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検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

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子ども手当見直しによる家計への影響~高所得者層の可処分所得は大幅減少に

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(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

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Transcription:

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こうした 動 きに 対 して ゴーダン 財 務 大 臣 は7 月 12 日 変 動 相 場 制 は 経 済 ショックを 吸 収 する 役 割 を 果 たすとともに 金 利 変 動 のボラティリティを 軽 減 する として 固 定 相 場 制 移 行 の 可 能 性 を 否 定 した 他 方 マーカス 準 備 銀 行 総 裁 も 準 備 銀 行 は 変 動 相 場 制 を 維 持 し 特 定 の 水 準 へのランド 誘 導 はしない とした 7 月 から8 月 にかけて 欧 州 のストレステス トの 結 果 等 が 好 感 され 世 界 経 済 への 楽 観 とリスク 許 容 量 の 高 まり 等 を 受 けて 新 興 国 通 貨 が 堅 調 推 移 する 中 ランドも 上 昇 を 続 けた この 間 財 務 省 がトービン 税 の 導 入 についての 検 討 を 示 唆 したものの 貯 蓄 率 の 低 い 南 アフリカにおいて 急 に 資 本 流 入 規 制 を 導 入 することは 市 場 の 信 用 を 失 うとの 懸 念 もあわせて 表 明 したことに 市 場 関 係 者 の 間 では 安 心 感 が 広 がっ た その 後 南 アフリカ 国 内 において 大 規 模 ストライキが 相 次 ぎ 一 部 が 暴 徒 化 したことな どがランド 売 り 要 因 となり ランドは 下 落 した その 後 FRBによる 追 加 緩 和 期 待 を 背 景 に ドルが 全 面 安 になる 中 ランドは 上 昇 に 転 じた 9 月 に 入 ると COSATUが 経 済 政 策 に 関 する 政 策 提 言 の 中 で ランド 安 誘 導 の 必 要 性 を 改 めて 主 張 した これに 対 して クガニャゴ 財 務 次 官 モトランテ 副 大 統 領 が 相 次 いで トー ビン 税 や 資 本 流 入 規 制 の 導 入 を 否 定 した これが 政 府 のランド 高 容 認 と 受 け 止 められる 一 方 いわゆるバーゼルⅢの 内 容 が 市 場 の 事 前 予 想 の 範 囲 内 に 収 まったことがリスク 許 容 量 を 高 め ランドが 買 われた 9 月 20 日 ANC の 党 大 会 において ズマ 大 統 領 は ランドは( 経 済 活 動 が 効 率 化 すれば ) 国 際 競 争 力 のある 安 定 的 な 通 貨 になる と 為 替 政 策 に 変 更 がないこ とを 改 めて 主 張 した さらに ドル 安 圧 力 も 加 わり 9 月 28 日 以 降 は1ドル=7.00ランドを 上 抜 け 高 値 更 新 が 続 いた その 後 も 先 進 国 の 通 貨 引 き 下 げ 競 争 に 対 する 懸 念 予 想 から 新 興 国 通 貨 に 上 昇 圧 力 がかかり ランドも 上 昇 を 続 けた 図 表 1 為 替 の 推 移 (ドル) (ユーロ) 6.5 7.0 7.5 米 ドル 9.0 9.5 10.0 8.0 8.5 9.0 9.5 10.0 10.5 ユーロ 10.5 11.0 11.5 12.0 12.5 13.0 13.5 11.0 09 年 1 月 09 年 3 月 09 年 5 月 09 年 7 月 09 年 9 月 09 年 11 月 10 年 1 月 10 年 3 月 10 年 5 月 10 年 7 月 10 年 9 月 10 年 11 月 14.0 ( 注 )ドルは 左 軸 ユーロは 右 軸 10 月 14 日 半 年 に 一 度 開 催 される 金 融 政 策 フォーラムにおいて マーカス 準 備 銀 行 総 裁 は 足 許 のランド 高 は 莫 大 な 資 本 流 入 だけが 原 因 ではなく 米 ドルの 弱 さにも 起 因 してい る また 通 貨 高 は 南 アフリカに 限 ったものではなく 新 興 国 共 通 の 問 題 である とした 2

その 後 クガニャゴ 財 務 次 官 も 改 めて 資 本 流 入 規 制 を 否 定 し 輸 出 の 国 際 競 争 力 強 化 を ランド 相 場 だけに 頼 るのではなく 生 産 性 の 向 上 に 繋 がる 幅 広 い 政 策 に 見 出 すべきだ とし た この 日 1ドル=6.78ランドと 年 初 来 最 高 値 をつけていたが こうした 高 官 の 発 言 にもか かわらず 10 月 15 日 以 降 は ランドが 反 落 する 展 開 となった ロシアやブラジルは 通 貨 引 き 下 げ 競 争 を 回 避 させようとする 先 進 国 に 対 して 批 判 を 強 め ていたため G20 財 務 大 臣 会 合 の 前 後 は ランド 相 場 は 方 向 感 のない 膠 着 状 態 が 続 いた そ の 後 10 月 26 日 に 公 表 された 第 3 四 半 期 の 失 業 率 が 高 止 まり(25.3%)したことが 材 料 視 され ランド 売 りの 一 因 となった その 結 果 1ドル=7.07ランドと9 月 27 日 以 来 の7.00ラ ンド 台 となった 10 月 27 日 公 表 の 中 期 財 政 政 策 に 関 する 声 明 において 外 貨 準 備 の 積 み 上 げや 外 貨 規 制 の 緩 和 が 明 記 されたことでさらなるランド 売 りが 懸 念 されたが 財 政 政 策 の 左 傾 化 の 回 避 が 確 認 されたことでランドは 再 び 上 昇 に 転 じた 10 月 31 日 ズマ 大 統 領 は 内 閣 改 造 を 断 行 し 新 成 長 戦 略 の 有 言 実 行 をアピールしたものの 市 場 では 材 料 視 されなかった 11 月 入 り 後 も ランド 高 が 継 続 され 11 月 5 日 には 年 初 来 最 高 値 を 更 新 し 1ドル=6.77 ランドを 記 録 した その 後 ドル 全 面 高 の 影 響 からランドの 対 ドル 相 場 は 下 落 に 転 じた さ らに アイルランドにおけるソブリンリスクの 高 まりは リスク 回 避 的 な 動 きに 繋 がった 11 月 16 日 には 再 び1ドル=7.00ランドの 壁 を 超 えた また 11 月 23 日 に 公 表 された 第 3 四 半 期 の 産 業 別 成 長 率 が2.6%と 市 場 予 測 (3.3%)を 大 幅 に 下 回 ったこともランド 売 りを 加 速 し 1ドル=7.11ランドとなった 12 月 入 り 後 もランドは 軟 調 推 移 が 続 いている 2 なお COSATUや 産 業 界 の 一 部 は ランド 高 の 原 因 は 先 進 国 との 金 利 水 準 の 格 差 にあると して 年 明 け 以 降 さらなる 金 融 緩 和 の 必 要 性 を 説 いている 2. 株 式 市 場 ヨハネスブルグ 証 券 取 引 所 (JSE) 3 の 株 価 指 標 である JSE 総 合 株 価 指 数 ( 以 下 株 価 指 数 )は 08 年 5 月 22 日 に 33,310 ポイントの 史 上 最 高 値 をつけた 後 プラチナなど 鉱 物 資 源 の 価 格 下 落 を 主 因 に 低 下 した 9 月 以 降 は 世 界 的 な 金 融 危 機 の 深 刻 化 に 伴 い 下 落 が 加 速 した 09 年 3 月 3 日 の 18,120 ポイントを 底 に 景 気 底 入 れ 感 プラチナなど 鉱 物 資 源 の 価 格 上 昇 などを 背 景 として 上 昇 基 調 を 辿 った 11 月 下 旬 のドバイショックの 影 響 は 軽 微 であったもの の 10 年 入 り 後 ギリシャ 財 政 問 題 が 表 面 化 するとリスク 回 避 の 動 きが 強 まり 株 価 指 数 は 一 時 下 落 した その 後 金 やプラチナなど 鉱 物 資 源 の 価 格 上 昇 などを 背 景 に 鉱 業 関 連 株 を 中 心 に 上 昇 に 転 じ 株 価 指 数 も 再 び 上 昇 した 5 月 に 入 ると 欧 州 金 融 市 場 の 混 乱 に 伴 う 投 資 意 欲 減 退 などを 背 景 に 株 価 指 数 は 一 時 下 落 したが 7 月 5 日 の 26,010 ポイントを 底 に 上 昇 に 転 じた 7 月 は 世 界 経 済 への 楽 観 とサッカー ワールドカップ 開 催 の 成 功 等 を 背 景 に 2 南 アフリカ 準 備 銀 行 によると 通 貨 ランドの 1 日 当 たり 平 均 取 引 量 は 130 億 ドル 程 度 である 取 引 主 体 をみると 非 居 住 者 による 取 引 の 割 合 が 上 昇 傾 向 にあり 75.0% 程 度 を 占 めている 輸 出 入 業 者 を 中 心 とする その 他 居 住 者 による 取 引 が 全 体 に 占 める 割 合 は 10.0% 程 度 となっている ランドの 取 引 形 態 は 全 取 引 の 約 7 割 を 占 めるスワップ 取 引 が 主 流 であり 直 物 取 引 は 約 2 割 先 物 取 引 は 約 1 割 を 占 めている 3 JSE の 08 年 12 月 末 時 点 での 時 価 総 額 は 世 界 第 19 位 の 7,990 億 ドルであった 業 種 別 では 資 源 関 連 銘 柄 の 比 重 が 高 く 時 価 総 額 全 体 の 約 3 割 を 占 めている 次 いで 金 融 が 2 割 を 占 めている 上 場 企 業 数 は 99 年 の 770 社 から 09 年 末 には 396 社 に 減 少 した なお ロンドンなどの 主 要 株 式 市 場 と 二 重 上 場 している 企 業 が 多 いため JSE における 流 動 性 は 低 い 3

株 価 指 数 は 上 昇 を 続 けた しかし 8 月 に 入 ると 国 内 各 地 で 相 次 いだストライキが 各 種 産 業 に 広 がりをみせ なかでも 主 要 産 業 である 自 動 車 産 業 と 鉱 業 におけるストライキは 市 場 関 係 者 の 懸 念 を 高 め 関 連 株 の 下 落 がみられた その 後 FRB による 追 加 緩 和 期 待 を 背 景 にド ルが 全 面 安 になる 中 投 資 資 金 が 新 興 国 の 株 式 市 場 や 商 品 市 場 の 好 況 に 寄 与 した こうした 新 興 国 市 場 への 資 金 流 入 の 動 きや 金 など 鉱 物 資 源 価 格 の 上 昇 を 主 因 に 国 内 株 式 市 場 にも 資 金 流 入 が 進 み 株 価 指 数 は 10 月 13 日 には 30,000 ポイントを 超 え 11 月 16 日 には 31,816.6 ポイントとなり 年 初 来 最 高 値 を 更 新 した その 後 金 やプラチナなど 鉱 物 資 源 価 格 が 下 落 したことで 鉱 業 関 連 株 が 急 落 した また アイルランドで 財 政 問 題 等 が 表 面 化 し ポルト ガル 等 でもソブリンリスクの 高 まりが 懸 念 される 中 リスク 回 避 的 な 動 きが 広 がったため 足 許 株 価 指 数 は 下 落 している 図 表 2 株 価 指 数 40,000 35,000 JSE 総 合 株 価 指 数 工 業 25 種 金 融 鉱 業 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 08 年 9 月 08 年 12 月 09 年 3 月 09 年 6 月 09 年 9 月 09 年 12 月 10 年 3 月 10 年 6 月 10 年 9 月 図 表 3 金 とプラチナの 価 格 指 数 の 推 移 1500 1800 1400 1700 1300 1600 1200 1500 1100 1400 1000 1300 ( 注 ) 実 線 が 金 で 左 軸 点 線 がプラチナで 右 軸 4

3. 債 券 市 場 債 券 市 場 4の 動 向 に 目 を 転 じると 長 期 金 利 は 08 年 7 月 から 12 月 にかけて 下 落 基 調 で 推 移 した これは 原 油 食 品 価 格 の 下 落 や 国 内 景 気 後 退 に 伴 うインフレ 期 待 の 後 退 が 主 な 要 因 となっている 09 年 入 り 後 景 気 対 策 に 伴 い 財 政 赤 字 が 拡 大 するとの 観 測 から 長 期 金 利 は 上 昇 に 転 じた 09 年 7 月 には 9.00%を 超 え その 後 は 9.00% 前 後 で 安 定 的 に 推 移 した 09 年 10 月 27 日 財 務 省 は 中 期 財 政 政 策 に 関 する 声 明 を 公 表 した 市 場 は 09 年 度 の 財 政 赤 字 拡 大 は 市 場 の 予 想 の 範 囲 内 であること 政 府 が 10 年 度 以 降 の 財 政 健 全 化 方 針 を 強 く 打 ち 出 し たことを 好 感 し 長 期 金 利 はやや 低 下 した 10 年 2 月 17 日 10 年 度 予 算 の 中 で 政 府 が 10 年 度 以 降 の 財 政 健 全 化 方 針 を 改 めて 強 く 打 ち 出 したことが 好 感 され 長 期 金 利 は 低 下 基 調 を 鮮 明 にした この 間 ランド 高 による 輸 入 物 価 の 上 昇 抑 制 等 により CPI 上 昇 率 は 低 下 を 続 けた とくに 10 年 2 月 以 降 は インフレターゲットレンジ(3~6%) 内 でその 下 限 に 向 かって 低 下 を 続 けたことで インフレ 期 待 が 大 きく 後 退 し 長 期 金 利 の 低 下 につながったと みられる 図 表 4 金 利 の 推 移 (%) 13.0 12.0 11.0 10 年 国 債 利 回 り 3ヶ 月 金 利 10.0 9.0 8.0 7.0 6.0 5.0 08 年 1 月 08 年 5 月 08 年 9 月 09 年 1 月 09 年 5 月 09 年 9 月 10 年 1 月 10 年 5 月 10 年 9 月 5 月 には ギリシャに 端 を 発 する 一 部 の 欧 州 諸 国 5におけるソブリンリスク 懸 念 の 高 まりを 背 景 に 長 期 金 利 が 一 時 的 に 上 昇 した その 後 ソブリンリスク 懸 念 が 後 退 すると 長 期 金 利 は 低 下 に 転 じた 8 月 17 日 には7.994%と8.000% 台 を 割 り 込 んだ その 後 も 下 落 傾 向 が 続 き 9 月 15 日 は7.776%を 記 録 した この 間 CPI 上 昇 率 はターゲットレンジの 下 限 近 く(9 月 : 3.2%)まで 低 下 しており 期 待 インフレの 低 下 を 通 じて 長 期 金 利 は 低 下 したと 考 えられる しかし 9 月 中 旬 以 降 COASTUやANC 青 年 同 盟 の 政 治 的 な 動 きが 活 発 化 すると 長 期 金 利 は 一 進 一 退 の 動 きをみせるようになり 8.000% 前 後 で 推 移 した 10 月 27 日 公 表 の 中 期 財 政 政 策 に 関 する 声 明 において 財 政 政 策 の 左 傾 化 ( 財 政 の 肥 大 化 )の 回 避 が 確 認 されたこと 4 南 アフリカの 債 券 市 場 は 80 年 代 に Eskom( 電 力 公 社 ) Telkom( 通 信 公 社 ) Transnet( 運 輸 公 社 )などの 国 営 企 業 債 を 中 心 に 発 展 した しかし 90 年 代 以 降 は 国 債 が 中 心 となった 南 アフリカ 準 備 銀 行 によると 現 在 債 券 の 流 通 市 場 については 取 引 高 の 90% 超 を 国 債 取 引 が 占 めている 5 いわゆる PIIGS 諸 国 をさす PIIGS とは ポルトガル イタリア アイルランド ギリシア スペインのアルファベッ トの 頭 文 字 をとったもの 5

で 長 期 金 利 は 低 下 し 始 め 11 月 4 日 には7.775%となった 11 月 下 旬 にアイルランドが 財 政 問 題 金 融 システム 問 題 から EUに 緊 急 融 資 を 正 式 に 要 請 した その 後 ポルトガルなど PIIGS 諸 国 において 相 次 いで 財 政 問 題 が 指 摘 されるようになると リスク 回 避 的 な 動 きか ら 長 期 金 利 が 上 昇 に 転 じた 一 方 短 期 金 利 は 08 年 12 月 以 降 の 8 回 にわたる 政 策 金 利 の 引 き 下 げに 伴 い 下 落 基 調 にあ る 10 年 9 月 の 利 下 げ 後 10 月 14 日 に 6.0%を 割 り 込 み 11 月 の 利 下 げ 後 は 5.5% 台 で 推 移 している イールド カーブは 06 年 10 月 から09 年 4 月 まで 逆 イールドの 状 態 にあった これ は 財 政 収 支 が 改 善 し 長 期 国 債 の 発 行 が 減 少 する 中 長 期 国 債 には 国 内 年 金 基 金 などからの 一 定 の 需 要 があるため 長 期 金 利 が 低 水 準 で 推 移 してきたためである 財 政 収 支 の 悪 化 懸 念 や 相 次 ぐ 政 策 金 利 の 引 き 下 げにより 09 年 4 月 30 日 以 降 逆 イールドの 状 態 が 解 消 されて いる 図 表 5 政 策 金 利 と CPI (%) 14.0 12.0 10.0 政 策 金 利 ( 翌 日 物 レポレート) 8.0 CPI 上 昇 率 6.0 4.0 2.0 0.0 07 年 1 月 5 月 9 月 08 年 1 月 5 月 9 月 09 年 1 月 5 月 9 月 10 年 1 月 5 月 9 月 ( 注 )シャドーはインフレターゲットレンジ(3~6%) ( 出 所 ) 南 アフリカ 統 計 局 資 料 4. 通 貨 引 き 下 げ 競 争 と 通 貨 ランド 先 進 国 の 量 的 緩 和 と 新 興 国 の 自 国 通 貨 安 誘 導 については それぞれ 批 判 がある これは 米 国 を 中 心 とする 先 進 国 側 の 見 方 と 南 アフリカなど 新 興 国 側 の 見 方 があるからである 自 国 通 貨 高 については 輸 出 との 関 係 で 説 明 批 判 されている これについて 為 替 スト ラテジスト 等 市 場 関 係 者 の 間 では 通 貨 高 にしろ 通 貨 安 にしろ 功 罪 がある 通 貨 安 誘 導 は 相 場 の 急 激 な 上 昇 を 抑 えることは 出 来 るだろうが 長 期 的 に 相 場 をコントロールするこ とはできない 名 目 の 為 替 レートは 短 期 的 には 大 きな 動 きとなるが 長 期 的 には 物 価 上 昇 率 の 差 によって 決 定 される そのため 為 替 相 場 が 企 業 の 国 際 競 争 力 に 与 える 影 響 は 長 期 的 にはニュートラル といわれている ある 為 替 ストラテジストは 自 国 通 貨 が 高 くなれば 1 輸 出 競 争 力 が 低 下 2 保 有 外 貨 資 産 が 目 減 り 3 輸 入 ボリュ 6

ームが 大 きければデフレに 陥 る 危 険 がある 他 方 良 い 点 としては 1 輸 入 インフレの 抑 制 2 海 外 資 産 の 買 収 が 安 価 になる 3 外 貨 換 算 の 資 産 価 値 が 水 増 しできる 4 将 来 的 な 先 高 感 から 海 外 からの 投 資 を 呼 び 込 める 可 能 性 がある といった 点 が 挙 げられる 逆 に 自 国 通 貨 が 安 くなれば 1 輸 出 競 争 力 が 高 まり 2 保 有 外 貨 資 産 のかさ 上 げ 3 輸 入 デフレの 抑 制 に 繋 がる 他 方 悪 い 点 としては 1 輸 入 インフレを 起 こす 可 能 性 2 海 外 勢 による 買 収 を 容 易 にしてしまう 3 外 貨 換 算 の 資 産 価 値 の 目 減 り 4 将 来 的 な 先 安 感 で 海 外 勢 が 投 資 を 手 控 える 可 能 性 が 指 摘 される と 整 理 している 新 興 国 の 外 貨 準 備 残 高 の 積 み 上 がりに 着 目 し 新 興 国 の 自 国 通 貨 安 誘 導 に 対 する 批 判 があ る これについて 金 価 格 との 比 較 で 金 価 上 昇 ペースと 新 興 国 の 外 貨 準 備 残 高 の 伸 び 率 は 概 ね 同 じなのは 新 興 国 に 非 がないことの 証 左 単 にドル 安 なのではないか といわれる 所 以 つまり 新 興 国 の 外 貨 準 備 残 高 の 積 み 上 がりは ドル 安 の 裏 返 しに 過 ぎない との 見 方 がある また 08 年 の 世 界 的 な 金 融 危 機 で 増 加 に 陰 りのみられていた 新 興 国 の 外 貨 準 備 残 高 は FRB と ECB の 量 的 緩 和 政 策 により 再 燃 した 08 年 秋 以 降 新 興 国 に 外 貨 準 備 とし て 積 み 上 がる 資 金 は 先 進 国 が 供 給 している そのため 米 国 のいわゆる QE2 を 受 け 今 後 新 興 国 の 外 貨 準 備 残 高 の 増 加 余 地 はさらに 拡 大 すると 考 えられる との 声 もある 図 表 6 外 貨 準 備 残 高 ( 十 億 ドル) 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0 なお マーカス 準 備 銀 行 総 裁 とゴーダン 財 務 大 臣 は 不 胎 化 費 用 との 見 合 いで 為 替 介 入 を 否 定 している この 点 について 南 アフリカの 金 利 水 準 が 高 いため 不 胎 化 費 用 が 高 いとい うのは 理 にかなっている しかし 為 替 介 入 を 否 定 する 前 に 為 替 介 入 を 実 施 した 国 におけ る 現 状 効 果 を 検 証 するべき 政 府 はブラジルのトービン 税 の 効 果 を 否 定 したが 南 アフ リカにおいては ほかに 何 ができるのか 金 融 市 場 が 先 進 国 と 比 べて 未 発 達 であるため 不 胎 化 介 入 にしろ 非 不 胎 化 介 入 にしろ 為 替 介 入 を 実 施 した 結 果 に 対 して 準 備 銀 行 がコ ントロール 不 能 に 陥 ることを 恐 れているのではないか といった 声 が 聞 かれる また 効 果 の 有 無 よりも COSATU 等 向 けのパフォーマンスとして 政 治 的 な 為 替 介 入 を 求 める 有 識 者 が いるが 莫 大 な 外 貨 をもつことの 為 替 リスクなど 介 入 の 副 作 用 についても 慎 重 に 検 討 するべ 7

き といった 指 摘 もある 他 方 現 状 輸 入 の 伸 び 悩 みから 貿 易 収 支 が 黒 字 となっており 対 外 投 資 が 不 調 であれ ば 輸 出 企 業 によるランド 買 いが 多 くなりランドが 上 昇 するのは 必 然 6 輸 出 を 増 やすための 政 策 より ランド 高 のうちに 対 外 投 資 を 促 進 する 政 策 が 重 要 といった 声 も 聞 かれる 10 月 27 日 に 公 表 された 中 期 財 政 政 策 に 関 する 声 明 によれば 居 住 者 によるオフショ ア 取 引 の 規 制 を 緩 和 する としており 市 場 では ランド 安 誘 導 の 方 策 の 一 つとして 受 け 止 められた しかし ドル 安 傾 向 を 南 アフリカが 止 めることはできないため 国 内 産 業 界 が 結 果 としてのランド 高 に 注 目 している 以 上 引 き 続 き 政 府 準 備 銀 行 は ランド 高 を 止 めるた めの 政 策 に 頭 を 悩 ませることになると 考 えられる ただし 南 アフリカは 経 常 収 支 の 赤 字 を 資 本 収 支 黒 字 でカバーしており 即 座 に 資 本 流 入 規 制 に 踏 み 切 れない 面 がある また 突 発 的 なリスク 回 避 的 な 動 きによる 反 動 ( 資 金 流 出 急 激 なランド 安 )にも 留 意 する 必 要 がある 急 激 なランド 安 の 結 果 輸 入 物 価 が 高 騰 し 個 人 消 費 に 甚 大 な 影 響 を 及 ぼすことも 考 えられる 今 後 貿 易 収 支 の 悪 化 に 伴 う 経 常 赤 字 の 拡 大 が 予 想 される 中 経 済 学 的 にはランド 安 に 転 じるとみられることから 通 貨 当 局 の 政 策 対 応 は 困 難 を 極 めるとみられる このレポートは 国 際 協 力 銀 行 ロンドン 駐 在 員 事 務 所 が 信 頼 できると 思 われる 情 報 ソースから 入 手 した 情 報 データをもとに 作 成 したものですが 本 レポートに 記 載 された 情 報 の 正 確 性 安 全 性 を 保 証 するものではなく また 国 際 協 力 銀 行 の 見 解 を 示 すものではありません 本 レポートは 情 報 提 供 のみを 目 的 として 作 成 されたものであり 投 資 その 他 何 らかの 行 動 を 勧 誘 するものではありま せん なお 本 レポートの 全 部 または 一 部 を 予 告 なしに 変 更 することがあります 6 輸 出 企 業 は 貿 易 の 結 果 黒 字 相 当 額 を 海 外 から 外 貨 で 受 け 取 る 国 内 で 原 材 料 費 給 与 等 にあてるため 外 貨 をランドに 交 換 する 必 要 があり 外 貨 を 売 ってランドを 購 入 する この 流 れがランド 高 圧 力 を 引 き 起 こすというもの 8