( 最 終 更 新 日 :2012 年 6 月 1 日 ) 1. 住 宅 ローンのリスクと 信 用 補 完 RMBS(Residential Mortgage Backed Securities: 住 宅 ローン 担 保 証 券 )の 信 用 補 完 は 貸 倒 リ スク 対 応 部 分 金 利 リスク 対 応 部 分 コミングルリスク 対 応 部 分 相 殺 リスク 対 応 部 分 に 分 解 でき RMBSの 格 付 は これら 各 種 のリスクに 対 して 必 要 な 水 準 の 信 用 補 完 を 算 定 するプロセスであ 信 用 補 完 は 債 権 超 過 担 保 か 現 金 準 備 の 形 で 組 み 込 まれる( 図 表 1) 信 用 補 完 や 流 動 性 補 完 の 一 部 をセラー 受 益 権 とするスキームもあ 図 表 1 裏 付 け 資 産 とRMBSの 対 応 関 係 の 例 ( 裏 付 資 産 ) (RMBS) 優 先 受 益 権 /シニア 社 債 (AAA 格 ) 投 資 家 へ 販 売 現 金 準 備 金 劣 後 受 益 権 / 劣 後 社 債 ( 貸 倒 リスク 対 応 ) ( 金 利 リスク 対 応 ) (コミングリングリスク 対 応 ) ( 相 殺 リスク 対 応 ) ( 流 動 性 リスク 対 応 ) 信 用 補 完 部 分 流 動 性 補 完 部 分 (1) 貸 倒 リスク 貸 倒 リスク 対 応 の 信 用 補 完 は 債 務 者 のローン 不 払 いや 破 産 による 損 失 に 備 えたもので 住 宅 ロ ーンプールのヒストリカルデータをもとに 貸 倒 れ 動 向 を 分 析 し 延 滞 率 期 限 前 弁 済 率 を 考 慮 して 算 定 す の 特 徴 としては 債 務 者 の 住 居 を 担 保 に 供 していることから 債 務 者 の 支 払 意 思 優 先 順 位 は 高 く ショッピングクレジットやキャッシングに 比 べ 貸 倒 率 が 比 較 的 低 い 債 権 であるということが 挙 げられ 貸 倒 率 は DTI(Debt To Income: 年 収 比 率 ) LTV(Loan To Value: 担 保 掛 目 率 ) 債 務 者 の 職 種 債 権 の 経 過 年 数 等 のプール 属 性 により 大 幅 に 左 右 される 傾 向 があるので 各 属 性 ごとに 詳 細 な 分 析 を 行 う DTIは 住 宅 ローン 債 務 者 の 年 間 返 済 額 の 年 収 に 対 する 比 率 で DTI が 高 いほど 債 務 者 1/7
は 月 々の 返 済 の 負 担 が 重 く 一 般 に 収 入 の 減 少 支 出 の 増 加 等 の 変 化 に 対 応 できにくくなるため 貸 倒 率 延 滞 率 が 高 くなる 傾 向 があLTVは 担 保 となる 不 動 産 の 価 格 に 対 する 額 の 比 率 ( 担 保 掛 目 率 )で 一 般 に LTV が 高 いほど 手 元 資 金 に 余 裕 がない 借 入 れとなっているケース が 多 く 結 果 的 に 貸 倒 率 延 滞 率 が 高 くなる 傾 向 があ 先 行 き 住 宅 ローンの 返 済 が 苦 しくなった 場 合 でも 当 初 LTV が 低 いほど 残 高 に 対 して 担 保 物 件 の 市 場 価 値 が 上 回 る 可 能 性 は 高 く 借 り 替 えまたは 任 意 に 担 保 物 件 を 売 却 することにより 貸 倒 れまたは 延 滞 に 至 らないケース が 多 くな 住 宅 ローンは 長 期 の 債 権 であるため 経 過 年 数 に 応 じた 債 権 の 動 向 を 分 析 する 必 要 があ 各 パ ラメータの 平 均 標 準 偏 差 トレンドを 考 慮 の 上 で 基 本 的 パラメータを 算 定 し 母 体 債 権 における 損 失 発 生 の 時 間 的 推 移 (ロスカーブ)や 期 限 前 弁 済 の 時 間 的 推 移 をスタティックデータ 等 により 推 定 す RMBS の 標 準 的 なストレス 倍 率 は 以 下 のとおり 新 規 実 行 から 間 もない 債 権 の 期 限 前 弁 済 率 は より 低 いと 想 定 す ストレス 倍 率 貸 倒 延 滞 貸 倒 延 滞 期 限 前 弁 済 当 初 5 年 6 年 目 以 降 通 期 AAA 3.5 3.5 0.5 A 2.5 2.5 0.5 BBB 2.0 1.5 0.75 実 際 に 適 用 するストレス 倍 率 は 以 下 の 要 因 を 考 慮 して 案 件 ごとに 決 定 す DTI LTV 銀 行 の 審 査 回 収 体 制 特 に 審 査 基 準 によって 原 債 権 の 質 すなわち 延 滞 貸 倒 れの 確 率 は 上 下 する デュー ディリジェンス ミーティングにおいては 当 該 債 権 発 生 時 の 審 査 基 準 とその 後 の 変 更 に 注 目 する( 営 業 戦 略 上 キャンペーンなどを 行 い 一 時 期 に 急 激 な 残 高 増 加 があった 場 合 には 審 査 基 準 そのものが 緩 和 されていた 可 能 性 がある) 例 えば 同 じ DTIでも 勤 務 先 の 経 営 状 況 についての 審 査 基 準 が 緩 和 されているケース 同 じ LTVであっても 担 保 物 件 の 評 価 方 法 が 緩 和 されているケース 等 があり 得 る 地 域 経 済 の 動 向 ( 地 域 の 失 業 率 地 価 動 向 ) 債 務 者 の 雇 用 状 況 ( 給 与 所 得 者 か 自 営 業 者 か) 年 齢 ( 完 済 時 年 齢 の 分 布 ) 資 金 使 途 ( 自 己 居 住 用 か 資 産 運 用 目 的 か) 極 端 な 地 域 集 中 ( 地 震 リスク) (2) 金 利 リスク 金 利 リスク 対 応 の 信 用 補 完 は 住 宅 ローンの 金 利 と RMBS の 金 利 が 相 違 する 場 合 に 生 じうる 金 利 逆 鞘 に 備 えた 劣 後 であり 金 利 逆 鞘 のリスクの 度 合 いに 応 じてその 額 が 決 定 されRMBSと 裏 付 2/7
債 権 の 基 準 金 利 が 同 じあるいはスワップ 等 によりヘッジされている 場 合 はこの 信 用 補 完 は 必 要 な い 1 金 利 形 態 のミスマッチによる 逆 鞘 リスク 住 宅 ローンの 金 利 と RMBSの 金 利 にミスマッチがある 場 合 に 金 利 逆 鞘 が 発 生 するリスクがあ 固 定 金 利 選 択 型 住 宅 ローンは 一 定 期 間 住 宅 ローン 金 利 を 固 定 することが 可 能 であり 固 定 期 間 が 終 了 した 時 点 でまた 固 定 金 利 か 変 動 金 利 を 選 択 することができまた 変 動 金 利 から 固 定 金 利 への 変 更 も 可 能 となっており 固 定 変 動 の 選 択 は 債 務 者 の 自 由 であそのため 金 利 低 下 局 面 において 債 務 者 が 変 動 金 利 を 選 択 しているが RMBSは 固 定 金 利 である 場 合 や 金 利 上 昇 局 面 にお いて 債 務 者 が 固 定 金 利 を 選 択 しているが RMBSが 変 動 金 利 である 場 合 に 金 利 逆 鞘 が 発 生 するリ スクがあ 2 ベーシスリスク ベーシスリスクとは 住 宅 ローンの 基 準 金 利 と RMBSの 基 準 金 利 が 異 なる 場 合 に RMBSの 基 準 金 利 が 住 宅 ローンの 基 準 金 利 よりも 高 くなるリスクであ 住 宅 ローン 金 利 は 長 期 プライムレートや 短 期 プライムレートに 連 動 する 場 合 が 多 く 一 方 RMBSの 金 利 は Liborに 連 動 する 場 合 が 多 く Liborとプライムレートの 金 利 差 が 少 ないまたは Liborがプライムレートより 高 くなる 時 に 逆 鞘 が 発 生 す 住 宅 ローンの 金 利 は 年 2 回 見 直 しが 通 常 だが パススルータイプの RMBSの 金 利 は 毎 月 見 直 しが 通 常 であり 特 に 金 利 上 昇 局 面 に おいては RMBSの 金 利 が 先 行 して 上 昇 し 住 宅 ローンの 金 利 よりも 高 くなり 逆 鞘 を 起 こす 可 能 性 があ RMBS の 全 額 が 固 定 金 利 である 場 合 現 状 の 低 金 利 下 では 裏 付 債 権 の 金 利 低 下 余 地 は 極 めて 限 られていることから 本 来 金 利 逆 鞘 劣 後 は 低 水 準 となしかし 昨 今 は 住 宅 ローン 貸 出 競 争 が 激 化 し 優 遇 金 利 が 導 入 されているケースが 多 い このように RMBSの 固 定 金 利 と 逆 鞘 に なっているケースでは 金 利 リスク 対 応 信 用 補 完 は 高 水 準 となる 可 能 性 があ (3) コミングリングリスク 債 務 者 から 回 収 された 資 金 は オリジネーターの 金 融 機 関 にプールされ 一 定 期 間 後 に 信 託 銀 行 や SPC( 以 下 SPV )に 送 金 されることにな 回 収 金 が 送 金 されるまでの 期 間 にオリジネーター が 破 綻 した 場 合 オリジネーターの 一 般 財 産 と 回 収 金 が 混 同 される 状 況 が 発 生 する 可 能 性 があ 債 権 譲 渡 に 対 する 債 務 者 の 承 諾 や 通 知 が 留 保 され 回 収 金 が 預 金 保 険 の 対 象 となることが 明 確 で ない 案 件 の 場 合 滞 留 期 間 が 1 日 の 場 合 など コミングリングリスクが 小 さいと 判 断 される 場 合 を 除 き 原 則 1 回 収 期 間 分 の 想 定 回 収 額 相 当 額 をコミングリング 対 応 信 用 補 完 として 設 定 する 必 要 が あ ただし サービサー 銀 行 の 格 付 が BBB/ネガティブ 以 下 となった 場 合 に130 日 以 内 にコミ ングリング 対 応 信 用 補 完 相 当 額 を 追 加 金 銭 信 託 または2 回 収 見 込 み 金 額 の 前 払 いを 行 うことで 3/7
コミングリング 対 応 信 用 補 完 の 当 初 留 保 は 可 能 であ (4) 相 殺 リスク 原 債 務 者 がオリジネーターに 対 して 預 金 を 有 している 場 合 オリジネーターが 破 綻 した 場 合 に 原 債 務 者 がオリジネーターに 対 して 保 有 する 預 金 と 住 宅 ローンを 相 殺 することができ 預 金 保 険 法 で 1,000 万 円 までは 預 金 が 保 護 されており 預 金 が 1,000 万 円 までの 債 務 者 は 相 殺 リスクの 可 能 性 はないが 預 金 が 1,000 万 円 を 超 える 部 分 については 相 殺 が 実 施 される 可 能 性 があ このリスクについては 債 務 者 の 預 金 額 のうち 預 金 保 険 による 保 護 上 限 額 (1,000 万 円 )を 超 える 額 を 相 殺 リスクに 晒 される 額 とみなし 各 債 務 者 について 債 権 残 高 から 預 金 残 高 を 差 し 引 い た 額 から 1,000 万 円 を 控 除 した 額 の 合 計 額 を 相 殺 対 応 信 用 補 完 とす (5) 流 動 性 リスク オリジネーターが 破 綻 し 債 務 者 からの 回 収 金 の 信 託 への 引 渡 しが 滞 った 場 合 に 諸 費 用 の 支 払 いや 優 先 受 益 権 の 配 当 原 資 が 不 足 する 可 能 性 があこのリスクについては サービサーが 金 融 機 関 となっている 固 定 金 利 の RMBSの 場 合 には 優 先 受 益 権 の 配 当 ならびに 信 託 報 酬 等 の 諸 費 用 の 1 か 月 分 を 変 動 金 利 RMBS の 場 合 は 同 3 か 月 分 を 現 金 準 備 として 積 み 立 てておくことで 対 応 す 2. の 譲 渡 と 保 証 履 行 請 求 権 抵 当 権 銀 行 等 の 住 宅 ローンには 債 務 者 に 対 する の 履 行 を 担 保 するためにその 銀 行 グルー プに 属 する 保 証 会 社 の 保 証 が 付 いているケースが 多 い このようなケースでは 債 務 者 が 有 する 不 動 産 に 保 証 会 社 を 抵 当 権 者 とする 抵 当 権 を 債 務 者 に 対 する 事 前 求 償 権 を 被 担 保 債 権 として 設 定 す 保 証 会 社 は 銀 行 に 対 する 保 証 履 行 後 債 務 者 に 対 する 求 償 権 を 抵 当 権 実 行 により 回 収 することができ 銀 行 が 住 宅 ローンを SPV に 譲 渡 すると 銀 行 が 保 有 していた 保 証 履 行 請 求 権 は 保 証 の 随 伴 性 に より 当 然 に SPVに 移 転 す 一 方 抵 当 権 は SPVに 移 転 することはなく 保 証 会 社 にとどまり 続 け RMBS の 格 付 では 保 証 履 行 による 回 収 と 抵 当 権 実 行 による 回 収 をどこまで 見 込 めるかが 論 点 とな (1) 保 証 履 行 請 求 権 に 保 証 会 社 の 保 証 が 付 されている 場 合 保 証 会 社 が 保 証 を 履 行 する 限 り SPVが 譲 り 受 けた 住 宅 ローンプールに 貸 倒 損 失 は 発 生 しない 銀 行 と 保 証 会 社 が 締 結 する 保 証 契 約 には 保 証 履 行 を 免 責 される 条 項 が 入 っているが 免 責 事 由 が 銀 行 の 保 証 契 約 違 反 と 銀 行 に 故 意 または 重 過 失 があったときに 限 定 されていれば この 2つに 該 当 した 場 合 銀 行 は 信 託 契 約 等 における 表 明 保 証 違 反 委 託 者 の 約 束 違 反 により 当 該 債 権 を 買 い 戻 す 義 務 を 負 う 銀 行 は 貸 倒 債 権 が 発 生 した 場 合 回 収 可 能 性 等 を 勘 案 し 期 限 の 利 益 を 喪 失 させて 保 証 履 行 請 求 するよりも 債 務 者 と 相 談 の 上 で 条 件 緩 和 ( 金 利 減 免 や 期 限 延 長 )を 行 う 方 を 選 択 することもあるが 後 者 についても 銀 行 は 信 託 契 4/7
約 等 における 表 明 保 証 違 反 委 託 者 の 約 束 違 反 により 当 該 債 権 を 買 い 戻 す 義 務 を 負 う 図 表 2 保 証 履 行 請 求 権 抵 当 権 団 信 < 証 券 化 前 > 生 命 保 険 会 社 団 体 信 用 生 命 保 険 契 約 原 債 務 者 オリジネーター ( 銀 行 ) 損 害 保 険 契 約 抵 当 権 保 証 履 行 請 求 権 損 害 保 険 会 社 質 権 保 証 会 社 < 証 券 化 後 > 保 証 に 関 する 覚 書 生 命 保 険 会 社 団 体 信 用 生 命 保 険 契 約 信 託 銀 行 原 債 務 者 オリジネーター ( 銀 行 ) 損 害 保 険 契 約 抵 当 権 損 害 保 険 会 社 質 権 保 証 会 社 保 証 履 行 請 求 権 このことから JCRでは 以 下 を 要 件 として 関 係 保 証 会 社 の 保 証 履 行 能 力 を 反 映 させた 格 付 が 貸 倒 リスク 対 応 信 用 補 完 に 相 当 するトランシェに 対 して 可 能 と 考 えてい すべての に 関 係 保 証 会 社 の 連 帯 保 証 が 付 されている 原 則 銀 行 が JCRの 一 定 以 上 の 依 頼 格 付 を 取 得 している 銀 行 と 関 係 保 証 会 社 の 経 営 上 の 一 体 性 が 強 い 保 証 契 約 における 免 責 事 由 が 限 定 されており( 例. 銀 行 の 保 証 契 約 違 反 銀 行 に 故 意 または 重 過 失 があったとき) それらの 事 由 に 該 当 した 場 合 銀 行 は 表 明 保 証 違 反 委 託 者 の 約 束 違 反 によ り 当 該 債 権 を 買 戻 す 義 務 を 負 う 契 約 となっている 限 定 されていないケース( 例. 地 震 による 建 物 の 損 壊 )では 当 該 事 由 が 生 じたときの 対 応 が 仕 組 み 上 なされること 銀 行 が 条 件 緩 和 ( 金 利 減 免 や 期 限 延 長 )を 行 った 場 合 銀 行 は 表 明 保 証 違 反 委 託 者 の 約 束 違 反 により 当 該 債 権 を 買 い 戻 す 義 務 を 負 う 契 約 となっている 5/7
真 正 譲 渡 である 旨 の 法 律 意 見 書 が 提 出 される 金 利 リスク 相 殺 リスク 等 保 証 契 約 ではカバーできない 各 種 リスクに 対 する 信 用 補 完 が 劣 後 受 益 権 現 金 準 備 の 形 で 別 途 なされている 保 証 会 社 がオリジネーターの 子 会 社 であるケースでは オリジネーターの 銀 行 がグループとして RMBSに 対 する 信 用 補 完 を 行 っている 形 となるが このような 場 合 でも 真 正 売 買 性 が 損 なわれな い 理 由 として 次 のことが 説 明 されてい (a) 親 会 社 による 株 式 の 持 分 割 合 は 親 子 会 社 間 の 取 引 の 性 質 とは 違 う 問 題 であ (b) そもそも 子 会 社 による 住 宅 ローンの 保 証 は 証 券 化 に 際 して 付 けられたのではなく 住 宅 ローンの 実 行 時 に 証 券 化 とは 無 関 係 に 提 供 されたものであ 証 券 化 当 事 者 は 対 象 債 権 が 譲 渡 人 の 子 会 社 の 保 証 付 きであることを 認 識 し それを 前 提 とした 価 格 付 のもとで 売 買 などの 取 引 を 行 ってい (2) 抵 当 権 実 行 による 回 収 の 可 否 保 証 会 社 が 破 綻 しても 抵 当 権 は 当 然 に SPV に 移 転 するわけではない 破 綻 処 理 の 過 程 で 保 証 債 務 がカットされると 保 証 履 行 の 結 果 取 得 する 求 償 権 も 減 額 され 抵 当 権 実 行 による 回 収 もその 範 囲 に 限 定 されるとみられクロージングの 時 点 で SPV に 保 証 会 社 が 抵 当 権 を 譲 渡 し(あるい は 保 証 会 社 が SPV のために 転 抵 当 権 を 設 定 する) 保 証 会 社 の 信 用 不 安 事 由 等 をトリガーとして 対 抗 要 件 を 具 備 する 仕 組 みは 信 用 不 安 事 由 発 生 時 の 対 抗 要 件 具 備 がオリジネーターの 管 財 人 に 否 認 される 可 能 性 が 残 存 し 保 証 会 社 が 会 社 更 生 手 続 の 対 象 となった 場 合 には 抵 当 権 または 転 抵 当 権 は 更 生 担 保 権 となり 手 続 外 における 任 意 の 弁 済 を 受 けることはできない これらの 法 的 な 制 約 が 回 避 できない 限 り 保 証 会 社 の 格 付 と 同 じかそれを 下 回 る 格 付 のトランシェを 除 き 抵 当 権 実 行 による 回 収 を 織 り 込 むかどうかは 慎 重 に 判 断 す (3) 団 体 信 用 生 命 保 険 住 宅 ローンには 団 体 信 用 生 命 保 険 を 付 しているケースが 多 いが 保 険 金 の 受 取 人 変 更 は 債 務 者 の 同 意 が 必 要 であ 保 険 金 はオリジネーターが 受 取 るため オリジネーター 破 綻 後 に 団 体 信 用 生 命 保 険 を 付 している 効 果 を 期 待 できないことから JCR では RMBS の 格 付 時 に 団 体 信 用 生 命 保 険 の 効 果 を 考 慮 していない 3. 地 域 金 融 機 関 の 場 合 の 論 点 (1) 地 域 集 中 地 域 金 融 機 関 の 住 宅 ローンについては 相 対 的 に 債 務 者 の 地 域 集 中 度 が 高 いという 点 は 回 避 でき ない 地 域 集 中 の 論 点 は 成 長 率 や 所 得 水 準 など 地 域 経 済 の 影 響 が 反 映 されることおよび 地 震 リスクで あ 地 震 リスクについては 地 震 頻 発 地 域 や 同 一 団 地 内 の 債 務 者 に 偏 っている 場 合 など 極 端 な 場 6/7
合 はストレスの 調 整 や 信 用 補 完 が 必 要 であるが 同 じ 町 内 への 集 中 を 避 ける 等 の 分 散 措 置 により 十 分 対 応 は 可 能 であると 考 えてい 地 域 経 済 の 影 響 については 失 業 率 等 の 指 標 調 査 および 地 価 動 向 調 査 などを 行 い 抽 出 プールへの 影 響 を 考 慮 する 必 要 があ 地 域 集 中 リスクを 回 避 するスキームとしては 地 域 的 に 分 散 した 複 数 の 地 域 金 融 機 関 の 住 宅 ロー ン 債 権 をまとめて 証 券 化 するなどの 工 夫 が 考 えられよう (2) 相 殺 劣 後 競 合 先 が 少 ない 地 域 の 地 域 金 融 機 関 は その 地 域 の 消 費 者 にとって 給 与 振 込 み 口 座 があるメイン バンクとして 機 能 している 場 合 が 多 いと 考 えられ また 都 市 部 に 比 し 住 宅 ローンの 債 務 者 が 貯 蓄 用 の 口 座 を 持 つケースも 多 いと 予 測 され 地 域 金 融 機 関 がオリジネーターである 案 件 については 相 殺 劣 後 の 信 用 補 完 をどの 程 度 手 当 てすべき か 慎 重 に 検 討 すべき 課 題 と 考 えてい 以 上 留 意 事 項 本 文 書 に 記 載 された 情 報 には 人 為 的 機 械 的 またはその 他 の 事 由 による 誤 りが 存 在 する 可 能 性 があります したがって JCRは 明 示 的 であると 黙 示 的 であるとを 問 わず 当 該 情 報 の 正 確 性 結 果 的 確 性 適 時 性 完 全 性 市 場 性 特 定 の 目 的 への 適 合 性 につ いて 一 切 表 明 保 証 するものではなく また JCRは 当 該 情 報 の 誤 り 遺 漏 または 当 該 情 報 を 使 用 した 結 果 について 一 切 責 任 を 負 いません JCRは いかなる 状 況 においても 当 該 情 報 のあらゆる 使 用 から 生 じうる 機 会 損 失 金 銭 的 損 失 を 含 むあらゆる 種 類 の 特 別 損 害 間 接 損 害 付 随 的 損 害 派 生 的 損 害 について 契 約 責 任 不 法 行 為 責 任 無 過 失 責 任 その 他 責 任 原 因 のいかんを 問 わず また 当 該 損 害 が 予 見 可 能 であると 予 見 不 可 能 であるとを 問 わず 一 切 責 任 を 負 いません また 当 該 情 報 は JCRの 意 見 の 表 明 であって 事 実 の 表 明 ではなく 信 用 リスクの 判 断 や 個 別 の 債 券 コマーシャルペーパー 等 の 購 入 売 却 保 有 の 意 思 決 定 に 関 し て 何 らの 推 奨 をするものでもありません 本 文 書 に 係 る 一 切 の 権 利 は JCRが 保 有 しています 本 文 書 の 一 部 または 全 部 を 問 わず JCRに 無 断 で 複 製 翻 案 改 変 等 をすることは 禁 じられています 7/7