金 融 資 産 性 所 得 に 対 する 個 人 住 民 税 の 課 税 時 期 と 課 税 団 体 について
目 次 1 年 の 途 中 で 出 国 した 者 のキャピタルゲインに 対 する 個 人 住 民 税 の 課 税 のあり 方 について 2 配 当 割 株 式 等 譲 渡 所 得 割 のあり 方 について 1 13
1 年 の 途 中 で 出 国 した 者 のキャピタルゲインに 対 する 個 人 住 民 税 の 課 税 のあり 方 について 1
所 得 税 課 税 範 囲 居 住 者 全 世 界 所 得 に 課 税 非 居 住 者 国 内 源 泉 所 得 のみに 課 税 基 本 的 な 非 居 住 者 に 対 する 個 人 所 得 課 税 について ( 例 ) 内 国 法 人 から 支 払 われる 配 当 所 得 課 税 国 外 で 売 買 された 株 式 の 譲 渡 益 非 課 税 国 外 転 出 時 国 外 転 出 をする 納 税 者 は 納 税 管 理 人 を 定 めなければならない ( 国 税 通 則 法 117) 納 税 管 理 人 を 届 け 出 た 場 合 は 翌 年 の3 月 15 日 までに 納 税 管 理 人 が 確 定 申 告 を 行 う 納 税 管 理 人 を 届 け 出 ずに 国 外 転 出 をする 納 税 者 は 出 国 の 時 までの 所 得 についての 確 定 申 告 ( 準 確 定 申 告 )を 行 い 所 得 税 額 を 納 付 しなければならない ( 所 法 127 130) 個 人 住 民 税 課 税 範 囲 所 得 の 生 じた 年 の 翌 年 1 月 1 日 に 国 内 に 住 所 を 有 する 者 に 課 税 所 得 の 生 じた 年 に 非 居 住 者 期 間 を 有 する 場 合 には 居 住 者 期 間 については 全 世 界 所 得 非 居 住 者 期 間 につい ては 国 内 源 泉 所 得 のみに 課 税 する 年 の 途 中 で 出 国 し 翌 年 1 月 1 日 に 国 内 に 住 所 を 有 しない 場 合 には 出 国 年 の 所 得 に 対 す る 個 人 住 民 税 は 課 税 されない ただし 現 年 課 税 される 個 人 住 民 税 については 出 国 の 時 までに 納 税 義 務 が 生 じたものは 課 税 される 2
平 成 27 年 度 税 制 改 正 において 導 入 された 未 実 現 のキャピタルゲインに 対 する 課 税 について 背 景 租 税 条 約 上 株 式 等 のキャピタルゲインについては 株 式 等 を 売 却 した 者 が 居 住 している 国 に 課 税 権 があるとされている これを 利 用 し 巨 額 の 含 み 益 を 有 する 株 式 等 を 保 有 したまま 国 外 に 転 出 し キャピタルゲイン 非 課 税 国 ( 例 :シンガポール 香 港 )において 売 却 することにより 課 税 逃 れを 行 うことが 可 能 所 得 税 (H27.7.1~ 導 入 ) 一 定 の 高 額 資 産 家 を 対 象 に 国 外 転 出 時 に 未 実 現 のキャピタルゲイン( 含 み 益 )に 対 して 特 例 的 に 課 税 する 国 外 転 出 時 の 有 価 証 券 等 の 評 価 額 が1 億 円 以 上 の 者 であり かつ 国 外 転 出 の 日 前 10 年 以 内 において5 年 を 超 えて 居 住 者 であった 者 課 税 対 象 は 有 価 証 券 等 及 び 未 決 済 デリバティブ 取 引 等 また 納 税 資 金 が 不 十 分 であることを 勘 案 し 納 税 猶 予 ( 最 長 10 年 )を 選 択 できる 適 切 な 担 保 の 提 供 納 税 猶 予 継 続 届 出 書 の 提 出 ( 毎 年 )が 必 要 納 税 猶 予 期 間 内 に 対 象 資 産 を 売 却 せずに 帰 国 した 場 合 には 利 子 税 を 含 め 免 除 個 人 住 民 税 国 外 転 出 時 における 未 実 現 のキャピタルゲインに 対 する 課 税 について H27 年 度 改 正 における 導 入 は 見 送 り 引 き 続 き 検 討 を 行 うこととされた 3
出 国 時 の 譲 渡 所 得 課 税 の 特 例 について H27 改 正 時 に 党 税 調 へ 提 出 した 資 料 個 人 住 民 税 については 翌 年 1 月 1 日 に 地 方 団 体 内 に 住 所 を 有 する 者 に 課 税 される 税 であるため 年 の 途 中 で 出 国 した 者 については 当 該 年 中 に 実 現 したキャピタルゲイン( 例 えば 出 国 の 直 前 に 売 却 した 株 式 の 譲 渡 益 )に 係 る 個 人 住 民 税 は 課 税 されないこととの 公 平 性 を 踏 まえると 所 得 税 と 同 様 の 措 置 を 講 ずることは 現 時 点 では 困 難 個 人 住 民 税 に 係 る 出 国 時 における 未 実 現 のキャピタルゲインに 対 する 譲 渡 所 得 課 税 の 特 例 につい ては 年 の 途 中 で 出 国 した 者 等 の 実 現 したキャピタルゲイン 等 についての 課 税 のあり 方 の 検 討 と 併 せて 引 き 続 き 検 討 する 出 国 者 等 に 係 るキャピタルゲインに 対 する 課 税 関 係 出 国 年 の1 月 1 日 から 出 国 時 までの 間 に 実 現 したキャピタルゲイン 未 実 現 の キャピタルゲイン 個 人 住 民 税 におけるキャピタルゲインに 対 する 課 税 関 係 (イメージ) 1 月 1 日 譲 渡 益 国 内 1 月 1 日 ( 住 所 あり) 所 得 税 ( 国 税 ) 課 税 新 たに 課 税 課 税 個 人 住 民 税 ( 地 方 税 ) 課 税 されない 賦 課 期 日 ( 出 国 年 の 翌 年 1 月 1 日 ) 時 点 にお いて 住 所 を 有 しないため 納 税 義 務 者 にあたらない ( 引 き 続 き 検 討 ) 1 月 1 日 国 内 譲 渡 益 出 国 譲 渡 益 ( 未 実 現 ) 国 外 1 月 1 日 ( 住 所 なし) 課 税 されない 課 税? 出 国 時 の 譲 渡 所 得 課 税 の 特 例 を 導 入 した 場 合 4
所 得 の 発 生 した 年 に 課 税 されている 個 人 住 民 税 H27 改 正 時 に 党 税 調 へ 提 出 した 資 料 課 税 対 象 課 税 方 式 課 税 団 体 徴 収 時 期 地 方 団 体 への 納 入 預 貯 金 公 社 債 等 の 利 子 等 利 子 割 ( 特 別 徴 収 ) 利 子 等 の 支 払 の 事 務 等 を 行 う 営 業 所 等 所 在 地 の 都 道 府 県 支 払 の 際 徴 収 の 日 の 属 する 月 の 翌 月 10 日 徴 収 の 日 の 属 する 月 の 翌 月 10 日 上 場 株 式 等 の 配 当 等 配 当 割 ( 特 別 徴 収 ) 支 払 を 受 ける 者 の 支 払 時 の 住 所 地 の 都 道 府 県 支 払 の 際 特 定 口 座 ( 源 泉 徴 収 選 択 口 座 ) 内 の 上 場 株 式 等 の 配 当 等 については 当 該 口 座 内 で 生 じた 譲 渡 損 失 と 損 益 通 算 した 後 徴 収 の 日 の 属 する 年 の 翌 年 1 月 10 日 に 納 入 ( ) 上 場 株 式 等 の 株 式 等 譲 渡 所 得 ( 特 定 口 座 ( 源 泉 徴 収 選 択 口 座 ) 分 に 限 る) 株 式 等 譲 渡 所 得 割 ( 特 別 徴 収 ) 支 払 を 受 けるべき 日 の 属 する 年 の1 月 1 日 時 点 の 住 所 地 の 都 道 府 県 支 払 の 際 徴 収 の 日 の 属 する 年 の 翌 年 の1 月 10 日 ( ) 退 職 手 当 等 分 離 課 税 に 係 る 所 得 割 ( 特 別 徴 収 ) 支 払 を 受 けるべき 日 の 属 する 年 の1 月 1 日 時 点 の 住 所 地 の 都 道 府 県 市 町 村 支 払 の 際 徴 収 の 日 の 属 する 月 の 翌 月 10 日 ( ) 特 定 口 座 廃 止 届 出 書 又 は 特 定 口 座 開 設 者 死 亡 届 出 書 の 提 出 があった 場 合 提 出 があった 日 の 属 する 月 の 翌 月 10 日 に 納 入 5
平 成 27 年 度 税 制 改 正 大 綱 ( 抜 粋 ) 第 一 平 成 27 年 度 税 制 改 正 の 基 本 的 考 え 方 平 成 26 年 12 月 30 日 自 由 民 主 党 公 明 党 Ⅴ 国 境 を 越 えた 取 引 等 に 係 る 課 税 の 国 際 的 調 和 に 向 けた 取 組 み 国 境 を 越 えた 人 の 動 きに 係 る 租 税 回 避 を 防 止 する 観 点 から 出 国 時 における 株 式 等 に 係 る 未 実 現 のキャピタルゲインに 対 する 譲 渡 所 得 課 税 の 特 例 を 創 設 する これにあわせて 現 行 の 財 産 債 務 明 細 書 について 所 得 税 相 続 税 の 申 告 の 適 正 性 を 確 保 するため 記 載 内 容 を 充 実 するなどの 見 直 しを 行 う その 際 記 載 に 係 る 事 務 負 担 が 過 重 なものとならないよう 運 用 上 適 切 に 配 慮 することとする なお 個 人 住 民 税 に 係 る 譲 渡 所 得 課 税 の 特 例 の 導 入 について 引 き 続 き 検 討 を 行 う 6
出 国 者 のキャピタルゲインに 対 する 個 人 住 民 税 の 課 税 のあり 方 を 検 討 するに 当 たっての 視 点 出 国 者 の 未 実 現 のキャピタルゲインに 対 する 課 税 については 所 得 税 においては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 導 入 された 一 方 個 人 住 民 税 においての 導 入 は 見 送 られたところ 未 実 現 のキャピタルゲインに 対 する 課 税 により 課 税 逃 れを 防 止 することは 意 義 のあることで あり この 観 点 からも 個 人 住 民 税 においても 引 き 続 き 導 入 を 検 討 する 必 要 しかしながら 個 人 住 民 税 は 出 国 者 の 出 国 年 中 に 実 現 したキャピタルゲインに 対 しても 課 税 さ れないという 点 で 所 得 税 とは 異 なっており 公 平 性 の 観 点 からも 出 国 者 のキャピタルゲインに 対 する 個 人 住 民 税 の 課 税 のあり 方 を 検 討 するに 当 たっては まずは 出 国 者 の 出 国 年 中 に 実 現 した キャピタルゲインに 対 する 課 税 のあり 方 を 検 討 する 必 要 があるのではないか 出 国 者 の 未 実 現 のキャピタルゲインに 対 する 課 税 のあり 方 については 実 現 したキャピタルゲ インに 対 する 課 税 のあり 方 の 検 討 を 踏 まえて 検 討 を 行 う 7
実 現 したキャピタルゲインに 対 する 個 人 住 民 税 の 課 税 関 係 課 税 対 象 課 税 方 式 課 税 団 体 課 税 時 期 徴 収 時 期 源 泉 徴 収 選 択 口 座 内 株 式 等 譲 渡 所 得 割 ( 特 別 徴 収 ) 支 払 を 受 けるべき 日 の 属 する 年 の 1 月 1 日 時 点 の 住 所 地 の 都 道 府 県 現 年 課 税 支 払 の 際 上 場 株 式 等 の 株 式 等 譲 渡 所 得 源 泉 徴 収 選 択 口 座 外 申 告 分 離 課 税 ( 普 通 徴 収 ) 所 得 の 生 じた 年 の 翌 年 1 月 1 日 時 点 の 住 所 地 の 都 道 府 県 市 町 村 翌 年 度 課 税 翌 年 度 非 上 場 株 式 等 の 株 式 等 譲 渡 所 得 申 告 分 離 課 税 ( 普 通 徴 収 ) 所 得 の 生 じた 年 の 翌 年 1 月 1 日 時 点 の 住 所 地 の 都 道 府 県 市 町 村 翌 年 度 課 税 翌 年 度 先 物 取 引 に 係 る 雑 所 得 申 告 分 離 課 税 ( 普 通 徴 収 ) 所 得 の 生 じた 年 の 翌 年 1 月 1 日 時 点 の 住 所 地 の 都 道 府 県 市 町 村 翌 年 度 課 税 翌 年 度 8
出 国 者 のキャピタルゲインに 対 する 個 人 住 民 税 所 得 税 の 課 税 関 係 の 現 状 出 国 年 の 出 国 の 日 までに 実 現 したキャピタルゲインについては 所 得 税 は 課 税 される 一 方 個 人 住 民 税 は 翌 年 1 月 1 日 に 国 内 に 住 所 を 有 しない 場 合 には 課 税 されない 実 現 したキャピタルゲインに 係 る 課 税 1 月 1 日 A 年 1 月 1 日 A+1 年 納 税 義 務 者 の 住 所 地 国 内 出 国 個 人 住 民 税 課 税 課 税 なし( ) 国 内 に 住 所 を 有 す る 間 の 所 得 である が 個 人 住 民 税 が 課 税 されない 所 得 税 課 税 課 税 ( ) 源 泉 徴 収 選 択 口 座 内 の 株 式 等 については 出 国 日 までの 間 の 譲 渡 所 得 についても 特 別 徴 収 により 課 税 9
出 国 者 の 出 国 年 に 係 るキャピタルゲインに 対 する 個 人 住 民 税 の 課 税 について 個 人 所 得 課 税 ( 所 得 税 個 人 住 民 税 )は 個 人 が 行 った 経 済 活 動 の 成 果 である 所 得 に 担 税 力 を 見 出 して 課 税 しているものであり 特 に 個 人 住 民 税 は 市 町 村 内 ( 道 府 県 内 )に 住 所 等 を 有 する という 継 続 的 な 事 実 を 課 税 客 体 としているが 課 税 団 体 納 税 義 務 者 等 とあわせ 課 税 要 件 を 確 定 するため 課 税 技 術 上 の 理 由 から 賦 課 期 日 として 一 定 の 期 日 を 定 めているところ 本 来 個 人 所 得 課 税 は 所 得 に 担 税 力 を 見 出 して 課 税 するものであるところ 課 税 技 術 上 の 理 由 から 翌 年 1 月 1 日 に 住 所 等 を 有 しない 者 ( 年 の 中 途 で 出 国 した 者 )につ いて その 年 における 住 所 等 を 有 する 出 国 までのキャピタルゲインに 課 税 できていな い 状 況 が 生 じていることは 税 負 担 の 公 平 性 等 の 観 点 から 解 消 することを 検 討 すべ きではないか 10
出 国 者 の 実 現 したキャピタルゲインに 対 する 個 人 住 民 税 の 課 税 についての 検 討 論 点 賦 課 期 日 課 税 団 体 確 定 の 基 準 日 について < 課 題 > 出 国 者 に 課 税 することとした 場 合 1 月 1 日 には 住 所 を 有 しないこととなるため 賦 課 期 日 及 び 課 税 団 体 確 定 の 基 準 日 について 新 たに 整 理 する 必 要 < 検 討 内 容 > 賦 課 期 日 は 1 出 国 日 2 出 国 日 の 属 する 年 の 翌 年 の1 月 1 日 の2 案 が また 賦 課 団 体 確 定 の 基 準 日 は 1 出 国 日 の 属 する 年 の1 月 1 日 2 出 国 日 の2 案 が 考 えられる 賦 課 期 日 及 び 賦 課 団 体 確 定 の 基 準 日 のパターンとして 以 下 の4 案 が 考 えられるか 賦 課 団 体 確 定 の 基 準 日 課 題 1 出 国 日 の 属 する 年 の 1 月 1 日 1 出 国 日 案 A 賦 課 期 日 2 出 国 日 の 属 する 年 の 翌 年 の1 月 1 日 上 記 案 A~Dのパターンについて 出 国 に 関 する 手 続 を 行 う 地 方 団 体 ( 国 外 転 出 届 を 受 ける 団 体 税 の 申 告 の 慫 慂 も 行 うことが 想 定 される )との 関 係 も 含 め 課 税 団 体 の 実 務 の 円 滑 な 実 施 の 観 点 から それぞれどのように 考 えられるか 案 B 2 出 国 日 案 C 案 D 同 一 年 に 他 団 体 へ 帰 国 した 場 合 の 税 額 調 整 出 国 者 に 係 る 課 税 状 況 につい ての 情 報 を 共 有 する 仕 組 みの 構 築 同 一 年 中 に 他 団 体 へ 帰 国 して いる 場 合 の 把 握 方 法 当 初 賦 課 時 期 における 出 国 に 係 る 調 査 等 が 可 能 か 課 題 出 国 の 事 実 を 把 握 できない 場 合 が 考 えられるが 出 国 情 報 をどう 入 手 するか 同 一 年 に 出 国 が 複 数 回 ある 場 合 の 課 税 方 法 ( 各 案 共 通 の 課 題 ) 準 確 定 申 告 書 の 速 やか かつ 確 実 な 回 付 納 税 通 知 書 の 送 達 11
本 検 討 を 進 めるに 当 たり 留 意 すべき 論 点 出 国 者 の 実 現 したキャピタルゲインに 対 する 個 人 住 民 税 の 課 税 を 検 討 を 進 めるに 当 たって 以 下 の 点 に 留 意 する 必 要 賦 課 期 日 を 出 国 日 とした 場 合 における 出 国 をした 後 同 一 年 に 再 入 国 ( 帰 国 )をした 場 合 の 課 税 について 整 理 が 必 要 出 国 者 の 実 現 したキャピタルゲインに 対 する 個 人 住 民 税 の 課 税 を 検 討 する 場 合 出 国 者 の キャピタルゲイン 以 外 の 所 得 に 対 する 課 税 については どのように 考 えるか キャピタルゲインに 対 する 課 税 に 当 たって( )のマイナンバーの 活 用 範 囲 が 今 後 どのように なるのか ( ) 課 税 資 料 の 回 付 や 出 入 国 事 実 の 把 握 などへの 活 用 の 可 能 性 など 12
2 配 当 割 株 式 等 譲 渡 所 得 割 の あり 方 について 13
配 当 割 及 び 株 式 等 譲 渡 所 得 割 の 概 要 配 当 割 及 び 株 式 等 譲 渡 所 得 割 は 金 融 機 関 等 が 特 別 徴 収 をして 都 道 府 県 に 納 入 する 都 道 府 県 は 収 入 額 から 徴 税 費 相 当 額 (1%)を 控 除 した 後 の 金 額 の5 分 の3を 市 区 町 村 へ 交 付 す る 市 区 町 村 への 交 付 金 は 都 道 府 県 内 市 区 町 村 の 前 3ヵ 年 度 における 個 人 住 民 税 の 額 で 按 分 ( ) 平 成 16 年 の 創 設 時 から 特 別 徴 収 義 務 者 である 金 融 機 関 等 の 事 務 負 担 に 配 慮 し 都 道 府 県 が 課 税 し 市 区 町 村 へ 交 付 する 制 度 となっている 配 当 割 及 び 株 式 等 譲 渡 所 得 割 に 係 る 所 得 を 申 告 した 場 合 には 当 該 所 得 について 所 得 割 で 課 税 され すでに 特 別 徴 収 された 配 当 割 額 及 び 株 式 等 譲 渡 所 得 割 額 が 所 得 割 額 から 税 額 控 除 ( 所 得 割 額 から 控 除 しきれない 場 合 は 充 当 還 付 )される 配 当 割 株 式 等 譲 渡 所 得 割 ( 参 考 ) 利 子 割 1 課 税 主 体 2 納 税 義 務 者 3 課 税 標 準 一 定 の 上 場 株 式 等 の 配 当 等 ( 特 定 配 当 等 )の 支 払 を 受 けるもの( 都 道 府 県 内 に 住 所 を 有 する 個 人 に 限 る ) 特 定 配 当 等 の 額 都 道 府 県 所 得 税 において 源 泉 徴 収 を 選 択 した 特 定 口 座 ( 源 泉 徴 収 口 座 )における 上 場 株 式 等 の 譲 渡 の 対 価 等 の 支 払 を 受 けるもの( 都 道 府 県 内 に 住 所 を 有 する 個 人 に 限 る ) 源 泉 徴 収 口 座 における 上 場 株 式 等 の 譲 渡 に 係 る 所 得 等 の 金 額 ( 特 定 株 式 等 譲 渡 所 得 金 額 ) 都 道 府 県 利 子 等 の 支 払 を 受 けるもの ( 都 道 府 県 内 に 所 在 する 金 融 機 関 等 を 通 じて 支 払 を 受 ける 個 人 に 限 る ) 支 払 を 受 けるべき 利 子 等 の 額 4 税 率 5%( 所 得 税 15%) 5%( 所 得 税 15%) 5%( 所 得 税 15%) 5 徴 収 方 法 等 特 別 徴 収 義 務 者 特 定 配 当 等 の 支 払 をする 株 式 の 発 行 会 社 等 源 泉 徴 収 口 座 を 開 設 している 金 融 証 券 会 社 等 利 子 等 の 支 払 又 はその 取 扱 いをする 金 融 機 関 納 入 先 特 定 配 当 等 の 支 払 を 受 ける 者 の 支 払 時 の 住 所 地 の 都 道 府 県 その 支 払 を 受 けるべき 日 の 属 する 年 の1 月 1 日 時 点 の 住 所 地 の 都 道 府 県 利 子 等 の 支 払 の 事 務 等 を 行 う 営 業 所 等 所 在 地 の 都 道 府 県 納 入 方 法 その 支 払 の 際 に 徴 収 し 徴 収 の 翌 月 の10 日 ま でに 納 入 源 泉 徴 収 口 座 における 上 場 株 式 等 の 譲 渡 の 対 価 等 の 支 払 の 際 に 徴 収 し 原 則 として 徴 収 の 翌 年 の1 月 10 日 までに 納 入 その 支 払 等 の 際 に 徴 収 し 徴 収 の 翌 月 の10 日 までに 納 入 6 所 得 割 との 調 整 納 税 義 務 者 が 特 定 配 当 等 特 定 株 式 等 譲 渡 所 得 金 額 について 申 告 した 場 合 には 所 得 割 で 課 税 し 所 得 割 額 から 配 当 割 額 及 び 株 式 等 譲 渡 所 得 割 額 を 控 除 ( 申 告 不 可 のため 所 得 割 との 調 整 はない) 収 入 額 から 徴 税 費 相 当 額 (1%)を 控 除 した 後 7 交 付 金 各 収 入 額 から 徴 税 費 相 当 額 (1%)を 控 除 した 後 の 金 額 の5 分 の3を 市 区 町 村 へ 交 付 の 金 額 の5 分 の3を 市 区 町 村 へ 交 付 8 税 収 1,301 億 円 (25 年 度 決 算 額 ) 2,168 億 円 (25 年 度 決 算 額 ) 1,149 億 円 (25 年 度 決 算 額 ) 14
配 当 割 及 び 株 式 等 譲 渡 所 得 割 の 申 告 納 入 事 務 特 別 徴 収 義 務 者 による 配 当 割 及 び 株 式 等 譲 渡 所 得 割 の 申 告 納 入 は 納 入 申 告 書 等 及 び 特 別 徴 収 税 額 計 算 書 を 申 告 納 入 する 都 道 府 県 ごとに 作 成 し 各 都 道 府 県 の 指 定 金 融 機 関 の 口 座 に 納 入 する 申 告 納 入 事 務 は ほとんどの 特 別 徴 収 義 務 者 が 本 店 等 で 全 都 道 府 県 分 を 一 括 して 行 っている 特 別 徴 収 税 額 計 算 書 は 特 別 徴 収 義 務 者 が 当 該 申 告 納 入 期 限 内 において 当 該 都 道 府 県 に 納 入 すべき 特 別 徴 収 税 額 の 総 額 を 記 載 することとなっており 各 納 税 義 務 者 ごとの 税 額 は 記 載 して いない 納 入 申 告 書 及 び 特 別 徴 収 税 額 計 算 書 様 式 配 当 割 株 式 等 譲 渡 所 得 割 15
配 当 割 額 株 式 等 譲 渡 所 得 割 額 控 除 と 交 付 金 に 係 る 手 続 の 流 れ 配 当 割 及 び 株 式 等 譲 渡 所 得 割 に 係 る 所 得 について 納 税 者 が 申 告 して 所 得 割 を 課 された 場 合 には 当 該 所 得 割 を 課 する 市 区 町 村 が 受 け 取 っていた 交 付 金 の 額 と 当 該 市 区 町 村 の 税 収 減 と なる 配 当 割 額 株 式 等 譲 渡 所 得 割 額 控 除 の 控 除 額 とが 乖 離 することとなる 配 当 支 払 者 特 定 口 座 設 置 証 券 会 社 配 当 金 株 式 等 譲 渡 所 得 源 泉 徴 収 15% 特 別 徴 収 5% 配 当 割 納 税 者 株 式 等 譲 渡 所 得 割 給 与 所 得 等 他 の 所 得 と 併 せて 確 定 申 告 ( 任 意 ) 税 務 署 翌 年 1 月 住 所 地 市 区 町 村 控 除 等 の 適 用 所 得 割 で 課 税 ( 翌 年 度 課 税 ) 配 当 割 額 株 式 等 譲 渡 所 得 割 額 の 税 額 控 除 控 除 額 は 都 道 府 県 市 区 町 村 で 分 担 ( 都 道 府 県 : 市 区 町 村 =2:3) 住 所 地 都 道 府 県 配 当 割 : 配 当 の 支 払 時 株 式 等 譲 渡 所 得 割 : 支 払 を 受 けるべき 日 の 属 する 年 の1 月 1 日 時 点 交 付 金 ( 総 額 の5 分 の3) 域 内 市 区 町 村 確 定 申 告 情 報 前 3ヵ 年 度 における 市 区 町 村 ごとの 個 人 の 都 道 府 県 民 税 ( 均 等 割 所 得 割 )の 額 の 合 計 額 で 按 分 16
17 A 町 の 事 例 1 A 町 の 納 税 義 務 者 ( 甲 )は N 年 に 約 36 億 円 の 株 式 譲 渡 所 得 が 発 生 し 株 式 等 譲 渡 所 得 割 約 1 億 円 が 特 別 徴 収 さ れている 国 3 地 方 団 体 2 特 別 徴 収 された 約 1 億 円 のうち 約 6 割 については 県 内 市 区 町 村 に 住 民 税 額 で 案 分 して 交 付 されており A 町 へは 約 100 万 円 が 交 付 されている 所 得 税 源 泉 徴 収 7% 寄 附 金 7 億 円 3 甲 は N 年 中 に 地 方 団 体 に 約 7 億 円 の 寄 附 を 行 ってい る 4 甲 は N+1 年 度 分 の 住 民 税 について 株 式 譲 渡 所 得 を 申 告 するとともに 寄 附 金 税 額 控 除 の 申 告 を 行 った 株 式 譲 渡 所 得 を 申 告 した 場 合 には 二 重 課 税 とならないように 特 別 徴 収 された 株 式 等 譲 渡 所 得 割 額 が 税 額 控 除 され 控 除 しきれない 額 については 還 付 することとされている 5 甲 は 申 告 により 株 式 譲 渡 所 得 等 に 対 して 所 得 割 として 約 1 億 円 ( 税 額 控 除 前 )が 課 税 されることとなったが 寄 附 金 税 額 控 除 として 約 8,000 万 円 が 控 除 され 残 額 の 約 2,000 万 円 から 特 別 徴 収 された 約 1 億 円 を 控 除 しきれない ため 約 8,000 万 円 の 還 付 をA 町 が 行 うこととなった 6 還 付 される 約 8,000 万 円 のうち 県 分 である4 割 ( 約 3,200 万 円 )については 県 からA 町 に 還 付 金 として 交 付 されるが 残 りの 約 4,800 万 円 についてはA 町 が 負 担 することとなり 株 式 等 譲 渡 所 得 割 交 付 金 ( 約 100 万 円 )との 差 額 ( 約 4,700 万 円 )がA 町 の 実 質 的 な 持 ち 出 しとなっている 特 別 徴 収 義 務 者 ( 証 券 会 社 ) 1 2 株 式 等 譲 渡 所 得 割 交 付 金 100 万 円 株 式 等 譲 渡 所 得 36 億 円 株 式 等 譲 渡 所 得 割 特 別 徴 収 3% 1 億 円 B 県 ( 税 率 は 当 時 ) 6 還 付 金 県 税 分 3,200 万 円 A 町 4 申 告 納 税 義 務 者 ( 甲 ) 5 還 付 金 8,000 万 円 (うち 県 分 3,200 万 円 )
配 当 割 株 式 等 譲 渡 所 得 割 のあり 方 の 検 討 に 当 たっての 視 点 平 成 28 年 からマイナンバー 制 度 が 施 行 されることを 一 つの 契 機 として 今 後 の 個 人 住 民 税 に おける 金 融 所 得 課 税 について 各 納 税 義 務 者 の 住 所 地 団 体 に 対 し 当 該 納 税 義 務 者 に 係 る 税 収 がより 正 確 に 帰 属 するような 仕 組 みが 考 え 得 るのではないか 住 所 地 団 体 への 税 収 帰 属 の 実 現 により 配 当 割 株 式 等 譲 渡 所 得 割 に 係 る 交 付 金 と 配 当 割 額 控 除 株 式 等 譲 渡 所 得 割 額 控 除 との 乖 離 という 課 題 や それに 起 因 するA 町 の 事 例 のよう な 事 態 の 解 消 にもつながるのではないか また 住 所 地 課 税 ( 個 人 住 民 税 収 の 住 所 地 地 方 団 体 への 帰 属 )の 徹 底 の 前 進 にもつながるのではないか 個 人 住 民 税 における 金 融 所 得 課 税 について 住 所 地 課 税 の 徹 底 が 図 られることにより 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 の 更 なる 推 進 につながるのではないか すなわち 誰 の 税 がどの 団 体 に 納 められるのか が 明 らかになることで 損 益 通 算 対 象 となる 金 融 所 得 の 範 囲 の 一 層 の 拡 大 を はじめ 金 融 所 得 課 税 の 更 なる 一 体 化 の 検 討 を 行 いやすい 環 境 を 整 えることにもつながるの ではないか 18
考 えられる 検 討 の 方 向 性 方 向 性 1 個 人 住 民 税 の 原 則 である 住 所 地 課 税 が 一 定 前 進 することを 踏 まえ 特 別 徴 収 義 務 者 が 納 税 義 務 者 の 住 所 所 在 の 市 区 町 村 に 対 し 配 当 割 及 び 株 式 等 譲 渡 所 得 割 額 を 納 入 することとし 都 道 府 県 分 は 市 区 町 村 から 都 道 府 県 に 対 し 払 い 込 むこととする ( 均 等 割 所 得 割 と 同 様 の 方 式 ) 留 意 点 納 税 義 務 者 名 まで 明 示 して 市 区 町 村 に 納 入 する 方 法 の 方 が 住 所 地 課 税 の 徹 底 につながるが 納 税 義 務 者 名 の 明 示 を 伴 わなくても 住 所 地 市 区 町 村 への 税 収 の 帰 属 という 意 味 においては 住 所 地 課 税 が 一 定 前 進 税 収 変 動 の 幅 も 個 々の 市 区 町 村 にとっては 大 きくなる 可 能 性 があり 税 収 変 動 の 見 込 みが 困 難 となるおそれ 方 向 性 2 現 行 制 度 のあり 方 を 前 提 としつつ できる 限 り 納 税 義 務 者 の 住 所 地 市 区 町 村 へ 当 該 納 税 義 務 者 に 係 る 配 当 割 額 株 式 等 譲 渡 所 得 割 額 の5 分 の3に 相 当 する 額 が 交 付 されるよう 都 道 府 県 から 市 区 町 村 への 交 付 金 の 交 付 基 準 を 見 直 す 新 たな 交 付 基 準 としては 特 別 徴 収 義 務 者 が 納 税 義 務 者 ごとの 税 額 及 びマイナンバー 等 を 記 載 し て 都 道 府 県 に 納 入 し 都 道 府 県 は 各 納 税 義 務 者 の 税 額 の5 分 の3を 当 該 納 税 義 務 者 の 住 所 地 市 区 町 村 ( 配 当 割 : 支 払 い 時 株 式 等 譲 渡 所 得 割 : 支 払 を 受 けるべき 日 の 属 する 年 の1 月 1 日 時 点 )へ 交 付 する 留 意 点 税 収 変 動 の 幅 が 個 々の 市 区 町 村 にとって 大 きくなる 可 能 性 納 税 義 務 者 ごとの 税 を 明 確 にした 上 で 住 所 地 市 区 町 村 に 帰 属 させようとすると 例 えば 金 融 機 関 等 に 登 録 されている 住 所 と 住 民 票 上 の 住 所 が 異 なっている 場 合 正 確 な 住 所 地 を 追 求 し 住 所 地 市 区 町 村 を 確 定 させることを 制 度 上 も 実 務 上 も 求 められることになる 事 後 的 に 納 入 先 が 異 なることが 判 明 した 場 合 団 体 間 精 算 をする 必 要 都 都 道 府 県 をまたぐ 精 算 や 都 都 道 府 県 間 の 精 算 も 必 要 となり 制 度 全 体 が 複 雑 となるおそれ 19
方 向 性 1の 場 合 に 想 定 される 手 続 の 流 れ 配 当 支 払 者 特 定 口 座 設 置 証 券 会 社 配 当 金 株 式 等 譲 渡 所 得 源 泉 徴 収 15% 納 税 者 特 別 徴 収 5% 配 当 割 給 与 所 得 等 他 の 所 得 と 併 せて 確 定 申 告 ( 任 意 ) 株 式 等 譲 渡 所 得 割 税 務 署 翌 年 1 月 住 所 地 市 区 町 村 控 除 等 の 適 用 所 得 割 で 課 税 ( 翌 年 度 課 税 ) 配 当 割 額 株 式 等 譲 渡 所 得 割 額 の 税 額 控 除 控 除 額 は 都 道 府 県 市 区 町 村 で 分 担 ( 都 道 府 県 : 市 区 町 村 =2:3) 住 所 地 都 道 府 県 ( 当 該 市 区 町 村 が 所 在 する 都 道 府 県 ) 徴 収 金 の 払 込 み ( 総 額 の5 分 の2) 住 所 地 市 区 町 村 配 当 割 : 配 当 の 支 払 時 株 式 等 譲 渡 所 得 割 : 支 払 を 受 けるべき 日 の 属 する 年 の1 月 1 日 時 点 確 定 申 告 情 報 20
方 向 性 2の 場 合 に 想 定 される 手 続 の 流 れ 配 当 支 払 者 特 定 口 座 設 置 証 券 会 社 配 当 金 株 式 等 譲 渡 所 得 納 税 者 ごとに 税 額 マイナン バー 等 を 記 載 源 泉 徴 収 15% 特 別 徴 収 5% 配 当 割 納 税 者 株 式 等 譲 渡 所 得 割 給 与 所 得 等 他 の 所 得 と 併 せて 確 定 申 告 ( 任 意 ) 税 務 署 翌 年 1 月 住 所 地 市 区 町 村 控 除 等 の 適 用 所 得 割 で 課 税 ( 翌 年 度 課 税 ) 配 当 割 額 株 式 等 譲 渡 所 得 割 額 の 税 額 控 除 控 除 額 は 都 道 府 県 市 区 町 村 で 分 担 ( 都 道 府 県 : 市 区 町 村 =2:3) 住 所 地 都 道 府 県 配 当 割 : 配 当 の 支 払 時 株 式 等 譲 渡 所 得 割 : 支 払 を 受 けるべき 日 の 属 する 年 の1 月 1 日 時 点 交 付 金 ( 総 額 の5 分 の3) 住 所 地 市 区 町 村 配 当 割 : 配 当 の 支 払 時 株 式 等 譲 渡 所 得 割 : 支 払 を 受 けるべき 日 の 属 する 年 の1 月 1 日 時 点 確 定 申 告 情 報 市 区 町 村 内 に 住 所 を 有 する 納 税 者 に 係 る 税 額 の5 分 の 3の 合 計 額 を 当 該 市 区 町 村 に 交 付 21