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8. 本カリキュラムに基づいて 一年毎に研修者による研修成果の自己評価 指導体制の 評価 および指導医から見た研修者の評価を行うことが求められる 別途に定めた評 価用紙を使用することを推奨する 頭頸部がん専門医研修カリキュラム 1. 頭頸部がんの診断と進行期の決定一般目標頭頸部がんの診断と病期につい

実地医家のための 甲状腺エコー検査マスター講座

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5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

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放射線生物学

かかわらず 軟骨組織や関節包が烏口突起と鎖骨の間に存在したものを烏口鎖骨関節と定義する それらの出現頻度は0.04~30.0% とされ 研究手法によりその頻度には相違がみられる しかしながら 我々は骨の肥厚や軟骨組織が存在しないにも関わらず 烏口突起と鎖骨の間に烏口鎖骨靭帯と筋膜で囲まれた小さな空隙

02-27(別紙6)甲状腺悪性 山口先生 先進医療評価用紙(第1-1号)

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本研究の目的は, 方形回内筋の浅頭と深頭の形態と両頭への前骨間神経の神経支配のパターンを明らかにすることである < 対象と方法 > 本研究には東京医科歯科大学解剖実習体 26 体 46 側 ( 男性 7 名, 女性 19 名, 平均年齢 76.7 歳 ) を使用した 観察には実体顕微鏡を用いた 方形

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がん登録実務について

7. 脊髄腫瘍 : 専門とするがん : グループ指定により対応しているがん : 診療を実施していないがん 別紙 に入力したが反映されています 治療の実施 ( : 実施可 / : 実施不可 ) / 昨年の ( / ) 集学的治療 標準的治療の提供体制 : : グループ指定により対応 ( 地域がん診療病

Vol 夏号 最先端の腹腔鏡下鼠径 ヘルニア修復術を導入 認定資格 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会指導医 専門医 消化器がん外科治療認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 外科医長 渡邉 卓哉 東海中央病院では 3月から腹腔鏡下鼠径ヘルニ ア修復術を導入し この手術方法を

1. 来院経路別件数 非紹介 30 他疾患経過 10 自主受診観察 紹介 20 他施設紹介 合計 患者数 割合 12.1% 15.7% 72.2% 100.0% 27.8% 72.2% 100.0% 来院経路別がん登録患者数 がん患者がどのような経路によって自施設を受診し

嚥下防止術と誤嚥防止術

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

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がんの診療の流れ この図は がんの 受診 から 経過観察 への流れです 大まかでも 流れがみえると心にゆとりが生まれます ゆとりは 医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう あなたらしく過ごすためにお役立てください がんの疑い 体調がおかしいな と思ったまま 放っておかないでください な

06: 耳鼻咽喉 頭頸部外科コース 1. 耳鼻咽喉 頭頸部外科コースの概説このコースでは 聴器 平衡器 鼻 副鼻腔 口腔 咽頭 喉頭 気管 食道および唾液腺 甲状腺を含む臨床解剖 生理を知り これら器官の疾患の診断および治療法についての概念を習得することにあるが さらにこれら疾患と他臓器疾患との関連

原発不明がん はじめに がんが最初に発生した場所を 原発部位 その病巣を 原発巣 と呼びます また 原発巣のがん細胞が リンパの流れや血液の流れを介して別の場所に生着した結果つくられる病巣を 転移巣 と呼びます 通常は がんがどこから発生しているのかがはっきりしている場合が多いので その原発部位によ

1981 年 男 全部位 C00-C , , , , ,086.5 口腔 咽頭 C00-C

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

外来在宅化学療法の実際

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

医療関係者 Version 2.0 多発性内分泌腫瘍症 2 型と RET 遺伝子 Ⅰ. 臨床病変 エムイーエヌ 多発性内分泌腫瘍症 2 型 (multiple endocrine neoplasia type 2 : MEN2) は甲状腺髄様癌 褐色細胞腫 副甲状腺機能亢進症を発生する常染色体優性遺

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ

表 1. 罹患数, 罹患割合 (%), 粗罹患率, 年齢調整罹患率および累積罹患率 ; 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く ; 部位別, 性別 B. 上皮内がんを含む 表 2. 年齢階級別罹患数, 罹患割合 (%); 部位別, 性別 A. 上皮内がんを除く B. 上皮内がんを含む 表 3. 年齢

福島県のがん死亡の年次推移 福島県におけるがん死亡数は 女とも増加傾向にある ( 表 12) 一方 は 女とも減少傾向にあり 全国とほとんど同じ傾向にある 2012 年の全のを全国と比較すると 性では高く 女性では低くなっている 別にみると 性では膵臓 女性では大腸 膵臓 子宮でわずかな増加がみられ

付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

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114 頭頸部 Ⅹ. 舌癌 1. 放射線療法の目的 意義舌癌は口腔領域 ( 舌, 口腔底, 頬粘膜, 歯肉 歯槽, 硬口蓋 ) に発生する癌のうち 約 50% を占める 舌は構音 摂食 嚥下と深く関わる臓器であり, 機能 形態の温存に優れる放射線治療のよい適応領域である 幸い舌組織は粘膜下が筋組織で

口腔がん登録 Q&A Ver /11/21 用語 定義に関する Q&A Q1.本調査に関する各用語の定義を教えてください 下記の図表を参照してください 各用語の定義等について 口腔内 口唇 口腔 顎骨中心性 UICCの Lip & Oral cavity 顎骨中心性) 舌 可動部 上顎

口腔がん はじめに 口腔がんとは 口の中とくちびるにできる がん のことです 口腔がんには舌や歯肉や頬のように口の中の表面を覆っている粘膜に発生するものと口の中に唾液を分泌している唾液腺 ( 耳下腺を除く ) に発生するものが含まれます いずれの場合でも口の中に できもの や しばらく治らない傷や荒



外科領域の専門医共通 領域講習の開催一覧 (2018 年 5 月現在 ) ( 現行制度下の外科専門医更新の研修実績としては 一律 1 回あたり 3 単位を算定します ) 開催日 主催学会 講習会名称 開催地 種別 単位 2016 年 4 月 14 日日本外科学会 特別企画 外科医に求められる医療安全

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 診療対象

密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

 診療対象

食道癌手術さて 食道は文字どおり口 咽頭から胃まで をつなぐ管状の器官でまさに食物を運ぶ道です そして縦隔と呼ばれる背骨の前方の狭い領域にあり 大動脈 心臓そして気管などと密に接しています さらに 気管とは私たちの身体が構成される過程で同じところから発生し 非常に密な関係にあります さらに発生の当初

平成29年度沖縄県がん登録事業報告 背表紙印字

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Excel で学ぶ統計解析入門 ―Excel 2013/2010 対応版―

が 6 例 頸部後発転移を認めたものが 1 例であった (Table 2) 60 分値の DUR 値から同様に治療後の経過をみると 腫瘍消失と判定した症例の再発 転移ともに認めないものの DUR 値は 2.86 原発巣再発を認めたものは 3.00 頸部後発転移を認めたものは 3.48 であった 腫瘍

1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

基礎知識 1. 甲状腺について 甲状腺は いわゆる のどぼとけ ( 甲状軟骨 ) のすぐ下の気管の前にあり 気管を取り囲むように位置しています ( 図 1) 重さ 10~20g 程度の小さな臓器です 羽を広げたチョウのような形で 右葉 ( うよう ) および左葉 ( さよう ) 中央の峡部 ( きょ

目 次 統計の説明 部位( 中分類 ) 別男女別腫瘍数 1 部位別腫瘍数 < 総数グラフ> 2 部位別腫瘍数 < 男性グラフ> 3 部位別腫瘍数 < 女性グラフ> 4 部位( 中分類 ) 別年齢階層別腫瘍数 5 部位( 中分類 ) 別来院経路別腫瘍数 6 来院経路別腫瘍数 <グラフ> 7 部位( 中

          

付表 登録数 : 施設 部位別 総数 1 総数 口腔咽頭 食道 胃 結腸 直腸 ( 大腸 ) 肝臓 胆嚢胆管 膵臓 喉頭 肺 骨軟部 皮膚 乳房

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TOHOKU UNIVERSITY HOSPITAL 今回はすこし長文です このミニコラムを読んでいただいているみなさんにとって 救命救急センターは 文字どおり 命 を救うところ という印象が強いことと思います もちろん われわれ救急医と看護師は 患者さんの救命を第一に考え どんな絶望の状況でも 他

限局性前立腺がんとは がんが前立腺内にのみ存在するものをいい 周辺組織やリンパ節への局所進展あるいは骨や肺などに遠隔転移があるものは当てはまりません がんの治療において 放射線療法は治療選択肢の1つですが 従来から行われてきた放射線外部照射では周辺臓器への障害を考えると がんを根治する ( 手術と同

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32 子宮頸癌 子宮体癌 卵巣癌での進行期分類の相違点 進行期分類の相違点 結果 考察 1 子宮頚癌ではリンパ節転移の有無を病期判定に用いない 子宮頚癌では0 期とⅠa 期では上皮内に癌がとどまっているため リンパ節転移は一般に起こらないが それ以上進行するとリンパ節転移が出現する しかし 治療方法

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手術予定登録_入力マニュアル

咽 AE 頭 AE A がん 各種がん でんし冊子 ちゅう いん とう 中 E E E 受診から診断 治療 経過観察への流れ 患者さんとご家族の明日のために 目次 基礎知識 1. 中咽頭について 中咽頭がんとは 症状 患者数 ( がん統計

1. 部位別登録数年次推移 表は 部位別に登録数の推移を示しました 2015 年の登録数は 1294 件であり 2014 年と比較して 96 件増加しました 部位別の登録数は 多い順に大腸 前立腺 胃 膀胱 肺となりました また 増加件数が多い順に 皮膚で 24 件の増加 次いで膀胱 23 件の増加

院内がん登録について 院内がん登録とは がん ( 悪性腫瘍 ) の診断 治療 予後に関する情報を収集 整理 蓄積し 集計 解析をすることです 登録により収集された情報は 以下の目的に使用されます 診療支援 研修のための資料 がんに関する統計資料 予後調査 生存率の計測このほかにも 島根県地域がん登録

2002 年 9 月 30 日 129 ー (77) 原著論文 各肺葉の解剖学的特徴を応用した切除肺葉の CT 診断法 尾辻秀章夫 1 甲川佳代子夫 1 西本優子女 2 大阪府済生会吹田病院放射線科 H 奈良県立医科大学放射線科 d Koukawa 刈 Yuuko Nishimoto 叫 はじめに肺

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43048腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約第1版 追加資料

付表 登録数 : 施設 部位別 総数 1 総数 口腔咽頭 食道 胃 結腸 直腸 ( 大腸 ) 肝臓 胆嚢胆管 膵臓 喉頭 肺 骨軟部 皮膚 乳房 全体

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

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ナンプレ K&W METHOD 2016 年申問題集

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頭頸部 95 原発部および画像的リンパ節転移陽性部には根治線量を加えるCTV1とする 術後照射では組織学的残存部 GTVが頭蓋底や上縦隔リンパ節領域に進展している場合には, 緩和医療としての照射になるので, 患者状態ごとに患者負担が大きくなり過ぎないように症状に合わせてCTVを設定する PTV: 上

各医療機関が専門とするがんに対する診療機能 1. 肺がん 治療の実施 (: 実施可 / : 実施不可 ) / 昨年の ( / ) 当該疾患を専門としている 開胸 胸腔鏡下 定位 小線源治療 1 呼吸器内科 8 2 呼吸器外科 3 3 腫瘍内科 放射線治療科 1 グループ指定を受ける施設との連携 昨年

目 次 統計の説明 部位( 中分類 ) 別男女別腫瘍数 1 部位別腫瘍数 < 総数グラフ> 2 部位別腫瘍数 < 男性グラフ> 3 部位別腫瘍数 < 女性グラフ> 4 部位( 中分類 ) 別年齢階層別腫瘍数 5 部位( 中分類 ) 別来院経路別腫瘍数 6 来院経路別腫瘍数 <グラフ> 7 部位( 中

70 頭頸部放射線療法 放射線化学療法

< 高知県立幡多けんみん病院 年院内がん登録 ( 詳細 )> 性 ~9 ~9 ~9 ~9 ~9 ~9 ~9 9~ 総計件数比率 口腔 咽頭食道胃結腸直腸肝臓胆嚢 胆管膵臓喉頭肺骨 軟部皮膚乳房子宮頸部子宮体部卵巣前立腺膀胱腎 他の尿路 女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男女男

臓器採取マニュアル ~腎~

2015/04/06 ( 月 ) 人体解剖学総論 A 基本事項 A-2 医の倫理 *3 生と死に関わる倫理的問題を説明できる C-2-1) 身体の部位と方向用語 *1 身体の部位を解剖学的に区別できる *2 身体の方向用語を正確に用いることができる 近藤信太郎 2015/04/06 ( 月 ) 骨格

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乳癌かな?!と思ったら

耳鼻咽喉科 頭頸部外科 年度の目標および方針 1). 頭頸部外科治療実績を発信する 頭頸部外科岸本誠司部長が赴任して 5 年目にはいる また頭頸部外科医長として坂井利彦医師が着任した 症例の集積がすすんできたことにともない 手術および化学放射線療法による頭頸部がんの治療効果を集計 解析

第1分野 摂食嚥下リハビリテーションの全体像 1 総 論 2 摂食嚥下のリハビリテー 椿原彰夫 ション総論 Lecturer 川崎医療福祉大学学長 学 習目標 Learning Goals Chapter 1 摂食嚥下とその障害の概念が理解できる 摂食嚥下障害の治療目的がわかる 急性期 回復期 生活

094 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか んの 1 つです 小細胞肺がんは, 肺がんの約 15% を占めていて, 肺がんの組 織型のなかでは 3 番目に多いものです たばことの関係が強いが 小細胞肺がんは, ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため, 手術 可能な時期に発見されることは少

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Vol 夏号 最先端の腹腔鏡下手術を本格導入 東海中央病院では 平成25年1月から 胃癌 大腸癌に対する腹腔鏡下手術を本格導入しており 術後の合併症もなく 早期の退院が可能となっています 4月からは 内視鏡外科技術認定資格を有する 日比健志消化器外科部長が赴任し 通常の腹腔 鏡下手術に

Transcription:

推薦のことば 著者は2016 年に 愛知県がんセンター頸部郭清術 ( 単著 ) を上梓した これは 著者が手術をアートとしてとらえ 手術のたびに著者の中で概念化された 頸部郭清術のベスト を目指し 自己研鑽の日々を送り 納得できた高みに達した結果を世に問うたものと考えられる あえて 愛知県がんセンター式 頸部郭清術とした意味は 極論すれば 頸部郭清術を行うには 頸部の筋肉 血管 神経の走行よりもlayer(Schicht) の存在とその連続性を知らねばならないという主張であろう その主張こそ愛知県がんセンターで学んだ頭頸部外科医共通の理念なのだと思われる 今回上梓された 頭頸部がん手術ノート 副題 輪層の外科 は前著を補完する部分もあるが 主題は 頭頸部癌 原発巣切除術 である 前著の layerを頭蓋底から上縦郭まで拡大し 解剖学的に細分化し 原発巣切除へのアプローチにかかわる様々なlayerを詳説する 副題の 輪層 とは 頸椎を中心に同心円状に広がる筋組織と その間隙に存在する消化管 気道 神経 血管を観念した著者ならではの表現である 特に第 4 章 頭頸部がん外科治療輪層の外科の基本概念と筋間隙による理論的手術 では 解剖学教科書では取り上げられることがなかった頸部筋間隙と剥離層をレーヤー 0からレーヤー 5まで分類し 口腔癌 喉頭癌 上咽頭癌 中咽頭癌 下咽頭癌 上顎癌 耳下腺癌 甲状腺癌について それぞれのアプローチと関与するレーヤーを解説している これらのレーヤーを局所的にとらえるだけで 耳下腺腫瘍 副咽頭間隙腫瘍 側頸嚢胞 甲状腺腫瘍などの良性腫瘍摘出術のイメージトレーニングにも極めて有用である 本書は 頭頸部外科医を志す方々には手術の基本と理論を 多くの手術を経験したベテラン医師には著者の情熱とレーヤーへのこだわりは更なるモチベーションとなるはずであろう 耳鼻科医局必読図書としてご購入をお勧めする 2020 年 4 月千葉徳洲会病院耳鼻咽喉科 頭頸部外科センター長鎌田信悦 i

まえがき 手術書というのは数多く出版されている おそらく頭頸部がんに関する書籍は比較的少ないがそれでも多くはある その中で他にない本書の特徴は頭頸部がん手術法の概念を基盤に書かれていることである 私は手術についてこれまで考えてきた 外科はサイエンスとアートと言われるが アートの部分に重きが置かれることが多い 元々手術は個人技であり 個々の経験からその多くが成り立っている 多くの外科医は学んだ技術を自己流に消化し己の手技を確立する 一方 手術には法則がある 安全かつ根治性に優れた手術を容易に行うにはどうしたら良いか そしてそれは汎用性の高い手術法であることが必要であると考えていた そして それは筋膜 筋間隙に基づく手術法であると結論に至った それを どのように伝えたらよいか 本書では外科医自らの手技の確立に著者の経験を少しでも役立ててほしいという思いで書かれている 頭頸部がん手術には数多くの術式があるが 本書では著者が比較的多く経験した手術が著されている その意味で手術ノートとした 筋膜 筋間隙に基づく手術法は従来から言われてきたことで特に新しい概念ではない 頸部郭清術については既に 愛知県がんセンター頸部郭清術 を著し 筋膜の手術としての手技を解説した 本書ではこれに続き原発臓器に対して 筋膜 筋間隙の手術を多くの手技に適応しその普遍化を図った その結果 頭頸部がんの手術には解剖学的共通性があり その共通性を理解し論理的な手法を用いることにより より安全で習熟の容易な手術法を行うことができると考えた その解説には著者のやや独断的な考え方が含まれているかもしれない 読者は批判的な考えも入れて 本書を読んでこれを消化いただきたい 2020 年 7 月朝日大学病院頭頸部外科 耳鼻咽喉科長谷川泰久 iii

目次 推薦の言葉 i まえがき iii 1 2 3 4 5 6 7 頭頸部がん治療の歴史 がんの外科 3 頸部郭清術 3 放射線治療 4 薬物療法 4 手術手技の基本 切開 5 剥離 8 結紮 9 縫合 10 手術用エネルギーデバイスの種類と特徴 高周波電流タイプ 11 加熱タイプ ( 熱メス ) 11 ハサミ ( 鉗子 ) 型エナジーデバイス 12 頭頸部がん外科治療 輪層の外科の基本概念と 筋間隙による論理的手術 同心円モデルと筋膜 14 筋間隙 17 剥離の層 ( レイヤー ) を定義する 31 頭頸部がん手術の構成 原発部位切除術 39 頸部郭清術 39 再建術 39 頸部郭清術 全頸部郭清術 ND(SJP) 44 選択的頸部郭清術 ND(SJ1-2) 62 口腔がんの手術 早期口腔がんの手術 72 舌半切 亜全摘術 79 2 5 11 14 39 41 72 iv

舌全摘術 93 8 喉頭がんの手術 喉頭全摘術と音声再建術 94 放射線治療と薬物療法 94 喉頭機能温存手術 96 喉頭全摘術の手技 103 94 9 10 11 12 上咽頭がんの手術 上咽頭へのアプローチ法 104 上顎スウィング法 105 中咽頭がんの手術 経口法 107 外切開法 107 中咽頭側壁がんの手術 112 前壁がんの手術 120 下咽頭がんの手術 経口法 122 外切開法 122 鼻副鼻腔の手術 上顎全摘術および拡大上顎全摘術 132 104 107 122 132 13 14 唾液腺の手術 耳下腺 143 顎下腺 149 舌下腺 150 甲状腺がんの手術 甲状腺葉峡切除術 154 甲状腺全摘術について 160 甲状腺被膜外浸潤の手術 160 甲状腺手術時の副甲状腺温存移植術 166 143 154 15 レイヤー手術のまとめ 170 文献 173 あとがき 179 v

6 頸部郭清術6 頸部郭清術 頸部郭清術とは頸筋膜からなる楕円柱に 筋肉 脂肪結合織 そしてリンパ節とリンパ管からなる頸部組織を包み込んで en blockに切除する術式である 33) この楕円柱は4 面 2 縁からなるが その前面は深頸筋膜浅葉 後面は後縁から前縁にかけて深頸筋膜深葉 頸動脈鞘 深頸筋膜中葉で構成される 後縁は僧帽筋前縁で深頸筋膜浅葉と深葉が接する線 前縁は深頸筋膜中葉である 上面 ( 頭側 ) と下面 ( 尾側 ) は切離された筋肉と脂肪結合織で作られる 図 6-1 筋膜の楕円柱図赤実線矢印 : 上面青実線矢印 : 下面青破線矢印 : 前縁赤破線矢印 : 後縁 41

図 6-2 術式による面と縁の移動赤矢印 : 選択的 ND での後縁の移動青矢印 : 選択的 ND での上面または下面の移動 図 6-3 横断面での術式による面と縁の移動矢印 : 選択的 ND での外面と後縁の移動 この楕円柱の4 面 2 縁は術式によって筋膜の構成と切離端の高さが異なるが 基本的には筋肉 脂肪結合織 そしてリンパ節とリンパ管からなる頸部組織を筋膜で包み込んで郭清することは同じである ( 図 6-1 参照 ) 機能温存術式になると楕円柱の外面は深頸筋膜浅 42

葉が胸鎖乳突筋の外から内に 後縁は僧帽筋前縁から胸鎖乳突筋後縁に移動し それに従い下面は小さくなる 楕円柱内の頸部リンパ節に被膜外浸潤や多発リンパ節転移があれば バリアーとしての胸鎖乳突筋や内頸静脈の切除と郭清領域の拡大が必要となり 楕円柱の面と縁は外へ拡大する 上面は機能温存よりも原発部位によりその高さが変わる 下面は口腔がんに対する予防的郭清術において上方へ移動する レイヤー手術はそれぞれの郭清術式における面と縁に対応するレイヤーを剥離切離する 術式により面と縁は移動するので レイヤーも変わる ( 図 6-2 図 6-3 参照 ) 具体的な術式にてレイヤーからの手順を呈示する その前にこの章では Japan Neck Dissection Study Group(JNDSG) によるリンパ節分類と郭清術分類 37) を用いるので その概要をまず述べる ( 図 6-4 参照 ) 図 6-4 JNDSG リンパ節分類 43

図 6-5 ND(SJP) 郭清範囲 JNDSG 郭清術分類は郭清された領域と切除された非リンパ組織の二つの要素を略字でカッコ内に併記しその間はスラッシュ (/) で区別する 基本となる非リンパ組織の胸鎖乳突筋 内頸静脈 副神経は英大文字 1 字の M V Nでそれぞれ表し その他の非リンパ組織は英小文字 2 字で表す 基本となるリンパ節領域および非リンパ組織と その他の領域および非リンパ組織との間はカンマ (,) で区切る 全頸部郭清術は切除される非リンパ組織 ( 内頸静脈 (V) 副神経(N) 胸鎖乳突筋 (M)) により ND(SJP/VNM) いわゆる根治的頸部郭清術からND(SJP) ND(SJP/ VM) ND(SJP/M) の根治的頸部郭清術変法 ( 保存的または機能的頸部郭清術 ) に大きく分けられる 選択的頸部郭清術は主にND(SJ1-2) とND(J) に分けられるが ND(SJ) などの派生術式もある 1 全頸部郭清術 ND(SJP) 全頸部郭清術 34) は一側の全頸部リンパ組織を網羅的に切除する頸部郭清術 (comprehensive neck dissection) である ( 図 6-5 参照 ) 今日 全頸部郭清が適用されるのは通常臨床的に頸部リンパ節転移が明らかな症例である 郭清は四つの面と二つの縁を順次切離するように行う ここでは ND(SJP) の手順と要領は次のごとくである 1 外面 (SLDCF) を切離する 2 上面 ( 下顎骨下縁 - 乳様突起 ) 3 下面 ( 鎖骨上縁 ) に続いて4 後縁 ( 僧帽筋前縁 ) を切離し 郭清組織を前方へ持ち上げ 44

111111111111111部郭清術ながら5 内面 (DLDCF) を鋭的に切離する 頸動脈鞘を開き必要な血管 神経を残し6 前縁 ( 前頸筋外側面 ) を切離する ( 図 6-6 参照 ) 図 6-6 ND(SJP) 郭清組織横断図青矢印 : 郭清組織 6 頸体位はヘッドダウンが可能な枕板を付けた手術台にて頸部を軽度進展させ さらに頭頸部が水平になる程度に縦転位にさせて行う 手術枕にて頭部を固定し回転を防ぐ 頭部は健側に軽度回転させ 必要に応じ手術台を横転位にする 外面 : レイヤー 1 皮膚切開原発部位と両側性かにより皮切が異なるが 通常はY(T) 字 J(U) 字皮膚切開を行う 症例により横切開 平行横切開を行う 45

図 6-7 外面アプローチ横断図とレイヤー 1 皮弁挙上皮弁を広頸筋下すなわちレイヤー 1で切離し挙上する 皮膚鉤で十分に牽引し 広頸筋の後面を露出し SLDCFが切除側に付くようにこの間で剥離する 皮弁作製の範囲は上下面と前後縁が十分に確認できる範囲である 皮膚鉤は皮弁挙上の初めには皮下に掛けるが その後に広頸筋に掛け直す こうすることにより広頸筋面と筋膜とのカウンタートラクションが掛けやすくなる 46

111111111111111図 6-8 上面アプローチとレイヤー SLM 冠状断 部郭清術上面 ( 下顎骨下縁 - 顎二腹筋後腹 ): レイヤー PG SLM レイヤー SLM( 青矢印 ) で顎舌骨筋の中間レイヤー ( 赤矢印 ) から深 ( 顎下 ) 層を切離する 6 頸1 2 図 6-9 上面アプローチとレイヤー PG-SLM 模式図 1: 下顎骨下縁よりから対側顎二腹筋前腹に向かいレイヤー SLM に入る 2: 耳下腺下極から患側顎二腹筋後腹に達する 顎下部で顔面神経下顎縁枝を確認し これを耳下腺部まで追求する 剥離層は下顎骨下 縁からレイヤー PG 下極の層である 47

顔面神経の確認は顔面動静脈と交差する位置で 浅頸筋膜下に透見できる糸状の組織を探すと確認しやすい 中枢側へ神経を追い求めながら耳下腺下極を切離し 頸枝を確認して切離する 多くの場合 下顎縁枝は下顎後静脈に接するように上行していくので そのあたりまで同定する 下顎後静脈は浅側頭静脈と顎静脈とが合して形成される 耳下腺内を下行して 前枝と後枝に分かれる 前枝は顔面静脈と舌静脈が合流する共通幹に流入して 共通幹を介して内頸静脈に注ぐ 後枝は 後耳介静脈を受け 外頸静脈となる 外頸静脈を温存する場合にできれば下顎後静脈も温存するが 多くの場合耳下腺下極と共に切離しても差し支えない 次に下顎下縁で顔面動静脈を切断し 上方断端を結紮糸と共に上方へ撥ね上げて置く こうすると 下顎縁枝も挙上される 下顎骨下縁に沿って 結合織を切離し 耳下腺部下極後方を切除し 顎二腹筋後腹に達する レイヤー 3Aに達するが その操作は後になる レイヤー SLMでの郭清に移る ( 図 6-8 図 6-9 参照 ) 頤下では対側の顎二腹筋前腹の直上で筋膜 結合組織 脂肪組織を切離する 下縁は舌骨上にてこれらを剥離する 舌骨直上を底辺とし患側 対側顎二腹筋前腹を二辺とする二等辺三角形の組織を郭清する レイヤー SLMの中間レイヤーである顎舌骨筋辺縁に筋鈎を掛けこれを牽引し 顎下腺を下方に牽引しながら 舌神経と顎下神経節 舌下腺の一部と顎下腺管を確認し舌神経を残してこれらを切断する ( 図 6-10 参照 ) この直下には舌下神経が舌骨舌筋外面に接して前上方に走行するので 集簇結紮の際はこれを巻き込まないように舌下神経を確認しておく 図 6-10 顎下腺を下方に牽引し舌神経と顎下神経節を確認黄太矢印 : 頭側方向 ( 以下同様 ) 黒矢印 : 舌神経 48

121222221121112図 6-11 内頸静脈と副神経を露出 2222顎下腺を外側に飜転して 下顎骨下縁に沿って結合織を切離し 耳下腺部下極を切除し 顎二腹筋後腹に達する 顎二腹筋後腹下縁にて顔面動脈を二重に結紮する 胸鎖乳突筋と顎二腹筋後腹を乳様突起付着部近くまで確認しておく 顎二腹筋後腹下縁を切離しこれに筋鈎を掛け挙上し レイヤー 3Aにて結合組織下にある内頸静脈 内外頸動脈 舌下神経を確認する 副神経は通常この高さでは内頸静脈壁の前面または外側縁に沿って外下方に走るが 内頸静脈の後面を通る場合や稀ではあるがこれを貫くように走行する場合もある ( 図 6-11 参照 ) 6 2黒矢印 : 顎二腹筋後腹青矢印 : 内頸静脈と副神経 S 領域 (level Ⅰ) の郭清を行わない場合は顎下腺下縁にて結合組織を切開し 舌骨から顎二腹筋後腹さらに乳様突起に至る 外面 : レイヤー 2A 副神経後頸三角部副神経を同定する 筋膜下の最も浅い位置を選びモスキートで剥離する 胸鎖乳突筋や僧帽筋の近くは神経の位置がやや深くなるのでその中間がよい 胸鎖乳突筋外側縁 1/2 やや上から僧帽筋上部外側縁中下 1/3にかけて後頸三角を斜走するので その位置と方向を想定し剥離同定する 筋膜下に透見されることも多い 副神経を同定しこれを上下に剥離する 神経鈎で軽く牽引しメスとモスキートで鋭的に剥離する ( 図 6-12 参照 ) 中枢側は一部胸鎖乳突筋内まで追求しておく 僧帽筋近くではやや深い走路となり筋の裏面に入る ( 図 6-18 参照 ) やや下方にある外側鎖骨上神経も副神経とほぼ同様な層を走行するので 49

間違えることがあるが胸鎖乳突筋外側縁では筋内へ入らず 筋に沿うようにして深層へ向かうので鑑別することができる 頸神経のいくつかが胸鎖乳突筋後縁と交差するこの部位を Erb's point( 神経点 ) という 図 6-12 後頸三角部で剥離された副神経黒矢印 : 副神経 副神経上内深頸部レイヤー 2Aを剥離する ( 図 6-13 図 6-14 参照 ) 具体的には胸鎖乳突筋前縁をその起始部から付着部まで鋭的に深頸筋膜浅葉外層を切離し 胸鎖乳突筋内面の深頸筋膜浅葉内層を筋全長全幅に亘り胸鎖乳突筋後縁に至るまで剥離する ただし 胸鎖乳突筋後縁上 1/3 付近の切離は副神経僧帽筋枝を確認し これを剥離してから行う 50

あとがき 頭頸部がんはあたかも胃がんや肺がんのように単一臓器のがんのように扱われている 実は頭頸部は狭い領域であるが多種多機能の臓器と組織の集合体である したがって その術式も多様である その中で一つの概念を示して全てとは言わないが いくつかの術式に当てはめることができれば 術式の解剖学的合理性と系統的理解を得ることができる 手術をサイエンスとアートにすることができる 頭頸部 特に頸部はその筋と筋膜を概念化すると同心円モデルを考えることができる これを頸部郭清術に応用し 筋膜の手術の概念と各種の頸部郭清術式への応用を 愛知県がんセンター頸部郭清術 で述べた 本書では主に原発臓器の切除術について 筋膜と筋間隙から術式の概念化を試みた 剥離の層 (Layer( 英 ) Schicht( 独 )) を明らかにした上で術式の説明を行った まえがきで述べたように この術式の概念化には著者のやや独断的な考えもあるかもしれないことを再度述べておく 本書で各臓器の手術について書かれた内容は著者と共著者がこれまでに報告した論文のまとめでもあり これまでに著した内容を改めて総括した これまで 共に手術と研究を行った先生方に深く感謝する 本書で用いた手術の写真は朝日大学病院において患者の同意と倫理委員会の承認を得て用いている または論文からの引用も学会と出版社の許諾を得て引用している 179

著者略歴 長谷川泰久 ( はせがわやすひさ ) 昭和 53 年 3 月 三重大学医学部卒業 昭和 60 年 3 月 名古屋大学大学院修了 昭和 60 年 4 月 愛知県がんセンター外科第一部医長 平成 12 年 4 月 愛知県がんセンター頭頸部外科部長 平成 24 年 5 月 愛知県がんセンター中央病院副院長 平成 30 年 4 月 朝日大学病院頭頸部外科 耳鼻咽喉科教授 専門医 : 耳鼻咽喉科専門医 指導医, 頭頸部がん専門医 指導医, 気管食道科専門医, 内分泌外科専門医 主な著書 ( 共著含む ):CLIENT21 頭頸部腫瘍 ( 中山書店 ), 耳鼻咽喉科診療プラクティス4 頭頸部腫瘍治療におけるDecision Making( 文光堂 ), 新図説耳鼻咽喉科頭頸部外科講座 5 頭頸部腫瘍 ( メジカルビュー社 ), 耳鼻咽喉科診療プラクティス8 耳鼻咽喉科 頭頸部外科のための臨床解剖 ( 文光堂 ), 今日の治療指針 2003 年版 ( 医学書院 ), イラスト手術手技のコツ耳鼻咽喉科 頭頸部外科咽喉頭頸部編 ( 東京医学社 ), 今日の耳鼻咽喉科 頭頸部外科治療指針 ( 医学書院 ), 愛知県がんセンター頸部郭清術 ( 金芳堂 ), 耳鼻咽喉 頭頸部手術アトラス [ 下巻 ] 第 2 版 ( 医学書院 ) 頭頸部がん手術ノート 輪層の外科 2020 年 8 月 15 日第 1 版第 1 刷 著 者 長谷川泰久 HASEGAWA, Yasuhisa 発行者 宇山閑文 発行所 株式会社金芳堂 606-8425 京都市左京区鹿ケ谷西寺ノ前町 34 番地 振替 01030-1-15605 電話 075-751-1111( 代 ) https://www.kinpodo-pub.co.jp/ 組版 装丁 naji design 印刷 製本 シナノ書籍印刷株式会社 落丁 乱丁本は直接小社へお送りください. お取替え致します. Printed in Japan ISBN978-4-7653-1839-6 本書の無断複写は著作権法上での例外を除き禁じられています. 複写される場合は, そのつど事前に,( 社 ) 出版者著作権管理機構 ( 電話 03-5244-5088,FAX 03-5244-5089,e-mail:info@jcopy.or.jp) の許諾を得てください. 本書のコピー, スキャン, デジタル化等の無断複製は著作権法上での例外を除き禁じられています. 本書を代行業者等の第三者に依頼してスキャンやデジタル化することは, たとえ個人や家庭内の利用でも著作権法違反です.