Oike Library No37.indd



Similar documents
2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

弁護士報酬規定(抜粋)

平成16年度

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~


< E8BE08F6D2082C682B DD2E786C7378>

2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

鳥 取 国 民 年 金 事 案 177 第 1 委 員 会 の 結 論 申 立 人 の 昭 和 37 年 6 月 から 38 年 3 月 までの 国 民 年 金 保 険 料 については 納 付 していたものと 認 められることから 納 付 記 録 を 訂 正 することが 必 要 である 第 2 申

2 前 項 に 定 める 日 に 支 給 する 給 与 は 総 額 給 与 を12 分 割 した 額 ( 以 下 給 与 月 額 という ) 扶 養 手 当 住 居 手 当 通 勤 手 当 単 身 赴 任 手 当 寒 冷 地 手 当 及 び 業 績 手 当 並 びに 前 月 分 の 超 過 勤 務

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証債務の整理に係る課税関係の整理

Microsoft Word - 通達(参考).doc

16 日本学生支援機構

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

目 次 1 報 酬 給 与 額 事 例 1 報 酬 給 与 額 に 含 める 賞 与 の 金 額 が 誤 っていた 事 例 1 事 例 2 役 員 退 職 金 ( 役 員 退 職 慰 労 金 )を 報 酬 給 与 額 として 申 告 して いなかった 事 例 1 事 例 3 持 株 奨 励 金 を

< F2D824F C D9197A791E58A C938C8B9E>

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

Microsoft Word - 12 職員退職手当規程_H 改正_

福 岡 厚 生 年 金 事 案 4486 第 1 委 員 会 の 結 論 申 立 人 の 申 立 期 間 については その 主 張 する 標 準 報 酬 月 額 に 基 づく 厚 生 年 金 保 険 料 を 事 業 主 により 給 与 から 控 除 されていたことが 認 められることから 申 立 期

Q7 従 業 員 に 対 する 現 物 給 付 は 報 酬 給 与 額 に 含 まれます A7 法 人 が 役 員 又 は 使 用 人 のために 給 付 する 金 銭 以 外 の 物 又 は 権 利 その 他 経 済 的 利 益 (いわ ゆる 現 物 給 与 )については 所 得 税 において 給

H28記入説明書(納付金・調整金)8

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

平成22年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引

PowerPoint プレゼンテーション

連結計算書

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

ような 厚 生 年 金 基 金 関 係 の 法 改 正 がなされており (2)については 平 成 16 年 10 月 1 日 から (1) 及 び(3)については 平 成 17 年 4 月 1 日 から 施 行 されている (1) 免 除 保 険 料 率 の 凍 結 解 除 ( 母 体 企 業 (

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

 

m07 北見工業大学 様式①

Taro-29職員退職手当支給規程

(2) 勤 続 5 年 を 超 え 10 年 までの 期 間 については 勤 続 期 間 1 年 につき 本 俸 月 額 の100 分 の140 (3) 勤 続 10 年 を 超 え 20 年 までの 期 間 については 勤 続 期 間 1 年 につき 本 俸 月 額 の100 分 の180 (4)

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

Microsoft Word - 制度の概要_ED.docx

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

Microsoft Word - 公表用答申422号.doc

している 5. これに 対 して 親 会 社 の 持 分 変 動 による 差 額 を 資 本 剰 余 金 として 処 理 した 結 果 資 本 剰 余 金 残 高 が 負 の 値 となるような 場 合 の 取 扱 いの 明 確 化 を 求 めるコメントが 複 数 寄 せられた 6. コメントでは 親

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 26 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 副 理 事 長 A 理 事 16,638 10,332 4,446 1,

(2) 懲 戒 については 戒 告 は 3 ヵ 月 減 給 は 6 ヵ 月 停 職 は 9 ヵ 月 4 病 気 休 暇 休 職 欠 勤 により 勤 務 しなかった 職 員 が 再 び 勤 務 するに 至 った 場 合 において 他 の 職 員 との 均 衡 上 必 要 があると 認 められるときは

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

スライド 1

定款  変更

退職手当とは

4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

公表表紙

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,


<817993FA967B8E E A E815B817A B F976C8EAE82502D322E786C73>

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

スライド 1

<4D F736F F D A6D92E894C5817A30318F5A91EE838D815B839392CA926D95B62E646F6378>


<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

(1)1オールゼロ 記 録 ケース 厚 生 年 金 期 間 A B 及 びCに 係 る 旧 厚 生 年 金 保 険 法 の 老 齢 年 金 ( 以 下 旧 厚 老 という )の 受 給 者 に 時 効 特 例 法 施 行 後 厚 生 年 金 期 間 Dが 判 明 した Bは 事 業 所 記 号 が

不 動 産 所 得 の 赤 字 < 土 地 等 の 取 得 の 負 債 利 子 なら 300 万 500 万 不 動 産 所 得 の 赤 字 300 万 のうち 利 子 分 の500 万 は 通 算 できない = 赤 字 分 の300 万 は 全 額 通 算 できないことになる = 損 益 通 算

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

後 にまで 及 んでおり(このような 外 部 研 究 資 金 を 以 下 契 約 理 由 研 究 という ) かつ その 者 が 退 職 後 も 引 き 続 き 研 究 代 表 者 となることを 研 究 所 が 認 める 場 合 とし 理 事 室 の 命 を 受 けて 発 議 書 ( 別 に 定 め

特 定 が 必 要 であり, 法 7 条 の 裁 量 的 開 示 を 求 める 第 3 諮 問 庁 の 説 明 の 要 旨 1 本 件 開 示 請 求 について 本 件 開 示 請 求 は, 処 分 庁 に 対 して, 特 定 法 人 が 大 森 税 務 署 に 提 出 した, 特 定 期 間 の

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の


第316回取締役会議案

5 満 60 歳 以 上 の 祖 父 母 二 親 等 の 直 系 血 族 である 実 父 母 の 実 父 母 若 しくは 養 父 母 又 は 養 父 母 の 実 父 母 若 しくは 養 父 母 をいう 6 満 22 歳 に 達 する 日 以 後 の 最 初 の3 月 31 日 までの 間 にある 弟

(3) 区 分 所 有 法 第 7 条 の 先 取 特 権 の 実 行 滞 納 管 理 費 等 に 係 る 債 権 は 区 分 所 有 法 第 7 条 の 先 取 特 権 の 被 担 保 債 権 となってい るため 債 務 名 義 ( 確 定 判 決 等 )を 取 得 せずとも 先 取 特 権 の

< B4B92F F8D F591DE90458EE893968B4B92F FC90B329>

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 A 18,248 11,166 4, ,066 6,42

Microsoft Word - 04特定任期付職員(特任事務)給与規程【溶込】


( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

(6) 31 年 以 上 の 期 間 については 1 年 につき100 分 の120 2 前 項 に 規 定 する 者 のうち 負 傷 若 しくは 病 気 ( 以 下 傷 病 という 傷 病 は 国 家 公 務 員 共 済 組 合 法 ( 昭 和 33 年 法 律 第 128 号 ) 第 81 条

連合「改正高年齢者雇用安定法」に関する取り組みについて

1

<4D F736F F D F904588F582CC8B8B975E939982CC8E788B8B82CC8AEE8F >

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

1 ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 の 事 業 税 の 課 税 について ガス 供 給 業 を 行 う 法 人 は 収 入 金 額 を 課 税 標 準 として 収 入 割 の 申 告 となります ( 法 72 条 の2 72 条 の 12 第 2 号 ) ガス 供 給 業 とその 他 の 事

<4D F736F F D F582CC88E78E998B788BC C98AD682B782E92E646F63>

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考

職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 ( 年 4 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 44. 歳 6,4, 歳,44 4,7 7,6 4. 歳 7,

四 勤 続 20 年 を 超 え30 年 までの 期 間 については 勤 続 1 年 につき100 分 の200 五 勤 続 30 年 を 超 える 期 間 については 勤 続 1 年 につき100 分 の100 2 基 礎 調 整 額 は 職 員 が 退 職 し 解 雇 され 又 は 死 亡 した

< F2D E633368D86816A89EF8C768E9696B18EE688B5>

27-045人事規程270401

別 紙

[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

スライド 1

Microsoft Word - 21退職手当規程.doc

第 9 条 の 前 の 見 出 しを 削 り 同 条 に 見 出 しとして ( 部 分 休 業 の 承 認 ) を 付 し 同 条 中 1 日 を 通 じて2 時 間 ( 規 則 で 定 める 育 児 休 暇 を 承 認 されている 職 員 については 2 時 間 から 当 該 育 児 休 暇 の

日 雇 い 等 の 収 入 の 場 合 前 々 年 1 月 1 日 以 前 から 引 きつづき 前 々 年 分 所 得 額 証 勤 務 先 が 不 特 定 の 日 雇 いをしている 方 前 年 分 確 定 申 告 書 ( 控 ) 前 々 年 1 月 1 日 以 前 から 引 きつづき 前 々 年 分

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる


職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (5 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 区 類 団 府 分 似 体 平 均 年 齢

らの 内 容 について 規 定 することとしております 今 回 お 示 しする 整 理 は 現 時 点 の 案 ですので あらかじめご 承 知 おき 下 さい 同 令 等 の 改 正 規 定 が 確 定 し 次 第 改 めてご 連 絡 をさせていただきます 記 1 軽 減 措 置 の 具 体 的 な

Transcription:

財 産 分 与 における 将 来 の 退 職 金 の 取 扱 について 弁 護 士 茶 木 真 理 子 第 1 はじめに 離 婚 の 際 の 財 産 分 与 ( 民 法 766 条 )にあたり 争 点 の 一 つとなるのが 退 職 金 の 取 扱 である 離 婚 時 に 既 に 支 給 を 受 けている 退 職 金 については 賃 金 の 後 払 いと 言 われる 性 格 から 清 算 的 財 産 分 与 の 対 象 と なることで 特 に 争 いはない しかし 離 婚 時 点 では まだ 支 給 を 受 けておらず 将 来 支 給 が 予 定 されてい る 退 職 金 については 勤 務 先 の 倒 産 や 支 給 制 限 事 由 1 により 支 給 されるか 否 かは 確 実 ではなく また 一 般 的 に 退 職 事 由 によって 支 給 される 退 職 金 の 額 が 大 きく 異 なることから ただちに 清 算 的 財 産 分 与 の 対 象 となるものではない この 点 将 来 支 給 される 退 職 金 が 清 算 的 財 産 分 与 の 対 象 財 産 となるかについては 近 い 将 来 に 受 領 し 得 る 蓋 然 性 が 高 い 場 合 には 対 象 財 産 となし 得 る ことで 判 例 は 確 立 していると 言 われている 2 しか し 最 近 の 実 務 では 定 年 退 職 がかなり 先 の 場 合 も 含 めて 一 般 的 に 将 来 の 退 職 金 が 分 与 対 象 財 産 に 含 まれることを 認 めているとの 指 摘 もなされており 3 いかなる 場 合 が 近 い 将 来 に 受 領 し 得 る 蓋 然 性 が 高 い 場 合 に 該 当 するのかは 判 然 としない また 将 来 の 退 職 金 が 分 与 対 象 財 産 に 含 まれると しても いつの 時 点 での 退 職 金 を 清 算 の 対 象 とする のか( 現 時 点 で 退 職 した 場 合 に 支 給 される 退 職 金 を 対 象 とするのか 将 来 定 年 退 職 した 場 合 に 支 給 され る 退 職 金 を 対 象 とするのか) 支 払 時 期 をどうする のか( 離 婚 時 に 支 払 うとするのか 将 来 退 職 金 を 受 給 した 時 に 支 払 うとするのか)といった 問 題 の 検 討 4 が 必 要 である これらの 問 題 について ある 文 献 では 過 去 ( 平 成 10 年 頃 )の 裁 判 例 をもとに 1 現 時 点 で 自 己 都 合 退 職 した 場 合 に 支 給 される 退 職 金 の 額 を 基 準 とする 方 法 2 将 来 定 年 退 職 した 場 合 に 支 給 されるであろう 退 職 金 の 額 を 基 準 とし 将 来 の 支 給 を 条 件 として 清 算 の 対 象 とする 方 法 3 将 来 定 年 退 職 した 場 合 に 支 給 されるであろう 退 職 金 の 額 を 基 準 とし それを 現 在 の 額 に 引 き 直 す 方 法 等 があると 整 理 されているところではある しかし 近 時 の 裁 判 例 がいかなる 方 法 を 採 っているのかを 紹 介 する 文 献 は 少 ない そこで 実 務 を 行 うにあたって 参 考 とするために 財 産 分 与 における 将 来 の 退 職 金 の 取 扱 について 近 時 の 裁 判 例 を 整 理 したうえで 上 記 で 述 べた 幾 つか の 問 題 についての 裁 判 例 の 傾 向 を 検 討 することとし たい 第 2 近 時 の 裁 判 例 近 時 の 裁 判 例 を 対 象 とするため 過 去 15 年 間 を 目 安 とし 具 体 的 には 平 成 9 年 以 降 に 財 産 分 与 にお ける 将 来 の 退 職 金 の 取 扱 が 争 点 となった 裁 判 例 計 16 件 を 末 尾 別 表 のとおり 整 理 した 第 3 裁 判 例 の 検 討 1 将 来 の 退 職 金 を 財 産 分 与 の 対 象 財 産 とするか 今 回 検 討 した 別 表 の 裁 判 例 の 中 でも 1 4 6 7 8 12 14 15は 近 い 将 来 に 受 領 し 得 る 蓋 然 性 が 高 いといえることを 明 確 に 理 由 として 掲 げ 将 来 の 退 職 金 を 分 与 対 象 財 産 とすると 判 断 している 他 の 裁 判 例 も 理 由 は 明 言 はしていないものの 同 様 の 基 準 に 従 って 判 断 しているものと 解 された 問 題 は いかなる 場 合 が 近 い 将 来 に 受 領 し 得 る 蓋 然 性 が 高 い といえるかであるが 今 回 検 討 した 裁 判 例 においては 定 年 退 職 までの 期 間 職 種 勤 務 先 の 形 態 規 模 経 営 状 態 退 職 金 規 程 の 存 在 等 を 考 慮 要 素 としていると 思 われた 特 に 重 要 視 されているのが 定 年 退 職 までの 期 間 と 思 われ 将 来 の 退 職 金 を 分 与 対 象 財 産 とすることを 認 めた 裁 判 例 は 全 て 定 年 退 職 まで10 年 を 切 って いるケースであった(3や13は 定 年 退 職 までの 期 間 が 文 からは 明 らかではないが 当 事 者 の 年 齢 や 勤 続 年 数 からして 10 年 以 内 に 定 年 退 職 を 迎 え るものと 考 えられた ) これに 対 し 分 与 対 象 財 産 とすることを 否 定 した 裁 判 例 は2と9であるが 定 年 退 職 までの 期 間 が2で15 年 以 上 9も10 年 を 超 える( 夫 の 年 齢 が40 代 後 半 と 思 われる )という ケースであった よって 将 来 の 退 職 金 が 分 与 対 象 財 産 となるかどうかについては 今 回 検 討 した 結 果 によれば 定 年 退 職 までの 期 間 が10 年 以 内 か それとも10 年 を 超 えるのかという 点 を 一 つの 目 安 と 考 えてもよいのではないだろうか 5 なお 分 与 対 象 財 産 とすることを 否 定 した 裁 判 例 でも 将 来 の 退 職 金 の 存 在 を 全 く 考 慮 しないの ではなく 扶 養 的 財 産 分 与 の 要 素 として 考 慮 した り(2) 財 産 分 与 額 を 算 出 する 際 の 一 要 素 として 考 慮 している(9)ことを 指 摘 しておく 18

2 いつの 時 点 での 退 職 金 を 清 算 の 対 象 とするか (1) この 点 について 別 表 の 裁 判 例 は 現 時 点 ( 具 体 的 には 別 居 時 口 頭 弁 論 終 結 時 離 婚 時 等 )で( 自 己 都 合 ) 退 職 したと 仮 定 した 場 合 の 退 職 金 を 対 象 とするもの(1 3 5 6 10 11 14 15)と 将 来 の 定 年 退 職 時 の 退 職 金 を 対 象 とす るもの(4 7 8 12 13 16)とに 別 れた 私 見 では 定 年 が 間 近 に 迫 っているのでなければ 現 時 点 で( 自 己 都 合 ) 退 職 した 場 合 の 退 職 金 額 を 算 定 の 基 礎 としているとの 感 覚 があったが 今 回 検 討 した 限 りでは 当 事 者 の 職 種 や 定 年 退 職 までの 期 間 による 傾 向 は 特 段 見 つからな かった (2) 将 来 の 定 年 退 職 時 の 退 職 金 を 清 算 の 対 象 とす る 裁 判 例 は 将 来 における 様 々な 不 確 定 要 素 ( 算 定 の 基 礎 となる 本 俸 の 変 動 退 職 事 由 の 如 何 退 職 手 当 の 制 度 自 体 の 変 更 等 )を 回 避 でき るうえ 現 時 点 で 退 職 したと 仮 定 した 場 合 の 退 職 金 額 が 定 年 退 職 した 場 合 の 金 額 より 相 当 低 額 になってしまうという 問 題 もなくなるため 当 事 者 の 公 平 を 図 る 意 味 からは 望 ましいとは いえる ただし 8 16のように 結 局 定 年 退 職 した 場 合 の 退 職 金 額 が 現 時 点 ではっきりし ないという 問 題 が 残 る 場 合 には の 主 文 に おいて 例 えば 受 給 した 退 職 金 額 の 分 の を 支 払 え などと 確 定 した 金 額 の 支 払 いを 命 じる ことができず 後 の3の 支 払 時 期 の 所 でも 述 べ るように 支 払 時 期 が 不 確 定 であることに 加 え 金 額 まで 確 定 しないこととなるため 強 制 執 行 がますます 困 難 となる 問 題 が 生 じる 6 (3) また 将 来 の 定 年 退 職 時 の 退 職 金 を 清 算 の 対 象 とし かつ 支 払 時 期 を 離 婚 時 とする 場 合 には 12のように 中 間 利 息 を 控 除 するなどし て 現 在 の 額 に 引 き 直 す 必 要 がある 12では 年 5%という 高 率 の 中 間 利 息 を 複 利 計 算 で 控 除 し ている なお 現 在 の 額 に 引 き 直 すにあたって は 中 間 利 息 の 控 除 のみならず 勤 務 先 の 倒 産 や 転 職 の 可 能 性 等 の 不 確 定 要 素 (いわば 危 険 率 )をも 考 慮 する 必 要 があるとの 指 摘 がなされ ている 7 (4) 現 時 点 で 退 職 したと 仮 定 した 場 合 の 退 職 金 を 対 象 とする 立 場 でも 上 記 (2)で 述 べた 問 題 が あることを 踏 まえ 清 算 的 財 産 分 与 では 通 常 50%となる 分 与 割 合 に 変 更 を 加 えることで 対 応 するものが 多 くあった すなわち 定 年 退 職 した 場 合 には 退 職 金 の 額 が 相 当 増 額 になるこ とを 考 慮 して 分 与 の 割 合 を50%を 上 回 る 割 合 とするもの(3 5 11)がある 一 方 で 将 来 の 退 職 までの 不 確 定 要 素 等 を 考 慮 して 分 与 の 割 合 を50%を 下 回 る 割 合 とするもの(6 7 10 14) があった (5) このように 裁 判 例 では 夫 婦 が 協 力 して 築 いた 財 産 をそれぞれの 寄 与 度 によって 公 平 に 分 配 するという 清 算 的 財 産 分 与 の 趣 旨 を 実 現 するために 審 理 の 中 で 明 らかになった 将 来 に おける 様 々な 不 確 定 要 素 をできる 限 り 考 慮 し ていると 考 えられた よって 実 務 では 現 時 点 又 は 定 年 時 点 での 退 職 金 額 はもちろん 将 来 における 不 確 定 要 素 がある 場 合 には この 点 の 主 張 立 証 も 不 可 欠 であると 思 われる 3 退 職 金 に 由 来 する 財 産 分 与 金 の 支 払 時 期 退 職 金 に 由 来 する 財 産 分 与 金 の 支 払 については 他 の 財 産 に 由 来 する 財 産 分 与 金 の 支 払 と 分 離 し 支 払 時 期 を 将 来 退 職 手 当 が 支 給 されたときとするもの が 多 かった その 理 由 をはっきりと 述 べているもの は 多 くないものの 実 際 に 退 職 金 が 支 給 されるのは 将 来 であること(3 11)や 資 金 調 達 の 不 利 益 を 強 いることになること(11)を 挙 げているものがあっ た 他 方 で 支 払 時 期 を 離 婚 時 とするものは10 12 のみであった ただし 10は 分 与 義 務 者 名 義 の 多 額 の 預 金 があったケース 12は 分 与 義 務 者 名 義 のマン ションの 任 意 売 却 が 可 能 であったケースであり い ずれも 離 婚 時 において 分 与 義 務 者 に 資 力 があった ケースである よって このような 特 殊 事 情 がない 限 りは 支 払 時 期 は 将 来 退 職 手 当 が 支 給 されたとき とされることになると 思 われる しかし 支 払 時 期 を 将 来 退 職 手 当 が 支 給 されたと きとすると 強 制 執 行 をするためには 分 与 権 利 者 が 離 婚 した 配 偶 者 ( 分 与 義 務 者 )の 退 職 時 期 を 把 握 し なければならないことになるが これには 困 難 が 予 想 される そうすると 強 制 執 行 自 体 が 困 難 となり 分 与 義 務 者 の 任 意 の 履 行 に 期 待 するほかなくなる このため 分 与 権 利 者 としては 調 停 や 裁 判 上 の 和 解 では 将 来 の 退 職 金 に 由 来 する 財 産 分 与 金 につい ても 離 婚 時 の 清 算 を 望 むことになろう ただし か かる 場 合 には 支 払 時 期 を 将 来 退 職 手 当 が 支 給 され たときとしている 裁 判 例 が 多 いことを 考 慮 すると 中 間 利 息 が 控 除 されるなど 金 額 が 相 当 低 額 になる ことも 覚 悟 しなければならないと 思 われる 19

1 例 えば 国 家 公 務 員 の 場 合 は 国 家 公 務 員 退 職 手 当 法 11 条 以 下 において 支 給 制 限 の 規 定 がある 私 企 業 でも 懲 戒 解 雇 の 場 合 や 禁 固 以 上 の 刑 に 処 せられて 退 職 した 場 合 に 退 職 金 を 支 給 しないとする 例 が 多 いと 思 われる 2 二 宮 周 平 = 榊 原 富 士 子 離 婚 判 例 ガイド 第 2 版 ( 有 斐 閣 2005 年 )95 頁 3 山 本 拓 清 算 的 分 与 に 関 する 実 務 上 の 諸 問 題 家 月 62 巻 3 号 9-10 頁 4 山 本 前 掲 注 釈 3 10 頁 5 二 宮 = 榊 原 前 掲 295 頁 でも 10 年 以 上 先 であっても 公 務 員 など 勤 務 先 によっては 受 領 の 蓋 然 性 が 高 い 場 合 がありうる と しており 10 年 を 目 安 としていることがうかがえる 6 判 タ1272 号 218 頁 (4の 裁 判 例 の 評 釈 )では 本 の 主 文 にお いては 退 職 の 事 実 と 退 職 金 手 取 額 の 支 払 の 事 実 とが 民 事 執 行 法 27 条 1 項 にいう 債 権 者 の 証 明 すべき 事 実 に 当 たると 解 さ れるから 同 項 に 基 づき 退 職 日 及 び 退 職 金 手 取 額 を 明 記 した 条 件 成 就 執 行 文 を 付 与 すべきことになる そして 債 権 者 が 退 職 日 や 退 職 金 手 取 額 を 支 払 がされる 前 に 知 り 確 実 に 財 産 分 与 の 支 払 を 受 けるためには 退 職 前 条 件 未 成 就 の 間 に 仮 差 押 え をすることが 考 えられる との 指 摘 がなされている 7 山 本 前 掲 注 釈 3 22 頁 20

番 号 裁 判 所 出 典 勤 務 先 地 位 1 2 東 京 家 裁 平 成 22 年 6 月 23 日 審 判 名 古 屋 高 裁 平 成 21 年 5 月 28 日 家 月 63 巻 2 号 159 頁 信 用 金 庫 定 年 退 職 まで の 期 間 約 5 年 判 時 2069 号 50 頁 私 企 業 15 年 以 上 将 来 の 退 職 金 を 財 産 分 与 の 対 象 財 産 とするか 夫 は 信 用 金 庫 に30 年 以 上 勤 務 してい ることが 認 められ 同 金 庫 を 退 職 し た 場 合 は 退 職 金 の 支 給 を 受 ける 蓋 然 性 が 高 いということができる 退 職 金 のうち 同 居 期 間 に 対 応 する 部 分 は 本 来 財 産 分 与 の 対 象 とな る 夫 婦 共 有 財 産 というべきである しかし 定 年 までに15 年 以 上 あるこ とを 考 慮 すると 退 職 金 の 受 給 の 確 実 性 は 必 ずしも 明 確 ではなく また 別 居 時 の 価 額 を 算 出 することもかな り 困 難 である よって 退 職 金 については 直 接 清 算 的 財 産 分 与 の 対 象 とはせず 扶 養 的 財 産 分 与 の 要 素 としてこれを 斟 酌 するのが 相 当 である 3 広 島 高 裁 平 成 19 年 4 月 17 日 家 月 59 巻 11 号 162 頁 私 企 業? 数 年? ( 勤 続 32 年 ) 4 大 阪 高 裁 平 成 19 年 1 月 23 日 判 タ1272 号 217 頁 公 的 金 融 機 関 支 店 長 5 年 以 内 退 職 したときに 規 程 に 基 づく 退 職 手 当 が 支 給 されることには ほぼ 確 実 な 見 込 がある 退 職 手 当 には 勤 労 の 対 価 の 後 払 いの 性 質 があり 妻 が 婚 姻 から 別 居 までの 期 間 専 業 主 婦 として 勤 務 の 継 続 に 寄 与 してきた と 認 められることからすると 退 職 手 当 の 支 給 額 の 一 部 を 財 産 分 与 する ことが 相 当 と 認 められる 21

いつの 時 点 での 退 職 金 を 清 算 の 対 象 とするか 分 与 の 割 合 退 職 金 に 由 来 する 財 産 分 与 金 の 支 払 時 期 別 居 時 に 自 己 都 合 退 職 した 場 合 の 退 職 金 額 50% 退 職 金 を 支 給 され たとき その 他 扶 養 的 財 産 分 与 として 自 宅 マンション に 妻 の 賃 借 権 を 設 定 するに あたり 退 職 金 の 存 在 を 考 慮 している 現 時 点 で 自 己 都 合 退 職 した 場 合 の 退 職 金 額 50%を 上 回 る 額 将 来 定 年 により 受 給 する 退 職 手 当 額 は 定 ( 約 1711 万 円 の う ち 950 万 円 年 まで 勤 務 することを 前 提 として 初 めて 受 を 分 与 ) 給 できるものである 上 支 給 制 限 事 由 に 該 当 すれば 退 職 手 当 を 受 給 できず また 退 職 の 事 由 の 如 何 によって 受 給 できる 退 職 手 当 の 額 には 大 きな 差 異 があるから 現 時 点 において その 存 否 及 び 内 容 が 確 定 してい るとは 言 い 難 く 定 年 時 における 退 職 手 当 受 給 額 を 現 存 する 積 極 財 産 として 財 産 分 与 の 対 象 とすることはできない ただし 自 己 都 合 により 退 職 した 場 合 でも 退 職 手 当 を 受 給 できる 地 位 にあることは 実 際 に 受 給 できるのが 将 来 の 退 職 時 ではあるものの これを 現 存 する 積 極 財 産 として 財 産 分 与 の 対 象 とするのが 相 当 である 実 際 に 支 給 される 退 職 手 当 の 額 実 際 に 支 給 される 退 職 手 当 の 額 は 本 俸 が 変 動 することにより あるいは 退 職 事 由 の 如 何 により 相 当 程 度 変 動 する 可 能 性 が 残 されている 規 程 では 自 己 都 合 退 職 の 場 合 は 定 年 退 職 の 場 合 の2 分 の1 程 度 に 減 額 される 可 能 性 もある 退 職 手 当 を 支 給 さ れたとき 退 職 手 当 は 退 職 時 に 支 給 されるも のであるから 退 職 手 当 に 由 来 する 財 産 分 与 金 の 支 払 は 将 来 退 職 手 当 を 受 給 したときとす るのが 相 当 である 50% 退 職 手 当 を 支 給 さ れたとき 22

番 号 裁 判 所 出 典 勤 務 先 地 位 定 年 退 職 まで の 期 間 将 来 の 退 職 金 を 財 産 分 与 の 対 象 財 産 とするか 5 広 島 家 裁 平 成 18 年 11 月 12 日 家 月 59 巻 11 号 175 頁 3の 原 審 3の 原 審 6 神 戸 家 裁 尼 崎 支 部 平 成 18 年 5 月 10 日 TKC25420916 4の 原 審 4の 原 審 勤 務 先 の 統 合 による 業 務 の 縮 小 等 も 予 想 されることではあるが 現 に 勤 務 している 職 員 が 退 職 する 際 に 退 職 金 を 受 給 できないということは 想 定 し 難 く 退 職 金 受 給 の 蓋 然 性 は 高 い 7 東 京 地 裁 平 成 17 年 4 月 27 日 判 例 秘 06031697 学 校 法 人 約 9 年 退 職 金 は 給 料 の 後 払 的 な 性 格 を 有 する 労 働 の 対 価 であるから 離 婚 直 後 に 配 偶 者 が 退 職 することなどが 予 測 される 場 合 においては 退 職 金 を 財 産 分 与 の 対 象 に 含 めることに 合 理 的 理 由 が 認 められる 場 合 がある 本 件 では 夫 が 今 後 定 年 まで 勤 務 し 現 在 の 給 料 が 変 動 しないと 仮 定 した 場 合 退 職 金 として 約 3506 万 円 の 支 給 を 受 ける 旨 の 退 職 金 支 給 規 定 があ るから 夫 が 約 9 年 間 現 状 のまま 勤 務 を 継 続 することにより 勤 務 先 から 退 職 金 の 支 給 を 受 ける 蓋 然 性 が 高 いと 考 えられる 一 般 に 退 職 金 は 賃 金 の 後 払 い 的 性 質 があり 婚 姻 期 間 中 の 配 偶 者 の 協 力 がその 取 得 に 寄 与 しているというべ きであるから 将 来 において 退 職 金 を 受 給 する 蓋 然 性 が 高 いときは 夫 婦 の 婚 姻 期 間 に 対 応 した 分 を 清 算 の 対 象 とするのが 相 当 である 本 件 でも 夫 は5 年 後 に 定 年 退 職 をす る 予 定 であり かつ 国 家 公 務 員 である という 事 情 を 考 慮 すると 将 来 にお いて 退 職 金 を 受 給 する 蓋 然 性 が 高 い 8 東 京 地 裁 平 成 17 年 1 月 25 日 判 例 秘 06030199 国 家 公 務 員 5 年 23

いつの 時 点 での 退 職 金 を 清 算 の 対 象 とするか 現 時 点 で 自 己 都 合 退 職 した 場 合 の 退 職 金 額 将 来 定 年 により 受 給 する 退 職 手 当 額 は 定 年 まで 勤 務 することを 前 提 として 初 めて 受 給 できるものである 上 支 給 制 限 事 由 に 該 当 すれば 退 職 手 当 を 受 給 できず また 退 職 の 事 由 の 如 何 によって 受 給 できる 退 職 手 当 の 額 には 大 きな 差 異 があるから 現 時 点 において その 存 否 及 び 内 容 が 確 定 してい るとは 言 い 難 く 定 年 時 における 退 職 手 当 受 給 額 を 現 存 する 積 極 財 産 として 財 産 分 与 の 対 象 とすることはできない ただし 自 己 都 合 により 退 職 した 場 合 でも 退 職 手 当 を 受 給 できる 地 位 にあることは 実 際 に 受 給 分 与 の 割 合 50%を 上 回 る 額 ( 約 1711 万 円 の う ち 950 万 円 を 分 与 ) 退 職 手 当 の 支 給 率 は 自 己 都 合 退 職 の 場 合 よりも 定 年 退 職 の 場 合 の 方 が 高 くなっており 定 年 まで 勤 務 したときに 受 給 できる 退 職 金 額 は 現 時 点 に おいて 自 己 都 合 により 退 職 し たときに 受 給 できる 退 職 手 当 額 と 比 べて 相 当 増 額 となるこ とが 見 込 まれる よって 退 職 手 当 に 関 して 支 払 うべき 財 できるのが 将 来 の 退 職 時 ではあるものの 産 分 与 の 額 を 定 めるにあたっ これを 現 存 する 積 極 財 産 として 財 産 分 与 の ては 民 法 768 条 3 項 所 定 の そ 対 象 とするのが 相 当 である の 他 一 切 の 事 情 としてこれを 考 慮 する 別 居 時 に 自 己 都 合 退 職 した 場 合 の 退 職 金 額 現 在 自 己 都 合 退 職 により 退 職 した 場 合 で も 退 職 手 当 を 受 給 できる 地 位 にあること から それを 実 際 に 受 給 できるのが 将 来 の 退 職 時 においてではあるものの これを 現 存 する 積 極 財 産 として 財 産 分 与 の 対 象 財 産 に 加 えるべきである 将 来 定 年 退 職 したときに 支 払 いを 受 ける 退 職 金 額 50%から2 割 減 額 した 額 勤 務 先 をめぐる 政 治 的 財 政 的 情 勢 からうかがわれる 退 職 金 の 額 の 不 安 定 要 素 や 実 際 の 本 俸 も 減 額 されていることな どを 考 慮 する 30% 夫 において 婚 姻 関 係 破 綻 後 約 12 年 間 に 亘 り 勤 務 を 継 続 し て 定 年 までの 労 働 関 係 を 維 持 継 続 することにより 初 めて 約 3506 万 円 の 退 職 金 を 取 得 する ことが 可 能 なことなどを 考 慮 する 退 職 金 に 由 来 する 財 産 分 与 金 の 支 払 時 期 退 職 手 当 を 支 給 さ れたとき 退 職 金 を 支 給 され たとき 退 職 金 の 支 払 いを 受 けたとき その 他 実 際 に 支 給 を 受 ける 退 職 金 額 分 与 の 方 法 としては 現 在 の 価 値 に 引 き 直 して 支 払 う 方 法 も 考 えられるが 被 告 の 現 在 の 資 力 が 夫 婦 共 有 財 産 のみであることを 考 慮 すると 将 来 受 給 したときにおいて 勤 続 年 数 38 年 のうち 別 居 期 間 に 至 るまでの 婚 姻 期 間 である16 年 間 に 相 当 する 分 を 対 象 と するのが 相 当 である 50% 退 職 手 当 を 支 給 さ れたとき 主 文 は 国 から 退 職 手 当 を 受 給 し たときは 退 職 手 当 から 公 租 公 課 を 控 除 した 残 額 の19 分 の4を 支 払 え とされて いる 24

番 号 裁 判 所 出 典 勤 務 先 地 位 9 10 11 東 京 地 裁 平 成 16 年 5 月 28 日 東 京 地 裁 平 成 15 年 4 月 16 日 名 古 屋 高 裁 平 成 12 年 12 月 20 日 定 年 退 職 まで の 期 間 将 来 の 退 職 金 を 財 産 分 与 の 対 象 財 産 とするか 夫 が 現 時 点 で 勤 務 先 を 退 職 すれば 相 当 額 の 退 職 金 が 支 給 されるが 実 判 例 秘 05932292 私 企 業 際 に 被 告 が 近 い 将 来 に 同 社 を 退 職 す 不 明 (ただし る 蓋 然 性 が 高 いとはいえないので 夫 は 昭 和 33 年 将 来 の 退 職 時 期 支 給 額 等 の 不 明 確 生 まれであ なまま 退 職 金 を 清 算 的 財 産 分 与 の る ) 対 象 とすることはできない 夫 の 退 職 金 は 潜 在 的 な 共 同 財 産 と して 財 産 分 与 額 を 算 出 する 一 要 素 と して 考 慮 する 退 職 金 は 賃 金 の 後 払 としての 性 格 があるものであり 被 告 が 取 得 する 退 職 金 には 原 告 が 夫 婦 としての 共 同 判 例 秘 05831633 私 企 業 約 7 年 生 活 を 営 んでいた 際 の 貢 献 が 反 映 さ れていると 見 るべきであるから 退 職 金 自 体 が 財 産 分 与 の 対 象 となると いうべきである そして 将 来 支 給 される 退 職 金 であっても その 事 情 は 異 ならない 判 タ1095 号 233 頁 国 家 公 務 員 ( 税 務 職 員 ) 約 8 年 現 在 自 己 都 合 により 退 職 した 場 合 で も 約 1632 万 円 の 退 職 手 当 を 受 給 で きる 法 的 地 位 にあるのであるから 妻 の 協 力 に 対 応 した 範 囲 で 財 産 分 与 算 定 の 基 礎 財 産 に 加 えるのが 相 当 で あり これを 加 えないとした 場 合 に はかえって 財 産 分 与 制 度 の 趣 旨 に 反 して 公 平 を 失 する 結 果 となる 12 東 京 地 裁 平 成 11 年 9 月 3 日 判 時 1700 号 79 頁 私 企 業 6 年 将 来 退 職 金 を 受 け 取 れる 蓋 然 性 が 高 い 場 合 には 将 来 受 給 するであろう 退 職 金 であっても 清 算 の 対 象 とする ことができる 夫 が 現 在 の 勤 務 先 の 会 社 に6 年 後 の 定 年 時 まで 勤 務 し 退 職 金 の 支 給 を 受 けるであろう 蓋 然 性 は 十 分 に 認 め られる 25

いつの 時 点 での 退 職 金 を 清 算 の 対 象 とするか 分 与 の 割 合 退 職 金 に 由 来 する 財 産 分 与 金 の 支 払 時 期 その 他 離 婚 時 において 退 職 すれば 支 給 されるであ ろう 退 職 金 額 定 年 退 職 まで 約 7 年 を 残 しており 定 年 退 職 による 退 職 金 相 当 額 を 取 得 する 蓋 然 性 が 相 当 高 いとしても 必 ずしも 確 実 であると はいえず これを 基 準 として 退 職 金 の 財 産 分 与 の 額 を 算 定 するのは 相 当 ではない 現 在 自 己 都 合 により 退 職 したときに 受 給 で きる 金 額 現 在 自 己 都 合 により 退 職 した 場 合 でも 退 職 手 当 を 受 給 できる 地 位 にあることは それ を 実 際 に 受 給 できるのが 将 来 の 退 職 時 にお いてではあるものの これを 現 存 する 積 極 財 産 として 財 産 分 与 算 定 の 基 礎 財 産 に 加 え るべきものである 40% 本 件 に 顕 れた 一 切 の 事 情 を 総 合 考 慮 すると 妻 の 寄 与 の 程 度 は 概 ね4 割 程 度 である 50%を 上 回 る 額 ( 約 907 万 円 のうち 550 万 円 を 分 与 ) 将 来 定 年 退 職 した 時 に 受 給 で きる 退 職 手 当 額 のうち 別 居 ま での 婚 姻 期 間 に 対 応 する 額 は 現 在 自 己 都 合 により 退 職 した ときに 受 給 できる 退 職 手 当 額 のうち 婚 姻 期 間 分 に 対 応 する 額 に 比 べて 相 当 に 増 額 となる 離 婚 時 退 職 金 は 実 際 には 現 時 点 ではなく 将 来 支 給 されるもの であるから 中 間 利 息 の 控 除 が 問 題 と なるが こういった 事 情 は 財 産 分 与 の 配 分 割 合 の 判 断 に あたって 斟 酌 する 退 職 手 当 を 支 給 さ れたとき 夫 への 退 職 手 当 給 付 は 夫 の 退 職 時 になされるもので あるから 国 家 公 務 員 法 退 職 手 当 法 における 支 給 制 限 事 由 が 存 在 してい ること さらには 関 係 にあるので このことは 将 来 退 職 したとき 民 法 766 条 3 項 の その 他 一 切 の 事 情 として 夫 が 退 職 手 当 を 受 領 するときに 妻 に 対 して 支 払 うべき 財 産 分 与 の 額 を 定 め るにあたって これを 考 慮 す る に 受 給 する 退 職 手 当 を 離 婚 時 に 現 実 に 清 算 させること としたときには 夫 にその 支 払 のた めの 資 金 調 達 の 不 利 益 を 強 いること にもなりかねない 将 来 退 職 したときに 受 給 する 退 職 金 額 50% 離 婚 時 そして このうち 夫 婦 の 婚 姻 期 間 に 対 応 す る 分 を 算 出 し ここから 中 間 利 息 ( 年 5%) を 複 利 計 算 で 控 除 して 現 在 の 額 に 引 き 直 し たうえ 清 算 の 対 象 とする 26

番 号 裁 判 所 出 典 勤 務 先 地 位 13 東 京 高 裁 平 成 10 年 3 月 18 日 判 時 1690 号 66 頁 学 校 法 人 理 事 定 年 退 職 まで の 期 間 不 明 (ただし 夫 は 明 治 44 年 生 まれであ る ) 将 来 の 退 職 金 を 財 産 分 与 の 対 象 財 産 とするか 14 東 京 高 裁 平 成 10 年 3 月 13 日 決 定 家 月 50 巻 11 号 81 頁 私 企 業 約 7 年 将 来 支 給 を 受 ける 退 職 金 であって も その 支 給 を 受 ける 高 度 の 蓋 然 性 が 認 められるときには これを 財 産 分 与 の 対 象 とすることができるもの と 解 するのが 相 当 である 夫 の 勤 務 する 企 業 の 規 模 等 に 照 らして 夫 が 退 職 時 に 退 職 金 の 支 給 を 受 けること はほぼ 確 実 である 15 水 戸 家 裁 竜 ヶ 崎 支 部 平 成 9 年 10 月 7 日 審 判 家 月 50 巻 11 号 86 頁 14の 原 審 14の 原 審 将 来 支 給 されることがほぼ 確 実 であ る 退 職 金 は 賃 金 の 後 払 い 的 な 性 格 が 強 いものと 考 えられ 退 職 金 に 関 しては 妻 にも 何 らかの 権 利 があると いわざるを 得 ないというべきであ る 将 来 原 告 が 取 得 する 退 職 金 は 共 有 財 産 である 16 横 浜 地 裁 平 成 9 年 1 月 22 日 判 時 1618 号 109 頁 13の 原 審 13の 原 審 27

いつの 時 点 での 退 職 金 を 清 算 の 対 象 とするか 将 来 退 職 したときの 退 職 金 額 夫 が 理 事 を 退 任 した 場 合 には 退 職 金 とし ておよそ2191 万 円 を 支 給 されると 認 められ るから その 約 2 分 の1に 相 当 する 金 額 を 支 払 うべきである 離 婚 時 に 相 手 方 が 任 意 に 退 職 した 場 合 の 退 職 金 額 離 婚 時 に 相 手 方 が 任 意 に 退 職 した 場 合 の 退 職 金 額 退 職 金 に 由 来 する 財 分 与 の 割 合 産 分 与 金 の 支 払 時 期 50% 退 職 金 の 支 払 いを 受 けたとき 40% 退 職 金 が 仮 に 離 婚 前 に 支 給 さ れていたとしても その 全 額 が 離 婚 時 まで 残 存 していると は 限 らないし( 何 らかの 消 費 的 支 出 に 充 てられる 可 能 性 があ る ) 夫 が 支 給 を 受 ける 退 職 金 について 妻 の 寄 与 率 を 夫 と 同 一 と 見 るのは 妥 当 ではな い よって 退 職 金 について の 妻 の 寄 与 率 を4 割 とするのが 相 当 である 退 職 金 を 支 給 され たとき 50% 退 職 金 の 支 払 いを 受 けたとき その 他 将 来 退 職 したときの 退 職 金 額 退 職 金 を 確 実 に 取 得 できるかは 未 確 定 であ り その 額 は 確 定 されていないから 現 時 点 では 確 定 金 額 の 支 払 いを 命 じることは 相 当 ではない 50% 退 職 金 を 受 領 した とき 主 文 は 将 来 退 職 金 を 受 領 したと き その 受 領 金 額 の2 分 の1 を 支 払 え と されている 28