TMAX Commercial Property Price Index (TMAX CPPI)



Similar documents
<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6



<4D F736F F F696E74202D AE8E598E738FEA93AE8CFC816992F18F6F97705F925A8AFA5F348C8E816A>


(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

39_1

Ⅰ.2015 年 度 (2016 年 3 月 期 ) 決 算 概 要 1

別紙3

業 種 別 業 況 は 製 造 業 が 46.2 で 前 期 より 12.3 ポイント 低 下 ( 前 期 33.9) し 建 設 業 が 48.1 で 13.1 ポイントの 低 下 商 業 サービス 業 が 65.1 で 3.4 ポイントの 低 下 となりました 製 造 業 のポイントの 低 下

Microsoft Word - 07②-2 補足説明資料1.docx

市況トレンド

FXレバレッジ規制「最大25倍」の意味

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

<4D F736F F F696E74202D2082C882E982D982C DD8ED88EE688F882CC82B582AD82DD C668DDA9770>

スライド 1

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

2020年の住宅市場 ~人口・世帯数減少のインパクト~

2


第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

Microsoft PowerPoint - 税制上の特例.pptx

市 町 村 税 の 概 況 市 町 村 税 の 概 況 は 平 成 25 年 度 地 方 財 政 状 況 調 査 平 成 26 年 度 市 町 村 税 の 課 税 状 況 等 の 調 及 び 平 成 26 年 度 固 定 資 産 の 価 格 等 の 概 要 調 書 等 報 告 書 等 の 資 料 に

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

景況調査集計結果の概要

記者発表資料

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一


平成28年11月期第3四半期決算短

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1) 一 般 行 政 職 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 平

Microsoft Word - H25年度の概要

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

2000 年 12 月 輸 出 の 減 速 によりテンポはやや 鈍 化 しているものの 緩 やかな 回 復 を 続 けている 2001 年 1 月 緩 やかな 回 復 を 続 けているが そのテンポは 輸 出 の 減 速 により 鈍 化 している 2001 年 2 月 緩 やかな 回 復 を 続 け

Microsoft Word - 記者発表130315

1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越


公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

T T VWAPギャランティ 取 引 とは T T VWAPギャランティ 取 引 とは これまでの 成 行 や 指 値 とは 異 なる 東 海 東 京 証 券 が 提 供 する 新 しい 形 の 売 買 方 法 です その 方 法 とは 1 金 融 商 品 取 引 所 ( 以 下 取 引 所 )に

 


平成24年度 業務概況書

近 畿 圏 兵 庫 県 内 マンション 市 場 近 畿 圏 兵 庫 県 中 古 マンション 市 場 土 地 総 合 研 究 所 今 月 の 不 動 産 経 済 2014 年 8 月 号 を 基 に 弊 社 で 集 計 したところ 近 畿 圏 本 年 1~6 月 における 中 古 マンションの 新 規

第316回取締役会議案

ニュースリリース

2016年夏のボーナス見通し

メザニン支援

注 記 事 項 (1) 四 半 期 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 無 (2) 会 計 方 針 の 変 更 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 修 正 再 表 示 1 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 : 無 2 1

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc


国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

Microsoft Word - N 容積率.doc

回 答 Q3-1 土 地 下 落 の 傾 向 の 中 固 定 資 産 税 が 毎 年 あがるのはなぜですか? 質 問 : 土 地 下 落 の 傾 向 の 中 土 地 の 固 定 資 産 税 が 毎 年 あがるのはなぜですか? 答 : あなたの 土 地 は 過 去 の 評 価 替 えで 評 価 額 が


4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

Microsoft Word - cn14792_米国REIT市場について_ doc

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

<4D F736F F F696E74202D B E E88E68C9A90DD8BC65F E DC58F4994C52E >

最 近 5 期 の 運 用 実 績 決 算 期 基 準 価 額 期 中 騰 落 率 公 社 債 組 入 比 率 純 資 産 総 額 円 % % 百 万 円 36 期 末 (2011 年 11 月 19 日 ) 3, 期 末 (2012 年 11 月 19 日

Microsoft Word 短信.doc

ニュースリリース

平成29年2月期 第2四半期決算短信

経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

PowerPoint プレゼンテーション


空 き 家 を 売 却 した 場 合 の,000 万 円 控 除 特 例 の 創 設 被 相 続 人 が 住 んでいた 家 屋 及 びその 敷 地 を 相 続 があった 日 から 年 を 経 過 する 年 の 月 日 までに 耐 震 工 事 をしてから あるいは 家 を 除 却 し てから 売 却

JAL Xxxxxxxx Xxxxxxxx

mizuho-REMR CC.indd

PowerPoint プレゼンテーション

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

注 記 事 項 (1) 四 半 期 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 無 (2) 会 計 方 針 の 変 更 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 修 正 再 表 示 1 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 : 無 2 1

第 一 部 企 業 情 報 第 1 企 業 の 概 況 1 主 要 な 経 営 指 標 等 の 推 移 回 次 第 90 期 第 1 四 半 期 累 計 期 間 自 平 成 22 年 4 月 1 日 至 平 成 22 年 6 月 30 日 第 91 期 第 1 四 半 期 累 計 期 間 自 平 成

インプライド・キャップレートによる不動産取引価格の予測可能性

Microsoft Word - プレスリリース(運用ガイドライン変更)_Final_cln_ doc

Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

<4D F736F F D2090BC8BBB959491BA8F5A91EE8A C52E646F63>

本 組 織 再 編 要 旨 1 資 産 運 用 会 社 3 社 における 投 資 法 人 運 用 業 務 を 1 社 に 集 約 します(2017 年 4 月 1 日 予 定 ) 各 投 資 法 人 は 従 来 通 りそれぞれが 独 立 して 存 在 し 運 用 方 針 等 に 変 更 はありません

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

1_2013BS(0414)

1 不 動 産 天 気 予 報 1 概 況 全 用 途 ベースでの213 年 12 月 末 時 点 の 天 気 は くもり だが 214 年 は 上 期 下 期 ともに 晴 れ 時 々くもり となり 回 復 に 向 かう 予 報 となっ た 用 途 別 では レジデンス 物 流 施 設 は 前 回

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

12FBI特会vol1_01編.indd

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

財政再計算結果_色変更.indd

Microsoft Word - 結果・異動プレス_ _clean.doc

<4D F736F F D2095BD90AC E926E89BF8CF68EA682CC93AE8CFC D8789EF92F18F6F8CB48D65816A>

Transcription:

[マーケット レビュー] 214.5.2 J-REIT 保 有 不 動 産 のキャップレート 見 通 し 214 ~オフィスのキャップレートは 緩 やかな 低 下 トレンドが 続 き ホテルはより 一 層 の 低 下 が 期 待 される~ 株 式 会 社 ティーマックス 不 動 産 戦 略 室 3-551-295 今 回 は J-REIT の 保 有 不 動 産 のうち オフィスとホテルについて 不 動 産 キャップレートとインプライドキャ ップレートとの 時 系 列 比 較 を 行 い 今 後 の 不 動 産 キャップレートの 見 通 しを 分 析 した( 調 査 期 間 22 年 5 月 末 ~214 年 4 月 末 / 月 次 ) 不 動 産 キャップレートとインプライドキャップレート 不 動 産 キャップレートとは 投 資 家 の 実 物 不 動 産 に 対 する 要 求 利 回 りであり インプライドキャップレート とは 資 本 市 場 の J-REIT 運 用 不 動 産 に 対 する 要 求 利 回 りである J-REIT 株 式 市 場 の 方 が 不 動 産 市 場 に 比 べ 流 動 性 が 高 く 金 融 市 場 の 影 響 を 受 けるためインプライドキャップレートはボラティリティが 高 くなり 両 キャップレートの 間 には 一 定 のスプレッドが 見 られる 12. 図 表 1-1 不 動 産 キャップレートと インプライドキャップレートの 推 移 (オフィス) 1. 8. % 6. 4. 2.. 2/5 3/5 4/5 5/5 6/5 7/5 8/5 9/5 1/5 11/5 12/5 13/5 不 動 産 キャップレート(オフィス) インプライドキャップレート(オフィス) 2 15 1 5 BP -5 2/5 3/5 4/5 5/5 6/5 7/5 8/5 9/5 1/5 11/5 12/5 13/5-1 -15-2 図 表 1-2 スプレッドの 推 移 (オフィス) スプレッド(オフィス) インプライドキャップレート- 不 動 産 キャップレート % 12. 1. 8. 6. 4. 2. 図 表 2-1 不 動 産 キャップレートと インプライドキャップレートの 推 移 (ホテル). 2/5 3/5 4/5 5/5 6/5 7/5 8/5 9/5 1/5 11/5 12/5 13/5 不 動 産 キャップレート(ホテル) インプライドキャップレート(ホテル) BP 5 4 3 2 1 2/5 3/5 4/5 5/5 6/5 7/5 8/5 9/5 1/5 11/5 12/5 13/5-1 -2 図 表 2-2 スプレッドの 推 移 (ホテル) スプレッド(ホテル) インプライドキャップレート- 不 動 産 キャップレート TMAX Valuation Co.,Ltd. TMAX All Rights Reserved. 1

図 表 1-1 は 22 年 以 降 における J-REIT 保 有 オフィスの 不 動 産 キャップレート 及 びインプライドキャ ップレートの 推 移 である オフィスのインプライドキャップレートはサブプライムローン 問 題 が 表 面 化 した 27 年 6 月 に 上 昇 に 転 じ リーマンショック 以 降 も 上 昇 の 推 移 を 続 けた その 後 29 年 3 月 に 低 下 に 転 じ 211 年 の 東 日 本 大 震 災 以 降 に 一 時 上 昇 局 面 が 見 られたものの 長 期 的 には 緩 やかな 低 下 基 調 を 続 けている 一 方 不 動 産 キャップレートは 27 年 12 月 に 上 昇 を 開 始 し 29 年 1 月 に 低 下 に 転 じ その 後 は 緩 やかな 低 下 基 調 を 続 けている 27 年 の 低 下 から 上 昇 への 転 換 点 や 29 年 の 上 昇 から 低 下 への 転 換 点 はいずれも インプライドキャップレートが 約 6 ヵ 月 先 行 しており インプライドキャップレートは 不 動 産 キャップレートの 先 行 指 標 としての 性 格 を 有 することがわかる 図 表 1-2 はオフィスのインプライドキャップレートと 不 動 産 キャップレートのスプレッドを 示 したものである スプレッドは J-REIT の 上 場 による 流 動 性 の 付 与 やポートフォリオによるリスク 分 散 効 果 を 反 映 して マイ ナス(インプライドキャップレートが 低 い 状 態 )になるのが 通 常 であり サブプライムローン 問 題 の 後 には 株 式 市 場 の 混 乱 の 影 響 から 一 時 的 にプラスで 推 移 していたが 長 期 平 均 では 32bp となっている オフィスでは 214 年 4 月 時 点 の 不 動 産 キャップレートが 4.7% インプライドキャップレートが 3.9%で あり スプレッドは 79bp と 長 期 平 均 を 大 きく 上 回 る 水 準 にある 次 に ホテルのインプライドキャップレートはリーマンショック 後 の 28 年 1 月 に 約 1%まで 上 昇 し その 後 も 8~9% 付 近 での 推 移 が 続 いたが 21 年 7 月 にようやく 7% 台 へと 低 下 した 東 日 本 大 震 災 後 には 再 び 8%まで 上 昇 したが 212 年 の 日 本 ホテルファンド 投 資 法 人 とジャパン ホテル アンド リゾート 投 資 法 人 の 合 併 (ジャパン ホテル リート 投 資 法 人 に 商 号 変 更 ) 後 には 大 きく 低 下 し 213 年 後 半 以 降 は 4% 台 後 半 で 推 移 している( 図 表 2-1) ホテルのインプライドキャップレートは オフィスと 同 様 にマクロ 経 済 の 影 響 を 受 けるが ビジネス 目 的 の 宿 泊 ニーズや 観 光 市 況 等 のホテル 特 有 の 要 因 が 投 資 家 のマイ ンドに 影 響 しやすい ホテルの 不 動 産 キャップレートは 27 年 12 月 に 上 昇 を 開 始 し 21 年 2 月 に 低 下 に 転 じてからは 緩 やかな 低 下 基 調 を 続 けてきたが 213 年 3 月 頃 からは 大 幅 な 低 下 傾 向 にある ホテルでは 214 年 4 月 時 点 の 不 動 産 キャップレートが 6.% インプライドキャップレートが 4.8%であ り スプレッドは 125bp と 非 常 に 大 きい( 図 表 2-1 2-2) 214 年 の 不 動 産 キャップレートの 見 通 し オフィスについては 企 業 収 益 の 改 善 を 受 けて 需 要 が 拡 大 しており 特 に 東 京 都 心 部 では 空 室 率 の 低 下 が 進 んでいる 三 鬼 商 事 のオフィスデータによれば 都 心 5 区 の 平 均 空 室 率 は 29 年 半 ばに 7%を 超 え その 後 は 8~9% 台 の 推 移 が 続 いたが 214 年 に 入 ってからは 6% 台 の 水 準 に 改 善 している( 図 表 3) また 賃 料 は 既 存 ビルではほぼ 下 げ 止 まり 新 築 ビルでは 昨 年 から 上 昇 基 調 にある( 図 表 4) 一 部 のビルでは 既 存 テナントに 対 して 賃 料 の 引 き 上 げ 交 渉 を 行 う 動 きも 出 始 めている 模 様 である 214 年 のオフィス 市 況 は 本 格 的 な 回 復 が 予 想 され 賃 料 の 増 額 改 定 の 実 現 可 能 性 が 高 まり NOI の 改 善 が 期 待 される 最 近 のオフィスビルの 投 資 市 場 は 過 熱 しており 都 心 部 のみならず 地 方 都 市 における 取 引 利 回 りも 低 下 傾 向 にあるが 今 後 も 賃 貸 市 況 の 回 復 によるキャッシュフローの 改 善 を 見 込 んだ 従 来 よりも 低 い 利 回 り での 取 引 が 継 続 する 可 能 性 が 高 い したがって 214 年 のオフィスの 不 動 産 キャップレートは ゆるやか な 低 下 基 調 で 推 移 すると 考 えられる TMAX Valuation Co.,Ltd. TMAX All Rights Reserved. 2

(%) 図 表 3 東 京 ビジネス 地 区 オフィス 空 室 率 の 推 移 ( 平 均 ) 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 5/1 5/7 6/1 6/7 7/1 7/7 8/1 8/7 9/1 9/7 1/1 1/7 11/1 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 出 所 : 三 鬼 商 事 ( 円 / 坪 ) 図 表 4 東 京 ビジネス 地 区 オフィス 賃 料 の 推 移 ( 新 築 既 存 ) 4, 35, 3, 25, 2, 15, 1, 5, 新 築 ビル 平 均 賃 料 既 存 ビル 平 均 賃 料 5/1 5/7 6/1 6/7 7/1 7/7 8/1 8/7 9/1 9/7 1/1 1/7 11/1 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 出 所 : 三 鬼 商 事 ホテルについては 景 気 回 復 によるビジネス 需 要 やレジャー 志 向 の 高 まり 海 外 向 け 観 光 政 策 の 実 施 や 円 安 等 のホテル 市 場 の 好 況 を 支 える 材 料 が 見 られ 213 年 の 国 内 ホテルの 平 均 客 室 稼 働 率 は 29 年 以 降 最 も 高 い 水 準 となった( 図 表 5) また 日 本 政 府 観 光 局 (JNTO)によれば 訪 日 外 国 人 客 数 は 213 年 に 年 間 1,36 万 人 に 達 し ビジット ジャパン 事 業 開 始 の 23 年 時 点 と 比 較 して 約 2 倍 の 規 模 となった( 図 表 6) 214 年 に 入 っても 訪 日 外 国 人 客 数 は 増 加 基 調 が 継 続 している 政 府 は 23 年 に 3, 万 人 を 超 えることを 目 標 に 掲 げるなど 長 期 的 な 観 光 政 策 の 下 で 一 層 の 訪 日 外 国 人 客 数 の 増 加 が 見 込 まれる 22 年 に 開 催 される 東 京 オリンピック パラリンピックに 向 け ホテルは 有 望 な 投 資 セクタ ーとして 注 目 を 浴 びており 特 に 東 京 都 内 ではホテルの 新 規 開 発 が 目 立 ち 投 資 市 場 でも 過 熱 感 が 高 ま っている ホテルの 売 買 件 数 の 増 加 により 取 引 データが 積 み 上 がり 投 資 しやすい 環 境 が 形 成 されつつ あることや 他 のアセットの 取 引 利 回 りが 低 下 し 相 対 的 に 利 回 りの 高 いホテルへの 投 資 ニーズが 増 え 競 争 がより 激 化 していることから 214 年 にはホテルの 不 動 産 キャップレートの 一 層 の 低 下 が 予 想 され る TMAX Valuation Co.,Ltd. TMAX All Rights Reserved. 3

平 均 客 室 稼 働 率 9% 図 表 5 全 国 ホテルの 平 均 客 室 稼 働 率 の 推 移 85% 8% 75% 7% 65% 6% 55% 5% 29 年 21 年 211 年 212 年 213 年 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 1 月 11 月 12 月 出 所 :オータパブリケイションズ( 週 刊 ホテルレストラン) ( 千 人 ) 図 表 6 訪 日 外 国 人 客 数 の 推 移 12, 1, 8, 6, 4, 2, 23 年 24 年 25 年 26 年 27 年 28 年 29 年 21 年 211 年 212 年 213 年 出 所 : 日 本 政 府 観 光 局 まとめ 地 価 の 回 復 や 物 価 上 昇 NISA 導 入 GPIF( 年 金 積 立 金 管 理 運 用 独 立 行 政 法 人 )の J-REIT への 投 資 開 始 等 の 効 果 により 214 年 も 安 定 的 な J-REIT への 資 金 流 入 が 予 想 され 当 面 はいずれのセクタ ーにおいてもインプライドキャップレートの 緩 やかな 低 下 基 調 が 継 続 する 可 能 性 が 高 い オフィス ホテルともに 現 在 のインプライドキャップレートと 不 動 産 キャップレートのスプレッドは 比 較 的 大 きく 過 去 のトレンドから 今 後 はスプレッドの 縮 小 が 不 動 産 キャップレートの 下 げ 圧 力 となると 見 られ 前 述 のオフィス ホテルの 不 動 産 キャップレートの 低 下 可 能 性 は 高 いといえる TMAX Valuation Co.,Ltd. TMAX All Rights Reserved. 4

1)ティーマックスでは J-REIT が 保 有 する 物 件 について NOI 及 び 不 動 産 価 格 を 22 年 5 月 から 月 次 算 出 し J-REIT における 不 動 産 キャップレート 及 びインプライドキャップレートの 推 移 を 観 測 している 214 年 4 月 末 時 点 では 43 法 人 2,635 物 件 1 のデータを 分 析 している 2) 不 動 産 キャップレート=NOI 不 動 産 価 格 インプライドキャップレート=NOI EV(Enterprise Value: 時 価 総 額 +ネット 負 債 ) 3)インプライドキャップレートの 分 析 は 上 場 や 合 併 後 の 初 回 決 算 発 表 後 の 投 資 法 人 が 対 象 となる 投 資 法 人 の 合 併 後 初 回 の 決 算 短 信 が 公 表 されるまでは 算 出 されないため 212 年 4 月 ~213 年 1 月 の 期 間 はホテルの インプライドキャップレートのデータはない( 図 表 2-1) * 免 責 事 項 当 レポートは 投 資 判 断 のための 情 報 提 供 を 目 的 としたものであり 投 資 勧 誘 や 特 定 の 銘 柄 へ の 投 資 の 推 奨 を 目 的 としたものではありません 内 容 は 現 時 点 での 判 断 を 示 したに 過 ぎず デー タ 及 び 表 現 などの 欠 落 誤 謬 などにつきましては 責 任 を 負 いかねますのでご 了 承 ください 当 レ ポートのいかなる 部 分 もその 権 利 は 株 式 会 社 ティーマックスに 帰 属 しており 電 子 的 または 機 械 的 な 方 法 を 問 わず 無 断 で 複 製 または 転 送 などを 行 わないようお 願 いします < 本 件 に 関 するお 問 い 合 わせ> 株 式 会 社 ティーマックス 不 動 産 戦 略 室 1-11 東 京 都 千 代 田 区 内 幸 町 2-2-1 日 本 プレスセンタービル TEL:3-551-295 FAX:3-551-2951 E-Mail:ff_t@tmaxv.co.jp [ 会 社 概 要 ] 株 式 会 社 ティーマックスは 累 計 1 万 6, 件 の 不 動 産 デューデリジェンス 実 績 をもつ 不 動 産 評 価 会 社 です( 不 動 産 鑑 定 業 東 京 都 知 事 (1) 第 1823 号 ) 不 動 産 評 価 のリーディングカンパニーとして 全 国 のオフィス 住 宅 からオペレーショナルアセットまで 多 様 な 投 資 用 不 動 産 の 評 価 サービスを 提 供 すると 同 時 に 調 査 研 究 事 業 では 不 動 産 投 資 インデック スの 開 発 配 信 や 不 動 産 マーケット 全 般 の 調 査 分 析 を 行 っています マーケット レビュー は ティーマックスがさまざまな 角 度 から 不 動 産 市 況 を 分 析 紹 介 するレポートで す 過 去 のレポートはホームページで 公 表 しています http://www.tmaxv.co.jp/ ( 弊 社 ホームページトップ) ナレッジレポート TMAX Valuation Co.,Ltd. TMAX All Rights Reserved. 5