平 成 21 年 度 高 崎 市 医 師 会 災 害 医 療 訓 練 平 成 22 年 3 月 15 日 救 急 医 療 対 策 委 員 会 大 規 模 事 故 に 対 応 する 高 崎 市 医 師 会 行 動 マニュアル に 則 り 大 規 模 事 故 を 想 定 した 災 害 医 療 訓 練 が 下 記 の 要 領 で 行 なわれました 訓 練 への 参 加 者 は 高 崎 市 医 師 会 会 員 のほか 高 崎 市 高 崎 市 等 広 域 消 防 局 高 崎 警 察 署 西 部 保 健 福 祉 事 務 所 JR 東 日 本 高 崎 支 社 群 馬 県 医 薬 品 卸 協 同 組 合 などの 担 当 者 計 76 名 でした 訓 練 内 容 A. 大 事 故 発 生 時 の 高 崎 市 等 広 域 消 防 局 の 対 応 ( 消 防 局 中 島 豊 久 氏 による 説 明 ) B. 災 害 医 療 訓 練 の 実 施 C. 訓 練 後 の 検 討 会 訓 練 の 進 行 午 後 7 時 15 分 高 崎 地 域 医 療 センター4 階 ホールに 集 合 訓 練 の 開 始 宣 言 及 び A Bの 司 会 小 板 橋 委 員 長 A. 大 事 故 発 生 時 の 高 崎 市 等 広 域 消 防 局 の 対 応 ( 午 後 7 時 15 分 ~7 時 30 分 ) JR 福 知 山 線 脱 線 事 故 のような 大 規 模 事 故 が 市 内 で 発 生 した 場 合 の 高 崎 市 等 広 域 消 防 局 の 対 応 について 消 防 局 指 揮 隊 長 中 島 豊 久 氏 から 説 明 を 聞 く B. 訓 練 の 実 施 ( 午 後 7 時 30 分 ~8 時 40 分 ) 1. 訓 練 実 施 要 領 の 説 明 大 山 担 当 理 事 事 故 の 設 定 : 本 日 午 前 9 時 10 分 頃 上 越 新 幹 線 の 上 り 列 車 が 高 崎 駅 から 約 4Km 南 の 町 番 地 付 近 を 走 行 中 に 脱 線 し 前 3 両 が 高 架 上 で 転 覆 した 脱 線 転 覆 した 前 3 両 を 中 心 に 多 数 の 重 症 者 が 発 生 した 車 両 火 災 は 発 生 していない 訓 練 の 目 的 : 大 規 模 事 故 に 対 応 する 医 師 会 と 各 機 関 の 活 動 を 確 認 し 臨 場 感 のある 情 報 交 換 訓 練 とトリアージ 訓 練 を 行 う よりよい 災 害 医 療 に 向 けて 検 討 会 を 行 う 訓 練 の 方 法 情 報 交 換 訓 練 は 担 当 者 が 電 話 や 無 線 機 に 見 立 てたマイクを 持 ち 情 報 の 交 換 を 行 い 参 加 者 全 員 がその 内 容 を 聞 く トリアージ 訓 練 は 負 傷 者 に 扮 した 看 護 学 生 5 人 人 形 1 体 に 対 して 行 う 訓 練 内 容 1) 高 崎 市 長 から 医 師 会 長 への 出 動 依 頼 訓 練 及 び 医 師 会 長 の 対 応 訓 練 2) 医 師 会 対 策 本 部 から 初 動 救 護 班 正 副 班 長 及 び 班 員 への 連 絡 訓 練 3) 医 師 会 対 策 本 部 から 傷 病 者 収 容 班 正 副 班 長 病 院 への 連 絡 訓 練 4) 事 故 現 場 からの 傷 病 者 収 容 班 病 院 への 負 傷 者 搬 送 依 頼 訓 練 1
5) 医 師 会 現 地 対 策 本 部 からのヘリ 搬 送 依 頼 訓 練 6)START 法 によるトリアージ 訓 練 2. 訓 練 内 容 1) 高 崎 市 長 から 医 師 会 長 への 出 動 依 頼 訓 練 及 び 医 師 会 長 の 対 応 訓 練 実 施 者 : 市 対 策 本 部 市 長 医 師 会 医 師 会 長 事 務 長 市 長 医 師 会 長 へ 市 長 :もしもし 市 長 の 松 浦 です 釜 萢 医 師 会 長 ですか 先 ほど 上 越 新 幹 線 で 大 規 模 な 列 車 脱 線 転 覆 事 故 が 発 生 しました 負 傷 者 多 数 が 発 生 した 模 様 であり 救 急 災 害 医 療 活 動 の 発 動 をお 願 いいたします 医 師 会 長 : 分 かりました 事 故 の 概 要 と 二 次 災 害 の 発 生 見 込 みなどを 報 告 してください 市 長 : 本 日 午 前 9 時 10 分 ごろ 上 越 新 幹 線 の 上 り 列 車 が 高 崎 駅 から 約 4Km 南 の 町 番 地 付 近 を 走 行 中 に 脱 線 事 故 を 起 こし 前 3 両 が 高 架 上 で 転 覆 して 停 車 しま した 転 覆 した 車 両 を 中 心 に 重 傷 者 多 数 が 発 生 した 模 様 です 車 両 火 災 は 発 生 し ていません 事 故 現 場 に 最 も 近 い 高 架 上 へ 通 じる 斜 路 は 町 番 地 にありま す 脱 線 の 原 因 は 現 在 のところ 不 明 です 消 防 局 現 地 指 揮 本 部 は 斜 路 付 近 に 設 置 されました 事 故 現 場 は 狭 い 空 間 で 混 乱 しており 二 次 災 害 には 十 分 な 注 意 が 必 要 です 事 故 現 場 近 くには M 小 学 校 や クリニックがあります 医 師 会 の 初 動 救 護 班 の 班 長 筆 頭 副 班 長 には 消 防 局 から 車 両 を 向 かわせますので 準 備 をお 願 いいたします 直 ぐにこちらから 事 故 の 概 要 を FAX でも 連 絡 いたしま す なお 市 庁 舎 内 に 市 災 害 対 策 本 部 が 設 置 されました 医 師 会 長 :では 復 唱 いたします ( 事 故 の 概 要 を 復 唱 する) 時 分 ただ 今 から 救 急 災 害 医 療 活 動 を 開 始 いたします 医 師 会 長 事 務 長 ヘ 医 師 会 長 :もしもし 医 師 会 長 の 釜 萢 です 松 田 事 務 長 さんですか ただ 今 高 崎 市 長 から 上 越 新 幹 線 の 高 架 上 で 大 規 模 な 列 車 脱 線 転 覆 事 故 が 発 生 したとの 連 絡 が 入 りました 直 ちに 救 急 災 害 医 療 活 動 を 発 動 いたします 事 故 の 概 要 は 次 の 通 りです 1 本 日 午 前 9 時 10 分 ごろ 上 越 新 幹 線 の 上 り 列 車 が 高 崎 駅 から 約 4Km 南 の 町 番 地 付 近 を 走 行 中 に 脱 線 事 故 を 起 こし 前 3 両 が 高 架 上 で 転 覆 し 負 傷 者 が 多 数 発 生 しました 車 両 火 災 は 発 生 していません 原 因 は 不 明 です 事 故 現 場 の 近 くには M 小 学 校 や クリニックがあります 2 事 故 現 場 に 最 も 近 い 高 架 上 へ 通 じる 斜 路 は 町 番 地 にあります 斜 路 の 付 近 に 消 防 局 現 地 指 揮 本 部 が 設 置 されました 3 事 故 現 場 は 狭 い 空 間 で 混 乱 しており 二 次 災 害 には 十 分 な 注 意 が 必 要 です 直 ちに 初 動 救 護 班 の 班 長 筆 頭 副 班 長 に 出 動 準 備 を 伝 え 班 員 には 出 動 するよう FAX と 電 話 で 連 絡 してください 東 部 支 援 救 護 班 には 待 機 を 指 示 してください 2
また 医 師 会 内 に 高 崎 市 医 師 会 対 策 本 部 と 事 故 現 場 に 高 崎 市 医 師 会 現 地 対 策 本 部 を 設 置 してください 事 務 長 : 了 解 しました では 復 唱 します(メモを 読 みあげる 要 領 で) では 直 ちに 2 つの 本 部 を 立 ち 上 げるとともに 電 話 と FAX で 関 係 者 に 指 示 を 伝 えます 別 紙 緊 急 連 絡 に 示 すような 内 容 の FAXを 関 係 者 に 送 る 訓 練 のポイント (1) 医 師 会 の 組 織 的 救 急 災 害 医 療 活 動 が 実 行 されるためには 市 長 ( 広 域 消 防 局 長 )からの 出 動 要 請 があることが 前 提 であることを 参 加 者 全 員 が 承 知 する 機 会 とする (2) 市 長 から 医 師 会 長 に 医 師 会 長 から 事 務 長 に 正 確 に 情 報 が 伝 わるか 訓 練 を 行 う 特 に 事 故 現 場 の 住 所 事 故 の 概 要 初 動 救 護 班 の 正 副 班 長 名 などに 注 意 する (3) 事 務 長 が スムースに 医 師 会 内 に 高 崎 市 医 師 会 対 策 本 部 事 故 現 場 に 高 崎 市 医 師 会 現 地 対 策 本 部 を 設 置 できるか 検 討 する 機 会 とする (4) 一 斉 に 電 話 と FAX で 指 示 できるように 日 頃 から 準 備 をする 機 会 とする 2) 医 師 会 対 策 本 部 から 初 動 救 護 班 正 副 班 長 及 び 班 員 への 連 絡 訓 練 実 施 者 : 医 師 会 対 策 本 部 本 部 員 初 動 救 護 班 正 副 班 長 班 員 医 師 会 対 策 本 部 初 動 救 護 班 班 長 宅 へ 医 師 会 対 策 本 部 :もしもし こちらは 高 崎 市 医 師 会 事 務 長 の 松 田 です 森 田 先 生 のお 宅 ですか 森 田 先 生 をお 願 いいたします 初 動 救 護 班 班 長 :もしもし 森 田 です 医 師 会 対 策 本 部 : 事 務 長 の 松 田 です 先 生 先 ほど 上 越 新 幹 線 の 上 り 列 車 が 町 付 近 を 走 行 中 に 脱 線 事 故 を 起 こし 前 3 両 が 高 架 上 で 転 覆 する 大 事 故 が 発 生 しました 市 長 の 要 請 を 受 け 釜 萢 医 師 会 長 は 災 害 医 療 活 動 の 発 動 を 決 定 しました 先 生 は 初 動 救 護 班 の 班 長 として 至 急 出 動 の 用 意 をお 願 いいたします 消 防 局 か ら 直 ぐにお 迎 えの 車 が 行 きます 医 師 会 対 策 本 部 からの FAX もご 覧 下 さい くれぐれも 二 次 災 害 にご 注 意 ください 初 動 救 護 班 班 長 : 承 知 しました 直 ぐに 準 備 を 致 します 医 師 会 対 策 本 部 筆 頭 副 班 長 宅 へ 医 師 会 対 策 本 部 : もしもし こちらは 高 崎 市 医 師 会 事 務 長 の 松 田 です 小 板 橋 先 生 のお 宅 で すか 小 板 橋 先 生 をお 願 いいたします 筆 頭 副 班 長 の 家 族 : 小 板 橋 は 現 在 学 会 出 張 中 で 家 にはおりません 医 師 会 対 策 本 部 : 分 かりました 上 越 新 幹 線 で 大 規 模 な 列 車 転 覆 事 故 が 発 生 したため 初 動 救 護 班 の 筆 頭 副 班 長 として 小 板 橋 先 生 に 出 動 をお 願 いしたかったのです が 別 の 副 班 長 先 生 に 連 絡 いたします 筆 頭 副 班 長 の 家 族 :よろしくお 願 いいたします 3
医 師 会 対 策 本 部 筆 頭 でない 副 班 長 宅 へ 医 師 会 対 策 本 部 :もしもし こちらは 高 崎 市 医 師 会 事 務 局 の 吉 田 です 中 島 先 生 のお 宅 ですか 中 島 先 生 をお 願 いいたします 筆 頭 でない 副 班 長 : 中 島 です 医 師 会 対 策 本 部 : 医 師 会 事 務 局 の 吉 田 です 先 生 先 ほど 町 付 近 で 上 越 新 幹 線 が 走 行 中 に 脱 線 事 故 を 起 こし 前 3 両 が 転 覆 する 大 事 故 が 発 生 し 重 症 者 が 多 数 発 生 した 模 様 です 小 板 橋 先 生 が 初 動 救 護 班 の 筆 頭 副 班 長 でしたが 学 会 出 張 中 で 不 在 ですので 先 生 が 筆 頭 副 班 長 として 出 動 をお 願 いいたします 消 防 局 から 直 ぐ にお 迎 えの 車 が 行 きますので 仕 度 をして 下 さい 医 師 会 対 策 本 部 からの FAX も ご 覧 下 さい 筆 頭 でない 副 班 長 : 承 知 しました 直 ぐに 準 備 を 致 します 医 師 会 対 策 本 部 初 動 救 護 班 班 員 宅 へ 医 師 会 対 策 本 部 :もしもし こちらは 高 崎 市 医 師 会 事 務 局 の 吉 田 です 茂 木 先 生 のお 宅 ですか 茂 木 先 生 をお 願 いいたします 班 員 : 茂 木 です 医 師 会 対 策 本 部 : 先 生 先 ほど 上 越 新 幹 線 が 走 行 中 に 脱 線 事 故 を 起 こし 前 3 両 が 転 覆 する 大 事 故 が 発 生 しました 初 動 救 護 班 の 班 員 として 至 急 仕 度 をして 現 場 に 出 動 し てください 事 故 現 場 は 高 崎 駅 から 約 4Km 上 り 方 面 の 町 番 地 付 近 です 最 も 近 い 高 架 上 への 斜 路 は 町 番 地 にあります 事 故 現 場 の 近 く には M 小 学 校 や クリニックがあります 医 師 会 現 地 対 策 本 部 は 斜 路 付 近 の 消 防 局 現 地 指 揮 本 部 内 にありますので まずそこに 行 ってください 医 師 会 対 策 本 部 から 送 った FAX には 現 場 への 略 図 が 書 いてありますのでご 覧 下 さい 班 員 : 承 知 しました 復 唱 します 現 場 は 町 番 地 付 近 であり 最 も 近 い 斜 路 は 町 番 地 ですね 斜 路 の 付 近 に 消 防 局 現 地 指 揮 本 部 があるのです ね 事 故 現 場 には M 小 学 校 や クリニックが 近 くにあるのですね 医 師 会 対 策 本 部 :そのとおりです 至 急 出 動 してください 二 次 災 害 に 十 分 ご 注 意 ください 班 員 : 了 解 しました 直 ちに 準 備 をして 事 故 現 場 に 向 かいます 訓 練 のポイント (1) 連 絡 を 受 けた 正 副 班 長 が 出 動 できない 状 況 を 常 に 想 定 しておく 必 要 がある 医 師 の 不 在 や 飲 酒 されている 場 合 も 想 定 し 出 動 医 師 の 確 保 をいかにするか 検 討 する 機 会 とする また 初 動 救 護 班 の 医 師 であることを 証 明 する 物 が 必 要 か 検 討 する 機 会 とする (2) 出 動 する 医 師 には 電 話 と FAX で 指 示 を 伝 え 事 故 の 状 況 や 発 生 場 所 消 防 局 現 地 指 揮 本 部 の 設 置 場 所 などを 確 実 に 伝 える 訓 練 をする 伝 達 する 内 容 も 検 討 する 機 会 とする (3) 新 幹 線 の 高 架 上 への 通 行 や 負 傷 者 の 搬 送 には 約 5Km ごとにある 斜 路 を 利 用 するしかな い そのため 斜 路 を 中 心 とした 地 域 の 交 通 規 制 がしっかり 検 討 される 必 要 がある 現 場 付 近 の 道 路 の 大 渋 滞 や 車 両 の 誘 導 にどのよう 対 応 するか 検 討 する 機 会 とする 4
(4) 班 員 の 事 故 現 場 に 出 動 する 交 通 手 段 をどうするか 普 段 から 考 えておく 機 会 とする 班 員 の 出 動 に 公 的 車 両 ( 例 えばパトカーなど)は 用 いられないか 検 討 する (5) 出 動 する 医 師 の 服 装 携 行 物 を 検 討 する 機 会 とする 3) 医 師 会 対 策 本 部 から 傷 病 者 収 容 班 正 副 班 長 病 院 長 への 連 絡 訓 練 実 施 者 : 医 師 会 対 策 本 部 本 部 員 正 副 班 長 病 院 長 医 師 会 対 策 本 部 班 長 病 院 へ 医 師 会 対 策 本 部 :もしもし こちらは 高 崎 市 医 師 会 の 江 原 です 高 崎 総 合 医 療 センターですか 市 内 を 走 る 上 越 新 幹 線 の 高 架 上 で 列 車 が 脱 線 転 覆 する 大 事 故 が 発 生 したため 至 急 金 澤 院 長 先 生 に 繋 いでください 金 澤 院 長 先 生 本 日 午 前 9 時 10 分 頃 町 番 地 付 近 で 上 越 新 幹 線 が 走 行 中 に 脱 線 事 故 を 起 こし 前 3 両 が 転 覆 するという 大 事 故 が 発 生 し 重 症 者 が 多 数 発 生 した 模 様 です 先 ほど 医 師 会 は 災 害 医 療 活 動 を 発 動 致 しました 至 急 傷 病 者 収 容 班 班 長 病 院 として 負 傷 者 の 受 け 入 れ 態 勢 を 整 えてください また 副 班 長 の 日 高 病 院 第 一 病 院 と 連 絡 をとり 班 として 傷 病 者 の 受 け 入 れ 態 勢 を 協 議 してください 既 に 初 動 救 護 班 には 出 動 の 指 示 を 出 しております 詳 し くは 医 師 会 対 策 本 部 からの FAX をご 覧 下 さい 金 澤 院 長 : 承 知 しました 直 ぐに 副 班 長 病 院 や 班 病 院 と 連 絡 をとり 負 傷 者 の 受 け 入 れ 態 勢 を 整 えるように 致 します 事 故 の 状 況 から 重 症 な 負 傷 者 が 多 数 発 生 した 模 様 ですので 班 病 院 ばかりでなく 群 馬 大 学 病 院 や 県 内 県 外 の 災 害 拠 点 病 院 を 中 心 に 協 力 をお 願 いして 下 さい 医 師 会 対 策 本 部 : 承 知 致 しました 医 師 会 対 策 本 部 副 班 長 病 院 へ 医 師 会 対 策 本 部 : もしもし こちらは 高 崎 市 医 師 会 の 江 原 です 第 一 病 院 の 佐 藤 院 長 先 生 で すか 先 生 本 日 午 前 9 時 10 分 頃 町 番 地 付 近 で 上 越 新 幹 線 が 走 行 中 に 脱 線 事 故 を 起 こし 前 3 両 が 転 覆 するという 大 事 故 が 発 生 し 重 症 者 が 多 数 発 生 した 模 様 です 先 ほど 医 師 会 長 は 災 害 医 療 活 動 を 発 動 いたしました 至 急 班 長 病 院 の 高 崎 総 合 医 療 センターと 連 携 して 負 傷 者 の 受 け 入 れ 態 勢 を 整 えてください 詳 しくは 医 師 会 対 策 本 部 からの FAX をご 覧 下 さい 第 一 病 院 院 長 : 承 知 いたしました 直 ちに 受 け 入 れ 態 勢 を 整 えるとともに 正 副 班 長 病 院 や 他 の 班 病 院 と 連 絡 をとるように 致 します 訓 練 のポイント (1) 傷 病 者 収 容 班 として 最 初 に 搬 送 される 沢 山 の 赤 タッグ 患 者 に 対 してどのように 対 応 する のか JR 福 知 山 線 脱 線 事 故 を 教 訓 に 普 段 からその 対 応 策 を 検 討 する 機 会 とする さらに 多 数 の 黄 タッグ 緑 タッグ 患 者 について 班 病 院 の 連 携 の 在 り 方 を 検 討 する 機 会 とする (2) 特 に 対 応 しきれない 負 傷 者 については 市 外 県 外 の 大 学 病 院 や 災 害 拠 点 病 院 等 に 搬 送 せ 5
ざるを 得 ないわけであり その 場 合 の 連 携 をどのようにするか 訓 練 を 通 じて 検 討 する 機 会 とする 4) 事 故 現 場 から 傷 病 者 収 容 班 病 院 への 負 傷 者 搬 送 依 頼 訓 練 実 施 者 : 初 動 救 護 班 班 員 傷 病 者 収 容 班 病 院 救 急 担 当 医 師 症 例 1 初 動 救 護 班 班 員 : 高 崎 総 合 医 療 センターですか 私 は 先 ほど 発 生 した 上 越 新 幹 線 の 事 故 現 場 に 出 動 している 医 師 の 水 内 と 申 します 赤 タッグ 患 者 の 受 け 入 れをお 願 いし たいので 至 急 救 急 医 療 担 当 医 に 繋 いでください 救 急 担 当 医 : 救 急 医 療 担 当 の 野 口 です 班 員 : 私 は 事 故 現 場 に 出 動 している 水 内 と 申 します 赤 タッグ 患 者 の 搬 送 を 行 いた いと 思 いますがいかがでしょうか 救 急 担 当 医 : どのような 状 態 でしょうか 班 員 : 負 傷 者 の 状 況 は 次 のようです 1) 患 者 : 群 馬 富 士 子 40 歳 女 性 2) 受 傷 状 況 : 脱 線 転 覆 した 列 車 内 で 他 の 負 傷 者 の 下 敷 きになって 発 見 された 3) 主 症 状 : 喀 血 呼 吸 苦 右 側 胸 部 変 形 4)バイタルサイン 意 識 : 清 明 脈 拍 :124/ 分 呼 吸 30/ 分 以 上 バイタルサインの 低 下 と 喀 血 呼 吸 苦 が 認 められ 複 数 の 肋 骨 骨 折 と 肺 損 傷 が 疑 われます 救 急 担 当 医 : 分 かりました 入 院 を 受 けますので 直 ぐに 搬 送 してください 症 例 2 初 動 救 護 班 班 員 :もしもし 日 高 病 院 ですか 私 は 先 ほど 発 生 した 上 越 新 幹 線 の 脱 線 事 故 現 場 に 出 動 している 医 師 の 水 内 と 申 します 重 症 患 者 の 受 け 入 れをお 願 いしますの で 至 急 救 急 医 療 の 担 当 医 に 繋 いでください 救 急 担 当 医 : 救 急 医 療 担 当 の 間 庭 です 班 員 : 私 は 事 故 現 場 に 出 動 している 水 内 と 申 します 頭 部 外 傷 の 赤 タッグ 患 者 をそち らに 搬 送 したいと 思 いますがいかがでしょうか 救 急 担 当 医 : 現 在 当 院 では 赤 タッグ 患 者 5 名 黄 タッグ 患 者 5 名 が 入 院 して 手 一 杯 であり その 患 者 への 対 応 は 無 理 ですので 他 の 病 院 にお 願 いいたします 班 員 : 分 かりました 他 の 病 院 にお 願 いするようにします 訓 練 のポイント (1) 赤 タッグや 黄 タッグなどの 重 症 患 者 の 搬 送 要 請 が 断 られることは 十 分 予 想 される 一 度 に 沢 山 の 赤 タッグ 黄 タッグ 患 者 が 発 生 することを 想 定 し 班 病 院 はもちろん 群 馬 大 学 病 院 や 市 外 県 外 の 災 害 医 療 拠 点 病 院 などと 連 携 した 対 応 を 検 討 する 機 会 とする 6
(2) 同 じ 赤 タッグ 患 者 間 でも 優 先 順 位 の 決 定 が 必 要 な 場 合 がある どのような 赤 タッグ 患 者 を 最 優 先 にするのか 検 討 する 機 会 とする 5) 医 師 会 現 地 対 策 本 部 からのヘリ 搬 送 依 頼 訓 練 実 施 者 : 医 師 会 現 地 対 策 本 部 本 部 員 大 学 病 院 救 急 担 当 医 師 現 地 本 部 員 大 学 病 院 へ 初 動 救 護 班 員 : もしもし 大 学 病 院 ですか 私 は 先 ほど 発 生 した 新 幹 線 の 脱 線 事 故 現 場 に 出 動 した 医 師 の 正 木 と 申 します 大 学 病 院 にヘリコプター 搬 送 した い 赤 タッグ 患 者 がいますので 至 急 救 急 担 当 医 につないでください 救 急 担 当 医 : 救 急 担 当 の 茂 木 です 患 者 の 状 況 を 知 らせてください 班 員 : 患 者 の 状 況 は 次 のようです 1) 患 者 : 群 馬 富 士 夫 23 才 男 性 2) 受 傷 状 況 : 脱 線 転 覆 した 列 車 内 で 他 の 負 傷 者 の 下 敷 きになって 発 見 された 3) 主 症 状 : 胸 背 部 痛 下 腹 部 痛 腸 骨 の 異 常 可 動 性 4)バイタルサイン 意 識 : 清 明 脈 拍 :130/ 分 呼 吸 :32/ 分 バイタルサインが 低 下 し 主 要 な 症 状 所 見 から 骨 盤 骨 折 などが 疑 われます 救 急 担 当 医 : 分 かりました 入 院 を 受 けますので 直 ぐにヘリ 搬 送 してください 班 員 : 直 ちに 搬 送 手 続 きに 入 ります 現 地 対 策 本 部 員 消 防 局 現 場 指 揮 本 部 へ 初 動 救 護 班 員 : 私 は 医 師 会 初 動 救 護 班 の 正 木 です 消 防 局 現 場 指 揮 本 部 ですか 赤 タッ グ 負 傷 者 1 名 を 埼 玉 県 の 大 学 病 院 にヘリコプター 搬 送 を 行 います 先 方 は 了 解 しましたので 直 ちに 搬 送 手 続 きに 入 ってください 消 防 局 現 場 指 揮 本 部 員 : 直 ちにヘリ 搬 送 の 手 続 きに 入 ります 既 に 小 学 校 の 校 庭 にヘリ 発 着 場 所 が 確 保 されていますので そちらに 救 急 車 で 搬 送 してください ヘリ 到 着 時 刻 は 約 20 分 後 の 午 前 10 時 40 分 の 予 定 です 班 員 : 了 解 しました 直 ちに 小 学 校 の 校 庭 に 搬 送 いたします 訓 練 のポイント (1) 大 規 模 事 故 が 発 生 した 場 合 には 直 ちにヘリコプタ 搬 送 に 備 える 態 勢 を 整 え 多 数 の 搬 送 依 頼 に 迅 速 に 対 応 する 必 要 がある 群 馬 県 や 近 隣 県 のドクターヘリや 防 災 ヘリなどを 動 員 する 迅 速 なヘリ 搬 送 について 検 討 する 機 会 とする (2)ヘリ 搬 送 可 能 な 市 外 県 外 の 医 療 施 設 のリストを 作 成 する 機 会 とする (3) 近 隣 県 のドクターヘリや 防 災 ヘリ 自 衛 隊 のヘリに 出 動 を 依 頼 する 基 準 や 手 続 きを 検 討 す る 機 会 とする 7
6) 模 擬 負 傷 者 へのトリアージ 訓 練 : 司 会 : 小 板 橋 委 員 長 トリアージ 実 施 者 : 道 又 俊 子 先 生 梅 山 知 一 先 生 中 島 透 先 生 記 録 者 : 関 口 孝 雄 先 生 真 下 正 道 先 生 茂 木 元 喜 先 生 訓 練 の 進 行 (1) 一 次 トリアージ(START 法 )の 訓 練 を 行 う 医 師 2 名 が 1 組 となり 模 擬 負 傷 者 5 名 と 蘇 生 術 訓 練 用 人 形 1 体 に 対 して START 法 に よる 一 次 トリアージを 行 う トリアージ 実 施 者 は マイクを 持 って 声 を 出 しながら ブルーシートに 横 たわっている 模 擬 負 傷 者 全 体 のトリアージを 迅 速 に 進 め 必 要 があれ ば 応 急 処 置 を 指 示 する 記 録 者 はトリアージタッグに 記 載 し 漏 れがあれば 指 摘 をする (2) 模 擬 負 傷 者 は 負 傷 者 らしくメイキャップをし 声 を 出 して 症 状 を 演 技 する 負 傷 の 状 況 や 診 断 名 は 模 擬 負 傷 者 には 知 らせてある 受 傷 状 況 や 主 要 な 症 状 バイタル サインなどは メモにして 負 傷 者 の 胸 に 貼 ってある 模 擬 症 例 ( 別 紙 参 照 ) (1) 胸 痛 フレイルチェストのある 症 例 (2) 呼 吸 苦 皮 下 気 腫 外 頚 静 脈 怒 張 のある 症 例 (3) 顔 面 蒼 白 四 肢 の 変 形 がある 症 例 (4) 開 放 性 大 腿 骨 骨 折 の 症 例 (5) 側 頭 部 裂 創 嘔 吐 意 識 障 害 のある 症 例 (6) 呼 吸 停 止 症 例 訓 練 のポイント 1)START 法 によるトリアージに 慣 れ 習 熟 する 特 に 黒 判 定 に 習 熟 する 2) 負 傷 者 に 扮 した 模 擬 負 傷 者 の 演 技 に 惑 わされず 負 傷 者 全 体 のトリアージ 把 握 を 迅 速 に 行 う 訓 練 をする 特 定 の 負 傷 者 への 対 応 に 時 間 を 取 られ 迅 速 に 全 体 をトリアージ 把 握 する ことが 遅 れないように 訓 練 を 通 じて 習 熟 するようにする C. 訓 練 後 の 検 討 会 ( 午 後 8 時 40 分 ~9 時 00 分 ) 司 会 : 高 木 副 担 当 理 事 1. 釜 萢 会 長 挨 拶 2. 各 機 関 の 担 当 者 挨 拶 5. 質 疑 応 答 訓 練 終 了 宣 言 午 後 9 時 00 分 松 島 副 委 員 長 8
トリアージ 訓 練 のための 模 擬 症 例 症 例 1 胸 痛 フレイルチェストのある 症 例 (20 歳 男 性 ) 受 傷 状 況 : 転 覆 した 車 両 に 乗 っていて 胸 部 を 強 打 した 主 要 症 状 : 胸 痛 が 強 く フレイルチェストがみられる 胸 郭 が 左 右 不 対 称 バイタルサイン : 意 識 : 清 明 脈 拍 :90/ 分 呼 吸 :32/ 分 歩 行 : 不 可 能 症 例 2 呼 吸 苦 皮 下 気 腫 外 頸 静 脈 怒 張 のある 症 例 (40 歳 男 性 ) 受 傷 状 況 : 転 覆 した 車 両 に 乗 っていて 胸 部 や 全 身 を 打 った 主 要 症 状 : 呼 吸 苦 皮 下 気 腫 外 頚 静 脈 怒 張 がある バイタルサイン : 意 識 : 清 明 脈 拍 :144/ 分 呼 吸 :30/ 分 歩 行 : 不 可 能 症 例 3 顔 面 蒼 白 四 肢 の 変 形 がある 症 例 (20 歳 女 性 ) 受 傷 状 況 : 転 覆 した 車 両 に 乗 っていて 乗 客 の 下 敷 きになっていた 主 要 症 状 : 右 大 腿 部 の 腫 脹 変 形 右 前 腕 の 腫 脹 変 形 疼 痛 左 右 踵 部 の 腫 脹 バイタルサイン : 意 識 : 傾 眠 状 態 脈 拍 :130/ 分 呼 吸 :28/ 分 歩 行 : 不 可 能 症 例 4. 開 放 性 大 腿 骨 骨 折 の 症 例 (30 歳 男 性 ) 受 傷 状 況 : 転 覆 した 車 両 に 乗 っていて 乗 客 の 下 敷 きになっていた 主 要 症 状 : 開 放 性 大 腿 骨 骨 折 広 範 囲 の 軟 部 組 織 損 傷 バイタルサイン : 意 識 : 清 明 脈 拍 :90/ 分 呼 吸 :20/ 分 歩 行 : 不 可 能 症 例 5 側 頭 部 裂 創 の 症 例 (20 歳 女 性 ) 受 傷 状 況 : 脱 線 転 覆 しなかった 車 両 に 乗 っていて 頭 部 を 強 打 した 主 要 症 状 : 側 頭 部 裂 創 嘔 吐 意 識 障 害 バイタルサイン : 意 識 : 呼 びかけでわずかに 開 眼 脈 拍 :50/ 分 呼 吸 :10/ 分 歩 行 : 不 可 能 症 例 6 呼 吸 していない 症 例 受 傷 状 況 : 脱 線 転 覆 した 車 両 に 乗 っていて 数 人 の 乗 客 の 下 になっていた 主 要 症 状 : 呼 吸 停 止 状 態 で 発 見 された バイタルサイン : 意 識 :なし 脈 拍 : 触 れず 呼 吸 : 停 止 状 態 9
模 擬 症 例 への 若 干 の 解 説 症 例 1 胸 痛 フレイルチェストのある 症 例 (20 歳 男 性 ) 胸 部 を 強 打 して 連 続 する 複 数 の 肋 骨 が 2 か 所 以 上 骨 折 した 場 合 に 生 じるフレイルチェスト 肺 損 傷 を 想 定 した 症 例 です 吸 気 時 の 陥 没 と 呼 気 時 の 膨 隆 が 生 じる 動 揺 胸 郭 がみられ 胸 部 に 激 痛 を 訴 えます 動 揺 を 最 小 限 にする 応 急 処 置 として 布 などを 厚 手 にして 骨 折 面 をゆっくり しっかりと 押 さえ 押 さえたものをテープなどで 固 定 します トリアージ: 赤 症 例 2 呼 吸 苦 皮 下 気 腫 外 頸 静 脈 怒 張 のある 症 例 (40 歳 男 性 ) 胸 部 を 強 打 して 肋 骨 骨 折 による 緊 張 性 気 胸 が 生 じた 症 例 を 想 定 しています 心 臓 や 肺 を 圧 迫 している 状 態 で ショックに 陥 る 危 険 性 が 高 く 緊 急 に 胸 腔 穿 刺 を 行 わないと 死 に 至 る 危 険 性 があります トリアージ: 赤 症 例 3 顔 面 蒼 白 四 肢 の 変 形 のある 症 例 (20 歳 女 性 ) 多 発 長 管 骨 骨 折 を 想 定 した 症 例 です 多 発 長 管 骨 骨 折 症 例 には 胸 部 や 腹 部 の 臓 器 損 傷 の 頻 度 が 高 く 四 肢 の 変 形 に 目 が 奪 われやすく 臓 器 損 傷 の 発 見 に 十 分 な 注 意 が 必 要 です また 骨 折 の 多 発 により 出 血 総 量 が 多 くなると 出 血 性 ショックにも 注 意 が 必 要 です トリアージ: 赤 症 例 4. 開 放 性 大 腿 骨 骨 折 の 症 例 (30 歳 男 性 ) 開 放 性 骨 折 は 現 場 においては 創 への 感 染 防 止 および 出 血 性 ショックに 十 分 注 意 する 必 要 があ ります 大 腿 骨 の 開 放 骨 折 では 血 管 や 神 経 の 損 傷 にも 十 分 留 意 し 多 量 の 出 血 が 持 続 する 場 合 には 緊 縛 止 血 を 行 ったあと 固 定 処 置 を 行 います 搬 送 までに 数 時 間 の 猶 予 があります トリアージ: 黄 症 例 5 側 頭 部 裂 創 嘔 吐 傾 眠 傾 向 ある 症 例 (20 歳 女 性 ) 頭 部 外 傷 による 硬 膜 外 血 腫 脳 圧 亢 進 を 想 定 した 症 例 です 硬 膜 外 血 腫 は 強 い 衝 撃 で 一 時 意 識 を 失 いますが 回 復 し 頭 蓋 内 の 出 血 量 が 増 えるに 従 い 再 び 意 識 が 再 低 下 するまで 意 識 清 明 期 があります しばしば 頸 椎 の 骨 折 を 合 併 し 見 過 ごされると 頸 髄 損 傷 により 四 肢 に 麻 痺 が 生 じます また 意 識 障 害 時 の 嘔 吐 は 窒 息 に 十 分 注 意 する 必 要 があります トリアージ: 赤 症 例 6 呼 吸 していない 症 例 迅 速 に 確 実 に 死 亡 を 確 認 する 訓 練 を 行 います 極 短 時 間 のチェックで 蘇 生 術 を 行 わずに 負 傷 者 にトリアージタッグ 黒 を 付 けることは トリアージ 実 施 医 に 大 きな 負 担 となります 普 段 から 黒 と 確 実 にトリアージする 訓 練 が 是 非 とも 必 要 と 思 われます 10
緊 急 連 絡 高 崎 市 医 師 会 災 害 対 策 本 部 1. 事 故 の 概 要 1) 本 日 午 前 9 時 10 分 頃 上 越 新 幹 線 の 上 り 列 車 が 高 崎 駅 から 約 4Km 南 の 町 番 地 付 近 を 走 行 中 に 脱 線 し 前 3 両 が 高 架 上 で 転 覆 した 事 故 現 場 の 近 くには M 小 学 校 クリニックがある 2) 転 覆 した 前 3 両 を 中 心 に 多 数 の 重 症 者 が 発 生 した 模 様 である 3) 原 因 は 現 在 のところ 不 明 である 車 両 火 災 は 発 生 していない 4) 事 故 現 場 に 最 も 近 い 斜 路 ( 高 架 上 への 通 路 )は 町 番 地 にある 2. 災 害 医 療 活 動 の 決 定 高 崎 市 医 師 会 長 は 高 崎 市 長 の 要 請 により 午 前 9 時 20 分 救 急 災 害 医 療 活 動 を 行 う ことを 決 定 した 3. 初 動 救 護 班 東 部 支 援 救 護 班 へ 初 動 救 護 班 班 長 森 田 英 樹 先 生 筆 頭 副 班 長 水 内 整 先 生 は 直 ちに 出 動 の 準 備 をして 消 防 局 からの 迎 えの 車 を 待 ってください 他 の 初 動 救 護 班 員 は 直 ちに 現 場 に 出 動 してください 医 師 会 現 地 対 策 本 部 は 斜 路 付 近 に 設 置 された 消 防 局 現 地 指 揮 本 部 内 にあります 先 に 着 いた 正 副 班 長 班 員 消 防 局 現 地 指 揮 本 部 員 等 の 指 示 に 従 ってください 東 部 支 援 救 護 班 は 医 師 会 本 部 の 指 示 により 出 動 できるよう 待 機 してください 二 次 災 害 には 十 分 ご 注 意 ください 4. 傷 病 者 収 容 班 病 院 へ 正 副 班 長 病 院 を 中 心 に 負 傷 者 の 収 容 態 勢 を 整 えてください 5. 医 師 会 対 策 本 部 および 医 師 会 現 地 対 策 本 部 構 成 員 へ 両 対 策 本 部 の 構 成 員 は 直 ちに 仕 度 をして 出 動 してください 6. 事 故 現 場 の 略 図 現 場 周 辺 地 図 11
START 法 による 事 故 現 場 でのトリアージ 1.トリアージ トリアージとは 人 材 医 療 資 源 が 著 しく 制 約 された 大 規 模 な 事 故 や 災 害 において 最 善 の 救 命 効 果 を 得 るために 多 数 の 傷 病 者 を 重 症 度 と 緊 急 性 によって 分 類 し 治 療 の 優 先 度 を 決 定 す ることです 2.START 法 (Simple Triage And Rapid Treatment) 通 常 事 故 現 場 でのトリアージに 用 いられ 次 の 4 つに 判 定 分 類 されます 1)トリアージ 判 定 の 4 分 類 黒 タッグ : 死 亡 もしくは 現 状 では 救 命 不 可 能 とされるもの 赤 タッグ : 生 命 に 関 わる 重 篤 な 状 態 であり 一 刻 も 早 い 治 療 が 必 要 で 救 命 の 可 能 性 があるもの 黄 タッグ : 今 すぐ 生 命 に 関 わる 重 篤 な 状 態 でないが 早 期 に 治 療 が 必 要 なもの 緑 タッグ : 救 急 での 搬 送 が 必 要 でない 軽 症 なもの 2)START 法 によるトリアージの 進 め 方 ( 負 傷 者 1 人 30 秒 以 内 で 判 定 ) 歩 けるもの 緑 ( 状 態 の 悪 化 がないか 絶 えず 観 察 する 必 要 がある) 歩 けないもの 自 発 呼 吸 なし 気 道 確 保 自 発 呼 吸 ありは 赤 なしは 黒 自 発 呼 吸 あり 呼 吸 数 30/ 分 以 上 または9/ 分 以 下 赤 呼 吸 数 10~29/ 分 毛 細 血 管 再 充 血 時 間 2 秒 超 又 は 橈 骨 動 脈 触 知 不 可 か 脈 拍 120/ 分 以 上 毛 細 血 管 再 充 血 時 間 2 秒 以 下 または 橈 骨 動 脈 の 脈 拍 120/ 分 未 満 赤 簡 単 な 指 示 に 応 じない 赤 簡 単 な 指 示 に 応 じる 介 助 で 移 動 不 可 能 黄 介 助 で 移 動 可 能 緑 注 1. 気 道 確 保 とは あご 先 挙 上 法 または 下 顎 挙 上 法 を 行 う 注 2. 脈 拍 毛 細 血 管 再 充 血 時 間 はどちらでもよい 脈 拍 は5~6 秒 測 定 し 12~10 倍 する 注 3. 簡 単 な 指 示 とは たとえば 私 の 手 を 握 って 今 度 は 離 して など 12
13
14