2015 年 1 月版 高額な医療費が 心配な患者さんへ 2015 年 1 月より高額療養費制度が変更となりました 経済的負担を軽減できる 高額療養費制度 について 監修 : 国際医療福祉大学薬学部教授 池田俊也 指導 : 社会福祉法人三井記念病院医師支援部 医療安全管理部シニアマネージャー独立行政法人国立病院機構四国がんセンター病院情報管理部独立行政法人国立病院機構四国がんセンター医療情報管理室独立行政法人国立病院機構四国がんセンターがん相談支援センター 桜井雅彦舩田千秋石川宏昭閏木裕美 外来診療でも 認定証 を提示すれば 窓口支払いを自己負担限度額にすることができるようになりました
はじめに 私たちの暮らしの中で 病気やケガなどによって不意な出費が必要になるときがあります 特に がんに罹ると治療のために 長期にわたって高額な医療費を支払うケースが少なくありません そのため 患者さんやご家族の方は 身体的 精神的負担だけでなく 経済的にも悩んでしまうことがあると思います このような経済的負担を減らすための制度として 高額療養費制度 があります この制度は 窓口で支払う自己負担額が一定額 ( 自己負担限度額 ) を超えた場合 加入している健康保険に申請することで 払い戻しが受けられるというものです がんの治療は 継続することでその効果を期待できます 経済的な不安なく治療を継続するために 高額療養費制度 を理解し ぜひ活用していただきたいと思います
目次 高額療養費制度とは? 02 年齢や所得によって 自己負担限度額が異なります 04 加入している健康保険によって 申請先が違います 08 世帯で合算して 申請できます 10 同一人合算ができます 12 無利子の貸付制度が利用できます 14 窓口の支払いを自己負担限度額にすることができます 15 健康保険と介護保険を合算できます 16
高額な医療費が心配な患者さんへ 高額療養費制度とは? 高額療養費制度 払い戻し額 1か月の自己負担額 ( 窓口支払い額 ) 実際の負担額 ( 自己負担限度額 ) 医療機関に支払う自己負担額が自己負担限度額を超えた場合 超えた分の払い戻しを受けられる制度です 払い戻しを受けるには 加入している健康保険に申請する必要があります 高額療養費制度は 同じ月に 1つの医療機関で支払った自己負担額が対象になります また 払い戻しを受けられるまでには 通常 申請から3か月程度かかります なお 診療報酬明細書の審査によって 払い戻し額が違うことがあります 02
多数回該当 = 年 4 回以上 同一の医療保険に加入する家族で複数の医療機関を受診したり 同一人が複数の医療機関を受診して 過去 1 年間 ( 直近の12か月 ) に4 回以上高額療養費に該当した場合は 4 回目からの自己負担限度額が軽減されます 4 回目以降の1か月の自己負担額 払い戻し額 払い戻し額 実際の負担額 ( 自己負担限度額 ) 実際の負担額 ( 自己負担限度額 ) 自己負担額は 加入している健康保険によって異なり 一部負担金を医療機関の窓口でいったん支払います 保険外併用療養費 ( 差額ベッド代など ) と療養給付と直接関係のないサービス等 ( おむつ代など ) 健康保険適用外の治療費や入院中の食事などは 含まれません 年齢や所得によって 自己負担限度額が異なります P4へ自己負担限度額は 1 同一月 (1 日 末日 ) ごとに 2 同一世帯でも1 人ずつ 3 医療機関 ( 外来と入院別 ) ごとに算出します 70 歳以上の方は 医療機関別には分けず 外来と入院に分けて算出します 03
高額な医療費が心配な患者さんへ 年齢や所得によって 自己負担限度額が異なります 70 歳未満の場合 自己負担限度額は年齢や所得により異なるため 下記の表から 1 同一月 (1 日 ~ 末日 ) ごとに 2 同一世帯でも 1 人ずつ 3 医療機関 ( 入院 / 外来 ) ごとに算出します 年齢 所得区分 窓口での一時的な支払額 70 歳未満 年収約 1,160 万円 ~ 健保 : 標準報酬月額 83 万円以上国保 : 年間所得 2) 901 万円超 年収約 770 万円 ~ 約 1,160 万円健保 : 標準報酬月額 53 万円 ~83 万円未満国保 : 年間所得 2) 600 万円超 ~901 万円 年収約 370 万円 ~ 約 770 万円健保 : 標準報酬月額 28 万円 ~53 万円未満国保 : 年間所得 2) 210 万円超 ~600 万円 ~ 年収約 370 万円健保 : 標準報酬月額 28 万円未満国保 : 年間所得 2) 210 万円以下 住民税非課税 3 割 自己負担限度額は 一定額が決められている場合 ( ) と 計算式で算出する場合 ( ) の 2 通りがあります 詳しくは上記の表をご参照ください 04
自己負担限度額 入院 外来 ( 世帯ごと ) 1) 多数回該当 252,600 円 +( 医療費 -842,000 円 ) 1% 140,100 円 167,400 円 +( 医療費 -558,000 円 ) 1% 93,000 円 80,100 円 +( 医療費 -267,000 円 ) 1% 44,400 円 57,600 円 44,400 円 35,400 円 24,600 円 1) 同一の医療保険に加入する家族で複数の医療機関を受診したり 同一人が複数の医療機関を受診して 過去 1 年間 ( 直近の 12 か月 ) に 4 回以上高額療養費に該当した場合 4 回目からの自己負担限度額が軽減されます 2) 前年の総所得金額および山林所得金額並びに株式 長期 ( 短期 ) 譲渡所得金額等の合計額から基礎控除 (33 万円 ) を控除した額 ( ただし 雑損失の繰越控除額は控除しない )( いわゆる 旧ただし書き所得 ) 70 歳以上の方の場合次ページ参照 05
高額な医療費が心配な患者さんへ 年齢や所得によって 自己負担限度額が異なります 70 歳以上の場合 自己負担限度額は年齢や所得により異なるため 下記の表から 1 同一月 (1 日 ~ 末日 ) ごとに 2 同一世帯でも1 人ずつ 3 入院 / 外来ごとに算出します 70 歳以上の方は 医療機関別には分けず 外来と入院に分けて算出します 年齢 所得区分 窓口での一時的な支払額 70~74 歳 現役並み所得者 ( 年収約 370 万円 ~) 健保 : 標準報酬月額 28 万円以上国保 : 課税所得 145 万以上 一般 (~ 年収約 370 万円 ) 2) 健保 : 標準報酬月額 26 万円以下 2 3) 国保 : 課税所得 145 万未満 住民税非課税 Ⅱ( I 以外の方 ) 住民税非課税 I( 年金収入のみの方の場合 年金受給額 80 万円以下など 総所得金額がゼロの方 ) 3 割 4) 2 割 /1 割 75 歳以上 現役並み所得者 ( 年収約 370 万円 ~) 課税所得が 145 万円以上の方で かつ年収が 2 人以上で 520 万円以上 1 人で 383 万円以上ある方 一般 (~ 年収約 370 万円 ) 2 3) 住民税非課税 Ⅱ( I 以外の方 ) 住民税非課税 I( 年金収入のみの方の場合 年金受給額 80 万円以下など 総所得金額がゼロの方 ) 3 割 1 割 自己負担限度額は 一定額が決められている場合 ( ) と 計算式で算出する場合 ( ) の 2 通りがあります 詳しくは上記の表をご参照ください 06
自己負担限度額 外来 ( 個人ごと ) 入院 + 外来 ( 世帯ごと ) 1) 多数回該当 44,400 円 80,100 円 +( 医療費 -267,000 円 ) 1% 44,400 円 12,000 円 44,400 円ー 8,000 円 24,600 円ー 15,000 円ー 44,400 円 80,100 円 +( 医療費 -267,000 円 ) 1% 44,400 円 12,000 円 44,400 円ー 8,000 円 24,600 円ー 15,000 円ー 1) 同一の医療保険に加入する家族で複数の医療機関を受診したり 同一人が複数の医療機関を受診して 過去 1 年間 ( 直近の 12 か月 ) に 4 回以上高額療養費に該当した場合 4 回目からの自己負担限度額が軽減されます 2) 収入の合計額が 520 万円未満 (1 人世帯の場合は 383 万円未満 ) の場合も含みます 3) 旧ただし書き所得の合計額が 210 万円以下の場合も含みます 4)2014 年 4 月 1 日時点で 70 歳以上の場合 窓口の一時的な支払額は総医療費の 1 割です 07
高額な医療費が心配な患者さんへ 加入している健康保険によって 申請先が違います 保険の種類被保険者保険者 健康保険組合 ( 組合管掌健康保険 ) 主に大手企業やそのグループ企業の従業員 健康保険組合 協会けんぽ ( 全国健康保険協会 ) 健保組合に加入していない従業員 5 人以上の事業所の従業員 全国健康保険協会 国民健康保険 健康保険 船員保険 共済組合等に加入している勤労者以外の一般の方 市区町村 各種国民健康保険組合 船員保険船舶の船員全国健康保険協会 共済組合 国家 地方公務員 私立学校教職員など 共済組合 長寿医療制度 ( 後期高齢者医療制度 ) 75 歳以上の方 65 歳以上で後期高齢者医療広域連合から認定された方 都道府県後期高齢者医療広域連合 高額療養費制度を利用して払い戻しを受けるには 加入している健康保険 ( 保険者 ) に申請する必要があります 一部の健康保険では 申請通知が届くことがあります 詳しくは 加入している健康保険 ( 保険者 ) にご確認 お問い合わせください 08
申請 問い合わせ先 各健保組合担当窓口 各都道府県支部 申請時に必要なもの 申請時の必要書類は 加入している健康保険 ( 保険者 ) にお問い合わせください 1 高額療養費支給申請書など 2 被保険者証 3 医療機関への支払い済み領収書 ( 請求書 証明書 ) 4 振込先口座番号 5 印鑑 各市区町村 各種国民健康保険組合 全国健康保険協会船員保険部 各共済組合担当窓口 都道府県後期高齢者医療広域連合窓口 支払った医療費に対して高額療養費制度の申請ができる期間は 診療を受けた翌月 1 日から 2 年間です ただし 窓口での自己負担額の支払いを診療を受けた翌月以降に行った場合は その支払日から 2 年以内が申請の有効期間です 限度額適用認定証 は事前に保険者に確認 申請し 認定証の交付を受けてください P15 参照 高額療養費委任払制度 も医療費の支払いの前に 保険者に確認 申請してください P15 参照 高額療養費貸付制度 も医療費の支払いの前に 保険者に確認 申請してください P14 参照 70 歳未満の方 70 歳以上の非課税世帯等の方の場合 事前に加入している健康保険 ( 保険者 ) に申請して 限度額適用認定証 等 (P15 参照 ) を受け取っておけば 医療機関に提示することによって支払額が自己負担限度額までとなります 申請については 加入している健康保険 ( 保険者 ) の窓口に 事前にお問い合わせください 09
高額な医療費が心配な患者さんへ 世帯で合算して 申請できます 世帯 ( 同一健康保険での被保険者 被扶養者を指します ) で支払った医療費の合計が高額になる場合は 次のような負担軽減措置が設けられています ただし 夫婦で共働きなどで別々の健康保険に加入している場合 ( それぞれが被保険者の場合 ) は 合算できません 1 70 歳未満 70 歳未満の場合 同じ世帯の2 人以上が 同じ月に それぞれ自己負担額 (21,000 円以上 ) を医療機関に支払い その合計額が自己負担限度額を超えた場合 高額療養費制度を利用することができます 払い戻し額の計算例 (2 人とも 70 歳未満の夫婦で所得区分 年収約 370 万円 ~ 約 770 万円 の場合 ) 自己負担額 21,000 円以上 父 ( 被保険者 ) 母 ( 被扶養者 ) 娘息子 医療費 ❶200,000 円 ❷300,000 円 20,000 円 50,000 円 自己負担額 (3 割 ) ❸60,000 円 ❹90,000 円 6,000 円 15,000 円 世帯合算の計算式 (P4 ~5 参照 ) 合算可能 自己負担限度額 82,430 円 =80,100 円 +[(❶200,000 円 +❷300,000 円 )-267,000 円 ] 1% 払い戻し額 67,570 円 =( ❸60,000 円 +❹90,000 円 )-82,430 円 10
2 70 74 歳 70 74 歳の場合 同じ世帯の2 人以上が 同じ月に それぞれ自己負担額を医療機関に支払い その合計額が自己負担限度額を超えた場合 高額療養費制度を利用することができます 払い戻し額の計算例 (2 人とも 2014 年 4 月 2 日以降 70 歳になる夫婦で所得区分が 一般 の場合 ) 自己負担額による制限なし 夫 (A 病院 ) 入院夫 (A 病院 ) 外来妻 ( B クリニック ) 外来 医療費 300,000 円 200,000 円 20,000 円 自己負担額 (2 割 ) ❶60,000 円 ❷40,000 円 ❸4,000 円 世帯合算の計算式 (P6 ~7 参照 ) 自己負担限度額 44,400 円 ( 入院 + 外来 ) 合算可能 *2014 年 4 月 1 日までに 70 歳になった夫婦の場合 自己負担額は 1 割です 払い戻し額 59,600 円 =( ❶60,000 円 +❷40,000 円 +❸4,000 円 )-44,400 円 3 75 歳以上 75 歳以上の場合 同じ世帯の2 人以上が 同じ月に それぞれ自己負担額を医療機関に支払い その合計額が自己負担限度額を超えた場合 高額療養費制度を利用することができます 払い戻し額の計算例 (2 人とも75 歳以上の夫婦で所得区分が 一般 の場合 ) 自己負担額による制限なし 夫 (A 病院 ) 入院夫 (A 病院 ) 外来妻 ( B クリニック ) 外来 医療費 300,000 円 200,000 円 20,000 円 自己負担額 (1 割 ) ❶30,000 円 ❷20,000 円 ❸2,000 円 世帯合算の計算式 (P6 ~7 参照 ) 合算可能 自己負担限度額 44,400 円 ( 入院 + 外来 ) 払い戻し額 7,600 円 =( ❶30,000 円 +❷20,000 円 +❸2,000 円 )-44,400 円 世帯合算の自己負担限度額の算出方法は 同居しているご家族の年齢や所得 治療状況などによって異なります 申請については 加入している健康保険 ( 保険者 ) の窓口にお問い合わせください 11
高額な医療費が心配な患者さんへ 同一人合算ができます 1 70 歳未満 同一人が 同じ月に 複数の医療機関を受診し それぞれの医療機関に対して21,000 円以上の自己負担額を支払い その合計額が自己負担限度額を超えた場合も 特例として負担軽減措置が設けられています 合算して申請すれば払い戻しが受けられます 払い戻し額の計算例 (70 歳未満で所得区分 年収約 370 万円 ~ 約 770 万円 の場合 ) 自己負担額 21,000 円以上 A 病院 B 病院 C 薬局 D クリニック 医療費 ❶100,000 円 ❷100,000 円 ❸200,000 円 20,000 円 自己負担額 (3 割 ) ❹30,000 円 ❺30,000 円 ❻60,000 円 6,000 円 同一人合算の計算式 (P4 ~5 参照 ) 合算可能 自己負担限度額 81,430 円 =80,100 円 +[(❶100,000 円 +❷100,000 円 +❸200,000 円 )-267,000 円 ] 1% 払い戻し額 38,570 円 =(❹30,000 円 +❺30,000 円 +❻60,000 円 )-81,430 円 12
2 70 74 歳 70 74 歳の場合は 自己負担額が21,000 円未満でも 外来の自己負担限度額を超えた金額が払い戻されます 下記の表の自己負担限度額を超える額が 払い戻しになります 払い戻し額の計算例 (2014 年 4 月 2 日以降 70 歳になる方 * で所得区分が 一般 外来のみの場合 ) 自己負担額による制限なし A 病院 B 病院 C 薬局 D クリニック 医療費 100,000 円 100,000 円 200,000 円 20,000 円 自己負担額 (2 割 ) ❶20,000 円 ❷20,000 円 ❸40,000 円 ❹4,000 円 同一人合算の計算式 (P6 ~7 参照 ) 自己負担限度額 12,000 円 合算可能 *2014 年 4 月 1 日までに 70 歳になった夫婦の場合 自己負担額は 1 割です 払い戻し額 72,000 円 =( ❶20,000 円 +❷20,000 円 +❸40,000 円 +❹4,000 円 )-12,000 円 3 75 歳以上 75 歳以上の場合は 自己負担額が21,000 円未満でも 外来の自己負担限度額を超えた金額が払い戻されます 下記の表の自己負担限度額を超える額が 払い戻しになります 払い戻し額の計算例 (75 歳以上で所得区分が 一般 外来のみの場合 ) 自己負担額による制限なし A 病院 B 病院 C 薬局 D クリニック 医療費 100,000 円 100,000 円 200,000 円 20,000 円 自己負担額 (1 割 ) ❶10,000 円 ❷10,000 円 ❸20,000 円 ❹2,000 円 同一人合算の計算式 (P6 ~7 参照 ) 合算可能 自己負担限度額 12,000 円 払い戻し額 30,000 円 =( ❶10,000 円 +❷10,000 円 +❸20,000 円 +❹2,000 円 )-12,000 円 院外処方の場合 薬局で支払った額は 処方箋を交付した医療機関での支払い額に含めて計算されるため 合算額が自己負担限度額を超えれば高額療養費の対象となります 申請については 加入している健康保険 ( 保険者 ) の窓口にお問い合わせください 13
高額な医療費が心配な患者さんへ 無利子の貸付制度が利用できます 高額療養費制度の申請から払い戻しを受けるまでの約 3か月間は 払い戻し分を立て替えて支払っておかなければなりません このような場合に 払い戻し金額のおよそ8 割相当額を無利子で借りられる 高額療養費貸付制度 があります 高額療養費貸付制度 1 か月の自己負担額 ( 申請月 ) 貸付制度を利用 3 か月後 約 2 割 : 自分で支払う 返金されます 自己負担限度額 申請については 加入している健康保険 ( 保険者 ) の窓口に 事前にお問い合わせください 貸付制度は毎月申請できます 貸付金額が決定すると ただちに申請者が指定した金融機関の口座に振り込まれます ( 郵便局を除く ) 14
窓口の支払いを自己負担限度額にすることができます 高額療養費の現物給付化 ( 限度額適用認定証 等の提示 ) 70 歳未満の方 70 歳以上の非課税世帯等 の方が高額療養費制度を利用する場合は 事前にご加入の健康保険組合などに 限度額適用認定証 等の交付を申請しま しょう 70 歳未満の一般 上位所得の方は 限度額適用認定証 70 歳未満および 70 歳 以上の低所得の方は 限度額適用 標準負担 額減額認定証 の交付を申請してください 認定証 を提示すれば 窓口支払いを 自己負担限度額にすることができます 認定証 の有効期限は 被用者保険に ご加入の方は発効日の属する月より原則 1 年 国民健康保険 後期高齢者医療制度 にご加入の方は翌年度の 7 月末日 (4 ~7 月に認定された場合にはその年の 7 月末日 ) です これまでは入院の場合のみ利用できる仕組みでしたが 平成 24 年 4 月 1 日より 外来 診療にも導入されました 被保険者 1 認定証 交付の申請 ( 加入者やご家族 ) 2 認定証 交付 4 自己負担限度額の支払い 3 保険証 と 認定証 の提示 医療機関 保険者 国民健康保険の 高額療養費委任払制度 国民健康保険に加入している場合は 高額療養費委任払制度 を利用すれば 払い戻される額が市区町村から直接 医療機関に支払われるので 窓口での支払いを自己負担限度額にできます 市区町村によっては 高額療養費委任払制度 を利用できない場合があります ( 特に 外来で 複数医療機関を受診している場合等 ) 各市区町村の窓口にお問い合わせください 委任払いの申請 高額療養費分の支給額の支払い 被保険者 ( 加入者やご家族 ) 市区町村 ( 保険者 ) 医療機関 自己負担限度額を支払う 15
高額な医療費が心配な患者さんへ 健康保険と介護保険を合算できます 同じ世帯に 介護保険の受給者がいて 1 年間 (8 月 1 日 翌年 7 月 31 日 ) に支払った健康保険と介護保険の合算額が一定の限度額を超えた場合 限度額 ( 自己負担限度額 ) を超えた分が払い戻される制度があります ( 高額医療 高額介護合算療養費制度 ) 高額医療 高額介護合算療養費制度の自己負担限度額 ( 年額 ) 2014 年 8 月 2015 年 7 月の期間 75 歳以上の方の世帯 70 歳 74 歳の方の世帯 70 歳未満の方の世帯 加入している保険 長寿医療制度 + 介護保険 健康保険または国民健康保険など + 介護保険 健康保険または国民健康保険など + 介護保険 現役並み所得者 (70 歳以上 ) 一般 (70 歳以上 ) 低所得者 Ⅱ (70 歳以上 ) 低所得者 Ⅰ (70 歳以上 ) 標準報酬月額 28 万円以上 ( 課税所得 145 万円以上など ) 標準報酬月額 26 万円以下 ( 旧ただし書き所得 210 万円以下 ) 住民税非課税 (Ⅰ 以外の方 ) 住民税非課税 ( 年金収入のみの方 年金受給額 80 万円以下など 総所得金額がゼロの方 ) 67 万円 67 万円 - 56 万円 56 万円 - 31 万円 31 万円 - 19 万円 19 万円 - 標準報酬月額 83 万円以上 ( 旧ただし書き所得 901 万円超 ) 標準報酬月額 53 万円 ~83 万円未満 ( 旧ただし書き所得 600 万円超 ~901 万円以下 ) 標準報酬月額 28 万円 ~53 万円未満 ( 旧ただし書き所得 210 万円超 ~600 万円以下 ) 標準報酬月額 28 万円未満 ( 旧ただし書き所得 210 万円以下 ) 低所得者 ( 住民税非課税 ) - - 176 万円 - - 135 万円 - - 67 万円 - - 63 万円 - - 34 万円 16
2015 年 8 月以後の期間 加入している保険 現役並み所得者 (70 歳以上 ) 標準報酬月額 28 万円以上 ( 課税所得 145 万円以上など ) 75 歳以上の方の世帯 70 歳 74 歳の方の世帯 70 歳未満の方の世帯 長寿医療制度 + 介護保険 健康保険または国民健康保険など + 介護保険 健康保険または国民健康保険など + 介護保険 67 万円 67 万円 - 一般 (70 歳以上 ) 低所得者 Ⅱ (70 歳以上 ) 低所得者 Ⅰ (70 歳以上 ) 標準報酬月額 26 万円以下 ( 旧ただし書き所得 210 万円以下 ) 住民税非課税 (Ⅰ 以外の方 ) 住民税非課税 ( 年金収入のみの方 年金受給額 80 万円以下など 総所得金額がゼロの方 ) 56 万円 56 万円 - 31 万円 31 万円 - 19 万円 19 万円 - 標準報酬月額 83 万円以上 ( 旧ただし書き所得 901 万円超 ) 標準報酬月額 53 万円 ~83 万円未満 ( 旧ただし書き所得 600 万円超 ~901 万円以下 ) 標準報酬月額 28 万円 ~53 万円未満 ( 旧ただし書き所得 210 万円超 ~600 万円以下 ) 標準報酬月額 28 万円未満 ( 旧ただし書き所得 210 万円以下 ) 低所得者 ( 住民税非課税 ) - - 212 万円 - - 141 万円 - - 67 万円 - - 60 万円 - - 34 万円 17
高額療養費制度のモデルケースについては 下記それぞれの 医療費の自己負担限度額の例 をご覧ください アバスチンによる非小細胞肺がん治療編 ハーセプチン ゼローダによる胃がん治療編 アバスチンによる大腸がん治療編 アバスチンによる卵巣がん治療編 アバスチンによる乳がん治療編 ハーセプチンによる乳がん治療編 パージェタによる乳がん治療編 カドサイラによる乳がん治療編 アバスチンによる悪性神経膠腫の治療編 リツキサンによる悪性リンパ腫治療編 担当医師名 医療機関名 連絡先 発行元 2015 年 2 月改訂 AVA0203.07( 2015/02)