野村資本市場研究所|地域教育資金形成制度-米国529プランの発展に見る州政府発の知恵-(PDF)



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平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

公表表紙

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

m07 北見工業大学 様式①

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スライド 1

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

就 学 前 教 育 保 育 の 実 施 状 況 ( 平 成 23 年 度 ) 3 歳 以 上 児 の 多 く(4 歳 以 上 児 はほとんど)が 保 育 所 又 は 幼 稚 園 に 入 所 3 歳 未 満 児 (0~2 歳 児 )で 保 育 所 に 入 所 している 割 合 は 約 2 割 就 学


2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

 

資料2 利用者負担(保育費用)

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

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4 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 若 しくはその 委 任 を 受 けた 者 又 は 監 査 委 員 の 監 査 に 応 じなければ ならない ( 状 況 報 告 ) 第 7 条 承 認 コミュニティ 組 織 は 市 長 が 必 要 と 認 めるときは 交 付 金 事 業 の 遂 行 の

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

定款

資料2 年金制度等について(山下委員提出資料)

Taro-08国立大学法人宮崎大学授業

情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

弁護士報酬規定(抜粋)

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スライド 1

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

目 次 1. 社 会 保 障 分 野 でできること 1 1 高 額 医 療 高 額 介 護 合 算 制 度 の 改 善 2 保 険 証 機 能 の 一 元 化 3 自 己 診 療 情 報 の 活 用 4 給 付 可 能 サービスの 行 政 側 からの 通 知 2. 年 金 分 野 でできること 5

目 次 高 山 市 連 結 財 務 諸 表 について 1 連 結 貸 借 対 照 表 2 連 結 行 政 コスト 計 算 書 4 連 結 純 資 産 変 動 計 算 書 6 連 結 資 金 収 支 計 算 書 7


技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77


国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

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セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

18 国立高等専門学校機構

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

Microsoft PowerPoint - 基金制度

●幼児教育振興法案

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

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16 日本学生支援機構

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

【労働保険事務組合事務処理規約】

(2) 保 育 料 等 減 免 措 置 に 関 する 調 書 (3) 地 方 税 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 226 号 ) 第 5 条 第 2 項 第 1 号 に 規 定 する 市 町 村 民 税 の 課 税 の 状 況 を 証 明 する 書 類 又 は 生 活 保 護 法 ( 昭 和

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

川越市幼稚園就園奨励費補助金交付要綱

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定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

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別 添 1 女 性 国 家 公 務 員 の 登 用 状 況 資 料 1 指 定 職 に 占 める 女 性 の 割 合 は3.0%( 平 成 27 年 11 月 1 日 現 在 ) ( 前 年 9 月 1 日 現 在 から0.2ポイント 増 ) 本 省 課 室 長 相 当 職 以 上 に 占 める 女

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2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

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代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

ニュースリリース

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

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平 成 34 年 4 月 1 日 から 平 成 37 年 3 月 31 日 まで 64 歳 第 2 章 労 働 契 約 ( 再 雇 用 希 望 の 申 出 ) 第 3 条 再 雇 用 職 員 として 継 続 して 雇 用 されることを 希 望 する 者 は 定 年 退 職 日 の3か 月 前 まで

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波佐見町の給与・定員管理等について

経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,6 243,7 185,8 222,9 261,9

Microsoft Word - 第74号 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) (H25.4.1) (H25.4.1) (H25.7.1) (H25.7.1) (H25.4.1) (H25.7.1)

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

個 人 所 得 課 税 ~ 住 宅 ローン 控 除 等 の 適 用 期 限 の 延 長 2 4. 既 存 住 宅 に 係 る 特 定 の 改 修 工 事 をした 場 合 の 所 得 税 額 の 特 別 控 除 居 住 年 省 エネ 改 修 工 事 控 除 限 度 額 バリアフリー 改 修 工 事 平

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資料2-2 定時制課程・通信制課程高等学校の現状

内 において 管 理 されている 上 場 株 式 等 のうち 非 課 税 管 理 勘 定 に 係 るもの( 新 規 投 資 額 で 毎 年 80 万 円 を 上 限 とします )に 係 る 配 当 等 で 未 成 年 者 口 座 に 非 課 税 管 理 勘 定 を 設 けた 日 から 同 日 の 属

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就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

6. 概 要 コメント 本 法 は 社 会 保 険 関 係 を 規 範 化 し 公 民 の 社 会 保 険 への 参 加 社 会 保 険 待 遇 を 享 受 す る 権 益 を 保 護 し 公 民 に 国 家 発 展 の 成 果 を 共 同 で 享 受 させ 社 会 の 調 和 と 安 定 を 促

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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

市 町 村 税 の 概 況 市 町 村 税 の 概 況 は 平 成 25 年 度 地 方 財 政 状 況 調 査 平 成 26 年 度 市 町 村 税 の 課 税 状 況 等 の 調 及 び 平 成 26 年 度 固 定 資 産 の 価 格 等 の 概 要 調 書 等 報 告 書 等 の 資 料 に

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 最 高 号 給 の 給 料 月 額 243,7 37,8 35

所令要綱

教育資金管理約款

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

Transcription:

地 域 教 育 資 金 形 成 制 度 - 米 国 529 プランの 発 展 に 見 る 州 政 府 発 の 知 恵 - 個 人 金 融 資 産 の 動 きとライフ プランニング 地 域 教 育 資 金 形 成 制 度 - 米 国 529 プランの 発 展 に 見 る 州 政 府 発 の 知 恵 - 宮 本 佐 知 子 要 約 1. 2014 年 5 月 日 本 創 成 会 議 人 口 減 少 問 題 検 討 分 科 会 から ストップ 少 子 化 地 方 元 気 戦 略 が 公 表 された 今 後 地 方 圏 での 人 口 減 少 は 著 しいと 予 想 さ れ その 危 機 的 な 状 況 にいかに 対 処 していくべきか そのための 施 策 は 何 か 議 論 が 急 がれている 2. 1980 年 代 の 米 国 では 国 の 競 争 力 低 下 への 危 機 感 から 産 業 競 争 力 の 強 化 だけ でなく 教 育 の 充 実 も 求 められていた 財 政 赤 字 が 拡 大 する 中 で 高 騰 する 教 育 費 問 題 に 対 処 するため 家 計 の 高 等 教 育 資 金 形 成 を 支 援 する 制 度 (529 プラ ン)が 人 口 減 少 に 悩 む 州 政 府 発 の 打 開 策 として 1986 年 に 創 設 された この 新 たな 制 度 は 他 州 でも 相 次 いで 創 設 され 連 邦 税 制 上 の 優 遇 措 置 も 認 められ たことを 契 機 に 全 米 で 利 用 される 制 度 へと 発 展 し その 後 も 普 及 に 弾 みがつ き 現 在 に 至 っている その 過 程 では 利 便 性 向 上 や 利 用 者 拡 大 へ 向 けて 工 夫 が 凝 らされてきた 3. 翻 ってわが 国 では これまでの 少 子 化 対 策 において 子 育 て 費 用 のうち 最 も 費 用 が 嵩 む 教 育 費 の 議 論 が 不 足 していた 米 国 でなされたこのような 取 り 組 み は わが 国 の 地 方 自 治 体 でも 教 育 費 に 悩 む 子 育 て 世 代 にアピールし 地 域 で 人 を 育 て 人 材 の 定 着 を 図 る 一 案 として 検 討 に 値 するのではないか Ⅰ はじめに 2014 年 5 月 8 日 日 本 創 成 会 議 人 口 減 少 問 題 検 討 分 科 会 から ストップ 少 子 化 地 方 元 気 戦 略 が 公 表 された 人 口 減 少 やそれに 伴 う 経 済 成 長 率 の 低 下 に 対 する 強 い 危 機 感 が 示 されており 特 に 今 後 予 想 される 地 方 圏 の 人 口 減 少 は 著 しいことから その 危 機 的 な 状 況 にいかに 対 処 していくべきか そのための 施 策 は 何 か 国 全 体 においても 地 方 自 治 体 においても 議 論 が 急 がれている しかし 人 口 の 減 少 に 歯 止 めをかけ 子 どもを 産 み 育 てやすい 環 境 作 りを 議 論 する 中 では これまでのところ 子 どもの 教 育 費 の 手 当 に 関 する 議 論 が 欠 落 しているように 思 われる 教 育 費 は 子 育 て 費 用 の 最 大 の 費 用 項 目 であり 家 計 における 教 育 費 負 担 は 近 年 一 段 と 23

野 村 資 本 市 場 クォータリー 2014 Autumn 図 表 1 子 育 てに 関 する 経 済 的 負 担 と 望 ましい 経 済 的 支 援 子 育 て 全 体 を 通 じてかかる 経 済 的 な 負 担 子 ども 子 育 て 支 援 策 としての 経 済 的 支 援 として 望 ましい 支 援 学 校 教 育 費 ( 大 学 短 大 専 門 学 校 など) 69.3 学 校 教 育 費 ( 大 学 短 大 専 門 学 校 など) 58.7 学 習 塾 など 学 校 以 外 の 教 育 費 48.5 学 校 教 育 費 ( 小 学 校 中 学 校 高 等 学 校 ) 54.7 学 校 教 育 費 ( 小 学 校 中 学 校 高 等 学 校 ) 47.0 保 育 所 幼 稚 園 認 定 こども 園 にかかる 費 用 46.0 保 育 所 幼 稚 園 認 定 こども 園 にかかる 費 用 44.8 医 療 費 35.2 食 費 31.8 学 習 塾 など 学 校 以 外 の 教 育 費 11.6 学 習 塾 以 外 の 習 い 事 の 費 用 30.5 食 費 9.1 医 療 費 29.4 住 宅 費 8.6 衣 服 費 26.7 学 習 塾 以 外 の 習 い 事 の 費 用 4.2 レジャー レクリエーション 費 17.6 衣 服 費 2.6 通 信 費 ( 携 帯 電 話 の 費 用 など) 16.9 通 信 費 ( 携 帯 電 話 の 費 用 など) 2.0 住 宅 費 16.5 レジャー レクリエーション 費 1.4 その 他 特 にない 1.0 6.8 (n=10,000) その 他 特 にない 0.9 8.2 (n=10,000) 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 (%) 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 (%) ( 注 ) 調 査 実 施 期 間 は 2012 年 10 月 12 日 から 2012 年 11 月 15 日 調 査 対 象 は 20 歳 ~59 歳 のインターネット 登 録 モニター10000 人 ( 出 所 ) 内 閣 府 政 策 統 括 官 ( 共 生 社 会 政 策 担 当 ) 子 ども 子 育 てビジョンに 係 る 点 検 評 価 のための 指 標 調 査 報 告 書 ( 平 成 25 年 3 月 ) 重 くなっている 世 論 調 査 によると 子 育 て 全 体 を 通 じてかかる 経 済 的 な 負 担 の 中 で 学 校 教 育 費 ( 大 学 短 大 専 門 学 校 など) がトップに 挙 げられている( 図 表 1) この 項 目 は 子 ども 子 育 て 支 援 策 としての 経 済 的 支 援 として 望 ましい 支 援 としてもトップ に 挙 げられており 家 計 側 からは 子 育 て 支 援 策 として 特 に 大 学 教 育 費 のための 支 援 策 が 求 められていると 言 える 事 実 教 育 費 の 中 でも 費 用 が 最 も 嵩 むのは 大 学 教 育 費 であり その 大 学 授 業 料 はデフレ 下 でも 引 き 上 げられてきたため 過 去 20 年 間 で 国 立 大 学 は 1.4 倍 私 立 大 学 は 1.3 倍 になっている そもそも 人 口 減 少 社 会 において 経 済 成 長 力 を 維 持 拡 大 するためには 人 材 育 成 による 生 産 性 向 上 が 不 可 欠 であり 教 育 投 資 は 地 域 活 性 化 にもつながる 将 来 のための 成 長 投 資 になると 期 待 されている しかし これまで 長 期 にわたる 経 済 低 迷 が 続 いており 子 育 て 人 材 育 成 支 援 のための 財 政 上 の 余 裕 は 国 はもちろん 自 治 体 においても 限 られていよ う このような 危 機 -すなわち 長 期 経 済 停 滞 財 政 赤 字 大 学 授 業 料 上 昇 という 状 況 は 実 は 1970 年 代 から 1980 年 代 の 米 国 に 重 なるものである その 米 国 において 人 口 減 少 に 悩 んでいた 州 政 府 から 解 決 策 が 提 案 された Ⅱ 1980 年 代 の 米 国 における 州 政 府 発 の 施 策 1. 競 争 力 低 下 に 悩 む 1970~1980 年 代 の 米 国 1970 年 代 は ブレトン ウッズ 体 制 の 終 焉 や 二 度 のオイル ショック 製 造 業 の 衰 退 24

地 域 教 育 資 金 形 成 制 度 - 米 国 529 プランの 発 展 に 見 る 州 政 府 発 の 知 恵 - 等 により 米 国 が 国 際 的 な 影 響 力 を 弱 めつつあった 時 期 である 自 国 の 地 位 がもはや 絶 対 的 なものではないという 危 機 感 から レーガン 政 権 下 ではサプライサイド 重 視 の 経 済 政 策 へと 大 転 換 が 図 られ 様 々な 改 革 が 進 められた 自 動 車 をはじめ 産 業 競 争 力 の 低 下 は 顕 著 であり 1983 年 には 米 国 の 産 業 競 争 力 を 回 復 させるための 産 業 競 争 力 委 員 会 ( 後 の 米 国 競 争 力 評 議 会 )が 発 足 したり 教 育 の 質 を 向 上 させるための 報 告 書 が 大 統 領 の 指 示 で 取 り 纏 められた 1 この 報 告 書 は 連 邦 政 府 だけでなく 地 方 自 治 体 においても 改 革 へ 向 けた 様 々な 取 組 が 進 められるきっかけとなったといわれており 新 たな 時 代 における 教 育 投 資 の 重 要 性 を 訴 え 教 育 の 内 容 や 水 準 時 間 等 に 関 する 提 案 に 加 えて 連 邦 も 州 政 府 も 学 生 に 金 銭 的 な 援 助 をすべきだとも 記 載 された 当 時 高 等 教 育 費 は 物 価 の 2 倍 以 上 のペースで 上 昇 が 続 いていた 2 しかし 当 時 の 米 国 は 財 政 赤 字 が 拡 大 しており 連 邦 政 府 による 学 生 支 援 は 連 邦 奨 学 金 が 縮 小 し 連 邦 教 育 ローンへの 移 行 が 進 められていた( 図 表 2) 教 育 ローンは 本 質 的 には 家 計 の 負 担 が 先 送 りされるだけであり 利 子 補 助 のある 政 府 ローンの 利 用 資 格 が 得 られない 中 間 所 得 者 層 も 多 く 教 育 費 をどのように 賄 うかという 家 計 側 での 問 題 は 残 されていた 2. 州 政 府 発 の 打 開 策 そのような 状 況 を 打 開 しようとする 提 案 が 州 政 府 から 出 された 1986 年 1 月 のミシ ガン 州 において 当 時 の 州 知 事 ジェームズ ブランチャードが 施 政 方 針 演 説 で 家 計 が 高 等 教 育 費 に 対 応 するための 新 たな 制 度 の 創 設 を 提 案 した 3 これは 利 用 者 である 子 ども の 親 等 が 今 日 の 水 準 に 応 じて 大 学 等 の 授 業 料 を 支 払 えば 将 来 子 どもが 進 学 する 際 に 授 図 表 2 米 国 の 公 的 学 生 援 助 制 度 の 推 移 ( 億 ドル) 2500 2000 1500 1000 500 税 制 優 遇 その 他 連 邦 政 府 援 助 州 政 府 及 び 教 育 機 関 によるローン 連 邦 ローン 教 育 機 関 奨 学 金 州 政 府 奨 学 金 連 邦 政 府 奨 学 金 税 制 優 遇 ローン 奨 学 金 0 70 75 80 85 90 95 00 05 10 ( 年 度 ) ( 注 ) 数 字 はインフレを 調 整 した 2013 年 価 格 ( 出 所 )CollegeBoard "Trends in Student Aid"より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 1 2 3 Gardner, David P.; and Others, A Nation at Risk : The Imperative For Educational Reform, National Commission on Excellence in Education, 1983. 例 えば 私 立 四 年 制 大 学 の 平 均 年 間 授 業 料 は 1973 年 度 から 1988 年 度 にかけて 実 質 で 約 1.5 倍 に 膨 らんだ James. J. Blanchard, Michigan State-of-the-State Address, 1986. 25

野 村 資 本 市 場 クォータリー 2014 Autumn 業 料 が 値 上 がりをしていたとしても 支 払 済 みとみなされるという 制 度 である この 年 ブ ランチャードは 二 期 目 の 州 知 事 選 挙 を Michigan, the Comeback State をスローガンと して 重 点 項 目 の 一 つに 教 育 を 掲 げて 戦 い 大 差 で 勝 利 を 収 めた そしてこの 施 政 方 針 演 説 で 提 示 されたアイディアは 同 年 末 に ミシガン 教 育 信 託 法 として 成 立 した 4 同 法 は 教 育 の 奨 励 は 州 政 府 の 役 割 であり 教 養 ある 市 民 を 育 てるため 公 的 高 等 教 育 を 充 実 させることは 州 民 にとって 利 益 になることを 立 法 趣 旨 として 掲 げている それまでのミシガン 州 は 基 幹 産 業 である 自 動 車 産 業 が 国 際 競 争 に 苦 しんでおり 米 国 の 中 でも 特 に 失 業 率 が 高 く 優 秀 な 労 働 者 の 流 出 による 人 口 減 少 が 進 んでいた 州 財 政 の 赤 字 は 拡 大 し 教 育 予 算 は 繰 り 返 し 削 減 されていた この 状 況 に 対 する 危 機 感 から 1984 年 にミシガン 州 教 育 委 員 会 が 州 の 公 的 教 育 改 善 を 目 指 す 報 告 書 を 提 示 し 5 州 民 の 間 でも 教 育 に 対 する 関 心 が 高 まっていた 当 時 教 育 を 重 視 する 機 運 が 高 まっていたのはミシガン 州 に 限 らない 全 米 の 世 論 調 査 では 連 邦 予 算 に 余 裕 があるとすれば どの 分 野 を 最 優 先 すべきか との 問 いに 対 して 1975 年 時 点 では 医 療 を 挙 げた 人 の 割 合 が 18%と 最 も 多 く 次 いで 公 教 育 が 16%で あった これに 対 して 1982 年 時 点 では 両 者 の 順 位 が 逆 転 し 公 教 育 が 21% 医 療 が 19%となっている 6 1986 年 にミシガン 州 で 提 案 された 高 等 教 育 費 のための 制 度 は 州 政 府 の 提 案 としては 全 米 で 初 めてであったが 上 記 のような 米 国 全 体 の 教 育 重 視 機 運 に 加 えてその 原 型 となる プログラムがペンシルバニア 州 の 私 立 大 学 で 1985 年 から 開 始 されていたこともあり 7 ミ シガン 州 と 同 時 期 に 他 州 でも 検 討 が 進 められ 制 度 の 開 始 はワイオミング 州 が 最 も 早 かっ た 8 同 様 の 制 度 を 導 入 する 動 きはフロリダ 州 やオハイオ 州 をはじめ 各 州 に 広 がり 3 年 後 の 1989 年 には 11 州 が 導 入 するに 至 った 9 制 度 の 連 邦 税 制 上 の 扱 いは 曖 昧 だったが 1994 年 の 裁 判 でミシガン 州 が 内 国 歳 入 庁 (IRS)に 勝 利 し 同 州 の 制 度 が 非 課 税 であると 確 定 したことで 他 州 での 制 度 導 入 にも 弾 みがついた しかしその 後 連 邦 税 制 上 の 取 扱 は 州 事 例 ごとに 審 査 する 旨 が IRS か ら 公 表 されたため 全 てのプランを 非 課 税 とするための 取 組 がフロリダ 州 とケンタッキー 10 州 選 出 の 上 院 議 員 らが 中 心 となり 超 党 派 で 進 められ 1996 年 の 中 小 企 業 保 護 法 (Small Business Protection Act)により 内 国 歳 入 法 529 条 の 成 立 につながった 11 以 後 本 制 度 は 529 プランと 呼 ばれている これにより 同 プランの 連 邦 税 制 上 の 扱 いは 運 用 時 非 課 税 引 出 時 課 税 となった 4 5 Michigan Education Trust Act, Dec 23 1986. Michigan State Board of Education, Better Education for Michigan Citizens: A Blueprint for Action: State Board of Education Plan, 1984. 6 Stanly M. Elam, Gallup Polls of Attitudes Toward Education 1969-1984; A Topical Summary, Phi Delta Kappa, 1984. 7 ピッツバーグにある Duquesne 大 学 で 開 始 された 8 ワイオミング 州 の 前 払 型 は 1995 年 に 終 了 した 9 Aims C. McGuinness, Jr., and Christine Paulson, The 1989 Survey of College Savings and Guaranteed Tuition Programs, Education Commission of the States, Denver, November 1989. 10 ケンタッキー 州 は 後 述 する 貯 蓄 型 を 最 初 に 開 始 した 州 である 11 Internal Revenue Code 529 - Qualified tuition programs 26

地 域 教 育 資 金 形 成 制 度 - 米 国 529 プランの 発 展 に 見 る 州 政 府 発 の 知 恵 - 529 プランの 連 邦 税 制 上 の 扱 いが 明 確 になったことで 制 度 導 入 の 動 きは 全 米 に 広 がり 2000 年 までに 30 州 で 導 入 された 2001 年 の 経 済 成 長 及 び 租 税 軽 減 調 整 法 (Economic Growth and Tax Relief Reconciliation Act)の 成 立 により 529 プランは 引 出 時 の 課 税 も 免 除 されることになり その 運 用 益 は 連 邦 税 制 上 完 全 に 非 課 税 となった この 成 立 を 受 けて 2002 年 までには 全 ての 州 で 529 プランが 導 入 されるに 至 った この 税 制 改 正 は 当 初 2010 年 末 までの 時 限 措 置 とされていたが 2006 年 の 年 金 保 護 法 (Pension Protection Act) により 恒 久 化 された この 間 制 度 面 での 整 備 も 進 み 毎 年 の 投 資 内 容 変 更 や 破 産 時 の 資 産 保 護 が 認 められ 奨 学 金 申 請 時 の 取 扱 いの 是 正 等 も 行 われた Ⅲ 米 国 529 プランの 普 及 と 地 域 活 性 化 に 向 けた 取 組 1.529 プランの 仕 組 み 529 プランは 制 度 面 での 整 備 が 進 むにつれて その 仕 組 みも 発 展 を 遂 げた 1986 年 に 導 入 されてからの 10 年 間 は 高 等 教 育 費 を 予 め 払 う 前 払 型 の 仕 組 みが 中 心 であった が 税 制 の 整 備 により 高 等 教 育 のために 予 め 貯 蓄 をする 貯 蓄 型 へと 発 展 専 ら 後 者 が 中 心 になって 普 及 が 進 み 現 在 に 至 っている 資 産 残 高 を 見 ても 現 在 では 貯 蓄 型 の 資 産 が 9 割 を 占 め 529 プランの 主 流 となっている( 図 表 3) それぞれの 制 度 の 特 徴 として は 下 記 の 通 りである( 図 表 4) 前 払 型 は 親 や 祖 父 母 等 が 加 入 者 となり 子 や 孫 等 の 受 益 者 のために 今 日 の 水 準 の 大 学 授 業 料 相 当 額 を 州 政 府 基 金 へ 拠 出 しておけば その 後 仮 に 授 業 料 が 値 上 がりしていても 受 益 者 が 州 立 大 学 へ 進 学 する 際 には 納 付 済 みと 扱 われる 制 度 である 受 益 者 が 州 外 の 大 学 へ 進 学 する 場 合 には 州 立 大 学 授 業 料 相 当 額 を 受 け 取 り 進 学 先 の 大 学 授 業 料 に 充 当 でき 図 表 3 529 プラン 資 産 残 高 と 口 座 数 の 推 移 ( 億 ドル) 2500 ( 万 口 座 ) 1200 2000 前 払 型 貯 蓄 型 1000 前 払 型 貯 蓄 型 1500 800 1000 600 400 500 200 0 0 ( 年 末 ) ( 年 末 ) ( 出 所 )ICI 529 Plan Program Statistics より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 27

野 村 資 本 市 場 クォータリー 2014 Autumn 図 表 4 529 プラン: 前 払 型 と 貯 蓄 型 の 比 較 前 払 型 貯 蓄 型 費 用 効 果 対 象 校 の 授 業 料 を 今 日 価 格 で 前 払 いできる 授 業 料 を 予 め 固 定 する 効 果 はない 使 途 拠 出 高 等 教 育 機 関 の 授 業 料 とそれに 係 る 手 数 料 寮 費 オプションを 付 けられる/ 超 過 分 をその 他 適 格 費 用 に 使 える/ 全 ての 適 格 教 育 費 用 を 網 羅 するプ ランもある 受 益 者 年 齢 や 支 払 済 みの 学 費 年 数 に 応 じて 一 括 または 積 立 で 拠 出 する 州 政 府 の 関 与 州 政 府 による 保 証 支 援 が 付 されることが 多 い 受 益 者 の 条 件 受 益 者 の 年 齢 学 齢 制 限 があることもある 年 齢 制 限 なし 加 入 者 の 条 件 ほとんどの 州 プランは 加 入 時 点 で 加 入 者 または 受 益 者 が 州 居 住 者 であることを 要 件 とする 高 等 教 育 機 関 の 授 業 料 寮 費 手 数 料 教 科 書 代 指 定 必 要 備 品 代 口 座 への 拠 出 上 限 が20 万 ドル 以 上 のプランが 多 い 州 政 府 による 保 証 はない ほとんどの 投 資 商 品 が 市 場 リスクの 対 象 となる 元 本 割 れのおそれがある 居 住 条 件 なし ただし 州 外 居 住 者 はファイナンシャルア ドバイザーやブローカーを 通 さないと 加 入 できないプラ ンもある 加 入 時 期 加 入 時 期 が 限 定 されている いつでも 加 入 できる ( 出 所 )FINRA Smart Saving for College- Better Buy Degrees より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 る 現 在 前 払 型 は 14 州 で 提 供 され 新 規 拠 出 が 可 能 なのは 11 州 である 貯 蓄 型 は 親 や 祖 父 母 等 が 加 入 者 となり 子 や 孫 等 の 受 益 者 のために 州 と 契 約 した 金 融 機 関 に 個 人 口 座 を 開 設 し プランのために 用 意 された 運 用 商 品 の 中 から 投 資 先 を 選 択 し 拠 出 した 資 金 を 運 用 する 制 度 である 受 益 者 が 進 学 する 時 に 資 金 を 引 き 出 し 大 学 授 業 料 等 予 め 定 められた 用 途 に 用 いられれば 運 用 益 は 非 課 税 となる 現 在 貯 蓄 型 はほぼ 全 て の 州 12 とワシントン D.C.で 提 供 されている 利 用 者 側 から 見 ると 貯 蓄 型 の 方 が 柔 軟 性 は 高 い 前 払 型 は 加 入 者 は 州 住 民 に 限 定 さ れることが 多 く 受 益 者 の 年 齢 や 口 座 開 設 の 時 期 が 制 限 されることが 多 い これに 対 し 貯 蓄 型 は 学 部 だけでなく 大 学 院 などを 含 めた 高 等 教 育 資 金 を 準 備 できる 上 に 居 住 制 限 のないプランが 多 く 年 齢 制 限 もない また 貯 蓄 型 を 提 供 する 州 が 多 い 理 由 として Hurley(2011) 13 は 利 用 者 にとって 貯 蓄 型 が 前 払 型 よりも 高 いリターンを 得 られる 可 能 性 を 提 供 していることや 州 政 府 にとって 運 営 が 容 易 で 運 営 費 用 も 安 くリスクも 低 いこと を 挙 げている 実 際 金 融 危 機 後 は 高 等 教 育 費 の 上 昇 に 見 合 う 運 用 の 見 通 しが 立 たない などの 理 由 から 前 払 型 の 取 扱 や 新 規 加 入 を 中 止 する 州 もある 以 下 では 529 プランの 主 流 となっている 貯 蓄 型 について 資 金 拠 出 資 金 運 用 資 金 引 出 の 各 段 階 における 概 要 を 述 べる( 図 表 5 図 表 6) 資 金 拠 出 529 プランの 口 座 開 設 は 親 や 祖 父 母 が 中 心 に 行 うが 第 三 者 も 開 設 できる 開 設 時 には 受 益 者 を 特 定 し 加 入 者 本 人 の 情 報 に 加 えて 両 者 の 社 会 保 障 番 号 が 必 要 になる 資 金 拠 出 12 ワシントン 州 とワイオミング 州 を 除 く 13 Joseph F. Hurley, The Best Way to Save for College: A Complete Guide to 529 Plans -2011 ed, JFH Innovative LLC, 2011. 28

地 域 教 育 資 金 形 成 制 度 - 米 国 529 プランの 発 展 に 見 る 州 政 府 発 の 知 恵 - 図 表 5 529 プランの 概 要 概 要 拠 出 運 用 引 出 州 政 府 によって 設 立 される 高 等 教 育 資 金 形 成 制 度 連 邦 政 府 と 州 政 府 による 税 制 上 の 優 遇 措 置 が 付 されている 加 入 者 親 祖 父 母 が 中 心 第 三 者 も 可 所 得 制 限 なし 受 益 者 子 孫 が 中 心 自 分 自 身 のための 利 用 も 可 拠 出 者 誰 でも 可 方 法 一 括 または 積 立 初 回 拠 出 額 一 括 は250ドル 以 上 ( 二 回 目 以 降 50ドル) 積 立 は15~25ドル 以 上 / 月 が 多 い 拠 出 上 限 額 合 計 20 万 ~40 万 ドル 所 得 控 除 連 邦 税 法 上 はなし 州 税 法 上 は 州 によってある 贈 与 税 受 贈 者 一 人 当 たり 年 間 1.4 万 ドルまで 控 除 可 5 年 分 の 前 倒 し 利 用 も 可 口 座 所 有 管 理 加 入 者 方 法 加 入 者 がプランの 品 揃 え(ポートフォリオ 商 品 )の 中 から 選 択 スイッチング 年 1 回 受 益 者 の 変 更 親 族 への 変 更 の 場 合 は 税 制 優 遇 維 持 運 用 益 課 税 連 邦 税 制 上 はなし 州 税 制 上 はなし 方 法 加 入 者 が 運 営 管 理 業 者 に 引 出 申 請 する 使 途 適 格 用 途 に 限 る( 高 等 教 育 費 ) 適 格 用 途 外 の 場 合 は 追 加 課 税 引 出 金 課 税 連 邦 税 制 上 は 非 課 税 州 税 制 上 は 非 課 税 ( 注 ) 拠 出 欄 以 下 は 貯 蓄 型 について 示 した ( 出 所 ) 野 村 資 本 市 場 研 究 所 図 表 6 529 プランの 仕 組 み ( 出 所 ) 野 村 資 本 市 場 研 究 所 29

野 村 資 本 市 場 クォータリー 2014 Autumn は 誰 でもでき 拠 出 方 法 も 一 括 または 積 立 を 選 択 できる 最 低 拠 出 額 については 初 回 を 250 ドル 二 回 目 以 降 を 50 ドル 以 上 とするものが 多 く 給 与 天 引 きや 銀 行 口 座 からの 自 動 引 き 落 としは 毎 月 15~20 ドルに 設 定 できることも 多 い 口 座 への 拠 出 には 上 限 額 が 設 けられ 受 益 者 一 人 当 たり 20 万 ~40 万 ドルの 州 が 多 い ただし 一 人 の 受 益 者 が 複 数 の 州 で 口 座 を 所 有 できるため 実 質 的 な 上 限 額 はきわめて 高 い 拠 出 金 の 所 得 税 額 控 除 は 連 邦 税 制 上 はないが 州 では 認 められているところが 多 い また 贈 与 税 については 受 贈 者 一 人 当 たり 年 間 1.4 万 ドルの 控 除 枠 があり 5 年 分 の 控 除 枠 を 前 倒 しして 利 用 することもできる 14 資 金 運 用 口 座 の 所 有 者 や 管 理 者 は 加 入 者 である 529 プランでは 資 金 を 運 用 するために 州 と 契 約 した 金 融 機 関 から 投 資 信 託 を 中 心 とする 様 々な 選 択 肢 が 提 供 されている 当 初 は 単 独 の 投 資 選 択 肢 だったが 2001 年 以 降 の 税 制 整 備 が 進 むに 連 れて 州 ごとに 複 数 の 金 融 機 関 から 商 品 サービスが 提 供 されるようになり 商 品 自 体 の 多 様 化 も 進 んだ 運 用 商 品 の 中 核 は ライフサイクルファンドと 同 様 の 商 品 ( 受 益 者 の 年 齢 に 合 わせた 投 資 信 託 であり 受 益 者 が 進 学 するまでの 当 初 は 高 いリターンを 狙 い 進 学 時 期 が 近 づくに 連 れて 流 動 性 を 確 保 する 商 品 )である 商 品 のスイッチングは 年 1 回 認 められており 運 用 益 は 非 課 税 と なる 資 金 引 出 529 プランから 資 金 を 引 き 出 すためには 加 入 者 が 申 請 する 口 座 から 引 き 出 した 資 金 は 受 益 者 の 適 格 教 育 費 に 使 わなくてはならない 15 それ 以 外 に 使 用 する 場 合 は 通 常 通 りの 課 税 に 加 えて 10%のペナルティ 税 も 課 される 当 初 指 定 した 受 益 者 が 資 金 を 必 要 としな い 場 合 には 受 益 者 を 他 の 親 族 や 加 入 者 自 身 へ 変 更 することで 税 制 上 の 優 遇 措 置 を 維 持 することができる 2. 州 ごとに 工 夫 がなされる 529 プラン 529 プランは 基 本 的 には 州 が 設 立 しその 運 営 を 監 督 し 州 が 選 び 契 約 した 金 融 機 関 が プランの 実 際 の 管 理 運 営 や 投 資 管 理 サービス 記 録 管 理 等 の 機 能 を 請 負 う 資 産 運 用 の 観 点 から 捉 えると 前 払 型 は 州 政 府 の 公 金 運 用 であるのに 対 し 貯 蓄 型 は 州 政 府 と 契 約 し た 金 融 機 関 が 利 用 者 に 対 して 運 用 商 品 やサービスを 提 供 する 形 になっている 州 政 府 は 州 民 が 投 資 に 不 慣 れな 場 合 でも 適 切 な 商 品 とサービスを 有 利 なコストで 利 用 できるよう に 金 融 機 関 を 選 択 する 一 方 で 529 プランの 普 及 活 動 も 積 極 的 に 行 っている 以 下 では 14 15 遺 産 税 については 課 税 対 象 資 産 から 外 される 高 等 教 育 機 関 の 授 業 料 手 数 料 教 科 書 代 指 定 必 要 備 品 代 寮 費 等 が 対 象 であり IRS が 予 めその 項 目 を 定 めている 30

地 域 教 育 資 金 形 成 制 度 - 米 国 529 プランの 発 展 に 見 る 州 政 府 発 の 知 恵 - 貯 蓄 型 だけを 提 供 する 州 の 事 例 としてデラウェア 州 と 貯 蓄 型 前 払 型 両 方 を 提 供 し 最 大 の 資 産 残 高 を 誇 るバージニア 州 を 紹 介 する その 後 各 州 での 普 及 へ 向 けた 取 組 を 紹 介 する 1)デラウェア 州 デラウェア 州 では 1998 年 から 貯 蓄 型 の Delaware College Investment Plan が 提 供 さ れている 529 プランのビークルとして 設 立 された 信 託 (Delaware College Investment Plan Trust)の 受 託 者 である 州 理 事 会 が 529 プランが 適 切 に 管 理 運 営 されるように 監 督 する 責 任 を 負 う この 理 事 会 は 州 知 事 が 任 命 した 理 事 長 州 高 等 教 育 局 長 州 財 務 長 官 を 含 む 5 名 から 構 成 されている 529 プランの 実 際 の 管 理 運 営 は 州 が 契 約 したフィデリティ インベストメンツ 社 が 行 い 口 座 管 理 や 投 資 商 品 の 提 供 など 実 務 全 般 を 担 う 同 プランでは 投 資 選 択 肢 が 14 本 あり 受 益 者 の 大 学 入 学 時 点 に 向 けてポート フォリオが 保 守 的 になっていく 年 齢 ベースのファンドなど 投 資 信 託 商 品 を 中 心 に 提 供 されている ウェルズ ファーゴ 社 の 預 金 型 も 1 つ 提 供 されている 資 金 拠 出 は 一 括 なら 50 ドル 月 々の 自 動 積 立 なら 15 ドルから 利 用 できる 口 座 当 たりの 拠 出 限 度 額 は 35 万 ドルである また 同 州 では 拠 出 金 に 対 する 州 税 の 優 遇 措 置 はなく 運 用 益 は 非 課 税 となる 2)バージニア 州 バージニア 州 は 全 米 で 最 大 の 運 用 規 模 を 誇 る 529 プランである 資 産 残 高 は 2014 年 6 月 末 時 点 で 529 億 ドルと 全 米 の 資 産 残 高 (2445 億 ドル)の 22%を 占 めて いる 同 州 では 前 払 型 と 貯 蓄 型 両 方 が 提 供 されており それぞれ 開 始 時 期 は 前 払 型 が 1996 年 貯 蓄 型 が 1999 年 である 同 州 では 4 種 類 のプログラムが 提 供 されている 前 払 型 としては Virginia 529 prepaid がある 貯 蓄 型 としては 1 販 売 業 者 を 経 て 加 入 する 仲 介 型 の CollegeAmerica 2 直 接 加 入 する 直 販 型 の Virginia 529 invest 3 預 金 型 の CollegeWealth がある 同 州 の 529 プランが 全 米 最 大 の 規 模 と なっている 理 由 は 特 に1の CollegeAmerica の 人 気 が 高 く 州 内 のみならず 州 外 から も 利 用 者 が 増 えているためであり その 資 産 残 高 は 2014 年 6 月 末 で 約 476 億 ドル 口 座 数 は 約 212 万 口 座 である( 図 表 7) CollegeAmerica は バージニア 州 で 2002 年 から 提 供 されているプログラムである 州 の 独 立 機 関 として 設 立 されたバージニア 529 が CollegeAmerica の 管 理 者 である バージニア 529 の 理 事 会 は 州 組 織 メンバー4 名 と 州 知 事 が 任 命 した 市 民 4 名 州 下 院 が 任 名 した 市 民 2 名 州 上 院 が 任 名 した 市 民 1 名 から 構 成 されている CollegeAmerica の 実 際 の 管 理 運 営 は 州 が 契 約 したキャピタル グループ 社 が 行 い 口 座 管 理 や 投 資 商 品 の 提 供 など 実 務 全 般 を 担 う 同 プランでは 投 資 選 択 肢 としてキャピタル グループ 社 が 運 用 する 投 資 信 託 アメ 31

野 村 資 本 市 場 クォータリー 2014 Autumn 図 表 7 529 プランのプログラム 別 の 資 産 残 高 と 口 座 数 ランキング 資 産 残 高 ランキング 順 位 州 名 プログラム 名 資 産 残 高 1 Virginia CollegeAmerica $47,550,140,410 2 New York New York's 529 College Savings Program Direct Plan $16,010,708,601 3 Florida Florida Prepaid College Plan $10,451,069,450 4 Nevada The Vanguard 529 College Savings Plan $10,417,314,037 5 New Hampshire UNIQUE College Investing Plan $9,687,959,746 6 Maine NextGen College Investing Plan $8,116,345,074 7 Rhode Island CollegeBoundfund $7,862,976,922 8 Utah Utah Educational Savings Plan $7,432,978,960 9 California ScholarShare College Savings Plan $6,022,008,451 10 Massachusetts The U.Fund College Investing Plan $4,827,607,530 口 座 数 ランキング 順 位 州 名 プログラム 名 口 座 数 1 Virginia CollegeAmerica 2,116,013 2 New York New York's 529 College Savings Program Direct Plan 648,622 3 Florida Florida Prepaid College Plan 537,998 4 New Hampshire UNIQUE College Investing Plan 391,231 5 Ohio BlackRock CollegeAdvantage 352,583 6 Rhode Island CollegeBoundfund 320,673 7 Maine NextGen College Investing Plan 279,178 8 Nevada The Vanguard 529 College Savings Plan 255,357 9 California ScholarShare College Savings Plan 254,591 10 Utah Utah Educational Savings Plan 249,015 ( 出 所 )CSPN 529 Plan Data より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 リカン ファンズのシリーズ 38 本 が 提 供 されている 利 用 者 はファイナンシャルプ ランナー 等 の 販 売 業 者 にアドバイスを 受 けながら 投 資 信 託 商 品 を 選 び 利 用 することに なる 資 金 拠 出 は 初 回 250 ドル その 後 は 50 ドルから 利 用 できる(ただし MMF は 1000 ドルからである) 口 座 当 たりの 拠 出 限 度 額 は 35 万 ドルである バージニア 州 では 州 税 の 優 遇 措 置 として バージニア 州 529 プランへの 拠 出 額 は 口 座 当 たり 年 間 4000 ドルまで 州 税 課 税 所 得 から 控 除 できる 年 間 4000 ドルを 超 え る 部 分 は 将 来 の 課 税 年 度 に 持 ち 越 し 課 税 所 得 から 控 除 できる 加 入 者 が 70 歳 以 上 であれば 拠 出 額 総 額 を 当 該 年 度 または 将 来 年 度 に 控 除 することができる 3)529 プランの 普 及 に 向 けた 各 州 での 取 組 多 くの 州 では 529 プランに 対 して 税 制 優 遇 を 付 与 している( 図 表 8) 州 所 得 税 を 課 す 42 州 のうち 33 州 とワシントン D.C.は 529 プランへの 拠 出 金 に 対 して 州 税 の 所 得 控 除 税 額 控 除 を 認 めている このうち 他 州 の 529 プランへの 拠 出 について も 同 様 の 控 除 を 認 めている 州 が 6 州 ある また 低 中 所 得 者 層 にも 529 プランを 普 及 させるため 低 中 所 得 者 層 による 貯 蓄 型 への 拠 出 に 対 してマッチング 拠 出 を 行 う 州 が 12 州 ある 各 州 では 利 用 者 拡 大 のために 様 々な 取 組 も 行 われている 制 度 を 周 知 するために 免 許 更 新 時 や 小 学 校 で 案 内 を 配 布 したり 新 生 児 の 親 に 病 院 等 を 通 じて 資 料 を 提 供 す 32

地 域 教 育 資 金 形 成 制 度 - 米 国 529 プランの 発 展 に 見 る 州 政 府 発 の 知 恵 - 図 表 8 各 州 での 529 プランの 普 及 に 向 けた 取 組 ( 注 ) 控 除 は 所 得 控 除 と 税 額 控 除 そもそも 州 所 得 税 のない 州 は( )として 記 載 ( 出 所 )CSPN 及 び 各 州 529 プランウェブサイトより 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 るなど 公 的 な 立 場 ならではの 周 知 活 動 が 行 われている また 529 プランに 関 する セミナーを 実 施 している 州 もある 頻 度 は 毎 月 から 毎 週 まで 様 々だが 529 プランの 仕 組 みやメリットを 伝 えるだけでなく 貯 蓄 の 重 要 性 への 理 解 や 州 民 の 金 融 リテラ シーの 向 上 にも 貢 献 している この 他 制 度 利 用 を 促 すために 民 間 金 融 機 関 等 と 提 携 したポイント 制 度 を 設 ける 州 もある これは クレジットカードで 本 等 様 々な 商 品 を 購 入 するとポイントが 付 与 され そのポイントに 応 じて 529 プラン 口 座 にカード 会 社 から 資 金 が 拠 出 されるとい うものである さらに 5 月 29 日 を 529Day と 称 し 特 別 な 取 組 も 行 っている( 図 表 9) イベン トを 実 施 したり 口 座 拠 出 金 や 物 品 をプレゼントする 州 も 多 い メディアを 使 った 情 報 発 信 も 積 極 的 に 行 われている 529 プランの 利 用 者 拡 大 には こうした 各 州 プランの 制 度 運 営 者 の 努 力 も 寄 与 して いると 見 られる 4) 卒 業 後 を 見 据 えた 工 夫 州 がこのような 制 度 を 設 ける 最 終 的 な 目 標 は 州 民 の 高 等 教 育 機 関 への 進 学 だけで はない 高 等 教 育 機 関 への 進 学 は 個 人 にとってはキャリア 形 成 の 州 や 社 会 にとっ ては 人 材 育 成 の 通 過 点 に 過 ぎず 卒 業 後 の 就 職 まで 見 据 えることも 重 要 であろう そ の 観 点 から 529 プランサイトを 通 じて 卒 業 後 も 見 据 えた 情 報 提 供 支 援 を 行 う 州 も 少 33

野 村 資 本 市 場 クォータリー 2014 Autumn 図 表 9 各 州 での 529Day の 取 組 ( 注 ) 口 座 資 金 や 物 品 プレゼント には 期 間 限 定 のマッチング 拠 出 を 含 む ( 出 所 )CSPN 及 び 各 州 529 プランウェブサイトより 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 なくない 例 えば テキサス 州 のウェブサイト 16 では 州 における 高 卒 学 士 修 士 等 の 学 歴 別 に 就 業 者 数 ランキングトップ 10 の 職 業 を 紹 介 している また 自 分 に 合 う 職 業 や 進 学 先 を 考 える 上 で 有 益 なウェブサイトへのリンク 集 もある ノースカロライナ 州 のウェブサイト 17 でも 農 耕 機 械 製 造 者 からダンスインストラ クター 証 券 アナリストまで 多 種 多 様 な 職 業 を 紹 介 し 州 で 人 材 が 不 足 している 看 護 師 と 教 師 については 特 に 詳 細 なキャリアプラン 案 内 を 提 供 している また 職 業 適 性 診 断 や 履 歴 書 の 書 き 方 紹 介 面 接 練 習 のコーナーもある さらに 幼 い 子 ども 向 けに も 野 球 選 手 や 看 護 師 といったわかりやすい 仕 事 に 止 まらず 心 理 カウンセラーや 会 計 士 など 多 様 な 職 業 を 紹 介 するサイトが 設 けられている ウェブサイト 以 外 にも 例 えばスマートフォン 向 けのアプリも 充 実 している 複 数 の 州 と 提 携 しているユープロミス 社 では 6 歳 以 下 の 幼 児 用 7~12 歳 の 小 学 生 用 13~18 歳 の 中 高 生 用 と 3 種 類 のアプリを 用 意 し 学 習 段 階 に 応 じて 職 業 や 教 育 資 金 を 考 えるヒントを 提 供 している 16 Every Chance, Every Texan 17 College Foundation of North Carolina 34

地 域 教 育 資 金 形 成 制 度 - 米 国 529 プランの 発 展 に 見 る 州 政 府 発 の 知 恵 - 3. 州 が 529 プランに 取 り 組 む 意 義 このように それぞれの 州 が 529 プランに 熱 心 に 取 り 組 んでいる 529 プランのため の 経 費 は 小 さくないと 考 えられるが それでも 州 政 府 が 取 り 組 む 理 由 として Hurley (2011) 18 では 教 育 は 欠 くことができない 重 要 な 機 能 であるとの 信 念 を 州 政 府 が 持 って おり 教 育 資 金 形 成 制 度 を 設 けることによって 州 民 が 大 学 学 位 を 無 理 な 負 債 を 負 わずに 取 得 できると 考 えていることを 挙 げている また 政 治 的 にもこのような 教 育 を 支 援 する 制 度 は 有 権 者 受 けしやすいという 事 情 もある そして 根 底 には ミシガン 教 育 信 託 法 にもあるように 教 養 ある 市 民 が 増 えること 自 体 が 市 民 の 利 益 になるとの 考 え 方 があり 長 期 的 に 見 れば 高 等 教 育 を 受 けた 市 民 が 増 えることで 生 産 性 が 上 がり 将 来 の 税 収 増 に つながるとの 期 待 もある 529 プランは 当 初 は 前 払 型 から 始 まり その 後 貯 蓄 型 中 心 に 普 及 していった 多 くの 前 払 型 は 利 用 者 が 州 民 に 限 られ 学 部 費 用 のみを 賄 う 設 計 になっている これに 対 し 貯 蓄 型 は 利 用 者 や 使 途 についてより 柔 軟 であり また 個 人 退 職 勘 定 (IRA)や 401(k)プラン と 設 計 が 類 似 しているために 家 計 にとっては 馴 染 みやすい 制 度 である また 州 にとって も 貯 蓄 型 は 前 払 型 に 比 べて 管 理 しやすく 費 用 も 相 対 的 に 安 く 済 むことから 貯 蓄 型 が 普 及 してきたと 考 えられる このように 1986 年 のミシガン 州 から 始 まった 教 育 資 金 形 成 制 度 529 プランは 他 州 に 相 次 いで 広 まり 連 邦 税 制 上 の 優 遇 措 置 も 認 められたことを 契 機 に 全 米 で 利 用 される 制 度 へと 発 展 し その 後 も 普 及 に 弾 みがつき 現 在 に 至 っている 全 州 の 財 務 担 当 者 から 成 る 組 織 CSPN(College Savings Plans Network)では 529 プランは 国 民 により 良 い 教 育 の 機 会 を 与 える 経 済 的 な 解 決 策 として 州 が 創 設 した 革 新 的 な 制 度 であり 官 民 連 携 の 事 例 と しても 輝 かしい 成 功 例 であると 述 べている ちなみに 当 時 のミシガン 州 の 位 置 づけは 人 口 や GDP 規 模 では 全 米 第 8 位 であり 今 日 のわが 国 では 北 海 道 や 福 岡 県 と 同 位 にあたる また 同 州 は 滋 賀 県 の 姉 妹 都 市 でもある Ⅳ わが 国 の 地 方 自 治 体 での 取 組 へ 向 けて 1.わが 国 の 地 方 自 治 体 での 検 討 翻 って わが 国 の 地 方 自 治 体 において 529 プランのような 制 度 を 検 討 する 場 合 どの ような 形 になるのだろうか 米 国 での 529 プランの 発 展 の 流 れや 自 治 体 にとっての 現 実 的 な 運 営 のしやすさから 考 えると 貯 蓄 型 の 方 が 取 り 組 みやすいと 考 えられる すなわち 親 や 祖 父 母 が 子 や 孫 のために 将 来 必 要 となる 教 育 資 金 を 金 融 機 関 の 口 座 で 予 め 積 立 てる 際 自 治 体 が 税 制 上 の 優 遇 措 置 を 付 与 することでその 資 金 形 成 を 支 援 するという 設 計 であ る 利 用 者 の 観 点 からは わかりやすくシンプルな 設 計 が 望 まれていよう 18 同 注 13 35

野 村 資 本 市 場 クォータリー 2014 Autumn 税 制 上 の 優 遇 措 置 については 都 道 府 県 であれば 教 育 資 金 口 座 での 利 子 配 当 や 譲 渡 所 得 に 課 される 5%の 税 金 を 減 税 あるいは 非 課 税 とすることが 検 討 できよう 運 用 益 へ の 徴 税 権 限 を 持 たない 市 町 村 であれば 教 育 資 金 口 座 への 拠 出 額 を 住 民 税 ( 都 道 府 県 4% 市 町 村 6%)から 所 得 控 除 あるいは 税 額 控 除 することが 検 討 できよう これらに 加 えて 米 国 事 例 を 参 考 にするならば 親 の 年 収 が 一 定 以 下 であれば 自 治 体 が 一 定 金 額 を 口 座 へ 支 給 したり 親 が 口 座 へ 拠 出 する 資 金 に 対 して 自 治 体 が 一 定 割 合 上 乗 せするなど 自 治 体 ご との 工 夫 も 考 えられよう また 後 述 するように 大 学 卒 業 後 を 見 据 えた 人 材 育 成 の 観 点 か ら 地 元 大 学 への 進 学 や 就 職 を 条 件 にする 交 付 金 なども 考 えられよう この 制 度 を 通 じて 貯 蓄 された 資 金 が 教 育 費 に 用 いられたことを 確 認 するためには 制 度 の 利 用 しやすさの 観 点 から 例 えば 口 座 のある 金 融 機 関 から 教 育 機 関 へ 学 費 として 直 接 振 り 込 むことや 学 生 証 による 在 籍 証 明 をもって 教 育 費 の 必 要 性 をみなし 処 理 すること 等 が 考 えられよう このような 政 策 措 置 を 地 方 自 治 体 が 導 入 運 営 する 場 合 には 費 用 がかかる しかし 自 治 体 が 独 自 の 給 付 奨 学 金 制 度 を 設 けることに 比 べると 運 営 や 利 用 対 象 者 を 広 げることが より 少 額 の 費 用 から 可 能 になると 考 えられる 2. 卒 業 後 へ 向 けた 取 組 このような 制 度 の 導 入 にあたっては 教 育 資 金 形 成 支 援 を 通 じた 子 育 て 支 援 のみに 終 わ らせず 地 域 経 済 の 活 性 化 へとつなげるために 地 元 での 進 学 や 就 職 への 目 配 りもまた 重 要 であろう もちろん 進 学 や 就 職 は 本 人 の 自 由 意 思 が 尊 重 されるべきであり 将 来 の 可 能 性 を 広 げる 様 々な 機 会 が 奪 われることは 望 ましくない しかし 地 元 での 進 学 や 就 職 意 思 があるにもかかわらず 情 報 の 欠 落 等 により 意 思 決 定 が 歪 められてしまう 事 態 は 避 けなくてはならない 大 事 なことは 1 大 学 進 学 時 における 若 年 層 の 流 出 を 防 ぐために 地 元 大 学 への 進 学 意 欲 を 高 めることや 2 就 職 時 における 若 年 層 の 流 出 を 防 ぐために 地 元 での 就 職 意 欲 を 高 めること 3 大 学 進 学 で 流 出 した 若 年 層 を 就 職 時 に 呼 び 戻 すために 地 元 での U ターン 就 職 の 意 欲 を 高 めること であろう そもそも これらの 点 は 自 治 体 だけの 課 題 ではなく 大 学 や 地 域 金 融 機 関 も 含 めた 地 元 企 業 にも 関 わる 課 題 である しかし 現 在 はそれぞれの 取 組 が 別 々に 行 われているこ ともあり 学 生 が 自 らウェブサイト 等 を 訪 れて 初 めて 情 報 を 入 手 できる 場 合 も 少 なくない と 思 われる そこで 例 えば 自 治 体 が 教 育 資 金 形 成 制 度 の 登 録 者 に 対 して 希 望 に 応 じて 情 報 提 供 す ることも 考 えられよう 登 録 した 利 用 者 の 子 どもの 年 齢 に 応 じて 1については 地 域 が 必 要 としている 職 業 人 材 や そのための 教 育 プログラムを 提 供 している 地 元 大 学 を 紹 介 し たり 2や 特 に3については 地 元 企 業 でのインターンシップ 情 報 や 就 職 説 明 会 を 紹 介 す ること 等 教 育 資 金 形 成 制 度 の 登 録 を 起 点 にした 展 開 も 考 えられるのではないか 自 治 体 36

地 域 教 育 資 金 形 成 制 度 - 米 国 529 プランの 発 展 に 見 る 州 政 府 発 の 知 恵 - だけでなく 大 学 や 地 域 金 融 機 関 も 含 めた 地 元 企 業 が 連 携 して 地 域 全 体 で 人 を 育 てる 仕 組 みを 作 っていくことが 望 まれよう また 他 地 域 の 大 学 へ 進 学 したとしても 地 元 に 戻 って 就 職 する 意 欲 を 高 められるよう な 工 夫 も 大 切 である 東 京 在 住 者 対 象 の 今 後 の 移 住 に 関 する 意 向 調 査 では 男 女 とも 10 20 代 で 移 住 する 予 定 または 検 討 したいと 回 答 した 割 合 が 比 較 的 高 く( 図 表 10) そ の 理 由 として 特 に 男 性 は 就 職 が 最 も 多 い 答 えとなっている 仮 に 大 学 進 学 で 地 元 から 出 て も 就 職 は 地 元 に 戻 る 良 いきっかけになるのではないだろうか 図 表 10 移 住 の 希 望 の 有 無 ( 注 ) 調 査 手 法 :インターネット 調 査 調 査 対 象 : 東 京 都 在 住 18~69 歳 男 女 1200 人 調 査 時 期 :2014 年 8 月 21 日 ( 木 )~8 月 23 日 ( 土 ) ( 出 所 ) 内 閣 官 房 まち ひと しごと 創 生 会 議 ( 第 1 回 ) 資 料 2 東 京 在 住 者 の 今 後 の 移 住 に 関 する 意 向 調 査 の 結 果 概 要 3. 終 わりに したがって 529 プランのような 教 育 資 金 形 成 を 支 援 する 制 度 の 導 入 は わが 国 の 地 方 自 治 体 にとって 特 に 財 政 が 厳 しい 中 で 子 育 て 人 材 育 成 支 援 を 図 るための 現 実 的 な 解 決 策 として 検 討 に 値 するのではないだろうか これまでの 地 方 自 治 体 の 子 育 て 支 援 策 は 小 児 医 療 費 の 無 料 化 や 学 童 保 育 保 育 所 の 拡 充 など どちらかというと 子 育 て 前 半 の 支 援 が 中 心 になっているが 子 育 て 後 半 の 支 援 策 も 求 められていよう 折 しも 2013 年 4 月 1 日 より 教 育 資 金 の 一 括 贈 与 に 係 る 贈 与 税 非 課 税 措 置 が 導 入 され 反 響 を 呼 んでいることは 子 どもの 教 育 資 金 を 手 当 てする 施 策 が 広 く 求 められていること を 裏 付 けていよう ただし この 1500 万 円 までの 非 課 税 措 置 を 利 用 する 人 は 一 括 贈 与 で きる 十 分 な 資 産 を 持 つ 人 が 中 心 になっていると 見 られる 様 々な 人 に 対 応 できるような 多 様 な 選 択 肢 を 与 えるという 観 点 から 529 プランのように 資 金 を 少 額 から 育 てる 制 度 は よ り 多 くの 家 計 から 注 目 されると 考 えられる 実 際 教 育 は 子 育 て 世 代 の 貯 蓄 目 的 の 筆 頭 項 目 でもある( 図 表 11) 貯 蓄 を 支 援 するような 措 置 へのニーズは 高 いのではないだろうか 37

野 村 資 本 市 場 クォータリー 2014 Autumn 近 年 のわが 国 では 教 育 格 差 進 学 格 差 も 開 いている( 図 表 12) 医 療 費 無 償 化 による 子 育 て 支 援 を 図 る 自 治 体 は 多 いが 教 育 支 援 により 教 育 県 教 育 市 を 標 榜 する 自 治 体 は 限 られる 米 国 529 プランのような 地 域 教 育 資 金 形 成 制 度 を 導 入 することは 教 育 費 に 悩 む 子 育 て 世 代 にアピールし 地 域 で 人 を 育 て 人 材 の 定 着 を 図 る 一 案 として 検 討 に 値 するのではないか ( 調 査 協 力 : 荒 井 友 里 恵 ) 図 表 11 世 代 別 の 貯 蓄 目 的 (%) 病 気 や 不 時 の 災 害 への 備 え こどもの 教 育 資 金 こどもの 結 婚 資 金 住 宅 の 取 得 または 増 改 築 などの 資 金 老 後 の 生 活 資 金 耐 久 消 費 財 の 購 入 資 金 旅 行 レ ジャーの 資 金 納 税 資 金 とくに 目 的 はないが 遺 産 として 金 融 資 産 を 子 孫 に 残 す 保 有 してい れば 安 心 その 他 世 帯 主 の 年 令 別 20 歳 代 45.3 75.0 9.4 35.9 28.1 29.7 21.9 1.6 0.0 17.2 3.1 30 歳 代 48.3 67.7 6.5 28.4 36.2 17.7 16.3 5.1 3.4 21.6 5.3 40 歳 代 55.5 66.5 4.5 14.0 51.1 18.2 11.9 3.0 1.9 18.0 4.4 50 歳 代 61.5 26.7 15.2 14.5 73.7 14.5 8.8 4.4 4.2 19.4 4.0 60 歳 代 73.2 3.4 6.6 9.0 83.3 12.3 14.9 7.8 10.3 20.4 4.0 70 歳 以 上 74.4 2.0 2.5 7.2 74.7 6.9 8.3 5.8 11.7 28.9 5.1 ( 注 ) 貯 蓄 を 有 する 二 人 以 上 世 帯 への 調 査 結 果 であり 3つまでの 複 数 回 答 各 世 代 で 回 答 が 最 も 多 かったものにシャドウを 付 けている ( 出 所 ) 金 融 広 報 中 央 委 員 会 家 計 の 金 融 行 動 に 関 する 世 論 調 査 ( 平 成 25 年 ) より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 図 表 12 47 都 道 府 県 の 大 学 短 大 への 進 学 率 と 過 去 5 年 間 の 変 化 ( 過 去 5 年 間 の 進 学 率 の 変 化 %pt) 5 4 3 2 1 0 1 2 30 35 40 45 50 55 60 65 70 ( 進 学 率 %) ( 出 所 ) 総 務 省 日 本 の 統 計 より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 38