23年度改善提案~医療現場での取組~.indd



Similar documents
Microsoft Word - 目次.doc

2 平 均 病 床 数 の 平 均 病 床 数 では 療 法 人 に 対 しそれ 以 外 の 開 設 主 体 自 治 体 社 会 保 険 関 係 団 体 その 他 公 的 の 規 模 が 2.5 倍 程 度 大 きく 療 法 人 に 比 べ 公 的 病 院 の 方 が 規 模 の 大 き いことが

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

3 保 険 料 ( 掛 金 )を 納 めていること 原 則 として 初 診 日 月 前 々 月 まで 国 民 年 金 加 入 期 間 全 体 うち 3 分 2 以 上 きち んと 納 めている( 保 険 料 免 除 期 間 も 含 む)ことが 必 要 です 現 在 は 特 例 として 初 診 日 が

2 1.ヒアリング 対 象 (1) 対 象 範 囲 分 類 年 金 医 療 保 険 雇 用 保 険 税 備 考 厚 生 年 金 の 資 格 喪 失 国 民 年 金 の 加 入 老 齢 給 付 裁 定 請 求 など 健 康 保 険 の 資 格 喪 失 国 民 健 康 保 険 の 加 入 健 康 保 険

毎 月 の 給 与 等 ( )を 一 定 の 等 級 区 分 にあてはめた 標 準 月 額 の 上 限 が 現 行 の47 等 級 から50 等 級 に 改 正 されます ( 別 紙 健 康 保 険 料 額 表 参 照 ) なお 法 改 正 に 伴 い 標 準 月 額 が 改 定 される 方 につい

5 民 間 事 業 者 における 取 扱 いについて( 概 要 資 料 P.17~19) 6 法 人 番 号 について( 概 要 資 料 P.4) (3) 社 会 保 障 税 番 号 制 度 のスケジュールについて( 概 要 資 料 P.20) 1 平 成 27 年 10 月 から( 施 行 日 は

<4D F736F F D20836E E819592E88C5E B F944E82548C8E89FC90B3816A5F6A D28F57>


Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

第 3 節 結 果 1. 調 査 票 の 回 収 324 か 所 から 回 答 を 得 た ( 回 収 率 29.5%) 一 般 診 療 所 総 数 回 答 数 回 収 率 (%) 大 津 湖 南 甲 賀 東 近 江

< F2D E9696B D81698B5E8B6089F08EDF>

Microsoft PowerPoint _GP向けGL_final

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

<4D F736F F D2090BC8BBB959491BA8F5A91EE8A C52E646F63>

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>


障害福祉制度あらまし目次

目  次

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

別 紙 軽 費 老 人 ホームの 収 入 認 定 について 平 成 22 年 3 月 9 日 千 葉 県 健 康 福 祉 部 高 齢 者 福 祉 課 本 紙 は 平 成 18 年 1 月 24 日 老 発 第 号 厚 生 労 働 省 老 健 局 長 通 知 老 人 保 護 措 置 費

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

< F2D A C5817A C495B6817A>

Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

Microsoft Word - h28rifo

Microsoft Word - nagekomi栃木県特定医療費(指定難病)支給認定申請手続きのご案内 - コピー

・モニター広告運営事業仕様書

01.活性化計画(上大久保)

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

003-00個人の健康増進・疾病予防の推進のための所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

<4D F736F F D2095CA8E A90DA91B18C9F93A289F1939A8F D8288B3816A5F E646F63>

募集要項

<4D F736F F D C689D789B582B581698AAE90AC92CA926D816A2E646F63>

(Microsoft Word _10\214\216\222\262\215\270\203\212\203\212\201[\203X_\215\305\217I\215e.doc)

<4D F736F F D D87817A93C197E18C8892E AA8E862E646F6378>

4 調 査 の 対 話 内 容 (1) 調 査 対 象 財 産 の 土 地 建 物 等 を 活 用 して 展 開 できる 事 業 のアイディアをお 聞 かせく ださい 事 業 アイディアには, 次 の 可 能 性 も 含 めて 提 案 をお 願 いします ア 地 域 の 活 性 化 と 様 々な 世

KYOSAI 号CC2014.indd

<4D F736F F D2093CD8F6F82AA954B977682C88C9A95A882CC94BB926682CC DD5F48508C668DDA E646F63>

2 運 営 状 況 (1) 特 筆 すべき 事 項 ( 地 域 貢 献 の 実 績 取 組 成 果 ) 東 日 本 大 震 災 被 災 者 サポートカード 提 示 者 に 利 用 料 金 の 割 引 サービスを 行 った ま た 夏 の 節 電 家 族 でお 出 かけ 節 電 キャンペーン を 実

各論_1章〜7章.indd

目 次 1. 社 会 保 障 分 野 でできること 1 1 高 額 医 療 高 額 介 護 合 算 制 度 の 改 善 2 保 険 証 機 能 の 一 元 化 3 自 己 診 療 情 報 の 活 用 4 給 付 可 能 サービスの 行 政 側 からの 通 知 2. 年 金 分 野 でできること 5

<4D F736F F F696E74202D20838C837C815B B F A2E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

( 減 免 の 根 拠 等 ) 第 1 条 こ の 要 綱 は, 地 方 税 法 第 条 の 規 定 に 基 づ く 市 税 条 例 第 6 9 条 の 2 の 規 定 を 根 拠 と す る 身 体 障 害 者 等 に 対 す る 軽 自 動 車 税 の 減 免 の 具 体 的 な 対

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

<8B8B95742E786C73>

住宅改修の手引き(初版)

( 前 ページから 続 く) 次 のいずれかに 該 するかたは 受 給 できません 施 設 に 入 所 しているかた 病 院 に3か 月 を 超 えて 続 けて 入 院 しているかた 受 給 者 本 人 または 扶 養 義 務 者 等 の 所 得 が 制 限 額 ( 別 表 1P.135)の 限 度

Microsoft Word - 第14回不動産DI調査報告書 修正 

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

Taro-iryouhoken

全設健発第     号

1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

訪 問 看 護 と 看 護 職 員 による の 選 択 主 治 医 意 見 書 において 訪 問 看 護 と 看 護 職 員 の 訪 問 による 相 談 支 援 の 両 方 の 項 にチェ ックがある 場 合 どちらのサービスを 優 先 すべ きか 以 下 の 場 合 は どのように 取 扱 うのか

< F2D874491E682528FCD2091E DF C A2E>

1604_栄養科 がん患者向け食事のヒント.indd

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

改 正 後 医 療 費 控 除 の 対 象 となる 在 宅 療 養 の 介 護 費 用 の 証 明 について 改 正 前 医 療 費 控 除 の 対 象 となる 在 宅 療 養 の 介 護 費 用 の 証 明 について 平 成 2 年 7 月 27 日 老 福 第 145 号 平 成 2 年 7 月

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

Microsoft Word 印刷ver 本編最終no1(黒字化) .doc

任意整理について | 多重債務Q&A | 公益財団法人 日本クレジットカウンセリング協会


人事行政の運営状況の報告について

参 考 資 料 2 市 町 村 一 部 事 務 組 合 容 器 包 装 リサイクル 担 当 者 様 平 成 26 年 3 月 20 日 ( 公 財 ) 日 本 容 器 包 装 リサイクル 協 会 PETボトル 事 業 部 PET ボトル:ベール 品 質 調 査 でのラベル 有 無 の 確 認 につい

特別徴収封入送付作業について

HIV感染防止マニュアル(出力用).indd

自 分 にあった 健 康 保 険 を 見 つけよう! それぞれの 健 康 保 険 の 特 徴 を 踏 まえ 自 分 にあった 健 康 保 険 を 選 ぶようにしましょう! 今 までの 収 入 扶 養 家 族 の 有 無 によって どの 健 康 保 険 に 加 入 するとメリットがあるか 参 考 にし

Microsoft Word - 3大疾病保障特約付団体信用生命保険の概要_村上.docx

川崎市木造住宅耐震診断助成金交付要綱

Ⅰ 年 金 制 度 昭 和 37 年 12 月 1 日 に 地 方 公 務 員 等 共 済 組 合 法 が 施 行 され 恩 給 から 年 金 へ 昭 和 61 年 4 月 から 20 歳 以 上 60 歳 未 満 のすべての 国 民 が 国 民 年 金 に 加 入 厚 生 年 金 基 金 職 域

Microsoft Word - (課×県・指定)【頭紙】「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」等の一部改正について.rtf

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

類 ( 番 号 を 記 載 ) 施 設 名 事 所 名 所 在 事 開 始 年 月 日 事 規 模 ( 定 員 ) 公 益 事 必 要 な 者 に 対 し 相 談 情 報 提 供 助 言 行 政 や 福 祉 保 健 医 療 サービス 事 者 等 との 連 絡 調 整 を 行 う 等 の 事 必 要

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

神 経 系 統 の 機 能 神 経 系 統 の 機 能 の 著 しい 障 害 とは 脳 の 器 質 障 害 四 肢 その 他 の 神 経 の 損 傷 によって 生 じる 灼 熱 痛 脳 神 経 及 び 脊 髄 神 経 の 外 傷 その 他 の 原 因 による 神 経 痛 等 により 特 に 軽 易

(現行版)工事成績書と評定表をあわせた_docx

公表表紙

<4D F736F F D BB8FCF956982CC8D7793FC88D38CFC92B28DB85F838A838A815B83585F834A B5F2E646F63>

Microsoft Word - 公表用答申422号.doc


公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

類 ( 番 号 を 記 載 ) 施 設 名 事 所 名 所 在 事 開 始 年 月 日 事 規 模 ( 定 員 ) 公 益 事 1 必 要 な 者 に 対 し 相 談 情 報 提 供 助 言 行 政 や 福 祉 保 健 医 療 サービス 事 者 等 との 連 絡 調 整 を 行 う 等 の 事 必

< E8BE08F6D2082C682B DD2E786C7378>

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

39_1

理化学研究所の役職員への兼業(兼職)依頼について

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>

7 月 は 算 定 基 礎 届 の 提 出 月 です 算 定 基 礎 届 と は 事 業 主 は 7月 1日 現 在 の 被 保 険 者 すべてについて その 年 の 4月 5月 6月 に 支 給 した 報 酬 について 届 出 をしなければなりません = 図 1 この 届 出 は 毎 年 1回 そ

給 与 所 得 控 除 所 得 税 の 簡 易 給 与 所 得 表 により 給 与 所 得 の 金 額 を 求 めますが 控 除 額 の 計 算 については 次 のとおりです 給 与 等 の 収 入 金 額 給 与 所 得 控 除 額 180 万 円 以 下 の 場 合 180 万 円 を 超 え

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

 

(3) 労 働 基 準 法 ( 昭 和 22 年 法 律 第 49 号 ) (4) 図 書 館 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 118 号 ) (5) 著 作 権 法 ( 昭 和 45 年 法 律 第 48 号 ) (6) 子 どもの 読 書 活 動 の 推 進 に 関 する 法 律 ( 平

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

横浜市障害者ガイドヘルプ事業実施要綱

Microsoft Word - 建築基準法第42条第2項道路後退整備のあらまし

①表紙

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

<81696D373188A E58A77816A E93788D9191E5834B C8EAE82502E786C73>

Transcription:

アームミトン ~シャント グラフトを 持 つ 患 者 様 透 析 穿 刺 中 に 使 えるミトン~ 大 久 保 病 院 -43-

テーマ 名 大 久 保 病 院 アームミトン ~シャント グラフトを 持 つ 患 者 様 透 析 穿 刺 中 に 使 えるミトン~ サークル 名 Tailor( 仕 立 屋 ) メンバー 名 南 耶 衣 子 嶺 井 智 子 鹿 島 美 冬 大 澤 浩 子 1 テーマ 選 定 理 由 患 者 様 が 安 全 に 入 院 生 活 を 送 ることができるよう 看 護 していくことは どの 科 に 属 する 看 護 師 コメディカルも 第 一 に 考 え 日 々 対 策 を 行 っていることである そのような 中 で 透 析 患 者 様 に 関 わる 私 達 が 共 通 して 対 策 に 苦 労 してきたことは ブラットアクセスとして 上 肢 にシャ ントやグラフトを 持 つ 患 者 様 が 様 々な 種 類 のカテーテルが 留 置 され なお 且 つ 見 当 識 障 害 や せん 妄 がある 場 合 の 自 己 抜 去 である 私 達 は 数 々の 患 者 様 の 危 険 な 行 動 に 対 応 しなければ ならず ミトンや 抑 制 具 の 使 用 を 行 わざるを 得 なくなるが そこで 新 たに 発 生 するのが 抑 制 による シャント グラフトの 閉 塞 の 危 険 性 である この シャント グラフトの 閉 塞 の 危 険 性 を 回 避 する 為 に 以 前 考 案 したミトンを 更 に 改 良 し 病 棟 だけでなく 透 析 の 穿 刺 中 に 使 用 できるもの として 作 成 し 使 用 してみることにした 2 現 状 と 問 題 点 自 己 抜 去 防 止 の 為 従 来 のミトンを 使 用 する 場 合 通 常 の 使 用 法 ではシャント 閉 塞 の 危 険 性 が 発 生 する シャント 閉 塞 に 配 慮 しゆるめにミトンを 使 用 した 場 合 は 簡 単 にミトンが 外 れてし まいミトンとしての 効 果 が 得 られない ミトンと 寝 衣 の 袖 を 粘 着 テープで 繋 げるようにして 固 定 する 方 法 は 粘 着 テープを 顔 でこすったり 歯 を 使 うことで 外 れてしまう シャントの 観 察 をする 際 に 毎 回 粘 着 テープをはがし そのあとは 固 定 をし 直 す 必 要 があり 時 間 がかかる ま た コストもかかる 不 穏 のある 患 者 様 には 透 析 穿 刺 中 など 付 き 添 いが 必 要 な 状 態 となる ことも 多 く 業 務 負 担 が 増 える 3 改 善 策 腕 全 体 を 包 むことのできる 筒 状 のアームカバーと 抑 制 用 のミトンを 縫 い 付 け シャントの 観 察 がしやすいように ファスナーを 取 りつけた アームカバーの 肩 側 には 長 い 紐 を 取 りつけ 反 対 側 の 肩 で 襷 掛 けにするようにし 患 者 様 自 身 では 外 すことがミトン(アームミトン) を 作 成 した オープンファスナーを 取 り 付 けたことで 透 析 中 にも 使 用 可 能 となった 4 結 果 アームミトン を 使 用 した 患 者 様 にかかわった 9 階 病 棟 透 析 室 看 護 師 他 部 署 計 15 名 にアンケートを 実 施 した その 結 果 多 くのスタッフから アームミトン 使 用 により シャ ント 肢 を 圧 迫 せず 患 者 様 のシャント 閉 塞 の 危 険 防 止 しながら 安 全 を 守 ることがと 感 じ た 業 務 負 担 の 軽 減 も という 回 答 を 得 ることが -45-

テーマ 名 大 久 保 病 院 アームミトン ~シャント グラフトを 持 つ 患 者 様 透 析 穿 刺 中 に 使 えるミトン~ サークル 名 Tailor( 仕 立 屋 ) メンバー 名 南 耶 衣 子 嶺 井 智 子 鹿 島 美 冬 大 澤 浩 子 1 テーマ 選 定 理 由 患 者 様 が 安 全 に 入 院 生 活 を 送 ることができるよう 看 護 していくことが 重 要 であるということ は 私 達 腎 センターの 看 護 師 だけでなく どの 科 に 属 する 看 護 師 コメディカルも 第 一 に 考 え 日 々 対 策 を 行 っていることである 例 えば 歩 行 に 不 安 のある 患 者 様 には 転 倒 の 事 故 が 無 いよう 付 添 歩 行 歩 行 器 での 見 守 り 歩 行 患 者 様 の 同 意 が 得 られれば 離 床 センサー 対 応 ベッド 上 で 臥 床 される 患 者 様 には 転 落 の 危 険 が 無 いよう ベッドの 柵 を 四 点 柵 同 意 が 得 られれば 体 動 センサー 体 幹 抑 制 の 使 用 点 滴 経 鼻 胃 管 カテーテル ドレーン 等 がある 患 者 様 には 自 己 抜 去 が 無 いよう 固 定 の 工 夫 さらに 不 穏 見 当 識 障 害 のある 患 者 様 には 同 意 が 得 られれば ミトンの 装 着 などを 行 っている 医 療 現 場 では いくつものリスクを 目 の 当 たりにし 体 感 し 対 策 を 実 践 している 特 に 高 齢 の 患 者 様 は 身 体 状 況 身 体 機 能 などの 問 題 以 外 にも 認 知 症 など 様 々な 問 題 を 抱 えている 見 当 識 障 害 やせん 妄 などで 自 分 では 安 全 に 配 慮 した 行 動 を 取 ることができなかっ たり 説 明 に 対 する 理 解 が 得 られない 場 合 も 少 なくない そのような 中 で 透 析 患 者 様 に 関 わる 私 達 腎 センター 看 護 師 透 析 室 看 護 師 が 共 通 して 対 策 に 苦 労 してきたことがある それは 維 持 透 析 のブラットアクセスとして 上 肢 にシャントや グラフトを 持 つ 患 者 様 が 様 々な 種 類 のカテーテルを 留 置 し なお 且 つ 見 当 識 障 害 やせん 妄 のある 場 合 に 起 こる 自 己 抜 去 である 留 置 されているカテーテルの 一 例 として 経 鼻 胃 管 カ テーテル や 中 心 静 脈 カテーテル 等 があるが これらは 自 己 抜 去 されることで 出 血 の 危 険 性 はもちろん 断 裂 したカテーテルが 体 内 に 残 ってしまうというリスクもある 透 析 中 の 留 置 針 抜 去 においては 大 量 出 血 に 繋 がる 危 険 がある これらの 理 由 から 私 達 は 数 々の 患 者 様 の 危 険 な 行 動 に 対 応 しなければならず 患 者 様 御 家 族 の 同 意 を 得 て ミトンや 抑 制 具 の 使 用 を 行 わざるを 得 なくなる そしてそれらの 事 で 新 たに 発 生 するのが 抑 制 による シャント グラフトの 閉 塞 の 危 険 性 である この シャント グラフトの 閉 塞 の 危 険 性 を 回 避 する 為 に 以 前 考 案 したミトンを 更 に 改 良 し 病 棟 だけでなく 透 析 の 穿 刺 中 に 使 用 できるもの として 作 成 し 使 用 することにした -46-

2 現 状 と 問 題 点 (1) 自 己 抜 去 防 止 の 為 従 来 のミトン( 写 真 1)を 使 用 しているが 通 常 の 使 用 法 では シャ ント 閉 塞 の 危 険 性 が 発 生 する (2) シャント 閉 塞 に 配 慮 しゆるめにミトンを 使 用 した 場 合 は 手 を 振 る 口 に 咥 えるなどで 簡 単 にミトンが 外 れてしまいミトンとしての 効 果 が 得 られない (3) ルート 類 を 患 者 様 の 視 界 に 入 らないよう 寝 衣 の 下 から 通 したり 包 帯 やテープで 固 定 す ることは 確 実 な 抜 去 予 防 にはならない (4) ミトンと 寝 衣 の 袖 とを 粘 着 テープで 繋 げるようにして 固 定 する 方 法 ( 写 真 2)は 粘 着 テ ープを 顔 でこすったり 歯 を 使 うことで 外 れてしまう シャントの 観 察 をする 際 は 毎 回 粘 着 テープをはがし そのあとは 固 定 をし 直 す 必 要 があり とても 時 間 がかかり 業 務 負 担 が 増 える (5) 不 穏 のある 患 者 様 には 透 析 穿 刺 中 など 付 き 添 いが 必 要 な 状 態 となることも 多 く 業 務 負 担 が 増 える (6) ミトンと 寝 衣 の 袖 とを 粘 着 テープで 繋 げるようにして 固 定 する 方 法 ( 写 真 2)では 観 察 の 度 にテープをはがすため 不 要 な 診 療 材 料 を 使 うことになりコストがかかる 3 改 善 策 シャント 肢 の 腕 は 締 め 付 けてはいけないため 腕 全 体 を 包 むことのできる 筒 状 のアームカバ ーと 抑 制 用 のミトンを 縫 い 付 け シャントの 観 察 がしやすいように ファスナーを 取 りつけた アームカバーの 肩 側 には 長 い 紐 を 取 りつけ 反 対 側 の 肩 で 襷 掛 けにするようにし 患 者 様 自 身 で は 外 すことがミトン(アームミトン)を 作 成 した ( 写 真 3) テープでミトンと 袖 をとめるより 簡 単 に 観 察 ができるようになり オープンファスナーを 取 り 付 けたことで 透 析 中 にも 使 用 可 能 となった ( 写 真 4) これにより 手 首 やその 他 シャント 吻 合 部 を 含 む 上 肢 を 圧 迫 することなく 手 指 の 動 きを 制 限 することができるようになった ( 写 真 5) 4 結 果 アームミトン を 使 用 した 患 者 様 にかかわった 9 階 病 棟 透 析 室 看 護 師 他 部 署 計 15 名 にアンケートを 実 施 した 使 用 対 象 となった 患 者 様 に 対 しては 認 知 症 や 不 穏 がある 患 者 様 であったためアンケートは 実 施 しなかった アンケート 結 果 概 要 は 以 下 の 通 りであった ( 詳 細 は 添 付 資 料 参 照 のこと) (1) アームミトン 使 用 によって 自 己 抜 去 がなく 患 者 様 の 安 全 を 保 つことがかを 聞 いた 結 果 と 回 答 したスタッフは80%であり アームミトン 使 用 により 自 己 抜 去 がな く 患 者 様 の 安 全 が 確 保 と 考 える (2) シャント 肢 を 圧 迫 せず 患 者 様 の 安 全 を 保 つことがかを 聞 いた 結 果 と 回 答 したスタッフは93%であり アームミトン 使 用 によりシャント 肢 を 圧 迫 せず 患 者 様 の シャント 閉 塞 の 危 険 防 止 につながったと 考 える -47-

(3) シャントの 観 察 は 容 易 にかを 聞 いた 結 果 と 回 答 したスタッフは73%で アームミトン 使 用 により シャントの 観 察 や 透 析 中 の 静 脈 圧 上 昇 時 等 の 接 続 部 の 観 察 や 操 作 等 も 容 易 にでき 業 務 短 縮 がと 考 える (4) 使 用 感 で 患 者 様 に 不 快 がなかったかを 聞 いた 結 果 なかったと 回 答 したスタッフは6 0%であり アームミトン 装 着 による 痛 みや 不 快 感 は 少 なかったのではないかと 考 える (5) 視 覚 的 に 患 者 様 に 不 快 がなかったかを 聞 いた 結 果 なかったと 回 答 したスタッフは6 7%であり アームミトン 使 用 による 患 者 様 に 与 える 精 神 的 不 安 不 快 感 は 少 なかったの ではないかと 考 える (6) テープ 固 定 ルートを 寝 衣 内 を 通 すなど 以 前 の 自 己 抜 去 予 防 と 比 べ 着 脱 時 間 等 は 短 縮 でき たかを 聞 いた 結 果 短 縮 と 回 答 したスタッフは67%であり 業 務 負 担 が 軽 減 し たと 考 える (7) 自 分 の 一 回 の 勤 務 帯 でどの 位 の 時 間 が 短 縮 されたと 思 うかを 聞 いた 結 果 1~20 分 と の 回 答 があり 着 脱 時 間 の 短 縮 だけでなく 抑 制 の 確 実 性 から 付 き 添 い 時 間 が 短 縮 したこ となども 含 め 業 務 負 担 が 軽 減 したと 考 える (8) その 他 意 見 を 聞 いた 付 け 方 によってはプラスチックパーツが 背 中 や 肋 骨 にあたって しまう 患 者 様 の 腕 の 長 さによって 長 さ 調 節 が 必 要 だが うまくできなかった など 肩 ひもに 関 する 意 見 があったので 今 後 の 改 善 に 活 かしていきたい 5 まとめ 今 回 の QC 活 動 で 作 成 したアームミトンは シャント 閉 塞 などのトラブルを 起 こすことなく 透 析 穿 刺 中 にも 患 者 様 の 安 全 を 確 保 という 結 果 を 得 ることが また 視 覚 的 にも 患 者 様 の 不 安 を 軽 減 でき 看 護 師 の 業 務 負 担 の 軽 減 に 繋 げることも 出 来 た 看 護 師 も 患 者 様 も 今 回 のミトンのような 抑 制 具 を 付 けることを 望 んではいない しかし ながら 患 者 様 の 安 全 を 考 え やむを 得 ず 使 用 しなければならない 場 合 が 多 く 使 用 時 は 少 し でも 患 者 様 の 不 安 や 不 快 感 が 軽 減 できるように 努 力 していかなければならない 今 回 の QC 活 動 を 通 して これまで 当 たり 前 に 実 施 してきたことの 改 善 点 を 見 つけ 行 動 した ことで 患 者 様 の 安 全 の 向 上 と 看 護 師 の 業 務 負 担 の 軽 減 に 繋 がる 結 果 を 得 られ とてもやり がいを 感 じた この 経 験 を 活 かし 今 後 も 患 者 様 スタッフの 要 望 をキャッチし より 良 い 改 善 を 提 案 実 践 し 安 全 な 医 療 を 提 供 していきたいと 考 える 添 付 資 料 添 付 1 アンケート 用 紙 添 付 2 アンケート 結 果 添 付 3-12 写 真 -48-

添 付 資 料 1 9 階 透 析 室 QC 係 よりアンケートのお 願 い 平 成 23 年 11 月 12 日 9 階 透 析 室 QC 係 今 年 度 のQCのテーマは 透 析 室 と 連 携 し 不 穏 な 患 者 様 に 対 して 抑 制 を 使 用 す る 際 シャント 閉 塞 の 危 険 がなく 透 析 穿 刺 中 にも 使 用 できるミトン の 作 成 活 動 を 行 ってきました お 忙 しいところ 恐 れ 入 りますが 今 年 度 作 成 したミトンを 使 用 したスタッフの 皆 さん を 対 象 とした 下 記 アンケートにご 協 力 をお 願 いいたします シャント グラフトを 持 つ 患 者 様 に 対 して 不 穏 時 に 行 う これまでの 自 己 抜 去 防 止 の 方 法 ( 通 常 のミトン 使 用 テープ 固 定 時 等 )と 比 較 し 回 答 お 願 いします 所 属 はどちらですか? 透 析 室 病 棟 他 部 署 1. 使 用 によって 自 己 抜 去 がなく 患 者 様 の 安 全 を 保 つことができましたか? 2.シャント 肢 を 圧 迫 せず 患 者 様 の 安 全 を 保 つことができましたか? 3.シャントの 観 察 は 容 易 にできました か? 4. 使 用 感 で 患 者 様 に 不 快 はなかったと 思 いますか? なかった あった 5. 視 覚 的 に 患 者 様 に 不 快 はなかったと 思 いますか? なかった あった 6.テープ 固 定 ルートを 寝 衣 内 を 通 すな ど 以 前 の 自 己 抜 去 予 防 と 比 べ 着 脱 時 間 等 は 短 縮 されましたか? 短 縮 した 短 縮 しな かった (6.で 短 縮 したと 答 えた 方 ) 7. 自 分 の 一 回 の 勤 務 帯 でどの 位 の 時 間 が 短 縮 されたと 思 いますか 分 8.その 他 ご 意 見 がございましたら ご 自 由 にご 記 入 ください おそれいりますが11/18( 金 )12 時 までに 回 答 お 願 いいたします ご 協 力 ありがとうございました -49-

添 付 資 料 2 アンケート 結 果 対 象 15 名 ( 透 析 室 :6 名 病 棟 :8 名 リハビリ 科 :1 名 ) 1. 使 用 によって 自 己 抜 去 がなく 患 者 様 の 安 全 を 保 つことができましたか? 80% 20% 0% 2.シャント 肢 を 圧 迫 せず 患 者 様 の 安 全 を 保 つことができましたか? 93% 7% 0% 3.シャントの 観 察 は 容 易 にできました か? 73% 20% 7% 4. 使 用 感 で 患 者 様 に 不 快 はなかったと 思 いますか? なかった 60% 27% あった 13% 5. 視 覚 的 に 患 者 様 に 不 快 はなかったと 思 いますか? なかった 67% 27% あった 6% 6.テープ 固 定 ルートを 寝 衣 内 を 通 すな ど 以 前 の 自 己 抜 去 予 防 と 比 べ 着 脱 時 間 等 は 短 縮 されましたか? 短 縮 した 67% 27% 短 縮 しなかった 6% (6.で 短 縮 したと 答 えた 方 ) 7. 自 分 の 一 回 の 勤 務 帯 でどの 位 の 時 間 が 短 縮 されたと 思 いますか 8.その 他 ご 意 見 がございましたら ご 自 由 にご 記 入 ください 1~20 分 との 回 答 様 々 患 者 さんの 腕 の 長 さによって 紐 の 長 さの 調 節 がうまく 出 来 な かった 動 きの 激 しい 人 はきつくなってしまうかもしれない 圧 迫 だけでなくミトン 脱 を 防 げたので 良 かった(シャント 圧 迫 を 気 にしてミトン 装 着 が 甘 くなって 自 己 で 脱 いでしまうことがあったの で) ロックのプラスチックが 背 中 や 肋 骨 にあたりいたくないかなと 思 った いろいろ 改 良 されて 使 いやすくなりました 物 品 を 取 りに 行 ったり 包 帯 を 巻 く 手 間 がない -50-

添 付 資 料 3-1 写 真 (1) 従 来 のミトン 写 真 (2) ミトンと 寝 衣 の 袖 を 粘 着 テープで 固 定 写 真 (3) アームミトン -51-

添 付 資 料 3-2 写 真 (4) 透 析 用 留 置 針 穿 刺 後 の 観 察 写 真 (5) 患 者 様 に 装 着 したアームミトン -52-