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File.4 < 判 決 原 文 > 生 計 を 一 に す る 妻 へ の 税 理 士 報 酬 と 必 要 経 費 - 宮 岡 事 件 - 第 1 審 : 東 京 地 裁 平 成 13 年 ( 行 ウ ) 第 423 号 平 成 15 年 7 月 16 日 判 決 ( TAINS 判 例 検 索 Z253-9393 税 務 訴 訟 資 料 253 号 順 号 9393 判 例 時 報 1891 号 44 頁 ) 控 訴 審 : 東 京 高 裁 平 成 15 年 ( 行 コ ) 第 209 号 平 成 16 年 6 月 9 日 判 決 ( TAINS 判 例 検 索 Z888-0847 判 例 時 報 1891 号 18 頁 ) 上 告 審 : 最 高 裁 三 小 平 成 16 年 ( 行 ツ ) 第 248 号 平 成 17 年 7 月 5 日 判 決 ( TAINS 判 例 検 索 Z888-1000) 第 1 審 : 東 京 地 方 裁 判 所 平 成 13 年 ( 行 ウ ) 第 423 号 不 当 利 得 返 還 請 求 事 件 ( 一 部 認 容 )( 被 告 控 訴 ) 判 決 原 告 宮 岡 孝 之 同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 児 王 晃 一 同 浅 倉 隆 顕 同 伯 母 治 之 同 上 條 司 同 川 端 小 織 同 豊 崎 寿 昌 同 芳 賀 淳 同 渡 辺 智 子 同 塩 野 正 視 同 大 山 勉 同 長 谷 山 尚 城 被 告 国 同 代 表 者 法 務 大 臣 森 山 眞 弓 同 指 定 代 理 人 澁 谷 勝 海 同 磯 野 宏 同 山 本 義 弘 同 高 野 浦 信 昭 被 告 東 京 都 同 代 表 者 東 京 都 知 事 石 原 慎 太 郎 同 指 定 代 理 人 直 井 春 夫 同 宮 崎 俊 郎 主 文 1 被 告 国 は 原 告 に 対 し 金 3 8 万 3 0 0 0 円 並 び に こ れ に 対 す る 平 成 1 1 年 3 月 2 6 日 か ら 同 年 1 2 月 3 1 日 ま で 年 7. 3 パ ー セ ン ト 同 1 2 年 1 月 1 日 か ら 同 1 3 年 1 2 月 3 1 日 ま で 年 4. 5 パ ー セ ン ト 及 び 同 1 4 年 1 月 1 日 か ら 支 払 済 み ま で 年 4. 1 パ ー セ ン ト の 各 割 合 に よ る 金 員 を 支 払 え 2 被 告 東 京 都 は 原 告 に 対 し 金 3 万 8 3 0 0 円 及 び こ れ に 対 す る 平 成 1 1 年 9 月 1 日 か ら 同 年 1 2 月 3 1 日 ま で 年 7. 3 パ ー セ ン ト 同 1 2 年 1 月 1 日 か ら 同 1 3 年 1 2 月 3 1 日 ま で 年 4. 5 パ ー セ ン ト 及 び 同 1 4 年 1 月 1 日 か ら 支 払 済 み ま で 年 4. 1 パ ー セ ン ト の 各 割 合 に よ る 金 員 を 支 払 え 3 原 告 の そ の 余 の 請 求 を 棄 却 す る 4 訴 訟 費 用 は 原 告 と 被 告 国 と の 間 で 生 じ た 分 は こ れ を 3 分 し そ の 1 を 原 告 の 負 担 と し そ の 余 を 被 告 国 の 負 担 と し 原 告 と 被 告 東 京 都 と の 間 で 生 じ た 分 は こ れ を 5 分 し そ の 2 を 原 告 の 負 担 と し そ の 余 を 被 告 東 京 都 の 負 担 と す る 事 実 及 び 理 由 第 1 請 求 1 被 告 国 は 原 告 に 対 し 金 5 6 万 6 9 0 0 円 及 び こ れ に 対 す る 平 成 1 1 年 3 月 2 6 日 か ら 支 払 済 み に 至 る ま で 年 7. 3 パ ー セ ン ト の 割 合 に よ る 金 員 を 支 払 え 2 被 告 東 京 都 は 原 告 に 対 し 金 5 万 8 5 0 0 円 及 び こ れ に 対 す る 平 成 1 1 年 3 月 2 6 日 か ら 支 払 済 み に 至 る ま で 年 7. 3 パ ー セ ン ト の 割 合 に よ る 金 員 を 支 払 え 第 2 事 案 の 概 要 原 告 は 弁 護 士 業 を 営 む 者 で あ り そ の 妻 乙 ( 以 下 訴 外 乙 と い う ) は 税 理 士 業 を 営 ん で い る と こ ろ 平 成 7 年 か ら 平 成 9 年 ま で の 間 同 人 と の 間 で 顧 問 税 理 士 契 約 を 締 結 し 税 理 士 報 酬 等 を 支 払 っ た た め 上 記 各 年 分 に 係 る 原 告 の 税 務 申 告 の 際 同 報 酬 を 弁 護 士 報 酬 を 得 る た め の 経 費 と し て 申 告 し た こ れ に 対 し 足 立 税 務 署 長 は 原 告 が 訴 外 乙 に 支 払 っ た 報 酬 は 所 得 税 法 5 6 条 の 規 定 す る 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 に 対 - 1 -

し て 支 払 っ た も の に 該 当 す る か ら 経 費 と し て 認 め ら れ な い こ と 等 を 理 由 と し て 各 更 正 の 決 定 ( 以 下 本 件 各 更 正 決 定 と い う ) を し た そ こ で 原 告 は こ れ を 不 服 と し て 審 査 請 求 を し た 上 こ れ に 対 す る 各 裁 決 に よ り 経 費 と 認 め ら れ 一 部 取 り 消 さ れ た 後 の 本 件 各 更 正 決 定 は 違 憲 又 は 違 法 で あ る と し て 被 告 国 に 対 し 訴 外 乙 に 支 払 っ た 報 酬 を 原 告 の 経 費 と し て 認 め ら れ な い こ と に よ り 原 告 が 負 担 さ せ ら れ た 金 額 に つ い て 誤 納 金 と し て 返 還 す る よ う 請 求 す る と と も に 被 告 東 京 都 に 対 し 同 様 の 理 由 に よ り 平 成 7 年 分 か ら 平 成 9 年 分 の 事 業 所 得 に 係 る 個 人 事 業 税 賦 課 決 定 処 分 に よ り 原 告 が 負 担 さ せ ら れ た 税 額 の 一 部 に つ い て 誤 納 金 の 返 還 を 請 求 し て い る 事 案 で あ る 1 所 得 税 法 及 び 地 方 税 法 の 定 め ( な お 所 得 税 法 5 6 条 の 改 正 経 緯 に つ い て は 別 紙 1 参 照 ) ( 1 ) 現 行 所 得 税 法 ( 以 下 法 と い う ) 5 6 条 は 居 住 者 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 が そ の 居 住 者 の 営 む 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 を 生 ず べ き 事 業 に 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 に は そ の 対 価 に 相 当 す る 金 額 は そ の 居 住 者 の 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 の 金 額 事 業 所 得 の 金 額 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 し な い も の と し か つ そ の 親 族 の そ の 対 価 に 係 る 各 種 所 得 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 さ れ る べ き 金 額 は そ の 居 住 者 の 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 の 金 額 事 業 所 得 の 金 額 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 す る こ の 場 合 に お い て そ の 親 族 が 支 払 を 受 け た 対 価 の 額 及 び そ の 親 族 の そ の 対 価 に 係 る 各 種 所 得 の 金 額 の 計 算 上 な い も の と み な す ( マ マ ) 旨 を 規 定 し て い る ( 2 ) 地 方 税 法 7 2 条 の 5 0 第 1 項 本 文 は 個 人 の 行 う 事 業 に 対 し 事 業 税 を 課 す る 場 合 に お い て は 第 4 項 に 規 定 す る 場 合 を 除 き 道 府 県 知 事 は 当 該 個 人 の 当 該 年 度 の 初 日 の 属 す る 年 の 前 年 中 の 所 得 税 の 課 税 標 準 で あ る 所 得 の う ち 第 7 2 条 の 1 7 第 1 項 に お い て そ の 計 算 の 例 に よ る も の と さ れ る 所 得 税 法 第 2 6 条 及 び 第 2 7 条 に 規 定 す る 不 動 産 所 得 及 び 事 業 所 得 に つ い て 当 該 個 人 が 税 務 官 署 に 申 告 し 若 し く は 修 正 申 告 し 又 は 税 務 官 署 が 更 正 し 若 し く は 決 定 し た 課 税 標 準 を 基 準 と し て 事 業 税 を 課 す る 旨 を 規 定 し て い る 2 前 提 と な る 事 実 ( 括 弧 内 に 認 定 根 拠 を 掲 げ た 事 実 の ほ か は 当 事 者 間 に 争 い の な い 事 実 か 弁 論 の 全 趣 旨 に よ り 容 易 に 認 定 で き る 事 実 で あ る ) ( 1 ) 原 告 は 弁 護 士 で あ り 原 告 の 妻 で あ る 訴 外 乙 は 税 理 士 で あ っ て そ れ ぞ れ 平 成 6 年 4 月 以 降 独 立 の 事 務 所 を 開 設 し て 業 務 を 行 っ て い る ( 2 ) 原 告 は 丙 弁 護 士 と と も に A 法 律 事 務 所 を 経 営 し て い る と こ ろ 平 成 6 年 4 月 7 日 丙 弁 護 士 と と も に 訴 外 乙 と の 間 で 原 告 及 び 丙 弁 護 士 の 弁 護 士 業 務 に 係 る 所 得 税 等 の 税 務 代 理 及 び 税 務 相 談 会 計 業 務 に つ い て の 顧 問 及 び 記 帳 代 行 を 委 嘱 内 容 と す る 顧 問 契 約 を 締 結 し 同 契 約 に 基 づ き 平 成 7 年 か ら 平 成 9 年 に か け て 訴 外 乙 に 対 し 同 人 に よ る 税 理 士 業 務 に 対 す る 対 価 と し て 以 下 の 顧 問 税 理 士 報 酬 及 び 税 務 申 告 手 数 料 ( 以 下 本 件 税 理 士 報 酬 等 と い う ) を 支 払 っ た ( 甲 1 ) ア 平 成 7 年 分 7 2 万 1 0 0 0 円 イ 平 成 8 年 分 1 1 3 万 3 5 0 0 円 ウ 平 成 9 年 分 1 0 5 万 9 0 0 0 円 ( 3 ) 原 告 は 上 記 ( 2 ) ア な い し ウ の 本 件 税 理 士 報 酬 等 を 原 告 の 各 年 分 の 所 得 税 の 申 告 の 際 弁 護 士 報 酬 を 受 け る た め の 必 要 経 費 に 算 入 し て 申 告 し た ( 以 下 本 件 各 申 告 と い う 甲 2 ) ( 4 ) 足 立 税 務 署 長 は 平 成 1 1 年 2 月 2 6 日 付 け で 原 告 に 対 し 原 告 が 訴 外 乙 に 対 し て 支 払 っ た 本 件 税 理 士 報 酬 等 は 法 5 6 条 に 規 定 す る 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 に 対 し て 支 払 わ れ た も の で あ り 必 要 経 費 に 算 入 す る こ と が で き な い と し て 平 成 7 年 分 な い し 平 成 9 年 分 の 各 申 告 に つ き 本 件 各 更 正 処 分 を す る と と も に 各 過 少 申 告 加 算 税 賦 課 決 定 処 分 ( 以 下 本 件 各 賦 課 決 定 処 分 と い い 本 件 各 更 正 処 分 と 本 件 各 賦 課 決 定 処 分 と を あ わ せ て 本 件 各 処 分 と い う ) を し た ( 甲 2 ) ( 5 ) 原 告 は 平 成 1 1 年 3 月 2 5 日 被 告 国 に 対 し 本 件 各 処 分 に よ り 新 た に 負 担 さ せ ら れ た 税 額 ( 延 滞 税 を 含 む ) を 支 払 っ た ( 6 ) 原 告 は 平 成 1 1 年 4 月 8 日 付 け で 国 税 不 服 審 判 所 長 に 対 し 本 件 各 処 分 を 不 服 と し て 審 査 請 求 を 行 っ た ( 甲 3 ) と こ ろ 国 税 不 服 審 判 所 長 は 平 成 1 2 年 5 月 1 5 日 付 け で 原 告 の 所 得 に つ い て の 必 要 経 費 を 算 定 す る に 当 た っ て は 原 告 と 生 計 を 一 に す る 訴 外 乙 が 対 価 と し て 得 た 収 入 の た め に 要 し た 費 用 の 限 度 で 原 告 の 所 得 に つ い て の 必 要 経 費 に 算 入 さ れ る べ き で あ る と し て 平 成 7 年 分 及 び 平 成 8 年 分 の 各 処 分 に つ き そ の 一 部 を 平 成 9 年 分 の 各 処 分 に つ き そ の 全 部 を 取 り 消 す 旨 の 裁 決 を し た ( 甲 7 ) ( 7 ) 被 告 国 は 上 記 裁 決 に よ り 平 成 9 年 分 の 各 処 分 の 全 部 が 取 り 消 さ れ た た め 原 告 に 対 し 上 記 更 正 処 分 に よ り 新 た に 納 付 さ れ た 額 及 び 過 少 申 告 加 算 税 額 を 還 付 し 延 滞 税 に つ い て も 全 額 還 付 し た - 2 -

( 8 ) 被 告 東 京 都 は 平 成 1 1 年 8 月 1 0 日 原 告 に 対 し 原 告 に 係 る 平 成 8 年 度 な い し 平 成 1 0 年 度 の 個 人 事 業 税 に つ き 各 増 額 賦 課 決 定 処 分 ( 以 下 本 件 各 事 業 税 増 額 決 定 処 分 と い う ) を し た ( 乙 5 1 1 1 7 ) ( 9 ) 原 告 は 平 成 1 1 年 8 月 3 1 日 被 告 東 京 都 に 対 し 本 件 各 事 業 税 増 額 決 定 処 分 に 基 づ き 差 引 不 足 額 を 納 付 し た ( 乙 6 1 2 1 8 ) ( 1 0 ) 足 立 都 税 事 務 所 長 は 平 成 1 2 年 6 月 2 8 日 原 告 に 対 し 平 成 8 年 度 な い し 平 成 1 0 年 度 の 個 人 事 業 税 減 額 賦 課 決 定 処 分 ( 以 下 本 件 各 事 業 税 減 額 賦 課 決 定 処 分 と い う ) を 行 い 同 年 8 月 7 日 原 告 に 対 し 誤 納 額 を 還 付 し た ( 乙 7 8 1 3 1 4 1 9 2 0 ) 3 争 点 及 び 争 点 に 関 す る 当 事 者 の 主 張 ( 1 ) 争 点 ア 原 告 の 所 得 の 算 定 に 関 し 法 5 6 条 の 適 用 が あ る か ( ア ) 法 5 6 条 の 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 の 意 義 ( 以 下 争 点 1 と い う ) ( イ ) 法 5 6 条 の 生 計 を 一 に す る の 意 義 ( 予 備 的 主 張 以 下 争 点 2 と い う ) イ 法 5 6 条 並 び に 本 件 各 処 分 及 び 本 件 各 事 業 税 増 額 決 定 処 分 の 合 憲 性 ( 以 下 争 点 3 と い う ) ( 2 ) 争 点 1 ( 法 5 6 条 の 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 の 意 義 ) に つ い て ア 原 告 の 主 張 イ 被 告 の 主 張 ( ア ) 合 算 課 税 が 例 外 的 な 措 置 で あ る こ と ( ア ) 法 5 6 条 の 文 理 に つ い て シ ャ ウ プ 勧 告 は 合 算 課 税 の 問 題 こ の 要 件 は 同 条 に 定 め る 各 事 業 と の 点 を 挙 げ こ れ を 廃 止 し て 各 納 税 者 が 独 立 対 価 性 を 意 味 す る も の で あ り そ れ 以 上 の 申 告 書 を 提 出 し 他 の 所 得 と 合 算 す る こ に 例 え ば 給 与 と し て 支 払 わ れ た こ と を と な く 各 人 の 所 得 額 に 対 す る 税 額 を 別 々 に 要 す る 等 の 限 定 を 付 す る 必 要 は な い こ 納 め る よ う に 勧 告 し て い る が こ れ に よ っ の こ と は 法 5 7 条 が 専 ら そ の 居 住 者 て 生 じ る こ と が あ り 得 る 要 領 の よ い 納 税 の 営 む 前 条 に 規 定 す る 事 業 に 従 事 す る も 者 の 出 現 を 防 止 す る た め に 財 産 等 か ら の ( 以 下 青 色 事 業 専 従 者 と い う ) 生 じ る 所 得 を 譲 渡 す る こ と で 税 負 担 を 免 れ が 当 該 事 業 か ら 次 項 の 書 類 に 記 載 さ れ て る こ と や 妻 子 を 同 族 の 事 業 に 雇 用 し て い る 方 法 に 従 い そ の 記 載 さ れ て い る 金 額 こ れ に 賃 金 を 払 う 等 の 抜 け 道 を 防 止 す る た の 範 囲 内 に お い て 給 与 の 支 払 を 受 け た 場 め に 合 算 す る こ と を 例 外 的 な 措 置 と し て 合 と い う よ う に 限 定 的 な 要 件 を 定 め て 提 言 し て い る い る の に 対 し 法 5 6 条 が 事 業 に 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り と 規 定 し ( イ ) シ ャ ウ プ 勧 告 の 代 償 措 置 の 提 言 個 対 価 の 発 生 事 由 に 何 ら 限 定 を 付 し て い な 人 単 位 課 税 に 対 す る 例 外 的 な 措 置 と し て 合 い こ と か ら も 明 ら か で あ る 算 課 税 を 行 っ た 場 合 に は そ の 限 り で そ の ま た 法 5 6 条 は 配 偶 者 等 に 支 払 わ 配 偶 者 等 は 経 済 的 な 独 立 性 を 喪 失 す る こ と れ た 対 価 に 相 当 す る 金 額 を 必 要 経 費 に 算 に な る か ら 合 算 課 税 さ れ る よ う な 場 合 に 入 し な い こ と を 規 定 し た も の で あ る か は 妻 子 等 は 事 業 を 営 む 者 の 扶 養 家 族 と し ら 当 該 対 価 は 仮 に そ れ が 生 計 を 一 に て 取 り 扱 わ な け れ ば 他 の 者 と 比 較 し て 高 す る 関 係 に な い 者 に 支 払 わ れ た と す れ 額 な 税 率 を 負 担 し な け れ ば な ら な く な り 不 ば 必 要 経 費 と 認 め ら れ る よ う な 事 由 に よ 都 合 を 生 じ る っ て 支 払 わ れ た も の で な け れ ば な ら な い そ こ で こ の 不 都 合 を 回 避 す る た め シ で あ ろ う が そ れ 以 上 に 限 定 を 加 え る 必 ャ ウ プ 勧 告 は 納 税 者 が そ の 課 税 所 得 と 同 要 は な い の で あ り こ の よ う な 同 条 の 立 人 が 扶 養 控 除 を 申 告 す る 者 の 受 け 取 る 所 得 法 趣 旨 に 照 ら し て も そ の 他 の 事 由 に と を 合 算 な け れ ば な ら な い と い う 条 件 で よ り と い う 要 件 は 対 価 が 生 計 を 一 納 税 者 か ら 生 活 費 の 半 額 以 上 を 受 け る 者 に に す る 関 係 に な い 者 に 支 払 わ れ た と す 対 し て も 扶 養 控 除 を 認 め る べ き で あ る こ と れ ば 必 要 経 費 と 認 め ら れ る よ う な 事 由 に を 提 言 し て い た よ っ て 支 払 わ れ た も の を 広 く 含 む 概 念 と 解 す べ き で あ る ( ウ ) シ ャ ウ プ 勧 告 の 合 算 課 税 の 対 象 し た が っ て 仮 に シ ャ ウ プ 勧 告 が 指 摘 ( イ ) 法 改 正 の 経 緯 か ら み た 法 5 6 条 す る よ う な 前 記 立 法 事 実 が あ り 生 計 を 一 の 解 釈 に つ い て に す る 親 族 の 所 得 を 合 算 す る 必 要 が 認 め ら 法 は 昭 和 4 0 年 に 全 文 改 正 さ れ た も の れ る と し て も 個 別 課 税 を 否 定 し 合 算 課 で あ っ て こ れ は 昭 和 3 8 年 1 2 月 に 税 を す る た め に は そ の 合 算 課 税 の 対 象 と 税 制 調 査 会 か ら 出 さ れ た 所 得 税 法 及 び な る 親 族 が そ の 事 業 者 の 扶 養 家 族 と し て そ 法 人 税 法 の 整 備 に 関 す る 答 申 に 基 づ き の 事 業 者 が 扶 養 家 族 控 除 を 受 け ら れ る こ と 1 税 法 の 体 系 的 な 整 備 2 表 現 の 平 明 化 が 前 提 と な っ て い る こ の こ と は 合 算 課 3 規 定 の 整 備 合 理 化 の 3 点 を 基 本 方 針 と 税 の 対 象 と な る 親 族 が 独 立 し た 事 業 を 営 ん し て さ れ た も の で あ る が 法 5 6 条 に つ - 3 -

で お ら ず そ の 者 の 所 得 が 扶 養 家 族 と し て い て は そ の 実 質 的 内 容 な い し 要 件 の 変 の 対 象 と な り 得 る 程 度 の 少 額 の 所 得 で あ る 更 を 伴 う も の で は な い こ の こ と は 以 こ と を 前 提 と し て い た と 考 え る こ と が で き 下 の こ と か ら 裏 付 け ら れ る る し た が っ て そ も そ も そ の 家 族 が 独 立 し た 事 業 を 営 み そ の 事 業 の 存 在 が そ の a 昭 和 4 0 年 の 全 文 改 正 は 前 記 に 述 所 得 を 支 払 う 事 業 主 の 存 在 と は 別 に 事 業 と べ た 税 制 の 整 備 合 理 化 に よ る も の を 除 し て の 独 立 性 を 有 し て い る よ う な 場 合 に き 税 法 の 体 系 的 な 整 備 及 び 表 現 の 平 明 は 合 算 課 税 の 前 提 と し て の 事 業 者 の 事 業 化 を 目 的 と し て さ れ た も の で あ り 法 条 と の 密 接 な 関 連 性 を 欠 い て い る と い う べ き の 実 質 的 内 容 に 変 更 を 加 え る も の で は な で あ る こ の よ う な 親 族 の 事 業 が 独 立 性 を い 有 し て い る 場 合 に は シ ャ ウ プ 勧 告 は そ も そ し て 旧 所 得 税 法 ( 以 下 旧 法 と そ も 合 算 課 税 の 対 象 と な ら な い と い う こ と い う ) 法 1 1 条 の 2 に 関 す る 事 項 の う を 暗 黙 の 了 解 事 項 と し て い た と 解 さ れ る ち 整 備 合 理 化 が 図 ら れ た の は 同 条 2 項 及 び 3 項 に 規 定 さ れ て い た 事 業 専 従 者 控 ( エ ) 昭 和 2 5 年 2 月 2 4 日 衆 議 院 委 員 除 に 関 す る 部 分 の み で あ り 同 条 1 項 の 会 で の 個 別 課 税 等 に つ い て の 池 田 大 蔵 大 臣 規 定 に つ い て 整 備 合 理 化 と い う 趣 旨 に の 提 案 理 由 に つ い て 基 づ く 改 正 は さ れ て い な い 同 委 員 会 に お い て は 合 算 課 税 が 廃 止 さ れ た 理 由 に つ い て は 詳 細 に 述 べ ら れ て い な b ま た 法 5 6 条 は 居 住 者 の 所 得 金 い が こ れ に よ る 合 算 課 税 の 範 囲 は シ ャ ウ 額 の 計 算 方 法 を 規 定 す る 一 方 こ れ に 併 プ 勧 告 及 び 大 蔵 省 主 税 局 の 見 解 と 基 本 的 に せ て 居 住 者 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ 同 一 で あ る と 解 さ れ る そ う す る と 上 記 の 他 の 親 族 が 支 払 を 受 け た 対 価 に 係 る 各 提 案 理 由 に お い て は 納 税 者 と 生 計 を 一 種 所 得 の 金 額 の 計 算 方 法 を 規 定 す る も の に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 が 当 該 納 税 義 務 で あ る 者 の 経 営 す る 事 業 か ら 所 得 を 受 け た 場 合 に と こ ろ で 法 5 6 条 の 事 業 に 従 事 し は と 述 べ ら れ て い る が シ ャ ウ プ 勧 告 の た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 趣 旨 す な わ ち 合 算 課 税 の 対 象 を 当 該 納 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 と い う の が 税 者 に 当 該 親 族 が 雇 用 さ れ て い る 場 合 を 前 同 条 の 定 め る 事 業 に 従 事 し た こ と に よ り 提 と す る と の 趣 旨 を そ の ま ま 引 き 継 い だ も 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 又 は 従 事 し た の で あ り 従 前 の 合 算 課 税 の 対 象 を 拡 大 し こ と に 準 じ る 事 由 に よ り 対 価 の 支 払 を た も の で は な い と 解 す る の が 相 当 で あ る 受 け る 場 合 の み に 限 定 さ れ 独 立 し た 事 業 を 営 み そ の 事 業 活 動 の 対 価 と し て 支 ( オ ) 法 5 7 条 か ら の 規 定 か ら 判 明 す る 払 を 受 け た 場 合 を 含 ま な い と 解 す る の で 法 5 6 条 の 適 用 範 囲 あ れ ば 同 条 が そ の 金 額 の 計 算 方 法 を 規 法 5 7 条 に よ り 青 色 申 告 書 を 提 出 す る 納 定 す る そ の 親 族 の そ の 対 価 に 係 る 各 種 税 義 務 者 に つ い て い わ ゆ る 専 従 者 控 除 を 所 得 の 中 に 事 業 所 得 は 含 ま れ な い こ と 認 め る 規 定 で あ る と こ ろ 法 5 7 条 が 規 定 に な る は ず で あ る さ れ る ま で 法 5 6 条 の 適 用 対 象 者 に つ い し か し 法 上 各 種 所 得 と は 法 て は 事 業 者 か ら 配 偶 者 等 に 対 す る 給 与 の 2 条 1 項 2 1 号 で 定 義 さ れ て い る の で あ 支 払 は 経 費 と 認 定 さ れ ず 合 算 課 税 さ れ て っ て 法 5 6 条 の 各 種 所 得 の 解 釈 に い た 代 わ り に 実 際 上 は 扶 養 控 除 の 適 用 が 限 っ て 事 業 所 得 を 除 外 す る 理 由 は な い あ っ た し た が っ て み な し 事 業 所 得 の 規 そ う す る と 法 5 6 条 は そ の 文 理 上 定 の 適 用 が あ る 場 合 に は 扶 養 控 除 の 対 象 も 親 族 が 居 住 者 か ら 支 払 を 受 け た 対 価 に な る べ き で あ り こ れ が 認 め ら れ な い 場 に 係 る 所 得 の 種 類 に つ い て 何 ら 限 定 し て 合 に は 合 算 課 税 は そ の 根 拠 を 欠 く も の と い な い こ と を 意 味 し し た が っ て 法 5 い わ ざ る を 得 な い ま た 法 5 7 条 は 法 6 条 の 定 め る 事 業 に 従 事 し た こ と そ の 5 6 条 の み な し 事 業 所 得 の 不 合 理 性 を 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 対 価 の 支 払 解 消 す る た め に 規 定 さ れ た も の で あ る と 解 を 受 け る 場 合 に つ き 何 ら か の 限 定 が 付 さ れ こ の こ と に か ん が み れ ば 法 5 6 条 さ れ る こ と も 予 定 さ れ て い な い と い わ ざ の 規 定 は 極 め て 限 定 的 に 解 釈 さ れ な け れ る を 得 な い の で あ る か ら 居 住 者 が 生 計 ば な ら な い と い う べ き で あ る を 一 に す る 親 族 に 対 し 支 払 っ た 対 価 に 相 さ ら に 昭 和 3 6 年 改 正 で は 白 色 申 告 当 す る 金 額 は 一 律 に 必 要 経 費 に 算 入 さ れ 者 に も 専 従 者 控 除 を 認 め る と と も に そ の な い と 解 す べ き で あ る 適 用 範 囲 を 配 偶 者 に も 拡 大 し て い る の で あ っ て そ の 改 正 理 由 も 専 従 配 偶 者 の 実 情 c さ ら に 改 正 前 後 の 文 言 を 比 較 し て 法 人 の 負 担 と の バ ラ ン ス を 挙 げ 実 際 に 給 み て も 要 件 解 釈 に 変 更 が あ っ た こ と を 与 を 支 払 っ て い る 場 合 に 生 じ る 不 都 合 を 回 う か が わ せ る 事 情 は 存 し な い 旧 法 1 1 避 し よ う と す る も の で あ る か ら 法 5 6 条 条 の 2 第 1 項 に お い て は 納 税 義 務 者 に よ る 不 都 合 を 回 避 す る 目 的 が う か が わ れ と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 る の で あ っ て こ の よ う な 点 に か ん が み て が 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 で 不 も 法 5 6 条 の 適 用 対 象 は 限 定 的 に 解 釈 さ 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 を 生 ず れ る べ き も の で あ る べ き も の か ら 所 得 を 受 け る 場 合 に お い て は と 規 定 し て お り 納 税 義 務 者 と 生 計 ( カ ) ま た 法 5 6 条 は 従 事 し た こ を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 が 当 該 納 と そ の 他 の 事 由 に よ り 対 価 の 支 払 を 受 け る 税 義 務 者 か ら 所 得 を 受 け る 場 合 で あ - 4 -

場 合 と 規 定 す る が そ も そ も 同 条 の そ る 限 り は 一 律 に 必 要 経 費 算 入 を 認 め て い の 他 の の 意 義 は 雇 用 契 約 に よ り 給 与 の な い こ と が 文 理 上 明 ら か で あ る 支 払 を 受 け る 場 合 ( 従 事 し た 場 合 ) 以 こ れ に 対 し 法 5 6 条 は 居 住 者 と 外 の 一 切 の 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 を 指 す 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 が そ も の で は な く む し ろ 従 事 し た と 評 価 し の 居 住 者 の 営 む 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 得 る か 否 か が 契 約 自 体 か ら は 明 ら か で な い は 山 林 所 得 を 生 ず べ き 事 業 に 従 事 し た こ が 実 態 関 係 か ら す る と 従 事 す る と 判 断 で き と そ の 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 対 価 る 場 合 を 想 定 し た も の と い う べ き で あ る の 支 払 を 受 け る 場 合 に は と 規 定 し て い る と こ ろ 法 文 上 用 い ら れ る そ の 他 の ( キ ) 以 上 に よ れ ば そ の 家 族 が 独 立 し と い う 文 言 は 通 常 前 に 置 か れ た 名 詞 又 た 事 業 を 営 み そ の 事 業 の 存 在 が そ の 所 得 は 名 詞 句 が 後 に 続 く 一 層 意 味 内 容 の 広 を 支 払 う 事 業 主 の 存 在 と は 別 に 事 業 と し て い 言 葉 の 一 部 を な す も の と し て そ の 中 に の 独 立 性 を 有 し て い る よ う な 場 合 は 法 5 包 含 さ れ る 場 合 に 用 い ら れ る も の で あ 6 条 の 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り り そ の 他 の に 続 く 名 詞 又 は 名 詞 句 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 に 該 当 し な い も が そ の 他 の 前 に 置 か れ た 名 詞 又 は の と い う べ き で あ る 名 詞 句 に 準 じ る 場 合 に 限 定 さ れ る こ と を 意 味 す る も の で は な い d そ も そ も 旧 法 1 1 条 の 2 第 2 項 は 青 色 申 告 書 を 提 出 す る 納 税 義 務 者 と 生 計 を 一 に す る 親 族 ( 略 ) で も っ ぱ ら 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 前 項 に 規 定 す る 事 業 に 従 事 す る も の と 規 定 さ れ 文 言 の 体 裁 上 同 条 項 の 要 件 に 該 当 す る と 規 定 さ れ 文 言 の 体 裁 上 同 条 項 の 要 件 に 該 当 す る ( 生 計 を 一 に す る 親 族 が 従 事 す べ き ) 事 業 の 種 類 な い し 性 質 が 前 項 に 定 め ら れ て い る 旨 の 規 定 に な っ て い た し か る に 当 該 前 項 で あ る 同 条 1 項 に お い て は 引 用 の 対 象 と な る べ き 事 業 と い う 文 言 が 示 さ れ た 後 に 当 該 事 業 の 種 類 な い し 性 質 を 限 定 す る 文 言 が 置 か れ る 体 裁 に な っ て い る た め 同 条 2 項 の 要 件 に 該 当 す る 事 業 が 端 的 に 表 現 さ れ て い な い き ら い が あ っ た そ こ で 表 現 の 平 明 化 と い う 趣 旨 を 重 視 し た 昭 和 4 0 年 改 正 に お い て は 端 的 に 旧 法 1 1 条 の 2 第 2 項 の 要 件 に 該 当 す る 事 業 の 種 類 な い し 性 質 を 理 解 で き る よ う に し 同 条 1 項 と 2 項 の 対 応 関 係 な い し 原 則 例 外 の 関 係 を 明 確 化 す る た め 法 5 7 条 1 項 に お け る そ の 居 住 者 の 営 む 前 条 に 規 定 す る 事 業 に 従 事 す る も の と の 文 言 を 前 条 で あ る 同 法 5 6 条 の 文 言 中 に 取 り 込 む こ と と し 改 め ら れ た も の と 解 す べ き で あ る ( ウ ) 裁 判 例 に つ い て 各 裁 判 例 ( 東 京 地 裁 平 成 2 年 1 1 月 2 8 日 判 決 税 務 訴 訟 資 料 1 8 1 号 4 1 7 頁 ) 名 古 屋 高 裁 平 成 5 年 1 0 月 2 5 月 判 決 税 務 訴 訟 資 料 2 2 4 号 1 1 7 9 頁 ) に よ れ ば 法 5 6 条 が 個 別 事 情 の い か ん に か か わ り な く 一 律 に 適 用 さ れ る こ と が 予 定 さ れ て い る 規 定 で あ る こ と は 明 ら か で あ り 同 条 は 給 与 所 得 な い し こ れ に 準 ず る 所 得 と な る 金 員 を 配 偶 者 等 が 受 け る 場 合 に 限 っ て 適 用 さ れ る も の で は な い ( エ ) 法 5 6 条 と 法 5 7 条 の 関 係 に つ い て 原 告 は 法 5 7 条 は 法 5 6 条 の 不 合 理 を 解 消 す る た め に 規 定 さ れ た と の 理 解 - 5 -

を 前 提 に 法 5 7 条 の 趣 旨 か ら す れ ば 法 5 6 条 の 範 囲 は 極 め て 限 定 的 に 解 釈 さ れ な け れ ば な ら な い と 主 張 す る が 以 下 の と お り 失 当 で あ る a 法 5 7 条 の 立 法 趣 旨 青 色 申 告 制 度 は 昭 和 2 5 年 シ ャ ウ プ 勧 告 に 基 づ き 納 税 者 の 正 し い 記 帳 に よ る 適 正 申 告 の 基 盤 を 築 く た め に 設 け ら れ た も の で あ る そ し て 法 5 7 条 1 項 に 規 定 す る 青 色 事 業 専 従 者 給 与 の 前 身 で あ る 青 色 専 従 者 控 除 は 昭 和 2 7 年 に 創 設 さ れ た も の で あ る が こ れ が 創 設 さ れ た 理 由 は 主 と し て 青 色 申 告 の 普 及 育 成 と い う 政 策 的 な 目 的 に よ る も の で あ る す な わ ち 青 色 申 告 制 度 が 導 入 さ れ た 当 初 に お い て 個 人 事 業 者 の 青 色 申 告 の 普 及 率 が 極 端 に 低 く ま た 納 税 者 の 間 で も 青 色 申 告 に 対 す る 税 法 上 の 特 典 か 少 な く し か も 小 規 模 の 事 業 者 が 利 用 で き る 特 典 は ほ と ん ど 存 在 し な い と い う 不 満 が あ っ た こ と か ら 青 色 申 告 の 普 及 育 成 と い う 目 的 を 達 成 す る た め 多 く の 青 色 申 告 者 が 利 用 で き る 特 典 と し て 青 色 専 従 者 控 除 を 認 め た の で あ る そ の 後 青 色 専 従 者 控 除 は 導 入 当 初 は 認 め ら れ て い な か っ た 配 偶 者 も 受 け ら れ る よ う に な り ま た 控 除 限 度 額 が 徐 々 に 引 き 上 げ ら れ 昭 和 4 2 年 の 改 正 に よ り 事 前 届 出 制 を 採 用 す る と と も に 控 除 限 度 額 方 式 を 廃 止 し 専 従 者 に 対 し て 支 払 っ た 給 与 の 全 額 を 必 要 経 費 に 算 入 で き る い わ ゆ る 完 全 給 与 性 に 移 行 し た ( な お 従 事 内 容 等 に 照 ら し て 相 当 と 認 め ら れ る 範 囲 内 で あ る こ と は 当 然 必 要 と さ れ た ) そ し て 青 色 専 従 者 給 与 制 度 は 現 在 に お い て も 青 色 申 告 の 特 典 と し て 位 置 づ け ら れ て お り 青 色 申 告 者 の 団 体 で あ る 青 色 申 告 会 に お い て も 青 色 申 告 の 主 な 特 典 と し て 位 置 づ け て お り そ の 位 置 づ け は 立 法 当 初 か ら 現 在 ま で 変 わ っ て い な い ま た 昭 和 3 6 年 に は 青 色 申 告 者 以 外 の 事 業 者 ( い わ ゆ る 白 色 申 告 者 ) に お い て も 一 定 の 外 形 的 な 基 準 の 基 に 事 業 専 従 者 を 認 定 し そ の 専 従 者 に つ い て 一 定 の 控 除 を 定 額 で 行 う こ と が 適 当 で あ ろ う と の 考 え に よ り 現 実 に 給 与 を 支 払 っ た か 否 か に 関 わ ら ず 当 該 事 業 者 が 専 従 者 を 有 す る 場 合 に は 一 定 額 を 控 除 す る 規 定 が 設 け ら れ た b 法 5 7 条 と 法 5 6 条 と の 関 係 前 記 の よ う に 青 色 申 告 者 に つ い て 認 め ら れ た 青 色 事 業 専 従 者 給 与 は 青 色 申 告 の 普 及 育 成 と い う 政 策 的 な も の と し て 理 解 さ れ る も の で あ り ま た い わ ゆ る 白 色 申 告 者 に つ い て 認 め ら れ た 事 業 専 従 者 控 除 は 青 色 申 告 者 と の バ ラ ン ス を 図 る と い う 政 策 的 意 味 合 い か ら 必 ず し も 必 要 経 費 と し て 認 め ら れ な い も の に つ い て ま で も 一 定 額 を 控 除 す る と い う 方 法 に よ り 控 除 を 認 め た 制 度 で あ る か ら 法 5 7 条 の 規 定 と 法 5 6 条 の 規 定 は そ の 立 - 6 -

法 目 的 を 異 に す る も の で あ る ( 3 ) 争 点 2 ( 法 5 6 条 の 生 計 を 一 に す る の 意 義 ) に つ い て ア 原 告 の 主 張 イ 被 告 の 主 張 ( ア ) 仮 に 法 5 6 条 が 違 憲 無 効 で な い と ( ア ) 法 5 6 条 が 配 偶 者 等 に 対 す る し て も 原 告 と 訴 外 乙 と は 居 住 者 と 生 計 対 価 の 支 払 を 必 要 経 費 に 算 入 し な い こ と を 一 に し て お ら ず 本 件 で は 法 5 6 条 の と し た の は 前 記 の と お り 当 該 支 払 が 適 用 が な い 所 得 か ら 支 出 す べ き 生 計 維 持 費 用 の 分 担 居 住 者 と 生 計 を 一 に す る の 解 釈 に つ い と し て の 性 質 を 有 し 総 収 入 金 額 中 の 当 て は 一 般 的 な 社 会 通 念 に 従 い 個 々 の ケ 該 支 払 に 充 て る 部 分 が 担 税 力 を 生 ず る か ー ス 毎 に 判 断 せ ざ る を 得 な い と 考 え ら れ つ ら で あ る か ら 同 条 に い う 生 計 を 一 に つ も 場 合 を 分 け て 検 討 さ れ て い る ( 昭 和 す る と い う た め に は 配 偶 者 等 に 対 す 5 2 年 6 月 2 7 日 付 け 国 税 速 報 第 2 9 9 7 る 対 価 の 支 払 が 事 業 者 の 生 計 維 持 費 用 の 号 ) こ の う ち 独 立 し て 生 計 を 維 持 す 支 出 を 軽 減 さ せ る 効 果 を 生 ず る 関 係 に な る に 足 り る 程 度 の 収 入 が あ る 場 合 で あ り け れ ば な ら な い は ず で あ り こ の よ う な か つ 同 居 し て い る 場 合 の 基 準 は 1 そ の 関 係 は 裁 判 例 ( 最 高 裁 判 所 昭 和 5 1 年 者 の 所 有 す る 資 産 及 び 収 入 を 独 自 に 管 理 3 月 1 8 日 第 一 小 法 廷 判 決 訟 務 月 報 2 し 処 分 し て い る か 否 か 2 食 事 を 別 に し 2 巻 6 号 1 6 5 9 頁 参 照 同 平 成 1 0 年 て い る か 3 食 事 を 共 に す る 場 合 に は 実 1 1 月 2 7 日 第 二 小 法 廷 判 決 税 務 訴 訟 費 の 精 算 が 行 わ れ て い る か 否 か 4 水 道 光 資 料 2 3 9 号 1 3 9 頁 等 ) に 見 ら れ る よ 熱 費 等 の 共 通 経 費 に つ い て 実 費 の 精 算 が 行 う に 日 常 生 活 の 糧 を 共 通 に し て い る 関 わ れ て い る か 否 か 5 専 用 す る 居 室 に つ い 係 す な わ ち 消 費 段 階 に お い て 同 て 家 賃 部 屋 代 の 支 払 い が あ る か 否 か 6 一 の 財 布 の も と で 生 活 し て い る こ と と そ の 他 家 事 上 の 支 出 に 関 し て 親 族 間 に お け い う 関 係 に ほ か な ら な い る 債 権 債 務 の 発 生 決 済 の 状 況 が 明 確 に さ れ て い る か 否 か で あ る ( イ ) 原 告 の 主 張 に つ い て 原 告 は 予 備 的 主 張 と し て 原 告 の 配 ( イ ) こ れ を 本 件 に つ い て 検 討 す る と 偶 者 は 原 告 と 生 計 を 一 に し て い な い か 以 下 の よ う に な る ら 法 5 6 条 の 適 用 は な い 旨 を 主 張 す る a 訴 外 乙 の 平 成 7 年 度 な い し 平 成 9 年 度 し か し 原 告 が そ の 根 拠 と し て 主 張 す る の 総 収 入 及 び 所 得 は 以 下 の と お り で あ り 事 実 は 原 告 が 営 む 事 業 と 原 告 の 配 偶 者 独 立 し て 生 計 を 維 持 す る の に 十 分 な も の で の 事 業 の 区 分 の 問 題 あ る い は 原 告 の あ る 配 偶 者 の 事 業 と 家 計 と の 区 別 の 問 題 に す 平 成 7 年 度 総 収 入 8 4 8 万 9 5 9 0 円 ぎ ず い ず れ も 消 費 生 活 に お け る 区 分 を 所 得 5 1 9 万 2 5 6 0 円 述 べ る も の で は な い ま た 原 告 は 費 用 平 成 8 年 度 総 収 入 9 9 9 万 5 0 7 0 円 を 実 額 精 算 し て い る と も 主 張 す る が 実 所 得 2 8 8 万 5 1 4 4 円 額 精 算 と は 利 益 を 取 得 す る に 当 た り 実 平 成 9 年 度 総 収 入 1 0 9 6 万 3 0 3 0 円 際 に 要 し た 費 用 を 当 該 利 得 の 帰 属 割 合 に 所 得 4 0 5 万 2 4 8 7 円 応 じ て 精 算 す る こ と を 意 味 す る も の で あ る 以 上 精 算 の 前 提 と し て 個 々 が 取 得 b そ し て 原 告 と 訴 外 乙 は 同 居 し て い る し た 利 益 ご と に 実 際 に 要 し た 費 用 が ど も の の 訴 外 乙 は 住 所 地 で あ る 足 立 区 千 れ ほ ど で あ っ た か が 問 題 に さ れ な け れ ば 住 旭 町 に お い て B 税 理 士 事 務 所 を 経 営 し て な い の で あ っ て す べ て 一 律 の 割 合 を も お り 原 告 と は 独 立 に 仕 事 を し て い る そ っ て 分 担 す る 等 と い う 主 張 は お よ そ こ し て 訴 外 乙 の 3 5 社 の 税 務 顧 問 中 原 告 こ に い う 実 額 精 算 に 該 当 し な い も の と い か ら 紹 介 を 受 け た の は わ ず か で あ り そ れ わ ざ る を 得 な い 結 局 の と こ ろ 原 告 が 以 外 は 原 告 と は 関 係 が な い 挙 げ る 個 々 の 事 情 に つ い て は 原 告 と 原 訴 外 乙 の 報 酬 は 同 人 の 報 酬 口 座 に 一 括 告 の 配 偶 者 の 婚 姻 費 用 ( 家 計 費 ) の 分 担 し て 入 金 さ れ 同 人 が 自 ら 管 理 処 分 し て 割 合 を 述 べ て い る に す ぎ ず 2 つ の 家 計 お り 原 告 の 収 入 が 訴 外 乙 名 義 の 口 座 に 入 の 独 立 性 を 意 味 す る も の と は い え な い 金 さ れ た り 原 告 の 経 費 が 訴 外 乙 名 義 の 報 な お 上 記 予 備 的 主 張 に 係 る 事 実 を も 酬 口 座 か ら 支 出 さ れ る こ と は 一 切 な い っ て し て も 被 告 の 課 税 処 分 を 無 効 な ら 原 告 と 訴 外 乙 は 食 事 を 共 に し て い る が し め る 程 度 に 重 大 か つ 明 白 な 瑕 疵 が あ る お お よ そ 原 告 が 6 訴 外 乙 が 4 の 割 合 で 実 と い う こ と は で き な い か ら こ の 点 に お 費 精 算 を し て い る そ の 他 子 供 の 学 費 や い て も 原 告 の 主 張 は 失 当 で あ る 旅 行 の 費 用 等 に つ い て も 上 記 の 割 合 で 実 費 精 算 を し て い る 原 告 の 住 宅 は 区 分 所 有 形 態 と な っ て い る と こ ろ B 税 理 士 事 務 所 部 分 は 訴 外 乙 の 単 独 名 義 で あ り 建 築 費 に 関 す る ロ ー ン 水 道 光 熱 費 コ ン ピ ュ ー タ ー の リ ー ス 代 等 の 経 費 は 訴 外 乙 名 義 の 銀 行 預 金 口 座 か ら 自 動 引 き 落 と し に よ り 支 払 わ れ て い る 現 - 7 -

況 も 自 宅 の 玄 関 と B 税 理 士 事 務 所 の 玄 関 と で は 全 く 別 に な っ て い る ( ウ ) 以 上 か ら す る と 訴 外 乙 は 居 住 者 と 生 計 を 一 に す る に 該 当 し な い こ と が 明 ら か で あ る ( 4 ) 争 点 3 ( 法 5 6 条 並 び に 本 件 各 処 分 及 び 本 件 各 事 業 税 増 額 決 定 処 分 の 合 憲 性 ) に つ い て ア 原 告 の 主 張 イ 被 告 の 主 張 ( ア ) 法 5 6 条 の 違 憲 性 に つ い て ( ア ) 法 5 6 条 の 立 法 趣 旨 法 5 6 条 は 親 族 配 偶 者 と い う 一 事 を a 法 5 6 条 の 立 法 趣 旨 は 事 業 者 が 当 も っ て 不 利 益 な 取 扱 い を す る 点 で 憲 法 1 4 該 事 業 か ら 自 己 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 条 に 違 反 し 立 法 目 的 と の 関 係 で 過 度 に 広 等 に 対 価 を 支 払 う こ と に よ っ て 税 負 担 を 汎 な 規 制 で あ っ て 立 法 目 的 の 合 理 性 及 び 規 軽 減 す る こ と を 防 止 す る 点 に あ る す な 制 手 段 の 相 当 性 を 欠 き 仮 に 制 定 当 初 に は わ ち 昭 和 2 5 年 の 旧 法 改 正 に お い て は 立 法 事 実 が 存 在 し た と し て も そ れ は 既 に 上 記 シ ャ ウ プ 勧 告 を 受 け て 世 帯 単 位 課 消 滅 し て い る か ら 違 憲 無 効 と い わ ざ る を 税 制 度 に 代 え て 個 人 単 位 課 税 制 度 を 導 入 得 な い す る 一 方 そ の 例 外 と し て 納 税 義 務 者 ( イ ) 合 憲 限 定 解 釈 の 必 要 性 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 ま た 仮 に 法 5 6 条 が 一 般 的 に 違 憲 無 効 が 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 か ら な 規 定 で あ る と い え な い と し て も 同 条 は 所 得 を 受 け る 場 合 当 該 所 得 は 当 該 納 税 個 人 の 独 立 を 定 め た 現 行 憲 法 か ら す れ ば 弊 義 務 者 の 事 業 所 得 と み な す と い う み な 害 防 止 の た め に や む を 得 ず 規 定 さ れ た も の し 事 業 所 得 の 規 定 ( 旧 法 1 1 条 の 2 ) で あ り 必 要 な 規 制 が で き れ ば 十 分 で あ る を は じ め 納 税 義 務 者 と 扶 養 親 族 と 所 か ら 憲 法 に 合 致 す る よ う に 限 定 的 な 解 釈 得 合 算 の 規 定 が 設 け ら れ た そ し て が 妥 当 す る と い う べ き で あ る す な わ ち 上 記 み な し 事 業 所 得 の 規 定 は 昭 和 夫 婦 親 族 間 で あ っ て も 正 当 な 労 働 の 対 価 2 7 年 同 3 2 年 及 び 同 3 6 年 の 旧 法 の で あ っ て 不 当 な 課 税 逃 れ が な い 場 合 に は 各 改 正 を 経 て 現 在 の 法 5 6 条 及 び 5 7 同 条 の 適 用 は な い と 解 す べ き で あ る 条 と 同 様 に 規 定 と な り そ れ が 昭 和 4 0 年 の 新 所 得 税 法 に お い て 現 行 法 と 同 じ 条 文 に 移 さ れ た こ の よ う な 立 法 の 経 緯 に 照 ら す と 法 5 6 条 は 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 ( 以 下 こ れ ら の 各 所 得 を 合 わ せ て 単 に 各 所 得 と い う ) を 生 ず べ き 事 業 を 営 む 者 ( 以 下 事 業 者 と い う ) が 当 該 事 業 か ら 自 己 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 ( 以 下 配 偶 者 等 と い う ) に 対 価 を 支 払 う こ と に よ っ て 税 負 担 を 軽 減 す る こ と を 防 止 す る 点 に あ る こ と は 疑 い な い b も っ と も 事 業 者 が 自 己 と 生 計 を 一 に し な い 者 に 対 し て 当 該 事 業 か ら 対 価 を 支 払 っ た 場 合 に は 必 要 経 費 ( 法 3 7 条 ) に 該 当 す る も の と し て 各 所 得 の 計 算 上 総 収 入 金 額 か ら 控 除 さ れ ( 法 2 6 条 2 項 2 7 条 2 項 3 2 条 3 項 ) 事 業 者 の 所 得 を 構 成 し な い の で あ る か ら こ の こ と と の 比 較 上 法 5 6 条 が 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 に よ る 税 負 担 の 軽 減 を 防 止 す る 立 法 趣 旨 に つ い て は さ ら に 説 明 を 要 す る ( a ) そ も そ も 各 種 所 得 の 計 算 上 必 要 経 費 の 控 除 が 認 め ら れ て い る の は 投 下 資 本 の 回 収 部 分 に 課 税 が 及 ぶ こ と を 避 け る た め に ほ か な ら ず こ れ は 原 資 を 維 持 し つ つ 拡 大 再 生 産 を 図 る と い う 資 本 主 義 経 済 の 要 請 に 沿 う ゆ え ん で あ る す な わ ち 総 収 入 金 額 の う ち 投 下 資 本 の 回 収 に 相 当 す る 部 分 は 担 税 力 を 生 じ な い の で あ る ( b ) こ れ に 対 し 事 業 者 の 配 偶 者 等 - 8 -

に 対 す る 対 価 の 支 払 は 事 業 者 が 所 得 の 中 か ら 支 出 す べ き 家 族 の 生 計 を 維 持 す る た め の 費 用 ( 以 下 生 計 維 持 費 用 と い う ) の 分 担 と し て の 性 質 を 有 す る け だ し 親 族 が 生 計 を 一 に す る 場 合 そ の 構 成 員 は 共 同 で 生 計 を 営 み そ れ ぞ れ の 所 得 か ら 生 計 を 維 持 す る た め の 費 用 を 分 担 す る と と も に そ の 生 計 か ら の 支 出 に よ っ て 共 同 の 消 費 生 活 を 営 ん で い る の で あ り こ の 関 係 は 各 構 成 員 が 一 つ の 財 布 を 持 つ 関 係 に な ぞ ら え る こ と が で き る そ し て こ の 場 合 事 業 者 が 配 偶 者 に 対 し て 対 価 を 支 払 う な ら ば 配 偶 者 等 は 当 該 対 価 を 原 資 と し て 生 計 維 持 費 用 を 支 出 し あ る い は 個 人 的 消 費 を 行 う こ と に な り こ れ に よ っ て 家 計 の 収 入 が 増 え あ る い は 支 出 が 減 少 す る こ と に な る か ら い ず れ に し て も 事 業 者 の 所 得 か ら の 生 計 維 持 費 用 の 支 出 は 軽 減 さ れ る の で あ り こ れ を 事 業 者 の 担 税 力 と い う 観 点 か ら 見 た 場 合 事 業 者 が 配 偶 者 等 に 対 価 を 支 払 う こ と は 事 業 者 が 自 ら の 所 得 か ら 直 接 生 計 維 持 費 用 の 支 出 を す る こ と と 何 ら 変 わ る と こ ろ が な い の で あ る ( c ) こ の よ う に 事 業 者 の 総 収 入 金 額 の う ち 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 い に 充 て ら れ る 部 分 に は 担 税 力 が 認 め ら れ る の で あ り 仮 に こ れ を 必 要 経 費 に 算 入 し て 所 得 の 計 算 上 総 収 入 金 額 か ら 控 除 す る も の と す れ ば む し ろ 配 偶 者 等 以 外 の 者 に 対 し て 対 価 を 支 払 い か つ 自 己 の 所 得 か ら 生 計 維 持 費 用 を 支 出 す る 事 業 者 と の 間 に 著 し い 租 税 負 担 の 不 公 平 を 生 ず る こ と と な る そ こ で 法 5 6 条 は 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 に 相 当 す る 費 用 に つ い て は そ れ 以 外 の 者 に 対 す る 対 価 の 支 払 に 相 当 す る 費 用 と 区 別 し て 必 要 経 費 に 算 入 し な い こ と と し た の で あ る し た が っ て 同 条 は 租 税 公 平 主 義 に 基 づ く 所 得 の 金 額 の 計 算 規 定 で あ っ て 単 な る 租 税 回 避 行 為 の 個 別 否 認 規 定 で は な い と み る べ き で あ る こ の こ と は 同 条 が 法 の 第 二 章 課 税 標 準 及 び そ の 計 算 並 び に 所 得 控 除 の 第 二 節 各 種 所 得 の 金 額 の 計 算 の 中 に 置 か れ て い る こ と か ら も 明 ら か で あ る 原 告 は 同 条 の 立 法 趣 旨 に つ き 同 居 の 親 族 に 給 与 を 支 払 っ た こ と に す る 等 し て 税 負 担 を 一 部 免 れ る と い っ た 抜 け 道 を 封 じ る た め に 親 族 へ の 支 払 金 額 に つ き 経 費 と 認 め な い 扱 い を 定 め た と 考 え ら れ る と 主 張 す る が こ の よ う な 理 解 は 同 条 の 立 法 趣 旨 を 矮 小 化 し て 捉 え る も の で あ り 誤 り で あ る c ( a ) 原 告 は あ た か も 現 在 社 会 に お い て は シ ャ ウ プ 勧 告 が さ れ た 当 時 と 異 な り 法 5 6 条 の 立 法 事 実 が 存 在 し な い か 著 し く 減 少 し て い る か の よ う に 主 張 す る し か し な が ら い か に 夫 婦 の 独 立 性 が 強 ま ろ う と も そ れ が 配 - 9 -

偶 者 等 の 職 業 生 活 す な わ ち 収 入 面 の 独 立 に と ど ま り 消 費 生 活 す な わ ち 支 出 面 の 独 立 に 及 ば な い 限 り は い わ ば 夫 婦 の 財 布 は 一 つ で あ り 上 記 の と お り 事 業 者 の 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 が 自 己 の 所 得 か ら の 生 計 維 持 費 用 の 支 出 を 軽 減 さ せ る 効 果 を 有 す る こ と に は 変 わ り が な い か ら 当 該 支 払 は 事 業 者 が 自 己 の 所 得 の 中 か ら 支 出 す べ き 生 計 維 持 費 用 と し て の 性 質 を 有 す る の で あ り 法 5 6 条 の 立 法 事 実 は 妥 当 す る こ れ に 対 し 夫 婦 の 独 立 性 が さ ら に 進 行 し て 消 費 生 活 す な わ ち 支 出 面 に 及 び も は や 夫 婦 が 一 つ の 財 布 を 有 す る と は い え な い 状 態 に 至 っ た も の に つ い て は も は や 法 5 6 条 の 立 法 趣 旨 が 妥 当 す る と は い え な い が そ の 場 合 は 夫 婦 が 生 計 を 一 に す る と い う 同 条 の 要 件 を 満 た さ な い か ら そ も そ も 同 条 は 適 用 さ れ な い し た が っ て 生 計 を 一 に す る と い う 要 件 の 下 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 を 必 要 経 費 に 算 入 し な い こ と は 現 代 に お い て も そ の ま ま 妥 当 す る も の と い う こ と が で き る ( b ) ま た 原 告 は 法 5 6 条 が あ る た め に 女 性 が 他 の 家 族 と 独 立 し た 職 業 に 就 く こ と を 迫 ら れ る と い う の は 不 合 理 で あ る 旨 等 を 主 張 す る が 仮 に 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 が 必 要 経 費 と 認 め ら れ れ ば 事 業 者 は 他 人 に 対 価 を 支 払 う よ り 配 偶 者 等 に 対 価 を 支 払 う 方 が 有 利 で あ る か ら 配 偶 者 等 は か え っ て 他 の 家 族 と 独 立 し た 職 業 に 就 く こ と を 迫 ら れ る こ と に な り か ね な い ま た 原 告 は 法 5 6 条 の 規 定 は 今 や 各 個 人 に 対 す る 正 当 な 分 配 を 阻 害 す る 機 能 を 有 す る に 至 っ て い る 旨 も 主 張 す る が 事 業 者 は 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 が 必 要 経 費 に 算 入 さ れ な い 反 面 自 己 の 所 得 か ら 生 計 維 持 費 用 の 支 出 が 軽 減 さ れ る メ リ ッ ト が あ る か ら 同 条 が 各 個 人 に 対 す る 正 当 な 分 配 を 阻 害 す る 機 能 を 有 す る こ と は あ り 得 な い し た が っ て 原 告 が 法 5 6 条 の 弊 害 が 増 大 し て い る か の よ う に 主 張 す る 点 は い ず れ も 失 当 で あ る イ 法 5 6 条 の 採 用 す る 区 別 態 様 の 合 理 性 a 法 5 6 条 は 上 記 の 立 法 目 的 を 達 成 す る た め 夫 婦 や 家 族 等 の 個 人 を 超 え る 消 費 生 活 上 の 単 位 を 課 税 単 位 と す る 方 式 ( 以 下 消 費 単 位 課 税 と い う ) を 採 用 す る も の で あ る が こ れ は 個 人 を 課 税 単 位 と す る 方 式 ( 以 下 個 人 単 位 課 税 と い う ) の 欠 陥 を 補 正 す る も の で あ り 同 条 の 目 的 と の 関 係 に お い て 合 理 性 を 有 す る も の で あ る b す な わ ち 租 税 負 担 は 各 人 の 担 税 力 に 即 し て 配 分 さ れ な け れ ば な ら な い の が 公 平 負 担 の 原 則 で あ る と こ ろ 夫 婦 な い し 同 一 の 生 計 の 家 族 は 経 済 生 活 の 基 本 単 位 で あ り そ れ は 一 個 の 消 費 単 位 と し て そ の 構 成 員 の 所 得 を プ ー ル し シ ェ ア し て - 10 -

- 11 - い る の が 常 態 で あ っ て こ の 社 会 的 現 実 に 照 ら し て み る と そ の 構 成 員 の 一 人 一 人 の 所 得 の 大 き さ を 基 準 と し て で は な く 消 費 単 位 そ の も の の 所 得 の 大 き さ を 基 準 と し て 担 税 力 を 測 定 す る こ と は 公 平 の 要 請 に 沿 う も の で あ る も と よ り 現 行 法 に お い て は 個 人 単 位 課 税 が 原 則 形 態 で あ る こ と は 疑 い の な い と こ ろ で あ り こ れ は お そ ら く 一 つ に は 家 族 制 度 の 廃 止 と い う 社 会 経 済 現 象 に 対 応 す る も の で あ り ま た 他 方 で は 個 人 単 位 課 税 の 方 が 近 代 的 個 人 主 義 の 理 念 に 合 致 す る と 考 え ら れ た た め で あ る と 思 わ れ る が 各 種 の 課 税 単 位 に は そ れ ぞ れ 一 長 一 短 が あ る の で あ り 個 人 単 位 課 税 の 原 則 を 採 る こ と が そ れ 以 外 の 課 税 単 位 の 方 式 を 排 斥 す る こ と を 直 ち に 意 味 す る も の で な い こ と は い う ま で も な く 諸 々 の 要 因 を 勘 案 し 政 策 的 に 複 数 の 課 税 単 位 を 組 み 合 わ せ る こ と は 何 ら 不 合 理 で は な い の で あ る c こ の よ う に 法 5 6 条 の 採 用 す る 所 得 単 位 課 税 が 租 税 公 平 主 義 の 実 現 等 の 同 条 の 目 的 に 照 ら し て 著 し く 不 合 理 で あ る こ と が 明 ら か で あ る と は い え な い の で あ る ま た 現 行 法 は 個 人 単 位 課 税 を 原 則 と し て 法 5 6 条 及 び 5 7 条 以 外 に も 多 数 の 条 項 ( 2 条 1 項 3 1 号 同 号 の 2 同 項 3 3 3 4 号 7 2 な い し 7 4 条 7 7 条 8 3 条 の 2 ) に お い て 生 計 を 一 に す る 親 族 と い う 概 念 を 用 い て い る と こ ろ こ れ ら は い ず れ も 租 税 負 担 の 公 平 と い う 観 点 か ら 担 税 力 を 測 定 す る 上 で 消 費 単 位 に 着 目 し 規 定 さ れ た も の で あ り 所 得 税 額 の 算 出 プ ロ セ ス に お い て 個 人 の み な ら ず 当 該 個 人 と 生 計 を 一 に す る 親 族 と い う フ ァ ク タ ー を 含 め る こ と は 現 行 法 の 基 盤 で あ る と さ え い う こ と が で き る ( ウ ) 以 上 に よ れ ば 法 5 6 条 の 立 法 目 的 は 正 当 な も の で あ り 具 体 的 に 採 用 さ れ た 区 別 の 態 様 と 立 法 目 的 と の 関 連 に お い て 合 理 的 な も の で あ る か ら 同 条 の 合 憲 性 を 疑 う べ き 理 由 は 何 ら 存 し な い の で あ り 同 条 は 憲 法 1 4 条 1 項 に 違 反 す る も の で は な い な お 原 告 は 婚 姻 関 係 に あ る こ と が 社 会 的 身 分 ( 憲 法 1 4 条 1 項 後 段 ) に 当 た る と の 見 解 を 前 提 と し つ つ 1 立 法 目 的 が 重 要 か ど う か 2 立 法 目 的 と 手 段 と の 間 に 実 質 的 な 関 連 性 が あ る か ど う か の 2 点 に よ っ て 憲 法 適 合 性 を 判 断 す べ き で あ る 旨 主 張 す る が こ の よ う な 違 憲 審 査 基 準 が 租 税 法 の 分 野 に お け る 課 税 上 の 取 扱 い の 区 別 に 関 す る 基 準 と し て 適 当 で あ る か 否 か は さ て お き そ も そ も 親 子 兄 弟 夫 婦 等 は 社 会 的 に 生 ず る 身 分 と い う よ り は 親 族 的 す な わ ち 血 の つ な り か ら 生 ず る 自 然 の 関 係 で あ り ま た 人 類 に 普 遍 的 な 身 分 で あ っ て 特 殊 な 者 の 身 分 で は な い か ら 憲 法 1 4 条 1 項 後 段 に い う 社 会 的 身 分 で は な い の で あ っ て 前 提 に お い て 失 当 で あ る

第 3 争 点 に 対 す る 判 断 1 争 点 1 ( 法 5 6 条 の 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 の 意 義 ) に つ い て ( 1 ) 本 件 で は 原 告 の 配 偶 者 で あ る 訴 外 乙 が 原 告 と の 間 で 締 結 し た 顧 問 契 約 ( 前 記 前 提 と な る 事 実 参 照 ) に 基 づ き 税 理 士 報 酬 等 を 得 る こ と が 法 5 6 条 に 規 定 す る 居 住 者 の 営 む 事 業 所 得 を 生 ず べ き 事 業 に 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 に 該 当 す る か 否 か が 問 題 と な る こ の 点 に つ い て 原 告 は 要 件 の 前 半 部 分 で あ る 居 住 者 の 営 む 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 を 生 ず べ き 事 業 に 従 事 し た こ と と は 雇 用 契 約 に 基 づ い て 労 務 を 提 供 す る 場 合 を い い 後 半 部 分 の そ の 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 と は 契 約 自 体 か ら は 明 ら か で な い も の の 実 態 関 係 か ら し て 従 事 し た と 評 価 で き る 場 合 を い う か ら 全 体 と し て 雇 用 又 は そ れ に 準 ず る 法 律 関 係 に よ る 労 務 の 提 供 に 対 す る 対 価 の み が 経 費 性 を 否 認 さ れ る の で あ っ て 訴 外 乙 の よ う に 独 立 し た 事 業 を 営 む 配 偶 者 と の 間 の 契 約 関 係 に 基 づ く 役 務 の 提 供 に 対 す る 対 価 に つ い て は 法 5 6 条 の 適 用 は な く 経 費 と し て 認 め ら れ る べ き で あ る と 主 張 す る こ れ に 対 し て 被 告 ら は 要 件 の 後 半 部 分 が 前 半 部 分 に 類 似 す る も の な ど に 限 定 さ れ る 根 拠 は な く 事 業 者 が 生 計 を 一 に す る 親 族 に 対 し て 支 払 っ た 対 価 に 相 当 す る 金 額 は 一 律 に 必 要 経 費 に 算 入 さ れ な い 趣 旨 で あ る と 主 張 す る ( 2 ) ま ず 要 件 の 前 半 部 分 で あ る 居 住 者 の 営 む 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 を 生 ず べ き 事 業 に 従 事 し た こ と の 意 義 に つ い て は 被 告 も 原 告 の 主 張 を 明 示 的 に は 否 定 し て い な い と こ ろ で あ る が 念 の た め 検 討 す る に 従 事 す る と の 用 語 は 法 律 用 語 と し て 定 ま っ た 意 義 を 有 す る も の で は な い こ と 国 語 的 に も 仕 事 に 従 う 仕 事 に た ず さ わ る 仕 事 と し て そ の 事 に 関 係 す る 等 や や 漠 然 と し た 意 義 に 解 さ れ て い る も の の 自 ら 事 業 の 中 心 と な っ て 行 う 活 動 に は 用 い な い と 考 え ら れ る こ と 旧 法 1 1 条 の 2 第 2 項 及 び 法 5 7 条 が い わ ゆ る 青 色 事 業 専 従 者 の 活 動 を 指 す 用 語 と し て 用 い て い る こ と か ら す る と 事 業 の 一 員 と し て 参 加 し 又 は 事 業 に 雇 用 さ れ る 等 従 た る 立 場 で 当 該 事 業 に 関 係 し て い る こ と を 指 す と 解 す べ き で あ る そ う す る と 納 税 者 た る 事 業 者 と は 別 個 独 立 の 事 業 を 行 う 者 が 自 己 の 事 業 の 一 環 と し て 前 記 納 税 者 た る 事 業 者 か ら の 委 任 に 基 づ い て そ の 事 務 を 処 理 し て 対 価 を 得 る 場 合 は 当 該 納 税 者 た る 事 業 者 の 事 業 に 従 た る 立 場 で 関 係 し た と い う こ と は で き な い か ら た と え 対 価 を 受 け た 者 が 納 税 者 た る 事 業 者 の 配 偶 者 で あ っ た と し て も 前 記 要 件 の 前 半 部 分 に は 該 当 し な い と い う べ き で あ る ( 3 ) 次 に 要 件 の 後 半 部 分 で あ る そ の 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 の 意 義 に つ い て 検 討 す る ア 被 告 ら は 前 記 の 主 張 の 根 拠 と し て 一 般 に 法 令 に お い て A そ の 他 の B と い う 表 現 を 用 い る 場 合 は A は よ り 広 い 意 味 を 有 す る B に 包 含 さ れ る 関 係 に あ る 旨 を 示 し B が A に 準 じ る も の に 限 定 さ れ る こ と を 意 味 し な い と 指 摘 す る 確 か に 上 記 の よ う な 用 例 に お い て A が よ り 広 い 意 味 を 有 す る B に 包 含 さ れ る 関 係 に あ る こ と は 法 令 用 語 に 関 す る 文 献 等 が 一 致 し て 説 く と こ ろ で あ る ( 前 田 正 道 編 ワ ー ク ブ ッ ク 法 制 執 務 全 訂 6 2 0 頁 林 修 三 法 令 用 語 の 常 識 1 7 頁 田 島 信 威 最 新 法 令 用 語 の 基 礎 知 識 改 訂 版 2 9 頁 ) が A が B の 例 示 で あ る こ と も ま た 上 記 文 献 が 一 致 し て 認 め る と こ ろ で あ る そ う で あ る 以 上 B の 部 分 の 意 味 内 容 が そ れ 自 体 か ら 明 確 で な い 場 合 に は そ の 例 示 で あ る A の 部 分 の 意 味 内 容 に 照 ら し て B の 部 分 の そ れ を 解 釈 す る ほ か な く そ の 限 度 で B の 内 容 が A の 内 容 に よ っ て 限 定 さ れ た も の と な る こ と は 避 け ら れ な い の で あ っ て 現 に 他 の 法 令 の 解 釈 に お い て こ の よ う な 解 釈 が 所 管 官 庁 や そ の 関 係 者 等 に よ っ て 採 用 さ れ て い る 場 合 が あ る す な わ ち 地 方 税 法 6 条 1 項 は 地 方 団 体 は 公 益 上 そ の 他 の 事 由 に 因 り 課 税 を 不 適 当 と す る 場 合 に お い て は 課 税 を し な い こ と が で き る 旨 を 定 め 公 益 等 に よ る 課 税 免 除 を 規 定 す る と こ ろ 同 項 に い う 公 益 上 の 事 由 と は 課 税 対 象 に 対 し 課 税 し な い こ と が 直 接 公 益 ( 広 く 社 会 一 般 の 利 益 ) を 増 進 し 又 は 課 税 す る こ と が 直 接 公 益 を 阻 害 す る 場 合 を い い ま た そ の 他 の 事 由 と は 課 税 を 不 適 当 と す る 場 合 全 般 を 指 す も の で は な く 課 税 を 不 適 当 と す る 場 合 の う ち そ の 他 の 事 由 の 直 前 に 記 載 さ れ た 公 益 に 準 ず る 事 由 を い う も の と し て 限 定 的 に 解 さ れ て い る ( 当 時 の 自 治 省 税 務 局 企 画 課 員 等 の 執 筆 に か か る 財 団 法 人 地 方 財 務 協 会 地 方 税 法 総 則 逐 条 解 説 3 1 頁 以 下 ) ま た 同 法 3 4 3 条 は 固 定 資 産 税 の 納 税 義 務 者 等 に つ い て 規 定 す る と こ ろ 同 条 4 項 は 市 町 村 は 固 定 資 産 の 所 有 者 の 所 在 が 震 災 風 水 害 火 災 そ の 他 の 事 由 に よ っ て 不 明 で あ る 場 合 に お い て は そ の 使 用 者 を 所 有 者 と み な し て こ れ を 固 定 資 産 課 税 台 帳 に 登 録 し そ の 者 に 固 定 資 産 税 を 課 す る こ と が で き る 旨 を 規 定 し 同 項 の そ の 他 の 事 由 と は 固 定 資 産 の - 12 -

所 有 者 の 所 在 が 不 明 で あ る 場 合 全 般 を 指 す も の で は な く 所 有 者 ( 中 略 ) の 所 在 が ( 同 項 に 列 記 さ れ た ) 震 災 風 水 害 等 の い わ ば 不 可 抗 力 的 な 事 由 に よ っ て 不 明 で あ る 場 合 に 限 定 し て 適 用 さ れ る 旨 の 解 釈 が さ れ て い る ( 自 治 省 税 務 局 固 定 資 産 税 課 固 定 資 産 税 逐 条 解 説 5 8 頁 ) 以 上 に よ れ ば 要 件 の 後 半 部 分 の そ の 他 の 事 由 に つ い て は 被 告 ら が 主 張 す る よ う に 全 く 無 限 定 の も の と 解 す る こ と は 法 令 用 語 の 常 識 に も 反 す る も の で あ り そ の 例 示 で あ る 要 件 の 前 半 部 分 に 関 す る 前 記 の 解 釈 や そ の 立 法 趣 旨 等 を 参 酌 し て 検 討 す べ き も の で あ る イ そ こ で 以 下 法 5 6 条 の 立 法 経 緯 及 び 立 法 趣 旨 に つ い て 検 討 す る ( ア ) 我 が 国 で は 近 代 所 得 税 制 の 創 設 以 来 世 帯 単 位 課 税 制 度 ( 同 居 す る 家 族 の 所 得 を す べ て 合 算 し こ れ に 累 進 税 率 を 適 用 す る 課 税 方 法 ) が 採 用 さ れ て お り 同 制 度 は 戦 後 家 制 度 の 廃 止 に 伴 い 税 法 か ら 戸 主 や 家 族 等 の 用 語 が 削 除 さ れ た 後 も 同 居 親 族 ( 配 偶 者 及 び 三 親 等 内 の 親 族 ) の 所 得 合 算 制 度 が 創 設 さ れ た こ と に よ り 実 質 的 に 維 持 さ れ て い た し か し な か ら 昭 和 2 4 年 8 月 の シ ャ ウ プ 勧 告 を 受 け て 昭 和 2 5 年 の 旧 法 改 正 の 際 に は 原 則 と し て 所 得 合 算 制 度 が 廃 止 さ れ 個 人 単 位 課 税 制 度 が 採 用 さ れ る と と も に 法 5 6 条 の 前 身 で あ る 旧 法 1 1 条 の 2 が 制 定 さ れ た そ し て 旧 法 1 1 条 の 2 は そ の 後 昭 和 2 7 年 改 正 同 3 2 年 改 正 同 3 6 年 改 正 を 経 て 昭 和 4 0 年 に は 法 の 全 文 が 改 正 さ れ 現 行 の 法 5 6 条 が 制 定 さ れ る に 至 っ た ( 各 改 正 の 経 過 に つ い て は 別 紙 1 参 照 ) ( イ ) 以 上 の 同 条 の 立 法 な い し 改 正 経 緯 に か ん が み れ ば 法 5 6 条 の よ う に 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り と の 文 言 が 取 り 入 れ ら れ た の は 昭 和 4 0 年 改 正 に よ る も の と 認 め ら れ る と こ ろ 昭 和 4 0 年 に お け る 法 の 全 文 改 正 の 際 の 資 料 を 検 討 し て も 同 条 の 改 正 の 趣 旨 が 具 体 的 に 記 載 さ れ 検 討 さ れ た 形 跡 は 見 当 た ら な い ( 丙 3 ) か え っ て 当 時 の 改 正 資 料 に よ れ ば 昭 和 4 0 年 改 正 の 大 要 は 1 税 法 の 体 系 的 な 整 備 2 表 現 の 平 明 化 3 規 定 の 整 備 合 理 化 の 3 点 で あ る こ と が 明 ら か で あ り こ の う ち 1 及 び 2 の 趣 旨 に 基 づ き 改 正 さ れ た 条 文 に つ い て は そ の 法 条 の 実 質 的 内 容 に 変 更 が 加 え ら れ る こ と な く 同 一 の 立 法 趣 旨 を 維 持 し た ま ま で 文 言 上 の 整 備 が 行 わ れ た に す ぎ な い も の と 解 さ れ る の で あ る そ し て 3 の 規 定 の 整 備 合 理 化 の 趣 旨 で 改 正 さ れ た 条 文 に つ い て は 改 正 に 関 す る 資 料 の 中 に そ の 整 備 理 由 や 経 緯 に つ い て の 言 及 が 残 っ て い る と こ ろ ( 丙 3 ) 旧 法 1 1 条 の 2 第 1 項 に つ い て 何 ら か の 検 討 及 び 説 明 が さ れ た 旨 の 形 跡 は 認 め る こ と が で き な い そ う す る と 旧 法 1 1 条 の 2 第 1 項 ( 昭 和 3 6 年 改 正 後 の も の ) に つ い て は 1 な い し 2 の 趣 旨 か ら そ の 立 法 趣 旨 や 内 容 に 変 更 が 加 え ら れ る こ と は な く 文 言 上 の み の 改 正 が 加 え ら れ て 法 5 6 条 と し て 規 定 さ れ る に 至 っ た も の と 解 す る の が 相 当 で あ る ( ウ ) そ こ で 法 5 6 条 に い う 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 の 解 釈 を す る に 当 た っ て は 同 条 の 文 言 の み な ら ず こ れ と 同 趣 旨 の 規 定 で あ る 旧 法 1 1 条 の 2 の 立 法 趣 旨 及 び 改 正 経 緯 を 検 討 す る 必 要 が あ る と こ ろ で 前 記 の と お り 旧 法 1 1 条 の 2 が 立 法 さ れ た 昭 和 2 5 年 の 旧 法 改 正 で は 昭 和 2 4 年 の シ ャ ウ プ 勧 告 に 基 づ き 所 得 合 算 課 税 が 原 則 廃 止 さ れ る に 至 っ て い る が 当 時 の 立 法 資 料 か ら は 同 改 正 の 趣 旨 に つ い て 以 下 の 事 実 が 認 め ら れ る a シ ャ ウ プ 勧 告 ( 甲 9 な い し 1 3 丙 1 ) は 昭 和 2 4 年 8 月 所 得 合 算 課 税 に つ い て 所 得 額 を 合 算 す る と 生 活 水 準 同 一 の 擔 税 力 水 準 に あ る 納 税 者 に 適 用 さ れ る 税 率 よ り も 高 い 税 率 で 課 税 さ れ る こ と に な る そ れ が 税 負 擔 の 不 公 平 な 分 配 で あ る こ と は 廣 く み と め ら れ て い る と こ ろ で あ る 納 税 者 は 不 滿 を 感 じ 納 税 道 徳 は 悪 化 す る 等 の 問 題 点 を 指 摘 し た 上 同 居 親 族 の 所 得 合 算 は こ れ を 廃 止 し て 各 納 税 者 が 獨 立 の 申 告 書 を 提 出 し 他 の 所 得 と 合 算 す る こ と な く 各 人 の 所 得 額 に 對 す る 税 額 を 別 々 に 納 め さ せ る よ う に 勸 告 す る と す る 一 方 こ の 個 別 申 告 制 に あ る 程 度 の 制 限 を 設 け て お か な い と 要 領 の よ い 納 税 者 は 配 偶 者 又 は 子 供 に 財 産 お よ び こ れ か ら 生 ず る 所 得 を 譲 渡 す る こ と に よ っ て 税 負 擔 を 輕 減 し よ う と す る か ら 相 當 の 問 題 の 起 こ る こ と が 豫 想 さ れ る 同 様 に し て 彼 等 は 妻 子 を 同 族 の 事 業 に 雇 傭 し て こ れ に 賃 金 を 支 拂 う と い う 抜 け 道 を 講 ず る で あ ろ う 納 税 者 と 同 居 す る 配 偶 者 お よ び 未 成 年 者 の 資 産 所 得 は い か な る 場 合 に も 納 税 者 の 申 告 書 に 記 載 さ せ 課 税 す る こ と に よ っ て - 13 -

こ の 種 の 問 題 は 避 け ら れ る の で あ る が こ れ は 個 人 申 告 の 原 則 を 大 し て 犠 牲 に す る も の と は い え ま い 同 様 に し て 納 税 者 の 經 營 す る 事 業 に 雇 傭 さ れ て い る 配 偶 者 及 び 未 成 年 者 の 給 與 所 得 は 納 税 者 の 所 得 に 合 算 さ せ る よ う に す べ き で あ る 旨 を 勧 告 し て 世 帯 単 位 で の 所 得 合 算 課 税 を 廃 止 す る 一 方 で 個 人 単 位 課 税 を 貫 い た 場 合 の 弊 害 を 避 け る た め 個 人 単 位 課 税 に も 例 外 を 設 け る べ き 場 合 が あ る こ と を 指 摘 し て い た b 昭 和 2 5 年 2 月 2 4 日 衆 議 院 大 蔵 委 員 会 に お け る 会 議 録 ( 丙 5 ) に よ れ ば 旧 法 1 1 条 の 2 を 含 む 所 得 税 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 案 の 提 案 理 由 に つ い て 当 時 の 国 務 大 臣 が シ ャ ウ プ 税 制 使 節 団 の 勧 告 は 御 承 知 の 通 り 税 制 全 般 に わ た る 画 期 的 改 正 を 提 案 し て お る の で あ り ま し て 政 府 と い た し ま し て は お お む ね シ ャ ウ プ 勧 告 の 基 本 原 則 に 即 応 し さ ら に わ が 国 現 下 の 財 政 経 済 諸 事 情 に 適 合 す る よ う こ れ に 適 切 と 認 め ら れ る 調 整 を 加 え て 現 行 税 制 の 全 般 に わ た り 改 正 を 行 わ ん と す る も の で あ り ま す と 述 べ た 上 所 得 税 の 改 正 の 大 要 の 第 2 と し て 所 得 合 算 制 の 縮 小 で あ り ま す す な わ ち 原 則 と し て 同 居 親 族 の 所 得 合 算 制 は こ れ を 廃 止 し 各 所 得 者 ご と に 課 税 す る こ と と い た し ま し た ( 中 略 ) な お 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 か ら 所 得 を 受 け る 場 合 に は 当 該 所 得 を そ の 納 税 義 務 者 の 所 得 と し て 課 税 す る こ と と い た し ま し た と 述 べ て い る こ と が 認 め ら れ 同 年 3 月 1 5 日 の 衆 議 院 会 議 録 に よ れ ば 同 日 所 得 税 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 案 が 一 括 し て 可 決 さ れ た こ と が 認 め ら れ る ( 丙 6 ) な お 当 時 の 立 法 資 料 か ら は 新 た に 採 用 さ れ た 個 人 単 位 課 税 の 例 外 を 定 め る に つ き シ ャ ウ プ 勧 告 の 指 摘 内 容 を こ と さ ら に 拡 大 し た り あ る い は 我 が 国 現 下 の 財 政 経 済 諸 事 情 か ら シ ャ ウ プ 勧 告 と は 異 な る 内 容 の 改 正 を 提 案 す る 旨 の 指 摘 は 何 ら さ れ て い な い c 昭 和 2 7 年 改 正 の 際 の 大 蔵 委 員 会 議 事 録 ( 丙 7 ) に よ れ ば 当 時 の 国 務 大 臣 は 所 得 税 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 案 の 大 要 を 述 べ る も の の そ の 中 に 旧 法 1 1 条 の 2 の 改 正 に 関 す る 点 と し て は 第 2 項 と し て 付 加 さ れ た 青 色 申 告 書 を 提 出 す る 場 合 の 必 要 経 費 算 入 の 提 案 理 由 を 述 べ る に と ど ま り そ れ 以 外 に は 何 ら 言 及 し た 旨 の 記 載 は 見 当 た ら な い ( エ ) も っ と も こ の よ う な シ ャ ウ プ 勧 告 を 受 け て 規 定 さ れ た 旧 法 1 1 条 の 2 は 別 紙 1 記 載 の と お り 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 ( 中 略 ) か ら 所 得 を 受 け る 場 合 と 規 定 さ れ て お り そ の 文 言 か ら は 所 得 の 範 囲 を 限 定 し て い な い よ う に も 読 み 取 れ る し そ の 制 定 後 ま も な い 昭 和 2 8 年 に 当 時 の 東 京 国 税 局 直 税 部 長 が 編 集 し た 旧 法 の 注 釈 書 に は 同 条 の 趣 旨 に つ い て 親 族 が そ の 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 に 労 務 又 は 役 務 を 提 供 し て い る 場 合 に そ れ に 対 し て 支 払 わ れ る 金 額 は 名 義 の 如 何 に か か わ ら ず 原 則 と し て そ の 納 税 義 務 者 の 事 業 所 得 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 し な い 旨 を 規 定 し た 趣 旨 で あ る と の 記 載 が さ れ て い る ( 甲 2 0 ) し か し な が ら 上 記 注 釈 書 は 同 条 に 親 族 た る 従 業 者 が 事 業 か ら 所 得 を 受 け る 場 合 の 事 業 所 得 の 計 算 の 特 例 と の 見 出 し を 付 し た 上 ( こ の 見 出 し は 旧 法 自 体 の 内 容 を な す も の で は な い が 後 記 の 基 本 通 達 の 記 載 に も 類 似 の 見 出 し が 用 い ら れ て い る こ と か ら す る と 当 時 の 所 管 官 庁 の 同 条 に 対 す る 理 解 の 内 容 を 示 す も の と 考 え ら れ る ) 前 記 の 記 載 に 続 い て 家 族 労 働 の 対 価 を 納 税 義 務 者 の 事 業 所 得 の 計 算 上 必 要 経 費 と し な い 理 由 は 個 人 の 事 業 に お い て は 事 業 の 合 計 ( マ マ ) と 家 計 と の 分 離 計 算 が 至 難 で あ り し か も 事 業 所 得 の 計 算 は 家 計 費 排 除 主 義 を と る 税 法 の 根 本 原 則 に 基 づ い て 計 算 さ れ る か ら で あ る と の 記 載 を し て お り 双 方 の 記 載 を 併 せ る と 同 条 の 記 載 は 全 体 と し て 事 業 者 が 家 族 労 働 の 対 価 と し て 親 族 に 支 払 っ た 金 額 は 名 義 の 如 何 に か か わ ら ず 原 則 と し て 必 要 経 費 に 算 入 し な い と い う 趣 旨 に 理 解 で き る と こ ろ で あ り そ の 限 度 で 親 族 等 が 受 け る 所 得 の 範 囲 を 限 定 的 に と ら え て い る も の と い う こ と が で き る ま た 旧 法 に 関 す る 基 本 通 達 ( 所 得 税 法 に 関 す る 基 本 通 達 に つ い て 昭 和 2 6 1 1 直 所 1-1 国 税 庁 長 官 国 税 局 長 第 1 1 条 の 2 関 係 3 2 4 ) も ま た 法 第 1 1 條 の 2 の 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 か ら 所 得 を 受 け る と は 給 料 手 当 等 の 形 式 に よ り 受 け る 場 合 は も ち ろ ん 共 同 経 営 に よ る 利 益 の 分 配 の 形 式 を 採 っ て い る 場 合 に つ い て も 適 用 が あ る も の と す る と し て お り 経 費 に 算 入 し な い 金 額 の 意 義 を 納 税 者 た る 事 業 者 の 親 族 が 当 該 事 業 に 雇 用 又 は 共 同 経 営 の 形 で 労 務 を 提 供 し た 場 合 や 生 産 手 段 又 は 資 本 を 提 供 し た 場 合 等 当 該 事 業 自 体 に 参 加 し た こ と に よ っ て 得 た 対 価 と 理 解 し て い る も の と 認 め ら れ る ( 仮 に 親 族 等 が 事 - 14 -

業 か ら 支 払 わ れ る 金 額 は 一 切 経 費 と は 認 め な い と 考 え て い る な ら ば 通 達 に お い て は そ の 旨 端 的 に 表 現 す る の が 通 達 の 性 質 に か な う も の で あ る ) 以 上 に よ る と 旧 法 1 1 条 の 2 は シ ャ ウ プ 勧 告 の い う 要 領 の よ い 納 税 者 の 行 う 租 税 回 避 的 な 行 為 を 封 ず る も の で あ る が そ れ に と ど ま ら ず 本 来 必 要 経 費 と 認 め る べ き 労 務 の 対 価 等 に つ い て も そ れ が 家 計 費 す な わ ち 法 4 5 条 に い う 家 事 関 連 費 と の 区 別 が 困 難 で あ る こ と を 理 由 に 一 律 に 経 費 に 算 入 し な い こ と と し た も の で あ っ て そ の 限 度 で シ ャ ウ プ 勧 告 の 内 容 と は 異 な る も の を 含 む も の で あ り 被 告 ら の 主 張 も こ の 限 度 で 正 当 で あ る し か し 同 条 の う ち シ ャ ウ プ 勧 告 と 異 な る 部 分 に つ い て は 当 時 の 所 管 官 庁 の 理 解 か ら し て も 親 族 等 が 事 業 自 体 に 参 加 又 は 雇 用 さ れ て 得 た 対 価 に 限 定 さ れ る も の と 解 す べ き で あ る し そ の 立 法 理 由 も そ れ ら の 支 払 は 家 事 関 連 費 と の 区 別 が 困 難 で あ る と い う 点 に 尽 き る の で あ る ( 前 記 注 釈 書 に お い て も 前 記 各 記 載 に 続 い て 然 し こ の 制 度 は 通 常 な ら ば 他 に 勤 務 し て 独 立 し た 所 得 者 と し て 納 税 し う る 者 が た ま た ま 自 己 の 親 族 の 経 営 す る 事 業 に 従 事 す る た め に こ れ か ら 受 け る 所 得 が そ の 親 族 の 所 得 に 事 実 上 合 算 さ れ る と い う 不 合 理 な 結 果 を 生 ず る こ と と な る の で 記 帳 に よ っ て 事 業 会 計 と 家 計 と が 明 確 に 分 離 で き る 青 色 申 告 者 に つ い て は こ の 点 を 是 正 す る 意 味 も 含 め て 専 従 者 に 対 す る 給 与 の 一 定 額 を 納 税 義 務 者 の 必 要 経 費 と し て 認 容 す る こ と と し て い る の で あ る と の 記 載 が あ る ) そ う で あ る と す る と 納 税 者 た る 事 業 者 の 親 族 等 が 自 ら も 独 立 に 事 業 を 営 み そ の 事 業 の 一 環 と し て 納 税 者 た る 事 業 者 と 取 引 を し て 何 ら か の 対 価 を 得 る 場 合 に は 上 記 の 所 管 官 庁 が 想 定 し て い る 場 合 に は 含 ま れ な い し 納 税 者 た る 事 業 者 の 家 事 関 連 費 と の 区 別 が 困 難 で あ る と い う 事 情 も な い の で あ る か ら 同 条 が 想 定 し て い る も の と は 認 め ら れ ず こ れ を 受 け 継 い だ 法 5 6 条 の 適 用 も な い と い う べ き で あ る ウ 以 上 の 検 討 に よ れ ば 法 5 6 条 の 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り ( 中 略 ) 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 と は 親 族 が 事 業 自 体 に 何 ら か の 形 で 従 た る 立 場 で 参 加 す る か 又 は 事 業 者 に 雇 用 さ れ 従 業 員 と し て あ く ま で も 従 属 的 な 立 場 で 労 務 又 は 役 務 の 提 供 を 行 う 場 合 や こ れ ら に 準 ず る よ う な 場 合 を 指 し 親 族 が 独 立 の 事 業 者 と し て そ の 事 業 の 一 環 と し て 納 税 者 た る 事 業 者 と の 取 引 に 基 づ き 役 務 を 提 供 し て 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 に つ い て は 同 条 の 上 記 要 件 に 該 当 し な い も の と い う べ き で あ る エ な お 被 告 ら は 事 業 者 の 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 は 事 業 者 が 所 得 の 中 か ら 支 出 す べ き 家 族 の 生 計 維 持 費 用 の 分 担 と し て の 性 質 を 有 す る の で あ り 事 業 者 の 総 収 入 金 額 の う ち 配 偶 者 等 に 対 す る 対 価 の 支 払 に 充 て ら れ る 部 分 に は 担 税 力 が 認 め ら れ る か ら 仮 に こ れ を 必 要 経 費 に 算 入 し て 所 得 の 計 算 上 総 収 入 金 額 か ら 控 除 す る も の と す れ ば か え っ て 租 税 負 担 の 不 公 平 を 生 じ る 旨 を 主 張 し 法 5 6 条 の 立 法 趣 旨 は こ の 点 に も 認 め ら れ る 旨 を 主 張 す る し か し あ る 支 出 が 必 要 経 費 で あ る か 否 か は そ れ が 客 観 的 に み て 事 業 活 動 と 直 接 の 関 連 を 持 つ も の か 否 か 事 業 遂 行 上 必 要 な も の か 否 か と い っ た 観 点 か ら 定 め ら れ る べ き も の で あ っ て そ の 支 払 を 受 け た 者 が そ れ を い か な る 用 途 に 用 い る か は 上 記 の よ う な 客 観 的 な 観 点 か ら の 検 討 を す る 際 に 経 費 性 を 否 定 す る 方 向 の 間 接 事 実 ( 事 業 者 と そ の 用 途 と の 関 係 か ら し て 不 必 要 又 は 不 相 当 な 支 出 が さ れ た と 疑 わ れ る 場 合 な ど ) と し て 考 慮 さ れ る べ き 場 合 が あ る の に と ど ま り そ の こ と 自 体 が 経 費 性 を 否 定 す る も の と は な り 得 な い と い う べ き で あ る ま た 被 告 ら の 主 張 は 配 偶 者 等 が 支 払 を 受 け た 対 価 か ら 自 己 の 経 費 を 控 除 し た 残 額 の す べ て を 生 計 維 持 費 用 に 充 て る こ と を 前 提 と し な け れ ば 理 解 し 得 な い も の で あ る が 配 偶 者 等 の 所 得 の 大 半 が 当 該 事 業 者 か ら の 支 払 に よ っ て 占 め ら れ そ の 額 も 僅 か な 場 合 は 格 別 訴 外 乙 の よ う に 配 偶 者 等 が 当 該 事 業 者 以 外 か ら も か な り の 収 入 を 得 て お り 所 得 額 自 体 も 相 当 額 に 及 ぶ 場 合 に は 配 偶 者 等 が 生 計 維 持 費 用 と し て 負 担 す る 額 は そ の 所 得 の 一 部 分 に す ぎ な い の で あ っ て 配 偶 者 等 は 当 該 事 業 者 か ら の 支 払 が な く て も 自 己 の 分 担 す べ き 生 計 維 持 費 用 の 全 部 又 は 一 部 を 負 担 で き る の で あ る か ら 当 該 事 業 者 が 配 偶 者 等 に 対 価 を 支 払 っ た こ と が 当 該 事 業 者 の 生 計 維 持 費 用 の 分 担 額 を 減 じ る も の か 否 か ま た 減 じ た と し て そ の 額 が い か な る も の か は 容 易 に 判 断 で き な い 問 題 で あ っ て 被 告 ら の 主 張 す る よ う に 支 払 額 全 額 に つ き 担 税 力 を 肯 定 す る 考 え 方 は あ ま り に 短 絡 的 で あ り む し ろ 担 税 力 の 有 無 及 び 範 囲 が 容 易 に 定 め 難 い も の に つ い て は 法 令 上 明 示 の 定 め が な い 限 り 担 税 力 は 認 め 難 い も の と し て 取 り 扱 う べ き で あ る そ の 上 被 告 ら は 租 税 負 担 の 公 平 と い う 観 点 も 指 摘 す る が 事 業 者 が 同 様 の 支 出 を そ の 親 族 以 外 の 者 に 支 出 し た 場 合 に そ の 経 費 性 を 肯 定 す る 以 上 親 族 等 へ の 支 払 に つ い て も 経 費 - 15 -

性 を 肯 定 す る こ と が 租 税 負 担 の 公 平 に か な う と こ ろ で あ り 不 十 分 な 根 拠 に よ っ て 両 者 の 取 扱 い を 異 に す る 被 告 ら の 主 張 こ そ が 租 税 負 担 の 公 平 を 損 な う も の と い わ ざ る を 得 な い よ っ て 被 告 ら の 上 記 主 張 は 採 用 し 得 な い ま た 被 告 ら は 法 5 6 条 に い う 当 該 事 業 か ら 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 を 限 定 的 に 解 釈 し 親 族 等 が 独 立 し た 事 業 を 営 み そ の 事 業 の 対 価 と し て 支 払 を 受 け た 場 合 を 含 ま な い と す る と 同 条 に い う 各 種 所 得 と は 事 業 所 得 が 含 ま れ な い こ と と な り 各 種 所 得 を 定 義 し た 法 2 条 1 項 2 1 号 の 定 め と 齟 齬 を 来 す か ら そ の よ う な 解 釈 は 採 用 で き な い 旨 主 張 す る し か し 法 5 6 条 を 上 記 の よ う に 限 定 的 に 解 釈 し て も 納 税 者 た る 事 業 者 の 親 族 が 従 た る 立 場 で 共 同 で 事 業 を 行 う 場 合 や 形 式 的 に は 独 立 の 事 業 者 か の よ う な 外 観 を 作 出 し つ つ 実 質 的 に は 納 税 者 た る 事 業 者 に 雇 用 さ れ て 当 該 事 業 に 従 事 し た 場 合 に は そ の 受 け る 対 価 に つ い て は 同 条 の 適 用 が あ る こ と と な り こ れ ら の 者 の 所 得 は 少 な く と も 形 式 上 は 事 業 所 得 と い わ ざ る を 得 な い 場 合 が 生 ず る 余 地 も あ る こ と か ら 同 条 は こ の よ う な 場 合 を 想 定 し て 各 種 所 得 と の 用 語 を 用 い て い る と み る の が 相 当 で あ る し た が っ て 被 告 ら の 主 張 は 上 記 の よ う な 限 定 的 な 解 釈 を 採 る と 法 5 6 条 に い う 各 種 所 得 に 事 業 所 得 が 含 ま れ な く な る と し て い る 点 に 誤 り が あ り 採 用 で き な い ( 4 ) そ こ で 本 件 に 法 5 6 条 の 適 用 が 認 め ら れ る か に つ い て 以 下 検 討 す る ア 本 件 で は 前 記 前 提 と な る 事 実 記 載 の と お り 訴 外 乙 は 原 告 と は 別 個 独 立 に 税 理 士 業 を 営 ん で お り 原 告 は 訴 外 乙 と の 間 で 法 人 税 所 得 税 等 に 関 す る 税 理 士 法 2 条 第 1 項 に 定 め る 業 務 の う ち 税 務 代 理 及 び 税 務 相 談 原 告 の 事 業 に 係 る 税 理 士 法 2 条 第 2 項 に 定 め る 会 計 業 務 に つ い て の 顧 問 及 び 記 帳 代 行 を 委 嘱 内 容 と す る 顧 問 契 約 を 締 結 し た こ と が 認 め ら れ ( 甲 1 ) 訴 外 乙 の 税 理 士 報 酬 等 は 上 記 委 嘱 に 基 づ く 税 理 士 業 務 に 対 す る 報 酬 と し て 支 払 わ れ た も の で あ る こ と が 明 ら か で あ る イ と こ ろ で 税 理 士 法 1 条 は 税 理 士 は 税 務 に 関 す る 専 門 家 と し て 独 立 し た 公 正 な 立 場 に お い て 申 告 納 税 制 度 の 理 念 に そ っ て 納 税 義 務 者 の 信 頼 に こ た え 租 税 に 関 す る 法 令 に 規 定 さ れ た 納 税 義 務 の 適 正 な 実 現 を 図 る こ と を 使 命 と す る と 規 定 し 税 理 士 が 税 務 の 専 門 家 と し て 独 立 し た 立 場 に 立 ち 業 務 を 行 う こ と を 明 ら か に し た 上 税 理 士 と い う 資 格 を 国 家 の 資 格 と し て 公 認 し 法 の 定 め る 者 に の み そ の 資 格 を 与 え る と と も に ( 同 法 3 条 ) こ れ に 税 理 士 事 務 ( マ マ ) を 独 占 さ せ て い る ( 同 法 5 2 条 ) そ う す る と 税 理 士 は 依 頼 者 か ら の 依 頼 に 応 じ 依 頼 者 の 指 揮 監 督 に 基 づ か ず 独 立 し た 立 場 で そ の 意 思 と 能 力 に 基 づ き 裁 量 を 持 っ て 独 占 的 に 業 務 を 行 う も の と 解 さ れ る の で あ る こ の よ う な 業 務 の 性 質 や 甲 第 1 8 1 9 号 証 に よ る と 同 人 の 業 務 の 形 態 が 前 記 第 2 3 ( 3 ) ア ( イ ) に お け る 原 告 の 主 張 の と お り で あ る こ と が 認 め ら れ る こ と に 照 ら す と 訴 外 乙 は 原 告 と は 別 個 独 立 の 事 業 者 と し て そ の 事 業 の 一 環 と し て 原 告 と 取 引 を 行 い そ の 対 価 を 取 得 し た も の と 認 め る こ と が で き 法 5 6 条 の 適 用 を 受 け る も の で は な い と 解 す る べ き で あ る ウ 以 上 に よ れ ば 本 件 で は 原 告 の 所 得 の 算 定 に 関 し 法 5 6 条 の 規 定 の 適 用 は な い も の と 解 さ れ る か ら こ れ に 反 し て 同 条 を 適 用 し て 訴 外 乙 に 対 す る 報 酬 を 原 告 の 弁 護 士 業 務 の た め の 経 費 と 認 め な か っ た 本 件 各 決 定 ( た だ し 各 裁 決 に よ り 一 部 取 り 消 さ れ た 後 の も の ) 及 び 本 件 各 個 人 事 業 税 賦 課 決 定 ( た だ し 各 減 額 決 定 に よ り 一 部 取 り 消 さ れ た 後 の も の ) に は い ず れ も 違 法 が あ る も の と い わ ざ る を 得 な い ( な お 被 告 ら は 訴 外 乙 に 対 し て 支 払 わ れ た 本 件 税 理 士 報 酬 等 の 金 額 が そ の 業 務 内 容 に 照 ら し 不 当 に 高 額 で あ る 等 の 主 張 は 一 切 し て い な い ) 2 ( 1 ) 以 上 に よ れ ば 本 件 各 決 定 及 び 本 件 各 個 人 事 業 税 賦 課 決 定 に は い ず れ も 現 行 法 の 根 幹 を な す 個 人 単 位 課 税 の 原 則 を 採 用 す る 法 の 解 釈 適 用 を 誤 っ た と い う 点 で 重 大 な 瑕 疵 が 認 め ら れ る と い う べ き で あ り 課 税 処 分 に つ い て は 更 正 に つ い て の 期 間 制 限 等 が 規 定 さ れ て い る こ と 徴 税 行 政 の 安 定 と そ の 円 滑 な 運 営 の 要 請 を 斟 酌 し て も な お 不 服 申 立 期 間 の 徒 過 に よ る 不 可 争 的 効 果 の 発 生 を 理 由 と し て そ の 不 利 益 を 納 税 者 に 甘 受 さ せ る こ と は 著 し く 不 当 と 解 さ れ る か ら 上 記 各 処 分 は い ず れ も 当 然 に 無 効 な も の と い う べ き で あ り 原 告 は 上 記 各 処 分 の 取 消 し を 求 め る こ と な く 各 処 分 の 無 効 を 主 張 し て 直 ち に 誤 納 金 の 返 還 を 求 め る こ と が で き る も の と 解 さ れ る ( 2 ) 以 上 を 前 提 と し て ま ず 被 告 国 に 対 す る 請 求 に つ い て 検 討 す る と 前 記 前 提 と な る 事 実 記 載 の と お り 本 件 各 処 分 の う ち 平 成 9 年 分 の 所 得 税 の 申 告 に 係 る 更 正 処 分 及 び 過 少 申 告 加 算 税 賦 課 決 定 処 分 は こ れ に 対 す る 裁 決 に よ り 全 部 取 り 消 さ れ こ れ に よ り 延 滞 税 額 も 含 め て 原 告 に 還 付 さ れ て い る こ と が 認 め ら れ る か ら 原 告 が 当 該 部 分 に つ い て 誤 納 金 の 返 還 及 び 還 付 加 算 金 の 支 払 を 求 め る 部 分 に つ い て は 理 由 が な い 平 成 7 年 分 及 び 平 成 8 年 分 所 得 税 に つ い て は - 16 -

別 紙 2 な い し 4 の と お り そ れ ぞ れ 2 0 万 7 5 0 0 円 ( 内 訳 は 本 税 額 1 7 万 6 4 0 0 円 過 少 申 告 加 算 税 額 1 万 7 0 0 0 円 延 滞 税 額 1 万 4 1 0 0 円 ) 及 び 1 7 万 9 3 0 0 円 ( 内 訳 は 本 税 額 1 5 万 1 6 0 0 円 過 少 申 告 加 算 税 額 1 万 6 0 0 0 円 延 滞 税 額 1 万 1 7 0 0 円 ) の 合 計 3 8 万 6 7 0 0 円 の 誤 納 金 が あ る と 認 め ら れ る と こ ろ 原 告 は こ の う ち の そ れ ぞ れ 2 0 万 6 3 0 0 円 ( 内 訳 は 本 税 額 1 7 万 6 4 0 0 円 過 少 申 告 加 算 税 額 1 万 6 0 0 0 円 延 滞 税 額 1 万 3 9 0 0 円 ) 及 び 1 7 万 6 7 0 0 円 ( 内 訳 は 本 税 額 1 5 万 1 4 0 0 円 過 少 申 告 加 算 税 額 1 万 5 0 0 0 円 延 滞 税 額 1 万 0 3 0 0 円 ) の 合 計 金 3 8 万 3 0 0 0 円 の 誤 納 金 と 年 7. 3 パ ー セ ン ト の 割 合 に よ る 還 付 加 算 金 の 支 払 を 求 め て い る と こ ろ 還 付 加 算 金 の 割 合 は 租 税 特 別 措 置 法 9 5 条 9 3 条 1 項 に よ り 各 年 の 特 例 基 準 割 合 ( 各 年 の 前 年 の 1 1 月 3 0 日 を 経 過 す る 時 に お け る 日 本 銀 行 法 1 5 条 1 項 1 号 の 規 定 に よ り 定 め ら れ る 商 業 手 形 の 基 準 割 引 率 に 年 4 パ ー セ ン ト の 割 合 を 加 算 し た 割 合 を い う ) が 年 7. 3 パ ー セ ン ト に 満 た な い 場 合 に は そ の 年 中 に お い て は 当 該 特 例 基 準 割 合 ( 当 該 特 例 基 準 割 合 に 0. 1 パ ー セ ン ト 未 満 の 端 数 が あ る と き は こ れ を 切 り 捨 て る ) と 規 定 さ れ て い る か ら 原 告 の 被 告 国 に 対 す る 本 訴 請 求 は 誤 納 金 3 8 万 3 0 0 0 円 及 び こ れ に 対 す る 平 成 1 1 年 3 月 2 6 日 か ら 同 年 1 2 月 3 1 日 ま で は 年 7. 3 パ ー セ ン ト の 同 1 2 年 1 月 1 日 か ら 同 1 3 年 1 2 月 3 1 日 ま で は 年 4. 5 パ ー セ ン ト の 同 1 4 年 1 月 1 日 か ら 支 払 済 み ま で は 年 4. 1 パ ー セ ン ト の 割 合 に よ る 還 付 加 算 金 の 支 払 を 求 め る 限 度 で 理 由 が あ る こ と と な る ( 3 ) 次 に 被 告 東 京 都 に 対 す る 請 求 に つ い て 検 討 す る に 原 告 は 平 成 7 年 な い し 平 成 9 年 所 得 分 の 個 人 事 業 税 増 額 賦 課 決 定 処 分 に よ り 本 件 税 理 士 報 酬 等 の 支 払 を 経 費 と 認 め ら れ な か っ た こ と に よ り 新 た に 負 担 さ せ ら れ た 税 額 の 還 付 を 求 め る も の で あ る と こ ろ 具 体 的 に は 平 成 7 年 分 2 万 2 0 0 0 円 平 成 8 年 分 1 万 6 6 0 0 円 平 成 9 年 分 1 万 9 9 0 0 円 の 合 計 5 万 8 5 0 0 円 の 誤 納 金 が あ る 旨 主 張 す る が 平 成 9 年 分 に つ い て は 前 記 の と お り 減 額 決 定 処 分 に よ り 誤 納 金 全 額 が 還 付 さ れ て い る こ と が 認 め ら れ る か ら そ の 還 付 と 還 付 加 算 金 の 支 払 を 求 め る 部 分 は 理 由 が な い こ と と な る ま た そ の 余 の 誤 納 金 の 額 は 別 紙 5 の と お り 平 成 7 年 分 に つ い て は 2 万 2 0 0 0 円 平 成 8 年 分 に つ い て は 1 万 6 3 0 0 円 の 合 計 3 万 8 3 0 0 円 で あ る と 認 め ら れ る か ら 原 告 の 被 告 東 京 都 に 対 す る 誤 納 金 返 還 請 求 に つ い て は そ の 限 度 で 理 由 が あ る こ と と な る ま た 還 付 加 算 金 の 支 払 請 求 に つ い て は 前 記 認 定 に よ れ ば 原 告 が 各 誤 納 金 を 納 付 し た の は 平 成 1 1 年 8 月 3 1 日 で あ る か ら 還 付 加 算 金 の 請 求 を す る 部 分 に つ い て は 同 年 9 月 1 日 を 起 算 の 初 日 と す る 限 度 に お い て 理 由 が あ る も の と 認 め ら れ る さ ら に 原 告 は 還 付 加 算 金 の 割 合 を 年 7. 3 パ ー セ ン ト と 主 張 す る が 地 方 税 法 附 則 3 条 の 2 第 3 項 同 条 1 項 の 規 定 に よ り 平 成 1 1 年 9 月 1 日 か ら 同 年 1 2 月 3 1 日 ま で は 年 7. 3 パ ー セ ン ト の 同 1 2 年 1 月 1 日 か ら 同 1 3 年 1 2 月 3 1 日 ま で は 年 4. 5 パ ー セ ン ト の 同 1 4 年 1 月 1 日 か ら 支 払 済 み ま で は 年 4. 1 パ ー セ ン ト の 割 合 に よ る 額 の 金 員 の 支 払 を 求 め る 限 度 で 理 由 が あ る こ と と な る 第 4 結 論 以 上 の 次 第 で あ る か ら そ の 余 の 争 点 に つ い て 判 断 す る ま で も な く 本 件 請 求 は 主 文 第 1 項 及 び 第 2 項 記 載 の 限 度 で 理 由 が あ る か ら 認 容 す る こ と と し そ の 余 は 棄 却 す る こ と と し 訴 訟 費 用 の 負 担 に つ い て 行 政 事 件 訴 訟 法 7 条 民 事 訴 訟 法 6 1 条 6 4 条 本 文 6 5 条 1 項 た だ し 書 き を 適 用 し て 主 文 の と お り 判 決 す る ( 口 頭 弁 論 終 結 日 平 成 1 5 年 4 月 2 5 日 ) ( 東 京 地 方 裁 判 所 民 事 第 3 部 裁 判 長 裁 判 官 藤 山 雅 行 裁 判 官 鶴 岡 稔 彦 裁 判 官 加 藤 晴 子 ) ( 別 紙 1 ) 所 得 税 法 5 6 条 の 改 正 経 緯 一 覧 所 得 税 法 5 6 条 の 改 正 経 緯 ( 文 中 下 線 を 引 い た 箇 所 が 主 な 改 正 部 分 な お 旧 漢 字 は 適 宜 現 代 の も の に 改 め た ) 1 昭 和 2 5 年 改 正 に よ る 所 得 税 法 第 1 1 条 の 2 納 税 義 務 者 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 が 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 か ら 所 得 を 受 け る 場 合 に お い て は 当 該 所 得 は こ れ を 当 該 納 税 義 務 者 の 有 す る 事 業 所 得 と み な す こ の 場 合 に お い て は 第 8 条 第 1 項 の 規 定 の 適 用 に つ い て は 当 該 親 族 は 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 か ら 所 得 を 受 け て い な い も の と み な す 2 昭 和 2 7 年 改 正 に よ る 所 得 税 法 第 1 1 条 の 2 納 税 義 務 者 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 が 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 か ら 所 得 を 受 け る 場 合 に お い て は 当 該 所 得 の 収 入 金 額 は 当 該 納 税 義 務 者 の 事 業 所 得 の 金 額 の 計 算 上 こ れ を 必 要 な 経 費 に 算 入 せ ず 当 該 親 族 の 当 該 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 な 経 費 に 算 入 す べ き 金 額 は 当 該 納 税 義 務 者 の 事 業 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 な 経 費 に 算 入 す る も の と す る こ の 場 合 に お い て 当 該 親 族 の 所 得 の 金 額 の 計 算 に つ い て は 当 該 事 業 か ら 受 け た 所 得 の 収 入 金 額 及 び 当 該 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 な 経 費 に 算 入 す べ き 金 - 17 -

額 は い ず れ も な い も の と み な す 前 項 の 規 定 は 青 色 申 告 書 を 提 出 す る 納 税 義 務 者 と 生 計 を 一 に す る 親 族 ( 当 該 納 税 義 務 者 の 配 偶 者 及 び そ の 年 1 月 1 日 現 在 に お い て 年 令 1 8 才 未 満 で あ る 者 を 除 く ) で 専 ら 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 に 従 事 す る も の が 当 該 事 業 か ら 支 給 を 受 け る 給 与 の 金 額 ( そ の 額 が そ の 年 を 通 じ て 5 万 円 を こ え る 場 合 に お い て は 5 万 円 ) に つ い て は こ れ を 適 用 し な い 但 し そ の 給 与 の 金 額 が 労 務 に 従 事 し た 期 間 労 務 の 提 供 の 程 度 労 務 の 性 質 並 び に 当 該 事 業 の 種 類 及 び 分 量 等 に 応 じ 通 常 受 く べ き 給 与 の 金 額 に 比 し て 著 し く 多 額 と 認 め ら れ る と き は そ の 著 し く 多 額 と 認 め ら れ る 部 分 の 金 額 に つ い て は こ の 限 り で な い 3 昭 和 3 2 年 改 正 に よ る 所 得 税 法 第 1 1 条 の 2 納 税 義 務 者 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 が 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 で 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 を 生 ず べ き も の か ら 所 得 を 受 け る 場 合 に お い て は 当 該 所 得 の 収 入 金 額 は 当 該 納 税 義 務 者 の 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 こ れ を 必 要 な 経 費 に 算 入 せ ず 当 該 親 族 の 当 該 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 な 経 費 に 算 入 す べ き 金 額 は 当 該 納 税 義 務 者 の 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 な 経 費 に 算 入 す る も の と す る こ の 場 合 に お い て 当 該 親 族 の 所 得 の 金 額 の 計 算 に つ い て は 当 該 事 業 か ら 受 け た 所 得 の 収 入 金 額 及 び 当 該 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 な 経 費 に 算 入 す べ き 金 額 は い ず れ も な い も の と み な す 前 項 の 規 定 は 青 色 申 告 書 を 提 出 す る 納 税 義 務 者 と 生 計 を 一 に す る 親 族 ( 当 該 納 税 義 務 者 の 配 偶 者 及 び そ の 年 1 月 1 日 現 在 に お い て 年 令 1 8 才 未 満 で あ る 者 を 除 く ) で 専 ら 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 同 項 に 規 定 す る 事 業 に 従 事 す る も の が 当 該 事 業 か ら 支 給 を 受 け る 給 与 の 金 額 ( そ の 額 が そ の 年 を 通 じ て 5 万 円 を こ え る 場 合 に お い て は 5 万 円 ) に つ い て は こ れ を 適 用 し な い 但 し そ の 給 与 の 金 額 が 労 務 に 従 事 し た 期 間 労 務 の 提 供 の 程 度 労 務 の 性 質 並 び に 当 該 事 業 の 種 類 及 び 分 量 等 に 応 じ 通 常 受 く べ き 給 与 の 額 に 比 し て 著 し く 多 額 と 認 め ら れ る と き は そ の 著 し く 多 額 と 認 め ら れ る 部 分 の 金 額 に つ い て は こ の 限 り で な い 4 昭 和 3 6 年 改 正 に よ る 所 得 税 法 第 1 1 条 の 2 納 税 義 務 者 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 が 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 事 業 で 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 を 生 ず べ き も の か ら 所 得 を 受 け る 場 合 に お い て は 当 該 所 得 の 収 入 金 額 は 当 該 納 税 義 務 者 の 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 こ れ を 必 要 な 経 費 に 算 入 せ ず 当 該 親 族 の 当 該 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 な 経 費 に 算 入 す べ き 金 額 は 当 該 納 税 義 務 者 の 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 な 経 費 に 算 入 す る も の と す る こ の 場 合 に お い て 当 該 親 族 の 所 得 の 金 額 の 計 算 に つ い て は 当 該 事 業 か ら 受 け た 所 得 の 収 入 金 額 及 び 当 該 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 な 経 費 に 算 入 す べ き 金 額 は い ず れ も な い も の と み な す 青 色 申 告 書 を 提 出 す る 納 税 義 務 者 と 生 計 を 一 に す る 親 族 ( 年 齢 1 5 歳 未 満 で あ る 者 を 除 く ) で も っ ぱ ら 当 該 納 税 義 務 者 の 経 営 す る 前 項 に 規 定 す る 事 業 に 従 事 す る も の ( 以 下 青 色 事 業 専 従 者 と い う ) が 当 該 事 業 か ら 支 給 を 受 け る 給 与 の 金 額 で そ の 者 の 労 務 に 従 事 し た 期 間 労 務 の 性 質 及 び そ の 提 供 の 程 度 当 該 事 業 の 種 類 及 び 規 模 そ の 他 の 状 況 に 応 じ て 通 常 受 け る べ き 給 与 の 金 額 と し て 相 当 で あ る と 認 め ら れ る も の は 同 項 の 規 定 に か か わ ら ず こ れ を 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 な 経 費 に 算 入 し か つ 当 該 青 色 事 業 専 従 者 の 受 け る 給 与 所 得 の 収 入 金 額 と す る た だ し 各 青 色 事 業 専 従 者 の 当 該 給 与 の 金 額 が 左 に 掲 げ る 金 額 の う ち い ず れ か 低 い 金 額 を こ え る 場 合 に は そ の こ え る 部 分 の 金 額 に つ い て は こ の 限 り で は な い ( 本 項 の 規 定 に よ り 必 要 な 経 費 に 算 入 さ れ る 給 与 の 金 額 を 青 色 専 従 者 給 与 額 と い う ) 一 1 2 万 円 ( 青 色 事 業 専 従 者 の 年 齢 が 2 5 歳 未 満 で あ る と き は 9 万 円 ) 二 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 の 金 額 ( 青 色 事 業 専 従 者 が 当 該 事 業 か ら 支 給 を 受 け る 給 与 の 金 額 を 必 要 な 経 費 に 算 入 し な い で 計 算 し た 金 額 と す る ) を 青 色 事 業 専 従 者 の 数 に 一 を 加 え た 数 で 除 し て 得 た 金 額 納 税 義 務 者 ( 前 項 の 規 定 に 該 当 す る 者 を 除 く ) が 第 1 項 に 規 定 す る 事 業 を 経 営 し て い る 場 合 に お い て そ の 者 と 生 計 を 一 に す る 親 族 ( 年 齢 1 5 歳 未 満 で あ る 者 及 び そ の 他 の 親 族 で 命 令 で 定 め る と こ ろ に よ り 当 該 納 税 義 務 者 又 は 他 の 納 税 義 務 者 の 控 除 対 象 配 偶 者 又 は 扶 養 親 族 と さ れ る も の を 除 く ) で も っ ぱ ら 当 該 事 業 に 従 事 す る も の ( 以 下 事 業 専 従 者 と い う ) が あ る と き は 各 事 業 専 従 者 に つ き 左 に 掲 げ る 金 額 の う ち い ず れ か 低 い 金 額 を 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 控 除 す る ( 本 項 の 規 定 に よ る 控 除 額 を 事 業 専 従 者 控 除 額 と い う ) 一 7 万 円 二 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 の 金 額 ( 本 項 の 規 定 を 適 用 し な い で 計 算 し た 金 額 と す る ) を 事 業 専 従 者 の 数 に 一 を 加 え た 数 で 除 し て 得 た 金 額 前 項 の 事 業 専 従 者 控 除 額 に 相 当 す る 金 額 は こ れ を 事 業 専 従 者 の 給 与 所 得 の 収 入 金 額 と み な す 第 2 項 又 は 第 3 項 の 場 合 に お い て こ れ ら の 規 定 に 規 定 す る 親 族 又 は 青 色 事 業 専 従 者 の 年 齢 が 1 5 歳 未 満 又 は 2 5 歳 未 満 で あ る か ど う か は 毎 年 1 2 月 3 1 日 ( 年 の 中 途 に お い て こ れ ら の 者 又 は 納 税 義 務 者 が 死 亡 し た 場 合 に は 死 亡 当 時 ) の 現 況 に よ る も の と す る - 18 -

青 色 事 業 専 従 者 又 は 事 業 専 従 者 の 要 件 の 細 目 そ の 他 第 2 項 及 び 第 3 項 の 規 定 の 適 用 に 関 し 必 要 な 事 項 は 命 令 で こ れ を 定 め る 5 昭 和 4 0 年 改 正 に つ い て ( 1 ) 所 得 税 法 5 6 条 居 住 者 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 が そ の 居 住 者 の 営 む 不 動 産 所 得 事 業 所 得 又 は 山 林 所 得 を 生 ず べ き 事 業 に 従 事 し た こ と そ の 他 の 事 由 に よ り 当 該 事 業 か ら 対 価 の 支 払 を 受 け る 場 合 に は そ の 対 価 に 相 当 す る 金 額 は そ の 居 住 者 の 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 の 金 額 事 業 所 得 の 金 額 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 し な い も の と し か つ そ の 親 族 の そ の 対 価 に 係 る 各 種 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 さ れ る べ き 金 額 は そ の 居 住 者 の 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 の 金 額 事 業 所 得 の 金 額 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 す る こ の 場 合 に お い て そ の 親 族 が 支 払 を 受 け た 対 価 の 額 及 び そ の 親 族 の そ の 対 価 に 係 る 各 種 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 さ れ る べ き 金 額 は 当 該 各 種 所 得 の 金 額 の 計 算 上 な い も の と み な す ( 2 ) 所 得 税 法 5 7 条 青 色 申 告 書 を 提 出 す る こ と に つ き 税 務 署 長 の 承 認 を 受 け て い る 居 住 者 と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 ( 年 齢 1 5 歳 未 満 で あ る 者 を 除 く ) で も っ ぱ ら そ の 居 住 者 の 営 む 前 条 に 規 定 す る 事 業 に 従 事 す る も の ( 以 下 こ の 条 に お い て 青 色 事 業 専 従 者 と い う ) が 当 該 事 業 か ら 給 与 の 支 給 を 受 け る 場 合 に は 前 条 の 規 定 に か か わ ら ず そ の 給 与 の 金 額 で そ の 労 務 に 従 事 し た 期 間 労 務 の 性 質 及 び そ の 提 供 の 程 度 そ の 事 業 の 種 類 及 び 規 模 そ の 他 の 状 況 に 応 じ て 通 常 支 給 さ れ る べ き 給 与 と し て 相 当 で あ る と 認 め ら れ る も の は そ の 居 住 者 の そ の 給 与 の 支 給 に 係 る 年 分 の 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 の 金 額 事 業 所 得 の 金 額 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 必 要 経 費 に 算 入 し か つ 当 該 青 色 事 業 専 従 者 の 当 該 年 分 の 給 与 所 得 に 係 る 収 入 金 額 と す る た だ し 各 青 色 事 業 専 従 者 が そ の 年 に お い て 当 該 事 業 か ら 支 給 を 受 け る 給 与 の 金 額 が 次 に 掲 げ る 金 額 の う ち い ず れ か 低 い 金 額 を こ え る 場 合 は そ の こ え る 部 分 の 金 額 に つ い て は こ の 限 り で な い 一 1 8 万 円 ( 当 該 青 色 事 業 専 従 者 の 年 齢 が 2 0 歳 未 満 で あ る 場 合 に は 1 5 万 円 ) 二 当 該 年 分 の 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 の 金 額 事 業 所 得 の 金 額 又 は 山 林 所 得 の 金 額 ( 当 該 事 業 に 係 る 青 色 事 業 専 従 者 が 当 該 事 業 か ら 支 給 を 受 け る 給 与 の 金 額 を 必 要 経 費 に 算 入 し な い で 計 算 し た 場 合 の 金 額 と す る ) を 当 該 事 業 に 係 る 青 色 事 業 専 従 者 の 数 に 一 を 加 え た 数 で 除 し て 計 算 し た 金 額 2 居 住 者 ( 前 項 に 規 定 す る 居 住 者 を 除 く ) と 生 計 を 一 に す る 配 偶 者 そ の 他 の 親 族 ( 年 齢 1 5 歳 未 満 で あ る 者 及 び い ず れ か の 居 住 者 の 控 除 対 象 配 偶 者 又 は 扶 養 親 族 と さ れ る も の を 除 く ) で も っ ぱ ら そ の 居 住 者 の 営 む 前 条 に 規 定 す る 事 業 に 従 事 す る も の ( 以 下 こ の 条 に お い て 事 業 専 従 者 と い う ) が あ る 場 合 に は そ の 居 住 者 の そ の 年 分 の 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 の 金 額 事 業 所 得 の 金 額 又 は 山 林 所 得 の 金 額 の 計 算 上 各 事 業 専 従 者 に つ き 次 に 掲 げ る 金 額 の う ち い ず れ か 低 い 金 額 を 必 要 経 費 と み な す 一 1 2 万 円 二 そ の 年 分 の 当 該 事 業 に 係 る 不 動 産 所 得 の 金 額 事 業 所 得 の 金 額 又 は 山 林 所 得 の 金 額 ( こ の 項 の 規 定 を 適 用 し な い で 計 算 し た 場 合 の 金 額 と す る ) を 当 該 事 業 に 係 る 事 業 専 従 者 の 数 に 一 を 加 え た 数 で 除 し て 計 算 し た 金 額 3 前 項 の 規 定 の 適 用 が あ っ た 場 合 に は 各 事 業 専 従 者 に つ き 同 項 の 規 定 に よ り 必 要 経 費 と み な さ れ た 金 額 は 当 該 各 事 業 専 従 者 の 当 該 年 分 の 各 種 所 得 の 金 額 の 計 算 に つ い て は 当 該 各 事 業 専 従 者 の 給 与 所 得 に 係 る 収 入 金 額 と み な す 4 第 2 項 の 規 定 は 確 定 申 告 書 に 同 項 の 規 定 の 適 用 を 受 け る 旨 及 び 同 項 の 規 定 に よ り 必 要 経 費 と み な さ れ る 金 額 に 関 す る 事 項 の 記 載 が な い 場 合 に は 適 用 し な い 5 税 務 署 長 は 前 項 の 記 載 が な い 確 定 申 告 書 の 提 出 が あ っ た 場 合 に お い て も そ の 記 載 が な か っ た こ と に つ い て や む を 得 な い 事 情 が あ る と 認 め る と き は 第 2 項 の 規 定 を 適 用 す る こ と が で き る 6 第 1 項 又 は 第 2 項 の 場 合 に お い て こ れ ら の 規 定 に 規 定 す る 親 族 の 年 齢 が 1 5 歳 未 満 で あ る か ど う か 及 び 青 色 事 業 専 従 者 の 年 齢 が 2 0 歳 未 満 で あ る か ど う か の 判 定 は そ の 年 1 2 月 3 1 日 ( こ れ ら の 規 定 に 規 定 す る 居 住 者 が そ の 年 の 中 途 に お い て 死 亡 し 又 は 出 国 を し た 場 合 に は そ の 死 亡 又 は 出 国 の 時 ) の 現 況 に よ る た だ し 当 該 親 族 又 は 青 色 事 業 専 従 者 が そ の 当 時 既 に 死 亡 し て い る 場 合 は 当 該 死 亡 の 時 の 現 況 に よ る 7 青 色 事 業 専 従 者 又 は 事 業 専 従 者 の 要 件 の 細 目 そ の 他 第 1 項 又 は 第 2 項 の 規 定 の 適 用 に 関 し 必 要 な 事 項 は 政 令 で 定 め る ( 別 紙 2 ) 平 成 7 年 分 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 区 分 - 19 -

- - - - - - - - - - - - - - + - - - - - - - - 所 得 金 額 - - - - - - - - - + - - - - - - - - 事 業 所 得 2 2 7 3 0 8 8 1 給 与 所 得 1 5 0 8 4 0 0 雑 所 得 5 4 8 4 4 3 - - - - - - - - + - - - - - - - - 計 ( 総 所 得 ) 2 4 7 8 7 7 2 4 - - - - - - - - - - - - - - + - - - - - - - - 所 得 金 額 か ら 差 し 引 か れ る 金 額 - - - - - - - - - + - - - - - - - - 雑 損 医 療 費 控 除 9 4 4 2 3 社 会 保 険 料 等 7 1 4 0 0 0 生 命 保 険 料 等 1 1 5 0 0 0 配 偶 者 控 除 配 偶 者 特 別 控 除 扶 養 控 除 7 6 0 0 0 0 基 礎 控 除 3 8 0 0 0 0 - - - - - - - - + - - - - - - - - 所 得 控 除 額 の 計 2 0 6 3 4 2 3 - - - - - - - - - - - - - - + - - - - - - - - 課 税 さ れ る 所 得 金 額 - - - - - - - - - + - - - - - - - - 総 所 得 2 2 7 2 4 0 0 0 - - - - - - - - - - - - - - + - - - - - - - - 算 出 税 額 - - - - - - - - - + - - - - - - - - 計 6 0 5 9 6 0 0 - - - - - - - - - - - - - - + - - - - - - - - 税 金 か ら 差 し 引 か れ る 金 額 差 引 所 得 税 額 6 0 5 9 6 0 0 災 害 減 免 額 外 国 税 額 控 除 再 差 引 所 得 税 額 特 別 減 税 額 5 0 0 0 0 源 泉 徴 収 税 額 2 3 8 0 3 6 5 - - - - - - - - - - - - - - + - - - - - - - - 納 付 す べ き 税 額 3 6 2 9 2 0 0 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 過 少 申 告 加 算 税 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 加 算 税 の 基 礎 と な る 税 額 ( 納 付 す べ き 税 額 - 当 初 申 告 額 ) 5 7 0 0 0 0 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - + - - - - - - 加 算 税 の 割 合 1 0 % 5 7 0 0 0 - - - - - - - - - - + - - - - - - - - - - - - - - - + - - - - - - 加 算 税 の 額 5 7 0 0 0 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 平 成 8 年 分 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 区 分 - - - - - - - - - - - - - - + - - - - - - - - 所 得 金 額 - - - - - - - - - + - - - - - - - - 事 業 所 得 2 0 8 4 6 6 5 6 給 与 所 得 1 3 3 7 6 0 0 雑 所 得 1 8 8 8 8 8 - - - - - - - - + - - - - - - - - 計 ( 総 所 得 ) 2 2 3 7 3 1 4 4 - - - - - - - - - - - - - - + - - - - - - - - 所 得 金 額 か ら 差 し 引 か れ る 金 額 - - - - - - - - - + - - - - - - - - 雑 損 医 療 費 控 除 2 7 0 8 3 0 社 会 保 険 料 等 1 4 2 1 8 0 0-20 -