事業再生ニューズレター

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損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

Ⅴ Ⅵ 目 予 算 編 成 のフローチャートと 決 算 書 類 19 図 表 6 予 算 編 成 のフローチャート 20 図 表 7 収 支 報 告 書 貸 借 対 照 表 財 産 目 録 備 品 台 帳 モデル 21 滞 納 金 回 収 に 関 する 管 理 会 社 の 業 務 と 役 割 25

内 において 管 理 されている 上 場 株 式 等 のうち 非 課 税 管 理 勘 定 に 係 るもの( 新 規 投 資 額 で 毎 年 80 万 円 を 上 限 とします )に 係 る 配 当 等 で 未 成 年 者 口 座 に 非 課 税 管 理 勘 定 を 設 けた 日 から 同 日 の 属

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要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ


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った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

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(ⅴ) 平 成 28 年 4 月 1 日 から 平 成 35 年 12 月 31 日 までの 期 間 未 成 年 者 に 係 る 少 額 上 場 株 式 等 の 非 課 税 口 座 制 度 に 基 づき 証 券 会 社 等 の 金 融 商 品 取 引 業 者 等 に 開 設 した 未 成 年 者 口

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Transcription:

事 業 再 生 ニューズレター 2014 年 11 月 インドにおけるビジネス 展 開 とともに 留 意 すべき インドの 倒 産 制 度 1. はじめに インドでは 2014 年 4 月 から 5 月 にかけて 実 施 された 総 選 挙 においてインド 人 民 党 (BJP)が 単 独 過 半 数 の 議 席 を 獲 得 し 同 党 党 首 ナレンドラ モディ 氏 が 第 18 代 首 相 に 就 任 したことにより 新 政 権 が 誕 生 した モディ 首 相 は 9 月 に 日 本 で 安 倍 首 相 と 会 談 するとともに 共 同 声 明 日 印 特 別 戦 略 的 グローバル パートナーシップに 関 する 東 京 宣 言 へ の 署 名 がなされ 日 本 からインドに 対 する 今 後 5 年 間 にわ たる 3.5 兆 円 規 模 の 官 民 投 融 資 が 約 束 された これまで 4% 台 に 落 ち 込 んでいた GDP 成 長 率 は モディ 政 権 下 に おいて 2014 年 度 より 5% 台 に 回 復 するとの 見 通 しが 強 く 日 本 経 済 とのかかわりも 深 くなっていくこととなろう しかし そのように 経 済 成 長 している 中 でも インドの 会 社 に 関 する 公 開 情 報 は 限 定 的 で 経 営 管 理 が 十 分 でないイ ンド 企 業 1 と 取 引 や 合 弁 事 業 を 行 う 場 合 には 当 該 インド 企 業 が 倒 産 することもありうる また 日 系 企 業 がインド 事 業 を 再 編 する 場 合 に 現 地 子 会 社 を 清 算 する 必 要 がある 場 合 も 出 てくる 可 能 性 がある このように 他 の 新 興 国 と 同 様 に インドにおいてビジネス 展 開 をする 上 で 現 地 の 倒 産 法 を 理 解 する 必 要 性 は 高 まっ ているが インド 倒 産 法 について 日 本 において 解 説 され ている 文 献 は 稀 有 である そこで 本 稿 では インドの 倒 産 法 について 概 説 する 2. インドの 倒 産 法 制 の 概 要 インドでは 日 本 の 破 産 法 に 相 当 する 倒 産 の 基 本 法 は 制 定 されていない もっとも 私 的 整 理 手 続 に 相 当 する 手 続 きとして キャッシュフローの 毀 損 が 軽 微 な 段 階 の 債 務 者 には Corporate Debt Restructuring ( 企 業 債 務 整 理 以 下 CDR )という 手 続 きがある また 法 的 整 理 手 続 として 裁 判 所 が 関 与 するリハビリテーション( 再 生 手 続 )やスキーム オブ アレンジメントがある さらにキャッシュフローが 悪 化 した 場 合 には 会 社 の 清 算 という 手 法 がある その 他 にも 金 融 機 関 が 債 権 回 復 審 判 所 (Debt Recovery Tribunal)に 債 務 者 の 管 理 人 (receiver)の 選 任 を 求 めて 債 権 回 収 を 行 う 手 続 きについて 規 定 している 1993 年 銀 行 及 び 金 融 機 関 に 関 する 債 権 回 復 法 2 銀 行 又 は 金 融 機 関 等 で ある 担 保 付 債 権 者 が 担 保 権 を 実 行 する 場 合 の 方 法 手 続 きについて 規 定 している 2002 年 金 融 資 産 証 券 化 復 興 及 び 担 保 執 行 法 3 や 州 の 金 融 公 社 が 担 保 付 債 権 者 として 担 保 権 を 実 行 する 場 合 の 方 法 手 続 きについて 規 定 している 1951 年 州 金 融 公 社 法 4 といった 個 別 法 令 も 見 られる 本 項 では 上 記 のうち (1) 近 時 利 用 件 数 が 増 加 している CDR (2) 新 会 社 法 の 成 立 に 伴 い The Sick Industrial Companies (Special Provisions) Act (SICA) of 1985 (1985 年 疾 病 産 業 会 社 ( 特 別 規 定 ) 法 以 下 SICA )から 新 会 社 法 に 取 り 込 まれた Sick Company ( 疾 病 会 社 )に 関 する 規 定 及 び (3)2013 年 8 月 に 成 立 しインド 企 業 省 による 2014 年 3 月 26 日 付 け 通 知 及 び 同 月 31 日 までに 公 布 された 施 行 規 則 により 大 部 分 が 施 行 されたインドの 新 会 社 法 (The Companies Act, 2013 以 下 新 会 社 法 )で 一 部 改 正 のあっ た 清 算 手 続 について 解 説 する (1) Corporate Debt Restructuring (CDR) 1 制 度 の 特 徴 及 び 最 近 の 利 用 傾 向 CDRは 特 定 の 法 令 に 基 づく 制 度 ではなく Reserve Bank of India( 以 下 インド 準 備 銀 行 )が 策 定 したガイドライン( 以 下 CDRガイドライン ) 5 に 基 づく 再 建 型 の 私 的 整 理 手 続 で ある 特 に 銀 行 団 などの 金 融 債 権 者 が 複 数 いて 相 互 の 利 害 を 調 整 しながら 個 別 に 合 意 を 取 り 付 けることが 困 難 な 場 合 に 再 生 可 能 性 のある 債 務 者 の 事 業 の 毀 損 を 回 避 しつ つ 時 機 を 失 することなく 債 務 の 整 理 を 行 う 要 請 が 高 い 事 案 では 有 効 な 手 法 である 本 ニューズレターの 執 筆 者 ふくおか 福 岡 パートナー 弁 護 士 しんのすけ 真 之 介 くわがた 桑 形 アソシエイト 弁 護 士 なおくに 直 邦 本 ニューズレターは 法 的 助 言 を 目 的 するものではなく 個 別 の 案 件 につ いては 当 該 案 件 の 個 別 の 状 況 に 応 じ 弁 護 士 税 理 士 の 助 言 を 求 めて 頂 く 必 要 があります また 本 稿 に 記 載 の 見 解 は 執 筆 担 当 者 の 個 人 的 見 解 であり 当 事 務 所 又 は 当 事 務 所 のクライアントの 見 解 ではありません 本 ニューズレターに 関 する 一 般 的 なお 問 合 せは 下 記 までご 連 絡 ください 西 村 あさひ 法 律 事 務 所 広 報 室 ( 電 話 : 03-5562-8352 E-mail: newsletter@jurists.co.jp) C Nishimura & Asahi 2014-1 -

CDR は CDR Standing Forum と 呼 ばれるインドの 各 銀 行 が 加 盟 し CDR の 制 度 設 計 を 行 う 自 主 規 制 機 関 が 運 営 している 最 近 の CDR の 利 用 傾 向 については 上 の 図 表 のとお り 承 認 された 累 積 債 務 額 及 び 累 積 承 認 件 数 とも 堅 調 に 増 加 しており 利 用 が 活 発 化 している 後 述 のとおり 新 会 社 法 における Sick Company( 疾 病 会 社 )の 再 生 手 続 の 利 用 に 際 しては 債 務 者 においてデフォ ルトが 存 在 することが 必 要 になった そのため デフォルト に 至 る 前 に 債 務 を 整 理 しようと 従 前 であれば SICA が 利 用 されたケースについて 債 務 者 が CDR を 活 用 しようとす る 場 面 が 増 加 することが 予 想 され 新 会 社 法 の 該 当 規 定 の 施 行 後 の 動 向 が 注 目 される 2 手 続 きの 概 要 CDRの 利 用 申 請 は 債 務 者 又 は 総 債 権 額 の 20% 以 上 の 債 権 を 保 有 する 金 融 債 権 者 がCDR Cellに 対 して 行 うこと ができる 6 CDR Cellとは 実 務 レベルでCDR 手 続 の 運 営 を 行 う 機 関 である 申 請 にあたって 債 務 者 のデフォルトは 要 件 とされていな いものの 金 融 債 務 の 総 額 は 1 億 ルピー 以 上 であること が 必 要 である 申 請 者 は CDR Cell に 対 して 再 建 計 画 の 草 案 を 提 出 する その 上 で CDR Cell は 申 請 者 から 必 要 な 情 報 を 収 集 して 再 建 計 画 案 を 策 定 し CDR Empowered Group に 対 して 審 査 を 求 める CDR に 基 づく 再 建 計 画 案 は 1 総 金 融 債 権 額 の 75% 以 上 の 債 権 を 保 有 する 金 融 債 権 者 及 び 2 頭 数 で 60% 以 上 の 金 融 債 権 者 の 賛 同 を 得 る 必 要 がある CDR の 最 大 の 特 徴 の 一 つは 必 ずしもすべての 金 融 債 権 者 の 賛 同 を 得 られなくとも CDR Empowered Group の 承 認 を 受 けた 再 建 計 画 が 反 対 金 融 債 権 者 をも 拘 束 するという 点 である 手 続 きの 所 要 期 間 は CDR ガイドライン 上 最 大 6 ヶ 月 とされている 金 融 債 権 者 又 は 債 務 者 の 抜 け 駆 け 防 止 のため 制 度 の 利 用 に 際 して 当 事 者 間 でスタンド スティル(Stand Still) 条 項 に 合 意 することが 通 常 である 7 3 合 弁 相 手 や 取 引 先 が CDR の 手 続 きに 入 った 場 合 に 想 定 される 論 点 日 系 企 業 として CDR にかかわるケースとして 取 引 先 や 合 弁 相 手 が CDR の 手 続 きに 入 ることが 考 えられる そ のような 場 合 CDR の 利 用 申 請 が 合 弁 契 約 その 他 契 約 の 解 除 事 由 に 該 当 する 場 合 には 当 該 契 約 相 手 との 契 約 解 除 の 適 否 を 検 討 することになる また CDR の 利 用 申 請 は 債 務 者 にとってキャッシュフ ローの 悪 化 をはじめ 財 務 状 況 の 悪 化 の 兆 候 であるから - 2 -

将 来 裁 判 所 が 関 与 する 法 的 な 倒 産 手 続 に 移 行 すること も 予 想 される そこで 債 権 保 全 回 収 を 見 据 えて 当 該 契 約 相 手 に 対 する 債 権 の 保 有 状 況 の 整 理 関 連 記 録 の 整 理 を 行 うことも 検 討 することになる (2) Sick Company ( 疾 病 会 社 )の 再 生 手 続 に 関 する 改 正 1 SICA の 概 要 SICA は 下 記 の 一 定 の 要 件 を 満 たす 会 社 を Sick Industrial Company ( 疾 病 産 業 会 社 )と 定 義 し Board for Industrial & Financial Reconstruction ( 産 業 金 融 再 生 委 員 会 )の 監 督 の 下 で 会 社 の 再 生 を 図 る 手 続 を 定 める 法 令 で ある (ⅰ) 産 業 会 社 ( 同 法 所 定 の 製 造 業 を 行 う 会 社 )であること (ⅱ) 設 立 から 5 年 以 上 を 経 過 していること (ⅲ) 同 法 の 定 める 小 規 模 事 業 者 に 該 当 しないこと (ⅳ) 過 去 いずれかの 一 決 算 年 度 末 において 累 積 損 失 が 純 資 産 以 上 となったこと て( 新 会 社 法 253 条 (1)(4)) (ⅱ) SICA と 異 なり 債 権 者 が 申 し 立 てた 債 権 回 収 のため の 法 的 手 続 きは 自 動 的 には 停 止 (いわゆるオートマ ティック ステイ)しないため 案 件 に 応 じて 保 全 申 立 が 必 要 ( 新 会 社 法 253 条 (2)) (ⅲ) 上 記 (ⅰ)の 宣 告 後 担 保 権 者 又 は 会 社 による 再 生 手 続 開 始 の 申 立 て( 新 会 社 法 254 条 ) (ⅳ) 会 社 法 審 判 所 による 暫 定 監 督 委 員 の 選 任 ( 新 会 社 法 第 256 条 ) (ⅴ) 暫 定 監 督 委 員 による 債 権 者 委 員 会 の 選 任 及 び 債 権 者 集 会 の 実 施 ( 新 会 社 法 第 257 条 ) (ⅵ) 会 社 法 審 判 所 による 監 督 委 員 の 選 任 及 び 再 生 計 画 策 定 命 令 ( 新 会 社 法 第 258 条 (b)) (ⅶ) 金 融 支 援 のほか 経 営 陣 の 交 代 他 社 との 合 併 ス ポンサーによる 株 式 の 取 得 資 産 事 業 の 譲 渡 リー ス 等 を 内 容 とする 再 生 計 画 の 策 定 及 び 可 決 ( 新 会 社 法 261 条 ) (ⅷ) 再 生 計 画 が 可 決 されなかった 場 合 会 社 法 審 判 所 は 債 務 者 の 清 算 を 命 令 ( 新 会 社 法 第 265 条 ) 4 日 系 企 業 に 対 する 影 響 2 新 会 社 法 での 主 な 改 正 点 しかし 新 会 社 法 においては Sick Companyの 再 生 に 関 する 手 続 が 第 253 条 以 下 に 規 定 されるようになり 事 実 上 SICAが 新 会 社 法 に 取 り 込 まれた 8 新 会 社 法 の 下 では 主 に 以 下 のような 改 正 がされてい る (ⅰ) 製 造 業 に 限 らず すべての 会 社 が 適 用 対 象 となる (ⅱ) 債 務 者 のデフォルト( 未 払 債 務 総 額 の 50% 以 上 の 支 払 い 請 求 に 30 日 以 内 に 応 じないこと)の 存 在 が 必 要 になった (ⅲ) National Companies Law Tribunal( 以 下 会 社 法 審 判 所 )が 管 轄 を 有 することになった 新 会 社 法 の 制 定 により 日 系 企 業 の 現 地 子 会 社 自 身 に よる 積 極 的 な 申 立 てはもちろんとして 対 象 業 種 に 限 定 が なくなったことにより 今 後 業 種 にかかわらず 日 系 企 業 の 取 引 先 や 合 弁 相 手 が Sick Company として 再 生 手 続 を 利 用 することで 日 系 企 業 が 巻 き 込 まれる 可 能 性 が 拡 大 した なお Sick Company の 手 続 規 定 は 本 ニュースレター 執 筆 時 点 (2014 年 11 月 18 日 時 点 )では 施 行 されておらず まだ 利 用 されていない 新 会 社 法 上 債 権 者 としての 手 続 保 障 手 続 内 外 での 債 権 保 全 回 収 の 方 法 の 詳 細 が 明 確 に 規 定 おらず Sick Company の 手 続 規 定 の 施 行 に 合 わせて 公 表 される 施 行 規 則 を 確 認 する 必 要 がある (3) 会 社 の 清 算 3 手 続 の 概 要 新 会 社 法 下 における Sick Company の 再 生 手 続 の 概 要 は 以 下 のとおりである (ⅰ) 担 保 権 者 又 は 会 社 による 会 社 法 審 判 所 に 対 する 当 該 会 社 が Sick Company であることの 宣 告 の 申 立 新 会 社 法 は 会 社 の 清 算 手 続 に 関 しても 改 正 を 加 えてい る 以 下 新 会 社 法 下 における 会 社 の 清 算 手 続 の 概 要 に ついて 解 説 する 1 清 算 手 続 の 概 要 清 算 手 続 は 現 行 会 社 法 下 で 何 年 もの 時 間 がかかって - 3 -

いたことが 問 題 の 一 つであった 新 会 社 法 では この 清 算 手 続 も 会 社 法 審 判 所 の 管 轄 とし 手 続 の 迅 速 化 を 図 って いる なお インドでは 取 引 の 相 手 方 が 債 務 の 弁 済 に 応 じない という 場 合 に 債 権 者 として 強 制 清 算 を 申 し 立 てることで 清 算 人 の 管 理 の 下 で 配 当 を 通 じた 回 収 を 図 ることも 実 務 上 行 われているが 回 収 までに 相 当 の 時 間 を 要 し 無 担 保 の 取 引 債 権 は 弁 済 順 位 が 劣 後 するため 一 般 的 には 実 効 的 な 債 権 回 収 手 段 というよりも 交 渉 上 のプレッシャーをか けるために 行 われているようである 2 強 制 清 算 強 制 清 算 とは 一 定 の 清 算 事 由 が 生 じた 場 合 に 債 務 者 債 権 者 会 社 登 記 局 等 の 申 立 により 会 社 法 審 判 所 が 主 導 する 清 算 をいう( 新 会 社 法 第 271 条 272 条 ) 清 算 事 由 には 債 務 者 の 支 払 不 能 株 主 総 会 の 特 別 決 議 によ り 会 社 法 審 判 所 主 導 の 清 算 を 決 議 した 場 合 や 前 述 の Sick Company の 再 生 が 失 敗 し 会 社 法 審 判 所 が 清 算 命 令 を 下 した 場 合 を 含 む 債 権 者 が 会 社 に 対 し 10 万 ルピーを 超 える 債 権 を 有 して おり 当 該 債 権 の 支 払 いについて 21 日 以 上 前 の 通 知 を 行 い 弁 済 や 担 保 提 供 がない 等 の 場 合 には 支 払 不 能 とみ なされるため 債 権 者 としてこれを 理 由 に 債 務 者 の 清 算 を 申 し 立 てることも 可 能 である( 新 会 社 法 第 271 条 (2)(a)) 但 し 地 方 自 治 体 中 央 政 府 及 び 州 政 府 への 租 税 公 課 労 働 者 の 賃 金 休 日 出 勤 手 当 等 の 優 先 債 権 が 法 定 されてお り( 新 会 社 法 第 326 条 第 327 条 ) 無 担 保 であれば 取 引 債 権 の 弁 済 が 劣 後 する 点 に 留 意 が 必 要 である 3 任 意 清 算 会 社 は 任 意 清 算 を 行 う 旨 の 株 主 総 会 特 別 決 議 を 行 うこと により 任 意 清 算 を 行 うことができる( 新 会 社 法 第 304 条 (b)) 清 算 に 際 してはコンプライアンスや 残 債 務 に 関 する 関 係 当 局 等 による 確 認 の 証 明 書 が 非 常 に 厳 格 に 求 められ こ れが 手 続 きの 長 期 化 の 一 因 となっている 点 が 特 徴 的 であ る 例 えば 会 社 法 上 の 年 次 報 告 が 提 出 されているか イ ンド 準 備 銀 行 に 対 する 報 告 等 がきちんと 実 施 されている か 租 税 債 務 の 納 付 漏 れがないかどうか 紛 争 など 潜 在 債 務 が 発 生 していないか といったものが 挙 げられる 3. む す び インドの 倒 産 法 制 は Sick Company の 再 生 に 関 する 新 会 社 法 の 規 定 がまだ 施 行 されていないなど 流 動 的 な 状 態 にあり 制 度 の 安 定 的 な 運 用 や 実 務 の 確 立 にはまだま だ 時 間 がかかると 予 想 される しかし CDR スキームの 活 発 な 利 用 などに 見 られるように 債 務 調 整 に 対 するニーズ は 高 い 今 後 インドの 倒 産 法 制 と 実 務 の 進 展 に 引 き 続 き 注 目 していきたい - 4 -

1 インド 商 工 会 議 所 連 盟 (FICCI) 及 び 米 系 リスク 調 査 会 社 ピンカート ンによる 2014 年 度 インド リスク 調 査 (India Risk Survey 2014)に よれば 企 業 が 抱 える 最 大 のリスクとして 汚 職 収 賄 企 業 の 不 正 が 1 位 となっている( 前 年 は 4 位 ) また 印 グラント ソントンの 報 告 書 Fraud: A key governance risk 2014 においても この 2 年 で 企 業 の 不 正 が 著 しく 増 えた とする 回 答 が 41%に 達 し やや 増 えた とする 回 答 を 合 わせると 75%になるという 結 果 が 報 告 されて おり 不 正 が 増 加 傾 向 にあることを 窺 わせる 2 Recovery of Debts Due to Banks and Financial Institutions Act, 1993 3 Securitization and Reconstruction of Financial Assets and Enforcement of Security Interest Act, 2002 4 State Financial Corporation Act, 1951 5 Reserve Bank of India( インド 準 備 銀 行 http://rbi.org.in/)による 2005 年 11 月 10 日 付 け 通 知 Revised Guidelines on Corporate Debt Restructuring (CDR) Mechanism 6 但 し 私 的 整 理 として 債 務 者 及 び 債 権 者 双 方 の 協 働 を 前 提 にした 制 度 であるため 債 務 者 が 申 請 をする 場 合 であっても 総 債 権 額 の 20% 以 上 を 保 有 する 金 融 債 権 者 の 賛 同 が 必 要 である 他 方 金 融 債 権 者 が 申 請 する 場 合 であっても 事 実 上 債 務 者 - 債 権 者 間 協 定 (DCA)を 締 結 した 上 で 行 う 必 要 があり 制 度 上 債 務 者 の 承 諾 を 前 提 としているということができる 7 具 体 的 には 債 務 者 - 債 権 者 間 協 定 (DCA)のモデル 条 項 案 4.2 に おいて 示 されているように CDR の 手 続 期 間 中 (CDR Empowered Group に 申 請 が 渡 った 日 から 90 日 又 は 延 長 により 最 大 180 日 ) は 金 融 債 権 者 が 債 務 者 に 対 して 例 えば 債 権 回 収 の 訴 訟 提 起 を 含 む 民 事 上 の 法 的 アクションをとること 債 務 者 の 取 締 役 が 辞 任 すること 債 務 者 が 特 定 の 金 融 債 権 者 に 対 する 弁 済 その 他 の 出 金 をすることがそれぞれ 禁 止 される 8 現 時 点 で 新 会 社 法 の Sick Company の 手 続 規 定 の 施 行 時 期 に 関 する 通 知 は 発 出 されておらず SICA 自 体 も 廃 止 されていないた め SICA は 存 続 している 当 事 務 所 は 日 本 航 空 穴 吹 工 務 店 そごう 山 一 証 券 をはじめ 多 数 の 法 的 再 建 手 続 法 的 清 算 手 続 に 実 績 をもつことはもとより 事 業 再 生 ADR 私 的 整 理 ガイドライン 産 業 再 生 法 特 定 調 停 手 続 など 様 々な 制 度 を 利 用 した 私 的 整 理 を 含 め すべての 再 生 破 綻 関 係 の 法 律 業 務 について 専 門 的 な 知 識 とノウハウを 駆 使 し 様 々な 立 場 のクライアントに 種 々のリーガルサービスを 提 供 しております また 国 際 的 な 倒 産 案 件 への 対 応 のほか 各 分 野 の 専 門 家 とも 連 携 して 複 雑 な 組 織 再 編 や 特 殊 な 金 融 商 品 の 絡 む 倒 産 案 件 スルガコーポレーションの 例 に 見 られるようなコンプライアンス 危 機 管 理 対 応 を 含 めた 助 言 なども 行 い 幅 広 いリーガルサービスを 提 供 する 体 制 ノウハウを 有 しています 本 ニューズレターは クライアントの 皆 様 の 様 々な ニーズに 即 応 すべく 当 事 務 所 の 事 業 再 生 倒 産 分 野 に 携 わる 弁 護 士 税 理 士 が 事 業 再 生 倒 産 分 野 に 関 する 最 新 の 情 報 を 発 信 することを 目 的 とし て 発 行 しているものです ( 当 事 務 所 の 連 絡 先 ) 東 京 都 港 区 赤 坂 1-12-32 アーク 森 ビル 107-6029 電 話 :03-5562-8500( 代 ) FAX:03-5561-9711 E-mail: info@jurists.co.jp URL: http://www.jurists.co.jp/ja/ C Nishimura & Asahi 2014-5 -