今 月 のトピックス No.-( 年 月 日 ) 米 国 で 広 がる 所 得 格 差 と 力 強 さを 欠 く 個 人 消 費. 景 気 回 復 の 中 でも 米 国 の 個 人 消 費 は 力 強 さを 欠 く 米 国 の 個 人 消 費 は GDPの 割 を 占 め 経 済 成 長 を 牽 引 してきた しかし 9 年 第 四 半 期 に 始 ま る 現 在 の 景 気 拡 大 期 の 消 費 の 増 加 率 は 年 率 % 程 度 にとどまり 過 去 の 景 気 拡 大 期 ( 年 ~9 年 9 年 ~ 年 年 ~ 年 )と 比 較 すると 伸 びは 鈍 化 している( 図 表 -) サブプライムローン 問 題 に 端 を 発 した 世 界 金 融 経 済 危 機 ( 以 下 金 融 危 機 という) 後 の 米 国 経 済 は 大 きく 落 ち 込 み 家 計 も 住 宅 価 格 下 落 に 伴 うバランスシートの 調 整 を 経 験 したが 失 業 率 が 緩 やかに 低 下 を 続 ける 中 で 消 費 者 マインドは 改 善 した 年 以 降 は 世 界 的 な 株 価 下 落 もあってマインドは 横 ばいで 推 移 しているものの 水 準 としては 金 融 危 機 前 の 水 準 を 回 復 して 推 移 している( 図 表 -) 99 年 代 半 ば 以 降 は 株 価 上 昇 による 資 産 効 果 も 消 費 を 後 押 しし 米 国 の 貯 蓄 率 は 年 には% 近 くへ と 低 下 した しかし 金 融 危 機 後 に 過 剰 消 費 が 是 正 される 中 で 貯 蓄 率 は 上 昇 に 転 じ ブッシュ 減 税 終 了 の 影 響 による 振 れが 年 にみられたものの 現 在 の 貯 蓄 率 は% 前 後 に 切 り 上 がって 推 移 している ( 図 表 -) 本 稿 では 金 融 危 機 を 挟 んで 顕 在 化 した 消 費 の 減 速 に 注 目 し 消 費 を 取 り 巻 く 様 々な 構 造 的 要 因 のう ち 高 齢 化 や 所 得 格 差 に 焦 点 を 当 てて 分 析 を 行 う( 図 表 -) 図 表 - ( 年 率 %) 景 気 拡 大 局 面 における 個 人 消 費 と 可 処 分 所 得 の 増 加 率 実 質 個 人 消 費 実 質 可 処 分 所 得 9 図 表 - (9 年 =) 消 費 者 マインドと 失 業 率 失 業 率 ( 右 目 盛 逆 目 盛 ) ミシガン 大 学 信 頼 感 指 数 9 Q - 9 Q - Q - 9 Q Q Q ( 備 考 ) 米 商 務 省 National Accounts 図 表 - 貯 蓄 率 とS&P 指 数 貯 蓄 率 S&P 指 数 減 税 措 置 の 終 了 9 Q - Q (9~ 年 平 均 =) 9 9 ( 備 考 ). 米 商 務 省 National Accounts S&P. 網 掛 けは 景 気 後 退 局 面,,,, 9 9 ( 備 考 ). 米 商 務 省 National Accounts S&P ( 月 次 ). 網 掛 けは 景 気 後 退 局 面 図 表 - 消 費 の 伸 びを 抑 える 構 造 的 要 因 潜 在 成 長 率 の 低 下 など 所 得 の 増 加 ペースの 鈍 化 に 対 する 懸 念 将 来 の 所 得 増 加 が 見 込 みにくく 積 極 的 な 消 費 が 妨 げられている 可 能 性 がある 社 会 保 障 費 などの 負 担 増 加 に 対 する 不 安 による 貯 蓄 増 加 高 齢 化 が 進 むアメリカでは 社 会 保 障 費 の 増 加 が 見 込 まれており 今 後 の 国 民 負 担 の 増 加 により 生 活 防 衛 意 識 が 高 まる 世 代 別 の 消 費 感 覚 の 違 い ミレニアルズ 世 代 (9~ 年 頃 生 まれ)は 家 や 車 の 所 有 に 関 心 が 薄 いと 言 われるが そのイ ンパクトは 不 透 明 高 齢 化 の 進 行 本 稿 で 検 証 所 得 格 差 の 拡 大 ( 備 考 ) 日 本 政 策 投 資 銀 行 により 作 成
今 月 のトピックス No.-( 年 月 日 ). 金 融 危 機 後 の 家 計 資 産 負 債 の 変 化 による 資 産 効 果 と 個 人 消 費 金 融 危 機 前 の 家 計 は 住 宅 価 格 の 上 昇 期 待 を 背 景 に 借 入 に 依 存 した 住 宅 購 入 を 行 ったほか 価 格 が 上 昇 した 住 宅 を 担 保 に 借 入 (ホーム エクイティ ローン)を 行 い 消 費 を 増 加 させた しかし 金 融 危 機 後 は 消 費 の 原 資 となる 所 得 が 減 少 したばかりでなく 住 宅 価 格 や 株 価 の 下 落 により 資 産 効 果 は マイナスとなり 積 み 上 がった 負 債 の 返 済 に 追 われた 結 果 として 消 費 の 水 準 は 一 段 と 低 下 し 貯 蓄 率 は 上 昇 した( 図 表 - 図 表 -) その 後 は FRBが 度 にわたる 量 的 緩 和 政 策 (QE)を 実 施 したこともあり 株 価 や 住 宅 価 格 は 徐 々に 回 復 してきた 不 良 債 権 処 理 の 進 捗 もあって 家 計 負 債 は 縮 小 し 家 計 の 純 資 産 は 年 以 降 改 善 を 続 け ている( 図 表 - 図 表 -) 他 方 で 家 計 所 得 が 増 加 しバランスシートの 改 善 が 進 んだにも 関 わら ず 貯 蓄 率 は 高 止 まりし 消 費 支 出 の 伸 びは 弱 くなっている この 背 景 には 金 融 危 機 の 反 省 を 踏 まえて 年 にドッド フランク 法 が 成 立 し 住 宅 ローンの 借 入 基 準 が 厳 格 化 されるなど 金 融 規 制 の 強 化 によって 行 き 過 ぎたリスクテイクが 抑 制 されてきたことがあ る 加 えて 金 融 危 機 を 経 験 した 家 計 金 融 機 関 においては 新 たなリスクテイクに 対 する 慎 重 姿 勢 が 残 っているとも 考 えられる 結 果 的 に 株 価 や 住 宅 価 格 には 過 度 な 上 昇 は 生 じておらず 貯 蓄 率 の 低 下 を 伴 うような 力 強 い 消 費 はみられていない 図 表 - 家 計 資 産 対 可 処 分 所 得 比 図 表 - 家 計 負 債 対 可 処 分 所 得 比 ( 対 可 処 分 所 得 比 %) 住 宅 ( 対 可 処 分 所 得 比 %) 純 資 産 ( 住 宅 資 産 - 住 宅 ローン) ( 対 可 処 分 所 得 比 %) 純 資 産 ( 家 計 資 産 - 家 計 負 債 ) 株 式 出 資 金 保 険 年 金 債 券 ほか 投 資 信 託 現 預 金 耐 久 財 9 9 ( 備 考 ). 米 FRB Flow of Funds. 網 掛 けは 景 気 後 退 局 面 住 宅 ローン 消 費 者 ローン その 他 9 9 ( 備 考 ). 米 FRB Flow of Funds. 網 掛 けは 景 気 後 退 局 面 図 表 - ( 年 =) 住 宅 価 格 と 住 宅 ローン 延 滞 率 図 表 - 第 章 ドッド フランク 法 における 住 宅 関 連 の 規 制 強 化 抵 当 貸 付 改 革 反 略 奪 的 貸 付 法 S&Pケース シラー 住 宅 価 格 指 数 ( 都 市 ) 抵 当 貸 付 の 際 の 審 査 基 準 の 厳 格 化 消 費 者 の 返 済 能 力 に 応 じた 合 理 的 な 金 利 水 準 の 住 宅 ローン 以 外 を 認 めない 一 括 返 済 ( 高 金 利 貸 付 )の 禁 止 住 宅 ローン 延 滞 率 9 9 ( 備 考 ).S&P 米 抵 当 銀 行 協 会 Mortgage Bankers Association. 住 宅 価 格 指 数 はヵ 月 平 均 消 費 者 が 専 門 家 に 相 談 可 能 なようにカウ ンセリングを 設 置 受 ける
今 月 のトピックス No.- ( 年 月 日 ). 高 齢 化 による 消 費 の 下 押 し 金 融 危 機 後 の 景 気 の 落 ち 込 み 回 復 による 循 環 的 な 要 因 については 所 得 の 改 善 という 形 で 消 費 の 伸 びを 支 えると 期 待 できる 他 方 で 金 融 規 制 以 外 の 構 造 要 因 が 長 期 的 な 消 費 を 抑 制 する 可 能 性 があ る 米 国 の 人 口 は 自 然 増 のほか 移 民 などの 人 口 流 入 である 社 会 増 により 年 間 % 弱 のペースで 増 加 す る 見 込 みだが 同 時 に 高 齢 化 も 徐 々に 進 行 していく これは ベビーブーマー 世 代 (9 年 ~ 年 生 まれ)が 退 職 年 齢 を 迎 えるためであり 歳 以 上 の 割 合 は 今 後 数 年 の 間 に 現 在 の% 程 度 から % 超 に 上 昇 することが 見 込 まれている( 図 表 -) 家 計 の 消 費 性 向 は ~ 歳 の 層 では 低 く 若 い 年 齢 における 債 務 の 返 済 や 退 職 後 の 備 えに 充 てる 時 期 となっている( 図 表 -) 一 方 家 計 の 年 齢 階 級 別 の 支 出 をみると 子 育 て 世 代 では 扶 養 家 族 数 を 反 映 して ~ 歳 の 層 をピークに~ 歳 の 層 で 支 出 金 額 が 大 きくなっている( 図 表 -) ここで 高 齢 化 に 伴 う 世 帯 の 年 齢 別 構 成 の 変 化 による 消 費 への 影 響 をみるため 各 年 齢 階 級 別 の 世 帯 数 の 割 合 を 一 定 とした 場 合 と 実 績 及 び 米 政 府 の 見 通 しに 沿 って 高 齢 化 が 進 む 場 合 の 消 費 支 出 の 差 を 試 算 した 年 頃 までは 支 出 金 額 の 低 い 歳 以 上 の 世 帯 の 割 合 が 低 下 していることもあり 人 口 構 成 の 変 化 が 消 費 を 押 し 上 げてきた だが その 後 は 高 齢 化 に 伴 って 年 以 降 で 消 費 の 伸 びが 抑 えられ ており この 時 期 の 貯 蓄 率 上 昇 の 一 因 となったとみられる 他 方 年 以 降 も 下 押 しは 継 続 するもの の その 影 響 は 年 で.%pt 程 度 にとどまるとの 結 果 となった( 図 表 -) ( 億 人 ) 図 表 - 人 口 構 成 図 表 - 家 計 の 年 齢 別 消 費 性 向 予 測 歳 以 上 の 割 合 9 年 年 年 年 歳 未 満 ~ 歳 歳 以 上 9 ( 備 考 ) 米 商 務 省 図 表 - 家 計 の 年 齢 別 平 均 収 入 支 出 歳 未 満 税 引 後 収 入 ~ 歳 ~ 歳 ~ 歳 ~ 歳 支 出 ~ 歳 歳 以 上 ( 備 考 ). 米 労 働 省. 消 費 性 向 は 税 後 収 入 に 占 める 支 出 金 額 にて 算 出 9 ( 年 率 %). 予 測... -. -. 歳 未 満 ~ 歳 図 表 - ~ 歳 ~ 歳 ~ 歳 ~ 歳 人 口 構 成 の 変 化 による 消 費 下 押 し 要 因 歳 以 上 ( 備 考 ). 米 労 働 省. 消 費 性 向 は 税 後 収 入 に 占 める 支 出 金 額 にて 算 出 -. ( 備 考 ). 米 労 働 省. 年 からの 年 齢 別 階 級 の 世 帯 数 の 増 加 率 が 各 階 級 で 同 じとした 場 合 と 高 齢 化 が 進 行 する 場 合 のケースを 比 較 (DBJ 試 算 ). 人 口 構 成 による 影 響 は 前 後 含 む 年 平 均
今 月 のトピックス No.- ( 年 月 日 ). 中 位 層 の 収 入 が 伸 び 悩 む 中 格 差 の 拡 大 が 進 行 構 造 的 な 要 因 の 二 つ 目 として 米 国 の 格 差 の 問 題 について 考 える 大 統 領 選 が 本 格 化 する 中 で 米 国 における 格 差 拡 大 の 問 題 が 改 めて 注 目 を 集 めているが 所 得 分 配 の 不 平 等 さを 図 るジニ 係 数 は 長 期 的 にみて 一 貫 して 上 昇 しており 格 差 は 拡 大 している( 図 表 -) また 収 入 金 額 別 の 分 布 では 年 を 過 ぎたあたりから 万 ト ル 以 上 の 収 入 世 帯 に 広 がりがみられない 一 方 そのうち 万 ト ル 以 上 の 世 帯 数 の 割 合 は 上 昇 している すなわち 一 部 に 超 高 額 収 入 者 が 生 まれているが 中 間 層 以 下 の 収 入 金 額 が 増 加 していないことが 分 かる( 図 表 -) 階 層 別 の 状 況 をみると 上 位 %( 第 Ⅴ 五 分 位 )は 金 融 危 機 後 も 年 まで 収 入 金 額 が 増 加 してきた その 後 は ブッシュ 減 税 終 了 の 影 響 で 上 位 層 を 中 心 に 税 引 後 収 入 金 額 が 減 少 したが 依 然 として 階 層 別 での 収 入 金 額 の 開 きは 大 きく 上 位 層 が 米 国 経 済 に 与 える 影 響 は 極 めて 大 きい( 図 表 -) 収 入 階 層 別 の 消 費 行 動 をみるために 9 年 から 年 までの 実 質 収 入 階 層 別 の 消 費 性 向 をプロットした ( 図 表 -) 消 費 性 向 は 所 得 だけでなく 年 齢 世 帯 人 員 数 等 の 条 件 によって 変 化 するとみられるが 総 じて 見 れば 収 入 金 額 が 増 加 するほど 消 費 性 向 が 低 下 していること 低 所 得 層 では 社 会 保 障 給 付 や 貯 蓄 取 り 崩 し 等 によって 消 費 性 向 は 大 きく%を 上 回 ることがわかる( 図 表 -)... 格 差 拡 大 図 表 - ジニ 係 数 図 表 - 収 入 金 額 の 分 布 米 国 日 本. 9 ( 備 考 ).OECD Income Distribution and Poverty.ジニ 係 数 は 可 処 分 所 得 を 基 準 とする 全 世 帯 のうち 万 ト ル 以 上 税 引 前 の 平 均 収 入 万 ト ル 以 上 の 世 帯 のうち 万 ト ル 以 上 税 引 後 の 平 均 収 入 9 ( 備 考 ). 米 労 働 省. 収 入 金 額 は 税 引 前 の 名 目 値 9 第 Ⅰ 第 Ⅱ 第 Ⅲ 第 Ⅳ 第 Ⅴ 図 表 - 平 均 値 99 999 9 ( 備 考 ). 米 労 働 省. 収 入 金 額 は 税 引 後 の 名 目 値 階 層 別 の 収 入 金 額 図 表 - 収 入 別 の 消 費 性 向 y =.x -. R² =.9 ( 単 位 : 万 ト ル) ( 備 考 ). 米 労 働 省 Consumer Expenditure Survey. 消 費 性 向 は 税 引 後 収 入 に 占 める 支 出 金 額 にて 算 出.9 年 から 年 の 各 年 における 収 入 金 額 を9 年 基 準 で 実 質 化
今 月 のトピックス No.- ( 年 月 日 ). 資 産 格 差 の 拡 大 により 富 裕 層 の 影 響 力 が 高 まる 次 に 収 入 階 層 別 の 保 有 資 産 価 格 規 模 をみると 株 式 などの 金 融 資 産 や 住 宅 非 上 場 株 式 などの 非 金 融 資 産 のいずれも 収 入 金 額 の 大 きい 階 層 がより 多 く 保 有 している ( 図 表 -) このうち 流 動 性 が 高 いため 資 産 効 果 を 通 じて 消 費 への 影 響 が 大 きいと 考 えられる 株 式 に 絞 り 資 産 規 模 格 差 を 確 認 する 図 表 -では 収 入 階 層 別 の 株 式 保 有 割 合 は 高 額 収 入 者 ほど 高 い また 図 表 -によると 株 式 保 有 額 からみる 資 産 格 差 は 拡 大 しており 配 当 などを 含 む 財 産 所 得 の 格 差 も 広 がって いると 考 えられる 結 果 として 富 裕 層 の 消 費 が 株 式 市 場 の 変 動 の 影 響 を 受 けやすいことが 分 かる ( 図 表 - -) 近 年 の 株 価 変 動 が 消 費 者 に 与 えた 影 響 をマインド 指 標 からみると 年 ~ 年 末 には 株 価 が 上 昇 し ており 消 費 者 マインドは 所 得 水 準 によらず 全 体 的 に 上 昇 していた 年 には 雇 用 環 境 の 回 復 が 継 続 したことから 所 得 中 位 層 ではマインドの 改 善 がみられたが 9 月 にかけて 株 価 が 下 落 した 局 面 では 所 得 上 位 層 を 中 心 にマインドが 悪 化 した 年 の 個 人 消 費 は 支 出 金 額 の 大 宗 を 占 める 上 位 層 のマイ ンド 悪 化 が 下 押 し 圧 力 となった 可 能 性 がある 資 産 格 差 が 拡 大 したことで 消 費 は 従 来 以 上 に 富 裕 層 の 影 響 を 受 けやすいものとなっていると 言 える( 図 表 -) 図 表 - 家 計 の 収 入 階 層 別 資 産 の 価 格 中 央 値 図 表 - 収 入 階 層 別 株 式 保 有 割 合 金 融 資 産 非 金 融 資 産 99 下 位 ~ ~ ~ ~9 9~ 上 位 ( 階 層 %) ( 備 考 ) 米 FRB Survey of Consumer finances 下 位 ~ ~ ~ ~9 9~ 上 位 ( 階 層 %) ( 備 考 ) 米 FRB Survey of Consumer finances 図 表 - 家 計 の 収 入 階 層 別 株 式 保 有 額 の 中 央 値 99 ~ ~ ~ ~9 9~ 下 位 上 位 ( 階 層 %) ( 備 考 ) 米 FRB Survey of Consumer finances 図 表 - 9 (9 年 = ) 収 入 階 層 別 の 消 費 者 マインドと 株 価 S&P 指 数 ( 備 考 )ミシガン 大 S&P (9~ 年 平 均 =) 全 体 上 位 % 中 位 % 下 位 %,,,,,, ( 月 次 )
今 月 のトピックス No.- ( 年 月 日 ). 所 得 格 差 の 拡 大 は 消 費 を 押 し 下 げ 所 得 五 分 位 別 に 年 から 年 までの 収 入 増 加 額 をみると 最 も 豊 かな 層 である 上 位 %( 第 Ⅴ 五 分 位 ) の 増 加 金 額 が 一 番 大 きく 最 も 貧 しい 層 である 下 位 %( 第 Ⅰ 五 分 位 )が 最 も 小 さい 一 方 で 年 から 年 までの 消 費 性 向 をみると 収 入 の 上 位 層 ほど 支 出 にまわす 割 合 が 小 さい( 図 表 -) 年 からブッシュ 減 税 の 適 用 が 終 了 する 前 の 年 までの 収 入 階 層 別 の 伸 び 率 は 上 位 層 が 下 位 層 より 高 く 格 差 が 拡 大 していた( 図 表 -) しかし ブッシュ 減 税 が 終 了 するとともに 高 所 得 層 への 課 税 が 強 化 され 税 引 後 の 収 入 では 階 層 別 の 伸 び 率 の 差 はほぼ 横 ばいとなった 従 って ブッシュ 減 税 終 了 によって 格 差 は 一 旦 是 正 されたものの これまで 拡 大 した 格 差 が 維 持 されている( 図 表 -) ここで 過 去 年 間 の 収 入 階 層 毎 の 所 得 増 加 率 を 用 いた 格 差 維 持 ケース ()と 格 差 縮 小 ケース ()を 想 定 し( 図 表 -) 各 階 層 が 図 表 -の 消 費 性 向 に 沿 って 消 費 を 行 うときの 消 費 へ の 影 響 を 試 算 した その 結 果 ではに 比 べて 消 費 支 出 が 年 で.%pt 程 度 押 し 下 げられるこ とが 示 された 低 所 得 層 の 平 均 消 費 性 向 は 高 所 得 者 よりも 高 いため 収 入 分 布 がより 公 平 なものとな れば より 多 くの 金 額 が 消 費 支 出 にまわることになる 本 稿 では 単 純 な 想 定 を 置 いて 構 造 的 要 因 の 試 算 を 行 い 足 元 で 高 齢 化 が.% 格 差 が.% 程 度 消 費 を 押 し 下 げるとの 結 果 を 得 た 政 策 面 からみると 高 齢 化 に 対 しては 移 民 政 策 等 を 除 けば 短 期 的 な 対 応 余 地 は 限 られる 一 方 格 差 縮 小 に 向 けては 最 低 賃 金 の 引 き 上 げや 累 進 課 税 の 強 化 といった 議 論 の 余 地 は 大 きい ただし 累 進 課 税 の 強 化 は 勤 労 意 欲 を 阻 害 する 可 能 性 もあり 再 配 分 に 主 眼 を 置 いた 政 策 は 政 治 的 な 対 立 が 深 まる 懸 念 がある 低 所 得 層 の 所 得 向 上 を 図 るための 教 育 職 業 訓 練 など を 行 い 格 差 を 是 正 する 政 策 を 検 討 することが 必 要 と 考 えられる 図 表 - 階 級 別 収 入 金 額 の 増 加 図 表 - 収 入 の 伸 び 率 (ブッシュ 減 税 終 了 前 ) ~ 年 までの 増 加 額 ( 収 入 ) ~ 年 までの 増 加 額 ( 支 出 ) ( 年 率 %) 税 引 後 消 費 性 向 の 平 均 値 税 引 前 第 Ⅰ 第 Ⅱ 第 Ⅲ 第 Ⅳ 第 Ⅴ ( 備 考 ) 米 労 働 省 図 表 - 収 入 の 伸 び 率 (ブッシュ 減 税 終 了 後 ) ( 年 率 %) 格 差 縮 小 ケース ( 想 定 ) 税 引 後 ( 格 差 維 持 ケース) 税 引 前 第 Ⅰ 第 Ⅱ 第 Ⅲ 第 Ⅳ 第 Ⅴ ( 備 考 ). 米 労 働 省 より 日 本 政 策 投 資 銀 行 作 成.は~ 年 ( 実 績 )の 年 率 換 算 値 は 全 体 の 収 入 増 加 率 をに 等 しくした 上 で 格 差 がなだらかになるよう 階 層 毎 に 収 入 の 伸 び 率 が 変 化 すると 想 定... -. -. 第 Ⅰ 第 Ⅱ 第 Ⅲ 第 Ⅳ 第 Ⅴ ( 備 考 ). 米 労 働 省 より 日 本 政 策 投 資 銀 行 作 成.~ 年 までの 年 率 換 算 値 図 表 - ( 年 率 %pt) 収 入 格 差 ( 上 位 % 下 位 %) 格 差 縮 小 ケース 格 差 の 消 費 への 影 響 と 収 入 格 差 格 差 維 持 ケース 格 差 が 引 き 起 こす 影 響 (-) ( 倍 )... ( 備 考 ). 米 労 働 省 Consumer Expenditure Survey. 図 表 -で 想 定 した 階 層 毎 の 収 入 増 加 率 の 差 による 消 費 への 影 響 を 試 算.. 産 業 調 査 部 経 済 調 査 室 瀬 川 紘 人 ニューヨーク 駐 在 員 事 務 所 ( 現 地 調 査 協 力 )
今 月 のトピックス No.-( 年 月 日 ) 本 資 料 は 著 作 物 であり 著 作 権 法 に 基 づき 保 護 されています 著 作 権 法 の 定 めに 従 い 引 用 す る 際 は 必 ず 出 所 : 日 本 政 策 投 資 銀 行 と 明 記 して 下 さい 本 資 料 の 全 文 または 一 部 を 転 載 複 製 する 際 は 著 作 権 者 の 許 諾 が 必 要 ですので 当 行 までご 連 絡 下 さい お 問 い 合 わせ 先 株 式 会 社 日 本 政 策 投 資 銀 行 産 業 調 査 部 Tel: -- E-mail: report@dbj.jp