聞き取りのためのツール 受付票を作成する お客様の氏名 連絡先 複数確認のこと 苦情内容の情報 クリーニング受付 納品日時 不具合に気が付いた時期 苦情内容 不具合の状況に応じて着用状況 着用回数 着用シーンなど 保管方法 家庭洗濯の有無 過去のクリーニング履歴など 商品の購入時期 場所 価格 保険請求のためこの情報に従って保険会社から確認が入ることを 伝えておく 2 消費者は風合いが変化したと言うが カシミヤのコートを 表示に従ってきちんと溶 剤管理をした石油系ドライクリーニングしたと ころ 表面の風合いが微妙に変わってしまった とのクレームを受けた 自店の見解としては そんなに変わっているとは思えず 着用にも支 障がないと判断して消費者の苦情を最初の対応 で受け入れなかったところ 消費者が納得せ ず 消費者センターに訴え 消費者センターか ら呼び出しを受けた どうすればよいか 戻る クリーニング事故 が発生しているかどうかの確認 事故が発生していることの立証責任は 基本的には消費者側にある が 可能な範囲で クリーニング業者が確認 説明を行うのが妥当 糸の打ち込み数を確認して サイズ変化を確認 メーカーに協力を要請する 製品情報の確認 打ち込み本数を読む 収縮しているというクレーム 必ずサイズ表と比較 変色 退色しているというクレーム 新品生地と比較 風合いが変化しているというクレーム 新品生地と比較 判断が難しい場合は メーカーに判断してもらう メーカー責任にせず メーカーを味方に付ける方が得策 打ち込み本数を読む フラットベッドスキャナ
変色や損傷など 明らかな事故の場合 事故の発生が確認できない場合 消費者に調査内容を丁寧に説明し納得してもらうよ う努力する 納得しないようなら 調査内容を文書にして渡し 消費者センターに相談してもらう 事故部分のpHを確認する 強い酸やアルカリを示した 定性試験 組合や試験機関で ブラックライトで蛍光反応を見る 蛍光反応あり 酸 アルカリ 酸化剤 還元剤 塩化物 汗等 等による化学的損傷 定性試験を行う 組合や試験機関で 事故が発生していることが分かった場合 原因調査に入る 科学的 客観的な立証を心がける 原因が判明するまでは あくまでもクリーニング業者 に賠償責任があることを心得る クリーニング事故賠償基準 後述 phとは 酸性アルカリ性の度合いを数値化したもの phが1違うと 酸アルカリの度合いが10倍 ph レモン汁 石けん水 酸っぱい 強い酸は ヌルヌルして苦い 強いアルカリは 毛 絹等に影響 綿 麻等に影響 ph試験紙 酸性の場合 アルカリ性の場合 詳しくは http://www.jp.horiba.com/story/ph/ph01_01.htm 蛍光反応なし 摩擦 切断 引き裂き 熱などの物理的損傷 顕微鏡で観察 先細状 化学的損傷 合成繊維で一部溶融状 熱損傷 不定形 物理的損傷 扁平 はさみによる切断 弧状に切り取られ且つ 周辺に組織崩れがない 虫食い 戻る ブラックライトによる観察
不具合の場所と状況の確認 紫外線退色と着用中の摩擦 戻る 特定の場所に発生しているか 全体的か 例えば 肩や袖の外側 衿の外側などに集中している場合は 変退色の場合 紫外線 日光や蛍光灯など の影響が無いか観察 影になるところと変退色部との比較 ソデ口やスソ 衿首 前腕部の外側 腹部背中など特定の場所の損傷 着用中によく摩擦を受けたり力が掛かったりする事が推定できる ショルダーバッグやシートベルト イスや自転車のサドルなど クリーニング処理が原因の場合 全体的であったり不特定の位置に発 生する 縫製ラインで不具合が途切れていないか 縫製ラインで不具合が途切れているということは 縫製前からの不 具合があったと推測される 製品の問題 製品の問題の事例 縫製ラインで不具合が途切れ クリーニング後 回復不能なシワが発生した 明らかにCL業者の責任である場合の対応 当然 誠意を尽くして謝罪する 原則として補修できるものは 補修してお返しする 賠償保険申請のため購入店に確認をする旨を伝えてか ら 消費者に購入店 購入時期 購入額を聞き 購入 店に確認を取る 生折れ 生地の段階で 折れジワが付いてし まったもの 修正されて製品化され ている場合 クリーニング後に元の シワが表面化する事がある 多くの 場合 縫製ラインで途切れている 購入額と購入時期が確定したら クリーニング事故賠 償基準 に基づいて賠償額を算出する
参考 古い品物に 通産省番号 C-OS 354 などのようなアルファベットと数字の組み合 わせで 表示者 を記載しているものを 通産省番号 通商 産業大臣承認品質表示者番号 と言う 平成9年10月1日に 繊維製品品質表示規程 が改正され この番号が廃止され 表示者名と連絡先 住所または電話番 号 の記載が義務づけられた. 従って この表示があるものは 少なくとも平成9年以前の 製品と考えられる 2年の経過措置があるので 厳密に言え ば平成11年以前のもの 通常の使用年数に見合った品物の状態であれば B級判定 となる ほとんどの場合 B級として扱われる 4 紛失したものに対する賠償額 客から預かった かなり着古したスーツ ブランド 品でも仕立て品でもなかったと記憶している を誤配 で紛失してしまい 商品の特定ができず 購入価格が 不明である 客が 仕立てたモノで安物ではない 上下で50万円 以上したものだ として 50万円の賠償を請求してい る この場合どう対応すればよいか 購入時期が不明である場合 この表示が参考になる 製造時期 購入時期ではないことに注意 購入額が不明な場合 ドライの場合 クリーニング料金の40倍 水洗いの場合 クリーニング料金の20倍 賠償した品物は 必ず引き取ること クレーマーによる二次被害対策 消費者が返却を希望した場合は 賠償額を減額 できる 原則としてクリーニング料金は返金する なお 賠償額の算定に関連して クリーニング代金の控除が問題と なり得るが 事故の原因がクリーニング業務にあるときは クリー ニング業者は クリーニング代金の請求権を放棄することとする 運用マニュアル2-2-3
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