Company Research and Analysis Report FISCO Ltd. http://www.fisco.co.jp 伪 伪 経 営 目 標 は 売 上 高 で 3.2 倍 経 常 利 益 で 4.4 倍 増 <2487> は 企 業 の 販 促 用 グッズの 企 画 製 造 販 売 から POP SNS などを 活 用 したマー ケティングソリューションへ 事 業 領 域 を 展 開 している 無 借 金 経 営 で 財 務 体 質 も 良 好 だ 現 在 は JASDAQ 市 場 に 上 場 しているが 東 証 2 部 上 場 を 目 指 し 社 内 体 制 の 強 化 を 進 めている Important disclosures and disclaimers appear at the back of this document. 企 業 調 査 レポート 執 筆 客 員 アナリスト 佐 藤 譲 2015 年 3 月 期 の 業 績 は 売 上 高 が 前 期 比 7.8% 増 の 10,948 百 万 円 経 常 利 益 が 同 8.0% 増 の 794 百 万 円 と 増 収 増 益 の 決 算 となった 売 上 高 の 40% 程 度 を 占 めるマーケティングソ リューション 領 域 において 大 型 の 受 注 案 件 獲 得 が 増 加 したことが 寄 与 した 2016 年 3 月 期 は 売 上 高 が 前 期 比 0.5% 増 の 11,000 百 万 円 経 常 利 益 が 同 11.9% 減 の 700 百 万 円 と 減 益 に 転 じる 見 通 し 前 期 に 寄 与 した 大 型 案 件 が 一 巡 し 売 上 高 が 微 増 にとどまるの に 対 し 人 員 体 制 の 強 化 により 人 件 費 を 中 心 とした 費 用 増 が 減 益 要 因 となるが 保 守 的 な 印 象 が 強 い 同 社 は アドテクノロジー 技 術 領 域 への 強 化 を 進 めている 従 来 のマーケティングソリュー ションにアドテクノロジー 技 術 を 取 り 込 み, ソリューションサービスとして 提 供 していくことを 検 討 している アドテクノロジー 技 術 を 活 用 することで ターゲットとする 顧 客 属 性 にピンポイント で 販 促 施 策 を 打 てるようになり 費 用 対 効 果 の 向 上 が 図 られることになる 同 社 ではアドテク ノロジー 技 術 の 活 用 により 地 方 拠 点 やインバウンド 需 要 なども 取 り 込 みながら マーケティ ングソリューション 領 域 の 売 上 高 拡 大 を 進 めていく 方 針 で 同 領 域 の 収 益 を 売 上 高 構 成 比 で 60% 程 度 まで 引 き 上 げていく 考 えだ また この 領 域 を 迅 速 に 強 化 していくため 業 務 提 携 や M&A なども 視 野 に 入 れているようだ 株 主 還 元 策 として 配 当 に 関 しては 配 当 性 向 30% を 目 途 に 安 定 的 かつ 着 実 な 増 配 を 進 め ていく 方 針 で 2016 年 3 月 期 は 1 株 当 たり 26.0 円 ( 配 当 性 向 36.1%) を 予 定 している また 株 主 優 待 制 度 としては 9 月 末 の 株 主 (100 株 以 上 ) に 高 級 ボックスティッシュ (20 箱 ) を 贈 呈 している 伪 伪 Check Point 販 促 用 グッズの 市 場 は 3,000 5,000 億 円 実 際 の 販 売 現 場 において 競 合 と 差 別 化 収 益 性 を 重 視 しながら 着 実 な 拡 大 ROE12% 台 は 業 界 平 均 を 大 幅 に 上 回 る 配 当 性 向 30% がめど 業 績 拡 大 に 合 わせた 着 実 な 配 当 増 1
売 上 高 経 常 利 益 の 推 移 ( 百 万 円 ) 売 上 高 ( 左 軸 ) 経 常 利 益 ( 右 軸 ) ( 百 万 円 ) 11,500 1,000 840 794 900 11,000 735 700 800 660 10,500 700 10,000 9,500 9,000 8,500 8,000 10,450 9,239 10,157 10,948 11,000 12/3 期 13/3 期 14/3 期 15/3 期 16/3 期 ( 予 ) 600 500 400 300 200 100 0 伪 伪 会 社 概 要 販 促 用 グッズで 事 業 を 拡 大 米 国 や 地 域 特 産 品 の 分 野 へも 進 出 (1) 会 社 沿 革 同 社 は 1974 年 4 月 に 設 立 当 初 は 和 用 紙 の 加 工 販 売 からスタートし 企 業 の 販 促 用 グッ ズとしてポケットティッシュの 製 造 販 売 やその 他 の 販 促 用 グッズ (メモ 帳 など) 景 品 などへと 取 扱 商 品 を 拡 大 していった 当 初 は 大 手 広 告 代 理 店 や 印 刷 会 社 の 下 請 け 的 な 存 在 であったが 1996 年 頃 から 顧 客 企 業 との 直 接 取 引 を 開 始 してからは 売 上 規 模 の 拡 大 だけでなく 収 益 性 も 向 上 し 2006 年 6 月 にはジャスダック 取 引 所 ( 現 東 京 証 券 取 引 所 JASDAQ 市 場 ) に 株 式 上 場 を 果 たすまでに 成 長 していった また 2012 年 3 月 には 米 国 の 日 系 現 地 企 業 の 販 促 支 援 や 映 画 コンテンツ 先 進 的 なセー ルスプロモーション 手 法 の 情 報 収 集 などを 目 的 に Promotional Marketing Co., Ltd を 子 会 社 として 設 立 したほか 2013 年 10 月 には 地 域 特 産 品 の 商 品 開 発 販 売 支 援 事 業 を 手 掛 ける 株 式 会 社 ゴールドボンド ( 以 下 ゴールドボンド 社 ) を 完 全 子 会 社 化 するなど 更 なる 成 長 に 向 け 積 極 的 な 事 業 展 開 を 進 めている なお 社 名 の の 由 来 は 元 々の 会 社 名 である クリエート (Create) と 顧 客 に 夢 を 提 供 する (Dream) グローバル 企 業 に 成 長 する (Global) の 3 つの 頭 文 字 を 採 ったもの である 会 社 沿 革 年 月 主 な 沿 革 1974 年 4 月 株 式 会 社 クリエート ( 現 株 式 会 社 ) を 大 阪 市 西 区 靱 本 町 に 資 本 金 2,000 千 円 にて 設 立 1975 年 6 月 岐 阜 県 岐 阜 市 に 岐 阜 工 場 を 設 置 し ポケットティッシュの 製 造 を 開 始 2006 年 5 月 株 式 会 社 に 商 号 を 変 更 2006 年 6 月 ジャスダック 証 券 取 引 所 に 上 場 2012 年 3 月 米 国 カリフォルニア 州 に Promotional Marketing Co., Ltd. を 設 立 2013 年 10 月 株 式 会 社 ゴールドボンドを 完 全 子 会 社 化 2
会 社 概 要 企 画 力 に 加 え 短 期 間 で 一 定 品 質 以 上 の 販 促 グッズを 調 達 納 品 する 調 達 力 に 強 み (2) 事 業 内 容 同 社 グループは 同 社 と 連 結 子 会 社 3 社 (ポケットティッシュ 製 造 子 会 社 ゴールドボンド 社 米 販 売 子 会 社 )で 構 成 されている 事 業 としては 企 業 が 販 売 活 動 として 行 うセールスプロモー ション ( 以 下 SP) 活 動 の 中 で 使 用 する 販 促 用 グッズの 企 画 及 び 製 造 販 売 を 主 にマーケティ ン 支 援 事 業 を 展 開 しており 取 引 先 は 約 2,000 社 にのぼる 企 業 の SP 活 動 とは 企 業 が 売 上 高 目 標 達 成 やマーケットシェア 向 上 を 目 的 に 消 費 者 の 購 入 を 促 進 するための 販 促 グッズの 配 布 特 定 期 間 に 実 施 する 販 売 キャンペーンなど 商 品 の 売 り 上 げに 直 結 するような 販 売 促 進 活 動 を 指 す 販 促 用 グッズには 様 々なアイテムがあり 同 社 ではこうした 販 促 用 グッズやキャンペーンな どを 顧 客 企 業 に 企 画 提 案 し 受 注 につなげていくビジネスモデルとなるが 受 注 を 獲 得 する ためには 売 り 上 げ 増 に 貢 献 する 魅 力 ある 企 画 力 だけでなく 短 期 間 で 一 定 品 質 以 上 の 販 促 用 グッズを 調 達 し 顧 客 企 業 に 納 入 する 商 品 調 達 力 が 必 要 となる 同 社 ではグッズに 関 し ては 全 て 外 注 しており 外 注 先 は 国 内 に 約 600 社 あるほか 中 国 からの 仕 入 れも 行 っている 中 国 からの 仕 入 率 は 金 額 ベースで 全 体 の 11.0% となっており このうち 直 接 仕 入 れが 半 分 程 度 で 残 りの 半 分 が 商 社 経 由 での 調 達 となっている 同 社 の 売 上 高 の 約 30% は 販 促 用 グッズで 占 められるが その 他 にも 店 舗 内 に 設 置 する POP の 企 画 などのインストアマーケティングや 企 業 のブランドイメージ 向 上 につながるユニ フォームの 企 画 販 売 大 手 SNS を 活 用 したデジタルプロモーションなどを 中 心 に 商 品 開 発 ライセンス 管 理 サンプリング イベント 販 路 開 拓 など マーケティングソリューション 分 野 における 事 業 領 域 を 手 掛 けており 顧 客 が 求 める 販 促 施 策 に 対 応 できる 体 制 となってい る 現 在 売 上 高 比 率 で 40% 程 度 である 同 分 野 をさらに 拡 大 させていく 方 針 である 販 促 用 グッズの 市 場 は 3,000 5,000 億 円 実 際 の 販 売 現 場 に おいて 競 合 と 差 別 化 (3) 市 場 規 模 と 競 合 について 同 社 が 主 力 とする 販 促 用 グッズの 国 内 市 場 規 模 は 年 間 で 3,000 ~ 5,000 億 円 規 模 とみられ ており 同 社 の 市 場 シェアは 2 ~ 3% 程 度 である また マスメディアやコンテンツまで 含 め た SP 市 場 の 規 模 は 10 兆 円 規 模 となり これらが 同 社 の 事 業 領 域 として 位 置 付 けられる こ うした 企 業 の 販 促 活 動 にかかる 予 算 は 企 業 の 業 績 動 向 に 影 響 を 受 けやすいため 企 業 業 績 が 好 調 なときは 販 促 費 も 積 極 的 に 投 下 ( 先 行 投 資 ) される 傾 向 にあると 言 える 販 促 用 グッズ 市 場 における 競 合 企 業 としては 大 手 広 告 代 理 店 や 印 刷 会 社 百 貨 店 の 外 商 部 門 のほか 数 多 くの 企 業 があり 競 争 が 激 しい 業 界 となっている 同 社 では 販 促 プロモー ションの 企 画 運 営 能 力 や 販 促 用 グッズの 調 達 生 産 管 理 能 力 だけでなく POP やデジ タルプロモーションも 含 めた 総 合 的 な 提 案 を 行 えることを 強 みとしており これを 他 社 との 差 別 化 要 因 としている なお 大 手 広 告 代 理 店 においても 同 様 のリソースはあるが マスメディア を 活 用 した 提 案 に 偏 りがちで 実 際 の 販 売 現 場 において 直 接 的 な 売 り 上 げ 増 効 果 につながる 販 促 プロモーションの 企 画 力 に 関 しては 同 社 が 強 みを 発 揮 する 分 野 となっている 3
伪 伪 業 績 動 向 前 期 は 増 収 増 益 O2O マーケ 強 化 で 案 件 大 型 化 (1) 2015 年 3 月 期 業 績 2015 年 3 月 期 の 連 結 業 績 は 売 上 高 が 前 期 比 7.8% 増 の 10,948 百 万 円 営 業 利 益 が 同 6.1% 増 の 778 百 万 円 経 常 利 益 が 同 8.0% 増 の 794 百 万 円 当 期 純 利 益 が 同 11.5% 増 の 501 百 万 円 と 増 収 増 益 決 算 となり ほぼ 会 社 計 画 の 範 囲 内 での 着 地 となった 2015 年 3 月 期 連 結 業 績 ( 単 位 : 百 万 円 ) 14/3 期 15/3 期 実 績 売 上 高 比 会 社 計 画 実 績 売 上 高 比 前 期 比 計 画 比 売 上 高 10,157-10,700 10,948-7.8% 2.3% 売 上 総 利 益 2,749 27.1% - 2,946 26.9% 7.2% - 販 管 費 2,015 19.8% - 2,168 19.8% 7.6% - 営 業 利 益 733 7.2% 800 778 7.1% 6.1% -2.8% 経 常 利 益 735 7.2% 800 794 7.3% 8.0% -0.8% 当 期 純 利 益 449 4.4% 480 501 4.6% 11.5% 4.3% 企 業 業 績 の 回 復 など 国 内 の 景 況 感 が 上 向 きとなるなかで SP 市 場 においても 需 要 は 引 き 続 き 堅 調 に 推 移 した こうした 環 境 下 において 同 社 では 販 促 グッズの 供 給 に 加 えて WEB 関 連 や POP イベントキャンペーンなどマーケティングソリューション 分 野 の 営 業 強 化 を 進 め たことが 業 績 の 拡 大 につながった 特 に スマートフォンの 普 及 を 背 景 に SNS を 利 用 し た WEB プロモーションと 店 頭 での 販 促 施 策 を 連 動 させた O2O のマーケティングソリューショ ンを 強 化 したことで 受 注 案 件 の 大 型 化 が 進 んだことが 当 期 の 特 徴 として 挙 げられる 顧 客 の 産 業 分 野 別 売 上 高 でみると 全 体 の 6 割 強 を 占 める 衣 食 住 流 通 産 業 向 けが 前 期 比 17.3% 増 の 6,714 百 万 円 と 大 きく 伸 び 情 報 通 信 産 業 や 金 融 保 険 業 などその 他 分 野 の 減 収 分 をカバーした 格 好 だ 産 業 分 野 別 の 売 上 高 衣 食 住 流 通 産 業 分 野 情 報 通 信 産 業 分 野 金 融 保 険 産 業 分 野 その 他 ( 百 万 円 ) 12,000 11,000 10,000 9,000 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 723 1,043 788 515 442 692 524 883 478 2,995 487 2,354 3,118 2,036 2,615 5,404 6,610 5,451 5,725 6,714 11/3 期 12/3 期 13/3 期 14/3 期 15/3 期 4
業 績 動 向 特 に 当 期 は サッカーのワールドカップに 合 わせてスポーツ 用 品 メーカー 向 けにウェアや 雑 貨 類 など 合 わせて 115 種 のグッズを 企 画 販 売 したほか 大 手 コンビニエンスストアと 人 気 キャ ラクター エヴァンゲリオン を 用 いた 販 売 プロモーションを 全 国 規 模 で 展 開 するなど 大 型 受 注 案 件 の 増 加 が 目 立 った また 製 薬 業 界 向 けでは 外 資 系 企 業 を 中 心 に POP やフィール ドマーチャンダイジングの 需 要 が 旺 盛 だったほか 自 動 車 業 界 向 けも 消 費 増 税 の 逆 風 が 吹 く 中 で 販 促 施 策 が 活 発 化 し 好 調 に 推 移 した 情 報 通 信 業 界 向 けでは 全 体 ではやや 減 収 となっ たが 新 たに 通 信 キャリア 大 手 1 社 の 顧 客 獲 得 など 新 規 顧 客 の 開 拓 は 順 調 に 進 んでいる 同 様 に 不 動 産 住 宅 分 野 でも O2O によるマーケティング 施 策 の 効 果 が 高 いことから 戦 略 的 に 開 拓 を 進 めている 一 方 低 調 だったのは 化 粧 品 業 界 向 けで 景 品 の 需 要 減 少 が 響 い た 格 好 だ また 金 融 保 険 業 界 向 けも 減 収 となっているが これは NISA 特 需 の 反 動 減 が 出 た 格 好 となっている アドヒアランス 治 療 方 針 の 決 定 について 患 者 自 身 が 積 極 的 に 参 加 し その 決 定 に 沿 って 治 療 を 受 けること なお 製 薬 業 界 向 けでは SP の 政 策 変 更 により 販 促 用 ギミックの 減 少 が 続 いているが IT システムを 使 った 新 たな SP ソリューションの 強 化 が 進 んでいる 具 体 的 には 調 剤 薬 局 で 薬 剤 師 が 投 薬 の 際 に 必 ず 確 認 する 電 子 薬 歴 システムの 画 面 に ポップアップで アドヒアラン ス 情 報 を 表 示 することで 患 者 の 服 薬 を 継 続 させる 仕 組 みを 製 薬 メーカーに 提 案 している 薬 局 向 けにマーケティング 支 援 事 業 を 行 うサンクスネットと 業 務 提 携 し アドヒアランス 情 報 を 表 示 するプログラムを 開 発 2013 年 4 月 より 約 1,500 店 舗 の 薬 局 で 実 証 試 験 を 開 始 してきたが 2015 年 3 月 時 点 で 4,000 ~ 5,000 店 舗 に 同 システムの 導 入 が 進 んだことで 外 資 系 メーカーを 中 心 に 受 注 実 績 が 増 加 している 同 社 では 導 入 店 舗 が 10,000 店 舗 を 超 えて くれば マーケティングツールとしての 重 要 性 も 高 まり 受 注 のさらなる 拡 大 につながっていく ものとみている 収 益 性 を 重 視 しながら 着 実 な 拡 大 ROE12% 台 は 業 界 平 均 を 大 幅 に 上 回 る (2) 財 務 状 況 2015 年 3 月 末 の 財 務 状 況 をみると 総 資 産 は 前 期 末 比 111 百 万 円 増 の 6,581 百 万 円 となっ た 主 な 増 減 要 因 をみると 現 預 金 が 227 百 万 円 減 少 した 一 方 で 売 上 債 権 が 310 百 万 円 増 加 した 一 方 負 債 は 前 期 末 比 385 百 万 円 減 少 の 2,249 百 万 円 となった 支 払 債 務 が 329 百 万 円 減 少 したのが 主 因 となっている また 純 資 産 に 関 しては 前 期 末 比 496 百 万 円 増 加 の 4,332 百 万 円 となった 利 益 剰 余 金 が 416 百 万 円 増 加 したほか 保 有 有 価 証 券 の 評 価 差 額 金 が 60 百 万 円 増 加 した 経 営 指 標 をみると 流 動 比 率 で 200% を 超 えているほか 自 己 資 本 比 率 も 60% を 超 えて おりこと 有 利 子 負 債 も 無 いことから 財 務 体 質 は 良 好 な 状 態 にあると 言 える また 収 益 性 に 関 してみれば ROA ROE ともに 12% 台 と 業 界 平 均 ( 広 告 大 手 3 社 平 均 で ROA 4.7% ROE 6.2%) よりも 高 い 水 準 にあり また 営 業 利 益 率 も 7% 台 と 安 定 して 推 移 しているなど 収 益 性 も 重 視 しながら 着 実 に 業 績 の 拡 大 を 続 けている 点 は 評 価 されよう 5
業 績 動 向 連 結 貸 借 対 照 表 ( 単 位 : 百 万 円 ) 11/3 期 12/3 期 13/3 期 14/3 期 15/3 期 増 減 額 流 動 資 産 4,444 4,838 4,766 5,454 5,541 87 ( 現 預 金 ) 2,318 2,230 2,461 2,825 2,597-228 固 定 資 産 659 792 832 1,015 1,039 24 資 産 合 計 5,103 5,631 5,598 6,470 6,581 111 流 動 負 債 2,070 2,091 1,800 2,315 1,985-330 固 定 負 債 245 252 276 319 263-56 ( 有 利 子 負 債 ) 0 0 0 0 0 0 負 債 合 計 2,315 2,344 2,076 2,634 2,249-385 株 主 資 本 2,792 3,278 3,505 3,779 4,196 417 資 本 金 291 450 450 450 450 0 資 本 準 備 金 201 46 56 69 69 0 利 益 剰 余 金 2,458 2,930 3,188 3,491 3,907 416 自 己 株 式 -158-147 -189-230 -230 0 有 価 証 券 評 価 -4 8 15 58 119 64 純 資 産 2,787 3,287 3,522 3,835 4,332 497 ( 安 全 性 ) 流 動 比 率 214.6% 231.3% 264.8% 235.6% 279.1% 自 己 資 本 比 率 54.6% 58.4% 62.9% 59.3% 65.7% ( 収 益 性 ) ROA ( 総 資 産 経 常 利 益 率 ) 10.2% 15.7% 11.8% 12.2% 12.2% ROE ( 自 己 資 本 利 益 率 ) 9.8% 18.1% 11.6% 12.2% 12.3% 売 上 高 営 業 利 益 率 5.4% 8.0% 7.1% 7.2% 7.1% 伪 伪 今 後 の 見 通 し 今 期 予 想 は 保 守 的 か 米 子 会 社 は 黒 字 化 へ (1) 2016 年 3 月 期 業 績 見 通 し 2016 年 3 月 期 の 連 結 業 績 は 売 上 高 が 前 期 比 0.5% 増 の 11,000 百 万 円 営 業 利 益 が 同 10.0% 減 の 700 百 万 円 経 常 利 益 が 同 11.9% 減 の 700 百 万 円 当 期 純 利 益 が 同 16.3% 減 の 420 百 万 円 と 減 益 を 見 込 んでいる 売 上 高 に 関 しては 前 期 に 計 上 した 大 型 案 件 が 一 巡 することや 製 薬 業 界 向 けの 販 促 用 ギミックが 業 界 の 規 制 強 化 によって 無 くなる 可 能 性 もある (200 ~ 300 百 万 円 の 減 収 要 因 ) ことから 前 期 比 微 増 収 にとどまるとみている とは 言 え 国 内 景 況 感 の 改 善 が 続 くなかで SP 市 場 も 追 い 風 が 吹 いており 会 社 計 画 は 保 守 的 な 印 象 が 強 い 一 方 利 益 面 ではマー ケティングソリューション 領 域 や 米 国 子 会 社 での 営 業 体 制 を 強 化 していくため 人 件 費 を 中 心 とした 経 費 の 増 加 がマイナス 要 因 となる 売 上 高 のプラス 要 因 としては 既 存 顧 客 数 社 との 年 間 独 占 契 約 が 獲 得 できたことや 前 期 に 新 規 受 注 した 大 手 コンビニエンスストアとの 商 品 開 発 プロジェクトが 継 続 すること ワールド カップサッカー 関 連 のプロジェクト 成 功 で 認 知 度 が 向 上 し ユニフォームの 売 上 高 が 前 期 比 2 桁 増 の 300 400 百 万 円 へ 拡 大 が 見 込 まれることなどが 挙 げられる また 世 界 的 人 気 コ ンテンツであるスター ウォーズの 劇 場 公 開 が 2015 年 12 月 に 予 定 されており 様 々な 販 促 プロジェクトが 盛 り 上 がると 予 想 されるなかで 今 後 の 受 注 獲 得 状 況 によっては 計 画 の 上 振 れ 余 地 もあると 考 えられる その 他 米 子 会 社 に 関 しては 2016 年 3 月 期 中 の 黒 字 化 が 見 込 まれる 日 系 の 自 動 車 飲 料 メーカー 向 けに 受 注 が 着 実 に 増 えてきたほか 今 期 は 現 地 の 営 業 スタッフを 数 名 程 度 初 めて 採 用 し 現 地 企 業 向 けの 営 業 も 本 格 化 していく 予 定 となっている 6
今 後 の 見 通 し アドテクノロジー 領 域 を 拡 大 収 益 性 も 向 上 する 可 能 性 (2) アドテクノロジー 技 術 領 域 への 展 開 について 同 社 はアドテクノロジー 技 術 領 域 への 強 化 を 進 めている アドテクノロジー 技 術 を 自 社 の マーケティングソリューションのなかに 組 み 込 むことで より 費 用 対 効 果 の 高 い 販 促 施 策 を 提 供 していく 方 針 だ 既 に 2015 年 に 入 ってから 担 当 者 を 配 置 し 営 業 活 動 も 開 始 している また この 領 域 を 迅 速 に 強 化 していくため 業 務 提 携 や M&A なども 視 野 に 入 れているようだ 同 社 はデジタル 技 術 を 活 用 した 販 促 施 策 として 従 来 から WEB や SNS などを 利 用 してき たが アドテクノロジー 技 術 を 取 り 込 むことで 今 まで 以 上 に 高 度 なサービスを 提 供 すること が 可 能 となる 具 体 的 には WEB にアクセスする 属 性 分 析 ( 性 別 年 齢 層 など) を 行 って ターゲットをピンポイントに 絞 ってオンライン 上 で 販 促 施 策 を 打 てるようになるほか 想 定 顧 客 と 実 際 の 顧 客 の 差 異 分 析 も 行 えるようになり 次 回 プロモーション 実 施 の 際 に より 効 果 の 高 い 販 促 施 策 を 打 つことが 可 能 となる また アドテクノロジー 技 術 を 用 いることで エリアごと あるいは 消 費 者 のライフスタイル や 購 入 状 況 ごとに 特 定 の 販 促 施 策 も 打 てるようになる 同 社 の 子 会 社 であるゴールドボンド 社 が 手 掛 ける 地 域 特 産 品 の 商 品 開 発 販 売 支 援 事 業 では アドテクノロジー 技 術 を 導 入 す る 効 果 がより 高 まるものと 思 われる 地 域 特 産 品 など 需 要 が 限 られる 商 品 については コス トの 高 いマスメディアを 使 った 販 促 施 策 では 費 用 対 効 果 が 低 くなるためだ 同 様 に 大 企 業 に おいてもここ 最 近 は 本 社 で 一 括 してマーケティング 予 算 を 組 むよりも 地 方 拠 点 ごとにマー ケティング 予 算 を 配 分 して エリアごとで 効 果 的 な 販 促 施 策 を 打 つ 傾 向 が 増 えてきていると 言 う このため 現 在 は 東 京 大 阪 名 古 屋 福 岡 札 幌 の 5 拠 点 体 制 で 売 上 高 の 80% を 東 京 本 社 で 占 めている 同 社 も 今 後 は 地 方 拠 点 での 営 業 体 制 強 化 により 受 注 獲 得 を 進 め ていくことも 視 野 に 入 れている マーケティングソリューション 領 域 を 上 流 工 程 に 拡 大 していくことで 1 件 当 たりの 受 注 単 価 も 今 後 は 更 に 上 昇 していくものと 予 想 される 今 まで 以 上 の WEB と 店 舗 での 販 促 施 策 の 連 動 が 重 要 となってくることで O2O マーケティングが 急 速 に 拡 大 していくことが 予 想 される この ため 従 来 同 社 の 主 力 だった 景 品 の 売 上 高 構 成 比 は 低 下 し マーケティングソリューション 領 域 の 売 上 高 構 成 比 は 前 期 の 40% 程 度 から 2016 年 3 月 期 は 60% 程 度 に 拡 大 する 見 通 しで 今 後 の 業 績 拡 大 をけん 引 していくものとして 注 目 される 収 益 性 についてみれば 景 品 の 粗 利 率 が 25 30% で アドテクノロジー 領 域 が 15 20% 程 度 となるが 景 品 の 場 合 は 品 質 管 理 や 物 流 コストなどがかかるため 販 管 費 率 が 高 くなり 営 業 利 益 率 段 階 では 受 注 規 模 が 大 きくなるほど アドテクノロジー 領 域 のほうが 高 まる 傾 向 と なる このため 今 後 のアドテクノロジー 領 域 の 売 上 高 拡 大 に 伴 って 収 益 性 も 向 上 していく 可 能 性 がある 7
今 後 の 見 通 し 経 営 目 標 は 売 上 高 350 億 円 経 常 利 益 率 10% (3) 経 営 目 標 値 同 社 は 今 後 の 経 営 目 標 値 として 時 期 は 未 定 としながらも 連 結 売 上 高 で 35,000 百 万 円 経 常 利 益 率 で 10% を 目 標 として 掲 げている 2015 年 3 月 期 実 績 に 対 して 売 上 高 で 約 3.2 倍 経 常 利 益 で 約 4.4 倍 となる 計 算 だ 前 述 したようにアドテクノロジー 領 域 も 含 めたマーケティングソリューション 領 域 での 企 画 提 案 力 や 運 用 力 を 強 化 していくことで 受 注 案 件 の 規 模 拡 大 や 新 規 顧 客 の 開 拓 を 進 めていく また 今 後 は 企 業 間 のアライアンスビジネスにも 関 わるなど 顧 客 のビジネスモデル 創 出 支 援 まで 含 めたより 上 流 工 程 まで 事 業 領 域 を 広 げていくことも 視 野 に 入 れている 同 社 の 今 後 の 経 営 課 題 としては こうした 成 長 を 進 めていくうえで 必 要 となる 人 材 の 採 用 と 育 成 を 挙 げている 優 秀 な 人 材 確 保 や 企 業 の 信 用 力 知 名 度 の 向 上 を 目 的 として 今 後 は 東 証 第 2 部 へ いずれは 第 1 部 への 指 定 替 えも 目 指 し 社 内 体 制 の 強 化 も 進 めている 連 結 業 績 長 期 目 標 百 万 円 40,000 35,000 30,000 25,000 売 上 高 ( 左 軸 ) 経 常 利 益 率 ( 右 軸 ) 7.2% 7.2% 7.3% 6.4% 10.0% 12.0% 10.0% 8.0% 20,000 15,000 10,000 5,000 9,239 10,157 10,948 11,000 35,000 6.0% 4.0% 2.0% 0 13/3 期 14/3 期 15/3 期 16/3 期 ( 予 ) XX/X 0.0% 伪 伪 株 主 還 元 策 について 配 当 性 向 30% がめど 業 績 拡 大 に 合 わせた 着 実 な 配 当 増 同 社 は 株 主 還 元 策 として 配 当 金 に 加 えて 株 主 優 待 制 度 を 導 入 している このうち 配 当 金 に 関 しては 配 当 性 向 30% を 目 途 に 安 定 配 当 を 基 本 としつつ 業 績 の 拡 大 に 合 わせた 着 実 な 配 当 増 を 行 っていく 方 針 としている 2016 年 3 月 期 においては 前 期 比 1 円 減 配 の 26.0 円 ( 配 当 性 向 36.1%) としているが 前 期 は 創 立 40 周 年 の 記 念 配 当 2.0 円 が 含 まれているため 普 通 配 当 としては 1 円 増 配 となっている また 株 主 優 待 制 度 として 9 月 末 現 在 の 株 主 (100 株 以 上 ) に 対 して 高 級 ボックスティッシュ 1 ケース (20 箱 入 り) を 贈 呈 している 8
株 主 還 元 策 について ( 円 ) 株 当 たり 配 当 金 と 配 当 性 向 配 当 金 ( 左 軸 ) 配 当 性 向 ( 右 軸 ) 期 期 期 期 期 ( 予 ) 13/3 期 に1:3の 株 式 分 割 を 実 施 配 当 金 は 過 去 に 遡 及 して 修 正 している 15/3 期 は 創 立 40 周 年 の 記 念 配 当 2 円 を 含 む 損 益 計 算 書 ( 連 結 ) ( 単 位 : 百 万 円 %) 11/3 期 12/3 期 13/3 期 14/3 期 15/3 期 16/3 期 予 売 上 高 8,813 10,450 9,239 10,157 10,948 11,000 ( 対 前 期 比 ) 13.5 18.6-11.6 9.9 7.8 0.5 売 上 原 価 6,430 7,641 6,664 7,408 8,002 ( 対 売 上 比 ) 73.0 73.1 72.1 72.9 73.1 販 管 費 1,911 1,977 1,921 2,015 2,168 ( 対 売 上 高 比 ) 21.7 18.9 20.8 19.8 19.8 営 業 利 益 471 831 652 733 778 700 ( 対 前 期 比 ) 19.4 76.2-21.4 12.4 6.1-10.0 ( 対 売 上 高 比 ) 5.4 8.0 7.1 7.2 7.1 6.4 経 常 利 益 493 840 660 735 794 700 ( 対 前 期 比 ) 16.5 70.3-21.4 11.5 8.0-11.9 ( 対 売 上 高 比 ) 5.6 8.0 7.2 7.2 7.3 6.4 特 別 利 益 6 5 18 15 4 特 別 損 失 32 5 1 0 0 税 引 前 利 益 468 840 677 751 799 ( 対 前 期 比 ) 10.1 79.6-19.4 11.0 6.4 ( 対 売 上 高 比 ) 5.3 8.0 7.3 7.4 7.3 法 人 税 等 202 290 281 301 297 ( 実 効 税 率 ) 43.3 34.5 41.6 40.2 37.4 当 期 純 利 益 265 550 395 449 501 420 ( 対 前 期 比 ) 55.2 107.2-28.1 13.7 11.5-16.3 ( 対 売 上 高 比 ) 3.0 5.3 4.3 4.4 4.6 3.8 [ 主 要 指 標 ] 発 行 済 株 式 数 ( 千 株 ) 2,080 2,080 6,240 6,240 6,240 6,240 1 株 当 たり 利 益 ( 円 ) 44.65 93.49 66.86 76.99 85.92 71.94 1 株 当 たり 配 当 ( 円 ) 13.33 23.33 25.00 25.00 27.00 26.00 1 株 当 たり 純 資 産 ( 円 ) 473.82 556.26 600.04 656.95 742.07 - 配 当 性 向 (%) 29.9 25.0 37.4 32.5 31.4 36.1 9
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