3.1 共同利用施設支援の概要 松井春美 はじめに 本章では 当センターの技術職員が担当している 共同利用施設 ( 実習工場 創造工房 電子顕 微鏡室 X 線室 ネットワーク管理室 の支援業務について 今年度の報告事項をまとめた (1 共同利用施設ホームページの開設と電子利用申請の導入 実習工場 創造工房 電子顕微鏡室 X 線室を対象とした共同利用施設ホームページを今年度後 期に開設した 同時に 上記 4 施設の電子利用申請を開始した 詳細は 3.2 節で報告する (2 実習工場実習工場では 機械系の技術職員 4 名が支援を行っている 主な支援内容は 工作機械および備品の維持管理 学生に対する授業等での技術指導 製作依頼への対応 行事等への技術指導などである 今年度の利用状況と機器の移設について 3.3 節で報告する (3 創造工房創造工房では 土木系の技術職員 1 名が支援を行っている 主な支援内容は 工作機械および備品の維持管理 学生に対する授業等での技術指導などである 今年度の利用状況と部屋の移転について 3.4 節で報告する (4 電子顕微鏡室 X 線室電子顕微鏡室 X 線室では 化学系の技術職員 2 名が支援を行っている 主な支援内容は 機器の保守管理 分析装置等の技術指導補助 電子顕微鏡室の備品管理などである 電子顕微鏡室への新装置の導入と今年度の利用状況について 3.5 節で報告する (5 ネットワーク管理室ネットワーク管理室では 研究支援グループの学術情報教育担当技術職員 ( 土木系 が中心となり 電気系の技術職員 2 名と情報系の技術職員 2 名が加わった主に 5 名で支援を行っている 主な支援内容は 情報処理教育システムの管理 ネットワークシステム全般の管理などである 学生の WiFi 接続も電子申請となったことについて 3.6 節で報告する おわりに 本年度は申請の電子化が進み 設備等がさらに利用しやすくなった 共同利用施設を快適に利用 できるように 共同利用施設の維持管理等に積極的に取り組んでいきたいと考えている 30
3.2 共同利用施設ホームページの開設と電子利用申請の導入松井春美 はじめに 昨年度末より 本センターの技術職員が主に支援を担当している 実習工場 創造工房 電子顕微鏡室 X 線室の 4 施設のホームページを開設する準備を進めてきた これまでも実習工場と創造工房のページが個別にあったが 実習工場と創造工房も含めた共同利用施設のページを作ることで 技術職員が支援している施設をもっと広く活用してもらいたいと考えたからである 共同利用施設ホームページの開設 共同利用施設ホームページの開設にあたっては 各施設担当技術職員間で打合せをしなが図 1 共同利用施設ホームページら 掲載する内容を精査した 同時に 広報委員会等に働きかけ 本校ホームページ内に共同利用施設ホームページを設置する環境を整えた 掲載内容を検討する過程で 施設の利用予約がネットワーク経由でできないか 利用申請のペーパーレス化を実施できないかとの要望が出てきた そこで 本校が導入しているサイボウズ社のグループウェアであるガルーンの機能を利用する形で ネットワーク経由での施設の利用予約ならびに利用申請を実現した 利用予約は ガルーンのスケジュール機能を利用し 各施設の設備ごとに原則として利用前日まで受け付けている 利用申請は ガルーンのワークフロー機能を利用して 各施設の申請書を作成し 施設ごとに受け付けている 共同利用施設ホームページは 平成 26 年 10 月より下記のアドレスにて公開している ( 図 1 http://www2.hakodate-ct.ac.jp/facilities/kyoudouriyou 掲載項目は 更新情報 使用時間割 施設別利用予定スケジュール 予約方法 利用申請番号一覧 利用手続き方法 利用申請書 である 施設別利用予定スケジュール と 利用申請書 は ガルーンの該当箇所に直接ログインできるようになっている おわりに 現時点では 学内からのみ閲覧できる箇所が多くなっている 当面は 学内の利用者が共同利用施設を利用しやすくなることを目標に 共同利用施設ホームページを運営していきたい 今後は 各施設に設置されている機器の紹介や施設別の使用要項などの項目を増やしていき 学外の方にも興味を持っていただけるよう 内容を充実させていく予定である 31
3.3 実習工場 藤巻孝之 (1 実習工場利用状況今年度の利用状況として 図 1 に利用項目と時間を 図 2 に設備別利用割合を示す 授業 ( 本科 には機械工学科第 3 学年の機械工作実習 創造演習 新カリキュラム第 2 学年の生産システム実習基礎 授業 ( 専攻科 には PBL その他 には学外受託試験 公開講座 学校行事 には高専祭 学校見学会 1 日体験学習会がそれぞれ含まれている 項目別の利用時間では 授業 ( 本科 で前年度約 190 時間の利用に留まっていたが 今年度は新カリキュラムになった事で約 300 時間と平年並みになった 製作依頼 での利用時間数が増加しているが 卒業研究 特別研究 が減少 他は平年並みの利用状況である また設備別利用割合では CO 2 レーザー加工機 が 1 番多く 汎用旋盤 NC フライス がついで多く 新たに ファイバーレーザー加工機 の利用割合が増加している 図 1 利用項目と時間 (h 図 2 設備別利用割合 ( 工作実習以外 (2 機器の移設本校校舎の改装に伴い 創造工房を移転した事で工房に設置していた加工機器の一部を実習工場に移すこととなった 詳細については 3.4 節で示す そのことに伴い実習工場では 入口横にあった暗室を撤去し中にあった X 線透視システム ( 図 3 を地域共同テクノセンターにある分析機器室に移設した 歩いて1 分弱程度の距離ではあるが 実習で使用する時はやや不便になった しかし スペースは広くなったので説明等の指導はしやすくなった 32 図 3 移設した X 線透過システム
3.4 創造工房 松井春美 蛯子翼 支援の概要 概算要求の計画 物品請求伝票の管理 工作機器 備品の管理 利用状況の把握及び記録集計 機器操作方法の指導図 1 設備利用状況 創造工房の利用状況 図 1 に設備の利用状況をしめす これをみると ボール盤の利用割合がもっとも多いことがわかる また 図 2 に目的別の利用状況をしめす 例年通りであるが 利用人数 利用時間ともにロボコンが最も多く 次いで創成科目での授業利用が多い 移転について 本校校舎の改装に伴い 創造工房を移転した ( 図 3 移転後の工房の床面積は 従来に比べ五分の三程度にまで減少し 設置していた加工機器を全て移すことが困難となった 機器のいくつかは他の実験室に譲渡したが それでもなお必要な機器 ( ボール盤や油圧加工機など は工房に設置することが不可能な状態であった そこで 校舎改装によりスペースが生じた実習工場に複数の加工機器を移設した ( 図 4 幸い 工房は実習工場の近辺に移転されたので 工房と加工機器との間を移動する煩わしさはほとんどない 工房においては今後 スペースを多く必要としない小型の機械加工機器などを導入していく予定である 現在 工房の床面積の減少により 工房を利用する各学科やロボコン部の学生たちには不便な思いをさせてしまっている 学生たちの声をくみ取り 少しでも利用しやすい創造工房を形作っていくことが今後の課題として挙げられる 100% 90% 80% 70% ロボコン 60% ロボコン 50% 40% 学校行事 30% 卒研 特別研究 20% 授業 ( 本科 卒研 特別研究 10% 0% 授業 ( 本科 人数 ( 人 時間 (h 製作依頼 2 8 ロボコン 2462 1697 学校行事 1 1 教職員研究 9 35 卒業研究 特別研究 27 33 授業 ( 専攻科 4 0 授業 ( 本科 1361 135 図 2 目的別利用状況図 3 移転後の創造工房図 4 実習工場の作業機器スペース 33
3.5 電子顕微鏡室 X 線室 松井春美 電子顕微鏡室への新装置の導入 昨年度末 電子プローブマイクロアナライザ (EPMA が 日本電子製 JXA-8900R から日本電子製 JXA-8230( 図 1 に更新された さらに 電界放出形走査電子顕微鏡 (FE-SEM の日本電子製 JSM-7500F ( 図 2 が新規導入された 設置は平成 26 年 2 月末から 3 月初めにかけて行われた 各機器の主な仕様は表 1 と表 2 に示した 従来から設置されている低真空分析走査電子顕微鏡 (LV-SEM の日本電子製 JSM-6360LA と合わせて 電子顕微鏡室は 3 台体制となった 図 1 電子プローブマイクロアナライザ JXA-8230 表 1 JXA-8230 の主な仕様 分析元素範囲 B~U X 線分光器 波長分散形 X 線分光器 (WDS エネルギー分散形 X 線分光器 (EDS 加速電圧 0.2~30kV 照射電流 10-12 ~10-5 A 二次電子分解能 6nm(30kV 観察倍率 40~ 300,000 図 2 電界放出形走査電子顕微鏡 JSM-7500F 表 2 JSM-7500F の主な仕様 二次電子像分解能 1.0nm(15kV 1.4nm(1kV 倍率 25~ 1,000,000 像の種類 二次電子像 反射電子像 加速電圧 0.1kV~30kV 試料照射電流 10-13 ~2 10-9 A 34
電子顕微鏡室の利用状況 14 60.00 今年度の電子顕微鏡室の利用状況を図 3 と図 4 に示した 図 3 は棒グラフが利用件数であり 折れ線グラフが利用時間である 年間を通じて LV-SEM が多く使われていることは 例年通りである EPMA の利用時間が 9 月に突出して多いが 利用講習会が 9 月に実施され 機器の操作確認を行ったためであり 今年度に限ったものである 全体的には卒業研究での利用が増えてくる 10 月から 1 月にかけて 利用件数が多くなっており 利用時間も多くなっている 利用区分比率を見ると 例年通り どの機器も卒業研究での利用が多くなっている 利用件数 ( 件 12 10 8 6 4 2 0 LV-SEM FE-SEM EPMA 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 使用月 ( 月 50.00 40.00 30.00 20.00 10.00 0.00 利用時間 ( h 図 3 電子顕微鏡室の月別利用件数と利用時間 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図 4 電子顕微鏡室の利用区分比率 EPMA FE-SEM LV-SEM EPMA FE-SEM LV-SEM 学生実験卒業研究専攻科実験教職員研究依頼研究学校行事その他 X 線室の利用状況 今年度の X 線室の利用状況を図 5 と図 6 に示した 図 5 は棒グラフが利用件数であり 折れ線グラフが利用時間である Ultima と RINT は 12 月に顕著に利用件数 利用時間が多くなっている 利用区分比率から 卒業研究での利用が大半であることがわかる おわりに 今年度は大きな機器のトラブルがなかった 来年度も機器の保守に力を入れていきたい 利用件数 ( 件 35 30 25 20 15 10 5 0 Supermini RINT Ultima 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 使用月 ( 月 80.00 70.00 60.00 50.00 40.00 30.00 20.00 10.00 0.00 利用時間 ( h 図 5 X 線室の月別利用件数と利用時間 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図 6 X 線室の利用区分比率 Ultima RINT Supermini Ultima RINT Supermini 学生実験卒業研究専攻科実験教職員研究依頼研究学校行事その他 35
3.6 ネットワーク管理室 岩渕祐一 学生の WiFi 接続も電子申請へ (1 認証方式を inetsec へ移行昨年にネットワークが更新され 教職員及び学生の無線 LAN 接続が校内全域へと再構築が進められた 学生による接続に対しては セキュリティー確保のために LAN の切り分け及び個人認証を管理する GoNET が導入された しかし 校舎内の WiFi 網を増備するため 寮にバッファロー社の AP の設置が図られ MAC アドレスフィルタリングをアライドテレシス社製 AP が当初の管理ツールで実施することができなくなる 従前より inetsec システムによる考えもあり 校内の WiFi 接続は電子申請の手続きの軽減もされる inetsec 管理を実施した (2WiFi からの電子申請学生による電子申請の方法を以下に示す 学生はワイヤレスネットワークを検索して 検出された SSID から図 1の必要事項 1. 学籍番号 2. 氏名 3. 学年 所属学科 専攻 4. メールアドレスを記入して 利用申請ボタンを押す ただし 3 つの制限が設けられている 接続機器は一人 1 台までとし パソコンまたはタブレット端末に限る ( スマートフォン ゲーム機不可 学校での授業に関すること以外への利用禁止 申請した本人のみが使用することとし 図 1 WiFi からの申請画面他の学生との端末の貸借はしない 上記の利用申請がされると 登録完了までメールにて手続きが行われる (ⅰ ネットワーク管理室側からは 9 項目からなる誓約書の校内ルールに従って 校内無線 LAN を利用する旨の確認メールを学生に送信する 遵守することの出来る学生は 所属 ( 年組 学科 専攻 学籍番号 氏名を入力し, ネットワーク管理室のメールアドレスへ返信する (ⅱ ネットワーク管理室はこの誓約書の返信を受けて 許可設定を行う 学生へ接続許可手続きが完了し 校内無線 LAN に接続可能であり プロキシのアドレスとこの設定方法を示したメールを送信する ( 教職員の場合も台数制限や誓約書は無く 同様の手続きにて承認される 以上 簡単ではあるが校内無線 LAN の近況を報告する 36