平 成 21 年 度 の 活 動 ( 比 較 地 方 自 治 研 究 センター) 1.センター センターの 目 的 本 センターは アジア 諸 国 を 始 め 多 くの 国 で 社 会 経 済 の 発 展 等 に 伴 い 内 政 の 充 実 すなわち 行 政 サービス 水 準 の 向 上 とデモクラティック ガバナンスの 強 化 が 求 められ 地 方 分 権 の 推 進 と ローカル ガバナンスの 向 上 が 大 きな 課 題 となるなか 地 方 自 治 に 関 する 比 較 研 究 を 行 なうとと もに その 成 果 に 関 する 情 報 発 信 や 研 究 交 流 等 の 人 的 ネットワークの 形 成 を 通 じて アジア 諸 国 をはじめとする 各 国 の 地 方 自 治 の 発 展 に 貢 献 することを 目 的 として 設 立 された 2.センター センターの 活 動 方 針 地 方 自 治 制 度 や 自 治 体 運 営 に 関 する 研 究 の 高 度 化 を 図 るため アジア 諸 国 と 日 本 を 中 心 にした 地 方 自 治 に 関 する 比 較 研 究 研 究 交 流 を 進 める また 我 が 国 の 地 方 自 治 制 度 の 現 状 や 発 展 の 歴 史 地 方 自 治 を 巡 る 最 新 動 向 等 に 関 する 情 報 発 信 を 積 極 的 に 行 うとともに 国 内 外 の 地 方 自 治 に 関 する 文 献 資 料 の 収 集 に 努 める 3.センター センターの 研 究 活 動 (1) シンポジウムの 開 催 等 平 成 20 年 度 に 引 き 続 き 地 方 分 権 の 時 代 における 国 と 地 方 の 新 たな 関 係 (A New Relationship between the Central Government and Local Governments in the Era of Decentralization)と 題 する 第 4 回 国 際 シンポジウムを 平 成 22 年 2 月 18 日 ( 木 )に 政 策 研 究 大 学 院 大 学 にて 開 催 した 佐 賀 県 古 川 知 事 の 基 調 講 演 に 続 き 中 国 インドネシア フィリピン 韓 国 とタイの 研 究 者 が 各 国 の 地 方 分 権 時 代 における 国 と 地 方 の 関 係 について 報 告 し 続 くパネ ルディスカッションで 意 見 交 換 を 行 った 地 方 自 治 関 係 の 研 究 者 や 実 務 家 約 120 名 が 参 加 した また 平 成 20 年 度 に 実 施 した 第 3 回 国 際 シンポジウムについては 地 方 分 権 と 地 方 財 政 シンポジウム 報 告 書 ( Decentralization and Local Finance Symposium Report)を 作 成 し 関 係 者 に 配 布 した (2) セミナー 平 成 19 年 度 から 開 始 したCOSLOGセミナーでは 日 本 やアジア 諸 国 の 地 方 自 治 研 究 者 などが 各 国 の 地 方 自 治 に 関 するテーマについて 報 告 を 行 い それに 基 づき 意 見 交 換 を 行 っている 平 成 21 年 度 には 計 3 回 のセミナーを 開 催 し イギリス 中 国 インドネシアにおける 地 方 自 治 の 現 状 や 地 方 分 権 の 課 題 などについて 報 告 を 行 った 地 方 自 治 研 究 者 の 他 自 治 関 係 団 体 の 職 員 学 生 などが 参 加 し 講 演 後 の 質 疑 意 見 交 換 の 時 間 では 活 発 な 意 見 交 換 が 行 われた (3) 海 外 との 研 究 交 流 地 方 自 治 に 関 する 比 較 研 究 を 行 うため 中 国 山 西 大 学 の 政 治 公 共 管 理 学 院 の 杜 創 国 副 学 院 長 教 授 を 平 成 21 年 10 月 下 旬 から12 月 初 旬 までの 間 インドネシア 大 学 の 社 会 科 学 部 行 政 学 地 方 自 治 担 当 のDr. Eko Prasojo 教 授 を 平 成 22 年 3 月 に 約 1ヶ 月 間 客 員 研 究 員 として 招 聘 した 両 氏 の 滞 在 期 間 中 に 杜 教 授 による 中 国 の 基 層 自 治 に 関 する 研 究 Prasojo 教 授 による インドネシアにおける 地 方 自 治 と 民 主 化 への 影 響 について と 題 するセミナーな どを 実 施 した
(4) 地 方 自 治 制 度 ( 運 用 )の 調 査 研 究 と 海 外 への 情 報 提 供 地 方 自 治 制 度 とその 運 用 に 関 する 調 査 研 究 を 行 なうとともに ( 財 ) 自 治 体 国 際 化 協 会 (CLAIR)との 連 携 により 我 が 国 の 地 方 自 治 制 度 等 についての 外 国 語 による 資 料 作 成 海 外 へ の 情 報 提 供 等 ( 自 治 制 度 及 び 運 用 実 態 情 報 海 外 紹 介 等 支 援 事 業 )を 平 成 17 年 度 から 実 施 してい る 1 研 究 委 員 会 の 設 置 開 催 ア 平 成 21 年 度 は 以 下 のメンバーからなる 研 究 委 員 会 及 びワーキング グループを 設 置 し 次 の2から6に 示 す 事 業 を 実 施 した 井 川 博 政 策 研 究 大 学 院 大 学 教 授 ( 座 長 ) 石 川 義 憲 財 団 法 人 JKA 理 事 稲 澤 克 祐 関 西 学 院 大 学 専 門 職 大 学 院 経 営 戦 略 研 究 科 教 授 大 杉 覚 首 都 大 学 東 京 大 学 院 社 会 科 学 研 究 科 教 授 上 子 秋 生 立 命 館 大 学 政 策 科 学 部 教 授 河 藤 佳 彦 高 崎 経 済 大 学 地 域 政 策 学 部 准 教 授 木 村 俊 介 政 策 研 究 大 学 院 大 学 教 授 小 西 敦 全 国 市 町 村 国 際 文 化 研 修 所 調 査 研 究 部 長 佐 々 木 淳 ( 財 ) 自 治 体 国 際 化 協 会 事 務 局 長 ( 座 長 代 理 ) 島 崎 謙 治 政 策 研 究 大 学 院 大 学 教 授 田 中 啓 静 岡 文 化 芸 術 大 学 文 化 政 策 学 部 准 教 授 角 田 秀 夫 ( 財 ) 自 治 体 国 際 化 協 会 交 流 情 報 部 長 中 平 真 金 沢 大 学 大 学 院 人 間 社 会 環 境 研 究 科 教 授 松 藤 保 孝 高 崎 経 済 大 学 地 域 政 策 学 部 教 授 横 道 清 孝 政 策 研 究 大 学 院 大 学 教 授 ( 座 長 代 理 ) ( 職 名 は 平 成 21 年 度 中 のもの 委 員 は 平 成 22 年 3 月 31 日 現 在 のメンバー) イ 研 究 委 員 会 分 科 会 の 開 催 実 績 は 以 下 の 通 りである 第 1 回 平 成 21 年 6 月 16 日 ( 火 ) 第 2 回 平 成 21 年 9 月 15 日 ( 火 ) 第 3 回 平 成 21 年 12 月 14 日 ( 月 ) 第 4 回 平 成 22 年 3 月 5 日 ( 金 ) 2 自 治 関 係 の 主 要 な 統 計 資 料 の 英 訳 ( 集 ) の 作 成 平 成 20 年 度 版 については 新 規 資 料 の 追 加 は 行 わず 19 年 度 版 をベースに 更 新 確 認 作 業 を 進 め 冊 子 を 作 成 するとともに 成 果 物 をセンターのホームページに 掲 載 した 平 成 21 年 度 版 については 地 方 財 政 健 全 化 関 連 の2つのデータ( 財 政 健 全 化 の 法 律 の 概 要 健 全 化 判 断 比 率 資 金 不 足 比 率 の 状 況 )を 加 えたうえで 更 新 確 認 作 業 を 進 めた 3 アップ ツー デートな 自 治 関 係 の 動 き の 作 成 平 成 20 年 度 に 引 き 続 き 日 本 の 地 方 自 治 に 関 係 する 最 新 の 動 向 を 調 査 研 究 し その 成 果 を 海 外 等 に 情 報 発 信 するため 平 成 21 年 度 は 以 下 の アップ ツー デートな 自 治 関 係 の 動 き に 関 する 資 料 ( 日 本 文 英 文 )を 作 成 した 横 道 清 孝 日 本 における 新 しい 広 域 行 政 政 策
河 藤 佳 彦 日 本 における 新 しい 地 方 財 政 健 全 化 制 度 なお 作 成 した アップ ツー デートな 自 治 関 係 の 動 き については センターのホーム ページに 掲 載 した 4 分 野 別 地 方 自 治 制 度 及 びその 運 用 の 作 成 日 本 の 地 方 自 治 に 関 する 各 分 野 の 制 度 や 運 用 について 調 査 研 究 し その 成 果 を 海 外 等 に 発 信 するため 以 下 の 分 野 別 地 方 自 治 制 度 及 びその 運 用 に 関 する 資 料 ( 日 本 文 英 文 )につい て 検 討 し その 作 成 を 進 めた 平 成 20 年 度 開 始 分 大 杉 覚 日 本 の 自 治 体 行 政 組 織 河 藤 佳 彦 観 光 による 新 たな 地 域 振 興 島 崎 謙 治 高 齢 者 医 療 制 度 の 沿 革 と 課 題 田 中 啓 日 本 の 自 治 体 の 行 政 評 価 平 成 21 年 度 開 始 分 大 杉 覚 日 本 の 自 治 体 計 画 石 川 義 憲 日 本 の 公 営 競 技 と 地 方 自 治 体 島 崎 謙 治 国 民 健 康 保 険 の 市 町 村 公 営 主 義 の 沿 革 と 将 来 課 題 田 中 啓 日 本 の 自 治 体 の 行 政 改 革 なお 上 記 の 資 料 の 内 平 成 20 年 度 開 始 分 (4 種 類 )については 冊 子 を 作 成 するととも に センターのホームページに 掲 載 した 平 成 21 年 度 開 始 分 の 内 2 種 類 についても 冊 子 を 作 成 し センターのホームページに 掲 載 した また 残 りの 2 種 類 についても 冊 子 化 を 進 め センターのホームページに 掲 載 する 予 定 である 5 我 が 国 の 地 方 自 治 の 成 立 発 展 の 作 成 平 成 20 年 度 より 日 本 の 地 方 自 治 に 関 する 成 立 経 緯 について 調 査 研 究 し その 成 果 を 海 外 等 に 情 報 発 信 するため 我 が 国 の 地 方 自 治 の 成 立 発 展 に 関 する 調 査 研 究 を 開 始 した 平 成 21 年 度 は 以 下 の 年 代 に 関 する 我 が 国 の 地 方 自 治 の 成 立 発 展 ( 日 本 文 英 文 )を 作 成 し 冊 子 化 した なお 作 成 した 冊 子 については センターのホームページなどに 掲 載 した 上 子 秋 生 近 代 地 方 行 政 の 黎 明 期 (1868-1880 年 ) 井 川 博 旧 地 方 自 治 制 度 の 発 展 (1909-1929 年 ) 松 藤 保 孝 戦 後 地 方 自 治 制 度 の 創 設 期 (1946-1951 年 ) 小 山 永 樹 高 度 成 長 期 ~ 戦 後 地 方 自 治 制 度 の 定 着 発 展 期 (1)(1961-1974 年 ) 小 西 敦 地 方 分 権 推 進 期 (1)(1993-2000 年 ) また 残 りの 年 代 についても 平 成 21 年 度 から 以 下 の 分 担 により 調 査 研 究 を 開 始 した 平 成 22 年 度 においても 引 き 続 き 検 討 を 進 め 5つの 年 代 について 我 が 国 の 地 方 自 治 の 成 立 発 展 の 作 成 を 進 める 予 定 である 上 子 秋 生 市 制 町 村 制 府 県 制 の 成 立 (1881-1908 年 ) 井 川 博 旧 地 方 自 治 制 度 の 衰 退 期 (1930-1945 年 ) 松 藤 保 孝 戦 後 地 方 自 治 制 度 の 修 正 期 (1952-1960 年 ) 中 平 真 低 成 長 期 ~ 戦 後 地 方 自 治 制 度 の 定 着 発 展 期 (2)(1975-1992 年 ) 小 西 敦 地 方 分 権 推 進 期 (2)(2001-2009 年 )
6 重 要 ( 基 礎 ) 用 語 の 索 引 ( 対 訳 集 ) の 作 成 平 成 21 年 度 までに 作 成 した 資 料 ( アップ ツー デートな 自 治 関 係 の 動 き 分 野 別 自 治 制 度 とその 運 用 )の 中 から 重 要 な 単 語 表 現 ( 句 ) を 抽 出 し 冊 子 別 に 日 本 語 の 索 引 を 作 成 した 索 引 には 記 載 頁 と 記 載 行 を 原 則 として 記 載 することとした 各 索 引 を PDF 化 したうえで 各 資 料 (PDF)の 末 尾 に 添 付 し センターのホームページに 掲 載 し た 7 地 方 自 治 関 係 文 献 資 料 の 調 査 収 集 海 外 の 雑 誌 統 計 及 び 地 方 自 治 に 関 する 文 献 ( 洋 書 ) 並 びに 海 外 の 地 方 自 治 に 関 する 文 献 ( 和 書 ) 等 について 調 査 研 究 を 行 った これらの 調 査 研 究 をベースに センターによる 書 籍 の 購 入 ( 財 ) 自 治 体 国 際 化 協 会 による 書 籍 の 購 入 貸 与 無 償 図 書 刊 行 物 の 収 集 など により 比 較 地 方 自 治 研 究 センターの 図 書 資 料 の 整 備 を 進 めた 4.その 他 の 活 動 (1) タイ 国 知 事 研 修 (SEDP 研 修 ) タイ 国 政 府 人 事 委 員 会 (OCSC: Office of the Civil Service Commission) の 依 頼 に より 平 成 21 年 7 月 6 日 ( 月 )から7 月 24 日 ( 金 )の19 日 間 タイ 国 SEDP 研 修 プログラム (Senior Executive Development Program)を 実 施 した この 研 修 は 県 知 事 副 知 事 クラスを 対 象 とした 研 修 であり 平 成 17 年 度 から 行 っており 平 成 21 年 度 で 計 5 回 目 の 実 施 となった 平 成 21 年 度 は 県 知 事 1 名 副 知 事 6 名 を 研 修 員 とし て 迎 えた 研 修 員 は GRIPSでの 講 義 に 加 え 北 海 道 庁 及 び 青 森 県 庁 の 訪 問 等 を 行 い 地 方 自 治 地 方 分 権 行 政 改 革 及 び 地 域 振 興 について 学 んだ 上 で アクションプランを 作 成 した (2) その 他 の 研 修 や 意 見 交 換 等 平 成 21 年 5 月 19 日 20 日 に 財 団 法 人 自 治 体 国 際 化 協 会 (CLAIR) 及 びタイのスコタイタ マティラート 大 学 (SukhothaiThammathirat Open University)の 依 頼 を 受 け タイの 自 治 体 幹 部 職 員 等 (31 名 )に 対 して 講 義 を 行 った 平 成 21 年 6 月 1 日 3 日 に タイ 国 大 使 館 の 依 頼 を 受 け タイ 国 政 府 OCSC の 研 修 団 に 対 し て 講 義 を 行 った 平 成 21 年 8 月 24 日 - 9 月 4 日 に タイ 国 政 府 OCSC の 依 頼 を 受 け 実 施 されたタイの 若 手 幹 部 候 補 公 務 員 研 修 (14 名 )において 講 義 等 を 行 った 平 成 21 年 10 月 13 日 に インドネシアの 行 政 改 革 省 (Ministry of Administrative Reform) の 依 頼 を 受 け 中 堅 幹 部 公 務 員 (9 名 )に 講 義 を 行 った 後 意 見 交 換 した 平 成 21 年 11 月 10 日 に オーストラリアのモナッシュ 大 学 (Monash University in Australia) の 日 本 研 究 センター 所 長 Prof. Ross Mouer が GRIPS を 訪 問 し 意 見 交 換 をした 平 成 21 年 11 月 12 日 に タイの King Prajadhipok Institute (KPI)の 依 頼 を 受 け タイの 県 自 治 体 の 首 長 等 (41 名 )に 対 して 研 修 を 実 施 した 平 成 21 年 12 月 7 日 12 月 15 日 に 実 施 された 中 国 中 央 党 校 短 期 研 修 (6 名 )において 講 義 等 を 行 った 平 成 22 年 1 月 18 日 に タイの King Prajadhipok Institute (KPI)の 依 頼 を 受 け タイの 県 自 治 体 の 議 長 (75 名 ) 等 に 対 して 講 義 を 行 った 平 成 22 年 1 月 21 日 に タイのタマサート 大 学 (Thammasat University) 及 びテーサバーン 協 会 (National Municipal League of Thailand)の 依 頼 を 受 け タイの 市 町 村 長 等 自 治 体 幹 部 職 員 (21 名 )に 対 して 研 修 を 実 施 した
平 成 22 年 3 月 23 日 に 外 務 省 アジア 大 洋 州 局 中 国 課 の 依 頼 を 受 け 中 国 の 吉 林 省 集 安 市 の 副 市 長 と 局 長 (2 名 )が GRIPS を 訪 問 し 意 見 交 換 をした 平 成 22 年 3 月 25 日 に 外 務 省 欧 州 局 ロシア 課 の 依 頼 を 受 け ロシアのテルスキー 太 平 洋 戦 略 策 定 センター 所 長 が GRIPS を 訪 問 し 意 見 交 換 をした 5. 今 後 の 予 定 (1) 平 成 21 年 度 に 引 き 続 き 地 方 自 治 に 関 する 国 際 シンポジウムを 開 催 するとともに 海 外 か らの 研 究 員 の 招 聘 などを 行 い アジア 諸 国 と 日 本 を 中 心 とした 地 方 自 治 制 度 とその 運 用 に 関 す る 研 究 を 進 める (2)( 財 ) 自 治 体 国 際 化 協 会 の 協 力 を 得 て 自 治 制 度 及 び 運 用 実 態 情 報 海 外 紹 介 等 支 援 事 業 を 引 き 続 き 実 施 する (3)タイ 国 公 務 員 に 対 する 研 修 などを 通 じて 人 材 育 成 に 貢 献 するとともに アジア 各 国 の 地 方 自 治 関 係 者 との 連 携 を 強 める