キュービクル 式 高 圧 受 電 設 備 老 朽 化 省 エネ 耐 震 対 策 平 成 27 年 10 月 制 定 盤 標 準 化 協 議 会 キュービクル 技 術 部 会
<は じ め に> 近 年 生 産 設 備 や 情 報 機 器 の 高 度 化 に 伴 い 受 配 電 設 備 への 信 頼 性 の 要 求 は 益 々 高 まってきており 事 故 による 停 電 はもとより 瞬 時 の 電 圧 低 下 すら 許 されない 状 況 となっております また 地 球 温 暖 化 防 止 のため 温 室 効 果 ガスの 大 部 分 を 占 めるエネルギー 起 源 である 二 酸 化 炭 素 排 出 削 減 の 一 環 として 電 気 を 有 効 活 用 し 無 駄 なエネル ギー 消 費 を 無 くす 省 エネルギー 性 能 の 必 要 性 が 一 層 高 まっています 電 気 の 安 定 供 給 と 省 エネは 社 会 活 動 の 中 で 必 要 不 可 欠 なものとなっており 主 要 な 供 給 設 備 である 高 圧 受 電 設 備 にはより 高 い 信 頼 性 とより 高 いエネル ギー 効 率 性 が 求 められています そうした 状 況 の 中 で キュービクル 式 高 圧 受 電 設 備 ( 以 下 キュービクルと 称 す)はその 利 便 性 から 広 く 使 用 されております そのため 老 朽 化 省 エネ 耐 震 等 に 対 する 高 い 信 頼 性 を 確 保 する 必 要 性 が 求 められています こうした 現 状 を 踏 まえ 盤 標 準 化 協 議 会 では 長 期 間 安 定 して 受 電 していただくための 老 朽 化 対 策 トップランナー 変 圧 器 を 始 めとする 省 エネ 機 器 などを 用 いた 省 エネ 対 策 地 震 による 損 傷 を 防 ぎ 電 気 を 安 全 に 供 給 し 続 けるための 耐 震 対 策 についての 具 体 例 をまとめ より 安 全 にお 使 い 頂 けるためのご 提 案 として 本 技 術 資 料 を 作 成 いたしました キュービクル 所 有 者 におかれましては 長 期 間 安 定 して 受 電 して 頂 くため 定 期 的 な 機 器 の 更 新 を 含 めた 適 切 な 点 検 効 率 の 良 いエネルギー 管 理 地 震 に 備 えた 適 切 な 施 工 や 構 造 についてご 確 認 いただきますようお 願 い 申 しあげま す なお 先 に 出 版 いたしました キュービクル 式 高 圧 受 電 設 備 Q&A キュービクル 式 高 圧 受 電 設 備 トラブル 対 応 事 例 キュービクル 式 高 圧 受 電 設 備 設 置 上 の 注 意 事 項 キュービクル 式 高 圧 受 電 設 備 被 災 時 における 対 応 事 例 トップランナー 変 圧 器 2014 対 応 キュービクルQ&A と 併 せて 参 考 にして 頂 けましたら キュービクルに 対 する 知 識 技 術 がより 充 実 するかと 存 じます 上 記 出 版 物 については 盤 標 準 化 協 議 会 ホームページ http://www.sp.jewa-hp.jp/ をご 覧 下 さい
目 次 1. 老 朽 化 対 策 1 1)キュービクルの 主 要 構 成 機 器 (1) 2 2)キュービクルの 主 要 構 成 機 器 (2) 3 3) 事 故 故 障 設 備 の 老 朽 化 事 例 の 要 因 4 4) 機 器 の 劣 化 故 障 パターン 5 5)VCBの 焼 損 6 6) 配 線 用 遮 断 器 (MCCB)の 焼 損 7 7) 変 圧 器 の 放 熱 板 からの 漏 油 8 8) 電 線 の 焼 損 9 9) 更 新 推 奨 時 期 の 判 定 10~17 2. 省 エネ 対 策 18 1) 変 圧 器 損 失 の 改 善 19 2) 変 圧 器 負 荷 の 統 合 20 3) 力 率 改 善 その1 21 4) 力 率 改 善 その2 22 5) 進 相 コンデンサ 設 備 の 更 新 23 6) デマンド 監 視 24 3. 耐 震 対 策 25 1) 適 切 な 施 工 ~アンカーボルト 26 2) 適 切 な 施 工 ~ 変 圧 器 の 据 付 27 3) 適 切 な 施 工 ~ 変 圧 器 防 振 ゴム 28 4) 適 切 な 施 工 ~ 配 線 の 余 長 29 5) 適 切 な 施 工 ~ 変 圧 器 の 振 れ 幅 30
1. 老 朽 化 対 策 電 気 の 安 定 供 給 は 社 会 活 動 の 中 で 必 要 不 可 欠 なものとなっており そ の 供 給 電 路 に 幅 広 く 使 用 されるキュービクルには 高 い 信 頼 性 が 求 めら れています しかしながらキュービクルの 老 朽 化 に 起 因 した 停 電 短 絡 事 故 などのト ラブルを 引 き 起 こすケースも 少 なくありません このような 現 状 を 踏 まえ 事 故 防 止 を 目 的 にキュービクルにおける 事 故 要 因 箇 所 や 更 新 推 奨 時 期 をまとめ 安 全 にご 使 用 いただくためのご 提 案 として 本 資 料 を 作 成 いたしました 1
老 朽 化 対 策 1 キュービクルの 主 要 構 成 機 器 (1) キュービクルを 構 成 する 機 器 には 様 々な ものがあります 2
老 朽 化 対 策 2 キュービクルの 主 要 構 成 機 器 (2) 3 ( 一 財 ) 関 東 電 気 保 安 協 会 電 気 設 備 の 更 新 抜 粋
老 朽 化 対 策 3 事 故 故 障 設 備 の 老 朽 化 事 例 の 要 因 電 気 設 備 の 事 故 故 障 事 例 の 要 因 この 表 は 事 故 故 障 の 要 因 と 割 合 ですが 設 備 の 老 朽 化 は 全 体 の 32.7%と 高 い 割 合 を 占 めています 設 備 の 老 朽 化 による 事 故 故 障 の 発 生 箇 所 部 位 この 表 は 事 故 故 障 の 発 生 箇 所 部 位 と 割 合 ですが 特 に 開 閉 機 器 変 圧 器 ケーブル 継 電 器 類 の 割 合 が 高 いこ とが 分 かります 設 備 の 老 朽 化 による 事 故 故 障 内 容 この 表 は 老 朽 化 の 結 果 として 起 こる 事 故 故 障 内 容 ですが 破 損 焼 損 地 絡 漏 電 制 御 不 良 短 絡 の 割 合 が 高 いことが 分 かります ( 一 社 ) 日 本 電 機 工 業 会 何 故 産 業 事 故 は 起 きてい るのでしょうか? 抜 粋 4
老 朽 化 対 策 4 機 器 の 劣 化 故 障 パターン 機 器 の 劣 化 故 障 パターン 更 新 推 奨 時 期 ( 一 社 ) 日 本 電 機 工 業 会 汎 用 高 圧 機 器 の 更 新 のおすすめ 抜 粋 5 ( 一 社 ) 日 本 電 機 工 業 会 高 低 圧 電 気 機 器 保 守 点 検 のおすすめ 抜 粋
老 朽 化 対 策 5 VCBの 焼 損 状 況 高 圧 真 空 遮 断 器 (VCB)がひどく 焼 損 し 周 囲 の 機 器 も 焼 損 して いる 1990 年 製 造 のキュービクルであり 15 年 経 過 による 経 年 劣 化 と 5 年 間 清 掃 等 のメンテナンスがされていなかった 原 因 VCBなどの 機 器 端 子 部 に 多 量 の 埃 が 積 もり 結 露 湿 気 の 複 合 要 因 が 重 なって 絶 縁 劣 化 (トラッキング 発 生 )が 促 進 され VCB の 焼 損 周 辺 機 器 の 焼 損 に 至 ったと 考 えられる 防 止 対 策 各 機 器 の 更 新 推 奨 時 期 が 過 ぎたものは 早 めに 交 換 を 行 う 適 正 な 時 期 にメンテナンスをしっかり 行 うようお 願 いした 不 具 合 状 況 VCB 背 面 側 焼 損 VCB 周 辺 部 焼 損 6
老 朽 化 対 策 6 配 線 用 遮 断 器 (MCCB)の 焼 損 状 況 原 因 店 舗 従 業 員 が 出 社 したときに 停 電 が 生 じていた 停 電 は 主 開 閉 器 LBSによる 遮 断 動 作 (PF 溶 断 )によるもので 主 任 技 術 者 の 調 査 の 結 果 MCCB 電 源 側 で 激 しい 焼 損 が 生 じた 痕 跡 及 び 母 線 分 岐 用 銅 バーが 溶 断 し 周 囲 も 焼 損 していた 本 キュービクルは 製 造 から20 年 が 経 過 しており MCCBも 製 造 当 時 のままであった MCCB 電 源 端 子 と 取 付 けアングルとでトラッキングが 生 じ 低 圧 地 絡 から 線 間 短 絡 に 至 り アークガスが 一 瞬 で 爆 発 的 に 発 生 し 周 囲 で 線 間 短 絡 から 溶 断 焼 損 に 至 ったと 判 断 した トラッキングの 発 生 は MCCB 電 源 側 端 子 部 に 堆 積 した 粉 塵 や 埃 などが 結 露 や 湿 気 などを 吸 湿 し 経 年 劣 化 と 相 まって 絶 縁 劣 化 が 生 じたことに 起 因 したと 判 断 した 防 止 対 策 適 切 な 清 掃 メンテナンスの 重 要 性 の 説 明 励 行 とあわせ 交 換 推 奨 年 を 目 安 にした 早 目 の 更 新 を 啓 蒙 した 不 具 合 状 況 MCCB 拡 大 焼 損 MCCB 周 辺 電 源 側 端 子 部 拡 大 7
老 朽 化 対 策 7 変 圧 器 の 放 熱 板 からの 漏 油 状 況 変 圧 器 の 放 熱 板 ( 本 件 はパネルタイプ)の 底 部 溶 接 部 から 漏 油 していた 漏 油 部 周 辺 は かなり 錆 が 進 行 していた 本 変 圧 器 は 製 造 より27 年 が 経 過 していた 原 因 設 置 環 境 は 屋 内 の 電 気 室 ではあったが 多 湿 な 状 況 であった ことから 経 年 劣 化 による 錆 の 進 行 が 相 まった 漏 油 であると 判 断 した 防 止 対 策 交 換 推 奨 年 を 目 安 にした 早 目 の 設 備 更 新 をお 願 いした 加 えて 定 期 検 査 時 などのメンテナンスの 一 環 として 初 期 段 階 での 錆 の 補 修 実 施 を 啓 蒙 した 不 具 合 状 況 当 該 変 圧 器 放 熱 板 底 部 漏 油 箇 所 拡 大 8
老 朽 化 対 策 8 電 線 の 焼 損 状 況 ケーブル 終 端 接 続 部 が 焼 損 していた 原 因 ケーブル 終 端 接 続 部 に 埃 が 積 もり 長 年 の 結 露 湿 気 の 複 合 要 因 が 重 なって 絶 縁 劣 化 (トラッキング 発 生 )が 促 進 され 焼 損 に 至 った と 考 えられる 不 具 合 状 況 ケーブル 終 端 接 続 部 焼 損 ( 一 社 ) 日 本 電 力 ケーブル 接 続 技 術 協 会 配 電 用 接 続 部 の 基 礎 知 識 2014 年 改 訂 版 抜 粋 9
老 朽 化 対 策 9 更 新 推 奨 時 期 の 判 定 以 下 の 診 断 による 判 定 結 果 より 不 良 箇 所 のみ 更 新 する か 受 電 設 備 全 体 を 更 新 する を 判 断 する 方 法 もあります 10
更 新 推 奨 時 期 の 判 定 ( 一 社 ) 日 本 配 電 制 御 システム 工 業 会 JSIA-T2001 配 電 盤 の 更 新 推 奨 時 期 判 定 の 手 引 抜 粋 11
更 新 推 奨 時 期 の 判 定 ( 別 表 1: 判 定 シート) 12
13 ( 一 社 ) 日 本 配 電 制 御 システム 工 業 会 JSIA-T2001 配 電 盤 の 更 新 推 奨 時 期 判 定 の 手 引 抜 粋
更 新 推 奨 時 期 の 判 定 ( 別 表 2:チェックシート) 14
15 ( 一 社 ) 日 本 配 電 制 御 システム 工 業 会 JSIA-T2001 配 電 盤 の 更 新 推 奨 時 期 判 定 の 手 引 抜 粋
更 新 推 奨 時 期 の 判 定 ( 別 表 2:チェックシート) 16
17 ( 一 社 ) 日 本 配 電 制 御 システム 工 業 会 JSIA-T2001 配 電 盤 の 更 新 推 奨 時 期 判 定 の 手 引 抜 粋
2. 省 エネ 対 策 地 球 環 境 保 護 温 暖 化 防 止 への 関 心 の 高 まりから 環 境 に 優 しい 電 気 設 備 の 設 置 が 求 められております 多 数 の 機 器 類 を 搭 載 したキュービクルにおきましても 省 エネ 性 能 の 向 上 が 期 待 されております こうした 背 景 を 受 け キュービクルにおける 省 エネ 対 策 の 事 例 をご 紹 介 するため ご 提 案 として 本 資 料 を 作 成 いたしました 18
省 エネ 対 策 1 変 圧 器 損 失 の 改 善 内 容 効 果 長 年 使 用 した 変 圧 器 をトップランナー 変 圧 器 2014に 更 新 する と 大 きな 省 エネ 効 果 が 期 待 できます トップランナー 変 圧 器 20 14は 基 準 負 荷 率 ( 以 下 % 超 過 %)で 従 来 品 ( : 年 )に 比 べエネルギー 消 費 効 率 が % ~ % 改 善 されています 現 在 使 用 されている 大 多 数 の 変 圧 器 ( : 年 )の 平 均 実 績 に 対 して 改 善 率 で 約 %が 見 込 まれることから 極 めて 大 きな 省 エネ 効 果 を 得 ることが 出 来 ます 下 図 は 変 圧 器 容 量 ごとの 省 エネ 効 果 を 電 気 料 金 および 削 減 量 で 表 したものです 参 考 油 入 変 圧 器 で 年 間 電 気 料 金 削 減 効 果 は 千 円 ( 注 ) 上 記 はあくまで 参 考 値 を 表 します 電 力 会 社 ならびに 契 約 内 容 に よってはこの 限 りでありません
省 エネ 対 策 2 変 圧 器 負 荷 の 統 合 内 容 受 電 用 変 圧 器 は 最 高 効 率 となる 負 荷 率 で 運 転 することが 省 エネにつながります 例 えば 最 高 効 率 となる 負 荷 率 が 40%の 変 圧 器 2 台 を 負 荷 率 20%で 運 転 している 場 合 は 1 台 に 負 荷 をまとめることにより 省 エネが 図 れます ( 注 ) 2 系 統 の 電 源 を 使 用 し バックアップとして2 台 の 受 電 用 変 圧 器 を 設 置 している 場 合 1 台 の 変 圧 器 に 負 荷 を 集 約 すると 省 エネにはなりますがバックアップ 機 能 はなく なりますので 実 施 に 当 たっては 電 気 技 術 者 等 に 相 談 してください 効 果 既 設 変 圧 器 2 台 を1 台 に 集 約 すると 約 0.4%の 省 エネが 期 待 で きます < 節 電 効 果 > 300kVA 2 台 ( 負 荷 率 20%) 1 台 ( 負 荷 率 40%) 300 kva 負 荷 率 40% 0.4% = 0.48kW ( 一 社 ) 日 本 電 機 工 業 会 産 業 用 電 気 機 器 の 賢 い 節 電 方 法 抜 粋 20
省 エネ 対 策 3 力 率 改 善 その1 内 容 力 率 を100%に 近 い 状 態 で 使 用 することは 電 力 損 失 を 低 減 し 電 気 を 有 効 に 利 用 することになります また 電 力 会 社 の 電 気 料 金 は 力 率 85%を 基 準 にして これより 上 回 る 場 合 は 基 本 料 金 が 割 引 されます ( 力 率 が85%を 下 回 る 場 合 は, 基 本 料 金 を 割 増 ) このように 力 率 を 管 理 することで 電 気 料 金 が 安 くなると 共 に 電 気 を 有 効 利 用 することによって 地 球 温 暖 化 防 止 にも 貢 献 する ことになります 社 団 法 人 日 本 配 電 盤 工 業 会 発 行 受 配 電 制 御 システムハンドブック 抜 粋 効 果 一 般 的 な 力 率 改 善 の 方 法 と 効 果 は 次 のとおりです 高 圧 進 相 コンデンサ 高 圧 の 受 電 設 備 では 高 圧 側 の 母 線 に 進 相 コンデンサを 設 置 することで 力 率 の 改 善 を 図 り 基 本 料 金 の 割 引 が 得 られます この 場 合 変 圧 器 損 失 や 電 路 損 失 の 低 減 には 効 果 がありま せ んが 大 容 量 一 括 設 置 となる 場 合 が 多 いため 設 備 コスト 及 び メンテナンス 面 で 有 利 となります < 参 考 > 基 本 料 金 = 基 本 料 金 単 価 契 約 電 力 (185 力 率 )/100 ( 注 ) 上 式 は 東 京 電 力 の 高 圧 契 約 の 場 合 を 表 します 契 約 内 容 によっては この 式 に 当 てはまらないものもあります ( 一 財 ) 関 東 電 気 保 安 協 会 電 気 de 省 エネ 工 場 編 抜 粋 21
省 エネ 対 策 4 力 率 改 善 その2 効 果 自 動 力 率 調 整 器 自 動 力 率 調 整 器 は 負 荷 の 変 動 による 総 合 力 率 の 変 動 を 複 数 の コンデンサ 回 路 を 開 閉 することで 自 動 的 に 改 善 する 装 置 です これにより 回 路 電 圧 の 安 定 化 設 備 容 量 の 実 質 的 利 用 率 の 増 加 電 圧 変 動 高 調 波 等 による 機 器 へのダメージの 低 減 効 果 が 期 待 できます 自 動 力 率 調 整 器 < 受 電 設 備 の 自 動 力 率 調 整 器 回 路 例 > コンデンサ 設 備 低 圧 進 相 コンデンサ 高 圧 側 設 置 と 比 較 した 場 合 変 圧 器 や 電 路 の 損 失 低 減 に 効 果 があります 低 圧 負 荷 の 多 い 設 備 では 低 圧 側 に 進 相 コンデ ンサを 設 置 し 力 率 改 善 を 行 うことで 電 路 損 失 低 減 の 効 果 が 図 れます ( 一 財 ) 関 東 電 気 保 安 協 会 電 気 de 省 エネ 工 場 編 抜 粋 22
省 エネ 対 策 5 進 相 コンデンサ 設 備 の 更 新 内 容 現 在 使 用 されている 進 相 コンデンサ 設 備 の 中 には10 数 年 ~20 数 年 を 経 過 したものがあり 使 用 環 境 開 閉 頻 度 などにより 異 な りますがある 年 限 を 越 えますと 信 頼 度 の 減 少 傾 向 が 顕 著 になり ます こうした 進 相 コンデンサ 設 備 を 更 新 することで 高 信 頼 を 維 持 で きると 共 に 省 エネ 効 果 が 見 込 めます 効 果 < 電 力 損 失 の 低 減 による 省 エネ 効 果 例 > 70 年 代 のコンデンサ 損 失 :1W/kvar 現 行 品 のコンデンサ 損 失 :0.25W/kvar 設 備 容 量 1000kvarのコンデンサを 現 行 品 に 更 新 及 び 直 列 リアクトル を 低 損 失 タイプに 更 新 すると 更 新 前 ] コンデンサ 現 行 品 : 損 失 1kW 24h 365 日 =8,760kWh リアクトル 標 準 品 : 損 失 1.125kW 24h 365 日 =9,855kWh 計 18,615kWh 更 新 後 コンデンサ 現 行 品 : 損 失 0.25kW 24h 365 日 =2,190kWh リアクトル 低 損 失 タイプ: 損 失 0.7kW 24h 365 日 =6,132kWh 計 8,322kWh 年 間 電 力 損 失 低 減 量 =10,293kWh 現 行 品 コンデンサ 旧 式 コンデンサ(70 年 代 ) 損 失 比 較 旧 品 低 損 失 直 列 リアクトル 標 準 品 直 列 リアクトル 損 失 比 較 標 準 品 現 行 品 低 損 失 タイプ ( 株 ) 指 月 電 機 製 作 所 進 相 コンデンサ 設 備 の 更 新 の 御 奨 め 抜 粋 23
省 エネ 対 策 6 内 容 デマンド 監 視 基 本 料 金 は 契 約 電 力 によって 決 まりますが この 契 約 電 力 は デマンド 値 を 基 準 にしています 電 力 会 社 は 基 本 料 金 を 決 めるために 30 分 ごとに 平 均 使 用 電 力 を 計 っています この 値 が デマンド 値 です ( 図 1) この デマンド 値 が 一 番 大 きいときの 値 を 契 約 電 力 としてます ( 図 2) 従 って 最 大 デマンド 値 を 抑 えることができれば 基 本 料 金 その ものを 低 くすることができます デマンド 監 視 するにはデマンド 監 視 装 置 を 使 用 します デマンド 監 視 装 置 は 電 気 の 使 用 量 を 常 時 監 視 し 管 理 目 標 として 設 定 された 値 を 超 過 しないように 警 報 や 画 面 表 示 で 管 理 する 装 置 で す 電 力 使 用 量 が 見 える 化 され 電 気 料 金 が 削 減 できるだけ でなくCO2 削 減 により 地 球 温 暖 化 対 策 にも 貢 献 します ( 図 1) ( 図 2) ( 一 財 ) 関 東 電 気 保 安 協 会 電 気 de 省 エネ 工 場 編 抜 粋 効 果 デマンド 監 視 装 置 の 導 入 による 効 果 は 次 のとおりです 契 約 電 力 値 を 超 過 しない 管 理 により 契 約 超 過 金 の 節 約 契 約 電 力 値 の 下 方 修 正 更 改 により 基 本 料 金 の 節 約 契 約 電 力 値 や 設 備 容 量 を 据 え 置 いたままで ある 範 囲 の 負 荷 の 増 設 が 可 能 増 設 に 関 わる 諸 費 用 と 基 本 料 金 の 節 約 管 理 レベルの 抑 制 による 使 用 電 力 量 の 低 減 による 省 エネ 化 電 力 の 使 用 状 況 が 正 確 に 把 握 できることで 継 続 的 な 改 善 に 有 効 社 団 法 人 日 本 配 電 盤 工 業 会 発 行 受 配 電 制 御 システムハンドブック 抜 粋 24
3. 耐 震 対 策 震 災 に 伴 う 被 害 状 況 を 受 けて キュービクルの 耐 震 性 能 向 上 が 求 め られております こうした 背 景 を 受 け 長 期 間 安 定 してより 安 全 にご 使 用 いただくため に 機 器 の 更 新 を 含 めた 適 切 な 設 計 施 工 保 持 点 検 及 び 耐 震 性 能 を ご 確 認 いただくためのご 提 案 として 本 資 料 を 作 成 いたしました 25
耐 震 対 策 1 内 容 適 切 な 施 工 ~アンカーボルト 過 去 に 設 置 されたキュービクルで アンカーボルトによる 施 工 がされていない もしくは 簡 易 的 な 基 礎 やアンカーボルト による 施 工 のものは 地 震 の 大 きな 揺 れによりキュービクル の 破 損 につながります 基 礎 の 変 形 基 礎 の 破 損 (- 社 ) 日 本 電 気 協 会 関 東 支 部 発 行 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 による 自 家 用 電 気 工 作 物 の 被 害 状 況 及 び 対 策 方 針 抜 粋 対 策 適 切 な 強 度 を 有 した 基 礎 に アンカーボルト 等 で 堅 固 に 取 り 付 ける 必 要 があります 26
耐 震 対 策 2 内 容 適 切 な 施 工 ~ 変 圧 器 の 据 付 重 量 物 の 変 圧 器 等 を 固 定 するベースは 十 分 な 強 度 を 有 する 必 要 があります 十 分 な 強 度 を 有 していないと 地 震 の 過 大 な 荷 重 によるベース 部 の 破 損 等 が 起 こり 重 量 機 器 の 移 動 転 倒 等 による 電 線 破 断 事 故 の 発 生 原 因 となります ベースの 変 形 (- 社 ) 日 本 電 気 協 会 関 東 支 部 発 行 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 による 自 家 用 電 気 工 作 物 の 被 害 状 況 及 び 対 策 方 針 抜 粋 対 策 一 例 として 変 圧 器 の 固 定 をC 形 金 具 等 の 機 材 にて 行 う 場 合 金 具 固 定 用 ボルトに 曲 げ 応 力 がかからないように ボ ルトは 固 定 される 側 と 密 着 させるのが 望 ましい 27
耐 震 対 策 3 内 容 適 切 な 施 工 ~ 変 圧 器 防 振 ゴム 変 圧 器 に 防 振 ゴムを 設 ける 場 合 地 震 による 過 大 な 変 位 を 抑 制 するストッパ 機 能 を 有 していないと ゴム 部 の 破 損 や 変 圧 器 の 揺 れ 過 ぎにより 配 線 が 破 断 してしまう 可 能 性 が 高 くな ります 防 振 ゴムの 破 損 (- 社 ) 日 本 電 気 協 会 関 東 支 部 発 行 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 による 自 家 用 電 気 工 作 物 の 被 害 状 況 及 び 対 策 方 針 抜 粋 対 策 防 振 による 衝 撃 に 十 分 耐 えうる 強 度 を 有 する 耐 震 ストッパー 付 の 防 振 ゴムを 変 圧 器 と 堅 固 に 取 り 付 けることで 防 振 ゴム の 破 損 をより 軽 減 できます 防 振 ゴム 28
耐 震 対 策 4 内 容 適 切 な 施 工 ~ 配 線 の 余 長 変 圧 器 の 配 線 に 十 分 な 余 長 が 設 けられていないことで 地 震 による 過 大 な 変 位 により 電 線 の 破 断 や 機 器 端 子 部 が 変 形 破 損 する 事 象 が 見 られました 端 子 台 の 破 損 電 線 圧 着 端 子 部 の 変 形 対 策 JEM-TR252 配 電 用 変 圧 器 の 変 位 量 抑 制 指 針 に 定 めら れた 変 圧 器 の 振 れ 幅 を 満 足 する 十 分 な 余 長 を 設 けたり 変 圧 器 の 振 れを 抑 制 する 構 造 を 設 けることで 電 線 の 破 断 や 端 子 部 の 変 形 等 をより 軽 減 することができます 余 長 を 設 けた 配 線 ( 一 社 ) 日 本 配 電 制 御 システム 工 業 会 発 行 JSIA-T1018 配 電 盤 類 の 耐 震 設 計 マニュアル 抜 粋 29
耐 震 対 策 5 内 容 適 切 な 施 工 ~ 変 圧 器 の 振 れ 幅 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 において 地 震 の 大 きな 揺 れにより 筐 体 と 変 圧 器 とが 接 触 してしまい 筐 体 が 破 損 する 事 象 が 見 られました 対 策 筐 体 の 破 損 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 の 被 害 状 況 を 受 け 変 圧 器 本 体 の 強 化 と 変 圧 器 の 振 れ 幅 に 関 する 基 準 を 設 けたJEM-TR252 配 電 用 変 圧 器 の 変 位 量 抑 制 指 針 が 発 行 されました これより 地 震 による 変 圧 器 の 振 れ 幅 等 を 考 慮 した 構 造 設 計 の 見 直 しや 筐 体 と 変 圧 器 との 相 対 変 位 量 を 抑 制 する 構 造 等 を 設 けることで 耐 震 性 能 の 向 上 を 図 ることができます 振 れ 止 め 構 造 一 例 ( 一 社 ) 日 本 電 機 工 業 会 JEM- TR252 配 電 用 変 圧 器 の 変 位 量 抑 制 指 針 抜 粋 30
参 考 文 献 日 本 工 業 標 準 調 査 会 審 議 ( 日 本 規 格 協 会 発 行 ) JIS C 4620 キュービクル 式 高 圧 受 電 設 備 2004 年 版 一 般 財 団 法 人 関 東 電 気 保 安 協 会 発 行 電 気 設 備 の 更 新 電 気 de 省 エネ 工 場 編 一 般 社 団 法 人 日 本 電 機 工 業 会 発 行 何 故 産 業 事 故 は 起 きているのでしょうか? 汎 用 高 圧 機 器 の 更 新 のおすすめ 高 低 圧 電 気 機 器 保 守 点 検 のおすすめ 産 業 用 電 気 機 器 の 賢 い 節 電 方 法 JEM-TR 252 配 電 用 変 圧 器 の 変 位 量 抑 制 指 針 一 般 社 団 法 人 日 本 配 電 制 御 システム 工 業 会 発 行 JSIA-T2001 配 電 盤 の 更 新 推 奨 時 期 判 定 の 手 引 JSIA-T1018 配 電 盤 類 の 耐 震 設 計 マニュアル 受 配 電 制 御 システムハンドブック 一 般 社 団 法 人 日 本 電 力 ケーブル 接 続 技 術 協 会 発 行 配 電 用 接 続 部 の 基 礎 知 識 2014 年 改 訂 版 株 式 会 社 指 月 電 機 製 作 所 発 行 進 相 コンデンサ 設 備 の 更 新 の 御 奨 め 一 般 社 団 法 人 日 本 電 気 協 会 関 東 支 部 発 行 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 による 自 家 用 電 気 工 作 物 の 被 害 状 況 及 び 対 策 方 針 この 技 術 資 料 の 作 成 に 関 与 された 委 員 事 務 局 の 氏 名 は 次 の 通 りである( 敬 称 略 ) キュービクル 技 術 部 会 主 査 大 竹 幸 光 日 東 工 業 ( 株 ) 委 員 外 川 祥 彦 河 村 電 器 産 業 ( 株 ) 委 員 久 野 誠 二 日 東 工 業 ( 株 ) 委 員 山 田 真 義 河 村 電 器 産 業 ( 株 ) 委 員 林 卓 也 内 外 電 機 ( 株 ) 委 員 槙 田 英 範 テンパール 工 業 ( 株 ) 事 務 局 近 藤 正 盤 標 準 化 協 議 会 盤 標 準 化 協 議 会 発 行 所 キュービクル 技 術 部 会 460-0007 名 古 屋 市 中 区 新 栄 二 丁 目 2 番 1 号 イノフィスビル 9 階 一 般 社 団 法 人 日 本 配 電 制 御 システム 工 業 会 中 部 支 部 内 U R L : http://www.sp.jewa-hp.jp/