日本版総合的社会調査共同研究拠点研究論文集[9]



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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 2 年 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制 措 置 を 行 う 前 のものです ( 単 位 : ) 3 職 員 の 平 均 給 与 月

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

18 国立高等専門学校機構

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

調査結果の概要

Taro-H19退職金(修正版).jtd

Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

Microsoft Word - 目次.doc

24kohyou

Microsoft Word - 様式(H22)[1].rtf

Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 A 18,248 11,166 4, ,066 6,42

別紙3

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (5 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 区 類 団 府 分 似 体 平 均 年 齢

Microsoft Word - A6001A.doc

Taro-給与公表(H25).jtd

子 どもたちのバランスのよい 育 ちを 目 指 して 今 回 の 調 査 では 世 帯 年 収 が 減 って 家 計 の 厳 しさが 増 すなかで 保 護 者 が 子 どもたちの の 費 用 を 減 らしている 実 態 が 明 らかになりました 教 育 費 に 対 して 重 い 負 担 感 を 感

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

23年度版 総社市様式外.xls

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(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

目 次 初 任 給 賃 上 げ 別 平 均 賃 金 退 職 金 役 員 報 酬 諸 手 当 の 実 態 年 の 初 任 給 賃 上 げはどうなるか 1 (1) 2015 年 賃 上 げ( 定 昇 含 む) 平 均 額 予 定 1 (2) 2015 年 初 任 給 平 均 額 ( 予 定

公表表紙

130117_『高齢社会をむかえた東京23区の将来 人口と建物の関係から見て

別紙3

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考

m07 北見工業大学 様式①

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 最 高 号 給 の 給 料 月 額 243,7 37,8 35

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) (H25.4.1) (H25.4.1) (H25.7.1) (H25.7.1) (H25.4.1) (H25.7.1)

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 (H20.4.1) 96.7 (H25.4.1) (H25.7.1) (H25.4.1), (H25.4.1) 参 考 値 98.3 (H25.7.1) (H20.4.1) (H25.4

(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 の 設 置 なし 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 民 間 給 与 公 務 員 給 与 較 差 勧 告 A B A-B ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 ( 参 考 ) 国 の 改 定 率 24 年 度 円 円 円 円 ( ) 改

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

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平 成 27 年 度 大 学 生 の 食 生 活 等 生 活 習 慣 調 査 結 果 1 目 的 平 成 25 年 3 月 に 策 定 された 健 康 日 本 21あいち 新 計 画 の 栄 養 食 生 活 分 野 の 目 標 項 目 では 2~6 歳 代 の 肥 満 者 の 割 合 と2~3 歳

3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 及 び の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 ( ベース) ,9 47,78 369,884 崎 県 , , ,

ニュースリリース

市 の 人 口 密 度 は 5,000 人 を 超 え 図 4 人 口 密 度 ( 単 位 : 人 /k m2) に 次 いで 高 くなっている 0 5,000 10,000 15,000 首 都 圏 に 立 地 する 政 令 指 定 都 市 では 都 内 に 通 勤 通 学 する 人 口 が 多

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1) 一 般 行 政 職 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 平

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(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 が 無 い た め 記 載 し て お り ま せ ん 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 ( 参 考 ) 区 分 民 間 給 与 A 公 務 員 給 与 B 較 差 A - B 勧 告 ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 国 の 改

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

わない (1) そう 思 う (2)のそれぞれ3 段 階 で 回 答 をしてもらった その 結 果 を 次 節 で 数 値 に 換 算 している 4. 調 査 の 結 果 と 考 察 4.1 学 習 上 の 困 難 点 全 体 的 な 傾 向 表 1 漢 字 の 学 習 困 難 点 (

16 日本学生支援機構

「節電に対する生活者の行動・意識

波佐見町の給与・定員管理等について

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 年 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 平 均 給 与 月 額 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

No.7 アメリカ 合 衆 国 小 規 模 事 例 (そ4) 助 金 も 財 源 になっている しかし 小 規 模 事 業 体 では 連 邦 政 府 から 基 金 はもちろん 市 から 補 助 金 もまったくない が 実 状 である すなわち 給 人 口 が25 人 から100 人 規 模 小 規

3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 ( 年 4 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 44. 歳 6,4, 歳,44 4,7 7,6 4. 歳 7,

1

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (4 年 4 月 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 級 級 級 4 級 5 級 号 給 の 給 料 月 額 5, 85,,9,9 89, 最 高 号 給 の 給 料 月 額 4,7 7,8 54,7 88, 4, ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与

(3) 仕 事 ( 結 果 の 概 要 12~ ページ 参 照 ) 有 業 者 の 仕 事 間 は 男 女 共 に 平 成 13 年 まで 減 少 が 続 き,18 年 で 増 加 したが,23 年 で 再 び 減 少 平 成 23 年 の 有 業 者 の 仕 事 間 は 男 性 が6 間 56,

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一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 3 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 級 3 級 4 級 5 級 6 級 単 位 : ( ) 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 137, 163,7 4,9 31,4 71, 33,3 359,7 最 高 号 給 の 給 料 月 額

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

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一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 ) ( 単 位 : ) 1 級 級 級 級 5 級 級 1 号 給 の 給 料 月 額 15, 185,8,9 1,9 89,, 最 高 号 給 の 給 料 月 額,7 9, 5, 9,1,5, ( 注 ) 給 料 月 額 は

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

技 能 労 務 職 平 均 年 齢 歳,7 平 均 給 料 月 額 歳 7,,8, 歳,9,57, 7,7 7,9 9,5 - (8,85) (5,) 類 似 団 体 5. 歳 9,8 9, 85, ( 注 ) 平 均 給 料 月 額 とは 平 成 5 年 月 日 現 在 における

Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

女性のための年金学

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[ 組 合 員 期 間 等 の 特 例 ] 組 合 員 期 間 等 については 年 齢 職 種 などにより 過 去 の 制 度 からの 経 過 措 置 が 設 けられ ており 被 用 者 年 制 度 の 加 入 期 間 ( 各 共 済 組 合 の 組 合 員 期 間 など)については 生 年 月 日

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d02 国際交流基金 様式1

 

退職手当とは

2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,6 243,7 185,8 222,9 261,9

第 7 条 職 員 の 給 与 に 関 する 規 程 ( 以 下 給 与 規 程 という ) 第 21 条 第 1 項 に 規 定 す るそれぞれの 基 準 日 に 育 児 休 業 している 職 員 のうち 基 準 日 以 前 6 月 以 内 の 期 間 にお いて 在 職 した 期 間 がある 職

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36


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学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

も く じ 1 税 源 移 譲 1 2 何 が 変 わったのか 改 正 の 3 つ の ポイント ポイント1 国 から 地 方 へ 3 兆 円 規 模 の 税 源 が 移 譲 される 2 ポイント2 個 人 住 民 税 の 税 率 構 造 が 一 律 10%に 変 わる 3 ポイント3 個 々の 納

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ず 第 1 段 階 目 の 選 抜 に 係 る 額 は4,000 円 とし 第 2 段 階 目 の 選 抜 に 係 る 額 は13,000 円 と する 4 第 1 項 に 規 定 する 幼 稚 園 小 学 校 及 び 中 学 校 並 びに 特 別 支 援 学 校 の 小 学 部 中 学 部 及 び

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4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

Transcription:

日 本 人 英 語 使 用 者 の 特 徴 と 英 語 能 力 -JGSS-22 と JGSS-26 のデータから- 小 磯 かをる 大 阪 商 業 大 学 総 合 経 営 学 部 The Characteristics of English Users and English Proficiency of Japanese People: From the Data of JGSS-22 and JGSS-26 Kaoru KOISO Faculty of Business Administration Osaka University of Commerce Based on the data of JGSS-22 and JGSS-26, this study examines the characteristics of English users in Japan and the change of English proficiency of Japanese people. The results show the followings: from the data of JGSS-22 those who have higher education, higher household income, higher professionalism, and one other factor, unmarried, have higher likelihood of using English, while from the data of JGSS-26, younger generation with higher education have higher likelihood of using English. The comparison of both data indicates that English proficiency of Japanese people has improved partly because of more exposure to English in their daily lives or on business, while the number of people who have good command of English has not increased. We also find there is a sign that English proficiency is affected by economic conditions in their childhood. Key Words: JGSS, English users, English proficiency 本 稿 では JGSS-22 と JGSS-26 のデータを 基 に 英 語 を 使 用 する 者 の 特 徴 と 英 語 使 用 の 用 途 を 明 らかにするとともに 日 本 人 の 英 語 能 力 ( 英 会 話 力 と 英 語 読 解 力 )の 変 化 を 分 析 する 分 析 の 結 果 以 下 のことが 判 明 した JGSS-22 では 男 女 とも 管 理 職 や 専 門 職 で 学 歴 が 高 く 世 帯 収 入 が 多 く 未 婚 である 者 が 英 語 使 用 の 見 込 みが 高 く JGSS-26 では 男 女 とも 年 代 が 若 く 学 歴 の 高 い 者 の 英 語 使 用 の 見 込 みが 高 い JGSS-26 では JGSS-22 よりも 英 語 能 力 が 高 くなっているが 仕 事 や 趣 味 などで 英 語 を 使 う 機 会 が 増 えているため だと 考 えられる 全 体 的 な 英 語 能 力 は 高 くなっているが 英 語 を 十 分 使 いこなせるレベル の 者 は 増 加 していない また 子 どものころの 経 済 状 態 で 英 語 能 力 の 差 がついていく 傾 向 が 見 られる キーワード:JGSS, 英 語 使 用 者, 英 語 能 力 123

1. はじめに コミュニケーションツールとしての 英 語 の 役 割 はますます 広 がり 母 国 語 として 英 語 を 使 う 者 は 3 億 5 千 万 人 第 2 言 語 として 日 常 的 に 英 語 を 使 う 者 は 3 億 から 5 億 人 外 国 語 として 英 語 を 使 う 者 は 5 億 から 1 億 人 に 上 り 国 連 各 種 会 議 の 95%が 英 語 で 行 われ インターネット 情 報 の 4% TV 番 組 の 75%が 英 語 で 発 信 されていると 言 われている (1) ビジネスの 世 界 でも 英 語 が 英 語 母 国 圏 との 取 引 だけでなく 非 英 語 母 国 圏 とのビジネスにリンガフランカとして 日 常 的 に 使 われている このように 英 語 の 必 要 性 がますます 認 識 されるなか TOEIC の 受 験 者 は 毎 年 増 加 しており 1979 年 には 3 千 人 だ った 受 験 者 が 27 年 には 163 万 人 を 超 えている (2) 一 方 日 本 人 の 英 語 能 力 は 期 待 されている 程 は 向 上 していない 27 年 度 の TOEFL の 平 均 スコアーはペーパーベイスのテストではアジア 24 カ 国 の 中 で 22 番 目 であり インターネットベイスのテストでも 日 本 はアフガニスタンについで 下 から 2 番 目 で あった (3) 日 本 人 の 英 語 能 力 の 向 上 を 図 って 文 部 科 学 省 は 小 学 校 の 英 語 教 育 の 導 入 を 進 めており 平 成 14 年 度 には 統 合 的 な 学 習 の 時 間 の 活 動 の 一 つとして 小 学 校 で 外 国 語 会 話 活 動 が 正 式 に 始 まり 平 成 19 年 度 には 全 国 の 97.1%の 小 学 校 で 英 語 活 動 が 実 施 されている また 平 成 2 年 3 月 28 日 に は 小 学 校 学 習 指 導 要 領 の 改 訂 が 告 示 され 新 学 習 指 導 要 領 では 小 学 校 5 6 年 で 週 1 コマ 外 国 語 活 動 を 実 施 することとされた 同 時 に 使 える 英 語 能 力 の 向 上 を 目 指 し 平 成 2 年 12 月 に 出 された 高 等 学 校 指 導 要 領 改 訂 案 では 高 校 での 英 語 の 授 業 を 英 語 で 行 うことも 提 言 されている このような 背 景 の 中 実 際 日 本 人 がどのような 用 途 で どれ 位 の 者 が 英 語 を 使 用 しているのかという 全 国 的 な 調 査 は 行 われていない 同 様 に 日 本 人 の 英 語 能 力 を 測 る 調 査 としては TOEFL や TOEIC の 結 果 が 公 表 さ れているのみで 日 本 人 全 般 の 英 語 能 力 を 測 るデータは 提 供 されていない JGSS-22 では 英 語 が どのような 用 途 で どれほど 使 われているかを 尋 ねている また JGSS-26 でも 同 様 の 質 問 項 目 が なされた 英 会 話 力 と 英 語 読 解 力 に 関 する 質 問 も JGSS-22 と JGSS-26 でなされている 本 稿 では JGSS-22 と JGSS-26 のデータを 使 って 1 英 語 がどのような 用 途 で 使 用 されたか どのような 者 が 英 語 を 使 用 しているのか 仕 事 で 英 語 を 使 用 するものはどのような 者 か という 英 語 の 使 用 に 係 わる 分 析 と 2 英 語 能 力 ( 英 会 話 力 英 語 読 解 力 )の 変 化 とその 規 定 要 因 を 探 る 2. 英 語 使 用 者 2.1 英 語 使 用 者 の 割 合 英 語 使 用 に 関 する 質 問 項 目 は JGSS-22 と JGSS-26 で 違 いがある JGSS-22 では あなたは 日 常 生 活 や 仕 事 で 英 語 を 使 いますか と 質 問 しているのに 対 して JGSS-26 では あなたは 過 去 1 年 間 に 以 下 のことで 英 語 を 読 んだり 聴 いたり 話 たりしたことが 少 しでもありますか と 尋 ねている JGSS-22 では 有 効 回 答 者 2953 人 のうち 395 人 (13.4%)が 英 語 を 日 常 生 活 や 仕 事 で 使 用 したと 回 答 し JGSS-26 では 有 効 回 答 者 213 人 のうち 944 人 (44.%)が 過 去 1 年 間 で 英 語 を 少 しでも 使 用 したと 回 答 している 図 1は 英 語 を 使 用 する 者 の 割 合 を 男 女 別 年 代 別 に JGSS-22 と JGSS-26 年 を 比 べたグラフで ある の 場 合 JGSS-22 では 3 歳 代 の 使 用 が 一 番 多 く 2.4% ついで 2 歳 代 18.9% 4 歳 代 18.7%と 続 く 一 方 JGSS-26 では 2 歳 代 の 使 用 が 一 番 多 く 74.5% ついで 4 歳 代 65 8% 3 歳 代 65.6%と 続 く 女 性 の 場 合 JGSS-22 JGSS=26 とも 2 歳 代 が 一 番 高 く(JGSS-22:23.3% JGSS-26:72.1%) 年 代 が 高 くなるほど 減 少 する 124

8 7 6 5 4 3 22 26 2 1 図 1 現 在 の 英 語 使 用 ( 年 代 別 )JGSS-22 と JGSS-26 のグラフ 図 2 は JGSS-22 と JGSS-26 の Z-score の 平 均 値 を 男 女 別 に 示 したものである 図 からも 明 らか なように JGSS-26 では 使 用 する 者 の 年 代 差 が 大 きい JGSS-26 では 2 歳 代 の 使 用 が 際 立 って 高 い 女 性 の 場 合 JGSS-22 では 5 歳 代 と 6 歳 代 の 差 はほとんど 見 られないが JGSS-26 では 年 齢 層 が 高 くなるにつれて 使 用 する 者 が 減 っている.8.6.4.2 -.2 22 26 -.4 -.6 -.8 図 2 男 女 別 年 代 別 の 英 語 使 用 の Z-score の 平 均 値 図 3 は 英 語 を 使 用 する 者 を 職 種 別 に 比 べたグラフである の 場 合 JGSS-22 JGSS-26 とも 上 層 ホワイト( 専 門 職 課 長 以 上 の 管 理 職 )が 他 の 職 種 よりも 英 語 を 使 用 している 割 合 が 高 い JGSS-22 では 上 層 ホワイトの 35%ほどが また JGSS-26 では 7% 以 上 が 英 語 を 使 用 していると 回 答 している しかしながら 図 4 の Z-score の 平 均 値 を 見 ても 明 らかなように JGSS-26 では 下 層 ホワイト( 係 長 以 下 の 一 般 事 務 職 )やブルーカラーの 英 語 使 用 と 上 層 ホワイトの 英 語 使 用 の 差 がそ れほど 大 きくない 女 性 の 場 合 は 22 年 には 上 層 ホワイトの 英 語 使 用 が 群 を 抜 いて 高 かったが 26 年 には 下 層 ホワイトのほうが 若 干 ではあるが 上 層 ホワイトよりも 高 くなっている( 上 層 ホワイト 6% 下 層 ホワイト 6.3%) (4) 125

現 在 使 用 : 職 種 別 8 8 7 7 6 6 5 5 4 4 3 2 3 2 26 22 1 1 上 層 ホワイト 下 層 ホワイト ブルーカラー 農 林 業 者 無 職 上 層 ホワイト 下 層 ホワイト ブルーカラー 農 林 業 者 無 職 女 性 図 3 現 在 の 使 用 職 種 別.8.6.4.2 -.2 -.4 -.6 -.8 22 26 図 4 男 女 別 職 種 別 の Z-score の 平 均 値 2.2 英 語 使 用 の 規 定 要 因 現 在 英 語 を 使 用 しているグループの 特 徴 を 調 べるために 英 語 を 使 用 しているグループを 1 に 使 用 していないグループを として JGSS-22 と JGSS-26 のそれぞれのデータを 基 にロジステ ィック 解 析 を 行 った 個 人 属 性 を 表 す 独 立 変 数 として 年 代 職 種 都 市 サイズ 本 人 学 歴 世 帯 収 入 ( 主 観 的 収 入 ) 結 婚 の 有 無 を 投 入 した (5) 7 歳 代 以 上 の 回 答 数 が 少 なかったので これらの 回 答 者 は 6 歳 代 以 上 に 組 み 入 れた 126

22 英 語 使 用 表 1 英 語 使 用 の 有 無 のロジスティック 解 析 (オッズ 比 ) 26 英 語 使 用 独 立 変 数 女 性 3 代 1.242 1.177 4 代 1.285.982 5 代 1.135 1.192 6 以 上.689 1.259 下 層 ホワイト.416 ***.554 * ブルーカラー.431 **.459 * 農 林 漁 業.296.164 無 職.617.455 ** 13 大 都 市 1.25 1.241 その 他 の 市 1.278.988 中 等 教 育 2.14 * 2.235 * 高 等 教 育 3.251 *** 6.33 *** 世 帯 収 入 ( 共 変 1.545 *** 1.426 ** 量 ) 既 婚 ダミー.566 *.431 ** カイ 2 乗 122.33 161.291 Cox&Snell R 2.88.1 Negelkerk R 2.155.92 N 1333 1527 *** p<.1 ** p<.1 * p<.5 p<.1 独 立 変 数 女 性 3 代.57.964 4 代.586.794 5 代.262 ***.56 6 以 上.19 ***.29 *** 下 層 ホワイト.6 * 1.38 ブルーカラー.55 *.913 農 林 漁 業.155 ***.631 無 職.42 **.856 13 大 都 市 1.199 2.61 *** その 他 の 市 1.65 1.987 ** 中 等 教 育 2.384 *** 2.356 ** 高 等 教 育 4.231 *** 4.674 *** 世 帯 収 入 ( 共 変 1.167 1.318 ** 量 ) 既 婚 ダミー 1.16.416 ** カイ 2 乗 261.15 297.223 Cox&Snell R 2.228.241 Negelkerk R 2.35.324 N 18 178 表 1は JGSS-22 と JGSS-26 の 男 女 別 の 結 果 である JGSS-22 では 男 女 ともに 影 響 力 がある のは 学 歴 世 帯 収 入 職 種 結 婚 の 有 無 である 学 歴 が 高 く 世 帯 収 入 が 高 い 者 が 英 語 使 用 の 見 込 みは 高 くなる 上 層 ホワイト( 専 門 職 課 長 以 上 の 管 理 職 )に 比 べて 下 層 ホワイト( 係 長 以 下 の 一 般 事 務 職 )の 使 用 の 見 込 みが 有 意 に 低 い 男 女 とも 義 務 教 育 の 者 に 比 べて 中 等 教 育 高 等 教 育 を 受 け た 者 が 英 語 使 用 する 見 込 みが 高 い また 未 婚 者 に 比 べて 既 婚 者 の 見 込 みは 低 くなる 一 方 年 代 の 影 響 都 市 サイズの 影 響 はみられない JGSS-26 では 年 代 の 影 響 が 見 られる 男 女 とも 2 歳 代 に 比 べて 5 歳 より 上 の 者 の 使 用 の 見 込 みが 有 意 に 低 い これは 図 1 図 2 からも 明 らかなように 2 歳 代 の 英 語 の 使 用 が 高 いからである 職 種 の 影 響 を 見 てみる JGSS-26 では 女 性 の 場 合 職 種 の 影 響 は 見 られない 女 性 の 場 合 都 市 サ イズが 大 きくなるほど 英 語 使 用 の 見 込 みが 高 くなっている これは JGSS-26 では 映 画 鑑 賞 音 楽 鑑 賞 読 書 で 使 用 する 者 が 女 性 の 場 合 都 市 部 に 多 いためである 学 歴 の 影 響 はここでも 見 られ 男 女 とも 義 務 教 育 の 者 に 比 べて 中 等 教 育 高 等 教 育 を 受 けた 者 が 英 語 使 用 する 見 込 みが 多 い 世 帯 収 入 と 結 婚 の 影 響 は の 場 合 5% 水 準 では 見 られない JGSS-22 と JGSS-26 の 英 語 使 用 者 の 特 徴 をまとめると 以 下 のようになる JGSS-22 では 男 女 とも 管 理 職 や 専 門 職 で 学 歴 が 高 く 世 帯 収 入 が 多 く 未 婚 であるものが 英 語 使 用 の 見 込 みが 高 い 一 方 JGSS-26 では 男 女 とも 年 代 が 若 く 学 歴 の 高 い 者 の 英 語 使 用 の 見 込 みが 高 い またそれらに 加 えて の 場 合 管 理 職 や 専 門 職 に 就 いている 者 女 性 の 場 合 都 市 部 に 住 み 未 婚 の 者 で 世 帯 収 入 が 高 い 者 が 英 語 使 用 の 見 込 みが 高 い 127

2.3 英 語 使 用 の 用 途 英 語 使 用 の 用 途 に 関 する 質 問 項 目 は JGSS-22 と JGSS-26 では 少 し 異 なっている 仕 事 に 関 して は JGSS-22 では 仕 事 で 時 々 使 う 仕 事 でよく 使 う と 別 々に 尋 ねており 今 回 の 分 析 では 両 者 を 統 合 して 仕 事 で 使 う という 変 数 を 作 成 し 使 用 した JGSS-26 では 仕 事 に 統 一 されてい る また 回 答 度 数 が 多 かった 趣 味 旅 行 に 関 しても JGSS-22 では 趣 味 娯 楽 海 外 旅 行 など で 使 う と 趣 味 と 旅 行 を 一 つの 質 問 項 目 で 尋 ねているのに 対 して JGSS-26 では 映 画 鑑 賞 音 楽 鑑 賞 読 書 と 海 外 旅 行 の 2 つに 分 けて 尋 ねている また JGSS-26 では インターネット と いう 質 問 項 目 を 新 たに 挿 入 している 22 使 用 用 途 家 族 趣 味 海 外 旅 行 友 人 知 人 女 性 (1586 人 ) (1367 人 ) 仕 事 2 4 6 8 1 % 図 5 JGSS-22 の 男 女 別 使 用 用 途 図 5 は JGSS-22 の 使 用 用 途 を 男 女 別 に 示 したものである(ただし その 他 を 除 く) は 仕 事 で 使 う 者 が 一 番 多 く(7.2%) 女 性 は 趣 味 娯 楽 海 外 旅 行 などで 使 う 者 が 一 番 多 い(7.7%) 一 方 家 族 とのコミュニケーションに 使 う 者 は 男 女 とも 2%にも 満 たない( :.7% 女 性 :1.4%) 男 女 差 に 関 しては 外 国 人 の 友 人 や 知 人 との 付 き 合 いで 使 う を 除 いては 全 ての 項 目 で 有 意 差 があ った 学 習 インターネット 海 外 旅 行 鑑 賞 女 性 (111 人 ) (123 人 ) 外 国 人 の 友 人 知 人 現 在 仕 事 で 使 用 5 1 15 2 25 3 図 6 JGSS-26 の 男 女 別 使 用 用 途 一 方 図 6 の JGSS-26 のデータを 見 ると 男 女 とも 選 択 率 が 一 番 高 かったのは 映 画 鑑 賞 音 楽 鑑 賞 読 書 であり の 25.7% 女 性 の 27.2%が 使 用 すると 回 答 している また 仕 事 で 使 用 し ている 者 は 2.3% 女 性 8.4%であり 男 女 間 で 有 意 差 があった 項 目 は 仕 事 ( > 女 性 p <.1) インターネット ( > 女 性 p<.1) 学 習 ( 女 性 > p<.1)であった 128

2.4 仕 事 での 使 用 (6) 2.4.1 仕 事 で 使 用 する 者 の 割 合 JGSS-22 では 就 労 者 の 9% 女 性 就 労 者 の 7.1%が 仕 事 で 使 用 したと 回 答 しており JGSS-26 では 就 労 者 の 25.2% 女 性 就 業 者 の 15.1%が 仕 事 で 使 用 すると 回 答 している 図 7 は 仕 事 での 英 語 使 用 を 年 代 別 に 男 女 ごとにグラフにしたものである の 場 合 JGSS-22 JGSS-26 とも 4 歳 代 の 使 用 が 一 番 多 い JGSS-22 では 5 歳 代 の 使 用 が 3 歳 代 よりも 多 かったが JGSS-26 では 3 歳 代 の 使 用 の 割 合 が 5 歳 代 より 高 い 図 8の Z-score の 平 均 値 を 見 ても 明 らかなよ うに JGSS-26 では 3 歳 代 と 4 歳 代 の 使 用 がかなり 多 い 仕 事 で 使 用 : 年 代 別 4 35 3 25 2 15 1 5 2 代 3 代 4 代 5 代 6 歳 以 上 2 代 3 代 4 代 女 性 5 代 6 歳 以 上 22 26 図 7 仕 事 で 使 用 : 年 代 別 仕 事 で 使 用 :Z-score 平 均 値.8.6.4.2 -.2 -.4 2 代 3 代 4 代 5 代 6 歳 以 上 2 代 3 代 女 性 4 代 5 代 6 歳 以 上 22 26 図 8 仕 事 で 使 用 の 年 代 別 男 女 別 の Z-score の 平 均 値 一 方 女 性 の 場 合 JGSS-22 では 3 歳 代 が 一 番 多 かったが JGSS-26 では 2 歳 代 と 3 歳 代 にはあまり 差 がなく 4 歳 代 が 一 番 多 い 図 9 は 仕 事 での 英 語 使 用 の 割 合 を 職 種 別 に 図 1 は Z-score の 平 均 値 をグラフにしたもので ある 男 女 とも 上 層 ホワイト 下 層 ホワイト ブルーカラーの 順 に 使 用 率 が 低 くなっているが JGSS-26 では JGSS-22 に 比 べて 下 層 ホワイトの 使 用 が 多 くなっている 特 に 女 性 の 場 合 JGSS-26 では 上 層 ホワイトと 下 層 ホワイトでは 統 計 的 に 有 意 差 はなかった つまり 男 女 とも JGSS-26 では JGSS-22 に 比 べて 下 層 ホワイトが 仕 事 で 英 語 を 使 用 することが 多 くなっているということである 129

45 4 35 3 25 2 15 1 5 仕 事 で 使 用 : 職 種 別 22 26 図 9 仕 事 で 使 用 職 種 別 1.8.6.4.2 -.2 -.4 仕 事 で 使 用 : 職 種 別 Z-score 22 26 図 1 仕 事 で 使 用 職 種 別 Z-score 平 均 値 2.4.2 仕 事 で 使 用 のロジスティック 解 析 仕 事 で 使 用 しているグループを 1 に 使 用 していないグループを として 前 項 で 使 用 した 変 数 を 説 明 変 数 にロジスティック 解 析 を 行 った 表 2はその 結 果 である 回 答 者 が 少 なかった 農 林 漁 業 従 事 者 は 分 析 から 除 外 した 両 データにおいて 男 女 とも 都 市 サイズ 学 歴 の 影 響 は 見 られない 学 歴 の 高 い 者 の 方 が 仕 事 で 英 語 を 使 用 する 割 合 が 高 いが(p<.1) 学 歴 の 高 い 者 は 上 層 ホワイトになる 者 が 多 く 職 種 の 影 響 に 組 み 込 まれているためだと 考 えられる 職 種 の 影 響 は JGSS-22 では 上 層 ホワイトに 対 して 下 層 ホワイト ブルーカラーの 使 用 見 込 みが 男 女 ともに 低 いが JGSS-26 では 女 性 の 場 合 5% 水 準 では 有 意 な 差 がない JGSS-22 では 英 語 は 専 門 職 や 管 理 職 など 上 層 部 が 使 用 していたのに 対 し JGSS-26 では 女 性 の 場 合 未 だ 役 職 について いない 一 般 事 務 職 も 仕 事 で 英 語 を 使 用 する 機 会 が 多 くなったと 考 えられる また の 場 合 も 上 層 ホ ワイトに 対 して 下 層 ホワイト ブルーカラーの 使 用 見 込 みのオッズ 比 が 高 くなっており 職 種 間 の 差 は JGSS-22 ほど 大 きくない 世 帯 収 入 は の 場 合 JGSS-22 JGSS-26 とも 有 意 な 予 測 変 数 であるのに 対 し 女 性 の 場 合 は 有 意 な 影 響 を 与 えていない 今 回 分 析 に 使 用 したのは 世 帯 収 入 であり 本 人 収 入 ではないので (7) 厳 密 に 論 じられないが 仕 事 で 英 語 を 使 用 するものが 年 収 が 高 いという 先 行 研 究 ( 鹿 野, 25)を の 場 合 支 持 していると 言 えよう 13

年 代 の 影 響 は の 場 合 両 データとも 見 られない 女 性 の 場 合 JGSS-22 年 では 2 歳 代 に 比 較 して 他 の 年 代 の 使 用 が 有 意 に 高 いが JGSS-26 では 差 はみられない JGSS-22 では 男 女 とも 未 婚 の 者 のほうが 既 婚 の 者 より 英 語 を 仕 事 で 使 用 する 見 込 みが 高 かったが JGSS-26 では 影 響 が 見 ら れない 仕 事 で 英 語 を 使 用 する 者 の 特 徴 をまとめると 以 下 のようになる 両 データとも 学 歴 の 影 響 は 見 られ ない JGSS-22 では の 場 合 上 層 ホワイトで 世 帯 収 入 が 高 い 者 が 女 性 の 場 合 上 層 ホワイトで 年 代 が 高 く 未 婚 の 者 が 仕 事 で 英 語 を 使 用 する 見 込 みが 高 い 一 方 JGSS-26 では の 場 合 上 層 ホワイトで 世 帯 収 入 が 高 い 者 が 仕 事 で 英 語 を 使 用 する 見 込 みが 高 いが 女 性 の 場 合 年 代 の 影 響 も 職 種 の 影 響 も 見 られない 表 2 仕 事 で 使 用 の 有 無 のロジスティック 解 析 (オッズ 比 ) 22 仕 事 で 使 用 独 立 変 数 女 性 3 代 1.149 3.255 * 4 代 1.883 2.86 5 代 1.942 3.649 * 6 以 上.88 5.46 * 下 層 ホワイト.311 ***.439 * ブルーカラー.283 ***.254 ** 13 大 都 市.846 1.65 その 他 の 市.918.969 中 等 教 育 1.67.845 高 等 教 育 2.221 1.994 世 帯 収 入 ( 共 変 量 ) 1.382 * 1.21 既 婚 ダミー.488 *.276 ** カイ 2 乗 59.436 5.786 Cox &Snell R 2.62.67 Nagelkerk R 2.131.16 N 944 751 *** p<.1 ** p<.1 * p<.5 p<.1 26 仕 事 で 使 用 独 立 変 数 女 性 3 代 1.352 1.199 4 代 1.356 1.714 5 代.598 1.145 6 以 上.495.765 下 層 ホワイト.61 *.846 ブルーカラー.46 **.489 13 大 都 市 1.46 1.8 その 他 の 市 1.3.99 中 等 教 育 1.499 3.474 高 等 教 育 1.874 2.827 世 帯 収 入 ( 共 変 量 ) 1.317 ** 1.193 既 婚 ダミー 1.45.865 カイ 2 乗 69.579 2.47 Cox &Snell R 2.92.38 Nagelkerk R 2.135.66 N 721 53 3. 英 語 能 力 3.1 英 会 話 力 と 英 語 読 解 力 JGSS-22 と JGSS-26 では 英 会 話 力 と 英 語 読 解 力 に 関 する 質 問 がなされている 英 会 話 力 を 問 う 質 問 あなたは 英 語 でどのくらい 会 話 ができますか には 日 常 生 活 や 仕 事 の 英 会 話 が 十 分 できる 日 常 生 活 や 仕 事 の 英 会 話 はなんとかできる 程 度 道 をたずねたり レストランで 注 文 できる 程 度 あいさつができる 程 度 ほとんど 話 せない の 選 択 肢 が 英 語 読 解 力 を 問 う 質 問 あな たの 英 語 の 読 解 力 は どのくらいですか には 英 語 の 本 や 新 聞 が スラスラ 読 める 英 語 の 本 や 新 聞 を なんとか 読 める 短 い 英 語 の 文 章 なら 読 める 簡 単 な 英 単 語 ならわかる ほ とんど 読 めない という 選 択 肢 が 与 えられている 英 会 話 力 と 英 語 読 解 力 の 平 均 値 は JGSS-22 は 会 話 4.41 読 解 4.17 であり JGSS-26 は 会 話 4.32 読 解 4.8(P<.1 数 値 は 低 い 方 が 能 力 が 高 い)であり JGSS-22 に 比 べて JGSS-26 のほうが 会 話 力 読 解 力 とも 高 まっている 男 女 別 の 平 均 値 をみると JGSS-22 の 英 会 話 力 は 4.37 女 性 4.45(p<.1) 英 語 読 解 力 は 4.14 女 性 4.22(p<.1)であり JGSS-26 では 英 会 話 力 は 131

英 会 話 のレベル 7 6 57.8 51.5 5 4 3.1 33.4 22 3 26 2 1.9 3 3.6 8.2 1.6 図 11 会 話 力 のレベル 英 語 読 解 力 レベル 5 45 4 35 35.6 39.3 44.4 37.1 3 25 2 15 15.2 18.5 22 26 1 5.9.6 4 4.5 図 12 読 解 力 のレベル 4.27 女 性 4.36(p<.5) 読 解 4.4 女 性 4.12(p<.5)であり すべてにおいて の 能 力 の 方 が 高 い 図 11 図 12 は 英 会 話 力 英 語 読 解 力 の JGSS-22 と JGSS-26 を 比 較 したものである 会 話 読 解 とも ほとんど 読 めない ほとんど 話 せない と 回 答 した 者 の 割 合 が 減 っており あいさつが できる 程 度 簡 単 な 英 単 語 ならわかる 者 や 道 をたずねたり レストランで 注 文 できる 程 度 短 い 英 語 の 文 章 なら 読 める 者 は 増 えてはいる しかし 実 際 に 英 語 が 使 えると 思 われるレベルの 者 つまり 日 常 生 活 や 仕 事 の 英 会 話 が 充 分 できる 日 常 生 活 や 仕 事 の 英 会 話 は なんとかできる 程 度 の 者 や 英 語 の 本 や 新 聞 が スラスラ 読 める 英 語 の 本 や 新 聞 を なんとか 読 める 者 はほと んど 増 えていない 132

3.2 英 語 能 力 表 3 英 会 話 力 と 英 語 読 解 力 のクロス 表 (%) 十 分 できる なんとかできる 道 レストラン 挨 拶 ほとんどできない スラスラ 読 める 63.4 6.6.2.1. 何 とか 読 める 29.3 59. 15.7 1.5.1 短 い 文 章 2.4 29.5 69.2 23.8 3.1 簡 単 な 単 語 4.9. 14.7 64.8 27.4 ほとんど 読 めない...2 9.9 69.3 人 数 41 166 464 1591 2778 表 3 は 英 会 話 力 と 英 語 読 解 力 のクロス 表 である 表 からも 会 話 力 と 読 解 力 は 強 い 相 関 関 係 があるこ とがわかる(r=.763) そこで 英 語 会 話 力 と 英 語 読 解 力 を 統 合 して 英 語 能 力 という 新 しい 変 数 を 作 成 した( 値 は 1~2 で 値 が 高 いほうが 能 力 が 高 い) JGSS-22 の 平 均 値 は 3.41( :3.49> 女 性 :3.33 p<.1) JGSS-26 は 3.61( :3.7> 女 性 :3.52 p<.5)であり 男 女 とも 26 の 方 が 高 い 年 齢 層 別 英 語 力 平 均 値 職 種 別 英 語 力 平 均 値 4.5 5 3.5 4 2.5 3 1.5 2.5 1 2 代 3 代 *4 代 **5 代 * *6 代 *7 代 以 上 22 26 4.5 5 3.5 4 2.5 3 1.5 2.5 1 上 層 ホワイト ** 下 層 ホワイト * ブルーカラ ー * 無 職 農 林 業 22 26 図 13 年 代 別 英 語 能 力 平 均 値 図 14 職 種 別 英 語 能 力 平 均 値 図 13 14 は 英 語 能 力 の 年 代 別 職 種 別 平 均 値 である 各 年 代 において JGSS-26 の 方 が 英 語 能 力 が 高 く 両 年 度 とも 年 代 の 若 い 者 が 英 語 能 力 は 高 い JGSS-22 と JGSS-26 で 有 意 差 があった のは 4 歳 代 以 上 の 者 である 職 種 に 関 しては 上 層 ホワイトの 英 語 の 力 が 一 番 高 く 下 層 ホワイト ブ ルーカラー 無 職 農 林 漁 業 従 事 者 となっている 上 層 ホワイト 農 林 漁 業 従 事 者 に 関 しては 若 干 で はあるが JGSS-22 の 方 が 英 語 能 力 が 高 いが その 他 の 職 種 では JGSS-26 の 方 が 高 い 両 データ で 有 意 差 があるのは 下 層 ホワイト ブルーカラー 無 職 であり 特 に 下 層 ホワイトの 伸 びが 目 立 つ 表 4 に 使 用 用 途 ごとの 英 語 能 力 を 示 す JGSS-22 では 友 人 知 人 とのコミュニケーションに 使 う 者 の 英 語 能 力 が 一 番 高 かった JGSS-26 ではそれについで インターネットで 利 用 する 者 の 英 語 能 力 が 高 い 表 からも 明 らかなように 英 語 を 使 用 している 者 は 使 用 していない 者 よりも 英 語 力 が 格 段 に 高 い 133

表 4 使 用 用 途 別 の 英 語 能 力 JGSS-22 JGSS-26 平 均 値 人 数 平 均 値 人 数 仕 事 で 使 用 5.64 157 仕 事 で 使 用 4.67 299 友 人 知 人 6.77 75 友 人 知 人 5.67 158 家 族 4.58 31 鑑 賞 4.67 57 趣 味 旅 行 5.56 27 海 外 旅 行 5.19 199 使 用 しない 3.15 2526 インターネット 5.55 27 学 習 5.2 6 使 用 しない 2.8 1178 3.3 英 語 能 力 の 規 定 要 因 英 語 能 力 の 規 定 要 因 を 探 るために 英 語 能 力 を 従 属 変 数 に 年 代 (2 代 を 基 準 に 3 代 から 7 歳 以 上 のダミー 変 数 を 使 用 ) 学 歴 ( 初 等 教 育 を 基 準 に 中 等 教 育 ダミー 高 等 教 育 ダミー を 使 用 ) 女 性 ダミー ( =/ 女 性 =1) 既 婚 ダミー ( 未 婚 =/ 既 婚 =1) 世 帯 収 入 のレベル 15 歳 時 世 帯 収 入 職 種 ( 上 層 ホワイトを 基 準 に 下 層 ホワイトダミー ブ ルーカラーダミー 無 職 ダミー 農 林 漁 業 従 事 者 ダミー を 使 用 ) 英 語 使 用 の 有 無 ( 使 用 しない=/ 使 用 する=1)を 説 明 変 数 に 重 回 帰 分 析 を JGSS-22 と JGSS-26 のデータについてそれぞ れ 行 った 表 5 英 語 能 力 の 重 回 帰 分 析 JGSS-22 モデル1 モデル2 モデル3 モデル4 β β β β 3 代 ダミー.6.11.17.1 4 代 ダミー -.24 -.25 -.24 -.25 5 代 ダミー -.47 -.44 -.44 -.49 * 6 代 ダミー -.86 ** -.76 ** -.82 ** -.91 *** 7 歳 以 上 ダミー -.157 *** -.156 *** -.167 *** -.157 *** 中 等 教 育 ダミー.154 ***.128 ***.123 ***.11 *** 高 等 教 育 ダミー.553 ***.59 ***.475 ***.414 *** 女 性 ダミー.3 -.3 -.12 -.8 既 婚 ダミー -.67 *** -.7 *** -.74 *** -.37 15 歳 収 入 ( 共 変 量 ).27.31.29 * 世 帯 収 入 ( 共 変 量 ).122 ***.18 ***.74 *** 下 層 ダミ- -.11 *** -.51 * ブルーダミ- -.139 *** -.78 ** 農 林 ダミ- -.46 ** -.15 無 職 ダミ- -.17 *** -.41 使 用 有 無.346 *** Adj.R-sq.325.34.347.454 N 292 2853 2834 2834 *** p<.1 ** p<.1 * p<.5 p<.1 134

表 5 英 語 能 力 の 重 回 帰 分 析 ( 続 き) JGSS-26 モデル1 モデル2 モデル3 モデル4 β β β β 3 代 ダミー -.69 * -.57 -.66 -.5 4 代 ダミー -.4 -.3 -.4 -.2 5 代 ダミー -.19 ** -.94 ** -.15 ** -.37 6 代 ダミー -.123 *** -.11 ** -.18 ** -.17 7 歳 以 上 ダミー -.159 *** -.144 *** -.157 *** -.56 中 等 教 育 ダミー.231 ***.211 ***.22 ***.153 *** 高 等 教 育 ダミー.56 ***.56 ***.469 ***.364 *** 女 性 ダミー -.16 -.24 -.36.3 既 婚 ダミー -.38 -.55 * -.47 * -.23 15 歳 収 入 ( 共 変 量 ).55 **.55 **.5 ** 世 帯 収 入 ( 共 変 量 ).14 ***.129 ***.1 *** 下 層 ダミー -.45 -.34 ブルーダミー -.124 *** -.97 *** 農 林 ダミー -.6 ** -.31 無 職 ダミー -.82 * -.42 使 用 有 無.398 *** Adj.R-sq.275.297.34.426 N 211 285 28 28 *** p<.1 ** p<.1 * p<.5 p<.1 表 5 のモデル 1 は 学 歴 年 代 女 性 ダミー 既 婚 ダミー を モデル2はそれに 加 えて 子 どもの 頃 と 現 在 の 経 済 状 態 を 表 す 15 歳 時 世 帯 収 入 世 帯 収 入 のレベル を モデル3は 職 種 の 影 響 を 見 るために 各 職 種 ダミー 変 数 を 加 え モデル4はそれに 英 語 使 用 の 有 無 を 投 入 した 結 果 で ある モデル4 以 外 は 両 年 とも 同 じ 変 数 を 使 用 しているので JGSS-22 と JGSS-26 の 比 較 が 可 能 である まず モデル1を 見 てみよう JGSS-22 JGSS-26 とも 若 い 年 代 学 歴 が 高 い 方 が 英 語 能 力 は 高 い 学 歴 をコントロールすると 性 別 に 因 る 有 意 差 は 消 滅 している 前 項 で の 方 が 英 語 能 力 が 高 いという 結 果 を 得 たが これは の 方 が 高 学 歴 者 が 多 いことに 起 因 している 結 婚 をしたかどうか は JGSS-26 では 影 響 力 が 低 くなっている モデル2を 見 てみる JGSS-22 JGSS-26 とも 世 帯 収 入 は 強 い 影 響 力 を 持 っており 若 干 なが ら JGSS-26 のほうの β 値 が 高 い 15 歳 時 世 帯 収 入 は JGSS-22 では 影 響 力 が 弱 いが JGSS-26 で 影 響 力 が 強 くなっている モデル3を 見 てみる 職 種 をコントロールしても 年 代 学 歴 結 婚 の 有 無 ( 既 婚 ダミ ー) 世 帯 収 入 は 両 調 査 とも 影 響 力 を 持 っている JGSS-22 では 上 層 ホワイトに 対 して 他 の 全 ての 職 種 の 英 語 能 力 は 有 意 に 低 いが JGSS-26 では 下 層 ホワイト に 対 して 有 意 差 はない こ れは 図 14 からも 明 らかなように JGSS-26 では 下 層 ホワイトの 英 語 能 力 が 高 くなっているためであ ろう 現 在 の 英 語 使 用 の 有 無 を 投 入 したモデル 4 を 見 てみよう 現 在 の 英 語 使 用 の 有 無 を 投 入 し ても JGSS-22 では 未 だ 年 代 の 影 響 職 種 の 影 響 が 見 られたが JGSS-26 では 年 代 の 影 響 がほとん ど 見 られない これは JGSS-26 では JGSS-22 に 比 べて 4 歳 代 以 上 の 英 語 能 力 が 高 まったこと 前 章 で 述 べたように JGSS-26 の 英 語 使 用 者 には 年 代 の 影 響 が 見 られ 若 い 年 代 層 が 英 語 使 用 が 多 く 年 代 の 影 響 は 使 用 の 有 無 に 吸 収 されたためだと 思 われる つまり 若 いから 英 語 能 力 が 高 いのでは なく 若 い 世 代 は 英 語 を 使 う 機 会 が 多 いので 英 語 能 力 が 高 まっていると 考 えられる また 結 婚 の 影 響 もあまり 見 られない モデル1からモデル3までを 見 ると 既 婚 者 に 比 べて 未 婚 者 の 英 語 力 が 高 いが これも 年 代 の 影 響 と 同 様 に 未 婚 者 が 英 語 を 使 用 する 見 込 みが 高 いため 英 語 力 が 高 まって いると 考 えられる 135

3.4 英 語 能 力 の 変 化 JGSS-22 と JGSS-26 の 変 化 をまとめてみる 学 歴 の 影 響 が JGSS-26 では 少 し 弱 まっている 一 方 JGSS-22 では 影 響 力 があまりなかった 15 歳 時 の 世 帯 収 入 が JGSS-26 では 影 響 を 及 ぼして いる これは 大 学 への 進 学 率 が 高 まって 大 学 間 格 差 が 広 がっていることにも 起 因 しているのでは なかろうか 同 じ 学 歴 でも 子 どもの 頃 に 恵 まれた 家 庭 環 境 にある 者 が 学 校 以 外 でも 英 語 を 学 習 する 機 会 を 持 ち また 大 学 も 偏 差 値 の 高 い 大 学 に 進 学 して 高 い 英 語 能 力 を 持 つ 層 と そうでない 層 との 2 分 化 が 始 まっているのではないだろうか 松 繁 (24)は 英 語 力 は 直 接 的 に 所 得 を 上 昇 させているだ けでなく 昇 進 を 通 じて 間 接 的 にも 所 得 を 上 昇 させていることを 指 摘 している JGSS の 調 査 において も JGSS-22 JGSS-26 とも 世 帯 収 入 が 英 語 力 に 影 響 を 及 ぼしていることから 英 語 能 力 と 収 入 の 間 には 密 接 な 関 係 があるといえる 同 時 に 世 帯 収 入 の 影 響 力 が JGSS-26 のほうが 若 干 高 いことからも いわゆるイングリッシュ ディバイドは 進 んでいく 傾 向 が 窺 われる 一 方 下 層 ホワイト ブルーカラーの 英 語 能 力 が 高 まっており 英 会 話 力 英 語 読 解 力 とも 全 く できない 層 が 減 少 している 一 方 英 語 力 が 高 い 層 は 殆 ど 増 加 していない このことから 英 語 力 が 平 均 化 され 一 般 の 人 の 英 語 力 が 底 上 げされている 傾 向 も 窺 われる 現 在 の 使 用 を 加 えたモデル4では JGSS-22 に 比 べて JGSS-26 では 使 用 の 有 無 の 影 響 が 大 き い JGSS-26 では 英 語 能 力 が JGSS-22 よりも 伸 びているが これはひとつには 英 語 を 使 用 すると 回 答 した 者 が 増 えたためだと 考 えられる 前 述 したように JGSS-22 と JGSS-26 では 現 在 の 英 語 使 用 の 質 問 の 内 容 が 異 なっているので 単 純 に 比 較 はできないが この 数 年 で 英 語 を 使 う 機 会 は 仕 事 で も 旅 行 やインターネットでも 増 えており この 傾 向 は 今 後 も 続 くことから 英 語 を 使 用 することによ り 英 語 能 力 の 向 上 が 期 待 される 4. まとめ JGSS-22 では 英 語 を 使 用 する 者 は 管 理 職 で 高 収 入 な 者 が 多 かったが JGSS-26 では 未 だ 役 職 に 就 いていない 一 般 のサラリーマンが 仕 事 の 上 でも 英 語 を 使 う 機 会 が 多 くなっている また 実 際 に 英 語 を 使 用 しているかどうかということが 英 語 能 力 に 大 きな 影 響 を 与 えている JGSS-26 で は JGSS-22 よりも 英 語 能 力 が 高 くなっているが これは 一 般 の 人 々が 仕 事 や 趣 味 などで 英 語 を 使 う 機 会 が 増 えているためだと 考 えられる 今 後 英 語 を 使 う 場 面 が 公 私 とも 増 えると 予 想 され い わゆるエリート 階 級 だけでなく 一 般 の 人 々もますます 英 語 に 接 する 機 会 が 多 くなり それに 従 って 全 般 的 な 英 語 能 力 は 向 上 すると 期 待 される しかしながら 子 どものころの 家 庭 環 境 で 英 語 能 力 の 差 がついていく 傾 向 が 見 られる また イングリッシュ ディバイドの 拡 大 の 兆 候 が 見 られ 英 語 能 力 が 高 い 者 仕 事 で 英 語 を 使 う 者 とそうでない 者 の 格 差 が 広 がる 傾 向 も 窺 われる 一 方 全 般 的 な 英 語 能 力 は 伸 びているが 英 語 会 話 力 英 語 読 解 力 とも 能 力 が 高 いレベルの 者 は 増 加 していない 初 歩 的 な 会 話 力 や 読 解 力 は 伸 びてはいるが 実 際 に 英 語 を 日 常 生 活 や 仕 事 で 英 語 を 運 用 できる 者 は 増 えていない 今 後 は 英 語 能 力 の 全 般 的 な 押 し 上 げとともに 英 語 で 自 己 発 信 ができ るエリートの 養 成 も 必 要 なのではないだろうか 文 部 科 学 省 は 全 児 童 生 徒 学 生 の 英 語 力 の 向 上 を 目 指 しているが このグローバル 社 会 において 日 本 が 他 の 国 々と 渡 り 合 っていくためには 英 語 力 の 底 上 げだけではなく 英 語 で 自 己 発 信 できる 高 度 なレベルを 持 っている 者 の 養 成 も 急 務 であると 思 われる [Acknowledgement] 日 本 版 General Social Surveys(JGSS)は 大 阪 商 業 大 学 JGSS 研 究 センター( 文 部 科 学 大 臣 認 定 日 本 版 総 合 的 社 会 調 査 共 同 研 究 拠 点 )が 東 京 大 学 社 会 科 学 研 究 所 の 協 力 を 受 けて 実 施 している 研 究 プ ロジェクトである 東 京 大 学 社 会 科 学 研 究 所 SSJ データアーカイブがデータの 配 布 を 行 っている 136

[ 注 ] (1) 矢 野 安 剛 池 田 雅 之 編, 28, 英 語 世 界 のことばと 文 化 成 文 堂 (2)http://www.toeic.or.jp/ (3)http://www.etc.org/ (4) 清 水 松 原 (27)が 立 命 館 大 学 の 23 年 卒 業 生 に 行 ったアンケート 調 査 では 有 効 回 答 者 159 名 のうち 61%(97 名 )が 英 語 との 関 わりをなんらかの 形 で 持 っているとしている (5) 年 代 は 2 歳 代 職 種 は 上 層 ホワイト 都 市 サイズは 町 村 を 基 準 とした 学 歴 は 高 等 ( 新 制 短 大 高 専 大 学 大 学 院 旧 制 高 校 専 門 学 校 高 等 師 範 学 校 大 学 大 学 院 ) 中 等 ( 新 制 高 校 旧 制 中 学 高 等 女 学 校 実 業 学 校 師 範 学 校 ) 義 務 ( 新 制 中 学 校 旧 制 尋 常 小 学 校 ( 国 民 学 校 を 含 む) ( 高 等 小 学 校 )の3つに 分 類 して 義 務 を 基 準 とした 結 婚 の 有 無 は 未 婚 = 既 婚 ( 離 婚 死 別 を 含 む)=1 とし 未 婚 を 基 準 とした (6) 無 職 の 者 で 仕 事 で 使 用 する と 回 答 した 者 もいるが 整 合 性 を 欠 くため 無 職 の 者 は 分 析 から 除 外 した (7) 本 人 収 入 を 使 用 して 分 析 したがデータ 数 がかなり 減 少 して 有 意 な 数 値 がでなかった [ 参 考 文 献 ] 鹿 野 繁 樹, 25, Estimating Causal Effects of English Use on Earnings for Japanese Domestic Workers, 日 本 経 済 学 会 秋 季 大 会 発 表 原 稿. 清 水 裕 子 松 原 豊 彦, 27, 経 済 学 部 卒 業 生 の 英 語 使 用 に 関 するニーズ 分 析 立 命 館 経 済 学 第 56 巻 第 3 号. 松 繁 寿 和, 24, 大 学 教 育 効 果 の 実 証 分 析 日 本 評 論 社. 矢 野 安 剛 池 田 雅 之 編, 28, 英 語 世 界 のことばと 文 化 成 文 堂. 137