 は783 兆 円 程 度 まで 圧 縮 される 4.OECD 諸 国 の 政 府 純 債 務 残 高 の 国 際 比 較 ( 対 GDP 比 ) 日 本 (%) 支 出 収 入 の 関 係 アメリカ 16 148.7 OECD 諸 国 と 比 較 す イギリス ると 日 本 の 社 会 保 14 ドイツ 障 支 出 は 中 程 度 であ 12 フランス イタリア るが 社 会 保 障 以 外 1 カナダ の 支 出 や 租 税 収 入 は 8 84. 最 下 位 近 辺 である 6 政 府 の 総 支 出 ( 対 47.3 4 GDP 比 )をみると 2 日 本 は1995 年 の24か 国 中 22 位 の36.1%か ら 211 年 には2 位 の42.3%に 上 昇 1999 2 21 22 23 24 25 26 27 28 29 21 211 212 213 214 ( 暦 年 ) 資 料 : 財 務 省 日 本 の 財 政 関 係 資 料 (214 年 2 月 ) OECD Economic Outlook 94 (213 年 11 月 )による データを 用 いており 214 年 度 予 算 ( 政 府 案 )の 内 容 を 反 映 しているものではない * 数 値 は 一 般 政 府 ( 中 央 政 府 地 方 政 府 社 会 保 障 基 金 を 合 わせたもの)ベース - 8 -

5. 各 国 通 貨 でみた 政 府 総 債 務 残 高 の 国 際 比 較 総 債 務 残 高 の 国 際 比 較 ( 対 GDP 比 ) をみると 日 本 だけが 突 出 して 悪 化 しているように 見 えるが 債 務 残 高 のみを 比 較 すると 日 本 の 債 務 は 世 界 と 比 較 してそれほど 増 えていないと 言 える 1999 年 を1として 政 府 総 債 務 残 高 ( 各 国 通 貨 )の 推 移 をみると 23 年 以 降 に 全 ての 国 で 残 高 が 増 加 している 日 本 は212 年 時 点 で17.と クの1997 年 から9.4% 減 するなか アメリカ 168.1 イギリス166.5などでは 増 加 傾 向 が 続 く 日 本 の 財 政 悪 化 が 各 国 と 比 べて 大 幅 に 進 行 して いるように 見 えるのは 負 債 の 増 加 ペースに 関 わ らず 名 目 GDPが 成 長 していないことが 大 きく 影 響 している 日 本 もデフレから 脱 却 し 名 目 ベー スでみて 経 済 成 長 が 続 いていたならば 相 対 的 な 債 務 負 担 は 軽 減 されていたはずである イタリア155. カ ナダ169.6に 次 いで 下 から3 番 目 に 位 置 政 府 総 債 務 残 高 ( 各 国 通 貨 )の 国 際 比 較 1999 年 =1 35 日 本 342.9 する 一 方 イギリ スやアメリカは 日 本 を 大 幅 に 上 回 るペー 3 25 アメリカ イギリス ドイツ 293.2 フランス 227.9 スで 増 加 している 2 イタリア 物 価 変 動 に 関 わら カナダ 17. ず 借 金 の 額 は 不 変 の 15 155. ため 総 債 務 残 高 1 の 国 際 比 較 ( 対 GDP 比 ) では 市 場 価 格 で 算 出 した 名 目 5 1999 2 21 22 23 24 25 26 27 28 29 21 211 212 資 料 :IMF World Economic Outlook Database, October 213 ( 年 ) GDPが 用 いられる 198 年 を1とし 名 目 GDP( 国 内 総 生 産 )の 国 際 比 較 198 年 =1 8 年 の 値 て212 年 の 名 目 GDP 日 本 参 考 1999 年 =1とした カナダ 181.7 場 合 の212 フランス 148.7 754.5 をみると 各 国 は 約 7 アメリカ ドイツ 133.3 イタリア 138.1 イギリス 日 本 93.8 イギリス 166.5 アメリカ 168.1 67. 3~7 倍 の 水 準 に 増 6 ドイツ 567.5 フランス 567.3 加 しているが 日 本 5 イタリア は 約 2 倍 の 水 準 にと カナダ 457. どまっている 1999 年 を1とし 4 347.8 3 て 名 目 GDPの 変 化 2 212.3 をみると 212 年 192.2 1 に 日 本 は93.8と 名 198 1985 199 1995 2 25 21 ( 年 ) 目 GDPが 減 少 ピー 資 料 :IMF World Economic Outlook Database, October 213-9 -

標 に 変 更 されたため 赤 字 国 債 の 無 制 限 発 行 が 可 3 なぜここまで 財 政 が 悪 化 したか 原 因 背 景 能 になった 1. 赤 字 国 債 発 行 の 歴 史 と 財 政 健 全 化 の 歩 み (1)1975 年 度 以 降 に 赤 字 国 債 の 発 行 が 本 格 化 赤 字 国 債 の 発 行 は1975 年 度 以 降 に 本 格 化 したが 1994 年 度 から 減 税 特 例 公 債 が 再 発 行 され 1998 年 度 以 降 赤 字 国 債 の 発 行 額 が 飛 躍 的 に 膨 らんだ 1998 年 度 の 当 初 の 発 行 予 定 額 は7.1 兆 円 であった 財 政 健 全 化 に 向 けた 目 標 達 成 は 失 敗 が 続 いてきた が 発 行 実 績 は16.9 兆 円 まで 膨 張 した 公 債 依 存 1976 年 度 に 198 年 度 に 赤 字 国 債 から 脱 却 と いう 目 標 が 掲 げられたが 目 標 年 次 は1984 年 度 199 年 度 へと 先 延 ばしが 繰 り 返 された 国 債 発 行 は198 年 度 をピークに 減 少 を 続 け 199 年 度 から 4 年 間 は 赤 字 国 債 発 行 がゼロとなった ただ こ の 目 標 達 成 の 最 大 要 因 はバブル 景 気 による 大 幅 な 税 収 増 であったため その 後 の 税 収 減 に 伴 い1993 年 度 からは 公 債 依 存 度 が 急 上 昇 した なお バブル 期 のような 景 気 の 良 い 時 でさえ 税 収 と 歳 出 の 差 が 縮 まらず 税 収 以 上 の 歳 出 ( 所 得 以 上 の 生 活 )が 続 けられており 財 政 規 律 が 緩 んでいたと 言 える (2) 赤 字 国 債 発 行 の 歯 止 めの 仕 組 みが 無 くなる 当 初 赤 字 国 債 発 行 の 膨 張 を 抑 制 するために 度 :1997 年 度 23.5% 1998 年 度 4.3% *1: 赤 字 国 債 発 行 は 財 政 法 で 禁 止 されている 建 設 国 債 の 発 行 限 度 額 は 公 共 事 業 の 範 囲 内 となるが 赤 字 国 債 については 発 行 限 度 額 が 設 定 されていない *2: 現 金 償 還 の 場 合 発 行 時 点 において 満 期 日 の 償 還 可 能 性 を 考 慮 して 発 行 額 を 検 討 する 必 要 がある (3) 健 全 化 目 標 は 国 地 方 のPB 黒 字 化 に 緩 和 22 年 1 月 構 造 改 革 と 経 済 財 政 の 中 期 展 望 を 初 めて 策 定 し 21 年 代 初 頭 に 国 地 方 のP B 黒 字 化 という 財 政 健 全 化 目 標 を 規 定 26 年 度 に 211 年 度 までに 国 地 方 のPBを 黒 字 化 という 目 標 を 掲 げ 構 造 改 革 の 進 展 に 伴 い 27 年 度 までPBは 改 善 した 29 年 6 月 リーマンショックに 伴 う 経 済 の 落 ち 込 みと 財 政 収 支 の 急 激 な 悪 化 を 受 けて 目 標 年 次 1 赤 字 国 債 発 行 ( 兆 円 ) を 認 める 特 例 公 9 公 債 ( 普 通 国 債 ) 残 高 の 累 増 再 掲 債 法 (*1) 資 料 : 財 務 省 日 本 の 財 政 関 係 資 料 (214 年 2 月 ) は 単 年 度 8 * 公 債 残 高 は 各 年 度 の3 月 末 現 在 額 但 し 213 年 度 末 は 実 績 法 とし 2 現 金 7 見 込 み 214 年 度 末 は 当 初 予 算 に 基 づく 見 込 み (*2) 償 還 のみ( 借 換 償 還 を 禁 止 ) 6 5 復 興 債 残 高 4 条 公 債 残 高 ( 建 設 国 債 ) 特 例 公 債 残 高 ( 赤 字 国 債 ) と 規 定 され 一 4 公 債 残 高 定 の 歯 止 めがか けられていた だが 特 例 公 3 2 1 債 法 が 改 正 され 75 76 77 78 79 8 81 82 83 84 85 86 87 88 89 9 91 92 93 94 95 96 97 98 99 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 1994 年 以 降 赤 ( 年 度 ) 字 国 債 の 借 換 禁 止 規 定 が 努 力 目 * 特 例 公 債 残 高 は 国 鉄 長 期 債 務 国 有 林 野 累 積 債 務 等 の 一 般 会 計 承 継 による 借 換 国 債 臨 時 特 別 公 債 減 税 特 例 公 債 及 び 年 金 特 例 公 債 を 含 む * 東 日 本 大 震 災 にかかる 復 興 債 (211 年 度 は 一 般 会 計 において 212 年 度 以 降 は 東 日 本 大 震 災 復 興 特 別 会 計 において 負 担 )を 公 債 残 高 に 含 めている(211 年 度 末 :1.7 兆 円 212 年 度 末 :1.3 兆 円 213 年 度 末 :9.4 兆 円 214 年 度 末 :11.4 兆 円 ) - 1 -

を 先 送 りした 211 年 3 月 に 発 生 した 東 日 本 大 震 災 による 経 済 の 落 ち 込 みとそれに 対 処 する 財 政 出 動 により 212 年 度 以 降 にPBの 赤 字 幅 が 拡 大 213 年 6 月 骨 太 方 針 ( 経 済 財 政 運 営 と 改 革 の 基 本 方 針 )を 閣 議 決 定 し 国 地 方 のPBを 215 年 度 までに21 年 度 に 比 べ 赤 字 の 対 GDP 比 を 半 減 等 の 財 政 健 全 化 目 標 を 掲 げた 2. 財 政 赤 字 拡 大 公 債 残 高 増 加 の 要 因 赤 字 国 債 の 発 行 から 脱 却 した199 年 度 以 降 の 財 政 赤 字 の 拡 大 と 債 務 残 高 の 累 増 についてみると 歳 出 面 では9 年 代 は 公 共 事 業 関 係 費 の 増 加 が 主 要 は+ 約 57 兆 円 にとどまっている 3. 国 債 費 の 低 下 に 伴 う 危 機 意 識 の 低 下 国 債 の 利 払 費 は 198 年 代 の 半 ばから 横 ばいで 推 移 199 年 以 降 長 期 金 利 の 低 下 傾 向 が 続 き 利 払 費 は199 年 代 後 半 から2 年 代 半 ばにかけて 減 少 し しばらく 横 ばいで 推 移 していた 新 規 発 行 分 の 国 債 金 利 の 低 下 に 加 え 満 期 を 迎 えた 国 債 (*) が 低 金 利 の 借 換 債 に 切 り 替 わり 利 払 費 が 軽 減 国 債 の 発 行 残 高 が 拡 大 しても 国 債 費 は 相 対 的 に 低 下 し 財 政 危 機 が 生 じにくい 環 境 とな った この 結 果 公 債 増 発 に 対 する 危 機 意 識 が 低 因 であったが 近 年 は 社 会 保 障 関 係 費 の 増 加 と 地 方 交 付 税 交 付 金 等 ( 地 方 財 政 の 悪 化 に 伴 う 財 源 不 足 の 補 填 )の 増 加 が 主 要 因 となっている 歳 入 面 では 景 気 悪 化 や 度 重 なる 減 税 による 過 度 の 税 収 不 足 などが 主 要 因 となっている 財 務 省 の 日 本 の 財 政 関 係 資 料 (214 年 2 月 ) によると 199 年 度 末 から214 年 度 末 までの 公 債 残 高 の 累 増 ( 増 加 額 約 63 兆 円 )のうち 税 収 等 の 減 少 要 因 が 約 148 兆 円 歳 出 の 増 加 要 因 が 約 334 兆 円 と 分 析 されている 下 し 赤 字 国 債 の 増 発 を 招 いていると 懸 念 される * 発 行 後 6 年 で 現 金 償 還 する 6 年 償 還 ルール が 適 用 される 1985 年 度 ( 利 払 費 9.7 兆 円 )と 比 較 すると 214 年 度 末 の 公 債 残 高 は 約 5.8 倍 に 増 大 する 見 込 みだが 利 払 費 の 見 込 みは1.1 兆 円 で1985 年 度 とほぼ 同 じ 水 準 にある 金 利 低 下 はほぼ 限 界 に 達 しており 足 下 では 利 払 費 はやや 増 加 している 今 後 は 金 利 の 低 位 安 定 が 続 いたとしても 毎 年 の 財 政 赤 字 に 伴 う 公 債 残 高 の 増 加 により 利 払 費 の 増 加 は 避 けられない また 景 気 の 低 迷 や 累 次 の 減 ( 兆 円 ) 利 払 費 の 推 移 ( 兆 円 ) 25 9 税 等 による 税 収 資 料 : 財 務 省 日 本 の 財 政 関 係 資 料 (214 年 2 月 ) * 利 払 費 は 212 年 度 までは 決 算 213 年 度 は 補 正 後 予 算 214 年 度 は 当 初 予 算 案 による 8 減 (+ 約 198 兆 2 7 普 通 国 債 の 利 率 加 重 平 均 の 各 年 毎 の 推 移 公 債 残 高 ( 右 軸 ) 円 )と 社 会 保 障 75 年 :7.4% 9 年 :6.1% 年 :2.7% 6 15 利 払 費 ( 左 軸 ) 関 係 費 (+ 約 21 5 年 :1.4% 12 年 :1.2% 5 兆 円 ) 地 方 交 付 税 交 付 金 等 (+ 78 兆 円 )の3 項 目 で 公 債 残 高 増 加 額 の8 割 程 度 を 占 1 5 75 76 77 78 79 8 81 82 83 84 85 86 87 88 89 9 91 92 93 94 95 96 97 98 99 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 4 3 2 1 ( 年 度 ) めている なお * 公 債 残 高 は 各 年 度 3 月 末 現 在 高 ただし 214 年 度 末 は 当 初 予 算 に 基 づく 見 込 み *211 年 度 ~214 年 度 の 公 債 残 高 は 東 日 本 大 震 災 にかかる 復 興 債 及 び 年 金 特 例 公 債 を 含 む 公 共 事 業 関 係 費 - 11 -

消 費 に 回 るべき 資 金 が 国 債 に 回 っていると 捉 える 4 日 本 の 財 政 問 題 に 関 する 疑 問 を 解 消 と 景 気 回 復 の 足 を 引 っ 張 っているとも 言 える Q1. 日 本 の 国 債 を 一 番 多 く 購 入 しているのは 誰? 一 方 海 外 資 本 への 依 存 の 低 さから 財 政 規 律 (*1) 国 債 等 の213 年 12 月 末 残 高 985 兆 円 の 保 有 者 に 対 する 市 場 圧 力 が 弱 く 財 政 再 建 が 先 送 りされ 内 訳 資 料 : 日 銀 資 金 循 環 統 計 をみると やすくなっている また もし 財 政 が 悪 化 して 借 最 大 購 入 者 は 保 険 ( 生 損 保 会 社 )で193 兆 円 ( 構 金 の 返 済 が 不 可 能 になる 財 政 破 綻 に 陥 っても 成 比 19.6%) 次 いで 中 央 銀 行 ( 日 銀 )183 兆 円 大 半 の 損 失 は 海 外 に 転 嫁 されず 国 民 負 担 として (18.6%) 中 小 企 業 金 融 機 関 等 162 兆 円 (16.5%) 受 け 入 れることが 必 要 となる 国 内 銀 行 135 兆 円 (13.7%)が 続 く Q2. 財 政 赤 字 の 拡 大 が 引 き 起 こす 問 題 は? 日 銀 を 除 く 金 融 仲 介 機 関 ( 保 険 年 金 基 金 を 含 財 政 赤 字 の 累 増 に 伴 い 利 払 費 と 債 務 償 還 費 が 増 む)で6.6%を 保 有 し 家 計 は21 兆 円 (2.2% 大 し 他 の 政 策 的 な 経 費 として 使 える 金 額 が 減 少 (*2) )に 留 まる 日 銀 は 金 融 緩 和 で213 年 から 国 している 214 年 度 は 一 般 会 計 歳 出 のうち 約 4 分 債 の 買 い 入 れを 増 やしており 214 年 までは 保 有 の1(24.3%)が 国 債 費 に 充 当 され 本 来 充 実 す 率 の 上 昇 が 予 想 される べき 予 算 に 資 金 が 回 りにくい 状 況 にあり 財 政 の *1: 国 債 等 は 国 庫 短 期 証 券 国 債 財 融 債 の 硬 直 化 ( 政 策 自 由 度 の 低 下 )が 見 られる 合 計 一 般 政 府 ( 中 央 政 府 )のほか 公 的 金 融 機 関 国 民 が 将 来 の 増 税 を 予 想 し その 負 担 増 に 備 え ( 財 政 融 資 資 金 )の 発 行 分 を 含 む *2: 個 人 向 け 国 債 として 個 人 が 直 接 国 債 を 購 入 し て 消 費 を 抑 制 する 懸 念 がある また 受 益 と 負 担 ている 比 率 の 関 係 でバランスを 欠 き 将 来 世 代 に 負 担 を 先 送 海 外 ( 外 国 人 )は82 兆 円 (8.3%)に 留 まり りしているとも 言 える 世 代 間 の 不 公 平 拡 大 国 債 等 の9% 以 上 を 国 内 で 消 化 している この 事 今 後 多 額 の 国 債 が 発 行 され 国 内 の 資 金 需 要 が 実 が 債 務 の 多 さに 関 わらず 比 較 的 安 全 な 国 とし 逼 迫 して 金 利 が 上 昇 した 場 合 民 間 企 業 の 資 金 調 て 評 価 されている 最 大 のポイントでもある 達 を 阻 害 し 結 果 的 に 民 間 投 資 が 抑 制 されて 企 業 金 融 機 関 による 国 債 等 の 購 入 資 金 は 国 民 から 預 かった 預 金 や 一 般 会 計 歳 出 に 占 める 主 要 経 費 ( 構 成 比 )の 推 移 保 険 料 が 原 資 と 1% 1.5 3.5 12.7 なっている 私 18.8 2.7 21.6 24. 24.3 8% 16. 国 債 費 たち 国 民 は 国 11.1 14.1 23. 17.7 16.8 地 方 交 付 税 等 に 貸 した 覚 えが 6% 18.8 社 会 保 障 関 係 費 なくても 間 接 16.6 19.7 4% 51.2 31.8 的 に 国 債 等 にお 43.2 その 他 36.6 公 共 事 業 関 係 費 金 が 回 っている 29.7 25.2 2% 2.8 のが 実 態 だ 17.4 17.6 15.9 1. 13.3 % 6.2 本 来 的 に 企 業 196 197 198 199 2 214 ( 年 度 ) や 個 人 の 投 資 資 料 : 財 務 省 日 本 の 財 政 関 係 資 料 (214 年 2 月 ) *2 年 度 までは 決 算 214 年 度 は 予 算 による - 12 -

の 生 産 活 動 が 停 滞 低 下 する 懸 念 がある Q3. 更 に 財 政 が 悪 化 した 場 合 はどのようになるか? 日 本 は 財 政 危 機 には 至 っておらず 更 に 財 政 破 綻 に 至 るまでは 若 干 の 時 間 的 な 余 裕 がある 財 政 赤 字 の 累 増 は 財 政 の 持 続 可 能 性 ( 債 務 の 長 期 的 な 償 還 可 能 性 )に 対 する 国 内 外 の 信 認 を 低 下 させ 市 場 がデフォルト( 債 務 不 履 行 )やイン フレによる 国 債 の 実 質 的 な 価 値 低 下 等 の 懸 念 を 抱 く 可 能 性 がある その 結 果 国 債 の 需 要 が 低 下 し 金 利 の 急 上 昇 ( 国 債 価 格 の 暴 落 )を 招 いて 経 済 成 長 を 阻 害 したり 政 府 の 資 金 繰 りが 困 難 になって 行 政 サービス 削 減 につながったりする 懸 念 がある また 金 利 上 昇 利 払 費 増 加 財 政 赤 字 の 拡 大 という 悪 循 環 に 陥 り 財 政 の 持 続 可 能 性 に 対 する 不 安 を 増 幅 し 財 政 危 機 に 陥 る 懸 念 もある 約 束 どおりの 借 金 返 済 ができない 財 政 破 綻 に 陥 ると 支 払 期 限 の 延 期 利 息 減 免 元 本 削 減 など を 債 権 者 に 依 頼 することが 必 要 となる 国 の 信 用 度 は 落 ち 国 民 も 大 変 な 痛 みを 味 わうことになる ため 財 政 危 機 財 政 破 綻 はなんとしても 回 避 し なければならない Q4. 国 民 に 更 なる 負 担 を 求 めることは 可 能 か? 日 本 の214 年 度 見 通 しの 国 民 負 担 率 ( 租 税 負 担 (*) 率 + 社 会 保 障 負 担 率 : 国 民 所 得 比 )は 41.6% (24.1%+17.5%) 主 要 先 進 国 (211 年 実 績 ) と 比 べると アメリカ3.8%(23.3%+7.5%) よりは 高 いが フランス61.9%やドイツ51.2% 等 より 低 く 増 税 等 による 財 政 再 建 の 余 地 があると 解 釈 されている * 国 民 全 体 の 所 得 の 総 額 国 民 総 生 産 に 補 助 金 を 加 え そこから 間 接 税 固 定 資 産 の 消 耗 分 を 控 除 したもの * 国 民 負 担 率 は 均 衡 財 政 を 前 提 にした 指 標 であり 政 府 が 国 債 発 行 の 増 大 で 財 源 を 調 達 すれば その 時 点 での 負 担 とはみなされず 見 かけ 上 の 国 民 負 担 率 が 低 く 抑 えられる 国 民 負 担 率 に 財 政 赤 字 対 国 民 所 得 比 を 加 算 した 潜 在 的 国 民 負 担 率 をみると 日 本 (214 年 度 )は51.9%となっている 主 要 先 進 国 (211 年 実 績 )と 比 べると アメリカ42.1%よりは 高 い が フランス68.9% イギリス57.6% 等 より 低 く ドイツ52.2%とほぼ 肩 を 並 べる 水 準 にある なお OECD 加 盟 国 33か 国 の 中 で211 年 の 国 民 負 担 率 ( 一 部 29 年 21 年 )の 実 績 値 をみると 日 本 は27 位 (39.8%)に 位 置 している 主 要 先 進 国 との 国 民 負 担 率 の 国 際 比 較 国 民 負 担 率 潜 在 的 国 民 負 担 率 日 本 /214 年 度 見 通 し 41.6% 51.9% 租 税 負 担 率 24.1% 同 左 社 会 保 障 負 担 率 17.5% 同 左 財 政 赤 字 対 国 民 所 得 比 1.3% アメリカ/211 年 実 績 3.8% 42.1% イギリス/ 47.7% 57.6% ドイツ/ 51.2% 52.2% スウェーデン/ 58.2% 58.2% フランス/ 61.9% 68.9% * 国 民 負 担 率 は 租 税 負 担 率 + 社 会 保 障 負 担 率 の 国 民 所 得 比 潜 在 的 国 民 負 担 率 は 国 民 負 担 率 に 財 政 赤 字 対 国 民 所 得 比 を 加 算 * 財 政 赤 字 の 国 民 所 得 比 は 日 本 及 びアメリカについ ては 一 般 政 府 から 社 会 保 障 基 金 を 除 いたベース そ の 他 の 国 は 一 般 政 府 ベース Q5. 国 債 の 価 格 と 金 利 の 関 係 は? 日 本 では 償 還 期 間 1 年 の 国 債 の 金 利 が 最 も 重 視 されている 国 債 の 額 面 と 償 還 期 間 は 政 府 が 自 由 に 決 めることができるが 金 利 は 自 由 に 決 定 できない 金 融 機 関 からの 入 札 ( 最 も 安 い 金 利 を 提 示 した 人 から 借 りる)を 募 集 し 国 債 の 人 気 が 高 い 時 には 金 利 は 低 くなり 逆 に 国 債 の 人 気 が 低 くなると 金 利 は 高 くなる 国 債 の 価 格 は 金 利 と 連 動 しており 金 利 が 下 がれば 国 債 の 価 格 が 上 がり 金 利 が 上 がれば 国 債 の 価 格 は 下 がる という 関 係 になっている 長 期 金 利 と 国 債 価 格 は 逆 に 動 く - 13 -

国 債 の 人 気 が 低 下 し 入 札 金 融 機 関 が 減 って 金 利 が 上 がると 債 券 市 場 には 金 利 の 低 い 国 債 と 高 い 国 債 が 流 通 することになる 低 金 利 の 国 債 は 販 売 価 格 を 下 げないと 買 ってもらえなくなるため わずに 所 有 しておくことがデフレ 下 での 合 理 的 な 行 動 となる 国 債 は 元 本 が 確 実 に 戻 ってくるう えに 利 息 もつくため 投 資 家 にとって 魅 力 的 な 投 資 対 象 であったと 言 える 長 期 金 利 の 上 昇 が 国 債 価 格 の 下 落 を 招 く ことになる Q6. 日 本 の 国 債 金 利 が 低 位 安 定 している 背 景 は? 国 債 金 利 1 年 物 について 単 純 比 較 は 困 難 だが G7 等 の 主 要 国 が2%~3% 台 で 推 移 しているなか 日 本 は.6% 前 後 と 極 めて 低 い 水 準 にある 国 債 金 利 の 低 位 安 定 は 日 本 の 財 政 が 信 認 され ているからだという 見 方 もあるが 適 正 な 市 場 機 能 が 働 いているかどうかやや 疑 問 が 残 る 日 本 の 国 債 金 利 が 低 位 安 定 している 背 景 として は 以 下 のようなことが 考 えられる 1 日 本 経 済 の 低 成 長 とデフレ 傾 向 が 続 き 金 利 が 低 位 に 安 定 しやすい 2 日 本 全 体 ( 民 間 を 含 む)でみると 経 常 収 支 が 黒 字 で 推 移 してきた 3 家 計 の 金 融 資 産 の 大 半 が 預 金 に 預 け 入 れられ それが 国 債 の 消 化 に 回 っている 4 多 額 の 対 外 純 資 産 を 保 有 している 5 外 国 人 の 国 債 等 の 保 有 は8.3%に 過 ぎず 海 外 への 資 本 逃 避 による 金 利 上 昇 のリスクが 小 さい 6 日 本 の 国 民 負 担 率 はアメリカに 次 いで 低 く 増 税 による 財 政 再 建 の 余 地 がある Q7. 低 金 利 の 国 債 がなぜ 売 れるのか? 需 要 と 供 給 の 関 係 でみると 多 くの 投 資 家 が 国 債 を 買 いたがっている( 他 に 魅 力 的 な 投 資 対 象 が ない)から 国 債 の 人 気 が 高 くなり 金 利 が 低 下 していると 言 える デフレは 継 続 的 に 物 価 が 下 がる( 物 の 価 値 が 下 がる) 経 済 現 象 であるが 別 の 見 方 をするとお 金 の 価 値 が 上 がることを 意 味 しており お 金 は 使 日 本 は 世 界 一 のお 金 持 ち だから 大 丈 夫? 莫 大 な 借 金 があっても 日 本 は 世 界 一 のお 金 持 ち だから 大 丈 夫 ( 心 配 ない) というよう な 意 見 もあるが このような 場 合 に 引 用 される 主 なデータ( 根 拠 )は 以 下 のとおり なお 前 述 の Q6. 国 債 金 利 の 低 位 安 定 の 背 景 -3 4 の 解 説 も 兼 ねている 家 計 の 金 融 資 産 :1,645 兆 円 213 年 12 月 末 現 在 日 本 の 家 計 の 金 融 資 産 は 1,645 兆 円 (*) を 超 えており そのうち 現 金 預 金 は873 兆 円 ( 全 体 の53.1%)を 超 えている 家 計 が 抱 えるホームローン 等 の 借 金 を 資 産 から 差 し 引 いても 家 計 は1,24 兆 円 の 資 産 ( 家 計 金 融 純 資 産 )を 持 っている * 国 民 一 人 あたり ではなく あくまでも 国 全 体 の 絶 対 額 の 比 較 である アメリカの 家 計 の 金 融 資 産 は66.9 兆 ドル( 現 金 預 金 12.5%) ユーロエ リアは2.2 兆 ユーロ( 同 35.4%) なお 国 債 を 買 い 支 えてきた 原 資 は 主 に 家 計 の 金 融 資 産 であるが 近 い 将 来 に 公 債 残 高 が 家 計 の 金 融 資 産 を 上 回 ってしまう 可 能 性 は 否 定 できず その 場 合 には 国 債 の 国 内 消 化 が 困 難 になり 海 外 投 資 家 への 依 存 度 が 高 まる 懸 念 がある 対 外 純 資 産 :325 兆 円 213 年 末 の 本 邦 対 外 資 産 負 債 残 高 をみると 日 本 の 企 業 や 政 府 個 人 投 資 家 が 海 外 に 持 つ 資 産 対 外 資 産 は797 兆 円 ( 前 年 比 2.4% 増 :5 年 連 続 の 増 加 ) 海 外 から 日 本 への 投 資 等 が 含 まれる 対 外 負 債 は472 兆 円 ( 同 29.1% 増 :4 年 連 続 の 増 加 )となっている 両 者 の 差 額 対 外 純 資 産 ( 資 産 - 負 債 ) は 前 年 末 比 9.7% 増 の325 兆 円 で 過 去 最 大 2 位 中 国 27 兆 円 の 約 1.6 倍 日 本 は1991 年 以 降 23 年 連 続 で 世 界 一 の 債 権 国 の 座 を 維 持 している - 14 -

両 者 の 差 額 は 1.6 兆 円 ( 同 給 付 費 の21.2%)で 5 日 本 の 財 政 運 営 に 関 する 懸 念 材 料 あった 211 年 度 には 社 会 保 障 給 付 費 が17.5 兆 1. 増 大 が 続 く 社 会 保 障 関 係 費 (1) 社 会 保 障 制 度 の 担 い 手 現 役 世 代 の 大 幅 減 少 日 本 の 社 会 保 障 制 度 は196 年 ~197 年 代 前 半 に かけて 整 備 されたが この 時 代 は 高 い 経 済 成 長 が 円 ( 対 GDP 比 22.7%) 社 会 保 険 料 収 入 が6.1 兆 円 となり 両 者 の 差 額 は 47.4 兆 円 ( 同 給 付 費 の 44.1%)まで 拡 大 した 213 年 度 の 社 会 保 障 給 付 費 は 予 算 ベースで 約 続 き 税 収 や 社 会 保 険 料 収 入 が 増 加 基 調 であった 11 兆 円 が 見 込 まれており 同 給 付 を 保 険 料 と 公 1965 年 名 目 経 済 成 長 率 11.1% の 人 口 構 成 を みると 社 会 保 障 制 度 の 担 い 手 である 現 役 世 代 (2 歳 以 上 64 歳 以 下 人 口 )は リタイア 世 代 (65 歳 以 上 人 口 )の9.1 倍 であった それがバブル 崩 壊 前 の199 年 同 8.6% には5.1 倍 に 214 年 内 閣 府 経 済 見 通 し: 同 3.3% には2.2 倍 まで 低 下 し 225 年 は1.8 倍 現 役 世 代 への 負 荷 は1965 年 の 約 5 倍 25 年 は1.2 倍 まで 低 下 すると 予 測 されている 将 来 の 現 役 世 代 の 大 幅 減 少 等 も 踏 ま えれば 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 を 構 築 すること が 重 要 課 題 となっている (2) 社 会 保 障 給 付 費 と 社 会 保 険 料 収 入 の 差 額 拡 大 費 ( 国 地 方 ) 等 の 組 合 せにより 賄 っている 給 付 費 の 内 訳 は 年 金 が53.5 兆 円 医 療 が36. 兆 円 介 護 福 祉 その 他 が21.1 兆 円 (うち 介 護 9. 兆 円 )となっている 財 源 は 保 険 料 が62.2 兆 円 国 庫 負 担 (*2) 29.7 兆 円 地 方 税 等 負 担 11.2 兆 円 となっている なお 一 般 会 計 の 社 会 保 障 関 係 費 は 毎 年 度 1 兆 円 規 模 で 増 大 していく 見 込 み *1: 社 会 保 障 制 度 を 通 じて 国 民 に 給 付 される 金 銭 サービスの 合 計 額 *2: 国 庫 負 担 部 分 29.7 兆 は 一 般 会 計 歳 出 のうち 社 会 保 障 と 恩 給 の 合 算 (29.7 兆 )に 対 応 (3) 経 済 の 伸 びを 上 回 って 増 大 する 医 療 費 高 齢 化 や 医 療 の 高 度 化 等 により 医 療 費 が 経 済 高 齢 化 の 進 展 等 に 伴 い 社 会 保 ( 万 人 ) 日 本 の 世 代 別 人 口 の 推 移 (*1) 障 給 付 費 が 大 14, 総 人 口 総 人 口 きく 伸 びる 中 12,361 12,695 総 人 口 12,66 12, 総 人 口 社 会 保 険 料 収 入 1,489 総 人 口 3,38 9,828 1, 3,657 9,78 65 歳 以 上 は 横 ばいで 推 移 618 しており 両 者 8, 3,768 7,622 2 歳 以 上 の 差 額 は 拡 大 傾 6, 5,68 7,183 64 歳 以 下 6,559 向 にある 4, 4,643 19 歳 以 下 199 年 度 の 社 2, 3,62 会 保 障 給 付 費 は 3,249 2,24 1,849 1,297 5.1 兆 円 ( 対 1965 199 214 225 25 ( 年 ) GDP 比 1.5%) 9.1 倍 5.1 倍 2.2 倍 1.8 倍 1.2 倍 社 会 保 険 料 収 入 は39.5 兆 円 で 内 の 倍 率 は 2 歳 以 上 64 歳 以 下 人 口 65 歳 以 上 人 口 資 料 :1965 年 199 年 は 総 務 省 国 勢 調 査 214 年 以 降 は 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 日 本 の 将 来 推 計 人 口 ( 平 成 24 年 1 月 推 計 ) - 15 -

の 伸 びを 上 回 って 増 大 している 公 的 医 療 保 険 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 めるには 医 療 コスト 全 体 の 効 率 化 を 図 り 給 付 ( 診 療 報 酬 ) 負 担 ( 保 険 料 等 )の 両 面 において より 適 正 公 平 な 配 分 分 担 を 実 現 していく 必 要 がある 特 に 過 剰 医 療 の 抑 制 に 向 けた 議 論 仕 組 み 作 りも 不 可 欠 である 国 民 医 療 費 (21 年 度 :37.4 兆 円 )の 内 訳 年 齢 階 級 別 では 65 歳 以 上 ( 人 口 の2 割 )で 約 6 割 75 歳 以 上 ( 同 1 割 )で 約 3 割 を 占 める 財 源 別 では 税 保 険 料 等 の 国 民 負 担 が87% 患 者 負 担 等 が13%となっており この 患 者 負 担 の 少 なさが 医 療 費 増 大 への 抵 抗 を 少 なくしていると 考 えられる 医 療 における 諸 外 国 との 格 差 入 院 日 数 は 諸 外 国 の 約 3~5 倍 長 い 外 来 患 者 の 受 診 回 数 も 諸 外 国 の 約 2~5 倍 多 く OECD 加 盟 国 で 最 多 後 発 医 薬 品 の 使 用 は 約 4%と 非 常 に 少 ない アメリカ 約 9% ドイツ 約 8% 強 2. 家 計 貯 蓄 率 の 低 下 日 本 の 家 計 貯 蓄 率 ( 世 帯 収 入 のうち 消 費 に 回 さ ない 部 分 )の 推 移 (*) をみると 197 年 代 は2% 以 上 199 年 代 後 半 は1% 前 後 であったが 211 年 は2.3%まで 低 下 アメリカ イギリス5% 前 後 家 計 貯 蓄 率 の 低 下 は 国 債 の 安 定 消 化 にマイナス の 影 響 を 与 えると 懸 念 される * 注 意 :21 年 から 基 準 が 変 更 されたため 2 年 ま でとは 厳 密 な 意 味 では 連 続 していない 家 計 貯 蓄 率 の 低 下 の 理 由 には 以 下 のようなこ とが 想 定 される これらが 解 消 されない 限 り 家 計 貯 蓄 率 の 回 復 は 期 待 できないと 思 われる 1 貯 蓄 に 励 む 勤 労 世 代 の 人 口 が 減 り 貯 蓄 を 取 り 崩 す 高 齢 者 の 無 職 世 帯 が 増 加 2 長 引 く 不 景 気 により 給 料 が 伸 び 悩 むなか 社 会 保 障 や 税 金 の 負 担 が 増 え 手 取 り 収 入 が 減 少 3 派 遣 社 員 など 非 正 規 雇 用 者 やパート アルバイ トが 増 え 1 人 当 たりの 所 得 が 減 少 3.デフレ 経 済 からの 脱 却 による 金 利 上 昇 等 デフレ 経 済 からの 脱 却 に 成 功 すれば 1% 以 下 という 国 債 金 利 を 維 持 することは 困 難 になる (1) 金 利 上 昇 による 一 般 会 計 の 国 債 費 の 増 加 財 政 への 影 響 について 財 務 省 の 214 年 度 予 算 の 後 年 度 歳 出 歳 入 への 影 響 試 算 (214 年 1 月 ) ホ イント では 金 利 が1%pt上 昇 した 場 合 の 一 般 会 計 の 国 債 費 の 増 加 額 は 1 年 目 で1 兆 円 (2%pt 上 昇 時 :2 兆 円 ) 2 年 目 で2.5 兆 円 ( 同 5. 兆 円 ) 3 年 目 で 4.1 兆 円 ( 同 8.1 兆 円 )に 拡 大 するとしている (2) 金 利 上 昇 による 金 融 機 関 等 への 影 響 日 銀 が214 年 4 月 に 公 表 した 金 融 システムレ ポート によると 全 年 限 の 金 利 が1%pt 上 昇 し た 場 合 213 年 12 月 末 時 点 において 金 融 機 関 ( 銀 行 + 信 用 金 庫 )が 保 有 する 国 債 を 含 めた 債 券 の 価 値 が7.5 兆 円 2%ptで13.2 兆 円 3%ptで19. 兆 円 それぞれ 目 減 りするとしている (3) 金 利 上 昇 による 家 計 等 への 影 響 長 期 金 利 が 上 昇 した 場 合 変 動 金 利 型 の 住 宅 ロ ーンを 借 りている 家 計 の 負 担 が 高 まる また デ フレ 脱 却 の 過 程 で 円 安 が 加 速 すれば 大 幅 な 物 価 上 昇 として 家 計 や 企 業 にしわ 寄 せが 来 る 4. 強 まる 歳 出 増 加 圧 力 少 子 高 齢 化 の 進 展 に 伴 う 社 会 保 障 関 係 費 の 増 加 や 金 利 上 昇 による 一 般 会 計 の 国 債 費 の 増 加 のほ か 次 のような 事 項 でも 歳 出 増 加 圧 力 が 高 まると 予 想 される 何 らかの 歳 出 抑 制 策 を 講 じていかな ければ 財 政 健 全 化 の 実 現 は 困 難 になる 1 環 太 平 洋 パートナーシップ(TPP) 協 定 に 関 連 した 農 林 水 産 関 係 予 算 の 増 加 2 国 土 強 靱 化 法 等 に 基 づく 防 災 減 災 インフラ 老 朽 化 対 策 に 要 する 公 共 事 業 関 係 予 算 の 増 加 - 16 -

3 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 事 故 処 理 に 対 する 国 費 の 追 加 投 入 4 周 辺 国 の 軍 備 増 強 アジア 情 勢 の 変 化 等 に 対 応 するための 防 衛 関 係 費 等 の 増 加 など 私 たち 国 民 は 納 税 者 の 視 点 から 予 算 及 びその 執 行 に 対 して 強 い 関 心 を 持 ち 歳 出 の 無 駄 非 効 率 を 厳 しく 監 視 していかなければならない 5. 経 常 収 支 の 悪 化 213 年 度 の 国 際 収 支 状 況 ( 速 報 )によると 輸 げん そ ゆ 出 が 伸 び 悩 むなか 原 粗 油 やLNG( 液 化 天 然 ガ ス) 等 の 輸 入 の 増 加 に 伴 い 貿 易 収 支 が211 年 度 から 赤 字 に 転 換 し 213 年 度 は1.9 兆 円 の 赤 字 (1979 年 度 以 降 最 大 )であった 直 近 のピークで ある27 年 度 の13.7 兆 円 の 貿 易 黒 字 額 と 比 較 する と 隔 世 の 感 がある また 為 替 レート( 税 関 長 公 示 レート 平 均 値 ) をみると 212 年 度 は82.58 円 /ドルであったが 213 年 度 は99.97 円 /ドルと 対 前 年 度 比 21.1%の 円 安 となったことも 貿 易 赤 字 の 拡 大 につながった *213 年 度 の 輸 出 額 は 前 年 度 比 12.2% 増 の69.8 兆 円 輸 入 額 は 同 19.6% 増 の8.7 兆 円 * 原 粗 油 の 輸 入 :21 年 度 9.8 兆 円 213 年 度 14.8 兆 円 ( 約 1.5 倍 ) *LNGの 輸 入 :21 年 度 3.5 兆 円 213 年 度 7.3 兆 円 ( 約 2.3 倍 ) 貿 易 収 支 の 赤 字 拡 大 の 結 果 モノ サービス 配 当 利 子 等 の 海 外 との 総 合 的 な 取 引 状 況 を 反 映 する 経 常 収 支 は1 兆 円 を 切 る 水 準 (213 年 度.8 兆 円 : 前 年 度 比 81.3% 減 )にまで 低 下 直 近 のピー クである27 年 度 (24.3 兆 円 )の 約 1/3の 水 準 にまで 落 ち 込 み 比 較 可 能 な1985 年 度 以 降 で 最 少 このことは それだけ 国 内 に 入 ってくるお 金 が 減 っていることを 意 味 している 貿 易 収 支 の 赤 字 の 慢 性 化 は 避 けられず 経 常 収 支 の 赤 字 化 ( 日 本 からの 富 の 流 出 )の 懸 念 が 強 まっている 6 持 続 可 能 な 財 政 運 営 を 目 指 して 1. 中 期 財 政 計 画 (213 年 8 月 8 日 閣 議 了 解 )の 概 要 中 期 財 政 計 画 では 213~222 年 度 の 平 均 で 実 質 GDP2% 程 度 名 目 GDP3% 程 度 の 成 長 を 目 指 す という 経 済 再 生 ケース (*) をメインシナリ オとして 政 府 は 国 地 方 のPBについて 次 の 財 政 健 全 化 に 向 けた 目 標 を 目 指 すとしている 1215 年 度 までに21 年 度 ( 6.6%)に 比 べ 赤 字 の 対 GDP 比 を 半 減 222 年 度 までに 黒 字 化 3その 後 の 債 務 残 高 対 GDP 比 の 安 定 的 な 引 下 げ 215 年 度 の 目 標 達 成 に 向 けた 基 本 的 な 取 組 み 方 針 1 国 の 一 般 会 計 のPB 赤 字 について 改 善 を 図 る 2 国 の 一 般 会 計 PBについて 214 15 年 度 の 各 年 度 4 兆 円 程 度 改 善 3214 15 年 度 の 新 規 国 債 発 行 額 は それぞれ 前 年 度 を 上 回 らないよう 最 大 限 努 力 4214 15 年 度 において 地 方 の 一 般 財 源 の 総 額 は 213 年 度 地 方 財 政 計 画 の 水 準 を 下 回 らない よう 実 質 的 に 同 水 準 を 確 保 * 経 済 に 関 するシナリオについては 経 済 再 生 ケー ス 以 外 に 参 考 ケース ( 内 外 経 済 がより 緩 やか な 成 長 経 路 となり 今 後 1 年 の 平 均 成 長 率 は 実 質 1% 程 度 名 目 2% 程 度 )も 明 示 されている 日 本 経 済 の 現 状 を 踏 まえれば 参 考 ケース がより 現 実 に 近 いシナリオと 言 える 主 要 国 における 財 政 健 全 化 目 標 との 比 較 主 要 先 進 国 は リーマンショック 後 の 不 況 への 対 応 により 悪 化 した 財 政 を 健 全 化 すべく 新 たな 目 標 を 定 め 中 期 的 に 財 政 の 持 続 可 能 性 を 確 保 する こととし 21 年 6 月 のトロント サミット 以 降 着 実 に 財 政 健 全 化 を 進 めている なお EUでは 過 剰 財 政 赤 字 手 続 (*) を 開 始 する 基 準 として 原 則 と して 一 般 政 府 の 財 政 赤 字 対 GDP 比 は3% 債 務 残 高 - 17 -

対 GDP 比 は6%を 超 えないことを 定 めている * 過 剰 財 政 赤 字 手 続 が 開 始 されると 勧 告 警 告 を 経 て 制 裁 措 置 ( 警 告 制 裁 措 置 はユーロ 圏 のみ)が 発 動 される 2. 財 政 健 全 化 目 標 の 達 成 状 況 214 年 度 予 算 のPBは 18. 兆 円 の 赤 字 となり 目 標 を 上 回 る5.2 兆 円 の 改 善 が 図 られた この 赤 字 解 消 はPBの 均 衡 を 意 味 するが 国 債 残 高 の 増 加 を 回 避 するためには 利 払 費 等 1.1 兆 円 を 加 え た28.1 兆 円 の 赤 字 解 消 が 必 要 財 政 収 支 の 均 衡 214 年 度 の 新 規 国 債 発 行 額 は 前 年 度 比 1.6 兆 円 の 減 額 となるが 国 債 発 行 総 額 は 国 債 の 借 換 え 等 もあり 前 年 度 当 初 計 画 比 6.1% 増 の181.5 兆 円 と 過 去 最 大 うち 借 換 債 は122.1 兆 円 となる 内 閣 府 の 試 算 (214 年 1 月 )によると 消 費 税 率 が1% (*1) に 引 き 上 げられ 今 後 1 年 間 の 平 均 成 長 率 を 実 質 2% 程 度 名 目 3% 程 度 と 想 定 した 経 済 再 生 ケース においても 215 年 度 までの PBの 赤 字 半 減 目 標 は 達 成 できるが 22 年 度 の 同 比 は 1.9% 程 度 の 赤 字 が 残 ると 見 込 まれ 黒 字 化 目 標 の 達 成 のためには 更 なる 収 支 改 善 が 必 要 ( 現 状 のままでは 達 成 困 難 )としている 過 去 の 平 均 経 済 成 長 率 (*2) を 見 ると 前 提 条 件 である 経 済 再 生 ケースの 実 現 も 容 易 ではない ま た 経 済 状 況 が 悪 化 した 場 合 は 税 収 の 落 ち 込 み や 経 済 対 策 の 実 施 等 により 更 に 財 政 状 況 が 悪 化 する 可 能 性 も 否 定 できない 実 際 212 年 度 補 正 予 算 で1 兆 円 規 模 213 年 度 補 正 予 算 でも5.5 兆 円 規 模 の 景 気 対 策 が 講 じられた *1: 消 費 税 率 については 現 行 法 を 踏 まえ 215 年 1 月 1 日 より1%へ 引 上 げが 予 定 されている *2:198 年 度 からバブル 崩 壊 (1991 年 度 )までの 平 均 経 済 成 長 率 は 実 質 :4.3% 名 目 :6.3% 1992 年 度 から211 年 度 までの 同 成 長 率 は 実 質 :.8% 名 目 :.1% なお バブル 景 気 の 時 期 の 景 気 循 環 の 山 は 1991 年 2 月 とされている 3.26 年 度 の 国 の 借 金 は8 千 兆 円 超 ( 長 期 試 算 ) 214 年 4 月 財 政 制 度 等 審 議 会 は 経 済 再 生 ケ ース の 経 済 シナリオを 達 成 し 22 年 度 にPB が 黒 字 化 したとしても その 後 に 財 政 健 全 化 に 向 けた 対 策 を 講 じなければ26 年 度 の 国 の 借 金 は 8,15 兆 円 に 膨 らむとの 長 期 試 算 を 公 表 し 財 政 破 綻 の 危 機 が 近 づくことに 警 鐘 を 鳴 らした また 社 会 保 障 費 の 抜 本 改 革 が 行 われなかった 場 合 26 年 度 の 社 会 保 障 給 付 費 は 約 53 兆 円 213 年 度 111 兆 円 に 達 すると 見 込 んでいる 4. 日 本 を 財 政 破 綻 させないために 今 すぐにでも 国 債 が 暴 落 するという 差 し 迫 った 状 況 ではないが 今 のまま 借 金 が 増 え 続 けると いずれ 財 政 は 破 綻 を 来 すと 懸 念 される 日 本 の 財 政 破 綻 を 防 ぎ 財 政 の 健 全 化 を 図 るため に 短 期 的 にはPBの 黒 字 化 によって 一 般 政 府 の 債 務 残 高 対 GDP 比 (214 年 231.9%)を 安 定 させ 中 長 期 的 には 先 進 諸 国 平 均 並 みの 水 準 に 低 下 させ ることが 必 要 となる 同 数 値 の 低 下 は 国 の 借 金 返 済 能 力 の 改 善 を 意 味 しており 財 政 破 綻 のリス クや 投 資 家 の 懸 念 の 軽 減 緩 和 につながる (1) 債 務 残 高 対 GDP 比 引 き 下 げの 必 要 条 件 1PBを 黒 字 化 する 収 入 が 支 出 を 下 回 っている 間 は 債 務 残 高 の GDP 比 が 下 がらない (*) 2 名 目 経 済 成 長 率 が 長 期 金 利 を 上 回 る 状 態 にす る そのためにはデフレからの 脱 却 が 不 可 欠 現 状 は 名 目 経 済 成 長 率 が 長 期 金 利 を 下 回 る 傾 向 が 強 いため PBの 一 定 の 黒 字 幅 を 継 続 的 に 確 保 する 必 要 がある *PBとの 関 係 で 実 際 に 問 題 となる 金 利 は 既 発 債 表 面 利 率 を 全 残 高 について 加 重 平 均 したもの 212 年 度 末 1.19% であることに 注 意 - 18 -

(2) 財 政 健 全 化 に 向 けた 仕 組 みづくり 政 府 は 財 政 健 全 化 目 標 の 達 成 に 向 けた 強 いコ ミットメント( 意 思 表 明 )を 行 うとともに 財 政 規 律 を 維 持 する 仕 組 みづくりを 行 うことが 必 要 だ 1 法 的 拘 束 力 をもった 中 期 財 政 計 画 を 策 定 する 日 本 の 中 期 財 政 計 画 は 単 なる 見 通 しに 過 ぎず 誰 も 責 任 を 問 われない 財 政 健 全 化 目 標 を 閣 議 決 定 などに 止 めず 歳 出 削 減 措 置 を 盛 り 込 んだ 拘 束 力 のある 立 法 化 を 検 討 する 2 赤 字 国 債 の 無 制 限 発 行 に 歯 止 めをかける 法 改 正 により 新 規 発 行 分 から 赤 字 国 債 の 償 還 を 現 金 償 還 の 本 則 に 戻 すことを 検 討 する 3 適 切 な 情 報 開 示 により 赤 字 国 債 発 行 や 利 払 費 急 増 に 対 する 強 い 危 機 感 を 国 民 と 共 有 する 4 少 子 高 齢 化 人 口 減 少 の 中 長 期 の 動 向 を 踏 まえ 財 源 の 効 率 的 な 配 分 選 択 と 集 中 に 努 める 5 予 算 制 度 の 透 明 性 を 確 保 する 日 本 の 予 算 制 度 は 一 般 会 計 と 特 別 会 計 の 会 計 操 作 ( 入 り 繰 り 等 ) 補 正 予 算 の 多 用 決 算 の 軽 視 ( 民 間 企 業 にも 該 当 )など 極 めて 不 透 明 な 部 分 が 多 い この 不 透 明 さが 財 政 問 題 か ら 国 民 の 関 心 を 逸 らしていた 大 きな 原 因 でもあ ると 言 える 特 別 会 計 を 含 めた 全 体 の 予 算 規 模 は? 一 般 会 計 歳 出 総 額 (214 年 度 95.9 兆 円 )と 特 別 会 計 歳 出 総 額 ( 同 411.4 兆 円 )の 合 計 から 会 計 間 の 取 引 の 重 複 計 上 分 等 を 控 除 し 政 策 分 野 ごと に 整 理 した 主 要 経 費 別 純 計 (いわば 国 全 体 の 歳 出 の 全 体 像 を 示 すもの)は 合 計 が237.4 兆 円 前 年 度 比 14.4 兆 円 増 :6.5% 増 となっている 内 訳 は 国 債 費 が91.4 兆 円 ( 全 体 の38.5%) 社 会 保 障 関 係 費 が78.6 兆 円 ( 同 33.1%)と 二 つ で 全 体 の 約 3/4(71.6%)を 占 めており この 二 つの 増 大 を 食 い 止 める 方 策 が 不 可 欠 と 言 える 5. 財 政 破 綻 の 回 避 に 向 けて 具 体 的 行 動 を (1) 社 会 保 障 制 度 の 抜 本 改 革 等 による 歳 出 抑 制 現 役 世 代 でリタイア 世 代 を 支 える 現 行 制 度 は 既 に 限 界 に 来 ており リタイア 世 代 も 応 分 に 負 担 す るような 仕 組 みへの 変 更 が 求 められている 公 的 年 金 制 度 が 誕 生 した1961 年 当 時 の 平 均 寿 命 は 約 68 歳 であったが 現 在 の 日 本 人 の 平 均 寿 命 は 8 歳 を 超 えている 年 金 の 支 給 開 始 年 齢 は 6 歳 から65 歳 に 順 次 引 き 上 げられるが 基 礎 年 金 部 分 :218 年 報 酬 比 例 部 分 :23 年 欧 米 では 平 均 寿 命 が 日 本 より も 短 いにも 関 わらず 年 金 の 支 給 開 始 年 齢 を67 歳 や68 歳 に 引 き 上 げることが 決 定 済 みである (*) 世 界 一 の 長 寿 国 である 日 本 の 対 応 は 世 界 の 動 向 と 比 較 すると 相 当 悠 長 な 動 きに 見 えてしまう 支 給 開 始 年 齢 の7 歳 近 くへの 引 き 上 げも 検 討 して いかなければならない *アメリカは227 年 迄 に67 歳 ドイツは229 年 迄 に67 歳 イギリスは246 年 迄 に68 歳 に 年 金 の 支 給 開 始 年 齢 をそれぞれ 引 き 上 げることが 決 定 済 み (2) 無 駄 排 除 等 によるPB 対 象 経 費 の 着 実 な 抑 制 会 計 検 査 院 がまとめた 212 年 度 会 計 検 査 院 報 告 によると 無 駄 遣 いや 不 適 正 経 理 等 で 改 善 が 求 められる 事 業 の 総 件 数 は63 件 指 摘 金 額 は 計 4,97 億 円 に 上 った 過 去 3 番 目 に 多 い 規 模 で お 粗 末 な 状 態 が 続 いている 精 査 すれば 無 駄 遣 い 等 の 金 額 はもっと 膨 らむのではないか 襟 を 正 し 税 のずさんな 使 い 方 を 改 めてもらいたいものだ 緊 縮 財 政 は 景 気 にブレーキをかけることになる ため 過 度 な 実 施 は 経 済 にとって 逆 効 果 になる 可 能 性 もある しかし 歳 入 の 大 幅 な 増 加 が 見 込 め ない 以 上 無 駄 排 除 等 でPB 対 象 経 費 を 着 実 に 抑 制 し 慣 例 的 に 必 要 とされてきた 予 算 に 対 しても 大 胆 なメスを 入 れることが 必 要 だ また 国 民 も ある 程 度 の 痛 みは 受 け 入 れなければならない - 19 -

(3) 生 産 年 齢 人 口 の 増 加 日 本 の 人 口 は 25 年 には1 億 人 を 割 り 込 み 26 年 には8,674 万 人 になると 推 計 されている 生 産 年 齢 人 口 (15~64 歳 人 口 )の 減 少 への 対 応 と して 高 齢 者 や 女 性 の 就 労 機 会 の 増 大 に 向 けた 取 組 みが 行 われているが それだけでは 不 十 分 だ (*) 労 働 力 人 口 総 数 に 占 める 外 国 人 労 働 力 人 口 の 割 合 をみると 日 本 (211 年 )は1.1%と 低 いが アメリカ(29 年 )16.2% ドイツ(29 年 ) 9.4%など 全 体 の1 割 前 後 を 外 国 人 が 占 めている 国 もある 直 接 的 に 生 産 年 齢 人 口 を 増 やす 手 段 と して また 将 来 的 に 社 会 保 障 制 度 を 維 持 していく ためにも 海 外 からの 移 民 受 け 入 れの 増 大 も 含 め あらゆる 手 段 の 検 討 実 施 を 期 待 したい * 満 15 歳 以 上 の 人 口 のうち 就 業 者 と 完 全 失 業 者 ( 就 業 せずに 就 職 活 動 をしている 失 業 者 )の 合 計 (4)その 他 ( 今 後 取 り 組 むべき 具 体 的 行 動 ) 1 経 済 成 長 を 通 じて 税 収 の 対 GDP 比 の 増 大 を 図 る 2 税 制 の 抜 本 改 革 により 歳 入 強 化 を 図 る 3 企 業 活 動 の 積 極 化 を 促 す 施 策 等 によりGDPを 増 大 させ PB 対 象 経 費 の 対 GDP 比 を 逓 減 させる 6. 出 口 戦 略 での 注 意 点 日 本 の 金 融 緩 和 が 収 束 に 向 かうタイミングでは 市 場 が 過 敏 に 反 応 して 国 債 価 格 が 暴 落 ( 金 利 が 急 上 昇 )する 可 能 性 もあり それが 現 実 化 した 場 合 利 払 費 が 膨 張 する 危 険 性 がある 日 銀 の 経 済 物 価 情 勢 の 展 望 (214 年 4 月 ) によると 216 年 度 の 消 費 者 物 価 指 数 (CPI)の 上 昇 率 の 見 通 し( 中 央 値 : 消 費 税 率 引 き 上 げの 影 響 を 除 く)は 前 年 度 比 +2.1%となっている *CPI 上 昇 率 見 通 しは 214 年 度 +1.3% 215 年 度 + 1.9% 実 質 経 済 成 長 率 は 214 年 度 +1.1% 215 年 度 +1.5% 216 年 度 +1.3%が 見 込 まれている 金 融 緩 和 政 策 の 解 除 に 際 しては 出 口 戦 略 が 重 要 となる 物 価 安 定 目 標 の 達 成 後 の 出 口 局 面 にお いて 日 銀 は 巨 大 な 国 債 の 売 り 手 に 転 じることに なるが 長 期 金 利 の 急 上 昇 による 金 融 市 場 や 実 体 経 済 への 悪 影 響 を 回 避 するために 国 債 の 中 途 売 (*) 却 は 行 わず 償 還 時 に 徐 々に 日 銀 のバランスシ ートを 縮 小 していくことが 望 ましい * 現 在 日 銀 が 買 い 入 れている 国 債 の 平 均 残 存 期 間 は7 年 程 度 となっている 7. 国 民 も 財 政 に 強 い 関 心 を 持 つことが 必 要 家 計 や 企 業 は 収 入 の 範 囲 内 で 支 出 のやりくり を 行 っており それが 当 たり 前 の 行 動 と 言 える 国 も 全 て 同 じように 行 動 すべきとは 言 わないが 歳 入 歳 出 のアンバランス( 赤 字 )を 長 年 放 置 し てきた 国 の 責 任 は 重 いと 言 える 国 の 借 金 がここ まで 膨 張 してきた 原 因 の 明 確 化 と 反 省 を 行 い 真 摯 な 姿 勢 で 財 政 健 全 化 に 取 り 組 んでほしい 一 方 で 国 民 の 無 関 心 諦 めムードも 問 題 だ 国 政 選 挙 が 行 われる 度 に 高 齢 者 への 過 度 の 優 遇 施 策 が 実 施 延 長 されてきた また 法 律 で 高 齢 者 に 適 正 な 負 担 を 求 めていたこと( 医 療 費 の 窓 口 負 担 増 公 的 年 金 のマクロ 経 済 スライド 等 )でさえ 何 年 も 先 延 ばしにされてきた 高 齢 者 の 大 半 は 現 役 世 代 や 子 供 たちに 負 担 を 押 し 付 けて 自 分 だけが 既 得 権 益 を 享 受 したいと 思 っていないはずだ 今 後 は 次 世 代 を 担 う 若 者 の 教 育 や 子 育 て 支 援 の 充 実 等 を 期 待 したい 国 民 一 人 ひとりが 財 政 を 含 め 政 治 に 強 い 関 心 や 問 題 意 識 を 持 ち 国 や 地 方 自 治 体 等 の 行 動 を 厳 し くチェック 評 価 するとともに 必 要 に 応 じて 積 極 的 に 注 文 をつけていかなければならない 国 の 台 所 事 情 ( 財 政 問 題 )を 理 解 し 投 票 活 動 などを 通 じて 個 人 の 意 見 を 積 極 的 に 反 映 させていくこと が 重 要 だ ( 島 田 清 彦 ) - 2 -