知事専用車の使用を違法・不当としてその使用に要した経費の返還を求める住民監査請求監査結果



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Transcription:

平 成 2 8 年 7 月 8 日 問 い 合 わ せ 先 監 査 事 務 局 監 査 事 務 局 総 務 課 電 話 03-5320-7011 知 事 専 用 車 の 使 用 を 違 法 不 当 と し て そ の 使 用 に 要 し た 経 費 の 返 還 を 求 める 住 民 監 査 請 求 監 査 結 果 について 第 1 請 求 の 受 付 東 京 都 監 査 委 員 同 同 同 同 山 加 朱 美 吉 倉 正 美 友 渕 宗 治 岩 田 喜 美 枝 松 本 正 一 郎 1 請 求 人 ( 略 ) 2 請 求 の 提 出 平 成 28 年 5 月 13 日 3 請 求 の 内 容 (1) 主 張 事 実 ア 東 京 都 前 知 事 舛 添 氏 が 週 刊 文 春 朝 日 新 聞 などの 報 道 によれば 平 成 27 年 4 月 から 平 成 28 年 4 月 の 約 1か 年 にわたり ほぼ 毎 週 土 曜 の 午 後 3 時 頃 から 都 庁 から 庁 有 車 に 乗 り 都 職 員 である 運 転 手 が 運 転 して 神 奈 川 県 湯 河 原 の 別 荘 に 復 路 通 勤 の 形 式 で 利 用 した イ 東 京 都 自 動 車 管 理 規 則 1 条 は 公 務 を 行 うために 東 京 都 が 使 用 する 庁 有 車 の 適 正 な 運 営 を 図 るため 庁 有 車 の 使 用 に 関 し 必 要 事 項 を 定 める 8 条 は 乗 用 車 の 使 用 時 間 は 通 常 の 出 勤 時 限 ( 午 前 9 時 )から 通 常 の 退 庁 時 限 ( 午 後 5 時 45 分 )までとする とそれぞれ 定 める ウ 東 京 都 人 事 課 は 都 職 員 の 通 勤 手 当 は 1か 月 定 期 券 5 万 5 千 円 までを 実 費 支 給 し 都 知 事 もこれに 従 う と 説 明 した エ 前 記 イによれば 本 件 庁 有 車 を 舛 添 氏 の 復 路 通 勤 に 使 用 することはできない ことは 明 らかである そもそも 本 件 庁 有 車 の 使 用 は 社 会 通 念 が 許 容 する 範 囲 - 1 -

でその 使 用 が 認 められるものであり かつその 使 用 は あくまで spot use( 非 日 常 )の 公 務 使 用 を 前 提 としたものであり 本 件 のように 舛 添 氏 が 毎 週 土 曜 の 復 路 帰 路 通 勤 に48 回 使 用 したものは 違 法 性 を 帯 びる オ 請 求 人 は 小 金 井 市 の 公 用 車 管 理 規 則 を 調 べたところ 小 金 井 市 の 公 用 車 は 社 会 通 念 が 許 し かつ 非 日 常 の 使 用 というしばりが 掛 かっている カ 本 件 湯 河 原 使 用 の 結 果 都 は 庁 有 車 の 不 正 使 用 により 約 5 百 万 円 の 損 害 を 被 った 模 様 である (2) 措 置 請 求 舛 添 前 都 知 事 に 対 し 東 京 都 に 前 記 損 害 金 に 相 当 する 金 額 を 弁 済 する 措 置 を 請 求 する 4 請 求 の 要 件 審 査 本 件 請 求 において 請 求 人 は 平 成 27 年 4 月 から 平 成 28 年 4 月 の 約 1か 年 にわ たり 前 知 事 が 神 奈 川 県 湯 河 原 町 にある 別 荘 まで 知 事 専 用 車 を 使 用 して 復 路 通 勤 した 経 費 について 都 は 前 知 事 に 対 する 不 当 利 得 返 還 請 求 権 ( 以 下 本 件 債 権 という ) の 行 使 を 怠 っているとして 本 件 行 使 を 求 めているものと 解 される しかしながら 昭 和 62 年 2 月 20 日 最 高 裁 判 例 によれば 特 定 の 財 務 会 計 上 の 行 為 を 違 法 であるとし 当 該 行 為 が 違 法 無 効 であることに 基 づいて 発 生 する 実 体 法 上 の 請 求 権 の 不 行 使 をもって 財 産 の 管 理 を 怠 る 事 実 としている 監 査 請 求 であるときは 怠 る 事 実 に 係 る 請 求 権 の 発 生 原 因 たる 財 務 会 計 行 為 のあった 日 又 は 終 わった 日 を 基 準 として 地 方 自 治 法 ( 昭 和 22 年 法 律 第 67 号 以 下 法 という ) 第 242 条 第 2 項 を 適 用 すべきものと 解 するのが 相 当 である としている このことから 平 成 27 年 5 月 12 日 以 前 の 本 件 債 権 の 不 行 使 については 法 第 242 条 第 2 項 に 定 める 請 求 期 間 の1 年 を 経 過 しているため 平 成 27 年 5 月 13 日 から 平 成 28 年 4 月 30 日 までの 本 件 債 権 の 不 行 使 について 法 第 242 条 所 定 の 要 件 を 備 えているものと 認 め 監 査 を 実 施 した - 2 -

第 2 監 査 の 実 施 1 監 査 対 象 事 項 平 成 27 年 5 月 13 日 から 平 成 28 年 4 月 30 日 までの 間 に 前 知 事 が 都 庁 から 神 奈 川 県 湯 河 原 町 にある 別 荘 まで 知 事 専 用 車 を 使 用 して 復 路 通 勤 した 経 費 について 都 は 前 知 事 に 対 し 不 当 利 得 返 還 請 求 権 の 行 使 を 怠 っている 事 実 があるか 否 かを 監 査 対 象 とする 2 監 査 対 象 局 財 務 局 を 対 象 とした 政 策 企 画 局 に 対 して 関 係 人 調 査 を 行 った 3 証 拠 の 提 出 及 び 陳 述 等 法 第 242 条 第 6 項 の 規 定 に 基 づく 陳 述 については 請 求 人 から 平 成 28 年 5 月 30 日 付 け 陳 述 書 の 提 出 のみとする 旨 の 申 し 出 があった 陳 述 書 において 請 求 人 は 当 初 請 求 書 に 記 載 していた 損 害 額 約 5 百 万 円 を 請 求 人 が 調 査 した 損 害 額 371 万 6,160 円 に 訂 正 し その 額 を 前 知 事 は 都 に 弁 済 するように 求 めた また 平 成 28 年 6 月 2 日 監 査 対 象 局 職 員 の 陳 述 の 聴 取 を 行 った - 3 -

第 3 監 査 の 結 果 1 事 実 関 係 の 確 認 (1) 知 事 専 用 車 について ア 都 の 庁 有 車 は 東 京 都 自 動 車 の 管 理 等 に 関 する 規 則 ( 以 下 本 件 管 理 規 則 という ) 第 1 条 で 公 務 を 行 うために 使 用 することが 記 載 されている イ 知 事 は 本 件 管 理 規 則 第 9 条 第 1 項 により 乗 用 車 を 専 用 するものとされ 専 用 の 車 ( 以 下 知 事 専 用 車 という )が 配 車 されている ウ 知 事 専 用 車 は 本 件 管 理 規 則 第 8 条 により 使 用 時 間 の 適 用 が 除 外 されてい る また 財 務 局 庁 有 車 管 理 要 綱 ( 以 下 本 件 管 理 要 綱 という ) 第 8 条 第 2 項 では 休 日 であっても 運 行 することができると 定 められている エ 知 事 専 用 車 の 使 用 手 続 については 本 件 管 理 要 綱 第 9 条 第 2 項 に 定 められて おり 専 用 車 利 用 者 は 原 則 として 運 転 指 示 書 により 運 転 者 に 指 示 するとさ れ 休 日 に 専 用 車 を 使 用 する 場 合 は これとは 別 に 休 日 使 用 届 を 庁 有 車 管 理 者 ( 財 務 局 経 理 部 総 務 課 長 )に 提 出 することされている しかしながら 財 務 局 によると 知 事 専 用 車 を 利 用 する1か 月 から 数 週 間 前 の 時 点 から 政 策 企 画 局 秘 書 課 との 間 で 予 め 日 程 等 を 確 認 することなどにより 綿 密 に 専 用 車 の 運 行 計 画 を 調 整 し さらに 随 時 の 日 程 の 変 更 に 対 しても 緊 密 に 連 携 をとることで 対 応 する 必 要 があるため 個 別 の 運 転 指 示 書 及 び 休 日 使 用 届 の 対 象 とはしていないとしている (2) 知 事 専 用 車 の 運 転 日 誌 について ア 庁 有 車 の 運 転 者 は 本 件 管 理 規 則 第 11 条 第 1 項 により 運 転 終 了 後 に 運 転 者 名 運 転 の 開 始 及 び 終 了 の 日 時 運 転 した 距 離 その 他 必 要 な 事 項 を 運 転 日 誌 に 記 載 し 庁 有 車 管 理 者 に 提 出 することとされており 知 事 専 用 車 について も 運 転 日 誌 が 作 成 されている イ 知 事 専 用 車 の 運 転 日 誌 ( 以 下 本 件 運 転 日 誌 という )によれば 監 査 対 象 期 間 ( 平 成 27 年 5 月 13 日 から 平 成 28 年 4 月 30 日 )のうち 知 事 専 用 車 が 湯 河 原 町 を 最 終 到 着 地 ( 復 路 )としているのが41 回 であった (3) 知 事 専 用 車 の 運 用 ルールについて 財 務 局 によれば 具 体 的 な 運 用 に 関 しては 本 件 管 理 規 則 及 び 本 件 管 理 要 綱 に は 特 段 の 記 載 はないものの 本 件 管 理 規 則 第 1 条 に 公 務 を 行 うために 東 京 都 が 使 用 する 庁 有 車 とあるとおり 専 用 車 の 使 用 は 公 務 を 行 うためのものであり - 4 -

移 動 先 か 移 動 元 のどちらかが 公 務 であることを 前 提 に 運 用 しているとのことであ った また 実 際 の 使 用 に 当 たっては 知 事 の 広 範 かつ 重 要 な 職 責 から 使 用 目 的 や 形 態 も 多 岐 に 亘 るため 個 々 具 体 的 なケースで 判 断 しており その 積 み 重 ねの 内 容 をルールとしているとの 説 明 があった (4) 都 庁 湯 河 原 町 間 の 所 要 時 間 について 財 務 局 に 確 認 したところ 都 庁 湯 河 原 町 間 の 所 要 時 間 は2 時 間 程 度 と 推 測 さ れるとのことであった (5) 知 事 専 用 車 における 知 事 と 連 絡 がとれる 態 勢 について 知 事 専 用 車 には 移 動 中 の 知 事 と 常 に 連 絡 が 取 れる 態 勢 を 取 るために 緊 急 時 に 優 先 的 に 回 線 を 利 用 することが 可 能 な 公 用 携 帯 電 話 のほか 防 災 無 線 電 話 車 載 電 話 が 設 置 されている 2 監 査 対 象 局 の 説 明 財 務 局 経 理 部 総 務 課 では 本 件 管 理 規 則 に 基 づき 公 営 企 業 等 の 所 管 分 を 除 き 庁 有 車 の 運 行 管 理 をしている 今 回 の 監 査 の 対 象 となっている 庁 有 車 は 知 事 専 用 車 である 知 事 は 都 を 統 轄 してこれを 代 表 し その 事 務 を 管 理 してこれを 執 行 する 広 範 かつ 重 要 な 地 位 及 び 職 責 を 有 している この 地 位 及 び 職 責 を 全 うするため 機 動 的 な 交 通 手 段 を 確 保 するとともに 移 動 時 にあっても 常 に 知 事 と 連 絡 がとれる 態 勢 に なければならないとの 観 点 から 本 件 管 理 規 則 第 9 条 第 1 項 に 基 づき 知 事 専 用 車 を 制 度 化 している この 知 事 専 用 車 を 含 めた 専 用 車 については 他 の 庁 有 車 とは 異 な り 使 用 時 間 に 関 する 本 件 管 理 規 則 上 の 特 段 の 定 めはない 知 事 専 用 車 の 運 行 手 続 については 次 のとおりである 専 属 運 転 手 は 知 事 就 任 時 に 財 務 局 経 理 部 総 務 課 で 決 定 する 専 属 運 転 手 は 知 事 の 指 示 に 従 い 知 事 専 用 車 を 運 行 する 運 行 状 況 については 運 転 日 誌 等 により 財 務 局 経 理 部 総 務 課 が 管 理 している 本 件 に 関 する 請 求 人 の 主 張 は 週 刊 文 春 などの 報 道 によれば とした 上 で 舛 添 前 知 事 が 平 成 27 年 4 月 から 平 成 28 年 4 月 までのほぼ 毎 週 土 曜 日 神 奈 川 県 湯 河 原 の 別 荘 に 復 路 通 勤 に 都 庁 職 員 の 運 転 する 庁 有 車 を 利 用 している 一 方 本 件 管 理 規 則 により 庁 有 車 の 利 用 は 通 常 の 出 勤 時 限 から 退 庁 時 限 までであり 知 事 も 都 職 員 と 同 様 に 通 勤 手 当 の 対 象 となることから 復 路 通 勤 としての 庁 有 車 の 使 用 は 認 められず 都 は 不 正 な 利 用 により 約 371 万 円 の 損 害 を 被 った よって 前 知 事 に 当 - 5 -

該 損 害 金 に 相 当 する 金 額 を 弁 済 する 措 置 を 求 める というものである これに 対 し 前 知 事 の 公 務 の 場 である 都 庁 から 湯 河 原 町 への 送 迎 のため 庁 有 車 を 運 行 した 事 実 はあるが これは 前 述 のように 本 件 管 理 規 則 第 9 条 第 1 項 に 定 め る 知 事 専 用 車 であり 請 求 人 のいう 同 第 8 条 に 定 める 使 用 時 間 に 制 限 のある 庁 有 車 ではない すなわち 知 事 専 用 車 を 含 む 専 用 車 は 請 求 人 のいう 土 曜 日 ( 曜 日 については 引 用 のある 週 刊 誌 の 記 事 が ほぼ 毎 週 末 と 記 載 していたことから 金 曜 日 の 誤 用 と 思 われる )を 含 む 休 庁 日 や 早 朝 夜 間 を 含 め 使 用 者 の 重 要 な 職 責 を 全 うし 各 所 への 移 動 時 に 常 に 連 絡 がとれるよう 使 用 者 の 指 示 に 基 づき 適 正 に 運 行 している また 請 求 人 は 伝 聞 ではあるが 知 事 の 通 勤 手 当 の 有 無 について 言 及 している 趣 旨 は 明 確 ではないが 仮 に 経 費 の 重 複 した 支 出 を 問 うものであれば ( 所 管 外 では あるが) 知 事 を 含 め 専 用 車 の 使 用 者 に 対 して 通 勤 手 当 は 支 給 されていない 以 上 のとおり 明 確 な 算 定 根 拠 が 示 されていない 損 害 金 を 含 め 請 求 人 の 主 張 に は 理 由 がないと 考 える 財 務 局 としては 今 後 とも 本 件 管 理 規 則 に 則 って 専 用 車 の 運 行 管 理 に 努 めていく 3 関 係 人 調 査 (1) 神 奈 川 県 湯 河 原 町 にある 建 物 の 位 置 付 け 政 策 企 画 局 では 神 奈 川 県 湯 河 原 町 にある 建 物 を 湯 河 原 の 事 務 所 ( 以 下 本 件 建 物 という )と 把 握 しており 世 田 谷 の 自 宅 と 同 様 に 前 知 事 の 送 り 届 け 先 に 当 たるものと 考 えているとの 説 明 があった (2) 庁 外 における 前 知 事 との 連 絡 体 制 庁 外 における 前 知 事 との 連 絡 体 制 について 政 策 企 画 局 より 以 下 のとおり 説 明 があった 世 田 谷 の 自 宅 においては 災 害 時 優 先 のNTT 電 話 防 災 無 線 電 話 防 災 無 線 ファクシミリが 設 置 されている 本 件 建 物 においては 衛 星 携 帯 電 話 を 設 置 している その 他 屋 外 にいる 場 合 においては 災 害 時 優 先 の 公 用 携 帯 電 話 を 携 帯 して いる - 6 -

4 判 断 本 件 請 求 において 請 求 人 は 前 知 事 が 神 奈 川 県 湯 河 原 町 にある 別 荘 まで 知 事 専 用 車 を 使 用 し 復 路 通 勤 したことは 本 件 管 理 規 則 に 反 しており 違 法 性 を 帯 びると 主 張 している このことから 本 件 建 物 まで 知 事 専 用 車 を 使 用 したことについて 前 記 事 実 関 係 の 確 認 監 査 対 象 局 の 説 明 関 係 人 調 査 及 び 関 係 資 料 の 調 査 等 に 基 づき 次 のよ うに 判 断 する (1) 知 事 専 用 車 の 趣 旨 について 知 事 は 普 通 地 方 公 共 団 体 の 長 であって 当 該 普 通 地 方 公 共 団 体 の 統 轄 及 び 代 表 その 事 務 の 管 理 及 び 執 行 予 算 の 調 製 及 び 執 行 地 方 税 の 賦 課 徴 収 等 を 行 うなど 広 範 かつ 重 要 な 職 責 を 有 している( 法 第 139 条 第 147 条 から149 条 まで 等 ) 本 件 管 理 規 則 第 9 条 第 1 項 が 知 事 に 専 用 車 を 使 用 させることとしているのは 上 記 のような 知 事 が 担 う 職 責 の 性 質 内 容 等 に 照 らし その 職 責 を 全 うさせる ため 知 事 について 機 動 的 な 交 通 手 段 を 確 保 するとともに 移 動 時 にあっても 常 に 知 事 と 連 絡 を 取 ることができるようにするなどの 危 機 管 理 の 観 点 からである ( 平 成 20 年 2 月 8 日 東 京 地 裁 判 決 )と 解 される (2) 知 事 専 用 車 の 使 用 時 間 について 知 事 は 特 別 職 の 地 方 公 務 員 であり( 地 方 公 務 員 法 第 3 条 第 3 項 第 4 号 ) 原 則 と して 地 方 公 務 員 法 は 適 用 されず( 地 方 公 務 員 法 第 4 条 第 2 項 ) 勤 務 時 間 等 の 勤 務 条 件 は 定 められていないところ 知 事 専 用 車 については 他 の 乗 用 車 と 異 なり 使 用 時 間 の 適 用 が 除 外 されている( 本 件 管 理 規 則 第 8 条 ) (3) 知 事 専 用 車 の 使 用 方 法 及 び 態 様 について 知 事 が 担 う 職 責 の 内 容 及 び 性 質 本 件 管 理 規 則 が 知 事 に 専 用 車 を 使 用 させる こととした 趣 旨 及 び 目 的 本 件 管 理 規 則 の 具 体 的 規 定 等 に 照 らすと 知 事 専 用 車 の 使 用 の 方 法 及 び 態 様 については 知 事 の 合 理 的 な 判 断 に 委 ねられているという べきである ( 平 成 20 年 2 月 8 日 東 京 地 裁 判 決 )と 解 される (4) 本 件 建 物 まで 知 事 専 用 車 を 使 用 することの 違 法 性 不 当 性 について 平 成 20 年 2 月 8 日 の 東 京 地 裁 判 決 によれば 自 宅 への 送 迎 における 知 事 専 用 車 の 使 用 は 公 的 活 動 と 私 的 活 動 との 切 替 え 時 においても 機 動 性 を 確 保 し 危 機 管 理 を 徹 底 しようとするものであるから その 使 用 は 合 理 性 を 有 するといえる ところ 自 宅 への 送 迎 でなくとも 公 的 活 動 と 私 的 活 動 との 切 替 え 時 における 合 - 7 -

理 的 な 方 法 及 び 態 様 で 知 事 専 用 車 を 使 用 することは 機 動 性 の 確 保 及 び 危 機 管 理 の 徹 底 の 観 点 から 知 事 専 用 車 が 設 けられた 趣 旨 及 び 目 的 にかなうものである としている 本 件 建 物 は 前 知 事 にとって 世 田 谷 区 にある 自 宅 同 様 前 知 事 の 活 動 の 一 つの 拠 点 と 考 えられ 前 知 事 が 私 的 な 日 常 活 動 の 拠 点 とするのに 不 適 当 な 場 所 といえ ず 執 務 場 所 である 都 庁 からの 所 要 時 間 も 片 道 2 時 間 程 度 であることを 考 慮 する と 社 会 通 念 上 自 動 車 を 利 用 して 移 動 する 距 離 として 長 すぎるものとはいえな い よって 本 件 建 物 まで 知 事 専 用 車 を 使 用 したことは 本 件 管 理 規 則 で 定 める 専 用 車 使 用 の 趣 旨 を 逸 脱 したものとは 認 められず 違 法 不 当 であるとはいえない なお 公 務 終 了 後 前 知 事 を 本 件 建 物 まで 送 り 届 けるために 知 事 専 用 車 を 頻 繁 に 使 用 したことについて 別 項 のとおり 意 見 を 付 する 5 結 論 (1) 結 論 前 知 事 が 本 件 建 物 まで 知 事 専 用 車 を 使 用 して 復 路 通 勤 した 経 費 について 都 は 前 知 事 に 対 する 本 件 債 権 の 行 使 を 怠 っているとする 請 求 人 の 主 張 には 理 由 がない (2) 意 見 公 務 終 了 後 前 知 事 を 都 外 の 自 宅 以 外 の 場 所 まで 送 り 届 けるため ほぼ 毎 週 末 知 事 専 用 車 の 運 行 をしていたことは 違 法 不 当 であるといえないものの 都 民 の 理 解 が 得 難 いと 思 われる 財 務 局 は 政 策 企 画 局 と 連 携 の 上 知 事 専 用 車 の 厳 格 な 運 行 に 努 められたい - 8 -

資 料 ( 東 京 都 職 員 措 置 請 求 書 等 ) 第 1 請 求 の 要 旨 (1) 東 京 都 知 事 舛 添 氏 が 週 刊 文 春 朝 日 新 聞 などの 報 道 によれば 平 成 27 年 4 月 から 平 成 28 年 4 月 の 約 1か 年 にわたり ほぼ 毎 週 土 曜 の 午 後 3 時 ころから 都 庁 から 庁 有 車 に 乗 り 都 職 員 である 運 転 手 が 運 転 して 神 奈 川 県 湯 河 原 の 別 荘 に 復 路 通 勤 の 形 式 で 利 用 した (2) 東 京 都 自 動 車 管 理 規 則 1 条 は 公 務 を 行 うために 東 京 都 が 使 用 する 庁 有 車 の 適 正 な 運 営 を 図 るため 庁 有 車 の 使 用 に 関 し 必 要 事 項 を 定 める 8 条 は 乗 用 車 の 使 用 時 間 は 通 常 の 出 勤 時 限 ( 午 前 9 時 )から 通 常 の 退 庁 時 限 ( 午 後 5 時 45 分 )までとする とそれぞれ 定 める (3) 東 京 都 人 事 課 は 都 職 員 の 通 勤 手 当 は 1か 月 定 期 券 5 万 5 千 円 までを 実 費 支 給 し 都 知 事 もこれに 従 う と 説 明 した (4) 前 記 (2)によれば 本 件 庁 有 車 を 舛 添 氏 の 復 路 通 勤 に 使 用 することはでき ないことは 明 らかである そもそも 本 件 庁 有 車 の 使 用 は 社 会 通 念 が 許 容 する 範 囲 でその 使 用 が 認 められるものであり かつその 使 用 は あくまで spot use ( 非 日 常 )の 公 務 使 用 を 前 提 としたものであり 本 件 のように 舛 添 氏 が 毎 週 土 曜 の 復 路 帰 路 通 勤 に48 回 使 用 したものは 違 法 性 を 帯 びる (5) 請 求 人 は 小 金 井 市 の 公 用 車 管 理 規 則 を 調 べたところ 小 金 井 市 の 公 用 車 は 社 会 通 念 が 許 し かつ 非 日 常 の 使 用 というしばりが 掛 かっている (6) 本 件 湯 河 原 使 用 の 結 果 都 は 庁 有 車 の 不 正 使 用 により 約 5 百 万 円 の 損 害 を 被 った 模 様 である (7) 請 求 人 は 舛 添 都 知 事 に 対 し 東 京 都 に 前 記 損 害 金 に 相 当 する 金 額 を 弁 済 す る 措 置 を 請 求 する ( 原 文 のまま 掲 載 ) 事 実 証 明 書 (1) 東 京 都 自 動 車 の 管 理 等 に 関 する 規 則 (2) 東 京 都 監 査 委 員 に 対 する 平 成 28.5.13 付 東 京 都 知 事 舛 添 措 置 請 求 書 に 係 る 追 加 資 料 (3) 週 刊 文 春 記 事 ( 平 成 28 年 5 月 19 日 号 ) - 9 -