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0. はじめに 当院でこれまで行ってきたメディカルチェックでは 野球選手のケガに対するアンケート調査も行 ってきました (P.4 表 1 参照 ) アンケート調査で 肘 ( ひじ ) の痛みを訴えていた選手は 高校生で 86.7% 小学生で 41.1% でした また 小学生に対しては 超音波 ( エ

10035 I-O1-6 一般 1 体外衝撃波 2 月 8 日 ( 金 ) 09:00 ~ 09:49 第 2 会場 I-M1-7 主題 1 基礎 (fresh cadaver を用いた肘関節の教育と研究 ) 2 月 8 日 ( 金 ) 9:00 ~ 10:12 第 1 会場 10037

(4) 最小侵襲の手術手技である関節鏡視下手術の技術を活かし 加齢に伴う変性疾患に も対応 前述したようにスポーツ整形外科のスタッフは 日頃より関節鏡手技のトレーニングを積み重ねおります その為 スポーツ外傷 障害以外でも鏡視下手術の適応になる疾患 ( 加齢変性に伴う膝の半月板損傷や肩の腱板断裂など

5 月 22 日 2 手関節の疾患と外傷 GIO: 手関節の疾患と外傷について学ぶ SBO: 1. 手関節の診察法を説明できる 手関節の機能解剖を説明できる 前腕遠位部骨折について説明できる 4. 手根管症候群について説明できる 5 月 29 日 2 肘関節の疾患と外傷 GIO: 肘関節の構成と外側

第 43 回日本肩関節学会 第 13 回肩の運動機能研究会演題採択結果一覧 2/14 ページ / ポスター会場 第 43 回日本肩関節学会 ポスター 運動解析 P / ポスター会場 第 43 回日本肩関節学

の内外幅は考慮されず 側面像での高さのみで分類されているため正確な評価ができない O Driscoll は CT 画像を用いて骨片の解剖学的な位置に基づいた新しい鉤状突起骨折の分類を提案した この中で鉤状突起骨折は 先端骨折 前内側関節骨折 基部骨折 の 3 型に分類され 先端骨折はさらに 2mm

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骨・関節を“診る”サブノート

原因は不明ですが 女性に多く 手首の骨折後や重労働を行う人に多く見られます 治療は安静や飲み薬で経過を見ますが しびれが良くならない場合 当科では 小さな傷で神 経の圧迫をとる手術を行っており 傷は 3 ヶ月ぐらい経過するとほとんど目立ちません 手術 時間は約 30 分程度ですが 抜糸するのに約 1

P26 3. 肩関節複合体の関節運動肩複合体の関節運動 P27 図 15 P28 4. 肩関節複合体の運動に関与する筋肩複合体の運動に関与する筋 P28 (2) 下制 3 行目 鎖骨下神経 鎖骨下筋神経 P28 下から 1 行目長筋神経長胸神経 P29 図 17 ( 誤 ) 2

かかわらず 軟骨組織や関節包が烏口突起と鎖骨の間に存在したものを烏口鎖骨関節と定義する それらの出現頻度は0.04~30.0% とされ 研究手法によりその頻度には相違がみられる しかしながら 我々は骨の肥厚や軟骨組織が存在しないにも関わらず 烏口突起と鎖骨の間に烏口鎖骨靭帯と筋膜で囲まれた小さな空隙

本研究の目的は, 方形回内筋の浅頭と深頭の形態と両頭への前骨間神経の神経支配のパターンを明らかにすることである < 対象と方法 > 本研究には東京医科歯科大学解剖実習体 26 体 46 側 ( 男性 7 名, 女性 19 名, 平均年齢 76.7 歳 ) を使用した 観察には実体顕微鏡を用いた 方形

対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復

運動器検診マニュアル(表紙~本文)

46 図L 受傷時の肩関節の外観 肩甲上腕関節部に陥凹がみられる 矢印 a b C 図2 受傷時の単純X線像 a 正面像 肩甲上腕関節裂隙の開大 vacant glenoid sign 上腕骨頭の内旋 light bulb 肩甲骨 前縁と上腕骨頭距離の開大 rim sign がみられた b 軸写像

関節リウマチ関節症関節炎 ( 肘機能スコア参考 参照 ) カルテNo. I. 疼痛 (3 ) 患者名 : 男女 歳 疾患名 ( 右左 ) 3 25 合併症 : 軽度 2 術 名 : 中等度 高度 手術年月日 年 月 日 利き手 : 右左 II. 機能 (2 ) [A]+[B] 日常作に

椎間板の一部が突出した状態が椎間板ヘルニアです 腰痛やあしに痛みがあります あしのしびれやまひがある場合 要注意です 対応 : 激しい運動を控えましょう 痛みが持続するようであれば 整形外科専門医を受診して 検査を受けましょう * 終板障害 成長期では ヘルニアとともに骨の一部も突出し ヘルニア同様

TheShoulderJoint,2005;Vol.29,No.3: はじめに a 転位骨片を伴う関節窩骨折に対しては直視下に整復, 内固定を施行した報告が多いが, 鏡視下での整復固定の報告は比較的稀である. 今回我々は転位骨片を伴う関節窩骨折に腋窩神経麻痺を合併した1 例に対し,

CONTENTS はじめに 3 必修問題 7 第 14 回 8 第 15 回 13 第 16 回 19 第 17 回 25 第 18 回 31 第 19 回 37 第 20 回 43 第 21 回 49 第 22 回 56 第 23 回 63 解剖学 71 第 13 回 72 第 14 回 79 第

Ⅰ はじめに 柔道整復師が取り扱う骨折や脱臼などの外傷の治療の基本原則は非観血的療法である その中で通常は 観血的療法の適応となる外傷でも非観血的療法を行なう場合がある 今回は 観血的療法を選択すること が多い中手指節関節 以下 MCP関節 脱臼を伴った示指基節骨骨折に対し非観血的療法を行った症例を

第2回神戸市サッカー協会医科学講習会(PDF)F.pptx

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末梢神経障害

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上腕骨小頭離断性骨軟骨炎に続発した変形性肘関節症に対する手術療法 表 症例の内訳 症例年齢性別スポーツ歴 術前肘関節可動域 術前 JOA-JES score* 5 男野球 0 年 - 5/ 男野球 6 年 - 8/ 男野球 8 年 - 9/ 女バレーボー

靭帯付 関節モデル ( 全 PVC 製 ) AS-6~AS-12 骨格の靭帯部分を 個別関節モデルとしてお買い求め頂けます 弊社カタログでは多くの選択肢の提案に努めています ご希望に合わせてお選び下さい ( 経済型関節モデル靭帯付 AJ-1~7 も良品です )

神経叢 ) と ( 鎖骨下動脈 ) が通過する 4 鎖骨下動脈 subclavian artery は 右は( 腕頭動脈 ) から起こり 左は ( 大動脈弓 ) から起こる 5 甲状頸動脈の枝として 不適切なものを選べ 肩甲背動脈 肩甲上動脈 下甲状腺動脈 上行頸動脈 頸横動脈 6 鎖骨下動脈の枝を

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保発第 号

膝関節鏡

膝蓋大腿関節 (PFJ) と大腿脛骨関節 (FTJ) Femur Tibia Patella

足関節

2 このなかでも 運動機能不全が最初に起き るということでしょうか? 投球動作が繰り返されることによっ て 肩関節あるいは全身的な機能低下が生 じてきますよね それにプラスして 硬さ あるいは不安定性が加味されてくるのだと 思います つまり 繰り返される動作によ って 機能不全だけではなく 肩の中で

よくわかる野球肘 肘の内側部障害 病態と対応 - ダウンロード, PDF オンラインで読む

m A, m w T w m m W w m m w K w m m Ⅰはじめに 中手指節関節 以下 MP関節屈曲位でギプス固定を行い その直後から固定下で積極的に手指遠位指 節間関節 以下 DI P関節 近位指節間関節 以下 PI P関節の自動屈伸運動を行う早期運動療法 以下 ナックルキャストは

選考会実施種目 強化指定標準記録 ( 女子 / 肢体不自由 視覚障がい ) 選考会実施種目 ( 選考会参加標準記録あり ) トラック 100m 200m 400m 800m 1500m T T T T33/34 24

スポーツ傷害とは? 傷害 = 外傷 + 障害 スポーツ外傷 = ケガ ただ1 回の受傷により発症 ( 骨折, 脱臼, 捻挫など ) スポーツ障害 = 故障 小外傷の反復で発症 ( 疲労骨折, 腱 腱付着部など ) 2

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短縮転位 尺側転位が軽度であるが改善され た ( 写真 5) 2 週後短縮転位が確認された [ 症例 3 左橈骨遠位端骨折 ] 14 歳女性負傷日 H Pm01:00 初検日 H Pm05:20 原因 : 柔道大会で相手を投げた際 道着に巻き込み 相手に乗られ負傷 腫脹中

2 片脚での体重支持 ( 立脚中期, 立脚終期 ) 60 3 下肢の振り出し ( 前遊脚期, 遊脚初期, 遊脚中期, 遊脚終期 ) 64 第 3 章ケーススタディ ❶ 変形性股関節症ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Key words: 肩腱板損傷 / 肩関節周囲炎 / リハビリテーション / 疼痛誘発テスト / 超音波検査要旨Jpn J Rehabil Med 2017;54: 特集 運動器リハビリテーションに必須の評価法と活用法 û 肩関節痛のリハビリテーションに必須な評価法と活用法 The

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原著論文 肩関節屈曲による交互滑車運動器使用時における肩甲骨の動きからみた肩甲上腕リズムの検討 寒川貴雄 (RPT) 1) 成末友祐 (RPT) 2) 新枝誠人 (RPT) 1) 原田貴志 (RPT) 1) 澤近知代 (RPT) 3) Key Word 交互滑車運動器 肩関節屈曲 肩甲骨の動き 肩甲

358 理学療法科学第 23 巻 3 号 I. はじめに今回は, 特にスポーツ外傷 障害の多い肩関節と膝関節について, 各疾患の診断を行ううえで重要な整形外科徒手検査法と徴候を中心に述べるので, 疾患については特に説明を加えないので, 成書を参照すること 1. 非外傷性肩関節不安定症 1 sulcu

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

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肩関節第35巻第3号

6 腰椎用エクササイズパッケージ a. スポーツ選手の筋々膜性腰痛症 ワイパー運動 ワイパー運動 では 股関節の内外旋を繰り返すことにより 大腿骨頭の前後方向への可動範囲を拡大します 1. 基本姿勢から両下肢を伸展します 2. 踵を支店に 両股関節の内旋 外旋を繰り返します 3. 大腿骨頭の前後の移

仰向け 三大指標の検査 ( 僧帽筋 C2 横突起 関節突起 後頭骨 ) 五十肩の指標検査 立位 バンザイ検査 DRT 的 五十肩とは? 肩関節が外旋 進展してぐっと行ってしまったのが 肩関節の捻挫 ( 五十肩 ) 肩関節の周辺の筋肉 筋膜に断裂 損傷が起きた状態 その断裂 損傷の度合いによって 症状

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3. 肘関節 屈曲 : 基本軸は上腕骨 移動軸は橈骨 前腕が肩に近づく動き 伸展 : 基本軸は上腕骨 移動軸は橈骨 前腕が肩から遠ざかる動き 前腕は回外位で検査 肘関節伸展位 前腕回外位で前腕が橈側に偏位する ( 生理的外反肘 肘角 ) 他覚所見として外反( 内反 ) ストレス時疼痛 屈曲 ( 伸展

整形外科手外科疾患診療の紹介 治療は軽症では手根管ブロック 装具治療 重症では手術を行います 手術には手根管開放術と母指対立再建術があります ほとんどの場合 神経の圧迫を取り除く 手根管開放術を行います 母指球筋の委縮があり つまみ動作が不自由な場合は母指対立再建術を同時に行います 手根管開放術 :

[ 骨損傷の分類 (1) 外傷性骨折 正常な骨に外力が作用して骨組織の連続性が完全にまたは部分的に離断されたもの (2) 疲労性骨折 比較的軽度な負荷が繰り返し加わって発生下肢の疲労骨折は 10 代に好発 (16 歳にピークがある ) 中足骨 脛骨 腓骨 肋骨などに発生 (3) 病的骨折 骨に基礎疾

ピッチング ( 投球 ) のバイオメカニクス ピッチングに関連する傷害は オーバーユースに起因していると考えられています 1 オーバーユースに伴う筋肉疲労により 運動で発生したエネルギー ( 負荷 ) を吸収する能力が低下します 2 つまり本来吸収されるべきエネルギーは 関節や他の軟部組織 ( 筋肉

保存療法に抵抗する上腕骨内側上顆炎に対し手術療法を行った 3 例 表 1 症例のまとめ 症例 No 手術時年齢 患側 ( 利き腕 ) 右 ( 右 ) 両側 ( 右 ) 右 ( 右 ) 職業雑貨販売郵便局員運送業 スポーツ活動ゴルフ野球水泳 既往歴 高血圧症高脂血症 高

問題 5 55 歳の女性.5 年前に右肩関節周囲炎の既往がある. 約 1か月前に階段を踏みはずし右肩を強打した. 以来, 運動痛, 夜間痛が持続している. 肩関節は他動的に挙上可能であるが, 自動的には外側挙上は45 度までにとどまる 最も考えられる疾患名はどれか. 1. 五十肩 2. 上腕骨骨頭骨

目 次 第 1 章肩の解剖学 1 第 1 節総論... 1 第 2 節肩の骨格... 2 第 3 節肩に関連する筋の解剖学 第 1 項肩甲骨 鎖骨に関連する筋 第 2 項肩関節に関連する筋 第 3 項肘関節に関連する筋 第 4 項体幹に関連する筋...

図 1-2 上腕骨の骨形態 a: 右上腕骨を上方からみたところ. b: 右上腕骨を外側よりみたところ. 上腕骨近位外側には大結節ならびに小結節という骨隆起が存在し, 結節間溝によって分けられる. 大結節は, その向きによって上面, 中面, 下面とよばれる 3 面に分けられる. く, 不安定である.

研究成果報告書

syndrome と呼んだ 4) 典型的な神経所見から診断が比較的容易な症例もあるが 軽症例から重症例まで神経所見は多彩であり 臨床症状からだけでは診断に苦慮する症例も少なくない 3) 親指から薬指半分までの手のひらのシビレや痛みで特に夜間や手を使用した後に悪化する しびれは手を振ると改善するようで

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浅井正孝先生お別れの会に出席して

整形外科後期臨床研修プログラム

桜町病院対応病名小分類別 診療科別 手術数 (2017/04/ /03/31) D12 D39 Ⅳ G64 女性生殖器の性状不詳又は不明の新生物 D48 その他及び部位不明の性状不詳又は不明の新生物 Ⅲ 総数 構成比 (%) 該当無し Ⅰ 感染症及び寄生虫症 Ⅱ 新生物 C54 子宮体部

2015 年度手術のうちわけ ( 実績 ) セキツイ脊椎 ナンブソシキ軟部組織 椎間板摘出術 35 アキレス腱断裂手術 40 内視鏡下椎間板摘出 4 腱鞘切開術 ( 関節鏡下によるものを含む ) 0 シュコンカン 脊椎固定術 椎弓切除術 椎弓形成術 ( 多椎間又は多椎弓の場合を含む )( 椎弓形成

足部について

退院患者数 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 合計 24 年度 年度

(Carpus. Wikipedia Kienbock は外傷後の月状骨軟化症の X 線所見と臨床症状を詳細に報告した 彼は 外力により月状骨の血行が途絶 軟化 圧壊すると考えた 以来 Kienbock 病の病因に関しては大き

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リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

2002 年 2 月 28 日 特集骨軟部画像診断のポイント 総説 スポーツ障害 入江健夫土肥美智子福田国彦 東京慈恵会医科大学放射線医学講座 lrie, Dohi, F 叫 <uda Radiology, Th 巴 J ike i はじめに スポーツ傷害は 直接的傷害 (direct 的傷害 (i

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手首が痛い! 使いすぎなのか!? 仕事でパソコンを頻繁に使う 美容師や理容師ではさみを頻繁に使う 料理で包丁を頻繁に使う 演奏 裁縫 趣味など 手先を使う仕事やスポーツを行い 手首が痛い と訴えるほとんどの患者さんは 普通の人より手先を使うこが多いため 腱鞘炎は 使いすぎ によるといわれています 確

骨端線損傷を伴った小児寛骨臼骨折の治療経験 札幌医大救命救急センター 整形外科 塩崎彰 入船秀仁 小林拓馬 宮川健 土田芳彦 目的 骨端線損傷を合併した小児寛骨臼骨折の稀な 1 例を経験したのでこれを報告する 症例 症例は 11 歳男児である 横断歩道横断中にオートバイにはねられて受傷し 高エネルギ

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難治性上腕骨外側上顆炎に対する直視下手術と鏡視下手術の治療成績 と伸筋群の変性範囲が一致しているか, さらに外側上顆, 橈骨頭との関係を調査した ( 図 1c). 以上の操作の後, 直視下群は Nirschl 法に準じ, 肘関節外側に約 5 センチの孤状切開を加え, 長橈側手根伸筋 ( 以下 ECR

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1 聖 マリアンナ 医 科 大 学 整 形 外 科 代 表 教 授 で 日 本 テニス 協 会 の 医 事 委 員 長 その 後 ドク ター トレーナー 部 会 長 を 務 める 別 府 先 生 は ご 自 身 もテニス 歴 が 長 く テニス 競 技 にも 通 じておられる ここでは 多 くは 保

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2012 年度リハビリテーション科勉強会 4/5 ACL 術後 症例検討 高田 5/10 肩関節前方脱臼 症例検討 梅本 5/17 右鼠径部痛症候群 右足関節不安定症 左変形性膝関節症 症例検討 北田 月田 新井 6/7 第 47 回日本理学療法学術大会 運動器シンポジウム投球動作からみ肩関節機能

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整形外科プライマリケアの対象 * 痛みプライマリケアの痛みを知れば誤診が防げる * しびれ * 小児整形外科 * 骨粗鬆症 * 外傷 など手術を必要としない疾患で整形外科の患者の 90% 以上を扱う

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であった まず 全ての膝を肉眼解剖による解析を行った さらに 全ての膝の中から 6 膝を選定し 組織学的研究を行った 肉眼解剖学的研究 膝の標本は 8% のホルマリンで固定し 30% のエタノールにて保存した まず 軟部組織を残し 大腿骨遠位 1/3 脛骨近位 1/3 で切り落とした 皮膚と皮下の軟

Transcription:

野球におけるにおけるスポーツスポーツ障害 1. 関節障害 2. 神経障害 3. 血行障害 東海大学スポーツ医科学研究所中村豊 肘関節 手の目的動作を可能にするための関節である 上肢全体を短縮することや一直線に伸張すること ( 肘関節の屈曲と伸展 ) で手に 3 次元的空間を提供する 手の精巧な動き 力強い動きに対して支持性を与えている 構成構成 3 つの関節関節からなるからなる複合関節であるである 腕尺関節腕橈関節近位橈尺関節 関節腔関節腔は 20~30 30ml と小さいさい 1

肘関節構造 肘関節にはには 2 つの主な靭帯 ( 内側側副靱帯 外側側副靭帯 ) と 5 つの筋肉筋肉が関与関与しているしている 3 つは屈筋屈筋 2 つは伸筋伸筋であるである 肘関節構造 後方より 前方より 骨性連結の割合割合は少なくなく それぞれの複合関節の形複合関節状が異なるなる 2

3 肘関節構造肘関節構造肘関節構造肘関節構造肘関節構造肘関節構造肘関節構造肘関節構造 腕尺関節は兆番関節で一つの軸を中心に稼働する 伸展 : 肘頭窩に肘頭先端が衝突し過伸展を防いでいる 屈曲 : 鈎突窩に鈎状突起の先端が衝突し屈曲が停止する 可動範囲 : 伸展 ;0 度屈曲 ;140 度投球投球投球投球フォームフォームフォームフォーム分析分析分析分析投球投球投球投球フォームフォームフォームフォーム分析分析分析分析 1. ワインドアップワインドアップワインドアップワインドアップ期 (Wind-up): 腕を身体身体身体身体よりよりよりより後ろでろでろでろで振りかぶりりかぶりりかぶりりかぶり動作で 手首手首手首手首を返す前までのまでのまでのまでの動作動作動作動作 2. コッキングコッキングコッキングコッキング期 (Cocking): 早期早期早期早期ー手首手首手首手首を返し始めるめるめるめる時期時期時期時期後期後期後期後期ー手首手首手首手首を返してしてしてして腕を振り出すまでのすまでのすまでのすまでの動作動作動作動作 3. 加速期加速期加速期加速期 (Acceleration): 腕を振り出してしてしてして ボールボールボールボールを放すますますますまでのでのでのでの動作動作動作動作 4. フォロースルーフォロースルーフォロースルーフォロースルー期 (Follow through): ボールボールボールボールがリリースリリースリリースリリースされてされてされてされて 腕が振り収まるまるまるまる動作動作動作動作 4 4 2, 3 1 1 2, 3

4 投球投球投球投球フォームフォームフォームフォーム解析解析解析解析投球投球投球投球フォームフォームフォームフォーム解析解析解析解析加速期加速期加速期加速期に肘へのへのへのへの負担負担負担負担が高い! ボールリリースボールリリースボールリリースボールリリース直前直前直前直前に内側内側内側内側へ伸展張力展張力展張力展張力 外側外側外側外側へ圧迫力圧迫力圧迫力圧迫力が加わる! 投球時投球時投球時投球時におけるにおけるにおけるにおける上肢上肢上肢上肢の筋活動筋活動筋活動筋活動投球時投球時投球時投球時におけるにおけるにおけるにおける上肢上肢上肢上肢の筋活動筋活動筋活動筋活動大学ピッチャーは加速期に限局して筋活動がみられる 2 年経験のピッチャー (12 歳 ) 大学野球ピッチャー

小児の投球投球におけるにおける筋活動 すべての投球 Phase において筋活動が見られる 発育期の骨成長 成長期の骨は軟骨部分があり X 線検査では描出できない部分がある 肘関節部の骨端核が骨化して X 線上に描出され始める時期 ( 年齢 ) がある 描出されない時期では 軟骨部分の画像診断は困難である 外上顆核 11 小頭核 2 橈骨骨骨骨頭核 6 南出現閉鎖 上腕骨小頭 4.5 ---- 5m 12---- ----14y 橈骨頭 5.5----- -----8y 14---- ----16y 内側上顆 4y7m--- ---9y 13---- ----16y 滑車 10---- 12y 14---- ----16y 肘頭 10----- -----12y 14---- ----16y 外側上顆 11----- -----13y 13---- ----16y 内上顆核 7 上腕滑車核 8~11 肘頭核 10~2 出現 Lanz 閉鎖 1y 13---- ----16y 5---7y 14---- ----18y 5y 14---- ----18y 12y 14---- ----18y 8----12y 13---- ----17y 11--- ---13y 14---- ----16y 5

肘関節の X 線像 正面 側面 正常の肘関節の X 線像 : 関節裂隙は透亮像として描出されている R は右側を示す 内側上顆の肥大 X 線の左右比較で 投球側の右側に内側上顆の肥大が見られる 6

内側上顆の分節 内側上顆に肥大が見られると共に 分節 硬化の像が観察される 肘頭部の骨棘 上腕三頭筋の付着部である肘頭部に骨増殖像を認める 7

上腕骨小頭の透亮像 上腕骨小頭部分に骨梁構造が欠落した透亮像が見られる 野球肘 肘内側投球障害肘内側投球障害 1. 屈筋 回内筋損傷 2. 内上顆炎 ( 内側テニス肘 逆テニス肘 ) 3. 内側側副靱帯損傷 肘外側投球障害肘外側投球障害 1. 上腕骨外上顆炎 2. 上腕骨小頭離断性骨軟骨炎 肘関節後方障害肘関節後方障害 1. 上腕三頭筋腱炎 2. 上腕三頭筋腱剥離骨折 8

離断性骨軟骨炎の治療 骨釘移植後 4 年 3 ヶ月の経過で 改善が得られている 離断性骨軟骨炎 橈骨頭軟骨面 上腕骨小頭軟骨面の軟骨変性 小頭部の軟骨に小指頭大の軟骨変性を認める 9

離断性骨軟骨炎の経過 骨釘移植術後 術後 8 年で病巣部分の変形を残すが 安定が得られている 関節遊離体 上腕骨小頭軟骨面 橈骨頭軟骨面 関節遊離体 腕橈関節裂隙の小豆大の関節遊離体を認める 10

投球制限 Adams 1 野球シーズンを短期間にする 2 投手は骨端線が閉じるまでは 1 試合 2 イニングスの投球に制限する 3 変化球の禁止 4 little league 9~10 歳群 11~12 歳群に分ける (13 歳以上は pony league ) Larson 11 1 週間に 6 イニングス 21 日 4 イニングス以上投げれば 3 日間の休養 34 イニングス以下ならば 1 日の休養 11

投球障害 外反 伸展負荷過剰による障害外反 伸展負荷過剰による障害 1. 肘関節後方 後内側が障害を受ける 2. 外反や伸展ストレスが肘頭窩にインピンジメント ( 狭窄 ) を起こをし 痛みを生じる 痛みはリリース期や減速期に生じる 伸展に伴って 肘頭内側は窩部後内部でインピンジメントを生じる 尺側側側側副靭帯の伸展副靭帯の伸展によって外反動揺が生じ 投球メカニズムが変化して障害を起こす 肩関節の投球障害 投球肩は投球を障害する病変の総称で 様々な症状をもつ症候群である 病態 オーバーユース 急性 慢性外傷 肩関節 ( 亜 ) 脱臼 肩甲下滑液包炎 関節炎 腱板炎 腱板損傷 ベネット病変 上腕二頭筋長頭筋炎 関節軟骨損傷 (SLAP) 離断性骨軟骨炎 肩甲上神経障害 リトルリーガー肩 ( 上腕骨近位骨端線離開 ) など 12

13 神経合併損傷神経合併損傷神経合併損傷神経合併損傷神経合併損傷神経合併損傷神経合併損傷神経合併損傷 1) 1) 腋窩神経麻痺腋窩神経麻痺腋窩神経麻痺腋窩神経麻痺腋窩神経麻痺腋窩神経麻痺腋窩神経麻痺腋窩神経麻痺 : 上肢上肢上肢上肢の挙上制限挙上制限挙上制限挙上制限上肢上肢上肢上肢の挙上制限挙上制限挙上制限挙上制限三角筋麻痺三角筋麻痺三角筋麻痺三角筋麻痺三角筋麻痺三角筋麻痺三角筋麻痺三角筋麻痺小円筋麻痺小円筋麻痺小円筋麻痺小円筋麻痺小円筋麻痺小円筋麻痺小円筋麻痺小円筋麻痺 2) 2) 橈骨神経麻痺橈骨神経麻痺橈骨神経麻痺橈骨神経麻痺橈骨神経麻痺橈骨神経麻痺橈骨神経麻痺橈骨神経麻痺 : 下垂手下垂手下垂手下垂手下垂手下垂手下垂手下垂手手首手首手首手首の伸展不能伸展不能伸展不能伸展不能手首手首手首手首の伸展不能伸展不能伸展不能伸展不能手指伸展不能手指伸展不能手指伸展不能手指伸展不能手指伸展不能手指伸展不能手指伸展不能手指伸展不能 3) 3) 正中神経麻痺正中神経麻痺正中神経麻痺正中神経麻痺正中神経麻痺正中神経麻痺正中神経麻痺正中神経麻痺 : 鷲手鷲手鷲手鷲手鷲手鷲手鷲手鷲手前腕屈筋麻痺前腕屈筋麻痺前腕屈筋麻痺前腕屈筋麻痺前腕屈筋麻痺前腕屈筋麻痺前腕屈筋麻痺前腕屈筋麻痺腋窩神経腋窩神経腋窩神経腋窩神経橈骨神経橈骨神経橈骨神経橈骨神経正中神経正中神経正中神経正中神経肩の関節唇損傷関節唇損傷関節唇損傷関節唇損傷肩の関節唇損傷関節唇損傷関節唇損傷関節唇損傷 SLAP(superior labrum anterior posterior) 病変病変病変病変 [SLAP 病変病変病変病変の分類分類分類分類 ] タイプタイプタイプタイプ 1: 関節唇上方関節唇上方関節唇上方関節唇上方のささくれのささくれのささくれのささくれタイプタイプタイプタイプ 2: 関節唇関節唇関節唇関節唇のささくれとのささくれとのささくれとのささくれと関節関節関節関節窩からのからのからのからの剥離剥離剥離剥離 最も多い タイプタイプタイプタイプ 2a: 関節唇関節唇関節唇関節唇のささくれとのささくれとのささくれとのささくれと関節関節関節関節窩からのからのからのからの部分剥離部分剥離部分剥離部分剥離 タイプタイプタイプタイプ 2b: 関節窩関節窩関節窩関節窩からのからのからのからの完全剥離完全剥離完全剥離完全剥離 またはまたはまたはまたは主要部分主要部分主要部分主要部分の断裂断裂断裂断裂 タイプタイプタイプタイプ 3: 上方関節唇上方関節唇上方関節唇上方関節唇のバケツバケツバケツバケツ柄断裂断裂断裂断裂 断裂部分断裂部分断裂部分断裂部分は中央中央中央中央に転移転移転移転移しておりておりておりており 末梢側末梢側末梢側末梢側はつながっているつながっているつながっているつながっている タイプタイプタイプタイプ 4: 上方関節唇上方関節唇上方関節唇上方関節唇のバケツバケツバケツバケツ柄断裂断裂断裂断裂が上腕二頭筋腱内上腕二頭筋腱内上腕二頭筋腱内上腕二頭筋腱内までまでまでまで入り込んでいるんでいるんでいるんでいる

14 13 13 13 13 歳 男子男子男子男子 少年野球選手少年野球選手少年野球選手少年野球選手 ピッチャーピッチャーピッチャーピッチャー 右投右投右投右投げ ( 右利右利右利右利き ) 13 13 13 13 歳 男子男子男子男子 少年野球選手少年野球選手少年野球選手少年野球選手 ピッチャーピッチャーピッチャーピッチャー 右投右投右投右投げ ( 右利右利右利右利き ) 2 ヶ月前月前月前月前よりよりよりより右肩右肩右肩右肩に痛みをみをみをみを覚えるえるえるえる 試合期試合期試合期試合期の夏場夏場夏場夏場になりになりになりになり痛くてくてくてくて投球不可能投球不可能投球不可能投球不可能になになになにな 2 ヶ月前月前月前月前よりよりよりより右肩右肩右肩右肩に痛みをみをみをみを覚えるえるえるえる 試合期試合期試合期試合期の夏場夏場夏場夏場になりになりになりになり痛くてくてくてくて投球不可能投球不可能投球不可能投球不可能になになになになる る 右上腕骨骨端線離開右上腕骨骨端線離開右上腕骨骨端線離開右上腕骨骨端線離開左上腕骨左上腕骨左上腕骨左上腕骨骨端線骨端線骨端線骨端線 ( 健康側健康側健康側健康側 ; 正常正常正常正常 ) 野球野球野球野球肩肩の神経損傷神経損傷神経損傷神経損傷肩の神経損傷神経損傷神経損傷神経損傷腋窩神経損傷肩甲上神経損傷腕神経叢損傷など 肩甲上神経の絞扼性神経損傷は肩甲切痕で生じることが多い 棘窩切痕での障害はガングリオンによることが多い 上肢上肢上肢上肢の内旋運動内旋運動内旋運動内旋運動や肩甲骨肩甲骨肩甲骨肩甲骨の外旋運外旋運外旋運外旋運動で肩甲上神経肩甲上神経肩甲上神経肩甲上神経は伸展伸展伸展伸展されるされるされるされる

腋窩神経麻痺 肩甲上神経 腋窩神経の後枝 Quadrilateral space 腋窩神経麻痺 19 歳 野球選手野球選手 キャッチャー左手 ( 左腕単独 ) でミートバッティングの練習練習を繰り返し練習練習していたしていた 翌日になりになり左上肢左上肢の挙上制限挙上制限に気づく 左上肢の挙上制限挙上制限のためのため捕球捕球ミスを叱責叱責されながらもされながらも練習練習を続けるがけるが 改善が見られずられず医療機関医療機関へ受診受診となる 肩甲上神経麻痺 上肩甲横靭帯 下肩甲横靭帯 解剖解剖 肩甲上神経は肩甲骨外側上縁から肩甲切痕に達する 強靭な上肩甲横靭帯が切痕の屋根を形成している 棘上筋と肩甲上腕関 肩鎖関節に分岐する その後 肩甲棘基部の外側縁を乗り越え内側に方向を変え棘下筋に達する 絞扼部位絞扼部位 肩甲切痕 : 棘上筋 棘下筋の麻痺肩甲棘基部外側縁 : 棘下筋の麻痺 20 歳 男性男性 野球選手棘下筋萎縮下筋萎縮のためにのために肩甲骨部に陥凹陥凹を認める ( ) 15

有鈎骨鈎突起骨折 鈎突起は 細長い突起で手掌方向へ突き出ているため 一般的には転倒時に受傷する事が多い 野球 テニス ゴルフなどではスウィング中に骨折すくことが多い グリップの台座が鈎突起に当たり骨折する 徴候 手関節痛 握力低下突起部の圧痛など 有鈎骨鈎突起骨折 有鈎骨鈎突起骨折 X 線撮影では手根管撮影方向が必要となる CT スキャン MRI などが有力な画像診断となる [ 治療 ] 保存療法 : ギプス固定 手術療法 : アスリートの早期復帰には適応が高い 骨片摘出術 16

17 野球競技野球競技野球競技野球競技におけるにおけるにおけるにおける血行障害血行障害血行障害血行障害野球競技野球競技野球競技野球競技におけるにおけるにおけるにおける血行障害血行障害血行障害血行障害 上肢 ( 投球側 ) 胸郭出口症候群 (Thoracic outlet syndrome) Effort Thrombosis Quadrilateral Space Syndrome 尺骨動脈血栓症 手指血行障害 上肢 ( 捕球側 ) 手指血行障害手指血行障害手指血行障害手指血行障害手指血行障害手指血行障害手指血行障害手指血行障害手指血行障害野球選手野球選手野球選手野球選手の手指血行障害手指血行障害手指血行障害手指血行障害の存在存在存在存在は古くからのくからのくからのくからの指摘指摘指摘指摘がありがありがありがあり 捕球側捕球側捕球側捕球側の血行障害血行障害血行障害血行障害と投球側投球側投球側投球側の血行血行血行血行障害障害障害障害に分けられるけられるけられるけられる 捕球側捕球側捕球側捕球側の血行障害血行障害血行障害血行障害ではではではでは繰り返されるされるされるされるボールボールボールボールの捕球時捕球時捕球時捕球時にかかるにかかるにかかるにかかる手掌部手掌部手掌部手掌部へのへのへのへのストレストレストレストレスからからからから指の中手動脈中手動脈中手動脈中手動脈からからからから固有動脈固有動脈固有動脈固有動脈にかけてにかけてにかけてにかけて血行血行血行血行が障害障害障害障害されるとされるとされるとされると考えられるえられるえられるえられる 冬季冬季冬季冬季にはにはにはにはレイノーレイノーレイノーレイノー現象現象現象現象を自覚自覚自覚自覚するするするする選手選手選手選手も散見散見散見散見されされされされ 寒冷環境寒冷環境寒冷環境寒冷環境ではではではでは外気温外気温外気温外気温の低下低下低下低下に伴い障害指障害指障害指障害指の皮膚温度膚温度膚温度膚温度の低下低下低下低下が観察観察観察観察されるされるされるされる サーモグラフィーサーモグラフィーサーモグラフィーサーモグラフィー画像画像画像画像皮膚温度低下皮膚温度低下皮膚温度低下皮膚温度低下示指の蒼白化過去過去過去過去のは報告報告報告報告ではではではでは外気温外気温外気温外気温が 3~4 に状態状態状態状態では 2~3 時間時間時間時間の練習練習練習練習においてにおいてにおいてにおいて捕球側示指捕球側示指捕球側示指捕球側示指の血行障害部行障害部行障害部行障害部の温度低下温度低下温度低下温度低下は 4~5 程度程度程度程度の低下低下低下低下が観測観測観測観測されたとされたとされたとされたと報告報告報告報告されているされているされているされている またまたまたまた過去過去過去過去の血管血管血管血管造影所見造影所見造影所見造影所見の報告報告報告報告ではではではでは このようなこのようなこのようなこのような捕球側示指捕球側示指捕球側示指捕球側示指の絵血行障害絵血行障害絵血行障害絵血行障害の場合場合場合場合ではではではでは指の固有動脈固有動脈固有動脈固有動脈の閉塞所見塞所見塞所見塞所見などがなどがなどがなどが認められるとのめられるとのめられるとのめられるとの指摘指摘指摘指摘がなされてがなされてがなされてがなされているいるいるいる

19 歳 大学野球部 捕手 1 ヵ月前より捕球側の示指 MP 関節を中心に捕球時の疼痛を覚えるが練習を継続する 2 週間前より疼痛増強し MRI 検査の施行となる 示指 MP 関節部を中心中心に T2 強調像で高信号陰影を認め 炎症性浮腫炎症性浮腫を思わせるわせる 手指血行障害発生頻度 100.0% 90.0% 80.0% なし, 74.9% =602 602) なし, 94.1% =32 32) なし, 74.6% =391 391) なし, 72.8% =179 179) 70.0% 60.0% 50.0% 40.0% 30.0% あり, 25.1% =202 202) あり, 25.4% =133 133) あり, 27.2% =67 67) 20.0% 10.0% あり, 5.9% =2) 0.0% 合計 中学生 高校生 大学生 18

19 守備位置別発生頻度守備位置別発生頻度ありありありあり, 17 17 17 17.7% =42 42 42 42) なしなしなしなし, 82 82 82 82.3% =195 195 195 195) ありありありあり, 29 29 29 29.0% =88 88 88 88) なしなしなしなし, 71 71 71 71.0% =215 215 215 215) ありありありあり, 25 25 25 25.9% =21 21 21 21) なしなしなしなし, 74 74 74 74.1% =60 60 60 60) ありありありあり, 27 27 27 27.9% =51 51 51 51) なしなしなしなし, 72 72 72 72.1% =132 132 132 132) 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 外野手内野手捕手投手 内野守備別内野守備別内野守備別内野守備別ではではではでは遊撃手遊撃手遊撃手遊撃手に多発多発多発多発 次いでいでいでいで 2 塁手塁手塁手塁手 内野守備別内野守備別内野守備別内野守備別ではではではでは遊撃手遊撃手遊撃手遊撃手に多発多発多発多発 次いでいでいでいで 2 塁手塁手塁手塁手 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 50.0% 50.0% 50.0% 50.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 150.0% 150.0% 150.0% 150.0% 200.0% 200.0% 200.0% 200.0% 250.0% 250.0% 250.0% 250.0% 300.0% 300.0% 300.0% 300.0% 母指母指母指母指示指示指示指示指中指中指中指中指環指環指環指環指小指小指小指小指外野手外野手外野手外野手 =42 42 42 42) 内野手内野手内野手内野手 =88 88 88 88) 捕手捕手捕手捕手 =21 21 21 21) 投手投手投手投手 =51 51 51 51) 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 50.0% 50.0% 50.0% 50.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 150.0% 150.0% 150.0% 150.0% 200.0% 200.0% 200.0% 200.0% 250.0% 250.0% 250.0% 250.0% 300.0% 300.0% 300.0% 300.0% 母指母指母指母指示指示指示指示指中指中指中指中指環指環指環指環指小指小指小指小指投球側投球側投球側投球側投球側投球側投球側投球側捕球側捕球側捕球側捕球側捕球側捕球側捕球側捕球側81% 76% 60% 49% 指別血行障害指別血行障害指別血行障害指別血行障害の発生頻度発生頻度発生頻度発生頻度指別血行障害指別血行障害指別血行障害指別血行障害の発生頻度発生頻度発生頻度発生頻度

競技年数別の血行障害発生率 120.0% 100.0% 外野手 =42 42) 内野手 =88 88) 捕手 =21 21) 投手 =51 51) 80.0% 60.0% 40.0% 20.0% 0.0% ~4 年 6 年 8 年 10 年 12 年 14 年 16 年 ~ 血行障害血行障害は 0~7 年までまで増加 捕手では 7 年目以降以降に発生 20

21

30 25 20 15 10 夜間練習前後の示指皮膚温度変化 A B C D E F ( 捕球側血行障害者 6 名 ) 外気温度 :3.3~4.1 練習時間 :180 分 左小指 左母指 80% 60% 40% 20% 0% 練習前練習後 左示指 5 0 練習前 練習後 左環指左中指 示指温変化 : 平均 -4.52 捕球側示指の皮膚温度低下 寒冷暴露による変化寒冷暴露による変化 侵害刺激 :15 以下領域への低下 3/6 例 5/6 例 ( 練習前 ) ( 練習後 ) 示指温変化 : 平均 4.52 低下 30 25 20 15 10 捕球側血行障害者の手指温度変化 5 0 A B C D E F 侵害刺激領域 練習前 練習後 夜間練習 :180 分 外気温度 :3.3 ~4.1 新たな温熱療法 管理対策の必要性がある!! 22

画像評価 示指固有指動脈の欠損像 Flow-Spoiled FBI 法による MRI 画像 MRI 評価 :3/6 例施行 野球選手の血行障害対策 衝撃緩和対策衝撃緩和対策 手袋の使用キャッチャーミッドの改良 ( 衝撃吸収素材 ) 示指のグラブ外挿入 ( 内外野選手 ) 衝撃緩和プロテクター 循環 ( 促進 ) 対策 温熱療法 : 炭酸泉療法物理療法 : 電気療法 超音波療法 23

ご清聴清聴を有難有難うございました 24