( サイトウリュウタ ) 株式会社サーチフィールド取締役 FAAVO 事業部責任者 ( 東京都 ) 1984 年生まれ 宮崎県宮崎市出身 法政大学人間環境学部卒業後 株式会社 USEN に入社 有線放送 web 商材などの営業職を経験後 株式会社サーチフィールド創業に参画 イラスト制作のディレクターを経て 2012 年地域 クラウドファンディング FAAVO をリリース 2016 年 1 月現在 全国 51 エリアで展開中 1 2 3 4 5 6 1
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地域にチャレンジを称賛する文化を 地域 クラウドファンディングのサービスを行っています FAAVO の齋藤です 地域出身者にターゲットを当てたビジネスを行っています 最初にキーワードをもってきました デジタル世代 地方創生 = クラウド クラウドという言葉が今後大事になってくると思います クラウドには 2 つの意味があり 雲の意味のクラウド (Cloud) つまり雲のように場所を選ばないという意味と 群衆 (Crowd) という意味合いがあります 多くの人たちの力が結集して 1 つの大きな物事ができる時代になってきていると思います FAAVO を始めたのはおよそ 4 年前です 地域を盛り上げるプロジェクトに特化した購入型クラウドファンディングサービスを行っています 地域にチャレンジが賞賛される文化を作りたいと思っています ポイントなのはチャレンジが必ずしも成功しなくてもよいこと 地域の中で 1 つでも多くのアイデアが地域の方に支援されながら出来上がっていく そんなチャレンジを称賛する地域が少しでも多く増えてほしいと思っています クラウドファンディングとは 群衆と資金調達という言葉を組み合わせた造語です インターネットを使って不特定多数の方から少しずつ資金を集めるものですが 寄付とは異なります 市場規模は世界でまだ 2 兆円ほど 日本では 33 億円ほどの小さな市場です クラウドファンディングに類似したものの例として 熊本城の一口城主制度やお祭りのときの名前入りの提灯や神社の芳名板もクラウドファンディングの一種になると思います 今クラウドファンディングの盛り上がっている理由として インターネットを使って 多くの人から少しずつお金を集めやすくなったためと言われています 日本で一番大きいもので 1 プロジェクト 4500 万円 一方のアメリカでは 1 つのプロジェクトで最大 23 億円と規模には差がありますが 少額ずつ多くの方から集めていることがクラウドファンディングの特徴です クラウドファンディングの累計は大きく分けて 3 つあり 支援した人にどういったものを返すかで分類されています 寄付型と呼ばれるものはお返しが全くないものです 一方 現在盛り上がっている購入型は モノやサービス 権利で返すものです 金融型は融資や匿名のファンドを形成する投資ファンド型 また これから株式投資みたいな形もこれからできてくると言われています 日本での購入型クラウドファンディングの規模は 20 億円規模 2015 年度には 33 億円ほどで 東日本大震災以後に急激に普及しました 日本でも多数のプラットフォームが増え アイデアを起こしたい人がチャレンジしやすい環境になってきているとともに 適切なプラットフォームを選択できるようになってきていると思います 以前と比較して 簡単に情報発信ができるようになったこと スマホやクレジットカードなど決裁が簡単になったこと そして SNS 等で個人の力で簡単に拡散できるようになったことでインターネットを通じた資金調達が個人でも簡単にできるようになりました 地域の方々のアイデアをクラウドファンディングサイトに投稿しユーザーが気に入ったプロジェクトに資金を投資する FAAVO の購入型クラウドファンディングには基本的なルールは 2 つありまして 1 つは必ずお返しを設定すること もう 1 つはオールオアナッシング ( 目標金額に達しないと全くお金が得られない ) ということです 集まった金額でプロジェクトを始める方式もありますが 地域にアイデアを出す人が増えましたが プロジェクトを最後までやり抜ける人がまだ少ないため 地域の課題の解決を 1 つの主眼に置き あえて地元には厳しいこのようなルールを設定しています FAAVO のコンセプトは地域の らしさ を誰もが楽しめる社会をつくることです 地元を離れると地元との関係はどんどん希薄になっていきます 正月とお盆に帰省するだけでは 現地でビジネスの話をする機会はなく 今自分が住んでいる場所のコミュニティと地元のコミュニティの重要度が逆転する現象が U 8
ターンや I ターンを阻害していると感じています FAAVO では その現地のコミュニティをオンライン上で作り上げていけないかと考えています 一度出てしまった地方出身者が地元と新しい関係を再構築することを目指すチャレンジと捉えています 地元と新しい関係を構築することで地元との関係値が貯まり その先に移住があると考えており この地元との溝を FAAVO が埋めたいと思います FAAVO として クラウドファンディングはファーストステップと考えていまして 将来的にはで仕事や雇用にまでひろげていきたいと思います 地域でプレーヤーがアイデアを出してもらい その地域出身の方がお金を出し支援する形を明確に作っていきたいと思います 実際のクラウドファンディングの例として 宮崎県日南市の飫肥杉 ( おびすぎ ) を使った工芸品を補助金 0 で海外に売り出して行こうとしたプロジェクトがあります 日南市では昔は杉を使った造船業で栄えていましたが 木造の船が使われなくなり 地域の林業が衰退して若者が流出してしまった そこで市が間伐材を使用して 飫肥杉デザイン を始めました しかし デザインは非常に良かったのですが 職人の手作業での作成だったこともあり高く また販路開拓が不十分であったため 売れていない状況でした そんな中 地域外の よそもの が世界に勝手に発信するようになると 海外から問合せがひっきりなしにくるようになったことがこのプロジェクトの始まりです 補助金 0 でニューヨーク進出を目指してクラウドファンディングを始め 結果 325 万円を集め ニューヨークの最大のギフト展に出展しました また岐阜県の飛騨高山では 遊休施設を利用したコワーキングスペースの立ち上げプロジェクトがありました クラウドファンディングは資金を集める側面が注目されますが プロジェクトの仲間を作れるという面もあります 本プロジェクトでは お返しにオープニングパーティへの参加権や施設の利用権を設定することで オープニングの利用客を獲得することに繋がりました 現地の人になじみがある地区で立ち上げを行ったことが 地元の人や地元出身者からの出資が集まったことが成功要因だと思います 岐阜県関市の大太刀の 蛍丸 プロジェクトは 話題になり 4500 万円集まりました クラウドファンディングでは資金を集めるためにはストーリーが大事といわれていて 本プロジェクトはアニメで話題になったことに加え 昔戦場で刃こぼれした刀を持ち帰ると 寝ている間に蛍が集まって刀を直したという伝説になぞらえて 自分たちも蛍になりたいという声がツイッター上で広がり 支援者が集まりました FAAVO では エリアオーナー制 すなわち現地に根差したローカル企業に運営をお任せする方式も行っています オーナーには新聞社や老舗企業やベンチャー NPO また最近は金融機関も増えています 例えばひだ信用組合では面白いプロジェクトをやっていまして 近年複雑化して融資判断が難しくなっていますが まずクラウドファンディングのサイトに載せてみて 融資前のニーズの判断に使うなどクラウドファンディングを与信判断にも使っています また自治体がオーナーになっているところもあり 例えば福井県鯖江市があります 市役所に窓口があり 自治体が一部負担しているため 手数料が安く設定されています 自治体自体の事業をクラウドファンディング化している例もあります 本部の存在感がいい意味で薄くなってきていまして 本部は地元でクラウドファンディングを活性化してくれている各エリアオーナーの集合体となっていければと思っています 9