Microsoft Word - 外貨建取引.docx



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4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

第316回取締役会議案

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

(1) 貸 借 対 照 表 ( 平 成 26 年 11 月 30 日 現 在 ) ( 単 位 : 千 円 ) 資 産 の 部 負 債 の 部 科 目 金 額 科 目 金 額 流 動 資 産 4,623,985 流 動 負 債 3,859,994 現 金 及 び 預 金 31,763 支 払 手 形



Microsoft Word - H20中小会計指針新旧対照表 doc

 

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

1_2013BS(0414)

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

連結計算書

6-1 第 6 章 ストック オプション 会 計 設 例 1 基 本 的 処 理 Check! 1. 費 用 の 計 上 ( 1 年 度 ) 2. 費 用 の 計 上 ( 2 年 度 )- 権 利 不 確 定 による 失 効 見 積 数 の 変 動 - 3. 費 用 の 計 上 ( 3 年 度 )-

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

科 売 上 原 価 売 上 総 利 益 損 益 計 算 書 ( 自 平 成 26 年 4 月 1 日 至 平 成 27 年 3 月 31 日 ) 目 売 上 高 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 営 業 利 益 営 業 外 収 益 受 取 保 険 金 受 取 支 援 金 補 助 金 収 入 保

連 結 注 記 表 ( 連 結 計 算 書 類 作 成 のための 基 本 となる 重 要 な 事 項 ) 1. 連 結 の 範 囲 に 関 する 事 項 (1) 連 結 子 会 社 の 数 3 社 連 結 子 会 社 の 名 称 株 式 会 社 ミック 株 式 会 社 モリワン 株 式 会 社 テッ

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

<4D F736F F D F4390B3816A91E6398D A948EE58E91967B939995CF93AE8C768E5A8F9182C98AD682B782E989EF8C768AEE8F8082CC934B97708E77906A81762E646F63>

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連 結 株 主 資 本 等 変 動 計 算 書 ( 平 成 27 年 4 月 1 日 から 平 成 28 年 3 月 31 日 まで ) 項 目 株 主 資 本 ( 単 位 : 百 万 円 ) 資 本 金 資 本 剰 余 金 利 益 剰 余 金 自 己 株 式 株 主 資 本 合 計 当 連 結 会

企業結合ステップ2に関連するJICPA実務指針等の改正について③・資本連結実務指針(その2)

別添資料

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 23 年 4 月 1 日 至 平 成 24 年 3 月 31 日 ) 金 額 ( 単 位 : 百 万 円 ) 売 上 高 99,163 売 上 原 価 90,815 売 上 総 利 益 8,347 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 4,661 営 業 利 益

目 次 貸 借 対 照 表 1 損 益 計 算 書 2 キャッシュ フロー 計 算 書 3 利 益 の 処 分 に 関 する 書 類 4 国 立 大 学 法 人 等 業 務 実 施 コスト 計 算 書 5 注 記 事 項 6 附 属 明 細 書 別 紙

Microsoft Word ETF・日経400ベア決算短信.doc

連 結 損 益 計 算 書 売 上 高 及 びその 他 の 営 業 収 入 営 業 費 用 売 上 原 価 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 研 究 開 発 費 営 業 費 用 合 計 営 業 利 益 営 業 外 収 益 ( 費 用 ) 受 取 利 息 支 払 利 息 営 業 外 収 益 (

<重要な会計方針及び注記>

(2) 実 務 上 の 取 扱 い 減 価 償 却 の 方 法 は 会 計 方 針 にあたるため その 変 更 は 本 来 会 計 方 針 の 変 更 として 遡 及 適 用 の 対 象 と なります しかしながら 減 価 償 却 方 法 の 変 更 については 会 計 方 針 の 変 更 を 会

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第1章 簿記の一巡

連 結 注 記 表 1. 連 結 計 算 書 類 の 作 成 のための 基 本 となる 重 要 な 事 項 に 関 する 注 記 等 (1) 連 結 の 範 囲 に 関 する 事 項 1 連 結 子 会 社 の 数 及 び 名 称 連 結 子 会 社 の 数 0 社 連 結 子 会 社 の 名 称

連 結 株 主 資 本 等 変 動 計 算 書 (2015 年 6 月 1 日 から2016 年 5 月 31 日 まで) 株 主 資 本 ( 単 位 : 千 円 ) 資 本 金 資 本 剰 余 金 利 益 剰 余 金 自 己 株 式 株 主 資 本 合 計 当 期 首 残 高 2,049,318

損 益 計 算 書 ( 平 成 25 年 10 月 1 日 から 平 成 26 年 9 月 30 日 まで) ( 単 位 : 千 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 304,971 営 業 費 用 566,243 営 業 総 損 失 261,271 営 業 外 収 益 受 取 利 息 3,545

添 付 資 料 の 目 次 1.サマリー 情 報 (その 他 )に 関 する 事 項... 2 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動... 2 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用.

Microsoft Word - (会社法用) 期_02.計算書類.doc

している 5. これに 対 して 親 会 社 の 持 分 変 動 による 差 額 を 資 本 剰 余 金 として 処 理 した 結 果 資 本 剰 余 金 残 高 が 負 の 値 となるような 場 合 の 取 扱 いの 明 確 化 を 求 めるコメントが 複 数 寄 せられた 6. コメントでは 親

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

Microsoft Word - ①AMC決算公告(大会社).doc


Microsoft Word sozei-sample1.doc

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 24 年 4 月 1 日 至 平 成 25 年 3 月 31 日 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 包 括 信 用 購 入 あっせん 収 益 14,068,775 融 資 収 益 3,687,647 受 託 収 益 1,203,223 キャッシュプリカ 収 益

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23信託の会計処理に関する実務上の取扱い

Microsoft Word - 事業報告_監査法人用_FINAL.doc

平 成 24 年 4 月 1 日 から 平 成 25 年 3 月 31 日 まで 公 益 目 的 事 業 科 目 公 1 公 2 公 3 公 4 法 人 会 計 合 計 共 通 小 計 苦 情 相 談 解 決 研 修 情 報 提 供 保 証 宅 建 取 引 健 全 育 成 Ⅰ. 一 般 正 味 財


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注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

平成28年11月期第3四半期決算短

第 41 期

1. 重 要 な 会 計 方 針 財 務 諸 表 の 注 記 財 務 諸 表 の 作 成 は NPO 法 人 会 計 基 準 (2010 年 7 月 20 日 2011 年 11 月 20 日 一 部 改 正 NPO 法 人 会 計 基 準 協 議 会 )によっています 同 基 準 では 特 定 非

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 23 年 4 月 1 日 至 平 成 24 年 3 月 31 日 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 包 括 信 用 購 入 あっせん 収 益 13,520,219 融 資 収 益 4,434,360 受 託 収 益 1,234,189 キャッシュプリカ 収 益


Microsoft PowerPoint - 表紙

2 連 結 注 記 表 連 結 計 算 書 類 作 成 のための 基 本 となる 重 要 な 事 項 に 関 する 注 記 等 1. 連 結 の 範 囲 に 関 する 事 項 連 結 子 会 社 の 数 8 社 連 結 子 会 社 の 名 称 日 精 興 産 日 精 バイリス アルボース オレオトレ

< E95FB8CF689638AE98BC689FC90B390A CC8CA992BC82B582C982C282A282C E90E096BE8E9E8E9197BF2E786477>

科 目 予 算 額 決 算 額 差 異 Ⅱ 投 資 活 動 収 支 の 部 1. 投 資 活 動 収 入 特 定 資 産 取 崩 収 入 13,811,848 62,532,864 48,721,016 退 職 給 付 引 当 資 産 取 崩 収 入 2,811,848 54,237,864 51,

委 託 会 社 等 の 経 理 状 況 1. 委 託 会 社 の 財 務 諸 表 は 財 務 諸 表 等 の 用 語 様 式 及 び 作 成 方 法 に 関 する 規 則 ( 昭 和 38 年 大 蔵 省 令 第 59 号 )ならびに 同 規 則 第 2 条 の 規 定 に 基 づき 金 融 商 品

平成29年2月期 第2四半期決算短信

損 益 計 算 書 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 から 平 成 24 年 3 月 31 日 まで) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 鉄 道 事 業 営 業 収 益 99,036 営 業 費 75,997 営 業 利 益 23,039 そ の 他 の 事 業 営 業 収 益 7


連 結 注 記 表 連 結 計 算 書 類 の 作 成 のための 基 本 となる 重 要 な 事 項 等 ( 連 結 の 範 囲 等 に 関 する 事 項 ) 1. 連 結 の 範 囲 に 関 する 事 項 (1) 連 結 子 会 社 の 状 況 1 連 結 子 会 社 の 数 15 社 2 主 要

Microsoft Word - WEB開示資料

第一部【証券情報】

PowerPoint プレゼンテーション

(2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 該 当 事 項 はありません (3) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 作 成 に 係 る 会 計 処 理 の 原 則 手 続 表 示 方 法 等 の 変 更 当

注 記 事 項 (1) 四 半 期 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 無 (2) 会 計 方 針 の 変 更 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 修 正 再 表 示 1 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 : 無 2 1

2. 会 計 規 程 の 業 務 (1) 規 程 と 実 際 の 業 務 の 調 査 規 程 や 運 用 方 針 に 規 定 されている 業 務 ( 帳 票 )が 実 際 に 行 われているか( 作 成 されている か)どうかについて 調 べてみた 以 下 の 表 は 規 程 の 条 項 とそこに

募集新株予約権(有償ストック・オプション)の発行に関するお知らせ

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第1章 財務諸表

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 有 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 新 規 1 社 ( 社 名 ) 株 式 会 社 CFSコーポレーション 除 外 - 社 ( 社 名 )

Microsoft PowerPoint - 表紙

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(2)各論

若 しくは 利 益 の 配 当 又 はいわゆる 中 間 配 当 ( 資 本 剰 余 金 の 額 の 減 少 に 伴 うものを 除 きます 以 下 同 じです )を した 場 合 には その 積 立 金 の 取 崩 額 を 減 2 に 記 載 す るとともに 繰 越 損 益 金 26 の 増 3 の

c. 投 資 口 の 譲 渡 に 係 る 税 務 個 人 投 資 主 が 投 資 口 を 譲 渡 した 際 の 譲 渡 益 は 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 として 原 則 20%( 所 得 税 15% 住 民 税 5%)の 税 率 による 申 告 分 離 課 税 の 対 象 となりま

目 次 1 報 酬 給 与 額 事 例 1 報 酬 給 与 額 に 含 める 賞 与 の 金 額 が 誤 っていた 事 例 1 事 例 2 役 員 退 職 金 ( 役 員 退 職 慰 労 金 )を 報 酬 給 与 額 として 申 告 して いなかった 事 例 1 事 例 3 持 株 奨 励 金 を

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 新 規 - 社 除 外 - 社 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の

中 間 利 払 日 とし 預 入 日 または 前 回 の 中 間 利 払 日 からその 中 間 利 払 日 の 前 日 までの 日 数 および 通 帳 または 証 書 記 載 の 中 間 利 払 利 率 によって 計 算 した 中 間 利 払 額 ( 以 下 中 間 払 利 息 といいます )を 利

連 結 注 記 表 ( 連 結 計 算 書 類 の 作 成 のための 基 本 となる 重 要 な 事 項 に 関 する 注 記 等 ) 1. 連 結 の 範 囲 に 関 する 事 項 連 結 子 会 社 の 数 連 結 子 会 社 の 名 称 10 社 スミトモ セイカ ヨーロッパ S.A./N.V

事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 事 業 税 は 都 道 府 県 が 所 得 ( 利 益 )に 対 して 課 税 します 1. 個 人 事 業 税 業 種 区 分 税 率 ( 標 準 税 率 ) 第 1 種 事 業 ( 物 品 販 売 業 製 造 業 金 銭 貸 付 業 飲 食 店 業 不 動


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損 益 計 算 書 ( 自 平 成 27 年 4 月 1 日 至 平 成 28 年 3 月 31 日 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 包 括 信 用 購 入 あっせん 収 益 14,805,239 融 資 収 益 3,334,100 受 託 収 益 1,049,043 キャッシュプリカ 収 益

⑨持分法基準

 

Microsoft PowerPoint - 基金制度

[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

敷 金 保 証 金 投 資 有 価 証 券 子 会 社 株 式 関 連 会 社 株 式 ( 負 債 の 部 ) 科 目 大 科 目 中 科 目 流 動 負 債 固 定 負 債 ( 正 味 財 産 の 部 ) 基 金 科 支 払 手 形 未 払 金 前 受 金 預 り 金 短 期 借 入 金 1 年

リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則

< B E918E598C888E5A8F912E786C73>

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ): 無 新 規 - 社 ( 社 名 ) 除 外 - 社 ( 社 名 ) (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

1.ポイントについての 会 計 処 理 例 (1) 会 計 基 準 等 の 状 況 我 が 国 においては ポイントについて 個 別 の 会 計 処 理 の 基 準 等 は 存 在 しておらず ポイント 発 行 企 業 は 企 業 会 計 原 則 等 に 則 り 会 計 処 理 をしている 具 体

目 次 < 計 算 書 類 > 貸 借 対 照 表 損 益 計 算 書 株 主 資 本 等 変 動 計 算 書 個 別 注 記 表

Transcription:

外 貨 建 取 引 第 1 回 : 外 貨 建 取 引 と 在 外 支 店 の 換 算 2010.09.02 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 公 認 会 計 士 山 岸 聡 はじめに 外 貨 建 取 引 等 会 計 処 理 基 準 ( 以 下 会 計 基 準 )および 会 計 制 度 委 員 会 報 告 第 4 号 外 貨 建 取 引 等 の 会 計 処 理 に 関 する 実 務 指 針 ( 以 下 実 務 指 針 )が 適 用 される 範 囲 は 通 常 の 営 業 取 引 のみならず 金 融 商 品 や 在 外 子 会 社 等 の 換 算 等 多 岐 にわたるものであり 取 引 に 応 じて 異 なる 会 計 処 理 が 求 めら れます 今 回 の 解 説 シリーズでは 実 務 において 必 要 と 思 われるポイントを 中 心 に 解 説 していきます なお 文 中 意 見 にかかわる 部 分 は 私 見 であることをあらかじめお 断 りしておきます 第 1 回 では 外 貨 建 取 引 について 取 引 発 生 時 から 決 算 時 の 処 理 在 外 支 店 の 財 務 諸 表 項 目 の 換 算 について 解 説 していきます なお 外 貨 建 有 価 証 券 およびヘッジ 会 計 に 関 しては 後 述 するため 解 説 の 記 載 から 除 いています 1. 外 貨 建 取 引 (1) 外 貨 建 取 引 の 定 義 外 貨 建 取 引 とは 売 買 価 額 その 他 取 引 価 額 が 外 国 通 貨 で 表 示 されている 取 引 をいい 主 な 例 を 示 す と 以 下 のとおりです 外 貨 建 取 引 の 主 な 例 取 引 価 額 が 外 国 通 貨 で 表 示 されている 物 品 の 売 買 または 役 務 の 授 受 決 済 金 額 が 外 国 通 貨 で 表 示 されている 資 金 の 借 入 または 貸 付 券 面 額 が 外 国 通 貨 で 表 示 されている 社 債 の 発 行 外 国 通 貨 による 前 渡 金 仮 払 金 の 支 払 または 前 受 金 仮 受 金 の 受 入 決 済 金 額 が 外 国 通 貨 で 表 示 されているデリバティブ 取 引 等 なお 国 内 の 製 造 業 者 等 が 商 社 等 を 通 じて 輸 出 入 取 引 を 行 う 場 合 であっても 為 替 リスクを 製 造 業 者 等 が 負 担 するなど 実 質 的 に 取 引 価 額 が 外 国 通 貨 で 表 示 されている 取 引 と 同 等 と 見 なされるものは 外 貨 建 取 引 に 該 当 します( 会 計 基 準 注 解 1) (2) 取 引 発 生 時 の 処 理 ( 原 則 ) 外 貨 建 取 引 は 原 則 として 当 該 取 引 発 生 時 の 為 替 相 場 による 円 換 算 額 をもって 記 録 します ただし 外 貨 建 取 引 高 のうち 前 渡 金 または 前 受 金 が 充 当 される 部 分 については 前 渡 金 または 前 受 金 の 金 銭 授 受 時 の 為 替 相 場 による 円 換 算 額 を 付 し 残 りの 部 分 については 取 引 発 生 時 の 為 替 相 場 により 換 算 します( 実 務 指 針 26 項 ) また 外 貨 建 取 引 に 係 る 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 と 為 替 予 約 等 との 関 係 が 金 融 商 品 に 関 する 会 計 基 準 1

におけるヘッジ 会 計 の 要 件 を 満 たしている 場 合 には 当 該 外 貨 建 取 引 についてヘッジ 会 計 を 適 用 する ことができるとされています 外 貨 建 取 引 の 実 務 における 事 例 外 貨 建 取 引 は 原 則 として 取 引 の 都 度 取 引 時 の 為 替 相 場 を 把 握 する 必 要 がありますが 外 貨 建 取 引 を 多 く 行 う 場 合 や 多 通 貨 にわたる 外 貨 建 取 引 を 行 っている 場 合 等 においては 実 務 上 の 煩 雑 性 が 生 ずることが 想 定 されます このため 会 計 基 準 注 解 2 では 実 務 上 の 煩 雑 性 を 考 慮 し 取 引 発 生 時 の 為 替 相 場 を 取 引 が 発 生 した 日 の 直 近 の 一 定 の 日 における 直 物 為 替 相 場 によることも 妨 げないとされ 実 務 においては 前 月 末 の 直 物 為 替 相 場 等 を 用 いて 外 貨 建 取 引 を 換 算 することが 行 われております また 外 貨 建 取 引 発 生 時 に 社 内 想 定 レートを 用 いて 換 算 し 月 次 決 算 時 において 会 計 基 準 等 が 求 め る 為 替 相 場 による 数 値 へ 調 整 することにより 社 内 の 業 績 管 理 および 実 務 上 の 効 率 性 の 向 上 を 図 って いるケースもあります ( 外 貨 の 為 替 相 場 は 場 合 によっては 急 激 な 変 動 が 生 ずるため いずれの 場 合 も 原 則 通 りの 処 理 結 果 と 大 きく 異 なることが 無 いように 注 意 する 必 要 があります ) 外 貨 建 売 掛 金 の 実 務 における 管 理 処 理 事 例 売 掛 金 管 理 台 帳 の 管 理 外 貨 建 ての 売 掛 金 において 売 掛 金 管 理 台 帳 を 外 貨 額 で 管 理 するケースが 通 常 です これは 売 掛 金 の 回 収 および 与 信 管 理 は 外 貨 額 で 行 われることが 主 な 理 由 として 挙 げられます また 売 掛 金 管 理 台 帳 を 外 貨 額 および 円 貨 額 の 両 面 で 管 理 するケースもあります これは 円 貨 額 と 外 貨 額 の 比 較 を 容 易 にすることにより 為 替 変 動 による 影 響 とリスクを 適 時 に 把 握 することが 主 な 理 由 と して 挙 げられます 期 末 に 生 じた 換 算 差 額 を 翌 期 首 に 戻 す 処 理 前 期 末 に 生 じた 売 掛 金 の 換 算 差 額 を 翌 期 首 に 戻 し 回 収 時 あるいは 期 末 時 における 換 算 差 額 を 取 引 時 の 為 替 相 場 による 円 貨 額 との 差 額 により 計 上 する 処 理 を 行 うと 取 引 発 生 時 から 回 収 までに 生 じた 為 替 変 動 による 影 響 を 回 収 時 に 明 確 にすることができます ( 外 国 通 貨 による 記 録 ) 本 邦 内 の 事 業 単 位 において 外 国 通 貨 による 取 引 が 行 われており それらの 取 引 の 決 済 による 外 貨 が 円 転 されることなく 他 の 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 の 決 済 に 恒 常 的 に 用 いられていることから 外 貨 建 取 引 について 取 引 発 生 時 の 外 国 通 貨 により 記 録 することが 合 理 的 であると 認 められる 場 合 には 取 引 発 生 時 の 外 国 通 貨 の 額 をもって 記 録 する 方 法 を 採 用 することができます( 会 計 基 準 注 解 3 実 務 指 針 2) この 場 合 外 国 通 貨 の 額 をもって 記 録 された 外 貨 建 取 引 は 各 月 末 等 一 定 の 時 点 において 当 該 時 点 の 直 物 為 替 相 場 または 合 理 的 な 基 礎 に 基 づいて 算 定 された 一 定 期 間 の 平 均 相 場 による 円 換 算 額 を 付 するものとされています なお 在 外 支 店 においても 同 様 の 状 況 にある 場 合 には 現 地 通 貨 以 外 の 外 国 通 貨 による 取 引 を 当 該 通 貨 により 記 録 することができます 2

( 外 貨 建 債 券 等 の 外 貨 による 非 貨 幣 性 資 産 等 への 再 投 資 ) 外 貨 建 債 券 外 貨 建 預 金 および 外 貨 建 貸 付 金 等 の 貨 幣 性 資 産 に 係 る 受 取 外 貨 額 を 円 転 せずに 外 貨 による 有 形 固 定 資 産 等 の 取 得 に 再 投 資 する 目 的 で 保 有 し 次 の 二 つの 条 件 のいずれも 満 たす 場 合 に は 外 貨 建 預 金 および 外 貨 建 貸 付 金 等 の 換 算 差 額 を 繰 り 延 べ 当 該 外 貨 による 非 貨 幣 性 資 産 等 の 取 得 価 額 に 加 減 することができます なお 再 投 資 までの 期 間 がおおむね 1 年 を 超 える 場 合 には 取 引 の 実 行 可 能 性 について 十 分 に 吟 味 する 必 要 があります( 実 務 指 針 24 項 ) 外 貨 建 債 券 等 の 取 得 の 当 初 から 再 投 資 することを 計 画 していることが 正 式 な 文 書 により 明 確 である こと 同 一 通 貨 同 士 の 取 引 であること (3) 決 済 に 伴 う 損 益 の 処 理 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 の 決 済 ( 外 国 通 貨 の 円 転 換 を 含 む)に 伴 って 生 じた 損 益 は 原 則 として 当 期 の 為 替 差 損 益 として 処 理 します (4) 決 算 時 の 処 理 a. 換 算 方 法 と 換 算 差 額 の 処 理 外 国 通 貨 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 について 決 算 時 においては 以 下 の 換 算 と 処 理 を 行 います 外 貨 建 自 社 発 行 社 債 のうち 転 換 請 求 期 間 満 了 前 の 転 換 社 債 ( 転 換 請 求 の 可 能 性 がないと 認 めら れるものを 除 く)については 発 行 時 の 為 替 相 場 により 円 換 算 した 額 を 付 します ( 為 替 相 場 の 定 義 ) 3

流 通 性 の 低 い 外 国 通 貨 の 実 務 外 国 通 貨 の 中 でも ドルやユーロといったメジャーな 外 国 通 貨 がある 一 方 で 発 展 途 上 国 等 における 外 国 通 貨 といった 流 通 性 の 低 いマイナーな 外 国 通 貨 があります このような 外 国 通 貨 は 適 時 に 為 替 相 場 を 把 握 することができない 場 合 があります このため 実 務 においては 直 近 に 入 手 した 前 月 末 の 直 物 為 替 相 場 を 用 いて 換 算 する 等 入 手 し 得 る 情 報 に 基 づき 最 善 の 処 理 を 実 施 できるように 管 理 することが 必 要 です また 発 展 途 上 国 等 の 外 国 通 貨 は 不 安 定 要 素 も 強 く 著 しい 為 替 相 場 の 変 動 や 通 貨 体 制 の 変 更 等 により 企 業 にとっては 異 常 な 為 替 差 損 益 が 発 生 する 場 合 も 想 定 されます このような 場 合 には 為 替 差 損 益 を 営 業 外 損 益 ではなく 特 別 損 益 として 表 示 することが 妥 当 とされます( 実 務 指 針 69 項 なお 書 き) b. 為 替 差 損 益 の 表 示 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 に 係 る 決 済 差 と 換 算 差 から 生 じた 差 損 益 は ともに 為 替 差 損 益 として 処 理 し 差 益 と 差 損 を 相 殺 した 純 額 で 営 業 外 損 益 として 表 示 します 4

ただし 以 下 のいずれかの 事 象 が 認 められる 場 合 には 特 別 損 益 の 一 項 目 として 表 示 します( 実 務 指 針 28 項 69 項 なお 書 き) 当 該 為 替 差 損 益 の 発 生 の 要 因 となった 取 引 が 経 常 取 引 以 外 の 取 引 であり かつ 金 額 に 重 要 性 があると 認 められる 場 合 特 殊 な 要 因 により 一 事 業 年 度 に 異 常 かつ 多 額 に 発 生 したと 認 められる 場 合 会 計 システムが 外 貨 建 取 引 に 非 対 応 である 場 合 の 弊 害 と 管 理 会 計 システムが 外 貨 建 取 引 に 未 対 応 である 場 合 外 貨 換 算 等 は 取 引 台 帳 等 といったシステム 外 での 管 理 が 必 要 となります このような 場 合 には 以 下 の 弊 害 が 生 ずることが 考 えられます ( 弊 害 の 主 な 例 ) 全 社 的 な 外 貨 の 取 扱 量 や 外 貨 変 動 リスクを 適 時 かつ 適 切 に 把 握 できない 取 引 台 帳 上 で 換 算 および 会 計 処 理 がなされるため 取 引 台 帳 を 支 店 や 現 地 拠 点 等 で 作 成 管 理 し ている 場 合 には 換 算 方 法 および 会 計 処 理 方 法 において 全 社 的 な 統 一 がなされていない 場 合 があ る 決 算 時 に 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 の 期 末 換 算 を 漏 らしてしまう このため 会 計 システムが 外 貨 建 取 引 に 未 対 応 である 場 合 管 理 を 本 社 経 理 等 に 一 元 化 することや 社 内 の 経 理 報 告 規 定 を 見 直 す 等 といった システム 外 での 管 理 体 制 の 見 直 し 構 築 が 必 要 となりま す 2. 在 外 支 店 の 財 務 諸 表 項 目 の 換 算 在 外 支 店 における 外 貨 建 取 引 については 原 則 として 本 店 と 同 様 に 処 理 します ただし 外 国 通 貨 で 表 示 されている 在 外 支 店 の 財 務 諸 表 に 基 づき 本 支 店 合 併 財 務 諸 表 を 作 成 する 場 合 には 次 の 方 法 によることができます (1) 収 益 および 費 用 の 換 算 の 特 例 収 益 および 費 用 ( 前 受 等 の 収 益 性 負 債 による 収 益 化 額 および 前 払 等 の 費 用 性 資 産 による 費 用 化 額 を 除 く)の 換 算 については 期 中 平 均 相 場 によることができます (2) 外 貨 表 示 財 務 諸 表 項 目 の 換 算 の 特 例 在 外 支 店 の 外 国 通 貨 で 表 示 された 財 務 諸 表 項 目 の 換 算 に 当 たり 非 貨 幣 性 項 目 の 額 に 重 要 性 がな い 場 合 には すべての 貸 借 対 照 表 項 目 ( 支 店 における 本 店 勘 定 等 を 除 く)について 決 算 時 の 直 物 為 替 相 場 による 円 換 算 額 を 付 することができます この 場 合 においては 損 益 項 目 についても 決 算 時 の 為 替 相 場 によることができます ( 換 算 の 特 例 を 採 用 できる 場 合 の 重 要 性 の 判 断 基 準 ) 在 外 支 店 の 保 有 する 非 貨 幣 性 項 目 の 金 額 の 重 要 性 は それらを 外 貨 基 準 による 原 則 的 な 換 算 方 法 によって 換 算 した 結 果 と 換 算 の 特 例 によって 換 算 した 結 果 との 差 額 の 当 期 純 損 益 および 利 益 剰 余 金 に 及 ぼす 影 響 に 基 づいて 判 断 します( 実 務 指 針 30 項 ) 5

この 重 要 性 は 換 算 の 特 例 の 採 用 を 予 定 している 全 在 外 支 店 の 非 貨 幣 性 項 目 に 係 る 当 該 差 額 の 合 計 額 によって 重 要 かどうかを 判 断 します (3) 換 算 差 額 の 処 理 本 店 と 異 なる 方 法 により 換 算 することによって 生 じた 換 算 差 額 は 当 期 の 為 替 差 損 益 として 処 理 しま す (4) 在 外 支 店 の 棚 卸 資 産 に 係 る 帳 簿 価 額 の 切 り 下 げ 在 外 支 店 において 外 国 通 貨 で 表 示 されている 棚 卸 資 産 について 収 益 性 の 低 下 等 により 帳 簿 価 額 の 切 り 下 げが 必 要 になる 場 合 外 国 通 貨 による 時 価 または 実 質 価 額 を 決 算 時 の 為 替 相 場 により 円 換 算 した 額 によることになります( 会 計 基 準 注 解 11) ( 為 替 相 場 の 定 義 ) 用 語 期 中 平 均 相 場 定 義 在 外 支 店 の 収 益 および 費 用 の 換 算 に 用 いる 期 中 平 均 相 場 には 当 該 収 益 および 費 用 が 帰 属 する 月 または 半 期 等 を 算 定 期 間 とする 平 均 相 場 を 用 いることができます( 会 計 基 準 注 解 12) 6

外 貨 建 取 引 第 2 回 : 為 替 予 約 等 の 処 理 2010.09.09 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 公 認 会 計 士 山 岸 聡 ヘッジ 対 象 である 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 とヘッジ 手 段 である 為 替 予 約 等 との 関 係 が 金 融 商 品 に 関 する 会 計 基 準 におけるヘッジ 会 計 の 要 件 を 満 たしている 場 合 には 当 該 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 につ いてヘッジ 会 計 を 適 用 することができるとされています ここで 会 計 基 準 においては 従 来 の 実 務 に 対 する 配 慮 から ヘッジ 会 計 を 適 用 する 際 に 当 分 の 間 特 例 として 振 当 処 理 によることができるとされています 今 回 は 会 計 基 準 において 定 められている 特 例 について ポイントを 整 理 していきます 1. 振 当 処 理 の 定 義 振 当 処 理 とは 為 替 予 約 等 により 固 定 されたキャッシュ フローの 円 貨 額 により 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 を 換 算 し 直 物 為 替 相 場 による 換 算 額 との 差 額 を 為 替 予 約 等 の 契 約 締 結 日 から 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 の 決 済 日 までの 期 間 にわたり 配 分 する 方 法 をいいます( 実 務 指 針 3 項 ) 2. 振 当 処 理 の 会 計 処 理 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 に 係 る 為 替 予 約 等 の 振 当 処 理 においては 当 該 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 の 取 得 時 または 発 生 時 ( 決 算 時 の 為 替 相 場 を 付 した 場 合 には 当 該 決 算 時 の 為 替 相 場 )による 円 換 算 額 と 為 替 予 約 等 による 円 貨 額 との 差 額 のうち 直 々 差 額 と 直 先 差 額 に 区 分 した 上 で 処 理 します( 実 務 指 針 8 項 ) (1) 差 額 の 定 義 と 原 則 処 理 直 々 差 額 とは 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 の 取 得 または 発 生 時 から 為 替 予 約 等 の 締 結 時 までに 生 じ ている 直 物 為 替 相 場 の 変 動 による 円 貨 額 をいい 予 約 等 締 結 日 の 属 する 期 の 損 益 として 処 理 します 直 先 差 額 とは 為 替 予 約 等 の 締 結 時 の 直 物 為 替 相 場 と 為 替 予 約 等 の 締 結 レートとの 差 額 の 円 貨 額 をいい 予 約 等 締 結 日 の 属 する 期 から 決 済 日 の 属 する 期 までの 期 間 にわたって 合 理 的 な 方 法 によ り 期 間 配 分 し 各 期 の 損 益 として 処 理 します ( 合 理 的 な 方 法 としては 日 数 または 月 数 による 期 間 を 基 準 として 各 期 へ 配 分 します また 金 額 の 重 要 性 が 乏 しい 場 合 は 為 替 予 約 等 を 締 結 した 日 の 属 する 事 業 年 度 の 損 益 として 処 理 することが 認 めら れます ) 次 期 以 降 に 配 分 された 額 は 貸 借 対 照 表 上 長 期 前 払 費 用 または 長 期 前 受 収 益 として 両 建 て 表 示 し ます ただし 決 済 日 が 決 算 日 から 1 年 内 に 到 来 するものは 前 払 費 用 または 前 受 収 益 として 表 示 しま す 設 例 にしてまとめると 以 下 のようになります 設 例 : 直 々 差 額 と 直 先 差 額 の 算 定 と 処 理 方 法 7

( 前 提 条 件 ) ヘッジ 会 計 の 要 件 を 満 たしているとします ( 取 引 の 概 要 ) 2 月 1 日 取 引 日 : 金 額 $10 決 済 日 を 4 月 30 日 として 商 品 を 輸 入 した 3 月 1 日 締 結 日 : 仕 入 債 務 $10 について 為 替 変 動 リスクを 回 避 するために 為 替 予 約 相 場 $1=\107 か つ 決 済 日 を 期 日 とする 為 替 予 約 契 約 を 締 結 した 3 月 31 日 決 算 日 4 月 30 日 決 済 日 直 物 為 替 相 場 :2 月 1 日 $1=\106 3 月 1 日 $1=\108 ( 算 定 方 法 ) 8

1 合 理 的 な 方 法 としては 日 数 または 月 数 による 期 間 を 基 準 として 各 期 へ 配 分 します 2 直 先 差 額 について 金 額 の 重 要 性 が 乏 しい 場 合 は 為 替 予 約 等 を 締 結 した 日 の 属 する 事 業 年 度 の 損 益 とし て 処 理 することが 認 められます( 実 務 指 針 8 項 ) 3 次 期 以 降 に 配 分 された 額 は 貸 借 対 照 表 上 長 期 前 払 費 用 または 長 期 前 受 収 益 として 両 建 て 表 示 しま す ただし 決 済 日 が 決 算 日 から 1 年 内 に 到 来 するものは 前 払 費 用 または 前 受 収 益 として 表 示 します なお 重 要 性 のないものについては 区 分 掲 記 しないことができます( 実 務 指 針 10 項 ) 4 原 則 は 為 替 差 損 益 に 含 めて 表 示 しますが 合 理 的 な 方 法 により 配 分 された 直 先 差 額 は 金 融 商 品 会 計 に 関 する 実 務 指 針 における 債 券 に 係 る 償 却 原 価 法 に 準 じて 利 息 法 または 定 額 法 により 利 息 の 調 整 項 目 と して 処 理 することもできます( 実 務 指 針 9 項 ) (2) 例 外 処 理 なお 為 替 予 約 等 の 契 約 が 外 貨 建 取 引 の 前 に 締 結 されている 場 合 には 実 務 上 の 煩 雑 性 を 勘 案 し 外 貨 建 取 引 および 金 銭 債 権 債 務 等 に 為 替 予 約 相 場 による 円 換 算 額 を 付 すことができます( 実 務 指 針 8 項 ) 設 例 にしてまとめると 以 下 のようになります 9

設 例 : 外 貨 建 取 引 前 に 為 替 予 約 が 締 結 された 場 合 の 例 外 処 理 ( 前 提 条 件 ) ヘッジ 会 計 の 要 件 を 満 たしているとします また 税 率 は 40%とし 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 ありと 仮 定 しています ( 取 引 の 概 要 ) 2 月 1 日 締 結 日 : 予 定 される 仕 入 取 引 $10 について 為 替 変 動 リスクを 回 避 するために 為 替 予 約 相 場 $1=\112 かつ 決 済 日 を 買 掛 金 の 予 定 決 済 日 5 月 31 日 とする 為 替 予 約 契 約 を 締 結 し た 3 月 31 日 決 算 日 4 月 30 日 取 引 日 : 金 額 $10 決 済 日 を 5 月 31 日 として 商 品 を 購 入 した 5 月 31 日 決 済 日 為 替 相 場 :3 月 31 日 $1=\108 4 月 30 日 $1=\113 為 替 予 約 決 済 日 $1=\114 説 明 の 単 純 化 のため 先 物 為 替 相 場 は 直 物 為 替 相 場 と 同 一 と 仮 定 しています ( 算 定 方 法 ) 10

設 例 では 検 討 を 省 略 していますが 繰 延 ヘッジ 損 益 に 対 する 税 効 果 の 適 用 は 税 効 果 実 務 指 針 に 基 づくとと もに 回 収 可 能 性 の 判 断 においては 貸 借 対 照 表 上 の 純 資 産 の 部 の 表 示 に 関 する 会 計 基 準 等 および 日 本 公 認 会 計 士 協 会 監 査 委 員 会 報 告 第 66 号 に 基 づいて 判 断 する 必 要 があります 3. 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 の 決 済 日 前 の 消 滅 為 替 予 約 等 の 対 象 となった 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 が 予 約 等 の 決 済 日 前 に 消 滅 した 場 合 振 当 処 理 を 終 了 し 次 期 以 降 に 配 分 される 額 は 当 該 金 銭 債 権 債 務 等 が 消 滅 した 期 の 損 益 として 処 理 します( 実 務 指 針 8 項 ) また 期 末 における 為 替 予 約 等 の 未 決 済 残 高 は デリバティブ 取 引 等 に 係 る 会 計 処 理 に 準 拠 して 処 理 します 4. 振 当 処 理 の 適 用 要 件 (1) 会 計 方 針 としての 採 用 振 当 処 理 の 採 用 は 会 計 方 針 として 決 定 する 必 要 があり また ヘッジ 会 計 の 要 件 を 満 たす 限 り 継 続 して 適 用 しなければなりません( 実 務 指 針 3 項 ) 11

なお 金 融 商 品 に 関 する 会 計 基 準 による 原 則 的 処 理 の 採 用 を 決 定 した 後 で 振 当 処 理 へ 変 更 すること は 認 められない 点 に 留 意 が 必 要 です これは 振 当 処 理 は 実 務 に 対 する 配 慮 からの 特 例 であり 原 則 的 処 理 の 採 用 を 決 定 した 後 で 振 当 処 理 へ 変 更 することは 特 例 の 趣 旨 に 反 するためです (2) 振 当 処 理 を 満 たすための 要 件 振 当 処 理 が 認 められるには 取 引 時 および 取 引 時 以 降 において 下 記 のヘッジ 会 計 の 主 な 適 用 要 件 を 満 たすことが 必 要 となります( 実 務 指 針 4 項 ) これらの 詳 細 な 要 件 は 金 融 商 品 に 関 する 会 計 基 準 等 に 基 づき 慎 重 に 判 断 することが 求 められま す 5. 振 当 処 理 の 対 象 となる 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 為 替 予 約 等 を 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 や 予 定 取 引 等 に 付 すことにより 円 貨 でのキャッシュ フローが 固 定 されることから 為 替 予 約 等 についてはヘッジ 会 計 における キャッシュ フローを 固 定 する ヘッジ 取 引 に 相 当 するとして 特 例 処 理 が 認 められています 従 って 振 当 処 理 の 対 象 となる 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 は 為 替 予 約 等 が 振 当 処 理 されることにより 将 来 のキャッシュ フローが 固 定 されるもの に 限 られることになります( 実 務 指 針 5 項 ) なお 次 のような 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 および 予 定 取 引 等 に 関 しては 振 当 処 理 は 認 められていないこ とに 留 意 が 必 要 です ( 認 められない 取 引 等 ) 12

6. 複 数 の 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 と 為 替 予 約 等 との 対 応 ヘッジ 対 象 が 複 数 の 資 産 または 負 債 から 構 成 されている 場 合 における ヘッジ 手 段 に 係 る 損 益 または 評 価 差 額 の 配 分 は 各 ヘッジ 対 象 に 対 するヘッジの 効 果 を 反 映 する 配 分 基 準 に 基 づいて 行 うとされて います( 実 務 指 針 7 項 ) 具 体 的 には 為 替 予 約 等 の 契 約 締 結 時 に 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 の 外 貨 額 を 基 礎 として 為 替 予 約 等 を 比 例 配 分 しますが この 場 合 には 同 様 な 決 済 期 日 を 有 する 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 等 をグルーピ ングして 配 分 することも 認 められます 7. 振 当 処 理 が 認 められる 通 貨 スワップおよび 通 貨 オプション 為 替 予 約 以 外 に 通 貨 スワップおよび 通 貨 オプションにおいてヘッジ 会 計 の 要 件 を 満 たすものは 振 当 処 理 を 採 用 することができますが 相 対 取 引 で 契 約 条 件 を 契 約 当 事 者 の 合 意 により 調 整 することが 可 能 であることから これを 排 除 するため 次 の 条 件 を 満 たすことが 必 要 となります( 実 務 指 針 6 項 ) 13

( 直 先 フラット 型 と 為 替 予 約 型 との 違 い) 直 先 フラット 型 は 通 貨 スワップ 契 約 時 の 直 物 為 替 相 場 に 基 づく 円 貨 額 と 通 貨 スワップ 契 約 満 了 時 の 円 貨 額 が 同 一 となります このため 直 先 フラット 型 は 為 替 予 約 型 と 異 なり 直 先 差 額 は 生 じないことに なります ( 直 先 フラット 型 ) ( 為 替 予 約 型 ) また 振 当 処 理 の 会 計 処 理 は 以 下 のようになります( 実 務 指 針 6 項 ) 1 直 先 フラット 型 においては 契 約 時 と 満 了 時 の 為 替 相 場 の 差 額 は 生 じないため 直 先 差 額 は 生 じ ません 2 合 理 的 な 方 法 には 利 息 法 為 替 予 約 として 振 当 処 理 する 方 法 および 単 純 期 間 配 分 が 考 えられ ます 3 重 要 性 が 乏 しい 場 合 には その 残 高 を 予 約 日 の 属 する 期 の 損 益 として 処 理 できます 1 行 使 価 格 による 円 換 算 額 を 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 に 付 し 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 の 取 得 時 または 発 生 時 の 為 替 相 場 による 円 換 算 額 と 行 使 価 格 による 円 換 算 額 との 差 額 のうち 通 貨 オプションの 契 約 締 結 時 までに 生 じている 為 替 相 場 の 変 動 額 を 表 します 14

2 外 貨 建 金 銭 債 権 債 務 の 取 得 時 または 発 生 時 の 為 替 相 場 による 円 換 算 額 と 行 使 価 格 による 円 換 算 額 との 差 額 から 通 貨 オプションの 契 約 締 結 時 までに 生 じている 為 替 相 場 の 変 動 額 1 を 除 い た 残 高 および 資 産 計 上 している 支 払 オプションを 表 します 3 算 定 された 差 額 および 支 払 オプション 料 の 金 額 に 重 要 性 がない 場 合 には 期 間 配 分 することなく 通 貨 オプション 契 約 を 締 結 した 日 の 属 する 事 業 年 度 の 損 益 として 処 理 することができます 15

外 貨 建 取 引 第 3 回 : 外 貨 建 有 価 証 券 等 の 換 算 と 処 理 2010.09.16 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 公 認 会 計 士 山 岸 聡 外 貨 建 有 価 証 券 等 は 決 算 時 において 保 有 目 的 の 分 類 や 種 類 等 に 基 づき 異 なる 換 算 方 法 や 処 理 を 求 められます このため それぞれに 求 められる 処 理 等 を 適 切 に 把 握 することが 重 要 となります 今 回 は 外 貨 建 有 価 証 券 等 の 決 算 時 のポイントを 整 理 していきます なお ヘッジ 会 計 に 関 しては 前 述 しているため 解 説 の 記 載 から 除 いています 1. 外 貨 建 有 価 証 券 の 換 算 と 会 計 処 理 (1) 外 貨 建 有 価 証 券 の 換 算 方 法 と 換 算 差 額 の 処 理 外 貨 建 有 価 証 券 の 換 算 方 法 と 換 算 差 額 の 処 理 は 保 有 目 的 に 応 じて 次 のようになります 1 ( 外 貨 建 取 得 原 価 + 外 貨 建 ての 償 却 累 計 額 )となります( 実 務 指 針 13 項 ) 2 その 他 有 価 証 券 の 決 算 時 の 時 価 は 原 則 として 期 末 日 の 市 場 価 額 に 基 づいて 算 定 された 価 額 となります が 継 続 適 用 を 条 件 として 期 末 前 1 カ 月 の 市 場 価 格 の 平 均 に 基 づいて 算 定 された 価 額 を 用 いることがで きます その 場 合 には 原 則 として 期 末 前 1 カ 月 間 の 平 均 相 場 により 換 算 することに 留 意 が 必 要 です(ただし 継 続 16

して 適 用 することを 条 件 として 決 算 時 の 直 物 為 替 相 場 により 換 算 することができます )( 実 務 指 針 11 項 なお 書 き) 3 ( 外 貨 建 取 得 原 価 + 外 貨 建 ての 償 却 累 計 額 )となります なお 期 中 における 償 却 原 価 法 による 当 期 償 却 額 は 満 期 保 有 目 的 債 券 と 同 様 に 期 中 平 均 相 場 により 円 換 算 し 利 息 の 調 整 項 目 として 処 理 します( 実 務 指 針 15 項 ) 4 その 他 有 価 証 券 に 属 する 外 貨 建 債 券 については 外 国 通 貨 による 時 価 を 決 算 時 の 為 替 相 場 で 換 算 した 金 額 のうち 外 国 通 貨 による 時 価 の 変 動 に 係 る 換 算 差 額 を 評 価 差 額 とし それ 以 外 の 換 算 差 額 について は 為 替 差 損 益 として 処 理 することができます( 会 計 基 準 注 解 10 実 務 指 針 16 項 ) 5 ( 外 貨 ベースの 評 価 差 額 決 算 時 の 直 物 為 替 相 場 ) (2) 評 価 損 の 換 算 方 法 と 処 理 a. 著 しい 下 落 または 低 下 の 判 断 外 貨 建 有 価 証 券 ( 売 買 目 的 以 外 )について 時 価 の 著 しい 下 落 または 実 質 価 額 の 著 しい 低 下 の 事 実 が 生 じている 場 合 には 評 価 額 の 引 き 下 げが 必 要 となります( 実 務 指 針 18 項 19 項 ) 引 き 下 げの 必 要 性 認 識 測 定 と 判 断 は 時 価 の 有 無 に 応 じて 次 のようになります 1 外 貨 建 その 他 有 価 証 券 のうち 債 券 について 時 価 の 著 しい 下 落 は 生 じていなくても 円 相 場 の 著 しい 上 昇 により 円 換 算 後 の 金 額 が 著 しく 下 落 するときには 外 貨 建 ての 時 価 を 決 算 時 の 為 替 相 場 により 円 換 算 し この 場 合 に 生 じる 換 算 差 額 を 当 期 の 損 失 として 処 理 します( 実 務 指 針 19 項 なお 書 き) 2 時 価 が 著 しく 下 落 した 場 合 とは 必 ずしも 数 値 化 できるものではないため 金 融 商 品 に 関 する 会 計 基 準 等 に 従 い 状 況 に 応 じて 慎 重 に 判 断 する 必 要 があります( 金 融 商 品 会 計 に 関 する 適 用 指 針 91 項 ) 3 外 貨 建 ての 実 質 価 額 の 算 定 に 当 たり 資 産 等 の 時 価 評 価 のための 資 料 が 合 理 的 に 入 手 できる 場 合 に は 当 該 資 産 等 の 時 価 評 価 に 基 づく 評 価 差 額 等 を 加 味 して 外 貨 建 ての 実 質 価 額 を 算 定 します b. 評 価 額 の 引 き 下 げ 評 価 額 の 引 き 下 げが 必 要 と 判 断 された 場 合 引 き 下 げ 後 の 外 貨 建 有 価 証 券 の 換 算 と 換 算 差 額 の 処 理 方 法 は 次 のようになります( 実 務 指 針 18 項 19 項 ) 17

著 しい 物 価 変 動 等 を 起 因 とした 為 替 相 場 の 変 動 の 著 しい 状 況 において 実 質 価 額 の 著 しい 低 下 により 評 価 額 の 引 き 下 げが 求 められる 時 価 のない 外 貨 建 有 価 証 券 については 再 評 価 (インフレ 会 計 適 用 により 実 質 的 に 再 評 価 している 場 合 を 含 む) 後 の 外 国 通 貨 による 実 質 価 額 を 決 算 時 の 為 替 相 場 により 円 換 算 した 額 を 付 すことができます 2. 外 貨 建 保 有 転 換 社 債 型 新 株 予 約 権 付 社 債 および 外 貨 建 保 有 転 換 社 債 の 決 算 時 の 会 計 処 理 外 貨 建 保 有 転 換 社 債 型 新 株 予 約 権 付 社 債 および 外 貨 建 保 有 転 換 社 債 の 決 算 時 の 円 換 算 は 保 有 目 的 に 応 じて 次 のように 行 います( 実 務 指 針 19-9 項 21 項 ) なお 子 会 社 または 関 連 会 社 により 発 行 されたものは 転 換 請 求 の 可 能 性 に 応 じて 処 理 が 異 なりま す 転 換 請 求 の 可 能 性 がないと 認 められる 場 合 とは 外 貨 ベースで 当 該 転 換 社 債 の 転 換 価 格 が 転 換 の 対 象 となる 株 式 の 相 場 を 大 きく 上 回 り 転 換 請 求 期 間 満 了 前 に 相 場 の 相 当 な 変 動 ( 過 去 の 変 動 額 に 基 づき 現 在 の 株 価 為 替 相 場 およびその 他 の 要 因 を 考 慮 して 予 測 したもの)があっても これを 逆 転 するとは 考 えられ ない 状 況 をいいます( 実 務 指 針 22 項 ) 3. 外 貨 建 保 有 新 株 予 約 権 の 決 算 時 の 換 算 方 法 外 貨 建 保 有 新 株 予 約 権 は 保 有 目 的 区 分 に 応 じて 売 買 目 的 有 価 証 券 またはその 他 有 価 証 券 として 会 計 処 理 することとされており 時 価 評 価 されることから 決 算 時 の 為 替 相 場 により 換 算 されます( 実 務 指 針 19-5 項 ) 18

4. 外 貨 建 自 己 新 株 予 約 権 の 決 算 時 の 会 計 処 理 (1) 期 末 時 の 換 算 方 法 外 貨 建 自 己 新 株 予 約 権 は 取 得 原 価 による 帳 簿 価 額 を 純 資 産 の 部 の 新 株 予 約 権 から 原 則 として 直 接 控 除 することとされているため 決 算 時 の 円 貨 への 換 算 は 取 得 時 の 為 替 相 場 によります( 実 務 指 針 19-5-3 項 ) (2) 外 貨 建 自 己 新 株 予 約 権 の 損 失 処 理 a. 損 失 処 理 の 概 要 外 貨 建 自 己 新 株 予 約 権 の 帳 簿 価 額 が 対 応 する 新 株 予 約 権 の 帳 簿 価 額 を 超 える 場 合 において 当 該 外 貨 建 自 己 新 株 予 約 権 の 時 価 が 著 しく 下 落 し 回 復 する 見 込 みが 認 められないときは 時 価 との 差 額 を 当 期 の 損 失 として 処 理 します (ただし 外 貨 建 自 己 新 株 予 約 権 の 時 価 が 対 応 する 新 株 予 約 権 の 帳 簿 価 額 を 下 回 るときは 当 該 外 貨 建 自 己 新 株 予 約 権 の 帳 簿 価 額 と 当 該 新 株 予 約 権 の 帳 簿 価 額 と の 差 額 を 当 期 の 損 失 として 処 理 します ) また 外 貨 建 自 己 新 株 予 約 権 が 処 分 されないものと 認 められるときは 当 該 自 己 新 株 予 約 権 の 帳 簿 価 額 と 対 応 する 新 株 予 約 権 の 帳 簿 価 額 との 差 額 を 損 失 処 理 します( 実 務 指 針 19 項 -5-3) b. 損 失 処 理 の 判 断 外 貨 建 自 己 新 株 予 約 権 の 帳 簿 価 額 が 対 応 する 新 株 予 約 権 の 帳 簿 価 額 を 超 える かどうかは 両 者 の 円 換 算 後 の 帳 簿 価 額 を 比 較 して 判 断 します また 外 貨 建 自 己 新 株 予 約 権 の 当 該 時 価 が 著 しく 下 落 した かどうかは 外 貨 建 ての 時 価 と 外 貨 建 て の 取 得 原 価 を 比 較 して 判 断 します( 実 務 指 針 19-5-3 項 ) c. 損 失 処 理 時 の 換 算 外 貨 建 自 己 新 株 予 約 権 の 帳 簿 価 額 と 時 価 との 差 額 を 当 期 の 損 失 として 処 理 する 際 には 外 貨 建 ての 時 価 を 決 算 時 の 為 替 相 場 により 円 換 算 した 額 をもって 当 該 時 価 とします なお 外 貨 建 自 己 新 株 予 約 権 が 処 分 されないものと 認 められる 場 合 には 外 貨 建 自 己 新 株 予 約 権 の 帳 簿 価 額 は 取 得 時 の 為 替 相 場 対 応 する 外 貨 建 新 株 予 約 権 の 帳 簿 価 額 は 発 行 時 の 為 替 相 場 により 換 算 されます( 実 務 指 針 19-5-3 項 ) 19

外 貨 建 取 引 第 4 回 : 在 外 子 会 社 の 換 算 と 処 理 2010.09.24 新 日 本 有 限 責 任 監 査 法 人 公 認 会 計 士 山 岸 聡 連 結 手 続 において 在 外 子 会 社 の 取 扱 いは 在 外 支 店 とは 異 なり 複 雑 なものとなっており 項 目 ごとに 整 理 する 必 要 があります 今 回 は 在 外 子 会 社 等 の 財 務 諸 表 の 円 換 算 から 連 結 手 続 について 実 務 上 必 要 と 思 われるポイント を 整 理 していきます 1. 在 外 子 会 社 等 の 財 務 諸 表 項 目 の 換 算 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 または 持 分 法 の 適 用 に 当 たり 外 国 にある 子 会 社 または 関 連 会 社 の 外 国 通 貨 で 表 示 されている 財 務 諸 表 項 目 の 換 算 は 次 の 方 法 によります なお 損 益 計 算 書 株 主 資 本 等 変 動 計 算 書 貸 借 対 照 表 の 流 れで 換 算 を 進 めると 容 易 に 理 解 が 進 むため 同 様 の 流 れで 解 説 を 記 載 しています (1) 損 益 計 算 書 収 益 および 費 用 収 益 および 費 用 については 原 則 として 期 中 平 均 相 場 による 円 換 算 額 を 付 します ただし 決 算 時 の 為 替 相 場 による 円 換 算 額 を 付 することを 妨 げないとされています なお 親 会 社 との 取 引 による 収 益 および 費 用 の 換 算 については 親 会 社 が 換 算 に 用 いる 為 替 相 場 に よります この 場 合 に 生 じた 差 額 は 当 期 の 為 替 差 損 益 として 処 理 します ( 円 換 算 後 の 在 外 子 会 社 個 別 損 益 計 算 書 イメージ) ( 為 替 相 場 の 定 義 ) 20

(2) 株 主 資 本 等 変 動 計 算 書 下 記 の 項 目 ごとに 換 算 していきます a. 親 会 社 による 株 式 の 取 得 時 における 資 本 に 属 する 項 目 親 会 社 による 株 式 の 取 得 時 における 資 本 に 属 する 項 目 については 株 式 取 得 時 の 為 替 相 場 による 円 換 算 額 を 付 します b. 親 会 社 による 株 式 の 取 得 後 に 生 じた 資 本 に 属 する 項 目 親 会 社 による 株 式 の 取 得 後 に 生 じた 資 本 に 属 する 項 目 については 当 該 項 目 の 発 生 時 の 為 替 相 場 に よる 円 換 算 額 を 付 します なお 利 益 剰 余 金 における 当 期 純 利 益 (または 損 失 )については 損 益 計 算 書 上 において 計 上 された 円 換 算 額 を 計 上 します c. 親 会 社 による 株 式 の 取 得 後 に 生 じた 在 外 子 会 社 等 の 支 払 配 当 金 親 会 社 による 株 式 の 取 得 後 に 生 じた 在 外 子 会 社 の 支 払 配 当 金 について 配 当 決 議 日 に 現 地 通 貨 に より 記 録 されている 場 合 には 財 務 諸 表 の 項 目 の 換 算 に 際 し 支 払 配 当 金 は 当 該 配 当 決 議 日 の 為 替 相 場 により 円 換 算 します( 実 務 指 針 44 項 ) d. 親 会 社 による 株 式 の 取 得 後 に 生 じた 評 価 換 算 差 額 等 親 会 社 による 株 式 の 取 得 後 に 生 じた 有 価 証 券 等 の 評 価 換 算 差 額 に 属 する 項 目 については 決 算 時 の 為 替 相 場 による 円 換 算 額 を 付 します( 実 務 指 針 36 項 ) 21

(3) 貸 借 対 照 表 下 記 の 項 目 ごとに 換 算 していきます a. 資 産 および 負 債 資 産 および 負 債 については 決 算 時 の 為 替 相 場 による 円 換 算 額 を 付 します b. 在 外 子 会 社 の 簿 価 修 正 に 伴 う 資 産 負 債 と 繰 延 税 金 資 産 負 債 資 本 連 結 手 続 上 在 外 子 会 社 の 資 産 および 負 債 の 時 価 評 価 等 によって 生 じた 簿 価 修 正 額 とそれに 対 応 して 計 上 した 繰 延 税 金 資 産 および 繰 延 税 金 負 債 は 在 外 子 会 社 の 個 別 財 務 諸 表 上 の 他 の 資 産 お よび 負 債 と 同 様 に 毎 期 決 算 時 の 為 替 相 場 により 円 換 算 します( 実 務 指 針 37 項 ) c. 純 資 産 の 部 における 資 本 等 の 金 額 株 主 資 本 等 変 動 計 算 書 における 円 換 算 額 を 計 上 します d. 換 算 差 額 の 処 理 ( 換 算 差 額 の 表 示 ) 在 外 子 会 社 の 貸 借 対 照 表 上 の 換 算 においては 過 年 度 の 為 替 相 場 等 を 含 めた 複 数 の 換 算 方 法 によ り 換 算 されますが 損 益 計 算 書 および 株 主 資 本 等 変 動 計 算 書 では 異 なる 換 算 を 実 施 することから 貸 借 対 照 表 の 換 算 後 貸 借 に 換 算 差 額 が 生 じます この 換 算 によって 生 じた 換 算 差 額 については 為 替 換 算 調 整 勘 定 として 貸 借 対 照 表 の 純 資 産 の 部 に 記 載 します ( 税 効 果 会 計 の 適 用 ) 純 資 産 の 部 に 計 上 された 為 替 換 算 調 整 勘 定 は 親 会 社 の 将 来 減 算 一 時 差 異 または 将 来 加 算 一 時 差 異 に 該 当 するため 税 効 果 会 計 の 対 象 となりますが 為 替 換 算 調 整 勘 定 による 税 金 への 効 果 実 現 は 子 会 社 等 の 株 式 を 売 却 したときなどに 限 定 されます( 実 務 指 針 43 項 連 結 財 務 諸 表 における 税 効 果 22

会 計 に 関 する 実 務 指 針 38 項 -2) このため 税 効 果 の 適 用 は 子 会 社 等 の 売 却 の 意 思 が 明 確 な 場 合 等 に 限 定 されます ( 円 換 算 換 算 差 額 処 理 後 の 在 外 子 会 社 個 別 貸 借 対 照 表 イメージ) 子 会 社 等 の 売 却 の 意 思 が 明 確 な 場 合 等 には 税 効 果 会 計 が 適 用 されます 2. 少 数 株 主 持 分 割 合 相 当 額 の 按 分 少 数 株 主 持 分 は 為 替 換 算 調 整 勘 定 を 含 む 資 本 のうち 少 数 株 主 持 分 割 合 相 当 額 を 少 数 株 主 持 分 に 振 り 替 えます この 結 果 少 数 株 主 持 分 は 全 面 時 価 評 価 法 による 評 価 差 額 を 含 む 在 外 子 会 社 の 現 地 通 貨 による 資 本 のうち 少 数 株 主 の 持 分 割 合 相 当 額 を 決 算 時 の 為 替 相 場 により 換 算 した 額 と 一 致 す ることになります( 実 務 指 針 39 項 ) ( 少 数 株 主 持 分 の 按 分 イメージ) 在 外 子 会 社 貸 借 対 照 表 上 の 純 資 産 株 主 資 本 等 変 動 計 算 書 における 期 末 残 高 為 替 換 算 調 整 勘 定 1 2 少 数 株 主 持 分 全 面 時 価 評 価 法 による 評 価 差 額 を 含 む 在 外 子 会 社 の 現 地 通 貨 による 資 本 のうち 少 数 株 主 持 分 割 合 相 当 額 を 決 算 時 の 為 替 相 場 により 円 換 算 した 額 と 一 致 する 1 子 会 社 等 の 売 却 の 意 思 が 明 確 な 場 合 等 には 税 効 果 会 計 が 適 用 されます 2 連 結 手 続 上 において 生 じたのれんの 換 算 で 発 生 した 為 替 換 算 調 整 勘 定 については 親 会 社 持 分 に 係 るものであることから 少 数 株 主 持 分 には 振 り 替 えません 3. のれんまたは 負 ののれん (1) 支 配 獲 得 時 の 把 握 のれんまたは 負 ののれんは 親 会 社 が 在 外 子 会 社 ( 財 務 諸 表 項 目 が 外 国 通 貨 表 示 )を 連 結 する 場 合 に 原 則 として 支 配 獲 得 時 (みなし 取 得 日 を 用 いる 場 合 には 子 会 社 の 決 算 日 (みなし 取 得 日 ))に 当 該 外 国 通 貨 で 把 握 します( 実 務 指 針 40 項 ) (2) のれんまたは 負 ののれんの 換 算 と 処 理 a. のれん 23

外 国 通 貨 で 把 握 されたのれんの 期 末 残 高 については 決 算 時 の 為 替 相 場 により 換 算 し のれんの 当 期 償 却 額 については 原 則 として 在 外 子 会 社 の 会 計 期 間 に 基 づく 期 中 平 均 相 場 により 他 の 費 用 と 同 様 に 換 算 します( 実 務 指 針 40 項 ) また 当 該 換 算 により 為 替 換 算 調 整 勘 定 が 生 じますが 親 会 社 持 分 に 係 るものであるため 少 数 株 主 持 分 には 振 り 替 えません (のれんの 平 成 20 年 改 正 の 改 正 点 ) 従 来 在 外 子 会 社 の 取 得 により 生 じたのれんについては 親 会 社 の 通 貨 である 取 得 時 の 円 貨 額 で 固 定 されているとの 考 えに 基 づき 取 得 時 の 円 貨 額 で 把 握 され その 後 の 為 替 変 動 による 影 響 を 受 けな いとされていました しかし 平 成 20 年 改 正 では 以 下 の 理 由 によりのれんは 外 国 通 貨 で 把 握 し 決 算 日 の 為 替 相 場 で 換 算 することとされました のれんの 主 要 な 部 分 は 実 質 的 に 個 別 の 認 識 の 要 件 を 満 たさない 資 産 を 構 成 するものと 考 えられるた め 在 外 子 会 社 株 式 の 取 得 により 生 じるのれんは 当 該 在 外 子 会 社 の 他 の 資 産 と 同 様 に 在 外 子 会 社 の 現 地 通 貨 で 発 生 したものと 見 て 換 算 することが 整 合 的 であるため 在 外 子 会 社 の 子 会 社 ( 在 外 孫 会 社 )の 連 結 においては 親 会 社 が 在 外 孫 会 社 の 財 務 諸 表 を 直 接 換 算 する 場 合 と 在 外 子 会 社 の 連 結 財 務 諸 表 として 換 算 する 場 合 があるが 在 外 孫 会 社 を 資 本 連 結 する 際 に 生 じたのれんを 決 算 日 の 為 替 相 場 で 換 算 することにより 整 合 的 に 取 り 扱 うことができるた め b. 負 ののれん 負 ののれんは 取 得 時 または 発 生 時 の 為 替 相 場 で 換 算 し 負 ののれんが 生 じた 事 業 年 度 の 利 益 として 処 理 します( 実 務 指 針 40 項 ) また 負 ののれんは 生 じた 事 業 年 度 の 利 益 として 処 理 するため 為 替 換 算 調 整 勘 定 は 発 生 しませ ん 4. 在 外 子 会 社 等 の 決 算 日 が 連 結 決 算 日 と 異 なる 場 合 の 換 算 (1) 貸 借 対 照 表 在 外 子 会 社 等 の 決 算 日 が 連 結 決 算 日 と 異 なる 場 合 在 外 子 会 社 等 の 貸 借 対 照 表 項 目 の 換 算 は 在 外 子 会 社 等 の 決 算 日 における 為 替 相 場 を 用 いて 換 算 します( 実 務 指 針 33 項 ) なお 連 結 決 算 日 との 差 異 期 間 内 において 為 替 相 場 に 重 要 な 変 動 があった 場 合 には 在 外 子 会 社 等 は 連 結 決 算 日 に 正 規 の 決 算 に 準 ずる 合 理 的 な 手 続 による 決 算 を 行 い 当 該 決 算 に 基 づく 貸 借 対 照 表 項 目 を 連 結 決 算 日 の 為 替 相 場 で 換 算 する 必 要 があることに 留 意 が 必 要 です (2) 損 益 計 算 書 在 外 子 会 社 等 の 決 算 日 が 連 結 決 算 日 と 異 なる 場 合 在 外 子 会 社 等 の 損 益 計 算 書 項 目 の 換 算 に 適 用 される 期 中 平 均 相 場 は 当 該 在 外 子 会 社 等 の 会 計 期 間 に 基 づく 期 中 平 均 相 場 になります( 実 務 指 針 34 項 ) 24

5. 子 会 社 持 分 に 係 るヘッジ 取 引 (1) 会 計 処 理 の 概 要 ヘッジ 会 計 の 要 件 と 満 たした 場 合 子 会 社 に 対 する 持 分 への 投 資 をヘッジ 対 象 としたヘッジ 手 段 から 生 じた 為 替 換 算 差 額 について 為 替 換 算 調 整 勘 定 に 含 めて 処 理 する 方 法 を 採 用 することができます ( 会 計 処 理 基 注 解 13) ただし ヘッジ 手 段 から 発 生 する 換 算 差 額 が ヘッジ 対 象 となる 子 会 社 に 対 する 持 分 から 発 生 する 為 替 換 算 調 整 勘 定 を 上 回 った 場 合 には その 超 過 額 を 当 期 の 損 益 として 処 理 することになります(なお 税 効 果 控 除 後 の 換 算 差 額 をもって 為 替 換 算 調 整 勘 定 をヘッジする 方 法 によっている 場 合 には 税 引 後 の 換 算 差 額 と 為 替 換 算 調 整 勘 定 とを 比 較 して 超 過 額 を 算 定 します )( 実 務 指 針 35 項 ) (2) ヘッジ 会 計 の 要 件 この 場 合 のヘッジ 会 計 の 要 件 は 金 融 商 品 会 計 に 関 する 実 務 指 針 に 準 拠 することになります その 際 に ヘッジ 対 象 とヘッジ 手 段 が 同 一 通 貨 の 場 合 には 要 件 の 一 つである 有 効 性 に 関 するテストを 省 略 することができます( 実 務 指 針 35 項 ) (3) 持 分 法 適 用 会 社 持 分 法 適 用 会 社 に 対 する 持 分 への 投 資 についてヘッジ 取 引 を 行 っている 場 合 にも 同 様 な 経 済 的 効 果 が 認 められるため 在 外 子 会 社 の 場 合 と 同 様 に 取 り 扱 うとされています 6. 持 分 変 動 ( 減 少 )に 伴 う 為 替 換 算 調 整 勘 定 の 処 理 (1) 会 計 処 理 の 概 要 持 分 変 動 により 親 会 社 の 持 分 比 率 が 減 少 する 場 合 連 結 貸 借 対 照 表 に 計 上 されている 為 替 換 算 調 整 勘 定 は 持 分 比 率 の 減 少 割 合 相 当 額 が 実 現 したこととなるため その 額 を 株 式 売 却 損 益 として 連 結 損 益 計 算 書 に 計 上 します これは 連 結 貸 借 対 照 表 の 純 資 産 の 部 に 計 上 された 為 替 換 算 調 整 勘 定 は 在 外 子 会 社 等 に 対 する 投 資 持 分 から 発 生 した 未 実 現 の 為 替 差 損 益 としての 性 格 を 有 すると 考 え られるためです( 実 務 指 針 42 項 ) 25

(2) 連 結 修 正 手 続 における 具 体 的 な 会 計 処 理 個 別 損 益 計 算 書 に 計 上 された 株 式 売 却 損 益 に 含 まれる 為 替 差 損 益 相 当 額 を 連 結 損 益 計 算 書 におい てもそのまま 計 上 するために 連 結 貸 借 対 照 表 に 計 上 されている 為 替 換 算 調 整 勘 定 のうち 売 却 持 分 相 当 額 の 取 崩 処 理 を 行 います 7. 未 実 現 損 益 の 消 去 方 法 連 結 会 社 間 の 棚 卸 資 産 の 売 買 およびその 他 の 取 引 に 係 る 未 実 現 損 益 は 売 却 日 に 売 却 元 から 生 じ ることから 取 得 時 または 発 生 時 の 為 替 相 場 で 換 算 します( 実 務 指 針 45 項 ) ただし 取 得 時 または 発 生 時 の 為 替 相 場 に 代 えて 実 務 上 原 則 的 な 方 法 により 難 い 場 合 には 合 理 的 な 為 替 相 場 を 使 用 して 未 実 現 損 益 を 計 算 することができるとされています なお 未 実 現 損 益 を 消 去 した 後 に 棚 卸 資 産 の 売 却 や 固 定 資 産 の 減 価 償 却 等 を 通 じて 実 現 した 未 実 現 損 益 を 戻 入 処 理 する 必 要 がありますが 未 実 現 損 益 の 円 貨 額 は 売 却 年 度 で 確 定 しており その 後 に 為 替 変 動 の 影 響 は 受 けないとされています このため 在 外 子 会 社 等 の 外 貨 による 売 上 原 価 や 減 価 償 却 費 自 体 の 円 換 算 は 決 算 ごとの 為 替 相 場 によりますが 未 実 現 損 益 の 戻 入 金 額 は 売 却 年 度 の 円 貨 額 で 固 定 され 固 定 資 産 等 の 減 価 償 却 性 資 産 に 係 る 未 実 現 損 益 については 減 価 償 却 方 法 および 耐 用 年 数 等 に 基 づき 規 則 的 に 戻 し 入 れることになります( 実 務 指 針 45 項 1) 8. 在 外 持 分 法 適 用 会 社 の 財 務 諸 表 項 目 の 換 算 と 連 結 方 法 在 外 持 分 法 適 用 会 社 の 財 務 諸 表 項 目 の 換 算 は 在 外 子 会 社 の 財 務 諸 表 項 目 の 換 算 と 同 様 の 処 理 を 行 い 損 益 計 算 書 上 の 当 期 純 損 益 の 持 分 相 当 額 を 持 分 法 による 投 資 損 益 として 連 結 損 益 計 算 書 上 の 営 業 外 損 益 の 区 分 に 計 上 するとともに 取 得 後 の 利 益 剰 余 金 の 持 分 相 当 額 について 投 資 勘 定 と 利 益 剰 余 金 の 修 正 を 行 います 在 外 持 分 法 適 用 会 社 の 財 務 諸 表 項 目 の 換 算 から 生 じた 為 替 換 算 調 整 勘 定 の 持 分 相 当 額 は 連 結 上 の 為 替 換 算 調 整 勘 定 として 純 資 産 の 部 に 計 上 します( 実 務 指 針 46 項 ) 26