11/01/14 関 東 ブロック 新 人 研 修 会 静 岡 県 司 法 書 士 会 中 里 功 多 重 債 務 整 理 事 件 3 - 消 費 者 破 産 - 本 稿 は 個 人 破 産 の 中 でもいわゆる 消 費 者 破 産 ( 非 事 業 者 に 関 する 破 産 事 件 )に 関 する 基 礎 的 論 点 の 修 得 を 目 的 としており 事 業 者 の 破 産 事 件 や 会 社 の 破 産 事 件 については 取 り 扱 わない 事 業 者 法 人 破 産 については 消 費 者 事 件 とは 一 線 を 画 す 多 岐 にわたる 論 点 があるため 受 講 生 各 自 において 研 鑽 が 求 められる Ⅰ 消 費 者 破 産 制 度 の 理 念 Ⅰ-1 破 産 手 続 債 務 者 が 支 払 不 能 債 務 超 過 に 陥 った 場 合 に 債 務 者 の 総 財 産 を 以 って 債 権 者 に 対 して 公 平 に 配 当 する 制 度 法 人 は 破 産 によって 解 散 し 破 産 手 続 によって 財 産 を 清 算 して 法 人 格 が 消 滅 するため 一 般 に 破 産 は 清 算 手 続 と 位 置 づけられる Ⅰ-2 個 人 破 産 法 人 と 異 なり 破 産 によっても 個 人 の 生 活 人 生 は 消 滅 しない よって 個 人 破 産 は 債 務 者 を 経 済 的 に 更 生 させるための 手 続 と 位 置 づけられる( 調 停 個 人 再 生 と 同 様 ) 債 務 者 の 経 済 的 更 生 に 際 しては 1 債 務 からの 解 放 2 生 活 再 建 3 再 度 の 破 綻 防 止 とい う 段 階 的 考 え 方 が 包 含 される 1 債 務 からの 解 放 を 支 援 するのは 当 然 のことだが 債 務 整 理 に 関 わる 法 律 家 としては 2 生 活 再 建 の 支 援 も 求 められ 関 係 機 関 からも 法 律 家 に 期 待 が 寄 せられる 部 分 である Ⅰ-3 債 務 からの 解 放 多 重 債 務 者 は 資 本 主 義 社 会 における 構 造 的 被 害 者 であり 法 的 支 援 の 欠 如 社 会 福 祉 の 貧 困 によって 被 害 は 一 層 拡 大 される 世 の 中 の 景 気 の 動 向 社 会 環 境 の 変 化 等 に 一 切 左 右 されない 一 定 の 貧 困 層 が 存 在 すること を 法 律 家 として 認 識 しなければならない 本 人 の 努 力 によっても 生 活 状 況 が 改 善 できない 構 造 的 被 害 者 に 対 し 一 部 の 弁 済 を 求 める ことは 再 度 の 破 綻 のきっかけ 作 りにすぎない 多 重 債 務 問 題 の 根 本 的 な 解 決 のためには 債 務 からの 解 放 に 最 も 資 する 破 産 手 続 を 原 則 と 考 えるべきである Ⅰ-4 生 活 再 建 借 金 が 破 産 手 続 によって 免 責 されたとしても それだけで 本 人 や 家 族 を 含 めた 生 活 が 根 本 的 に 改 善 されるわけではない 低 所 得 母 子 家 庭 障 害 等 多 重 債 務 に 至 る 者 の 多 くは そ の 生 活 環 境 そのものを 改 善 しなければ 真 の 生 活 再 建 を 図 ることができない 深 刻 な 問 題 を 抱
えている 生 活 保 護 や 生 活 福 祉 資 金 貸 付 制 度 等 多 重 債 務 問 題 に 関 わる 法 律 家 としては 社 会 的 弱 者 のために 制 度 化 された 社 会 保 障 に 対 する 深 い 理 解 も 求 められる また 関 係 機 関 との 連 携 を 深 めることにより 生 活 再 建 に 向 けた 重 厚 な 支 援 を 行 うことができる 体 制 を 整 えなければな らない 生 活 再 建 が 十 分 に 図 れないまま 借 金 の 問 題 だけを 解 決 することは ヤミ 金 犯 罪 自 殺 等 の 社 会 問 題 の 引 き 金 となることを 忘 れてはならない Ⅱ 破 産 による 不 利 益 Ⅱ-1 信 用 情 報 機 関 への 不 利 益 情 報 の 登 録 (いわゆるブラック) 新 たな 借 り 入 れができない( 金 融 機 関 も 含 む) カードが 作 れない ローンを 組 めない 等 の 不 利 益 が 5~7 年 程 度 続 く 現 金 での 生 活 を 強 いられるため 突 発 的 な 資 金 需 要 に 対 する 貯 蓄 の 必 要 性 が 高 まる この 部 分 のフォローが 十 分 でない 場 合 ヤミ 金 被 害 の 引 き 金 となる 可 能 性 も 高 まる なお 信 用 情 報 機 関 は 返 済 能 力 の 調 査 以 外 の 目 的 で 使 用 されることはない( 貸 金 業 法 41 条 の38) 一 方 で ブラック 登 録 がないこと は 審 査 対 象 の1 項 目 に 過 ぎない 相 談 者 の 中 には 信 用 情 報 機 関 への 不 利 益 情 報 の 登 録 (いわゆる ブラック )を 不 安 に 感 じる 者 も 多 い ので 正 確 な 理 解 が 求 められる 以 下 はJICCから 確 認 が 得 られた 情 報 である 1 司 法 書 士 に 依 頼 した 場 合 に 債 務 整 理 情 報 が 登 録 される 3か 月 間 滞 納 すると 延 滞 情 報 が 登 録 される 2 司 法 書 士 に 依 頼 後 債 務 が 残 り 分 割 払 いの 和 解 をした 場 合 債 務 整 理 情 報 が5 年 間 登 録 され 延 滞 情 報 は 延 滞 解 消 情 報 となり 1 年 間 登 録 される 3 延 滞 情 報 は 全 国 銀 行 個 人 信 用 情 報 センター との 情 報 交 流 の 対 象 となるが 債 務 整 理 情 報 および 延 滞 解 消 情 報 は 情 報 交 流 の 対 象 にはならない ( 延 滞 情 報 は 当 然 に 交 流 の 対 象 ) 4 過 払 いであることが 判 明 した 場 合 債 務 整 理 情 報 延 滞 情 報 は いずれも 抹 消 される 5 過 払 いの 場 合 に4の 情 報 を 抹 消 するのは 和 解 を 締 結 した 段 階 ( 決 着 がついた 段 階 )で 抹 消 する 6 債 務 整 理 により 司 法 書 士 が 介 入 する 以 前 に 3か 月 間 以 上 の 滞 納 があった 場 合 は 延 滞 時 にすでに 過 払 いになっていたとしても 延 滞 情 報 は 抹 消 されない 7 完 済 後 の 過 払 い 請 求 の 場 合 は 一 切 登 録 されない 信 用 情 報 の 登 録 事 項 は 与 信 材 料 の 一 資 料 に 過 ぎない 信 用 情 報 が 抹 消 されていても 勤 務 先 や 年 収 等 の 理 由 によって 融 資 が 断 られることも 当 然 あるので 注 意 されたい Ⅱ-2 資 格 制 限 問 題 となるのは 警 備 会 社 生 命 保 険 の 外 交 等 にすぎない Ⅱ-3 身 分 証 明 書 官 報 への 掲 載 実 質 的 な 問 題 はほとんど 生 じない
Ⅲ 破 産 に 伴 う 注 意 点 Ⅲ-1 債 権 者 一 覧 表 の 作 成 債 権 者 平 等 の 原 則 が 貫 かれるため すべての 負 債 を 債 権 者 一 覧 表 に 記 載 しなければならな い 保 証 人 がついている 友 人 からの 借 入 れ この 業 者 は 怖 い 車 を 回 収 されると 困 る 等 の 事 情 は 考 慮 しない なお 公 租 公 課 や 養 育 費 債 務 等 は 免 責 されない 点 公 的 年 金 担 保 借 入 れを 利 用 している 場 合 破 産 申 立 後 も 借 入 額 全 額 の 償 還 を 終 了 するまでは 満 額 の 支 給 を 受 けられない 点 等 は 十 分 な 説 明 をすべきである 一 方 勤 務 先 からの 借 入 金 が 給 料 から 天 引 きされているようなケ ースでは 天 引 きを 中 止 させなければならない Ⅲ-2 資 産 目 録 の 作 成 原 則 として すべての 資 産 が 破 産 財 団 組 成 物 件 となり 換 価 配 当 の 対 象 となる しかし 個 人 破 産 の 場 合 そもそも 換 価 価 値 のある 財 産 を 有 していないケースも 多 く ま た 何 らかの 財 産 を 有 している 場 合 も その 総 額 が20~30 万 円 程 度 にすぎない 場 合 同 時 廃 止 決 定 がなされるのが 一 般 的 である( 地 域 によっては 少 額 管 財 制 度 を 採 用 している 裁 判 所 もあるので 地 元 裁 判 所 の 運 用 に 注 意 されたい) Ⅲ-2-ア 預 貯 金 預 貯 金 債 権 を 有 している 金 融 機 関 から 借 入 金 債 務 がある 場 合 当 該 口 座 は 凍 結 され 相 殺 される 破 産 申 立 後 に 当 該 口 座 に 給 料 等 が 振 り 込 まれた 場 合 これを 引 き 出 すこと ができずに 生 活 費 が 確 保 できない 事 態 に 陥 ることもあり 注 意 を 要 する 勤 務 先 に 対 し 振 込 先 の 変 更 依 頼 をすることを 忘 れずに 指 摘 すべきである Ⅲ-2-イ 不 動 産 担 保 に 供 されていない 不 動 産 や いわゆるオーバーローンとなっていない 不 動 産 があ る 場 合 管 財 人 選 任 事 件 とされるのが 通 常 である この 場 合 予 納 金 が 高 額 化 する 可 能 性 もあるから 依 頼 者 に 対 する 十 分 な 説 明 が 求 められる このようなケースでは 管 財 事 件 としての 予 納 金 の 納 付 を 回 避 するため 事 前 に 不 動 産 を 売 却 することも 考 えられるが 否 認 の 対 象 とならないための 慎 重 な 対 応 を 要 す( 後 掲 破 産 者 の 所 有 する 不 動 産 の 帰 趨 参 照 ) Ⅲ-2-ウ 所 有 権 留 保 物 件 車 が 代 表 的 である クレジット 会 社 の 所 有 権 留 保 権 は 破 産 手 続 において 別 除 権 と 位 置 づけられるから クレジット 会 社 による 別 除 権 の 行 使 により 物 は 回 収 される Ⅲ-2-エ 保 証 人 主 債 務 者 の 破 産 免 責 は 保 証 人 に 何 らの 効 力 を 及 ぼさない よって 主 債 務 者 の 破 産 によって 保 証 人 が 保 証 債 務 の 追 求 を 受 けることになる 旨 は 必 ず 主 債 務 者 より 告 知 させ
るべきである ケースによっては 保 証 人 も 債 務 整 理 に 着 手 しなければならない 状 況 に 陥 るが この 場 合 保 証 人 の 受 任 については 利 益 相 反 の 問 題 に 十 分 な 配 慮 をしなければ ならない なお 保 証 人 の 将 来 の 求 償 債 権 は 債 権 者 一 覧 表 に 記 載 すべきである Ⅲ-2-オ 保 険 解 約 返 戻 金 破 産 申 立 人 が 保 険 契 約 者 である 場 合 当 該 保 険 の 解 約 返 戻 金 相 当 額 は 破 産 財 団 組 成 物 件 となる 金 額 によっては 同 時 廃 止 事 件 として 換 価 の 指 示 を 受 けないこともあるが 場 合 によっては 解 約 せざるを 得 ないケースもある 旨 を 告 知 すべきである なお 契 約 者 貸 付 制 度 を 利 用 している 場 合 その 旨 を 付 記 した 上 で 債 権 者 一 覧 表 に 記 載 すべきである この 場 合 強 制 解 約 相 殺 となるのが 一 般 的 である Ⅲ-2-カ 自 己 都 合 退 職 金 見 込 額 退 職 金 制 度 のある 会 社 に 勤 務 している 場 合 現 時 点 における 自 己 都 合 退 職 金 見 込 額 の 8 分 の1 相 当 額 ( 裁 判 所 によっては 異 なる 割 合 を 採 用 するケースもある)は 破 産 財 団 組 成 物 件 となる しかし 現 実 に 退 職 を 求 めるのは 生 活 再 建 の 考 え 方 から 逸 脱 するケースが 多 いた め 見 込 額 が 高 額 になる 場 合 は 第 三 者 の 協 力 を 得 て 相 当 額 を 別 に 用 意 することも 検 討 しなければならない Ⅲ-2-キ 過 払 金 返 還 請 求 権 貸 金 業 者 の 貸 付 にみなし 弁 済 が 成 立 しないことは 裁 判 所 において 顕 著 な 事 実 である よって 貸 金 業 者 からの 借 入 れについては 破 産 申 立 に 先 だって 全 件 債 権 調 査 を 行 い 利 息 制 限 法 に 基 づく 残 債 務 を 債 権 者 一 覧 表 に 記 載 することとなる この 際 過 払 金 が 発 生 する 場 合 当 該 不 当 利 得 返 還 請 求 権 は 破 産 財 団 組 成 物 件 となる なお 破 産 申 立 てに 先 立 って 過 払 い 金 を 回 収 すること 自 体 は 問 題 ないが 不 相 当 に 低 額 な 和 解 をした 場 合 には 破 産 管 財 人 が 選 任 され 和 解 契 約 が 否 認 されることにもなり かねないので 十 分 に 注 意 すべきである Ⅲ-2-ク 申 立 直 前 の 換 価 申 立 直 前 に 預 金 を 解 約 したり 不 動 産 を 売 却 したりした 場 合 換 価 された 金 銭 が 残 存 するのか しない 場 合 にその 費 消 目 的 は 何 かにつき 関 係 資 料 による 裏 付 けを 伴 う 報 告 が 求 められる 十 分 な 説 明 ができない 場 合 いわゆる 財 産 隠 し の 疑 いを 持 たれ 免 責 不 許 可 事 由 に 該 当 するケースも 考 えられるため 安 易 に 財 産 処 分 を 行 うべきではない Ⅲ-2-ケ その 他 の 財 産 遺 産 分 割 未 了 の 被 相 続 人 名 義 の 財 産 は 法 定 相 続 分 相 当 額 が 破 産 財 団 組 成 物 件 となる 給 料 明 細 上 で 天 引 きが 確 認 される 積 立 金 等 は 何 の 目 的 でいくら 積 み 立 てられている か 将 来 の 配 当 の 可 能 性 等 について 説 明 できる 準 備 をしなければならない その 他 預 金 通 帳 の 履 歴 で 申 立 前 1 年 程 度 の 高 額 な 入 出 金 の 動 きに 注 意 を 払 い それぞれについて
の 裏 付 けができるようにしておくべきである Ⅲ-3 費 用 費 用 は 依 頼 者 にとって 重 大 な 関 心 ごとであるから 明 確 に 説 明 し いつまでにいくら 用 意 すべきであるのか また 生 活 を 維 持 しながら 月 々いくら 支 払 えるのかについて 具 体 的 な 協 議 に 基 づいた 合 意 をすべきである 無 論 分 割 納 付 にも 柔 軟 に 対 応 すべきである 少 額 管 財 事 件 を 採 用 している 裁 判 所 では しばしば 予 納 金 の 確 保 が 問 題 となるようであ るから あらかじめ 誤 解 のない 説 明 を 果 たすことが 求 められる 一 方 法 テラスの 定 める 資 力 基 準 に 合 致 する 場 合 原 則 として 法 律 扶 助 を 利 用 すべきであ る ことに 生 活 保 護 受 給 者 の 場 合 扶 助 決 定 時 には 償 還 が 猶 予 され 終 結 決 定 時 になお 保 護 受 給 中 である 場 合 には 償 還 が 免 除 されるほか 予 納 金 も 扶 助 決 定 の 対 象 となる( 少 額 管 財 事 件 における 官 報 公 告 料 以 外 の 予 納 金 は 法 テラスにより 第 三 者 予 納 される)から 法 律 扶 助 を 利 用 しない 場 合 には 後 日 損 害 賠 償 請 求 を 受 けることにもなりかねない Ⅳ 免 責 不 許 可 事 由 ( 破 産 法 252 条 1 項 ) Ⅳ-1 不 当 な 財 産 処 分 等 (1 号 2 号 ) 資 産 目 録 の 作 成 の 項 で 概 観 したとおり 申 立 直 前 に 破 産 財 団 の 価 値 減 少 につながる 行 為 は 司 法 書 士 関 与 の 下 で 行 ってはならないし 既 にそのような 行 為 が 行 われている 場 合 には 動 機 や 目 的 換 価 した 資 金 の 費 消 目 的 等 裏 付 け 資 料 と 突 き 合 わせながら 十 分 な 事 情 聴 取 をし ておかなければならない ケースによっては 陳 述 書 に 付 記 したり 上 申 書 を 提 出 したりして あらかじめ 補 足 説 明 を すべき 場 合 もある また 実 務 上 もよくあるケースとしては 換 金 目 的 でクレジットを 利 用 して 商 品 を 購 入 し ローンの 完 済 前 に 転 売 してしまうようなケースも 問 題 となり 得 る しかし このような 事 案 はいわゆる 買 取 屋 被 害 のような 詐 欺 的 事 案 が 多 い 事 実 関 係 を 丁 寧 に 聴 取 し 申 立 人 に 悪 意 がないことを 申 立 書 類 を 通 じて 裁 判 官 に 訴 えることが 求 められる Ⅳ-2 偏 頗 弁 済 等 (3 号 ) 本 号 は 他 の 免 責 不 許 可 事 由 と 異 なり 破 産 原 因 たる 事 実 を 債 務 者 が 知 っていたこと が 要 件 とされていない このため 客 観 的 に 支 払 不 能 状 態 となった 以 降 の 偏 頗 弁 済 は 免 責 不 許 可 の 対 象 となり 得 る 点 に 注 意 を 要 する 特 に 申 立 直 前 に 弁 済 の 事 実 がある 場 合 その 詳 細 な 事 情 聴 取 と 申 立 書 類 の 充 実 が 求 めら れる Ⅳ-3 浪 費 ギャンブル 等 による 財 産 の 著 しい 減 少 または 過 大 な 債 務 の 負 担 (4 号 ) 実 務 上 免 責 不 許 可 事 由 として 最 も 問 題 となり 得 る 点 であるが 浪 費 やギャンブルそれ 自 体 が 免 責 不 許 可 事 由 となるわけではない 点 に 注 意 しなければならない これらが 原 因 で 財 産 が 著 しく 減 少 したり 過 大 な 債 務 を 負 担 したりすることが 問 題 となるのである 免 責 不 許 可 事 由 がある 場 合 に 安 易 に 破 産 を 回 避 することを 勧 める 事 案 も 散 見 されるが
これには 首 肯 できない 浪 費 やギャンブルは 多 くの 場 合 積 極 的 にそれらの 行 為 に 溺 れて いくわけではなく そのきっかけとなる 要 因 や 精 神 状 態 家 庭 環 境 や 生 い 立 ち 等 さまざま な 背 景 事 情 が 絡 み 合 った 結 果 としての 事 象 にすぎない 何 より 多 重 債 務 問 題 が 社 会 構 造 的 被 害 者 であるとの 広 い 視 野 を 忘 れてはならない 破 産 免 責 が 債 務 からの 解 放 という 消 費 者 破 産 の 理 念 に 最 も 協 力 に 資 する 選 択 肢 である 以 上 安 易 に 破 産 を 回 避 するのではなく 背 景 事 情 を 深 く 掘 り 下 げた 事 情 聴 取 と 申 立 書 の 作 成 が 求 められる なお 免 責 不 許 可 事 由 が 存 在 する 場 合 も 裁 判 官 による 裁 量 免 責 が 認 められるケースは 実 務 上 も 少 なくない( 後 掲 資 料 参 照 ) Ⅳ-4 詐 術 を 用 いた 財 産 の 取 得 (5 号 ) 帳 簿 等 の 隠 滅 等 (6 号 ) 虚 偽 の 債 権 者 名 簿 の 提 出 (7 号 ) 虚 偽 の 説 明 等 (8 号 ) 職 務 の 妨 害 (9 号 ) 破 産 法 に 定 める 義 務 違 反 (11 号 ) Ⅳ-5 免 責 許 可 決 定 の 確 定 した 日 から7 年 給 与 所 得 者 等 再 生 における 再 生 計 画 を 遂 行 した 場 合 ま たはハードシップ 免 責 の 決 定 が 確 定 した 場 合 における 再 生 計 画 認 可 決 定 の 確 定 した 日 から7 年 を それぞれ 経 過 していないこと(10 号 ) 以 下 省 略