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目 次 はじめに 発 芽 出 芽 障 害 1. 出 芽 不 良 の 現 地 事 例 2 2. 発 芽 出 芽 障 害 3 3. 出 芽 安 定 化 に 向 けた 試 験 と 調 査 7 4. 高 温 による 発 芽 不 良 高 温 ヤケ 12 5. 早 期 異 常 出 穂 をなくすための 育 苗 管 理 13 6. 播 種 前 からの 栽 培 技 術 15 育 苗 障 害 1. 生 理 的 障 害 17 2. 農 薬 による 障 害 例 20 3. 虫 害 ネズミ スズメによる 障 害 21 4. 病 原 菌 による 障 害 22 (1) 苗 立 枯 病 (カビによる 病 害 ) 22 1ピシウム 菌 による 育 苗 後 半 の 苗 立 枯 病 22 2フザリウム 菌 ( 俗 称 赤 カビ)による 苗 立 枯 病 23 3リゾープス 菌 ( 俗 称 白 カビ) 24 4トリコデルマ 菌 ( 俗 称 青 カビ) 25 (2) 苗 立 枯 細 菌 病 ( 細 菌 による 病 害 ) 26 (3) 褐 条 病 ( 細 菌 による 病 害 ) 27 (4) ばか 苗 病 (カビによる 病 害 ) 28 5. 苗 病 害 の 防 除 対 策 29 (1) 温 湯 消 毒 と 注 意 点 30 (2) 食 酢 + 循 環 式 催 芽 機 による 褐 条 病 の 防 除 31 (3) 種 子 消 毒 剤 苗 病 害 防 除 剤 33
はじめに 水 稲 の 苗 作 りは 苗 半 作 と 言 われるほど 重 要 で 健 苗 の 育 成 が 作 柄 を 左 右 するばかりでなく 品 質 にも 大 きな 影 響 を 及 ぼします 一 方 育 苗 期 間 の 始 めには 芽 が 出 てこない 芽 の 出 方 が 不 揃 い などのトラブルが 毎 年 少 なからず 発 生 しています また その 後 の 育 苗 期 間 においても 様 々な 障 害 が 発 生 することがあります 各 種 のトラブルや 障 害 の 事 例 について 道 総 研 農 業 試 験 場 および 各 地 区 農 業 改 良 普 及 センターから 情 報 提 供 を 受 け 写 真 や 図 を 多 く 取 り 入 れてまとめました 水 稲 栽 培 では 大 変 重 要 な 育 苗 期 間 において トラブル 防 止 対 策 と して 今 後 の 参 考 にしていただければ 幸 いです なお 本 冊 子 は 平 成 20 年 2 月 に 発 行 した 冊 子 を 元 に 写 真 等 を 追 加 してリニューアルしたものです 写 真 データ 提 供 空 知 農 業 改 良 普 及 センター 空 知 南 西 部 支 所 上 川 農 業 改 良 普 及 センター 本 所 士 別 支 所 留 萌 農 業 改 良 普 及 センター 北 海 道 農 政 部 生 産 振 興 局 技 術 普 及 課 上 川 総 合 振 興 局 道 総 研 中 央 農 業 試 験 場 道 総 研 上 川 農 業 試 験 場 一 般 社 団 法 人 北 海 道 米 麦 改 良 協 会 1
発 芽 出 芽 障 害 1. 出 芽 不 良 の 現 地 事 例 ( 空 知 普 及 センター 空 知 南 西 部 支 所 ) 平 成 18 年 は 苗 床 において 出 芽 のばらつきが 多 く 見 られ 一 部 の 生 産 者 からは 温 湯 消 毒 の 影 響 を 懸 念 する 声 が 聞 かれました しかし 出 芽 不 良 の 主 たる 原 因 は 基 本 的 な 管 理 が 不 十 分 だったことや 気 象 条 件 によるもの と 判 断 されました 出 芽 不 揃 いの 苗 床 ( 播 種 11 日 後 ) 出 芽 良 好 な 苗 床 ( 播 種 11 日 後 ) 1ポット 内 に1 葉 が 展 開 している 苗 と 出 芽 直 後 のものが 混 在 し 揃 いが 不 良 です また 出 芽 本 数 が1 本 のポットが 多 い 各 ポットのほとんどの 苗 は1 葉 が 展 開 し 揃 いが 良 好 です また 出 芽 本 数 が3 本 以 上 のポットが 多 い 現 地 の 事 例 から 考 えられる 出 芽 不 良 の 原 因 浸 種 条 件 ( 浸 種 場 所 の 温 度 浸 種 水 温 が 低 い) 苗 床 設 置 前 後 の 気 象 条 件 ( 低 温 日 照 不 足 地 温 が 低 い 高 温 によるヤケ 床 土 の 過 湿 乾 燥 ) 種 籾 自 体 の 素 質 ( 低 い 発 芽 能 力 充 実 度 不 足 不 適 切 な 保 管 ) 2
浸 種 温 度 のちがいで 出 芽 に 大 きなバラツキがでた 事 例 です ( 写 真 : 北 海 道 米 麦 改 良 協 会 ) 2. 発 芽 出 芽 障 害 (H18 空 知 普 及 センター 空 知 南 西 部 支 所 ) 発 芽 出 芽 障 害 には 様 々な 原 因 があります 浸 種 水 温 と 浸 種 日 数 について 検 討 しました (1 1) 浸 種 水 温 浸 種 日 数 が 発 芽 に 及 ぼす 影 響 (1) 吸 水 率 浸 種 期 間 中 に 種 籾 が 吸 収 した 水 分 割 合 きらら397 浸 種 水 温 が 低 く 浸 種 日 数 が 短 いと 吸 水 率 は 低 い 3
(2)ハト 胸 催 芽 籾 歩 合 発 芽 発 根 状 況 : 浸 種 後 30~32 で 発 芽 発 芽 1 日 目 5 10 日 浸 種 ハト 胸 歩 合 は 10 の 方 が 高 く 5 とは 差 が 大 きかった 10 10 日 浸 種 図 2 浸 種 処 理 とハト 胸 歩 合 発 芽 2 日 目 5 10 日 浸 種 10 の 発 芽 発 根 率 は 50% を 超 えていた 5 と 比 べると 発 芽 発 根 は 早 かった 10 10 日 浸 種 図 3 浸 種 処 理 と 発 芽 率 (2 日 目 ) 4
(2)ハト 胸 催 芽 籾 歩 合 発 芽 発 根 状 況 つづき 発 芽 3 日 目 5 10 日 浸 種 発 芽 発 根 率 は 全 処 理 で 90% 程 度 になった 発 芽 発 根 率 は 同 等 だが 芽 と 根 の 生 育 には 違 いがあった 10 10 日 浸 種 図 4 浸 種 処 理 と 発 芽 率 (3 日 目 ) (1 2) 浸 種 水 温 浸 種 日 数 が 芽 の 長 さに 及 ぼす 影 響 (3) 発 芽 試 験 4 日 目 に 全 粒 の 芽 長 を 測 定 発 芽 4 日 目 5 10 日 浸 種 浸 種 水 温 10 と 5 では 平 均 芽 長 が 2.2 ~3.4mm の 違 いがあり 浸 種 水 温 が 芽 の 生 長 にも 影 響 した 浸 種 水 温 5 では 芽 の 長 さ 5mm 以 下 が 多 く 10 では 7.5mm 以 上 が 多 かった 10 10 日 浸 種 図 5 浸 種 水 温 日 数 ごとの 芽 長 5
発 芽 試 験 まとめ 10 の 浸 種 水 温 では 5 に 比 べて 発 芽 発 根 が 早 く 揃 いも 良 かっ た 芽 の 生 長 には 違 いがあり 10 では 芽 長 が 5 よりも 2~3mm 程 度 長 かった 10 で 浸 種 した 場 合 7 日 と 10 日 の 差 はあまりなかった 試 験 結 果 より 浸 種 水 温 は 5 よりも 10 の 方 が 発 芽 発 根 率 芽 の 生 長 が 良 いということが 確 認 された 出 芽 不 良 の 原 因 は 浸 種 水 温 だけではありません!! ~ 低 温 時 の 苗 床 設 置 には 気 をつける!~ 日 照 時 間 (H18) 平 均 気 温 (H18) ( ) 平 日 照 均 時 気 間 温 ( 平 年 ) 日 平 均 照 気 時 温 間 ( 平 年 ) 20 10 18 8 平 16 6 均 14 4 気 ( 時 間 ) 12 2 温 10 0 8-2 日 6-4 照 時 4-6 間 2 0-8 -10 13 14 15 16 17 18 19 20 21 4 月 図 6 播 種 期 間 中 の 日 照 時 間 及 び 平 均 気 温 ( 長 沼 アメダス) 平 成 18 年 の 播 種 期 の 気 温 は 低 温 で 日 照 時 間 も 少 なく 出 芽 期 の 苗 床 の 温 度 ( 種 籾 の 位 置 で 25~32 が 適 当 )の 確 保 が 困 難 でした また 融 雪 の 遅 れで 苗 床 準 備 が 遅 れて 十 分 に 地 温 が 確 保 できなかったことも 原 因 でした このことが 出 芽 に 関 してマイナ スにはたらいたと 思 われました 6
3. 出 芽 安 定 化 に 向 けた 試 験 と 調 査 ( 上 川 農 業 技 術 支 援 会 議 の 取 組 ) 水 稲 の 温 湯 種 子 消 毒 技 術 は 農 薬 を 使 わず 廃 液 も 出 さないため 近 年 普 及 が 進 んでいます 一 方 従 来 の 農 薬 消 毒 では 見 られなかった 発 芽 出 芽 の 不 良 などが 生 産 現 場 で 報 告 されています 温 湯 消 毒 と 種 子 予 措 条 件 について 様 々な 組 み 合 わせ による 調 査 を 行 い 苗 立 ち 障 害 がなぜ 発 生 するのかを 検 討 しました なお 温 湯 消 毒 と 注 意 点 については P30 以 降 に 掲 載 しています 7
(1 1) 浸 漬 温 度 が 違 うと ( 温 湯 消 毒 法 ) 浸 漬 温 度 7 ( 低 温 )で 出 芽 率 37 % 浸 漬 温 度 12 ( 適 温 )で 出 芽 率 70 % 出 芽 温 度 15 ( 低 温 )-10 日 浸 漬 条 件 出 芽 温 度 25 ( 適 温 )にすると 出 芽 率 93 % 浸 漬 温 度 12 ( 適 温 )で 出 芽 温 度 25 ( 適 温 )だと 出 芽 率 97 % きらら 397 浸 漬 日 数 10 日 は 種 後 7 日 目 出 芽 調 査 実 施 ( 左 上 ) 浸 漬 ( 浸 種 )7-10 日 間 では 出 芽 温 度 15 ( 低 温 )での 出 芽 率 37% ( 右 上 ) 浸 漬 12-10 日 間 では 出 芽 温 度 15 での 出 芽 率 70% ( 左 下 ) 浸 漬 7-10 日 間 では 出 芽 温 度 25 ( 適 温 )での 出 芽 率 93% ( 右 下 ) 浸 漬 12-10 日 間 では 出 芽 温 度 25 での 出 芽 率 97% 2) 出 芽 温 度 が 違 うと ( 温 湯 消 毒 法 ) 出 芽 温 度 15 ( 低 温 )だと 出 芽 率 45 % 出 芽 温 度 25 ( 適 温 )だと 出 芽 率 92 % 8 浸 漬 温 度 7 ( 低 温 )でも 25 ( 適 温 )だと 出 芽 率 86 %まで 浸 漬 温 度 12 ( 適 温 )-8 日 浸 漬 きらら 397 浸 漬 日 数 8 日 は 種 後 7 日 目 出 芽 調 査 実 施 ( 左 ) 浸 漬 ( 浸 種 )7-8 日 間 では 出 芽 温 度 15 ( 低 温 )での 出 芽 率 45% ( 右 ) 浸 漬 12-8 日 間 では 出 芽 温 度 25 ( 適 温 )での 出 芽 率 92% ( 左 下 ) 浸 漬 7-8 日 間 では 出 芽 温 度 25 ( 適 温 )での 出 芽 率 86%
3) 浸 漬 出 芽 温 度 の 違 いによる 発 芽 出 芽 率 の 状 況 発 芽 出 芽 率 ( % ) 100 80 60 40 20 浸 種 7 浸 種 12 15 25 15 25 15 25 発 芽 (7 日 目 ) 出 芽 (7 日 目 ) 出 芽 (12 日 目 ) きらら397 ゆめぴりか はくちょうもち 風 の 子 もちの4 品 種 浸 漬 日 数 8 14 日 間 の 平 均 温 湯 消 毒 法 による 下 段 温 度 は 出 芽 時 温 度 黄 色 棒 グラフ( 浸 漬 温 度 7 )は 赤 色 棒 グラフ( 浸 漬 温 度 12 )に 比 べ 発 芽 率 出 芽 率 ともに 劣 る 出 芽 温 度 が 低 い(15 ) 場 合 特 に 劣 る 4) 消 毒 浸 漬 条 件 の 違 いによる 出 芽 率 の 状 況 1 発 芽 出 芽 率 ( % ) 100 90 80 70 60 50 40 温 湯 消 毒 15 出 芽 25 出 芽 温 湯 (30 日 保 管 ) 化 学 農 薬 消 毒 温 湯 消 毒 温 湯 (30 日 保 管 ) 化 学 農 薬 消 毒 出 芽 調 査 (7 日 目 ) 出 芽 調 査 (12 日 目 ) 赤 色 棒 グラフ( 出 芽 温 度 15 )は 黄 色 棒 グラフ( 出 芽 温 度 25 )に 比 べ どの 消 毒 方 法 におい ても 出 芽 率 が 劣 る 播 種 後 7 日 目 調 査 では 特 に 劣 る 9
5) 消 毒 浸 漬 条 件 の 違 いによる 出 芽 率 の 状 況 2 出 芽 割 合 100 90 80 70 温 湯 消 毒 8 12 日 間 H24 年 産 きらら397 温 湯 消 毒 12 8 日 間 化 学 農 薬 12 8 日 間 ( % ) 60 50 40 は 種 後 7 日 目 は 種 後 9 日 目 は 種 後 12 日 目 ( 上 川 農 業 改 良 普 及 センター 士 別 支 所 ) どの 消 毒 方 法 においても 8-12 日 間 浸 漬 ( 浸 種 )は 12-8 日 間 浸 漬 に 比 べ 出 芽 率 が 劣 る 播 種 後 7 日 目 調 査 では 特 に 差 が 顕 著 ある 6) 浸 漬 出 芽 条 件 でこうなった! 温 湯 種 子 消 毒 後 は 適 正 な 浸 種 (11~12 で 7~9 日 間 )と 催 芽 温 度 (30~32 )で 良 好 なハト 胸 催 芽 をめざし 播 種 後 は 適 正 な 出 芽 温 度 (25 程 度 )で 良 好 な 出 芽 苗 立 ちをめざそう! 温 湯 消 毒 種 子 は 乾 燥 後 清 潔 な 場 所 で 保 管 できるが 安 全 な 保 管 期 間 は 7 日 間 程 度 同 条 件 なら 出 芽 はほぼ 同 等 出 芽 は 劣 る 化 学 農 薬 消 毒 = 温 湯 種 子 消 毒 > 温 湯 種 子 長 期 保 管 浸 種 温 度 が 適 正 浸 種 温 度 が 低 い 浸 種 日 数 が 短 い( 長 い) 出 芽 温 度 が 適 正 出 芽 温 度 が 低 い 出 芽 温 度 が 適 正 出 芽 温 度 が 低 い 出 芽 遅 れ 不 揃 い 良 好 な 出 芽 出 芽 の 遅 れ 不 揃 い 深 刻 な 出 芽 不 良 10
7) 浸 漬 温 度 を 変 えた 時 の 発 芽 の 状 況 1 温 湯 消 毒 H23 年 産 きらら397 催 芽 時 間 24 時 間 後 シャーレ 試 験 温 度 は 浸 種 時 シャーレ 試 験 の 発 芽 率 で 見 ると 浸 漬 ( 浸 種 ) 温 度 は 12 ( 適 温 )に 設 定 すべきであるが 浸 漬 ( 浸 種 ) 開 始 1 日 目 の 温 度 の 影 響 が 大 きい 11
4. 高 温 による 発 芽 不 良 高 温 ヤケ 留 萌 普 及 センター 播 種 後 籾 周 辺 の 地 温 が40 以 上 に なると 軽 度 中 程 度 長 時 間 鞘 葉 が 水 泡 状 に 膨 らむ 次 に 芽 種 子 根 ともに 伸 び 出 芽 する 通 常 の 苗 として 使 用 できる 鞘 葉 が 水 泡 状 に 大 きく 膨 らむ 種 子 根 の 先 は 死 ぬが 芽 は 生 存 芽 は 曲 がりながら 伸 び 側 根 が 出 る 予 備 苗 の 準 備 が 必 要 根 芽 の 先 がともに 死 ぬ 4~5 日 で 腐 ってカビ 臭 がする 早 急 に 播 き 直 しする 軽 い 高 温 ヤケ 中 程 度 高 温 ヤケ 正 常 苗 著 しい 高 温 ヤケ 高 温 ヤケの 苗 ( 出 芽 直 後 ) 12
5. 早 期 異 常 出 穂 をなくすための 育 苗 管 理 成 苗 ポット 栽 培 における 早 期 異 常 出 穂 の 発 生 要 因 は 育 苗 期 間 後 半 の 高 温 と 育 苗 日 数 延 長 に 伴 う 苗 形 質 の 老 化 です 早 期 異 常 出 穂 が 発 生 すると 整 粒 歩 合 が 低 下 し 被 害 粒 歩 合 が 高 くなり 玄 米 品 質 が 低 下 します また タンパクも 高 くなる 傾 向 です 1) 早 期 異 常 出 穂 は 品 質 低 下 に 直 結! 穂 揃 い 標 準 偏 差 4.5 以 上 2) 早 期 異 常 出 穂 でタンパクも 上 昇?! 8.0 7.5 上 川 農 試 中 央 農 試 タ ン パ ク 含 有 率 ( %) 7.0 6.5 6.0 5.5 5.0 無 有 多 有 無 有 多 有 無 有 多 有 きらら397 ななつぼし ゆめぴりか 13
3)2.5 葉 期 以 降 の 温 度 管 理 が 大 事! 早 期 異 常 出 穂 のなかった 試 験 区 ( 白 丸 の 区 )では 2.5 葉 期 から 移 植 までの 育 苗 ハウスの 温 度 が 25 を 下 回 っていました 箱 上 10cmの 最 高 気 温 () 30 29 28 27 26 25 24 23 22 21 20 早 期 異 常 出 穂 で 穂 揃 い 標 準 偏 差 4.5 以 上 の 区 正 常 出 穂 で 穂 揃 い 標 準 偏 差 4.5 未 満 の 区 出 芽 期 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 葉 期 4) 早 期 異 常 出 穂 抑 制 のための 苗 形 質 と 育 苗 管 理 のポイント 早 期 異 常 出 穂 の 発 生 要 因 は 育 苗 期 間 後 半 の 高 温 と 育 苗 日 数 延 長 に 伴 う 苗 形 質 の 老 化 です 早 期 異 常 出 穂 発 生 のリスクが 低 い 苗 形 質 は 草 丈 13 cm 以 内 葉 令 は ななつぼし 4.0 葉 以 下 ゆめぴりか 4.3 葉 以 下 きらら 397 4.4 葉 以 下 です 2.5 葉 期 以 降 は 育 苗 ハウスを 開 放 し ハウス 温 度 を 25 以 上 としない 中 生 品 種 の 適 正 な 育 苗 日 数 は 30~35 日 です 14 表 早 期 異 常 出 穂 抑 制 のための 苗 形 質 と 育 苗 管 理 の 留 意 点 ( 成 苗 ポット 苗 ) (H26 普 及 推 進 事 項 ) 草 丈 10~13cm 乾 物 重 3.0~4.5g/100 本 移 植 時 きらら397 ( 低 )* 3.6~4.4 葉 以 内 苗 形 質 品 種 別 ゆめぴりか( 中 ) 3.6~4.3 葉 以 内 目 標 葉 数 ななつぼし( 高 ) 3.6~4.0 葉 以 内 育 苗 育 苗 温 度 簡 易 有 効 積 算 温 度 :400 以 内 管 理 の 管 理 2.5 葉 期 以 降 は25 以 上 としない 留 意 点 育 苗 日 数 中 生 品 種 は30~35 日 * 品 種 名 の( )は 早 期 異 常 出 穂 リスクの 程 度
6. 播 種 前 からの 栽 培 技 術 出 芽 不 良 の 事 例 から いままでのやり 方 から 気 象 に 左 右 されな い 栽 培 技 術 の 確 認 が 必 要 です 浸 種 ~ 播 種 計 画 までもう 一 度 考 え 直 し ましょう 浸 種 平 均 水 温 11~12 では 浸 種 日 数 は 7~9 日 が 最 適 平 均 水 温 8 以 下 では 浸 種 日 数 が 長 くても 出 芽 がばらつく 浸 種 の 注 意 点 平 均 水 温 を 把 握 ( 早 朝 昼 の 平 均 ) 平 均 水 温 を 8 以 下 にしない 極 端 に 温 度 の 下 がる 場 所 は 避 ける 成 苗 ポット 育 苗 では 播 種 時 期 を 遅 らせる 近 年 成 苗 ポット 苗 の 育 苗 で これまでの 育 苗 期 間 では 葉 令 が 大 き くなりすぎて 老 化 苗 や 早 期 異 常 出 穂 の 発 生 の 要 因 になっています 最 近 の 気 象 条 件 や 育 苗 技 術 に 合 わせ 播 種 時 期 を 遅 らせることで 老 化 苗 の 防 止 や 早 期 異 常 出 穂 の 防 止 につながります 例 年 今 後 浸 種 播 種 移 植 育 苗 日 数 4/1~10 4/12~15 5/18~24 37~40 日 浸 種 播 種 移 植 育 苗 日 数 4/5~15 4/17~20 5/18~24 30~35 日 ( 浸 種 播 種 を 7 日 程 度 遅 らせる) 苗 は 徒 長 し 老 化 苗 に! 苗 は 若 苗 で 活 着 良 好! 浸 種 播 種 作 業 を 遅 らせ 移 植 は 変 えない! 育 苗 日 数 は 短 縮 し 若 苗 を 移 植 できる 移 植 後 半 になっても 老 化 苗 になりづらい 15
移 植 時 の 苗 の 目 標 草 丈 葉 令 育 苗 様 式 (cm) ( 葉 ) 乾 物 重 (100 本 /g) 成 苗 ポット 10~13 3.6~4.3 3.0 以 上 茎 は 太 く 葉 色 は 濃 い 緑 中 苗 マット 10~12 3.1~3.8 2.0 以 上 日 数 ではなく 葉 数 を 必 ず 確 認 ズングリ 苗 を 目 標 に 播 種 を 遅 らせるだけではダメ ハウスの 早 期 ビニール 掛 け 例 年 より 10 日 程 度 早 く 明 きょで 排 水 改 善 苗 床 の 早 期 乾 燥 砕 土 性 向 上 気 温 上 昇 善 苗 質 良 好 活 着 良 好 初 期 生 育 良 好 作 業 計 画 を 立 てよう 除 雪 ~ 移 植 までの 作 業 計 画 をしっかり 立 て 今 シーズンの 作 業 に 向 かいましょう 除 雪 ハウスヒ ニール 消 毒 掛 け 浸 種 催 芽 播 種 日 移 植 日 育 苗 日 数 月 日 月 日 月 日 月 日 月 日 月 日 日 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 月 日 月 日 月 日 月 日 月 日 月 日 日 自 分 で 記 入 し 計 画 を 立 てましょう 16
育 苗 障 害 1. 生 理 的 障 害 ( 写 真 : 留 萌 農 業 改 良 普 及 センター) 窒 素 不 足 による 淡 い 葉 色 の 軟 弱 苗 窒 素 不 足 苗 の 葉 先 苗 が 全 体 に 淡 く 軟 弱 で 施 肥 の 不 足 や 床 土 の 保 肥 力 が 極 端 に 低 い 場 合 に 見 られます 適 切 な 追 肥 を 行 います 床 土 に 砂 などを 混 ぜ るときは 容 積 で3 割 程 度 までとします 灌 水 不 足 による 生 育 不 良 灌 水 ムラなどで 水 分 不 足 に なった 苗 葉 身 が 巻 き 葉 先 が 枯 れ 根 張 りも 少 し 弱 い 強 風 と 低 温 による 葉 先 枯 れ 伸 びすぎた 葉 身 が 風 で あおられ 葉 先 がよれて 枯 れ 上 がる ハウス 換 気 時 に 風 の 通 り 道 で 発 生 する 17
高 温 管 理 による 初 生 葉 の 黄 化 退 色 高 温 管 理 + 灌 水 不 足 いつ 高 温 に 遭 遇 したかは 判 然 としない 場 合 が 多 い 低 ph 障 害 による 老 化 現 象 で 黄 化 する 場 合 があります 細 根 がほとんど 出 ないため 草 丈 は 低 く 葉 色 は 淡 い 初 生 葉 や 第 1 葉 が 葉 先 からサビ 状 に 褐 変 します 床 土 のリン 酸 過 剰 による 生 理 的 症 状 とされ 枯 死 す ることはありませ ん 苗 の 生 育 やその 後 の 生 育 には 影 響 しません 第 1 葉 の 褐 変 症 状 18
出 芽 時 の 高 温 や 強 光 による 白 化 葉 身 の 部 分 白 化 被 覆 資 材 の 除 去 遅 れで 異 常 高 温 となり 苗 が 白 化 します 生 存 しても 生 育 のバラツキ が 大 きく 移 植 苗 としては 不 適 葉 にたまる 水 滴 がレン ズの 働 きをし その 部 分 が 焼 けて 白 化 したと 思 わ れます 正 常 苗 鎮 圧 不 足 鎮 圧 不 足 による 生 育 不 良 苗 の 比 較 成 苗 ポット 育 苗 の 場 合 苗 代 に 設 置 するときの 鎮 圧 不 足 によ り 育 苗 枠 の 底 と 苗 代 との 密 着 が 弱 いと 苗 代 からの 水 分 供 給 が 不 足 し 生 育 不 良 生 育 不 揃 いとなります 写 真 は 足 跡 の 部 分 の 密 着 が 悪 く 生 育 不 良 となった 例 です 19
2. 農 薬 による 障 害 例 ( 写 真 : 北 海 道 米 麦 改 良 協 会 ) 白 化 したさし 苗 用 の 苗 移 植 後 の 症 状 苗 代 で 発 生 することは 稀 で 4 葉 以 上 の 葉 に 発 生 するので 移 植 後 に 確 認 されることが 多 い 原 因 は 不 明 ですが 育 苗 床 土 に 火 山 灰 系 や 砂 質 系 の 土 を 多 く 用 い これに ネライストキシン 系 を 含 む 殺 虫 剤 を 混 和 して 育 苗 した 場 合 何 らかの 要 因 が 重 なると 発 生 する 場 合 があります ロール 葉 が 発 生 した 稲 苗 代 でバラバラの 場 所 で 生 育 不 良 苗 が 発 生 この 苗 を 温 室 に 移 植 したところロ-ル 葉 が 発 生 し ホルモン 剤 によ る 薬 害 と 判 明 しました 育 苗 箱 収 納 庫 の 天 井 裏 に 古 い 除 草 剤 が 入 っ た 箱 があり 穴 があいて 除 草 剤 が 育 苗 箱 に 降 り かかったためと 見 られ 撤 去 後 は 発 生 しません でした 20
3. 虫 害 ネズミ スズメによる 障 害 ( 写 真 : 留 萌 農 業 改 良 普 及 センター) ネズミによる 食 害 スズメ 等 小 鳥 による 食 害 ケラの 場 合 被 害 は 似 てい るが 被 害 箇 所 は 少 ない 21
4. 病 原 菌 による 障 害 (1) 苗 立 枯 病 (カビによる 病 害 ) 1 ピシウム 菌 によ る 育 苗 後 半 の 苗 立 枯 病 (ムレ 苗 症 状 ) ( 写 真 右 : 北 海 道 農 政 部 技 術 普 及 課 ) ( 写 真 下 2 枚 : 留 萌 農 業 改 良 普 及 センター) ピシウム 菌 による 苗 立 枯 病 は 低 温 過 湿 ( 苗 床 の 地 温 14 ~16 ph6.1 以 上 pf1.7 以 下 )で 多 発 します 床 土 の ph が 高 く 多 湿 条 件 で2 葉 期 頃 低 温 日 照 不 足 で 苗 が 弱 った 状 態 の あと 急 に 温 度 が 上 がったような 場 合 に 発 生 しやすく ムレ 苗 症 状 となります 育 苗 後 半 にも 発 生 し 坪 状 に 赤 茶 けて 急 激 にしおれます 他 の 苗 立 枯 病 と 違 い 地 際 にカビが 見 られません 22
2 フザリウム 菌 ( 俗 称 赤 カビ)による 苗 立 枯 病 ( 写 真 右 : 中 央 農 試 ) ( 写 真 下 2 枚 : 留 萌 農 業 改 良 普 及 センター) 立 ち 枯 れ 症 状 立 ち 枯 れした 苗 籾 についたカビが 赤 い 育 苗 前 半 低 温 ph5.0 以 上 不 適 切 な 水 管 理 ( 過 湿 乾 燥 )で 発 生 しやすい 出 芽 後 に 生 育 不 良 となり しおれて 黄 化 し 淡 褐 色 に 枯 死 します 種 籾 と 根 の 回 りに 白 から 淡 紅 色 のカビが 見 られるので 赤 カビ と 呼 ばれます 23
3 リゾープス 菌 ( 俗 称 白 カビ) 正 常 苗 白 カビの 発 生 ( 写 真 : 留 萌 農 業 改 良 普 及 センター) 覆 土 表 面 に 発 生 した 白 カビ ( 写 真 : 上 川 農 試 ) 出 芽 時 の 高 温 多 湿 で 発 生 しやすい マット 苗 で 箱 の 表 面 が 白 いカビで 覆 われます 灌 水 した 育 苗 箱 を 積 み 重 ね 長 時 間 放 置 してから 出 芽 器 に 入 れると 多 発 することがあります 播 種 された 籾 の 層 に 蔓 延 した 場 合 根 の 伸 長 が 抑 えられ 生 育 不 良 となります 24
4 トリコデルマ 菌 ( 俗 称 青 カビ)による 苗 立 枯 病 紙 ポット 苗 紙 筒 苗 に 発 生 したトリコデルマ 菌 ( 写 真 : 中 央 農 試 ) 床 土 の 表 面 や 種 籾 の 回 りに 白 から 青 緑 色 のカビが 密 生 します ペーパーポット 苗 や 箱 ポット 育 苗 で 使 用 される 成 型 紙 ポットで 多 く 発 生 します 25
(2) 苗 立 枯 細 菌 病 ( 細 菌 による 病 害 ) 葉 身 基 部 の 白 化 ( 写 真 : 中 央 農 試 ) 葉 身 の 白 化 針 状 症 状 ( 写 真 : 中 央 農 試 ) 菌 が 蔓 延 して 枯 死 根 の 生 育 が 抑 制 され 苗 生 育 が 著 しく 不 良 となります 育 苗 箱 内 で 伝 染 し 坪 状 あるいは 箱 全 体 に 広 がります 葉 の 基 部 に 白 化 または 黄 白 化 が 見 られ ひどくなると 針 状 にな りしおれて 乾 燥 枯 死 します マット 苗 で 多 発 しやすく 育 苗 初 期 の 過 剰 な 加 温 と 灌 水 で 助 長 されます 26
(3) 褐 条 病 ( 細 菌 による 病 害 ) 葉 鞘 と 葉 身 の 褐 条 のスジ( 条 線 ) 腰 曲 がり 症 状 ( 写 真 : 留 萌 農 業 改 良 普 及 センター) ( 写 真 : 中 央 農 試 ) 褐 条 病 による 苗 の 枯 れ 上 がり ( 写 真 : 中 央 農 試 ) 葉 鞘 に 褐 色 のスジ( 条 斑 )が 入 り 生 育 不 良 となり 激 しいと 腰 曲 がり 症 状 がでます 種 子 伝 染 し 催 芽 時 に 最 も 慢 延 しやすく 循 環 式 催 芽 機 の 使 用 で 特 に 発 生 が 助 長 されます 育 苗 箱 内 での 伝 染 はほ とんどないので 発 病 菌 は 箱 内 に 散 在 します 27
(4)ばか 苗 病 (カビによる 病 害 ) 種 子 伝 染 します 苗 は 軟 弱 に 徒 長 し やや 黄 色 みがかった 淡 い 緑 色 となります 種 子 消 毒 の 不 徹 底 や 出 芽 時 の 高 温 加 湿 で 発 生 し 周 囲 に 伝 染 します 伝 染 した 苗 は 育 苗 期 には 発 病 せず 本 田 で 発 病 します 苗 代 での 発 病 ( 写 真 : 北 海 道 米 麦 改 良 協 会 ) 多 発 したばか 苗 ( 徒 長 苗 ) やや 短 めのばか 苗 典 型 的 な 徒 長 苗 (ばか 苗 )( 矢 印 ) 対 応 法 ( 抜 き 取 り) 育 苗 期 のばか 苗 は ポット 苗 では 株 ごと マット 苗 では 周 辺 の 土 ごと(できればマット 単 位 で) 廃 棄 する 本 田 の 罹 病 株 は 枯 死 する 前 に 株 ごと 根 付 きで 抜 き 取 り 出 穂 前 に 抜 き 取 りを 完 了 する 疑 わしい 徒 長 苗 や 徒 長 株 は 抜 き 取 る 抜 き 取 った 苗 や 株 は 土 中 に 埋 め るなど 適 切 に 処 理 する 健 全 種 子 の 使 用 種 子 消 毒 の 徹 底 ばか 苗 の 抜 き 取 り 処 分 育 苗 期 汚 染 種 籾 ( 自 家 採 種 など) 浸 種 催 芽 中 に 病 原 菌 増 殖 汚 染 拡 大 (1% 約 90%も 石 井 1975) 育 苗 箱 で 発 病 ( 播 種 量 多 いと 多 発 する) 胞 子 が 風 雨 で 空 中 飛 散 (100m 以 上 ) 籾 へ 感 染 発 病 株 の 枯 死 茎 基 部 に 大 量 の 胞 子 形 成 本 田 で 発 病 (7 月 上 旬 頃 ) 本 田 28 枯 死 する 前 に 抜 き 取 り 処 分 ばか 苗 病 の 感 染 サイクル
本 田 での 発 病 ( 写 真 : 北 海 道 米 麦 改 良 協 会 ) 分 げつ 期 の 罹 病 株 ( 矢 印 ) 疑 似 症 状 株 ( 矢 印 ) (やや 長 い 草 丈 と 葉 の 黄 変 ) 徒 長 した 罹 病 株 ( 矢 印 ) 枯 死 株 上 の 胞 子 ( 矢 印 ) 5. 苗 病 害 の 防 除 対 策 採 種 ほ 産 種 子 を 100% 使 用 します やむを 得 ず 自 家 採 種 籾 を 使 用 する 場 合 は 必 ず 塩 水 選 を 行 います 苗 床 に 使 用 する 床 土 は 苗 の 生 育 に 合 った 適 正 な ph(4.0~5.0)のも のを 使 用 します 出 芽 まで 極 端 な 加 湿 過 乾 高 温 管 理 をしない 種 子 消 毒 は 必 ず 実 施 します 農 薬 を 使 用 する 場 合 使 用 濃 度 処 理 時 間 等 防 除 基 準 を 厳 守 します 温 湯 消 毒 を 行 う 場 合 浸 種 温 度 時 間 を 厳 守 し 催 芽 時 に 食 酢 処 理 を 行 います 苗 の 症 状 を 観 察 し 病 害 か 生 理 障 害 かを 確 認 します 病 害 の 場 合 は 北 海 道 病 害 虫 防 除 ガイドに 基 づいた 薬 剤 処 理 を 行 い ます 29
(1) 温 湯 消 毒 と 注 意 点 温 湯 消 毒 は 種 もみをお 湯 に 浸 漬 し 消 毒 する 技 術 です 対 象 病 害 は いもち 病 ばか 苗 病 苗 立 枯 細 菌 病 です 褐 条 病 に 対 する 効 果 は 不 十 分 です 温 湯 消 毒 専 用 の 装 置 を 使 用 します 化 学 農 薬 を 使 用 しません 乾 もみ を 種 子 袋 に 入 れる 種 子 量 は 温 湯 処 理 装 置 の 指 定 量 60 :10 分 間 浸 漬 58 :15 分 間 浸 漬 温 度 制 御 のできる 温 湯 消 毒 専 用 の 装 置 を 使 用 する 浸 漬 温 度 時 間 を 厳 守 する 冷 水 ですぐ 冷 やす 種 もみが 煮 え てしまわない ように 水 分 の 高 い 種 籾 や 濡 れた 種 籾 では 発 芽 率 が 低 下 するので 十 分 に 乾 燥 した 籾 を 使 用 する 浸 漬 時 間 が 短 いと 防 除 効 果 が 劣 り 長 いと 発 芽 に 影 響 する ので 浸 漬 温 度 と 浸 漬 時 間 を 厳 守 する 割 れ 籾 の 多 い 品 種 もち 品 種 の 場 合 発 芽 率 がやや 劣 るが 実 用 上 の 問 題 はない 褐 条 病 には 効 果 が 不 安 定 なので 耕 種 的 防 除 を 基 本 とする 循 環 式 催 芽 機 を 使 う 場 合 は 必 ず 食 酢 による 対 策 を 行 う 温 湯 消 毒 した 種 もみは すぐに 清 潔 な 水 を 用 いて 浸 種 催 芽 を 行 う 温 湯 消 毒 済 み 種 子 取 扱 の 注 意 点 温 湯 消 毒 した 種 もみは 無 菌 状 態 です 消 毒 施 設 等 から 配 送 された 種 もみは 二 次 感 染 を 防 ぐため 清 潔 な 場 所 で 保 管 しましょう 浸 種 催 芽 は 清 潔 な 水 を 用 いて 行 う 30
(2) 食 酢 + 循 環 式 催 芽 機 による 褐 条 病 の 防 除 褐 条 病 苗 の 葉 鞘 や 葉 身 に 褐 色 の 条 斑 が 現 れま す 二 葉 期 までに 発 病 した 場 合 苗 は 枯 死 し 中 には 腰 曲 がり 症 状 を 示 すものも あります 病 原 菌 は 温 水 中 で 増 殖 するため 催 芽 時 に 感 染 する 場 合 が 多 い 温 水 (32 ) の 循 環 は 伝 染 を 助 長 します 温 湯 消 毒 は 褐 条 病 に 対 して 効 果 不 十 分 な 場 合 があるので 循 環 式 催 芽 機 を 用 い 食 酢 処 理 を 行 って 防 除 します 循 環 式 催 芽 機 を 用 いないと 食 酢 を 使 用 した 防 除 はできません 酸 度 4.2%の 穀 物 酢 を 使 います 食 酢 は 特 定 防 除 資 材 で 農 薬 では ありません 循 環 式 催 芽 機 温 湯 消 毒 機 を 活 用 できます 31
食 酢 処 理 の 作 業 手 順 種 子 消 毒 種 子 浸 漬 食 酢 液 の 準 備 催 芽 入 温 湯 消 毒 適 正 な 水 食 酢 を 水 で50 倍 れ 薬 剤 消 毒 温 日 数 に 薄 める 催 芽 す る 通 常 どおり 行 う 褐 条 病 に 対 する 食 酢 の 効 果 水 量 (L) 食 酢 (L) 100 2 200 4 300 6 400 8 食 酢 液 の 中 に 種 籾 を 発 病 苗 率 (%) 14 12 10 8 6 4 2 0 重 症 軽 症 食 酢 50 倍 食 酢 100 倍 食 酢 なし 食 酢 50 倍 食 酢 100 倍 食 酢 なし 温 湯 消 毒 (60 10 分 ) 種 子 消 毒 剤 食 酢 を 使 用 することで 褐 条 病 の 発 病 が 抑 えられました! また 100 倍 液 よりも50 倍 液 で 防 除 効 果 は 安 定 します 食 酢 の 濃 度 と 発 芽 率 32 発 芽 率 (%) 60 40 20 0 なし 100 倍 50 倍 33 倍 25 倍 0 15 17 19 21 23 25 催 芽 時 間 ( 時 間 ) 食 酢 の 基 準 濃 度 よりも 濃 い と 食 酢 の 濃 度 が33 倍 よりも 濃 いと 催 芽 時 間 が 極 端 に 遅 れ て 催 芽 が 不 均 一 になります 濃 度 50 倍 でも 催 芽 が 数 時 間 程 度 遅 れる 場 合 があります が 回 復 するので 苗 生 育 には 問 題 ありません
食 酢 を 使 用 する 際 の 注 意 点! 使 用 する 食 酢 は 穀 物 酢 ( 酸 度 4.2%)です 使 用 基 準 濃 度 は 50 倍 を 守 ってください 使 用 濃 度 が 濃 いと 催 芽 が 極 端 に 遅 くなり 不 均 一 になります 食 酢 液 は 一 回 の 催 芽 に 使 用 します 再 利 用 はできません 催 芽 終 了 後 は 催 芽 機 を 水 洗 いしてください (3) 種 子 消 毒 剤 苗 病 害 防 除 剤 北 海 道 農 作 物 病 害 虫 防 除 ガイドで 指 導 されている 剤 種 子 消 毒 剤 テクリードCフロアブル スポルタックスターナSE モミガードC 水 和 剤 DF ベンレートT 水 和 剤 20 対 象 病 害 苗 立 枯 細 菌 病 褐 条 病 ばか 苗 病 ばか 苗 病 いもち 病 処 理 方 法 他 種 もみ 浸 漬 種 もみ 吹 付 種 もみ 浸 漬 種 もみ 吹 付 種 もみ 粉 衣 * 複 数 の 病 害 に 対 して 指 導 されている 剤 を 示 しました * 詳 しい 内 容 は 防 除 ガイド 等 を 参 考 に 願 います 苗 病 害 防 除 剤 苗 立 枯 病 処 理 方 法 他 タチガレエース 粉 剤 タチガレエース 液 剤 ダコニール 粉 剤 ダコニール 1000 ダコレート 水 和 剤 フザリウム 菌 ピシウム 菌 リゾープス 菌 フザリウム 菌 リゾープス 菌 土 壌 混 和 土 壌 かん 注 土 壌 混 和 土 壌 かん 注 土 壌 かん 注 33