ナノ計測ソリューションコンソーシアム概要紹介 1 ソリューションプラットフォーム構想 ナノテクノロジーは エレクトロニクスから医療まで広い分野にわたって社会に大きな便益をもたらすことが期待されています ナノテクのさらなる推進のためには 製造技術の革新とともに精密かつ正確な計測が重要です これまでにもアカデミアを中心に最先端計測機器が開発されてきましたが これが生産現場にはなかなか繋がらないという問題を抱えていました 本コンソでは 計測を基盤とする科学技術力と市場ニーズとのマッチングを図る新しい枠組みを作るべく ソリューションプラットフォーム構想 を打ち出しました この構想に賛同する計測機器メーカーを中心とする産業界と産総研が共同し 1 産業競争力強化に向けた計測ニーズへの対応 2 標準化 認証による付加価値づくりを目指していきます 本コンソを中心として この活動がオールジャパン体制の ソリューションプラットフォーム に発展し それにより日本の産業全体が活気づくことを期待しています 高度に制御された製品 新部材 PJ 成果 新規計測機器 高効率生産ライン 情報の戦略的開示 標準化 国際整合性等による付加価値の拡充 社会受容国際整合性国際競争力 製品認証 国際標準化標準物質 データベース人材 論文 プレスリリース ソリューションプラットフォーム 知 情報の集積計測手法 計測装置標準化など 計測課題解決資金 人材 技術開発資金 人材既存知 ものづくり系企業計測機器系企業大学 公的機関 ナノテクにおける喫緊の課題 : ナノ材料の規制 への対応 ナノ材料は既に多くの工業製品に利用されているにもかかわらず ナノ材料特有な毒性に関する詳細な理解には至っておらず そのため予防原則を根底とした利用規制の動きが欧州を中心に広がっています 規制に対応するためには ナノ粒子凝集体内の一次粒子のサイズとその分布を評価する必要があり その実現困難さは 材料メーカー等に大きな混迷を与えています 本コンソでは ナノ材料であるか否かの判定を行うために必要な評価技術を開発することを第一の目標としました EC( 欧州委員会 ) による規制上のナノマテリアルの公式定義 ECの定義では ナノマテリアルとは 非結合状態 または強凝集体 ( アグリゲート ) または弱凝集体 ( アグロメレート ) であり 濃度のサイズ分布で5% 以上の粒子について 一つ以上の外径が1nm からnmのサイズ範囲である粒子を含む 自然の または偶然にできた または製造された材料 ( マテリアル ) を意味する とされています 各国のナノ材料規制 国名 規制内容 フランス工業ナノ材料の届け出制 (213.1 施行 ) ノルウェー 工業ナノ材料の届け出制 (213.1 施行 ) カナダ 一部の工業ナノ材料の届け出制 (213.1 施行 ) デンマーク 工業ナノ材料の届け出制 (214.6 施行 ) ベルギー ナノ材料を含む混合物 製品の届け出制 (216.1 施行予定 ) スウェーデン 工業ナノ材料の届け出制 (216.1 施行予定 ) ニュージーランド ナノ材料を含む化粧品について表示を義務化 (216.1 施行予定 )
ナノ計測ソリューションコンソーシアム概要紹介 2 活動体制 本コンソーシアムは 現在 ( 平成 27 年 1 月 ) 計測機器メーカー 5 社と産総研によって構成されており 各社 機関から選出された運営委員 ( 委員長 : 産総研理事三木幸信 ) を中心にして運営されています 各社 機関は分担の技術開発を行うとともに 共同で計測装置の複合システム化を進めています また 産総研を中心としてナノ材料評価の国際標準化活動も進めています 今後 分析機器メーカーだけでなく ナノ材料の発展にご興味を持たれている素材 材料 化学産業や装置産業の企業様にも是非ご参加いただき ナノテクの発展に寄与できる新たな計測技術の開発を通して ソリューションプラットフォーム の中心としての役割を担います 素材 材料 化学産業 標準化 分析機器産業 ナノ計測ソリューションコンソ 日本電子電子顕微鏡 島津分級モニタリング 産総研計測 計量標準 ナノテクノロジー 材料 製造 リガク X 線装置 ナノ粒子複合計測システム開発 日立ハイテク原子間力顕微鏡 堀場動的光散乱 製造装置産業 技術交流会 大学 公的研究機関 組織 本コンソでは 運営委員会の下に企画運営ワーキンググループ (WG) をはじめとする各種 WG 等を置いて コンソの活動が機能的かつ円滑に行われるように管理しています また 知財委員会は研究開発から得られた知財成果の管理 調整を行います Pメンバーは運営委員会をはじめとするコンソの運営管理にも携わります 一方 Aメンバーは各社の課題を解決するために Pメンバーと協力して個別課題を推進します 委員 運営委員会 事務局 P メンバー 委員 知財委員会 企画運営 WG 連携構築 WG 計測機器メーカー 5 社 + 産総研 参画 知財管理 共通課題 管理 個別課題 1 広報 SWG 個別課題 2 参画 A メンバー ( 平成 28 年 1 月現在 ) 研究開発群 連絡先 : ナノ計測ソリューションコンソーシアム事務局 ( 産業技術総合研究所内 ) coms-nano-office-ml@aist.go.jp
ナノ粒子径分布における課題とその解決 ナノ粒子計測における課題 一般的なナノ材料では分布はまちまちです 大きな粒子と微小粒子が混在した場合 微小粒子が大きな粒子に隠ぺいされることがあり 従来手法では正確な粒子数計測は不可能でした そこで 本コンソでは 分級システムによりあらかじめ分布をいくつかに分画し その後 分画された試料に対して各種の計測評価法によって分布を計測し 最終的にそれらのデータの合成により正確な分布を導き出す方法を提案しています 動的光散乱 (DLS) の課題 7 nm と 178 nm の PSL 混合試料 透過型電子顕微鏡 (TEM) の課題 3 nm と 26 nm の PSL 混合試料 1. 分解能の不足 2. 感度の不足 3. 隠ぺいの影響幾何学的な隠ぺい信号強度による隠ぺい 個々の計測法の性能向上で克服 計測法の性能向上だけでは克服困難 分級の必要性 分級装置を中核とする分布計測法の提案 元試料 従来の 真の分布 分級 大きな粒子に隠された微小粒子のカウントに誤差 分画試料 従来の結果 真の分布を再現 本提案の結果 結果の合成 各分画試料に対する分布
ナノ粒子複合システム ナノ材料規制への対応に不可欠な国際同等性を有するサイズ評価が可能な ナノ粒子複合システム ( フルシステム ) を開発するとともに 産業現場においては フルシステム内の各計測評価モジュール ( サブシステム ) を個別に用いて 簡便な品質管理を可能とします そのため フルシステムから得られる結果と各サブシステムの結果との相関を明確にします 複数の計測方法を備えることで 様々な材料や場面 ( 開発現場や生産現場 ) への対応を可能とにします ナノ材料 電子顕微鏡 (TEM/SEM) 動的光散乱 (DLS) 液相分級装置 (CFFF) 原子力間顕微鏡 (AFM) 単一粒子質量分析 (sp-icp-ms) 気相分級装置 (DMA) : インターフェイス 小角 X 線散乱 (SAXS) サブシステム群 フルシステム 粒子カウンティング 結果の相関 粒子アンサンブル
各計測装置によるデータの比較まとめ 狭い分布を有するナノ粒子 (SiO 2 ) の結果の比較 6 5 d n = 3 nm 15 d n = nm 33 d n = 3 nm 4 12 (nm) 3 2 9 9 3 6 6 27 計測法にかかわらず 不確かさの範囲内で計測値は一致する 広い分布を有するナノ粒子 (SiO 2 ) の液相分級結果と結果の比較 27.5 25. 22.5 2. 17.5 15. 12.5. 7.5 5. 2.5. mau 2nm,4nm 2 1 2 回転数 4 6 3 4 5 6 7 8 8 9 分級モニター信号 11 12 14 12 16 18 13 14 15 16 17 18 分画番号 ポンプA 圧力ロータ回転数 (CF3) 2 3 4 5 6 7 8 9 1 12 13 min MPa 2.75 2.5 2.25 2. 1.75 1.5 1.25 1..75.5.25. SEM 像倍率 x15k 3 25 SEM DLS 2 d / nm 15 5 2 3 4 5 6 7 8 9 11 12 13 14 15 fraction 分画番号 number 不確かさの範囲で SEM と DLS (Z 平均 ) の結果は一致する