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3 会 場 使 用 費 の 支 払 い 大 会 当 日, 会 場 使 用 費 を 各 学 校 ご と に ま と め て 大 会 本 部 に 納 め る 4 各 地 区 主 任 に よ る 手 続 き 各 地 区 主 任 は, 参 加 校 分 の 大 会 申 込 書 地 区 大 会 結 果 を 代

別紙3

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一般資料選定基準

毎 月 の 給 与 等 ( )を 一 定 の 等 級 区 分 にあてはめた 標 準 月 額 の 上 限 が 現 行 の47 等 級 から50 等 級 に 改 正 されます ( 別 紙 健 康 保 険 料 額 表 参 照 ) なお 法 改 正 に 伴 い 標 準 月 額 が 改 定 される 方 につい


 

ほかに パート 従 業 員 らの 厚 生 年 金 加 入 の 拡 大 を 促 す 従 業 員 五 百 人 以 下 の 企 業 を 対 象 に 労 使 が 合 意 すれば 今 年 十 月 から 短 時 間 で 働 く 人 も 加 入 できる 対 象 は 約 五 十 万 人 五 百 人 超 の 企 業

報 /200. 説 民 ( 昭 和 4 ) 夏 街 緑!!! 公 園 記 念 式 典 清 掃 活 子 陸 競 技 舞 台 最 規 模 野 5 万 超 企 画 運 営 担 地 元 佐 藤 的 数 少 進 ボ ア タ 40 組 超 無 償 協 縁 下

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親 切 丁 寧 平 等 法 社 団 和 恵 会 2 みちく( 第 24 号 )2014.October 日 頃 法 社 団 和 恵 会 各 種 サ ビ ス お 使 頂 誠 有 難 ご ざ 法 職 員 代 表 場 お 借 厚 く 御 礼 申 上 げ 二 一 回 診 今 4 月 か ら 2 間 診 今

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原 則 として 事 業 主 は 従 業 員 から 扶 養 控 除 等 申 告 書 の 提 出 を 受 けた 後 に 給 与 の ( 事 業 主 )の 番 号 を 記 載 しなければならない ただし 事 業 主 が 人 の 場 合 には 人 番 号 は 一 般 に 公 表 されている 番 号 であるた

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

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- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

Transcription:

最 も 心 に 残 った N 響 コンサート& ソリスト 2012 1997 年 に N 響 ベスト コンサート として 始 まって 以 来 今 回 で16 回 目 を 迎 える 最 も 心 に 残 ったN 響 コンサート & ソリスト 2012 年 1 月 12 月 に 行 われた 定 期 公 演 を 会 場 や 放 送 でお 聴 きになったみなさまに 投 票 をお 願 いし 450を 超 える 票 が 集 まりました みなさまの 感 動 の 結 晶 はどのように 順 位 に 反 映 されているでしょうか 投 票 にご 参 加 いただいたみなさま ご 協 力 あり がとうございました

Program B 最 心 残 N 響 2012 第 1 位 12 月 Cプロ 第 1743 回 1 2 月 7 8 日 シャルル デュトワ( 指 揮 ) ( ) / 序 曲 謝 肉 祭 / 協 奏 曲 第 2 番 長 調 / 交 響 詩 祭 噴 水 松 3 曲 全 部 すごくあっという 間 に 感 じてし まう 演 奏 ですごく 楽 しかったです ローマ 三 部 作 では 最 初 のファンファーレから 最 後 の 1 音 まで 胸 をどきどきさせながら 聴 いていて 心 に 残 りました トロンボーンの ソロも 良 かったです ( 虎 熊 歩 ) 毎 年 12 月 のデュトワ 来 演 を 楽 しみにして いる 者 として 得 意 のレスピーギを 心 行 く まで 堪 能 致 しました 多 彩 な 音 色 を 操 るデ ュトワはコンサートを 見 せる 達 人 です ( 小 澤 雄 一 ) 陰 影 と 色 彩 に 富 む ローマ 三 部 作 を 心 から 楽 しめた デュトワ 指 揮 による 12 月 公 演 は 全 てはずれがない 来 年 も 楽 しみにし ています ( 大 塚 賢 一 郎 ) まさに 王 者 のような 演 奏 デュトワ 氏 の フランス エスプリの 空 気 を 100% 味 わった ( 柳 下 宣 昭 ) レスピーギの ローマ 三 部 作 に ベル リオーズ リストの 協 奏 曲 と 盛 りだくさん のプログラム デュトワの 鮮 やかな 指 揮 に N 響 が 色 彩 感 あふれる 響 きで 応 え 大 満 足 の 演 奏 会 だった ( 磯 浩 一 郎 )

最 心 残 N 響 2012 第 2 位 10 月 Cプロ 第 1 7 3 7 回 1 0 月 1 9 2 0 日 ロリン マ ゼ ール( 指 揮 ) ワーグナー(マゼール 編 )/ 言 葉 のない 指 環 ニーベルングの 指 環 管 弦 楽 曲 集 壮 大 なワーグナーの 楽 劇 を 2 時 間 弱 で 聞 けるなんて 夢 のようでした しかも 楽 劇 の 味 わいは 全 く 損 なわれておらず 凝 縮 された 濃 い 中 身 でした 編 曲 者 マゼールさん 自 身 の 指 揮 と 緊 張 感 あふれるN 響 の 熱 演 にも 体 が 熱 くなりました ( 豊 島 立 ) マゼールさんの 若 々しさに 先 ず 感 動 しま した 外 見 もその 音 楽 も 大 学 オケでワー グナーを 演 奏 したときのワクワク 感 を 思 い 出 させてくれたことに 深 く 感 謝 します ジークフリート= 永 遠 の 若 さです ( 鈴 木 勉 ) 一 瞬 一 瞬 が 充 実 した 時 間 でした 濃 縮 さ れた 指 輪 の 世 界 にどっぷりつかること ができました マゼールさんのまるで 始 め から 単 一 曲 のような 自 然 な 編 曲 はすばらし いと 思 った ( 平 田 重 敏 ) ロリン マゼール 氏 の 編 曲 による リン グ 全 4 夜 分 の 楽 劇 を 75 分 に 凝 縮 して 一 気 に 聴 かせてしまう 執 念 には 脱 帽! ワーグ ナー 音 楽 の 妙 薬 に 酔 い 痴 れました ( 田 中 忠 仁 ) Philharmony April 2013 第 3 位 12 月 Aプロ 第 1742 回 12 月 1 2 日 シャルル デュトワ ( 指 揮 ) アンナ クリスティ ディアナ アクセンティ エド ガ ラス モントヴィダ ス デーヴィッド ウィルソン ジョンソン 青 山 貴 ジョナサン レマル エロディ メシェン 村 上 公 太 畠 山 茂 エレーヌ エブラール 天 羽 明 惠 二 期 会 合 唱 団 NHK 東 京 児 童 合 唱 団 ストラヴィンスキー/ 歌 劇 夜 鳴 きうぐいす ( 演 奏 会 形 式 ) ラヴェル/ 歌 劇 こどもと 魔 法 ( 演 奏 会 形 式 ) オペラの 演 奏 会 形 式 という 事 で 音 以 外 の パフォーマンスは 殆 ど 行 われていない 筈 な のに デュトワが 指 揮 すると 舞 台 がそこに あるように 感 じられます オケも 軽 妙 洒 脱 で 素 晴 らしかったです ( 永 冨 晃 ) アンナ クリスティさんの 素 敵 な 声 歌 手 のみなさんの 楽 しいパフォーマンスが 素 晴 らしかったです N 響 の 演 奏 会 形 式 の 歌 劇 はとても 好 きです ( 夫 馬 音 彦 ) ワルキューレ もすばらしかったが マイナーな 曲 でソリストも 多 く 合 唱 も 伴 う このようなハードルの 高 い 演 目 を 演 奏 して くれたことが 非 常 にうれしい 演 奏 も 完 璧 であった これからもコンサートスタイル のオペラを 積 極 的 に 取 り 上 げてほしい ( 井 上 考 )

最 心 残 N 響 2012 Program B 第 4 位 12 月 Bプロ 第 1744 回 12 月 12 13 日 シャルル デュトワ ( 指 揮 ) 柿 堺 香 ( 尺 八 ) * 中 村 鶴 城 ( 琵 琶 ) * ヴァディム レーピン(ヴァイオリン) 武 満 徹 /ノヴェンバー ステップス(1967) * シベリウス/ヴァイオリン 協 奏 曲 ニ 短 調 作 品 47 ストラヴィンスキー/バレエ 音 楽 春 の 祭 典 ド 定 番 と 言 えばそれまでですが 武 満 も 春 の 祭 典 も デュトワさんの 指 揮 とN 響 とのコンビネーションの 粋 を 感 じる 名 演 でした 今 年 のザルツブルクに 期 待 が 高 ま ります 且 つレーピンさんのソロには 驚 愕 感 嘆 の 一 夜 でした ( 平 井 成 ) 後 半 の 春 の 祭 典 では デュトワの 力 強 いタクトに 応 じて 抜 群 の 機 動 力 を 発 揮 し 異 教 徒 たちの 野 生 的 な 熱 狂 を 見 事 に 描 き 出 したN 響 N 響 が 名 誉 音 楽 監 督 デュトワと 共 に 新 たな 一 歩 を 踏 み 出 した 記 念 碑 的 演 奏 となったと 思 う ( 平 井 夕 記 子 ) 第 5 位 10 月 Bプロ 第 1738 回 10 月 24 25 日 ロリン マ ゼ ール ( 指 揮 ) ダニ エ ル オッテン ザ マ ー( クラリネット) モーツァルト/ 交 響 曲 第 38 番 ニ 長 調 K.504 プラハ ウェーバー/クラリネット 協 奏 曲 第 2 番 変 ホ 長 調 作 品 74 ラヴェル/スペイン 狂 詩 曲 ラヴェル/ボレロ ボレロ の 各 奏 者 のソロを 楽 しめました 最 後 のクライマックスでそれまでのテンポ から 急 激 に 変 えるマゼール 節 が 印 象 的 でし た 多 彩 なプログラムも 演 奏 も 素 晴 らしか った ( 平 川 一 喜 ) 作 曲 家 の 持 ち 味 を 十 分 に 堪 能 できる 選 曲 をサントリーホールで 聴 くこの 贅 沢 マゼ ール 氏 のタクトの 妙 ソリストのテクニッ クと 美 しい 音 色 N 響 の 調 和 したオーケス トレーション まさに 名 曲 コンサート でした ( 岡 部 高 明 ) 第 6 位 11 月 Aプロ 11 月 10 11 日 エ ド デ ワ ー ル ト ( 指 揮 ) 堀 正 文 (ヴァイオリン)* エ ヴァ マ リア ウェ ス トブレーク( ジ ー ク リ ン デ ) フ ランク ファン ア ーケン( ジ ー クム ント) エリック ハ ル フ ヴァル ソ ン(フンディング) 武 満 徹 / 遠 い 呼 び 声 の 彼 方 へ! * 武 満 徹 / ノスタルジア アンドレイ タルコフ スキーの 追 憶 に * ワーグナー/ 楽 劇 ワルキューレ 第 1 幕 ( 演 奏 会 形 式 ) 第 7 位 9 月 Aプロ 9 月 15 16 日 アンドレ プレヴィン( 指 揮 ) マーラー/ 交 響 曲 第 9 番 第 8 位 10 月 Aプロ 10 月 13 14 日 ロリン マゼール( 指 揮 ) ライナー キュッヒル(ヴァイオリン) チャイコフスキー/ 組 曲 第 3 番 グラズノフ/ヴァイオリン 協 奏 曲 第 9 位 6 月 Aプロ 6 月 9 10 日 ウラディーミル アシュケナージ( 指 揮 ) ラデク バボラーク(ホルン) リムスキー コルサコフ/ 組 曲 サルタン 皇 帝 の 物 語 グリエール/ホルン 協 奏 曲 チャイコフスキー/ 交 響 曲 第 4 番 第 10 位 9 月 Cプロ 9 月 21 22 日 レナード スラットキン( 指 揮 ) リャードフ/ 8 つのロシア 民 謡 ショスタコーヴィチ/ 交 響 曲 第 7 番 レニング ラード

最 心 残 2012 第 1 位 ラデク バ ボラーク ( ) 6 月 Aプロ 第 1730 回 6 月 9 10 日 グリエール/ホルン 協 奏 曲 変 ロ 長 調 作 品 91(1950) Philharmony April 2013 ホルンの 演 奏 を 趣 味 としている 者 として, まさに 神 様 のような 存 在 です 大 好 きなグ リエールの 協 奏 曲 を 生 の 演 奏 で 聴 くことが でき, 感 動 のあまり 涙 を 流 してしまいまし た 最 高 の 時 間 と 空 間 に 身 を 置 けて 本 当 に 幸 せでした ( 西 東 宏 章 ) 世 界 最 高 のという 言 葉 に 違 わぬ 美 しく 堂 々とした 響 きは 今 でも 耳 に 残 っています このような 演 奏 があるから ついついコン サート 会 場 に 足 を 運 んでしまいます ( 橋 本 道 成 ) とてもうっとりする 美 しいホルンの 音 色 神 技 的 な 演 奏! 是 非 機 会 があったらま でした 難 しい 曲 だと 思 うのに 軽 やかに た 聴 きたいソリストの1 人 です ブラボ 吹 いていたことが 印 象 的 でした ー!! ( 川 瀬 友 季 子 ) ( 甘 利 尚 美 ) 第 2 位 第 3 位 ( ) 2 月 C プロ 第 1722 回 2 月 17 18 日 チャイコフスキー/ ピアノ 協 奏 曲 第 1 番 変 ロ 短 調 作 品 23 ( ) 10 月 B プロ 第 1738 回 10 月 24 25 日 ウェーバー/ クラリネット 協 奏 曲 第 2 番 変 ホ 長 調 作 品 74 第 4 位 第 5 位 ( ) 12 月 B プロ 第 1744 回 12 月 12 13 日 シベリウス/ ヴァイオリン 協 奏 曲 ニ 短 調 作 品 47 ( ) 11 月 B プロ 第 1741 回 11 月 21 22 日 ブルッフ/ ヴァイオリン 協 奏 曲 第 1 番 ト 短 調 作 品 26

Program B 投 票 通 寄 声 80 歳 を 超 えてなおお 元 気 なマゼールさん 10 月 Aプロ グラズノフの ヴァイオリ のお 姿 を 拝 見 出 来 たことが 一 番 印 象 的 でした ン 協 奏 曲 はキュッヒルさんの 温 和 な 人 柄 が ( 小 林 誠 博 ) 伝 わってくるような 名 演 奏 でした 心 にしみ 込 んでくるようなキュッヒルさんのヴァイオ 中 国 公 演 の 演 奏 をテレビで 拝 見 しましたが リンの 音 色 終 演 時 ホッ とため 息 が 出 とても 素 晴 らしい 演 奏 でした 音 楽 に 国 境 は ました ( 山 越 章 弘 ) ないと 感 じました ( 勝 俣 陸 ) デュトワさんのコンサートは 曲 によって 本 当 に 同 じオーケストラ? と 思 うくらい 音 も 響 きも 変 容 していくので いつもとても 楽 しみです そしてなにより マエストロの 音 楽 性 に 溶 け 込 み N 響 とわかる 音 を 奏 でるオ ーケストラの 皆 さんに 感 服 です 私 にとって は どのコンサートもすばらしい 経 験 です ( 嶋 田 亜 人 ) ザルツブルク 音 楽 祭 への 参 加 おめでとう ございます 私 もN 響 の 演 奏 会 を 聞 きに 行 き 始 めて 40 年 以 上 が 経 ちました 最 近 では 若 い 人 が 加 わりました よりいっそう 演 奏 に 磨 きが 掛 かったと 思 います これから もN 響 の 音 を 大 切 にして 伝 統 を 守 ってい って 下 さい ( 岡 田 佳 之 ) パーヴォ ヤルヴィを 首 席 指 揮 者 に 迎 える 選 択 をしたN 響 に 拍 手! 以 前 N 響 を 振 った コンサートは 全 プログラムを 聴 いたが N 響 との 相 性 も 良 く どれもが 刺 激 的 で 素 晴 らし かった 彼 が 音 楽 監 督 になればいいなと 思 っ ていたが まさか 実 現 するとは! 彼 なら 良 いソリスト( 例 えばヒラリー ハーン)など もたくさん 呼 べると 思 う これから どんな 名 演 を 聴 かせてくれるのか 今 から 楽 しみで ならない ( 八 巻 啓 介 ) 9 月 Aプロで 初 めてマーラーをコンサート で 聞 きましたが 緊 張 して 微 動 だにできませ んでした 演 奏 が 終 わり 緊 張 がとけた 直 後 の 感 動 の 涙 は 忘 れられません ( 山 下 直 弥 ) 12 月 Aプロの 2 つの 小 オペラ オケに 混 ざったNHK 東 京 児 童 合 唱 団 の 子 供 たちの 歌 声 はとても 良 いです 昨 年 の 一 千 人 の 交 響 曲 でも 聞 かせていただきましたが デュト ワさんのプログラムは 大 きな 編 成 でいつも 楽 しみにしています ( 川 合 繁 夫 ) いつもいい 演 奏 を 提 供 していただいてあり がたく 思 っています 月 1 回 の 心 のオアシス になっています ( 宮 脇 弘 樹 ) 2013 年 5 月 Bプロのタン ドゥン 楽 し みです 定 期 公 演 のプログラムとは 思 えない ような 内 容 で まさにマニアックな 日 と 言 え ます 現 代 作 品 の 演 奏 には 技 術 はもちろん 表 現 力 が 要 求 されるので N 響 で 聞 くのが 最 良 です 現 代 曲 も 時 々プログラムにいれてくだ さい ( 渡 部 晃 男 ) 毎 回 Cプロへお 邪 魔 しております N 響 なら で は の 演 奏 を 聞 か せ て 頂 き 勇 気 感 動 情 熱 を 頂 いております 選 曲 等 には 大 変 なご 苦 労 があるかと 思 いますが 引 き 続 き 時 代 の 流 れ に 乗 った 作 品 とN 響 ならではでこだわりのある 選 曲 を 楽 しみにしております ( 小 林 一 夫 ) 招 聘 してほしい 指 揮 者 ベスト5 1 ロリン マ ゼ ール 2 ヘ ル ベ ルト ブ ロムシュテット 3 シャルル デュトワ エサ ペッカ サロネン 4 クリスティアン ティーレマン 5 グ スターボ ドゥダメル 招 聘 してほしいソリスト ベスト 5 1 マルタ アル ゲ リッチ( ピアノ) ヒラリー ハーン(ヴァイオリン) 2 アンネ ゾ フィー ムター(ヴァイオリン) 3 内 田 光 子 ( ピアノ) 4 レイフ オヴェ アンス ネス( ピアノ) イザ ベ ル ファウスト(ヴァイオリン) 5 五 嶋 みどり(ヴァイオリン)

Philharmony April 2013 Peter Oundjian 今 月 のマエストロ ピー ター ウン ジャン ヴァイオリニストから 指 揮 者 へ 満 を 持 してのN 響 初 登 場 文 満 津 岡 信 育

今 月 の マ エ ス ト ロ Program B ピ ー タ ー ウ ン ジ ャ ン 筆 者 の 場 合 ピーター ウンジャ ンが 実 際 に 指 揮 をしている 姿 に 接 し たことがない 点 は 初 めにお 断 りし ておいた 方 がよいだろう(パソコン の 画 面 上 などで 映 像 を 拝 見 したこ とはありますが) もっとも 彼 に 関 しては 東 京 クヮルテットで 第 1 ヴァイオリン 奏 者 を 務 めていた 時 代 に 演 奏 会 やディスクを 通 じて そ の 実 力 とセンスのほどは 承 知 して いるつもりである 思 い 返 してみれば 世 界 的 な 弦 楽 四 重 奏 団 のメンバーから 指 揮 者 に なった 人 物 には ルドルフ バルシ ャイやヴァーツラフ ノイマンがい るとはいえ 前 者 はモスクワ 音 楽 院 四 重 奏 団 (のちのボロディン 四 重 奏 団 ) 後 者 は 最 初 期 のスメタナ 四 重 奏 団 に 数 年 在 籍 しただけであり 世 界 の 第 一 線 で 活 躍 していた 団 体 で 14 年 ものあいだ 第 1 ヴァイオリ ン 奏 者 を 務 めていたというわけでは ない また シャーンドル ヴェー グ ゲルハルト ボッセ ギュンタ ー ピヒラーといったヴァイオリン 奏 者 の 場 合 ウィーン 古 典 派 あたり をメインに 室 内 管 弦 楽 団 などを 指 揮 していたというイメージが 強 い 経 営 難 のトロント 響 を 再 生 させた 見 事 な 統 率 力 カナダのトロントで 生 まれたウン ジャンは フィルハーモニア 管 弦 楽 団 の 名 コンサートマスターとして 名 を 馳 せたパリキアンに 師 事 した 後 ジュリアード 音 楽 院 で 学 び 同 音 楽 院 の 学 生 オーケストラでは コンサ ートマスターを 務 めたということだ 東 京 クヮルテットで 活 躍 したウンジ ャンは 指 の 故 障 でヴァイオリニス トとしてのキャリアを 断 念 すること になるのだが 音 楽 に 対 する 彼 の 思 いは 指 揮 者 になるという 道 を 通 じ て 見 事 に 花 開 くことになる 1995 年 にニューヨークのカラムーア 国 際 音 楽 祭 で 正 式 にデビューした 後 順 調 にキャリアを 伸 ばし 2004 年 には 財 政 的 に 困 難 な 状 況 にあったトロン ト 交 響 楽 団 の 音 楽 監 督 に 就 任 指 揮 者 としてだけではなく 音 楽 監 督 と して オーケストラの 運 営 財 政 面 でもリーダーシップを 発 揮 して 楽 団 を 見 事 に 再 生 させることに 成 功 し たのである ウンジャンの 場 合 その 来 歴 から もおわかりいただけるように 弦 楽 セクションを 鮮 やかに 統 率 する 術 を 身 に 付 けているのが 強 みである ま た 東 京 クヮルテットという 団 体 が 第 1 ヴァイオリンが 引 っ 張 っていく オールド スタイルのアンサンブル とは 一 線 を 画 し すばらしいバラン ス 感 覚 を 備 え 揺 るぎのない 構 成 感 とリズム 感 を 備 えていたことを 思 い 起 こせば その 音 楽 づくりの 方 向 性 もおわかりいただけるに 違 いない センスに 富 んだ 指 揮 者 としての 手 腕 ウンジャンとトロント 交 響 楽 団 の コンビは 現 時 点 ではディスクこそ 出 していないが オーケストラの

ホームページ 内 の TSO Live Music Store から ライヴ 音 源 をダウン ロードして 購 入 することができる しかも その 曲 目 たるや ブルック ナーの 交 響 曲 第 4 番 ロマンテ ィック マーラーの 交 響 曲 第 4 番 ヴォーン ウィリアムズの 交 響 曲 第 4 番 と 第 5 番 ショス タコーヴィチの 交 響 曲 第 7 番 レ ニングラード と 第 11 番 1905 年 ホルストの 組 曲 惑 星 など 大 曲 がずらりと 並 んでいるのが 印 象 的 だ そうした 録 音 を 耳 にすれば ウンジャンが 大 編 成 のアンサンブ ルをきちんと 整 えながら かっちり と 音 楽 をつくり 上 げていくセンスに 富 んでいることが 実 感 できることだ ろう 楽 曲 が 発 する 大 音 量 や 深 々と おぼ した 響 きに 溺 れることなく 引 き 締 まったテンポ 感 とバランス 感 覚 を 発 揮 する 一 方 で 弦 楽 セクションのフ レージングにきめ 細 やかに 配 慮 して いる 点 も 好 ましい そして 音 楽 の 流 れに 即 して 華 やかにクライマッ クスを 形 成 していくなど 吹 っ 切 れ た 演 奏 を 繰 り 広 げている 場 面 もあり ひとことでまとめてしまえば 指 揮 者 として じつにいい 仕 事 をしてい るのが 特 徴 だ 2012/2013 年 シーズ ンからは イギリスのロイヤル ス コティッシュ ナショナル 管 弦 楽 団 の 音 楽 監 督 にも 就 任 するなど その 手 腕 のほどが 認 められていること が 納 得 できるだろう ウンジャンは 正 式 に 指 揮 法 をみ っちりと 学 んだわけではないようだ が 指 揮 者 として 踏 み 出 すにあたっ て カラヤン そしてプレヴィンと いう NHK 交 響 楽 団 とは 縁 の 深 い 2 人 の 指 揮 者 が 鍵 を 握 ってい たのが 興 味 深 い カラヤンに 関 して は 1976 年 にジュリアード 音 楽 院 で 学 生 を 相 手 に 指 揮 法 のマスター クラスを 行 ったとき 学 生 オーケス トラのコンサートマスターだったウ ンジャンを 促 して 指 揮 をさせたこと があったということだ 2 フィート 向 こうに 立 つカラヤンが 放 つ 魔 力 を 感 じながら 無 我 夢 中 でブラームス の 交 響 曲 第 1 番 からのある 楽 章 を 振 ったウンジャンに 対 して 帝 王 は 君 の 両 腕 は すばらしいエネ ルギーを 持 っているね と 告 げたと のこと 一 方 のプレヴィンは ウン ジャンを 自 宅 に 呼 んで 指 揮 につい てあれこれと 語 り 指 揮 者 として 立 とうとしていたヴァイオリニストは その 話 に 大 いに 触 発 された 経 験 があ るということだ 時 を 経 て 真 価 が 認 められた 2 曲 の 演 奏 に 期 待 今 回 NHK 交 響 楽 団 に 初 登 場 す るウンジャンが 指 揮 する 演 目 は シ ョスタコーヴィチの ヴァイオリン 協 奏 曲 第 1 番 ( 独 奏 はムローヴァ) とラフマニノフの 交 響 曲 第 2 番 である ショスタコーヴィチの 名 作 は 初 演 者 のオイストラフやコーガ ンといった 旧 ソヴィエト 連 邦 の 名 手 たちこそ 手 がけていたものの 世 界 中 のヴァイオリニストが 取 り 上 げる Philharmony April 2013

今 月 の マ エ ス ト ロ Program B ピ ー タ ー ウ ン ジ ャ ン 一 般 的 なレパートリーになるまでに は 少 し 時 間 がかかった 作 品 である その 演 奏 史 のなかで ムローヴァが 1988 年 にプレヴィンと 共 演 した 録 音 は 画 期 的 な 意 味 を 持 っていただ けに それから 四 半 世 紀 を 経 て 彼 女 がどのようなアプローチを 繰 り 広 げるのか 興 味 津 々である ラフマニ ノフの 交 響 曲 第 2 番 も 長 年 に わたってカットされて 演 奏 されるな ど その 真 価 が 認 められて コンサ ートホールの 演 目 として 定 着 するま でには やはり 長 い 歳 月 を 要 した 楽 曲 である 上 辺 の 旋 律 線 を 小 ぎれい に 歌 い 上 げるだけでは 聴 き 手 に 感 銘 を 与 えることができない 大 曲 だけ に ピーター ウンジャンの 指 揮 者 としての 手 腕 が 問 われるのは 必 至 で ある もちろん 自 信 があるからこ その 選 曲 であろう 大 いに 期 待 した い (まつおか のぶやす 音 楽 評 論 家 ) プロフィール 1955 年 にカナダのトロントで 生 まれたピーター ウンジャンは イ ギリスでパリキアンにヴァイオリン を 師 事 ロンドンの 王 立 音 楽 大 学 に 進 んだ 後 ジュリアード 音 楽 院 では ガラミアン ディレイ パールマン のもとで 研 鑽 を 積 んだ ヴァイオリ ン 奏 者 として 活 動 を 始 めたウンジャ ンの 名 は 日 本 の 音 楽 ファンにとっ ては 1981 年 から 14 年 間 にわたっ て 務 めた 東 京 クヮルテットの 第 1 ヴ ァイオリン 奏 者 として 鮮 やかに 記 憶 されていることだろう 指 の 故 障 で 東 京 クヮルテットを 退 団 したウンジャンは 1995 年 にニ ューヨークのカラムーア 国 際 音 楽 祭 で 正 式 に 指 揮 者 としてデビュー 1998 年 から 2003 年 までアムステル ダム シンフォニエッタの 音 楽 監 督 を 務 め この 1998 年 には かつて ソリストとして 共 演 したトロント 交 響 楽 団 にも 指 揮 者 として 客 演 を 果 た している その 後 指 揮 者 として 順 調 にキャリアをのばし コロラド 交 響 楽 団 の 首 席 客 演 指 揮 者 やデトロイ ト 交 響 楽 団 の 首 席 客 演 指 揮 者 を 歴 任 した 2004 年 には 財 政 上 の 困 難 を 抱 えていたトロント 交 響 楽 団 の 音 楽 監 督 に 就 任 最 初 のシーズンの 奮 闘 ぶりを 収 めたドキュメンタリー 映 画 9 月 の 5 日 間 オーケストラの 再 生 が 評 判 になるなど 指 揮 者 と しての 音 楽 性 のみならず 音 楽 監 督 としての 手 腕 も 高 く 評 価 されている 2012/2013 シーズンからは ロイヤ ル スコティッシュ ナショナル 管 弦 楽 団 の 音 楽 監 督 にも 就 任 すでに 数 々の 大 作 を さまざまなオーケス トラと 手 掛 けているウンジャンだけ に NHK 交 響 楽 団 との 初 共 演 にも 大 いに 期 待 したいところである ( 満 津 岡 信 育 )

Philharmony April 2013 Semyon Bychkov 今 月 のマエストロ セミョーン ビシュコフ 骨 太 な 音 楽 に 加 わった 豊 かな 生 命 感 文 相 場 ひろ

今 月 の マ エ ス ト ロ Program B セ ミ ョ ー ン ビ シ ュ コ フ セミョーン ビシュコフの 名 前 が 我 々の 耳 に 入 ってくるようになった のは 1980 年 代 半 ばのことだった ように 記 憶 する 今 彼 の 経 歴 をひも あつ とけば 当 時 はソ 連 政 府 当 局 との 軋 れき 轢 からビシュコフがやむなく 出 国 を 選 び アメリカに 居 を 定 めて 本 格 的 な 指 揮 活 動 を 開 始 した 頃 で 既 にベ ルリン フィルハーモニー 管 弦 楽 団 やウィーン フィルハーモニー 管 弦 楽 団 コンセルトヘボウ 管 弦 楽 団 な ど ヨーロッパの 名 門 オーケストラ に 次 々と 客 演 し 西 側 世 界 の 注 目 を 一 身 に 集 め 始 めていた 様 子 が 日 本 も にまで 漏 れ 伝 わってきたのであった この 頃 のビシュコフの 演 奏 スタイ ルは そうしたオーケストラとの 共 演 で 録 音 された 数 々のディスクにし のぶことができる そこに 聴 かれる 彼 は 曲 想 をざっくりと 大 づかみに 把 握 し 思 い 切 りのよい 表 情 付 けに よって 大 きな 起 伏 を 与 えつつ 停 滞 きょうじん を 許 さない 強 靭 な 推 進 力 によってひ た 押 しに 音 楽 を 前 進 させていて 柄 の 大 きい 音 の 流 れが 独 自 の 魅 力 を 発 はつらつ 揮 していた その 潑 剌 とした 勢 い のある 音 楽 作 りは 彼 より 一 世 代 上 にあたるズービン メータやクラウ ディオ アバドといった 指 揮 者 たち が 若 くしてデビューし たちまち にして 聴 衆 の 心 をわしづかみにして 一 挙 にスターダムを 駆 け 上 っていっ た 頃 を 思 わせるものがあり 聴 き 手 の 多 くはビシュコフの 活 躍 に 将 来 の 指 揮 界 をリードする 大 スターの 出 現 を 見 ていたことと 思 う しかし 若 さゆえに 可 能 な 怖 い もの 知 らずともいえる 自 己 の 演 奏 ス タイルに ビシュコフ 自 身 は 満 足 し ていなかったにちがいない 1989 年 にパリ 管 弦 楽 団 に 音 楽 監 督 のポス トを 得 てパリに 生 活 の 拠 点 を 移 すの と 前 後 して 彼 は 輝 かしいレコーデ ィング キャリアを 継 続 するよりも す より 地 道 で 腰 の 据 わった 活 動 を 優 先 するようになり 彼 の 音 楽 も 上 滑 り することのない 成 熟 したものへと 徐 々に 変 貌 を 遂 げていった パリ 管 との 幸 福 な 8 年 筆 者 は 1990 年 代 初 頭 ビシュコ フがパリ 管 を 振 った 演 奏 会 をいくつ か 聴 くことができた 音 楽 監 督 就 任 間 もない 頃 の 彼 は パリ 管 から 重 心 の 低 い ずっしりとした 響 きを 引 き 出 すことに 心 を 砕 くあまり 小 回 り の 利 かない 鈍 重 な 音 楽 を 聴 かせるこ ともないではなかった しかし わ ずか 1 2 年 ほどのうちに ビシュ コフとオーケストラとのコミュニケ ーションは 大 きく 改 善 したようで 彼 らの 共 演 からは 強 引 な 音 運 びが 影 を 潜 め より 自 然 で 大 らかな 息 遣 いが 聴 かれるようになった それは 我 々が 観 光 絵 葉 書 的 なパリのイメー ジから 想 像 しがちな こ 洒 落 たたた ずまいやデリケートな 陰 影 の 描 き 方 とはほど 遠 かったものの たくまし さと 懐 の 深 さを 併 せ 持 つものだった 当 初 ミスマッチとすら 評 する 者 もい た 指 揮 者 とオーケストラの 組 み 合 わ せは 両 者 に 成 熟 と 幅 広 いレパー

トリーをこなせる 柔 軟 性 をもたらす こととなる 1998 年 まで 続 いた 両 者 のコラボレーションは 特 に 最 後 期 において 非 常 に 幸 福 なものであ ったといわれている ドイツでみせた 更 なる 柔 軟 性 そしてイギリスへ 1997 年 ビシュコフのキャリア は 転 機 を 迎 える ケルン 放 送 交 響 楽 団 の 首 席 指 揮 者 に 任 命 されたのだ った 彼 は 2010 年 までこの 座 にあ り かつその 間 にはザクセン 州 立 歌 劇 場 ( 旧 ドレスデン 国 立 歌 劇 場 )の 首 席 指 揮 者 も 務 めている 活 動 の 中 心 をフランスからドイツに 移 した 上 で 性 格 の 大 きく 異 なる 楽 団 を 相 手 とすることになった 訳 だが 研 究 熱 心 で 常 に 情 熱 を 持 って 職 務 に 取 り 組 むビシュコフは この 環 境 の 変 化 を 自 らのための 好 機 とした 具 体 的 に は 2 つのオーケストラが 持 つゲル どんよく マン 系 のレパートリーの 伝 統 を 貪 欲 に 吸 収 し それらの 音 楽 のスタイル について 多 くを 彼 らから 学 んだのだ ケルン 放 送 響 との 共 演 もまた 今 日 いくつかのディスクによって 聴 く ことができるが それらはデビュー 当 初 の 録 音 とは 全 く 異 なる 指 揮 者 の 姿 勢 を 感 じさせるものとなっている ロシア 系 の 指 揮 者 らしい 豪 快 なオー ケストラの 鳴 らし 方 や 重 い 粘 りは 大 きく 後 退 し 楽 譜 を 隅 々まで 風 通 し よく 丁 寧 に 音 にしつつ 端 正 な 歌 すが すが い 回 しを 徹 底 して 音 楽 を 清 々 しく かつ 伸 びやかに 歌 わせていくそのス タイルは 従 来 のビシュコフがみせ た 骨 太 な 音 楽 の 進 め 方 に 適 切 な 陰 影 を 刻 み 込 んで 含 蓄 の 深 い それで いてくどくどしくならずに 豊 かな 生 命 感 を 通 わせるものへと 変 貌 させる 結 果 となった また 長 い 伝 統 を 誇 る 歌 劇 場 の 指 揮 者 を 務 めたことで 彼 はオペラの 経 験 もしっかりと 身 につけた 特 にド レスデン 国 立 歌 劇 場 が 得 意 としてき たリヒャルト シュトラウスやワー グナーの 作 品 への 適 応 には 目 覚 まし いものがあり いくつかの 公 演 は 絶 賛 を 受 けて 録 音 にすら 至 っている 1980 年 代 あるいはパリでの 1990 年 代 には 考 えられなかった 領 域 での 活 躍 は 研 究 熱 心 な 彼 が 自 らの 成 長 のために 精 進 を 怠 らず 常 に 進 歩 を し 続 けていた 証 しといえる これら 2 つの 輝 かしいポストを 経 て 後 2012 年 にはイギリスのBB C 交 響 楽 団 に 新 設 される ギュンタ ー ヴァント コンダクティング チ ェア へのビシュコフの 就 任 が 決 ま った フランスで ドイツで 積 み 重 ねた 新 しい 経 験 を 土 台 に これから さらにどのような 変 化 と 成 熟 をみせ るのか 今 後 が 楽 しみである 回 想 のプログラムと 夫 妻 での 初 演 作 をN 響 と 共 に 今 回 のNHK 交 響 楽 団 との 共 演 で は ヴェルディの レクイエム と ベルリオーズの 幻 想 交 響 曲 及 びスイス 生 まれの 作 曲 家 リシャー ル デュビュニョンの 作 品 を 取 り 上 Philharmony April 2013

今 月 の マ エ ス ト ロ Program B セ ミ ョ ー ン ビ シ ュ コ フ げる ヴェルディの レクイエム は 歌 劇 場 での 経 験 を 積 んだビシュコ フが 近 年 得 意 とする 曲 目 で 既 に 録 音 もなされた 他 各 地 の 演 奏 会 で 好 評 を 博 している 他 方 ベルリオーズ の 幻 想 交 響 曲 はパリ 管 時 代 に 幾 度 も 取 り 上 げて 自 家 薬 籠 中 のものと した 作 品 で 今 回 のプログラムは 奇 しくも 彼 自 身 のこれまでの 歩 みを 回 想 し その 実 りの 豊 かさを 披 露 す るものとなった また デュビュニョンの バトル フィールド は 2011 年 に 初 演 され た 2 台 のピアノと 管 弦 楽 のための 協 奏 曲 で もちろんビシュコフとラベ ック 姉 妹 が 初 演 を 果 たし 各 地 で 上 演 を 重 ねている 作 品 である ラベッ ク 姉 妹 の 一 人 マリエルはビシュコ フ 夫 人 でもあり 夫 妻 の 共 演 が 日 本 でかなったことも 喜 ばしい 見 かけ 以 上 に 盛 りだくさんの 興 味 尽 きな いプログラムが 実 現 したというべき だろう (あいば ひろ 音 楽 ライター) プロフィール 1952 年 レニングラード( 現 サ ンクトペテルブルク)に 生 まれたセ ミョーン ビシュコフは 同 地 の 音 楽 院 で 名 教 師 として 知 られたイリ ヤ ムーシンに 学 んだ 1973 年 にラ フマニノフ 指 揮 者 コンクールで 優 勝 して ソ 連 での 活 躍 を 期 待 されたも のの やがてアメリカ 合 衆 国 に 渡 り 1983 年 には 同 国 の 市 民 権 を 取 得 して 活 動 の 拠 点 を 西 側 世 界 に 移 す 1980 年 代 にはグランド ラピッ ズ 交 響 楽 団 (ミシガン 州 )の 音 楽 監 督 及 びバッファロー フィルハーモ ニー 管 弦 楽 団 の 音 楽 監 督 を 歴 任 して 脚 光 を 浴 びることとなり ニューヨ ーク フィルハーモニック ベルリ ン フィルハーモニー 管 弦 楽 団 コ ンセルトヘボウ 管 弦 楽 団 に 招 かれて 一 躍 その 名 を 国 際 的 に 知 らしめた 1989 年 から 1998 年 まではパリ 管 弦 楽 団 の 音 楽 監 督 を 務 めると 同 時 に フィレンツェ 五 月 音 楽 祭 やサンクト ペテルブルク 交 響 楽 団 の 首 席 客 演 指 揮 者 にも 就 任 する 1997 年 にはケ ルン 放 送 交 響 楽 団 の 首 席 指 揮 者 とな り 2010 年 までその 地 位 にあった また 1990 年 代 以 降 は 歌 劇 場 にも 積 極 的 に 進 出 し ドレスデン 国 立 歌 劇 場 をはじめ コヴェント ガーデン 王 立 歌 劇 場 メトロポリタン 歌 劇 場 ウィーン 国 立 歌 劇 場 などで ヴェル ディ ワーグナーからショスタコー ヴィチまで 幅 広 いレパートリーを 手 がけ 好 評 を 得 ている 2011 年 に 急 逝 した 指 揮 者 ヤコ ブ クライツベルクは 彼 の 弟 にあた る NHK 交 響 楽 団 とは 2010 年 2 月 に 初 共 演 を 果 たした ( 相 場 ひろ)

特 別 寄 稿 ウッチェロ 作 サン ロ マ ーノの 戦 い デュビュニョンにインスピレーションを 与 えた 絵 画 文 パ ー ランバ ー グ Philharmony April 2013 今 月 のBプログラムで 日 本 初 演 されるリシャール デュビュニョン(1968 ) の 2 台 のピアノと 2 つのオーケストラのための 協 奏 曲 バトルフィールド はウッチェロ 作 の 絵 画 サン ロマーノの 戦 い に 着 想 を 得 た 作 品 です デュ ビュニョンにインスピレーションを 与 えた 絵 画 について ロンドン ナショナ ル ギャラリーの 学 芸 員 パー ランバーグ 氏 に 寄 稿 いただきました (N 響 ホー ムページにも 掲 載 されています)

Program B

絵 画 の 背 景 ロンドン ナショナル ギャラリー のパオロ ウッチェロ 作 サン ロマ ーノの 戦 い は 同 主 題 の 3 枚 シ リーズ 絵 画 の 1 枚 である 他 2 枚 は パリのルーヴル 美 術 館 とフィレンツ ェのウフィツィ 美 術 館 所 蔵 である サン ロマーノの 戦 いとは フィ レンツェ 戦 争 のうちの ルッカ 及 び その 連 合 国 であるジェノヴァ ミラ ノ シエナに 対 抗 して 起 こった 戦 い を 指 す 1432 年 6 月 1 日 にフィレ ンツェ 軍 とシエナ 軍 がアルノ 渓 谷 で 戦 闘 を 行 う 勝 利 したフィレンツェ 軍 の 大 将 はニッコロ ダ トレンティ ーノであった 対 するシエナ 軍 はフ ィレンツェから 離 脱 したばかりのベ ルナルディーノ デラ カルダに 率 い られていた ニッコロはフィレンツ ェ 軍 から 引 き 離 されるような 局 面 が あったものの ついには 勝 利 をおさ め 翌 年 には 和 解 が 成 立 し ニッコ ロは 英 雄 と 見 なされた 彼 はその 後 も 戦 地 に 立 ったが ほどなくしてミ ラノで 捕 虜 の 身 で 亡 くなった 彼 の 亡 骸 はフィレンツェに 返 還 され 画 家 のアンドレア デル カスターニョ が 彼 に 敬 意 を 表 して 騎 馬 像 を 描 いた 大 聖 堂 に 埋 葬 された 作 者 ウッチェロとは サン ロマーノの 戦 いを 描 いた 3 作 品 は パオロ ウッチェロにより 1435 年 から 1460 年 の 間 のどこかで 完 成 した ジョルジョ ヴァザーリ によれば 彼 の 苗 字 は 画 家 の 鳥 へ の 愛 情 を 素 直 に 表 現 したあだ 名 であ ったという(ウッチェロとはイタ リア 語 で 鳥 を 意 味 する) 彼 は ミ ケランジェロが 天 国 への 門 と 命 名 したフィレンツェのサンタ マ リア デル フィオーレ 大 聖 堂 の 洗 礼 堂 のブロンズ 扉 で 最 も 良 く 知 られる 彫 刻 家 のロレンツォ ギベルティの もとで 腕 を 磨 いた ヴェネツィアで わずかな 期 間 サン マルコ 大 聖 堂 の モザイク 製 作 に 協 力 をした 後 は も っぱらフィレンツェのみで 活 動 し 1475 年 に 同 地 で 亡 くなる 絵 画 の 特 徴 と 構 図 ウッチェロの サン ロマーノの 戦 い は 強 調 された 華 麗 な 色 彩 の 後 期 ゴシック 様 式 の 伝 統 と 初 期 ル ネサンスに 確 立 された 線 遠 近 法 の 新 たな 挑 戦 が 見 事 に 融 合 されている 戦 う 騎 士 たちの 無 秩 序 な 平 面 を 描 くのではなく パオロ ウッチェロ は 入 念 に 構 図 に 秩 序 を 与 えている フィレンツェ 軍 は 槍 騎 兵 は 進 行 を 止 め 左 から 右 へと 突 撃 している ところである 白 地 に 赤 十 字 を 備 え たフィレンツェ 共 和 国 の 軍 旗 によっ て 彼 らであるとわかる ロンドンの 作 品 の 主 役 ニッコロ ダ トレンティ ーノは 指 揮 棒 で 軍 を 導 き 精 巧 に 装 飾 のされた 白 馬 に 乗 って 描 かれて いる 彼 の 兜 は 彼 の 背 後 で 馬 に 乗 っている 従 者 が 携 えているが 彼 自 身 はダマスク 織 の 見 事 な 帽 子 を 被 っ ている シエナ 兵 は 右 手 の 灰 色 がかった Philharmony April 2013

ウ ッ チ ェ ロ 作 サ ン ロ マ ー ノ の 戦 い Program B 白 馬 にまたがり 3 方 向 からの 攻 撃 を かわしている 折 れた 槍 の 断 片 が 巧 妙 な 格 子 状 のパターンをなし 遠 近 上 に 配 されている 左 には 徹 底 した 短 縮 法 で 描 かれ かつちゆうへい た 甲 冑 兵 が 奇 妙 な 薄 紅 色 の 地 面 に 倒 れている 戦 闘 場 面 は 並 外 れて 華 麗 に 描 かれる 騎 士 全 員 が 戦 闘 用 の 全 身 甲 冑 を 身 につけているものの 馬 上 試 合 やパレード 用 の 甲 冑 の 色 調 を 帯 びている 風 景 は オレンジの 樹 バラ そ してザクロの 樹 など 平 和 的 な 背 景 に 配 され タペストリーやフレスコ 画 のような 装 飾 効 果 が 生 まれている バラは 6 月 を 暗 示 しているのであろ う オレンジの 樹 には 花 が 咲 き 果 実 も 実 っている 絵 画 の 所 有 の 変 遷 1492 年 には パオロ ウッチェロ の 3 作 品 は 偉 大 なる 君 主 と 呼 ば れたロレンツォの 死 後 に 編 集 された メディチ 家 の 財 産 目 録 の 中 に 記 録 さ れている 長 い 間 これらの 作 品 は ロレンツォ 自 身 によって 依 頼 された ものと 考 えられていたが 近 年 発 見 されたばかりの 文 書 は 3 作 品 の 初 期 の 歴 史 はもっと 驚 くべきものであ ったことを 示 している メディチ 家 がフィレンツェから 追 放 された 直 後 ダミアノ バルトリ ニ サリンベーニなる 人 物 が 1495 年 6 月 30 日 にメディチ 家 の 国 外 追 放 後 の 財 産 管 理 責 任 を 担 った 行 政 官 たちの 面 前 に 現 れ これらの 絵 画 は かつて 自 分 の 父 親 の 持 ち 物 であっ たと 陳 述 したと 文 書 には 記 録 され ている 彼 は 父 親 からこれらを 相 続 し ミラノでメディチ 家 の 財 務 窓 口 であった 彼 の 兄 アンドレアと 共 に 3 点 の 絵 画 を 一 緒 に 所 有 していたと 主 張 した 偉 大 なるロレンツォはそ れらの 絵 画 を 所 有 したいと 熱 望 し アンドレアを 説 得 して 自 分 に 委 ねさ せたのだとも 明 言 した しかし ダ ミアノは 彼 の 分 け 前 を 断 り これら の 絵 画 をサンタ マリア ア クィン トの 家 族 が 所 有 する 田 舎 家 からフィ レンツェの 彼 自 身 の 邸 宅 へと 運 び 込 んだ そしてここから ダミアノの 願 いに 反 して ロレンツォによって 送 り 込 まれた 木 工 職 人 のフランツィ オーネが 力 ずくでこれらの 作 品 群 を 持 ち 去 ったのだ 3 作 品 は 大 公 爵 コレクションとしてウフィツィ 宮 に 入 るまで メディチ 家 の 所 有 とさ れていたのである うち 2 枚 の 作 品 がついに 売 りに 出 されたのは 19 世 紀 になってのこ とである ロンドンの 作 品 は 1857 年 に 初 代 ナショナル ギャラリーの 館 長 であるチャールズ イーストレ イク 卿 が 手 に 入 れたものである (Per Rumberg /ナショナル ギャラ リー イタリア 絵 画 部 門 学 芸 員 ) Assistant Curator of Italian Paintings National Gallery

Program A 第 1751 回 NHKホール 4/13[ 土 ] 開 演 6:00pm 4/14[ 日 ] 開 演 3:00pm [ 指 揮 ] ピーター ウンジャン [conductor]peter Oundjian 1751st Subscription Concert / NHK Hall 13th(Sat.)Apr, 6:00pm 14th(Sun.)Apr, 3:00pm Philharmony April 2013 [ヴァイオリン] ヴィクトリア ムロ ーヴァ [コンサートマスター] 篠 崎 史 紀 [violin] Viktoria Mullova [concertmaster] Fuminori Shinozaki ショスタコーヴィチ ヴァイオリン 協 奏 曲 第 1 番 イ 短 調 作 品 7 7( 3 6 ) Dmitry Shostakovich (1906-1975) Violin Concerto No.1 a minor op.77 Ⅰ ノクターン:モデラート Ⅱ スケルツォ:アレグロ Ⅲ パッサカリア:アンダンテ Ⅳ ブルレスカ:アレグロ コン ブリオ Ⅰ Nocturne: Moderato Ⅱ Scherzo: Allegro Ⅲ Passacaglia: Andante Ⅳ Burlesca: Allegro con brio 休 憩 Intermission ラフマニノフ 交 響 曲 第 2 番 ホ 短 調 作 品 27(60 ) Ⅰ ラルゴ アレグロ モデラート Ⅱ アレグロ モルト Ⅲ アダージョ Ⅳ アレグロ ヴィヴァーチェ Sergei Rakhmaninov (1873-1943) Symphony No.2 e minor op.27 Ⅰ Largo Allegro moderato Ⅱ Allegro molto Ⅲ Adagio Ⅳ Allegro vivace

Soloist Program B A Nick White ヴァイオリン ヴィクトリア ム ロ ー ヴァ Viktoria Mullova 現 代 を 代 表 するヴァイオリニストの 一 人 であるヴィクトリア ムローヴァは モスクワ 生 まれ モスクワ 音 楽 院 でレ オニート コーガンに 師 事 1980 年 シ ベリウス 国 際 ヴァイオリン コンクール で 第 1 位 を 獲 得 し 1982 年 にはチャイ コフスキー 国 際 コンクールで 優 勝 した 1983 年 西 側 へ 亡 命 以 後 世 界 の 一 流 オーケストラと 共 演 し 数 多 くの 録 音 を 残 す 近 年 は 古 楽 ( 特 にバッハ)に 傾 倒 し ピリオド 奏 法 を 取 り 入 れ 古 楽 器 奏 者 や 古 楽 器 オーケストラとの 共 演 ( 弾 き 振 りを 含 む)も 多 い また ジャズや ポップスの 演 奏 にも 取 り 組 む 今 回 のNHK 交 響 楽 団 との 初 共 演 には ショスタコーヴィチの ヴァイオリン 協 奏 曲 第 1 番 が 選 ばれた この 作 品 は 1988 年 にアンドレ プレヴィン 指 揮 ロイ ヤル フィルハーモニー 管 弦 楽 団 と 録 音 するなど 彼 女 が 最 も 得 意 としているレ パートリーの 一 つ 古 楽 演 奏 の 洗 礼 を 受 けた 彼 女 が 20 世 紀 を 代 表 するヴァイ オリン 協 奏 曲 をどのように 演 奏 するのか 興 味 津 々である ( 山 田 治 生 )

Dmitry Shostakovich 1906-1975 ショスタコーヴィチ ヴァイオリン 協 奏 曲 第 1 番 イ 短 調 作 品 77 交 響 曲 と 弦 楽 四 重 奏 曲 そしてオ ペラに 注 目 が 集 まりがちなショスタ コーヴィチだが 彼 が 残 した 弦 楽 器 のための 4 曲 の 協 奏 曲 は どれも 最 高 に 充 実 した 20 世 紀 にふさわしい 傑 作 である その 主 たる 理 由 は 勿 論 ヴァイオリンのダヴィート オ イストラフとチェロのムスティスラ フ ロストロポーヴィチという 稀 代 の 名 手 との 深 い 信 頼 関 係 にある 彼 らの 高 い 技 術 と 芸 術 性 同 時 代 人 な らではの 理 解 力 は これらの 協 奏 曲 に 込 められた 意 味 の 核 心 をなしてい た ショスタコーヴィチがこの 作 品 に 着 手 したのは 1947 年 7 月 である 革 命 30 周 年 を 祝 うカンタータ 祖 国 の 詩 や 映 画 音 楽 若 き 親 衛 隊 等 の 作 曲 による 中 断 を 挟 んで 第 1 楽 章 第 2 楽 章 がそれぞれ 1947 年 11 月 12 月 に 完 成 されている そ して 第 3 楽 章 の 作 曲 を 進 める 中 シ ョスタコーヴィチを 含 むソ 連 の 指 導 的 作 曲 家 たちが 新 年 早 々クレムリン に 招 集 された 党 書 記 ジダーノフは 前 年 に 発 表 されたムラデリのオペラ 偉 大 な 友 情 を 槍 玉 にあげ 12 年 前 の ムツェンスクのマクベス 夫 人 における 形 式 主 義 的 誤 りが 再 び 繰 り 返 されていると 批 判 ソ 連 音 楽 界 の 有 害 分 子 を 告 発 するよう 求 めた 戦 後 の 東 西 対 立 を 背 景 にした 新 たな 文 化 芸 術 統 制 の 始 まりである これに 追 い 討 ちをかけるように 1 月 13 日 にはユダヤ 人 俳 優 ソロモン ミ ホエルスがベラルーシのミンスクで 殺 害 される ショスタコーヴィチの 交 響 曲 第 8 番 が 難 解 であると 非 難 された 際 敢 然 とその 擁 護 に 立 ち 上 がった 人 物 である スターリン 体 制 末 期 におけるユダヤ 人 排 斥 運 動 を 象 徴 する 出 来 事 であった 直 接 の 関 連 性 は 薄 いとはいえ ヴァイオリ ン 協 奏 曲 第 1 番 の 後 半 はこうした 一 連 の 出 来 事 を 背 景 に 作 曲 されたの である ショスタコーヴィチはごく 内 輪 の 友 人 たちに 新 作 を 披 露 し そ の 反 応 から 確 かな 手 ごたえを 得 てい たものの 結 局 激 化 する 一 方 の 形 式 主 義 批 判 のあおりを 受 けて 発 表 を 見 送 ることに 決 めた 7 年 間 も 留 め 置 かれたこの 作 品 が 復 活 する 機 会 は スターリン 没 後 2 年 目 にやってきた 1955 年 12 月 オイストラフ 初 のアメリカ ツアー の 目 玉 演 目 として アメリカの 興 行 主 が 幻 の 協 奏 曲 を 提 案 したのである しかし そのためには 前 もって 母 国 で 初 演 する 必 要 があった こうして 同 曲 は 1955 年 10 月 29 日 オ イ ストラフの 独 奏 ムラヴィンスキー 指 揮 のレニングラード フィルハー Philharmony April 2013

Program B A モニー 交 響 楽 団 によって 初 演 された 2 か 月 後 の 12 月 29 日 には オイス トラフの 独 奏 ミトロプロス 指 揮 の ニューヨーク フィルハーモニック で 西 側 初 演 が 行 われ 同 じコンビに よるレコーディングも 実 現 した ス ターリン 体 制 末 期 にお 蔵 入 りとなっ た 作 品 が 今 度 は 東 西 の 緊 張 緩 和 の 象 徴 として 復 活 したのである ヴァイオリン 協 奏 曲 第 1 番 に は 通 常 の 協 奏 曲 とは 異 なるユニー クな 工 夫 が 数 々 見 られる 全 体 は 協 奏 曲 の 通 例 である 3 楽 章 構 成 では なく スケルツォや 緩 徐 楽 章 それ にロンド フィナーレからなり 交 響 曲 の 4 楽 章 構 成 に 匹 敵 する 編 成 ではホルンとテューバ 以 外 の 金 管 楽 器 が 省 かれる 一 方 チェレスタやハ ープ シロフォンが 導 入 され 独 特 の 雰 囲 気 を 醸 しだしている 通 常 は 第 1 楽 章 最 後 に 置 かれるカデンツァは 独 立 した 楽 章 に 匹 敵 する 内 容 にまで 拡 大 されて 第 3 楽 章 と 第 4 楽 章 の 間 を 橋 渡 しする 役 目 を 担 っている 第 1 楽 章 ノクターン:モデラート イ 短 調 4/4 拍 子 2 つの 主 題 が 自 由 に 変 形 変 容 する 形 式 で 終 始 一 貫 ヴァイオリン 独 奏 が 暗 い 叙 情 にあふ れた 歌 を 紡 いでゆく 第 2 楽 章 スケルツォ:アレグロ 変 ロ 短 調 3/8 拍 子 次 第 に 対 声 部 にシ ョスタコーヴィチの 音 名 象 徴 (D - S - C - H レ-ミ -ド-シ)が 見 え 隠 れし 最 後 のヴァイオリン 独 奏 ではその 移 調 形 が 明 確 に 奏 される 他 方 トリオに 相 当 する 舞 曲 風 の 音 楽 には ユダヤのクレズメルの 音 調 がこだましているようだ 中 央 部 分 ではスケルツォ 主 題 によるフガート が 展 開 される 第 3 楽 章 パッサカリア:アンダン テ へ 短 調 3/4 拍 子 17 小 節 のパッ サカリア 主 題 による 9 つの 変 奏 が 展 開 される ショスタコーヴィチはパ ッサカリアを 偏 愛 したが 中 でもこ の 楽 章 は 厳 粛 清 澄 な 美 しさで 際 立 っている 徐 々に 音 楽 が 沈 静 すると 先 立 つ 楽 章 の 主 要 主 題 を 回 想 する 力 強 いカデンツァへと 移 行 し その 高 揚 のまま 終 楽 章 に 突 入 する 第 4 楽 章 ブルレスカ:アレグロ コ ン ブリオ イ 長 調 2/4 拍 子 ロンド 形 式 チャイコフスキーの 協 奏 曲 を 彷 彿 させる 土 俗 的 でユーモラスな 音 楽 だが 後 半 では 第 3 楽 章 のパッサ カリア 主 題 が 回 帰 し プレストのコ ーダを 熱 狂 的 に 終 結 させる ( 千 葉 潤 ) 作 曲 年 代 :1947 年 7 月 21 日 ~1948 年 3 月 24 日 楽 器 編 成 :フルート 3(ピッコロ 1) オーボエ ダヴィート オイストラフに 献 呈 3(イングリッシュ ホルン 1) クラリネット 初 演 :1955 年 10 月 29 日 エフゲーニ ムラヴィ 3(バス クラリネット 1) ファゴット 3(コ ンスキー 指 揮 レニングラード フィルハーモニー ントラファゴット 1) ホルン 4 テューバ 1 交 響 楽 団 ダヴィート オイストラフの 独 奏 ティンパニ 1 シロフォン タムタム タンバ リン ハープ 2 チェレスタ 弦 楽

Sergei Rakhmaninov 1873-1943 ラフマニノフ 交 響 曲 第 2 番 ホ 短 調 作 品 27 セルゲイ ラフマニノフは 番 号 付 き 交 響 曲 を 生 涯 に 3 つ 残 した 第 1 番 はまだ 作 曲 家 として 駆 け 出 しの 1895 年 の 作 指 揮 者 グラズ ノフの 飲 酒 が 原 因 で 1897 年 の 初 演 が 大 失 敗 に 終 わり ラフマニノフが 数 年 に 及 ぶ 精 神 疾 患 に 陥 ったという 伝 説 は 有 名 である しかし この 初 演 失 敗 の 模 様 は 全 て 作 り 話 で その 後 の 精 神 疾 患 も 事 実 無 根 である 蛇 足 だが 2008 年 日 本 公 開 の 映 画 ラフマニノフ ある 愛 の 調 べ では 最 後 のロシア 語 字 幕 に 実 在 の 人 物 とは 全 く 関 係 ありません と 書 かれ ていたし 日 本 で 広 く 読 まれている バジャーノフ 著 の 伝 記 ラフマニノ フ も 完 全 なフィクションだ 現 在 では 初 演 の 失 敗 は 初 演 地 ペテルブ ルクの 長 老 たちがモスクワ 楽 派 の 有 望 な 若 手 であったラフマニノフを 叩 くことが 目 的 で 仕 組 んだという 新 説 が 有 力 である さて そんな 交 響 曲 第 1 番 の 初 演 失 敗 後 ラフマニノフは 風 当 た りが 収 まるのを 待 つべく 作 曲 家 と しての 活 動 を 控 えてオペラ 指 揮 者 に 転 向 した 精 神 状 態 が 不 安 定 なら オペラの 指 揮 は 不 可 能 だったはず だ し か も 1897 ~ 1898 年 の 1 シ ーズンだけで 30 作 品 ものオペラを 振 っている 1899 年 には 指 揮 者 ピ アニストとしてロンドンで 海 外 デビ ュー 満 を 持 して 1901 年 に 発 表 し た ピアノ 協 奏 曲 第 2 番 はモスク ワのオーケストラが 初 演 の 争 奪 をす るほどの 高 評 価 を 得 ラフマニノフ は 作 曲 家 として 完 全 復 帰 を 果 たした 1904 ~ 1906 年 の 2 シーズンはモス クワのボリショイ 劇 場 常 任 指 揮 者 として 大 活 躍 し 1905 年 にはオペ ラを 2 作 書 き 上 げるなど 1900 年 代 のラフマニノフは 音 楽 家 としてま さに 成 熟 期 にあった 一 方 で ロシ ア 社 会 は 革 命 前 夜 の 争 乱 に 満 ち 多 数 のペテルブルク 市 民 が 犠 牲 となっ た 1905 年 1 月 の 血 の 日 曜 日 事 件 に 対 して ラフマニノフは 反 政 府 声 明 文 を 新 聞 に 掲 載 している 紛 争 の 余 波 が 残 る 国 内 での 音 楽 活 動 が 困 難 と 判 断 したラフマニノフは 1906 ~ 1909 年 の 3 シーズンをドレ スデンで 過 ごした 交 響 曲 第 2 番 は そんな 充 実 と 争 乱 の 中 で 1906 年 10 月 ~ 1907 年 4 月 に 作 曲 され ドレスデンから 遠 く 憧 れたのどかな ロシアの 自 然 を 表 すとともに 世 情 を 反 映 したかのように 不 安 定 な 情 景 や 革 命 のエネルギーにも 通 じるよ うな 男 性 的 な 力 強 さも 表 現 されてい る ところでそれまでのラフマニノフ 作 品 の 初 演 地 は 交 響 曲 第 1 番 Philharmony April 2013

Program B A 以 外 は 全 てモスクワだった そして 同 じ 交 響 曲 の 第 2 番 の 初 演 地 に 選 んだのが またしてもペテルブル ク 自 ら 指 揮 台 に 立 った 1908 年 旧 ロシア 歴 1 月 26 日 ( 西 暦 では 2 月 8 日 )の 初 演 は 大 成 功 を 収 め しか もペテルブルクの 長 老 たちが 審 査 す るグリンカ 賞 のその 年 の 交 響 曲 部 門 賞 にも 輝 き ラフマニノフの 長 年 の おんしゆう 恩 讐 は 昇 華 された 曲 はモスクワ 音 楽 院 時 代 の 恩 師 タネーエフに 献 呈 された 曲 は 4 つの 楽 章 から 成 る 第 1 楽 章 ラルゴ アレグロ モデラ ート ホ 短 調 4/4 拍 子 ソナタ 形 式 5 分 近 くにも 及 ぶラルゴの 長 い 序 奏 で 始 まる 冒 頭 で 弦 が 奏 でる 流 麗 な 旋 律 は 形 を 変 えて 交 響 曲 全 体 に 現 れるモットーである ようやく 登 場 するアレグロ モデラートの 第 1 楽 章 本 体 では このモットーが 第 1 主 題 となっている 対 照 的 な 性 格 を 持 つホ 長 調 の 第 2 主 題 も 同 じモットー から 派 生 したものだ 展 開 部 では 第 1 主 題 が 活 躍 し 再 現 部 では 第 2 主 題 が 中 心 となる 第 2 楽 章 アレグロ モルト イ 短 調 2/2 拍 子 スケルツォ 一 転 して 音 楽 は 力 強 さと 動 きを 増 幅 させる 弦 が 刻 む 軽 快 なリズムに 乗 って ホ ルンが 高 らかに 勇 壮 な 主 部 第 1 主 題 を 鳴 らす 叙 情 的 な 第 2 主 題 に 続 い て 主 部 第 1 主 題 が 回 帰 する 中 間 部 はモットーから 派 生 した 音 型 が 対 位 法 的 に 展 開 される 第 3 楽 章 アダージョ イ 長 調 4/4 拍 子 3 部 形 式 長 い 前 ぶれを 伴 う 第 1 楽 章 とは 対 照 的 に いきなり 主 題 から 始 まる ヴァイオリンが 歌 う 長 く 甘 美 なこの 主 題 とクラリネット 独 奏 によって 提 示 されるさらに 長 く 優 美 な 対 位 主 題 も 第 1 楽 章 序 奏 のモ ットーの 変 形 である この 2 つの 旋 律 と ポーコ ピウ モッソの 中 間 部 の 旋 律 が 絡 み 合 いながら 再 現 部 で は 悠 久 の 時 間 の 中 で 大 きなクライマ ックスが 紡 ぎ 出 される 第 4 楽 章 アレグロ ヴィヴァーチェ ホ 長 調 2/4 拍 子 ソナタ 形 式 静 寂 を 破 るかのように 鮮 やかな 色 彩 感 を 伴 った 第 1 主 題 が 祝 祭 的 な 気 分 を 盛 り 上 げる ゆったりしたニ 長 調 の 第 2 主 題 は またしてもモットーの 変 形 である そして 明 瞭 に 第 3 楽 章 主 題 が 登 場 したあとで 展 開 部 に 入 る 再 現 部 では 全 楽 章 の 断 片 が 散 り ばめられながらさらに 高 揚 感 が 増 し て 華 麗 に 全 曲 を 閉 じる ( 一 柳 富 美 子 ) 作 曲 年 代 :1906 年 10 月 ~ 1907 年 4 月 バス クラリネット 1 ファゴット 2 ホルン 4 初 演 :1908 年 2 月 8 日 ( 旧 ロシア 暦 1 月 26 日 ) トランペット 3 トロンボーン 3 テューバ 1 ペテルブルク 作 曲 者 自 身 の 指 揮 による ティンパニ 1 大 太 鼓 シンバル 小 太 鼓 グ 楽 器 編 成 :フルート 3(ピッコロ 1) オーボエ ロッケンシュピール 弦 楽 3(イングリッシュ ホルン 1) クラリネット 2

Program B 第 1753 回 サントリーホール 4/24[ 水 ] 開 演 7:00pm 4/25[ 木 ] 開 演 7:00pm [ 指 揮 ] セミョーン ビシュコフ [conductor]semyon Bychkov 1753rd Subscription Concert / Suntory Hall 24th(Wed.)Apr, 7:00pm 25th(Thu.)Apr, 7:00pm Philharmony April 2013 [ピアノ(2 台 )] カティア&マリエ ル ラベック [コンサートマスター] 堀 正 文 [pianos] Katia & Marielle Labèque [concertmaster] Masafumi Hori デュビュニョン 2 台 のピアノと 2 つのオーケストラ のための 協 奏 曲 バトルフィールド 作 品 54(2011) [ 日 本 初 演 ](25 ) Ⅰ 開 戦 の 合 図 Ⅱ 交 渉 Ⅲ パレード Ⅳ 戦 い Ⅴ 休 戦 Ⅵ とどめの 一 撃 Ⅶ 葬 送 と 凱 旋 の 行 進 曲 Ⅷ 平 和 と 和 解 Ⅸ 祝 祭 Richard Dubugnon (1968- ) Concerto for two Pianos and double Orchestra Battlefield op.54 (2011) [Japan Première] Ⅰ Squilli Ⅱ Trattative Ⅲ Parate Ⅳ Scontro Ⅴ Tregua Ⅵ Colpo di grazia Ⅶ Marcia funebre e trionfale Ⅷ Pace e riconciliazioni Ⅸ Festeggiamenti 休 憩 Intermission ベルリオーズ 幻 想 交 響 曲 作 品 14(49 ) Ⅰ 夢 と 情 熱 Ⅱ 舞 踏 会 Ⅲ 野 の 風 景 Ⅳ 断 頭 台 への 行 進 Ⅴ ワルプルギスの 夜 の 夢 Hector Berlioz (1803-1869) Symphonie fantastique op.14 Ⅰ Rêverie Passions Ⅱ Un bal Ⅲ Scène aux champs Ⅳ Marche au supplice Ⅴ Songe d une nuit de Sabbat

Soloist Program B Umberto Nicoletti ピ アノ( 2 台 ) カティア&マリエル ラベック Katia & Marielle Labèque カティア&マリエル ラベックは 世 ための 協 奏 曲 (ヘルベルト ケーゲル 指 界 で 最 も 著 名 なピアノ デュオといえる 揮 )で 初 共 演 1993 年 6 月 には モー だろう 姉 妹 は 南 西 フランスのバスク 地 ツァルトの 2 台 のピアノのための 協 奏 方 バイヨンヌ 出 身 母 親 からピアノの 手 曲 だけでなく 指 揮 者 のレナード ス ほど 解 きを 受 け パリ 国 立 高 等 音 楽 院 でジャ ラットキンを 交 えて 3 台 のピアノの ン ユボーに 師 事 した 1980 年 に 録 音 し ための 協 奏 曲 も 演 奏 今 回 は 妹 マリ たガーシュウィンの ラプソディー イ エルの 夫 でもあるセミョーン ビシュコ ン ブルー (2 台 ピアノ 版 )が 大 ヒット フが 指 揮 を 務 め デュビュニョンが 姉 妹 し 一 躍 人 気 デュオとなる 以 後 2 人 のために 作 曲 した 2 台 のピアノと 2 つ での 活 動 のほか 世 界 の 一 流 オーケスト のオーケストラのための 協 奏 曲 バトル ラとの 共 演 も 重 ねる フィールド を 日 本 初 演 する( 姉 妹 と NHK 交 響 楽 団 とは 1983 年 9 月 ビシュコフは 世 界 初 演 も 担 った) 10 月 にプーランクの 2 台 のピアノの ( 山 田 治 生 )

Richard Dubugnon 1968- デュビュニョン 2 台 のピ アノと 2 つ のオー ケストラのため の 協 奏 曲 バトルフィールド 作 品 54 (2011)[ 日 本 初 演 ] 歴 史 学 を 修 めた 後 に 音 楽 へ 転 向 し コントラバス 奏 者 でもあるローザン ヌ 生 まれの 気 鋭 の 作 曲 家 デュビュニ ョンは 対 比 と 調 和 という 協 奏 曲 の 基 本 原 理 を 徹 底 的 に 追 求 した その 成 果 が バトルフィールド だ この 曲 は 彼 の ヴァイオリン 協 奏 曲 世 界 初 演 を 聴 いたラベック 姉 妹 のたっての 願 いで 作 曲 され 彼 女 ら に 献 呈 された タイトルの バトルフィールド は 初 期 ルネサンスの 画 家 パオロ ウ ッチェロが 独 自 の 遠 近 法 を 駆 使 して 描 いた サン ロマーノの 戦 い 三 部 作 からインスピレーションを 得 た ものである 躍 動 感 あふれる 旋 律 や リズムはもちろん オーケストラの ユニークな 編 成 と 配 置 にも 注 目 した い 弦 楽 器 群 と 打 楽 器 群 は 両 者 共 通 だが 舞 台 下 手 の 独 奏 ピアノⅠ 率 い るオーケストラⅠには 高 音 域 の 管 楽 器 群 とエレクトリック ベース そ してバンダのトランペットが 上 手 の 独 奏 ピアノⅡ 率 いるオーケストラ Ⅱには 低 音 域 の 管 楽 器 群 とバンダの バス トランペットが 配 されている 敵 対 する 両 軍 の 様 子 を 鮮 やかに 描 写 する 空 間 的 な 音 響 効 果 は こうした 工 夫 によって 得 られている 単 一 楽 章 の 協 奏 曲 だが 9 つのエピ ソードに 沿 って 進 む バルコニーの トランペットとバス トランペット せんどう が 煽 動 し 合 う 第 1 曲 開 戦 の 合 図 で 戦 いの 幕 が 開 く このファンファ ーレは 各 軍 を 象 徴 するライトモティ ーフとして 幾 度 となく 現 れる 第 2 曲 交 渉 では 起 伏 に 富 んだピアノ Ⅰと 滑 らかな 曲 線 のピアノⅡによ る 超 絶 技 巧 の 応 酬 が 繰 り 広 げられ る スケルツォ 風 の 第 3 曲 パレー ド を 経 て この 曲 の 核 心 部 である 第 4 曲 戦 い が 始 まる ストラヴ ィンスキーの 春 の 祭 典 における いけにえの 踊 り にその 源 を 辿 る ことができる 緊 張 感 と 時 折 挿 入 さ れる 軽 妙 なラテン 風 のリズムが 戦 い の 様 子 を 鮮 やかに 描 写 する 第 5 曲 休 戦 では 束 の 間 の 静 寂 が 訪 れる が トランペットが 戦 いの 再 開 を 告 げる 第 6 曲 とどめの 一 撃 で 一 触 即 発 の 状 態 へ 戦 争 で 右 手 を 失 った ピアニスト パウル ウィトゲンシ ュタインへのオマージュである 第 7 がいせん 曲 葬 送 と 凱 旋 の 行 進 曲 は 同 名 の ベルリオーズの 交 響 曲 を 想 起 させる 第 8 曲 平 和 と 和 解 ではピアノⅠ Ⅱが 互 いのモティーフを 交 換 し こ こでようやく 1 つの 大 きなオーケス トラが 構 築 され 第 9 曲 祝 祭 で 華 々しく 幕 を 閉 じる Philharmony April 2013

Program B 戦 いには 勝 敗 がつきものだが 作 曲 家 によれば どちらに 軍 配 が 上 が るのかは 聴 き 手 の 想 像 力 に 委 ねられ ているとのことだ ( 高 橋 智 子 ) 作 曲 年 代 :2010 年 12 月 ~ 2011 年 8 月 委 嘱 :ロサンゼルス フィルハーモニー 管 弦 楽 団 パリ 管 弦 楽 団 ライプツィヒ ゲヴァント ハウス 管 弦 楽 団 スイス ロマンド 管 弦 楽 団 に よる 共 同 委 嘱 初 演 :2011 年 11 月 11 日 ロサンゼルス ウ ォルト ディズニー コンサートホール セミ ョーン ビシュコフ 指 揮 ロサンゼルス フィル ハーモニー 管 弦 楽 団 カティア&マリエル ラ ベックの 独 奏 楽 器 編 成 :オーケストラⅠ( 左 側 に 配 置 ):フ ルート 2 ピッコロ 1 オーボエ 2 クラリネ ット 2 バス クラリネット 1 ホルン 4 ト ランペット 2 バンダ:トランペット 1 ティ ンパニ 1 トライアングル 小 チャイニーズ シンバル ネイル シンバル シンバル クラ ッシュ シンバル トムトム 小 太 鼓 コンガ 木 魚 グイロ マラカス カウベル クラベ ス エレクトリック ベース 弦 楽 ピアノ ソロ オーケストラⅡ( 右 側 に 配 置 ):イングリッシ ュ ホルン 1 ファゴット 2 コントラファゴ ット 1 バンダ:バス トランペット 1 トロ ンボーン 3 テューバ 1 ティンパニ 1 大 太 鼓 シンバル クラッシュ シンバル トムト ム 小 太 鼓 カウベル ウッドブロック 弦 楽 ピアノ ソロ

Hector Berlioz 1803-1869 ベルリオーズ ベルリオーズの 幻 想 交 響 曲 が 初 演 されたのは 1830 年 ベートー ヴェンがこの 世 を 去 ってわずか 3 年 後 のことである 医 学 の 道 を 棄 て パリ 音 楽 院 に 学 んでいたベルリオー ズは この 年 若 手 作 曲 家 の 登 竜 門 であるローマ 大 賞 を 受 賞 するまでに なっていた 一 方 この 数 年 前 から パリ 音 楽 院 管 弦 楽 団 の 初 代 指 揮 者 フ ランソワ アブネックが パリでは まだあまり 知 られていなかったベー トーヴェンの 交 響 曲 を 盛 んに 指 揮 し ており ベルリオーズは 大 きな 刺 激 を 受 けていた その 興 奮 冷 めやらぬ うちに 彼 はまったく 新 しい 発 想 の もと 幻 想 交 響 曲 という 型 破 り の 大 作 を 書 き 上 げたのである ある 芸 術 家 の 生 涯 からのエピソ ード という 副 題 を 持 つこの 作 品 は ある 芸 術 家 すなわちベルリオー ズの 自 伝 的 な 内 容 を 盛 り 込 んだ 標 題 音 楽 である ストーリーは 病 的 な 感 受 性 と 燃 えるような 想 像 力 を 持 つ 若 い 芸 術 家 が 失 恋 してアヘンで 服 毒 自 殺 をはかるが 致 死 量 には 至 ら ず 奇 怪 な 幻 覚 を 見 る そのなかで 恋 人 がひとつの 旋 律 となってつきま とう といった 内 容 である ベルリ オーズはこの 恋 人 をあらわす 旋 律 を イデー フィクス( 固 定 楽 想 ) と 呼 び 全 5 楽 章 を 結 びつける 重 要 幻 想 交 響 曲 作 品 14 な 役 割 を 与 えた 恋 人 のモデル になったのは ベルリオーズが 憧 れ ていた 女 優 のハリエット スミッソ ンであることは 今 では 定 説 となって いる 彼 女 はイギリスのシェイクス ピア 劇 団 の 主 演 女 優 としてパリ 公 演 で 絶 賛 され ベルリオーズも 熱 烈 な ファンだったが 思 いは 伝 わらなか った 2 人 が 再 会 し 結 婚 したのは 幻 想 交 響 曲 初 演 後 のことである ベルリオーズがこのような 物 語 を 着 想 するにあたっては 彼 がフラン ス 語 訳 で 読 みふけったゲーテの 戯 曲 ファウスト や 夢 中 になって 観 たシェイクスピア 劇 などがヒントに なった 可 能 性 がある とくにゲーテ に 関 しては その 影 響 から 抜 けきれ ないまま 幻 想 交 響 曲 を 作 曲 した と 自 伝 に 書 いているほどである 文 学 的 な 評 価 は 別 としても オーケス トラ 音 楽 に 文 学 あるいは 演 劇 的 な 要 素 を 結 びつけたこの 作 品 は 交 響 詩 に 代 表 されるロマン 派 の 標 題 音 楽 への 道 を 切 り 開 くことになった この 交 響 曲 で 独 創 的 なのは 標 題 ばかりではない ユニークな 楽 器 編 成 と 情 景 や 心 理 を 表 現 するみごと なオーケストレーションには 時 代 を 先 取 りする 新 しさがあった たと えば 第 2 楽 章 舞 踏 会 を 彩 る 複 数 のハープ 第 3 楽 章 野 の 風 景 Philharmony April 2013

Program B で 活 躍 するイングリッシュ ホルン 第 5 楽 章 ワルプルギスの 夜 の 夢 ひようへん で 醜 く 豹 変 した 恋 人 の 旋 律 をユー モラスに 奏 でる Es 管 のクラリネッ ト ディエス イレ( 怒 りの 日 ) の 旋 律 をおごそかに 吹 くオフィクレ イド( 今 日 では 一 般 にテューバで 演 奏 ) 鐘 などは その 代 表 である これらは 楽 器 の 音 色 や 音 響 効 果 を 知 り 尽 くし 後 に 管 弦 楽 法 (1844 年 初 版 )も 著 したベルリオーズだか らこそ 生 まれたアイディアである 曲 の 初 演 は1830 年 12 月 5 日 パリ 音 楽 院 ホールにて アブネック の 指 揮 で 行 われた 楽 章 構 成 は 以 下 のとおりである もともと 具 体 的 なストーリーが 添 え られていたが ベルリオーズは 最 終 的 に 各 楽 章 の 標 題 だけあれば 十 分 だと 述 べている 第 1 楽 章 夢 と 情 熱 交 響 曲 の 伝 統 に 従 ってソナタ 形 式 で 書 かれている 序 奏 に 続 いてアレ グロの 主 部 に 入 ると 固 定 楽 想 であ る 恋 人 の 旋 律 がフルートと 第 1 ヴァ イオリンに 現 れ 発 展 していく こ の 旋 律 はすべての 楽 章 に 形 を 変 えて 現 れる 第 2 楽 章 舞 踏 会 従 来 のメヌエットやスケルツォに 代 わる ワルツによる 楽 章 で ハー プが 活 躍 する 終 結 近 くで 恋 人 の 主 題 がクラリネットに 現 れる 第 3 楽 章 野 の 風 景 舞 台 上 のイングリッシュ ホルン と 舞 台 裏 のオーボエが 羊 飼 いの 笛 の 二 重 奏 を 吹 く ティンパニが 遠 雷 を 描 写 する 第 4 楽 章 断 頭 台 への 行 進 若 い 芸 術 家 は 恋 人 を 殺 した 罪 で ギロチンにかけられる 行 進 曲 の 最 後 に 恋 人 の 主 題 がクラリネットに 現 れた 直 後 フォルティッシモのトゥ ッティ( 総 奏 )でギロチンの 刃 が 落 とされる 第 5 楽 章 ワルプルギスの 夜 の 夢 若 い 芸 術 家 は 魔 女 たちの 夜 宴 に 列 席 している こっけいな 付 点 リズム に 姿 を 変 えた 恋 人 の 主 題 を 際 立 たせ るために ベルリオーズはわざわざ Es 管 のクラリネットを 用 いている とむら 弔 いの 鐘 が 鳴 ると カトリック 典 礼 の 死 者 のためのミサ で 歌 われて きた ディエス イレ の 旋 律 が 現 れる 古 典 的 なフーガの 技 法 も 取 り 入 れられており 最 後 は 主 要 主 題 と ディエス イレ の 旋 律 とが 重 なり 合 い 圧 倒 的 な 迫 力 のもと 曲 は 終 結 する ( 遠 山 菜 穂 美 ) 作 曲 年 代 :1830 年 ファゴット 4 ホルン 4 トランペット 2 コ 初 演 :1830 年 12 月 5 日 パリ パリ 音 楽 院 ホ ルネット 2 トロンボーン 3 テューバ 2 テ ール フランソワ アブネック 指 揮 ィンパニ 2 大 太 鼓 シンバル サスペンデ 楽 器 編 成 :フルート 2(ピッコロ 1) オーボエ ッド シンバル 小 太 鼓 鐘 ハープ 2 弦 楽 2(バンダ:オーボエ 1) イングリッシュ ホ ( 指 揮 者 の 意 向 によりフルート オーボエ ク ルン 1 クラリネット 2 (Es クラリネット 1) ラリネットは 倍 管 とし 各 4 人 ずつで 演 奏 )

Program C 第 1752 回 NHKホール 4/19[ 金 ] 開 演 7:00pm 4/20[ 土 ] 開 演 3:00pm [ 指 揮 ] セミョーン ビシュコフ [conductor]semyon Bychkov [ソプラノ] マリナ ポ プラフスカヤ [ メゾ ソプ ラノ] アニタ ラ チ ヴェリシュヴィリ [テノール] ディミトリ ピタス [バス] ユーリ ヴォロビエフ [ 合 唱 ] 新 国 立 劇 場 合 唱 団 ( 合 唱 指 揮 / 三 澤 洋 史 ) [コンサートマスター] 堀 正 文 1752nd Subscription Concert / NHK Hall 19th(Fri.)Apr, 7:00pm 20th(Sat.)Apr, 3:00pm [soprano] Marina Poplavskaya [mezzo soprano] Anita Rachvelishvili [tenor] Dimitri Pittas [bass] Yuri Vorobiev [chorus] New National Theatre Chorus (Hirofumi Misawa, chorus master) [concertmaster] Masafumi Hori Philharmony April 2013 ヴェルディ 生 誕 2 0 0 年 ヴェルディ レクイエ ム( 8 4 ) Ⅰ 永 遠 の 安 息 を 与 えたまえ と 主 よ あわれみたまえ Ⅱ 怒 りの 日 1 ) 怒 り の 日 2 ) 不 思 議 な ラ ッパ の 音 3 ) 死 は 驚 く 4 ) 書 きし るさ れ た 書 物 は 5 ) 哀 れ な 私 6 )み い つ の 大 王 7 ) 思 い 出 さ せ た ま え 8 ) 私 は 嘆 く 9) 判 決 を 受 けた のろわれた 者 は 1 0 ) 涙 の 日 よ Ⅲ 主 イエスよ Ⅳ 聖 なるかな Ⅴ 神 の 小 羊 Ⅵ 永 遠 の 光 を Ⅶ われを 許 したまえ ~The 200th Anniversary of Verdi s Birth~ Giuseppe Verdi (1813-1901) Messa da requiem Ⅰ Requiem e Kyrie Ⅱ Dies iræ 1) Dies iræ 2) Tuba mirum 3) Mors stupebit 4) Liber scriptus 5) Quid sum miser 6) Rex tremendæ 7) Recordare 8) Ingemisco 9) Confutatis 10) Lacrymosa Ⅲ Offertorio Ⅳ Sanctus Ⅴ Agnus Dei Ⅵ Lux æterna Ⅶ Libera me * この 公 演 に 休 憩 はございません あらかじめご 了 承 下 さい * This concert will be performed with no intermission.

Soloist Program B C ソプラノ マリナ ポ プラフス カ ヤ Marina Poplavskaya Jenkins Mitch モスクワ 生 まれ イッポリトフ イワ ーノフ 国 立 音 楽 院 で 学 ぶ モスクワの ノヴァヤ オペラでのチャイコフスキー エフゲーニ オネーギン のタチヤーナ でデビュー 2002 年 から 2004 年 スタ ニスラフスキー&ネミロビッチ ダンチ ェンコ 記 念 国 立 モスクワ 音 楽 劇 場 に 所 属 2003 年 ストラヴィンスキー 道 楽 者 のなりゆき のアンでボリショイ 劇 場 に 初 出 演 2006 年 4 月 ワーグナー 神 々 のたそがれ の 第 3 のノルンで 英 国 コヴ ェント ガーデン 王 立 歌 劇 場 に 本 格 的 初 出 演 同 年 9 月 同 歌 劇 場 でのアレヴ ィ ユダヤの 女 のラシェルで 大 成 功 を 収 め 国 際 的 名 声 を 獲 得 2007 年 12 月 プロコフィエフ 戦 争 と 平 和 のナター シャでメトロポリタン 歌 劇 場 に 初 出 演 同 歌 劇 場 には 2012 年 1 月 までに 40 公 演 以 上 出 演 している 2008 年 8 月 ザ ルツブルク 音 楽 祭 でリッカルド ムーテ ィ 指 揮 のヴェルディ オテロ のデズデ モナを 歌 う 新 世 代 のヴェルディ ソプ ラノとして 近 年 の 台 頭 は 目 覚 ましい N HK 交 響 楽 団 とは 初 共 演 ( 吉 田 光 司 ) メゾ ソ プ ラノ アニタ ラ チ ヴェリシュヴィリ Anita Rachvelishvili グルジア トビリシ 生 まれのメゾ トル オペラなどでも 歌 っている また ソプラノ 生 地 のサラジシヴィリ 記 念 サン サーンス サムソンとデリラ の 国 立 音 楽 院 で 学 ぶ 2007 年 ミラノの デリラ(2011 年 5 月 アムステルダム) スカラ 座 アカデミーに 留 学 2009 年 12 チレーア アドリアーナ ルクヴルール 月 スカラ 座 のシーズン 開 幕 公 演 のビゼ のブイヨン 公 爵 夫 人 (2011 年 11 月 ニ ー カルメン のタイトル ロールに 大 ューヨーク) グルック オルフェウス 抜 擢 され 成 功 国 際 的 な 名 声 を 獲 得 する のオルフェウス(2011 年 7 月 ペララ カルメンは 2010 年 3 月 のベルリン 国 ダ)などを 歌 っている 立 歌 劇 場 (シラー 劇 場 ) 同 年 夏 のアレ 深 く 濃 厚 な 響 きのメゾ ソプラノの 声 ーナ ディ ヴェローナ 2011 年 1 月 の は 高 く 評 価 されている NHK 交 響 楽 団 メトロポリタン 歌 劇 場 同 年 2 月 のバ とは 初 共 演 イエルン 州 立 歌 劇 場 同 年 10 月 のシア ( 吉 田 光 司 )

Soloist テノール ディミトリ ピタス Dimitri Pittas Kristin Hoebermann ニューヨーク 生 まれのテノール ギリ シャ 系 米 国 人 メトロポリタン 歌 劇 場 の リンデマン 若 手 芸 術 家 養 成 プログラムを 修 了 2007 年 10 月 メトロポリタン 歌 劇 場 でのヴェルディ マクベス のマク ダフに 抜 擢 され 国 際 的 な 注 目 を 浴 びる マクダフは 2008 年 10 月 のバイエルン 州 立 歌 劇 場 2009 年 12 月 のウィーン 国 立 歌 劇 場 2011 年 6 月 のコヴェント ガ ーデン 王 立 歌 劇 場 でも 歌 っている また ドニゼッティ 愛 の 妙 薬 のネモリーノ オペラ 同 年 4 月 のメトロポリタン 歌 劇 場 同 年 7 月 のサンタフェ オペラなど) プッチーニ ボエーム のロドルフォ (2011 年 11 月 12 月 のメトロポリタン 歌 劇 場 2012 年 9 月 のフランクフルト 歌 劇 場 2012 年 11 月 のヒューストン グランド オペラ) ヴェルディ 椿 姫 のアルフレードなどの 役 を 得 意 としてい る 持 ち 前 の 瑞 々しい 美 声 に 輝 かしさが 加 わり 人 気 の 高 いテノールである NH (2009 年 2 月 のウェールズ ナショナル K 交 響 楽 団 とは 初 共 演 ( 吉 田 光 司 ) Philharmony April 2013 バス ユ ーリ ヴォロビ エフ Yuri Vorobiev レニングラード( 現 サンクトペテル 2011 年 8 月 のザルツブルク 音 楽 祭 でス ブルク) 生 まれのバス 生 地 のグリン トラヴィンスキー 夜 鳴 きうぐいす の カ アカデミック カペレ 合 唱 学 校 を 卒 業 僧 侶 2012 年 5 月 にはコヴェント ガー 後 サンクトペテルブルク 音 楽 院 で 学 デン 王 立 歌 劇 場 でのプッチーニ ボエー ぶ 2004 年 リムスキー コルサコフ 若 ム のコルリーネを 歌 っている 手 オペラ 歌 手 コンクールに 入 賞 2009 日 本 では 2011 年 2 月 のマリインス 年 にマリインスキー 劇 場 にソリストとし キー 劇 場 来 日 公 演 に 同 行 し プッチーニ て 所 属 芸 術 監 督 ワレリー ゲルギエフ トゥーランドット のティムール ベ の 大 きな 信 頼 を 得 て 同 劇 場 で 40 近 い ルリオーズ トロイ 人 のナルバル プ バス 役 を 歌 う 主 力 歌 手 として 活 躍 して リアムなど 4 役 を 歌 っている NHK 交 いる 国 際 的 活 動 も 多 い 2010 年 7 月 響 楽 団 とは 初 共 演 のエクサン プロヴァンス 音 楽 祭 および ( 吉 田 光 司 )

Chorus Program B C 合 唱 新 国 立 劇 場 合 唱 団 New National Theatre Chorus 新 国 立 劇 場 は オペラ バレエ コン テンポラリーダンス 演 劇 という 現 代 舞 台 芸 術 のためのわが 国 唯 一 の 国 立 の 劇 場 として 1997 年 10 月 に 開 場 した 新 国 立 劇 場 合 唱 団 も 劇 場 開 場 に 合 わせて 劇 場 で 行 われる 数 多 くのオペラ 公 演 の 核 を 担 う 合 唱 団 として 活 動 を 開 始 個 々の メンバーは 高 水 準 の 歌 唱 力 と 優 れた 演 技 力 をもち 合 唱 団 としての 高 いアンサ ンブル 能 力 と 豊 かな 声 量 は 公 演 ごとに 共 演 する 出 演 者 指 揮 者 演 出 家 スタ も 高 い 評 価 を 得 ている 近 年 は 新 国 立 劇 場 以 外 の 公 演 への 出 演 も 数 多 く 在 京 オーケストラの 定 期 演 奏 会 や 音 楽 鑑 賞 教 室 等 幅 広 く 活 動 して いる N 響 とは 2004 年 新 国 立 劇 場 公 演 神 々のたそがれ ( 準 メルクル 指 揮 ) 2007 年 NHK 音 楽 祭 (ネルロ サ ンティ 指 揮 )で 共 演 定 期 公 演 は 2011 年 2 月 チョン ミョンフン 指 揮 のマーラ ー 交 響 曲 第 3 番 2012 年 5 月 尾 高 忠 明 指 揮 のデュリュフレ レクイエム に ッフはもとより 国 内 外 のメディアから 出 演 している ( 柴 辻 純 子 )

Giuseppe Verdi 1813-1901 ヴェルディ レクイエム は 本 来 カトリッ ク 教 会 が 死 者 のために 執 行 する 数 多 くの ミサ のひとつである ミ サ はグレゴリオ 聖 歌 の 時 代 から 教 会 で 行 われてきた 儀 式 だが 14 世 紀 にギヨーム ド マショーが 見 事 な ミサ 曲 ノートルダム を 書 いて 以 来 ミサ で 語 られるラテン 語 の 通 常 文 に 音 楽 が 付 けられるようにな り ルネサンスからバロック そし て 古 典 派 の 時 代 までに 無 数 の ミサ 曲 が 書 かれた フランス 革 命 を 境 に ミサ 曲 は 量 産 されなくなる その 背 景 には 作 曲 家 たちの 多 くが 教 会 オルガニスト や 宮 廷 楽 長 という 職 業 から 解 放 され たことがある ロマン 主 義 時 代 の 作 曲 家 たちは 日 々の 仕 事 としてで はなく 自 己 の 精 神 の 発 露 として 宗 教 音 楽 を 書 いた したがってこの 分 野 で レクイエム に 数 々の 名 作 が 生 まれたのは 偶 然 ではないだろう 愛 と 死 はロマン 主 義 の 芸 術 家 たちの 大 きな 関 心 事 であったからだ オペラ 作 曲 家 ジュゼッペ ヴェル ディが 畑 違 いの 宗 教 音 楽 を 書 いたの は 詩 人 アレッサンドロ マンツォ ーニ(1785 ~ 1873)の 死 がきっか けだった マンツォーニはイタリア 人 の 精 神 的 支 柱 となる 歴 史 小 説 い いなずけ を 著 した 国 民 的 作 家 詩 レクイエム 人 で ヴェルディは 彼 の 作 品 を 深 く 愛 し 彼 の 高 い 知 性 を 尊 敬 していた 1873 年 5 月 にマンツォーニが 亡 く なると ヴェルディはこの 大 詩 人 を 追 悼 する レクイエム を 作 曲 して その 命 日 に 初 演 することを 考 え ミ ラノ 市 から 協 力 の 確 約 を 得 た じつはヴェルディが レクイエ ム を 書 こうとしたのはこれが 初 めてではなかった その 5 年 前 の 1868 年 にロッシーニが 亡 くなった 時 彼 はイタリア 人 作 曲 家 13 人 の 共 作 による レクイエム の 制 作 を 発 案 したことがある 計 画 は 途 中 で 破 綻 し 彼 の 手 許 には 自 分 の 分 担 と して 作 曲 した リベラ メ が 残 っ ていた この リベラ メ が 今 度 一 人 で 作 曲 する レクイエム の 構 想 の 核 になったのである 作 曲 はその 年 の 秋 から 冬 にかけて 自 宅 のサンタガタと 避 寒 地 のジェノ ヴァで 進 められ 翌 年 4 月 にはほ ぼ 全 曲 が 完 成 した 宗 教 曲 とはいえ オペラ 作 曲 家 としての 表 現 方 法 が 変 化 したわけではない ソロの 歌 手 や 合 唱 は 生 々しい 感 情 を 伝 える 現 世 的 な 響 きをもっているし オーケスト ラの 響 きも 運 命 の 力 や アイー ダ で 聴 衆 を 興 奮 させるものと 変 わ らない しかし 精 神 性 は 違 う 劇 場 の 効 果 を 狙 った 娯 楽 的 な 要 素 はまっ Philharmony April 2013

Program B C たく 影 をひそめ 避 けることのでき ない 死 への 恐 怖 と 祈 りが 真 正 面 から 描 かれている 若 い 頃 から 鍛 えてき つちか た 対 位 法 の 技 術 とオペラで 培 った 劇 的 な 語 法 を 駆 使 しながら ヴェルデ ィは 死 を 前 にした 人 間 の 嘘 偽 りのな い 感 情 を 芸 術 作 品 へ 昇 華 することに 成 功 したのである 初 演 は 予 定 どおりマンツォーニ の 一 周 忌 (1874 年 5 月 22 日 )にミ ラノのサン マルコ 教 会 で 行 われた ヴェルディ 自 らが 指 揮 棒 をもち ミ ラノ スカラ 座 を 中 核 とする 100 名 のオーケストラと 120 名 の 合 唱 に 当 時 の 一 級 のヴェルディ 歌 手 であっ たテレーザ ストルツ(ソプラノ) マリア ヴァルトマン(メゾ ソプラ ノ) ジュゼッペ カッポーニ(テノ ール) オルモンド マイーニ(バ ス)がソロをつとめた 公 演 はスカ ラ 座 でも 3 回 繰 り 返 され センセー ショナルな 成 功 を 収 めた 翌 年 から は 外 国 ツアーも 行 われ 各 地 で 熱 狂 的 な 反 響 を 呼 び 起 こした ちなみに 1875 年 ロンドンのアルバート ホー ルで 行 われた 公 演 では 第 2 曲 怒 り の 日 の 書 きしるされた 書 物 は が 合 唱 から 現 在 のメゾ ソプラノ 独 唱 に 書 き 変 えられ 最 終 的 なかたち が 次 のように 確 定 した なお 以 下 の 分 類 はシカゴ 大 学 による 批 判 校 訂 版 ( 全 集 版 )による 第 1 曲 永 遠 の 安 息 を 与 えたまえ と 主 よ あわれみたまえ ( 四 重 唱 と 合 唱 ) 第 2 曲 怒 りの 日 ( 四 重 唱 と 合 唱 ) 怒 りの 日 ( 合 唱 ) 不 思 議 なラッパの 音 ( 合 唱 ) 死 は 驚 く(バス) 書 きしるされた 書 物 は(メゾ ソ プラノ) 哀 れな 私 ( 三 重 唱 :ソプラノ メ ゾ ソプラノ テノール) みいつの 大 王 ( 四 重 唱 と 合 唱 ) 思 い 出 させたまえ( 二 重 唱 :ソプ ラノ メゾ ソプラノ) 私 は 嘆 く(テノール) 判 決 を 受 けた のろわれた 者 は (バス) 涙 の 日 よ( 四 重 唱 と 合 唱 ) 第 3 曲 主 イエスよ ( 四 重 唱 ) 第 4 曲 聖 なるかな ( 二 重 合 唱 に よるフーガ) 第 5 曲 神 の 小 羊 ( 二 重 唱 [ソプ ラノ メゾ ソプラノ]と 合 唱 ) 第 6 曲 永 遠 の 光 を ( 三 重 唱 :メ ゾ ソプラノ テノール バス) 第 7 曲 われを 許 したまえ (ソプ ラノと 合 唱 ) フーガ フィナーレ ( 小 畑 恒 夫 ) 作 曲 年 代 :1873 ~ 1874 年 ランペット 4 トロンボーン 3 チンバッソ 1 初 演 :1874 年 5 月 22 日 ミラノ サン マル ティンパニ 1 大 太 鼓 弦 楽 合 唱 バンダ: コ 教 会 にて 作 曲 者 自 身 の 指 揮 トランペット 4( 指 揮 者 の 意 向 により 倍 管 の 8 楽 器 編 成 :フルート 3(ピッコロ 1) オーボエ 2 本 で 演 奏 ) クラリネット 2 ファゴット 4 ホルン 4 ト

ヴェルディ Verdi I. REQUIEM E KYRIE Requiem æternam dona eis, Domine: et lux perpetua luceat eis. レクイエム 歌 詞 対 訳 Messa da requiem 対 訳 : 今 谷 和 徳 Translation: Kazunori Imatani I. レクイエムとキリエ 主 よ 永 遠 の 安 息 を 彼 らに 与 え たえざる 光 を 彼 らの 上 に 照 らしたまえ Philharmony April 2013 Te decet hymnus, Deus, in Sion, et tibi reddetur votum in Jerusalem: exaudi orationem meam, ad te omnis caro veniet. 神 よ 御 身 に 賛 歌 をささぐるはシオンがふさわし エルサレムにて 御 身 に 誓 いは 果 たさる わが 祈 りききたまえ すべての 肉 体 は 御 身 に 来 らん Requiem æternam dona eis, Domine: et lux perpetua luceat eis. 主 よ 永 遠 の 安 息 を 彼 らに 与 え たえざる 光 を 彼 らの 上 に 照 らしたまえ Kyrie eleison, Christe eleison, Kyrie eleison, Christe eleison, Kyrie eleison. 主 よ あわれみたまえ キリストよ あわれみたまえ 主 よ あわれみたまえ キリストよ あわれみたまえ 主 よ あわれみたまえ II. DIES IRAE DIES IRAE Dies iræ, dies illa solvet sæclum in favilla, teste David cum Sibylla. II. ディエ ス イレ ディエ ス イレ 怒 りの 日 その 日 こそ ダヴィドとシビラの 予 言 のごとく この 世 は 灰 に 帰 さん Quantus tremor est futurus, quando judex est venturus, cuncta stricte discussurus! すべてを 厳 しくたださんと 審 判 者 が 来 たもう 時 いかに 恐 ろしきものならん TUBA MIRUM Tuba mirum spargens sonum per sepulchra regionum, coget omnes ante thronum. トゥーバ ミルム 全 土 の 墓 に 不 思 議 なる 響 きを 振 りまくラッパが すべての 者 を 玉 座 の 前 に 集 めん MORS STUPEBIT Mors stupebit et natura cum resurget creatura, judicanti responsura. モ ルス ストゥペビト 審 判 者 に 答 えんと 造 られしものがよみがえる 時 死 と 自 然 とは 驚 かん

Program B LIBER SCRIPTUS Liber scriptus proferetur, in quo totum continetur, unde mundus judicetur. Judex ergo cum sedebit, quidquid latet apparebit, nil inultum remanebit. リベ ル スクリプトゥス すべてを 書 き 記 したる 書 物 が この 世 を 裁 かんとて 差 し 出 されん かくて 審 判 者 が 坐 したもう 時 隠 れたるものはすべてあらわれ 裁 かざるものなからん Dies iræ, dies illa solvet sæclum in favilla, teste David cum Sibylla. 怒 りの 日 その 日 こそ ダヴィドとシビラの 予 言 のごとく この 世 は 灰 に 帰 さん QUID SUM MISER Quid sum miser tunc dicturus, Quem patronum rogaturus, Cum vix justus sit securus? クイド ス ム ミゼ ル その 時 哀 れなるわれは 何 を 言 わん 正 しき 者 さえ 安 らかならざるに いかなる 保 護 者 をたのまん REX TREMENDAE Rex tremendæ majestatis, qui salvandos salvas gratis, salva me, fons pietatis. レ クス トレメン デ 御 恵 みもて 救 わるるべきものを 救 いたもう おそるべき 力 もてる 王 よ 仁 慈 の 泉 よ われを 救 いたまえ RECORDARE Recordare Jesu pie, quod sum causa tuæ viæ ne me perdas illa die. レコルダーレ 慈 悲 深 きイエスよ 心 にとめたまえ 御 身 わがために 来 たまえることを その 日 われを 滅 ぼしたもうことなかれ Quærens me, sedisti lassus, redemisti crucem passus: tantus labor non sit cassus. 御 身 われを 求 めて 疲 れて 坐 し 十 字 架 を 受 けてあがないたまいぬ かかる 辛 苦 を 無 にしたもうことなかれ Juste judex ultionis, donum fac remissionis ante diem rationis. 正 しく 罰 したもう 審 判 者 よ 評 価 を 下 す 日 の 前 に 赦 しの 御 恵 みを 与 えたまえ INGEMISCO Ingemisco tamquam reus: culpa rubet vultus meus: supplicanti parce Deus. インジェミスコ われ 罪 人 として 嘆 き わが 顔 罪 によりて 赤 らむ 神 よ 嘆 願 し 奉 るわれを 惜 しみたまえ

Qui Mariam absolvisti, et latronem exaudisti, mihi quoque spem dedisti. Preces meæ non sunt dignæ, sed tu bonus fac benigne, ne perenni cremer igne. マグダラのマリアを 解 き 放 ち 盗 賊 の 願 いを 聞 きいれたまいし 御 身 は われにも 希 望 を 与 えたまいぬ わが 懇 願 は 価 値 なきものなれど 慈 悲 深 き 御 身 御 恵 みもて われらが 永 遠 なる 火 にて 焼 かるることなき ようなしたまえ Philharmony April 2013 Inter oves locum præsta, et ab hædis me sequestra, statuens in parte dextra. 羊 の 群 れにわれを 置 き 牡 山 羊 より 引 き 離 し 御 身 が 右 に 置 きたまえ CONFUTATIS Confutatis maledictis. flammis acribus addictis, voca me cum benedictis. コンフターティス 呪 われしもの 罰 せられ 烈 しき 火 の 中 におとさるる 時 祝 福 されしものとともにわれを 呼 びたまえ Oro supplex et acclinis, cor contritum quasi cinis, gere curam mei finis. われ 灰 のごとく 砕 かれし 心 にて ひざまずき 伏 して 懇 願 し 奉 る わが 終 わりの 時 に 心 を 配 りたまえ Dies iræ, dies illa solvet sæclum in favilla, teste David cum Sibylla. 怒 りの 日 その 日 こそ ダヴィドとシビラの 予 言 のごとく この 世 は 灰 に 帰 さん LACRYMOSA Lacrymosa dies illa, qua resurget ex favilla, judicandus homo reus. huic ergo parce Deus: ラクリモーザ 罪 ある 人 が 裁 かるるため 灰 よりよみがえるその 日 こそ 涙 の 日 なり されば 神 よ 彼 を 惜 しみたまえ Pie Jesu, Domine, dona eis requiem. Amen. 主 よ 慈 悲 深 きイエスよ 永 遠 の 安 息 を 彼 らに 与 えたまえ アーメン III. OFFERTORIO Domine Jesu Christe, Rex gloriæ, libera animas omnium fidelium defunctorum de pœnis inferni, et de profundo lacu: libera eas de ore leonis, III. オフェルトリオ 主 イエ ス キリスト 栄 光 の 王 よ すべての 死 せる 信 者 の 霊 魂 を よみの 刑 罰 深 き 淵 より 救 いたまえ 獅 子 の 口 よリ 彼 らを 救 い

Program B ne absorbeat eas tartarus, ne cadant in obscurum: sed signifer sanctus Michael repræsentet eas in lucem sanctam. Quam olim Abrahæ promisisti, et semini ejus. 彼 らが 地 獄 にのみこまれず 暗 黒 に 落 ちこまぬよう 旗 手 聖 ミカエルが 彼 らを 清 き 光 明 に 導 かれんことを かつて 御 身 がアブラハムと その 子 孫 に 約 したまいし 生 命 に Hostias et preces tibi, Domine, laudis offerimus: tu suscipe pro animabus illis, quarum hodie memoriam facimus: fac eas, Domine, de morte transire ad vitam. 主 よ われらいけにえと 賛 美 の 祈 りとを 御 身 にささぐ 今 日 われらの 記 念 する 霊 魂 のために それを 受 けいれたまえ 主 よ 彼 らを 死 より 生 へと 移 したまえ Quam olim Abrahæ promisisti et semini ejus. かつて 御 身 がアブラハムとその 子 孫 に 約 したまいし 生 命 に Libera animas omnium fidelium defunctorum de pœnis inferni. fac eas de morte transire ad vitam. すべての 死 せる 信 者 の 霊 魂 を よみの 刑 罰 より 救 いたまえ 彼 らを 死 より 生 へと 移 したまえ IV. SANCTUS Sanctus, Sanctus, Sanctus, Dominus Deus Sabaoth! Pleni sunt cœli et terra gloria tua, Hosanna in excelsis. Benedictus qui venit in nomine Domini, Hosanna in excelsis. IV. サンクトゥス 聖 なるかな 聖 なるかな 聖 なるかな 万 軍 の 神 なる 主 よ 主 の 栄 光 は 天 地 にみつ 天 のいと 高 きところにホザンナ ほむべきかな 主 のみ 名 によりて 来 る 者 天 のいと 高 きところにホザンナ V. AGNUS DEI Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona eis requiem; Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona eis requiem; Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona eis requiem sempiternam. V. アニュス デイ 神 の 小 羊 世 の 罪 を 除 きたもう 主 よ 彼 らに 安 息 を 与 えたまえ 神 の 小 羊 世 の 罪 を 除 きたもう 主 よ 彼 らに 安 息 を 与 えたまえ 神 の 小 羊 世 の 罪 を 除 きたもう 主 よ 永 遠 の 安 息 を 与 えたまえ

VI. LUX AETERNA Lux æterna luceat eis, Domine, Cum sanctis tuis in æternum, quia pius es. Requiem æternam dona eis, Domine: et lux perpetua luceat eis. Cum sanctis tuis in æternum, quia pius es. VI. ルクス エテルナ 主 よ 永 遠 の 光 を 彼 らの 上 に 照 らしたまえ 永 遠 に 御 身 の 聖 人 らとともに 御 身 慈 悲 深 きゆえに 主 よ 永 遠 の 安 息 を 彼 らに 与 え たえざる 光 を 彼 らの 上 に 照 らしたまえ 永 遠 に 御 身 の 聖 人 らとともに 御 身 慈 悲 深 きゆえに Philharmony April 2013 VII. LIBERA ME Libera me, Domine, de morte æterna, in die illa tremenda: Quando cœli movendi sunt et terra. Dum veneris judicare sæculum per ignem. VII. リベラ メ 主 よ この 恐 るべき 日 に われを 永 遠 の 死 より 解 き 放 ちたまえ この 日 天 と 地 はゆれ 動 き 御 身 火 によりて この 世 を 裁 くために 来 りたまわん Tremens factus sum ego et timeo, dum discussio venerit atque ventura ira, Quando cœli movendi sunt et terra. われは 震 えをなし 審 判 の 下 る 時 また 来 るべき 怒 りに 恐 れおののく この 日 天 と 地 はゆれ 動 く Dies iræ, dies illa, calamitatis et miseriæ, dies magna et amara valde. Dum veneris judicare sæculum per ignem. この 日 は 怒 りの 日 惨 禍 と 悲 惨 の 日 まことに 辛 き 大 いなる 日 なり 御 身 火 によりて この 世 を 裁 くために 来 りたまわん Requiem æternam dona eis, Domine, et lux perpetua luceat eis. 主 よ 永 遠 の 安 息 を 彼 らに 与 え たえざる 光 を 彼 らの 上 に 照 らしたまえ Libera me, Domine, de morte æterna, in die illa tremenda: Quando cœli movendi sunt et terra. Dum veneris judicare sæculum per ignem. Libera me. 主 よ この 恐 るべき 日 に われを 永 遠 の 死 より 解 き 放 ちたまえ この 日 天 と 地 はゆれ 動 く 御 身 火 によりて この 世 を 裁 くために 来 りたまわん われを 解 き 放 ちたまえ

Program B シリーズ 名 曲 の 深 層 を 探 る 第 7 回 オペラと 宗 教 音 楽 ヴェルディの レクイエム は 宗 教 音 楽 か 今 谷 和 徳 19 世 紀 のイタリアにおけるオペ ラ 界 の 巨 匠 ジュゼッペ ヴェルディ (1813 ~ 1901)は オペラ 以 外 にも 合 唱 曲 や 歌 曲 などの 声 楽 作 品 をいく つか 残 している その 中 の 最 高 傑 作 が 晩 年 の レクイエム であること は 誰 もが 認 めるところだろう レク イエムは カトリック 教 会 の 典 礼 で 用 いられる 死 者 のためのミサ 曲 のことだが ヴェルディの レクイ エム は 典 礼 で 歌 われるものとい うより むしろコンサート ホール で 演 奏 されるのにふさわしい 性 格 を もった 作 品 である そのためしばし ば 教 会 の 精 神 とは 相 いれないオペ ラ 的 な 作 品 だ との 批 判 も 聞 かれる たしかに この 作 品 の 劇 的 な 性 格 は 随 所 にみられる 典 型 的 なものは 全 曲 の 中 心 となる 第 2 曲 怒 りの 日 (ディエス イレ) の 冒 頭 部 分 だろ う 激 しくたたきつけるような 管 弦 楽 とともに 男 声 合 唱 が 力 強 く 歌 い 出 すところは 最 後 の 審 判 の 恐 ろし い 情 景 が すさまじい 迫 力 で 表 現 さ れており ヴェルディが 生 み 出 して きたオペラの 一 場 面 を 思 い 浮 かべる ほどである しかし それをもって 宗 教 的 でないとする 批 判 はあたらな いのではないだろうか ヴェルディがこの 作 品 を 生 み 出 す ことになったきっかけは 敬 愛 する 先 輩 のロッシーニの 死 で 他 の 数 人 の 作 曲 家 たちとともにロッシーニの 追 悼 をしようとしたのである 結 局 それは 実 現 することはなかったが しばらくして これまた 尊 敬 してい た 詩 人 のマンツォーニの 死 を 受 けて 改 めて 一 人 で レクイエム を 完 成 させ 詩 人 の 一 周 忌 にミラノの 教 会 で 自 らの 指 揮 により 初 演 したのであ る 曲 の 性 格 がオペラ 的 なものであ るとはいえ それは ヴェルディな りの 宗 教 的 心 情 の 表 現 であり ロマ ン 主 義 の 時 代 にふさわしい 感 情 の 表 出 であったといえよう 現 在 最 古 のオペラは 宗 教 音 楽 だった? そもそも オペラと 宗 教 音 楽 は 相 いれない 全 く 別 のジャンルなのだ ろうか オペラという 音 楽 劇 が 登 場 したの は 周 知 のように 16 世 紀 末 のこと で 史 上 最 初 のオペラは フィレン ツェの 作 曲 家 ヤコポ ペーリ(1561 ~ 1633)の ダフネ である こ