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Transcription:

2-1 播種温床の準備 2 育苗 育苗箱の場合 1 箱 100 粒まきとして 定植本数の2 割増に必要な育苗箱を準備する ( セル育苗の場合は1 割増 ) 10 a 当たりに必要な播種床の面積は約 5m2 ( セル育苗の場合約 3.6m2 台木穂木別なら2 倍 ) 6 育苗温床の作り方 1設置床を平らにする 3 4 5 2発泡スチロールを敷く 2 3ポリを敷く ( 古ものでよい ) 4 電熱線を張る 電熱線は外側はせまく 内側は広く配置 5 再びその上からポリを敷く 69 尺トンネルをかける トンネルは上部で抱き合わせにする木枠内側の幅 120cm 発芽までは シルバー被覆をする 温度調節のために サーモスタットを必ず取り付ける 電熱線を使わない場合 土壌面を平らにし ポリを敷き 地温の助けが得られるように 発泡スチロールは敷かない 2-2 セル育苗の利点 セル苗利用の利点はおもに省力化 必ずしも良好な苗を生産するためのものではないセル育苗は 根鉢を作らせることによって移植作業の効率化や活着の促進をねらう技術 1 育苗期間の短縮をねらって若苗を直接定植する 2セル苗 購入 によって発芽管理 接ぎ木労力や精神的負担 育苗設備などを軽減 3セルトレイ上での幼苗接ぎ木によって労力を削減し 苗生産の安定化 幼苗接ぎ木 セル苗の 鉢上げ -12-

2-3 ポットのサイズ 16 14 12 10 8 6 4 2 0 トン 収量と育苗ポットサイズの関係 0 2 4 寸 6 平成 19 年度の調査で 収量が 9 トン以上の生産者のポットサイズは ほ とんどが 5 寸 という結果でした 寸 4.8 4.7 4.6 4.5 4.4 4.3 4.2 4.1 4.0 育苗ポットサイズ 9t 以上 9t 未満 6t 未満 第2果房着果1果房着果第 3 果房第上位茎葉 下位茎葉 第 1 果房 第 2 果房 根 第 4 葉第 5 葉第 6 葉第 7 葉第 8 葉第 9 葉第 10 葉第 11 葉第 12 葉第 13 葉第 14 葉 同化養分の分配 ( 重要 ) 各葉時期の同化養分の分配 ( 農業技術大系より ) 1 生育初期の葉は光合成により生成した養分を根などに分配できる 2 1 段着果以降は 養分が花房中心に分配され 根量の増加に振り向ける余裕は少ない とくに梅雨の日照不足 ( 稼ぎが少ない時期 ) は花房に分配する養分すらも不足します この時期に 体内に蓄積した養分を花芽に融通させて着果を助けるために 早いうちからの根量確保が養分蓄積という意味で重要です 育苗時から根にストレスをかけず 大容量のポット育苗でスムーズな発根をさせることで定植初期の活着を良くし 着果負担がかかる前までに根量を確保することが重要なことが理解できます 作業上小さなサイズのポットになりがちですが 水持ちも排水性もいい床土とともに余 裕のあるサイズのポットで力のある苗 ( 根 ) をつくることが重要です 梅雨の着果のために ポットは 5 寸 (15 cm ) 使用が原則です -13-

2-4 播種 1) 種子 育苗箱 ( セルトレー ) の10アールあたりの必要数発芽率 90% 良苗率 95% 予備苗 5% とすると 2 割増の播種 となります ハウス間口株間定植株数播種数 A 育苗箱の場合 B128 穴トレーの場合 5. 5m 60cm 1, 818 株 2, 180 粒 22 箱 17トレー 55cm 1, 983 株 2, 380 粒 24 箱 19トレー 6m 60cm 1, 666 株 2, 000 粒 20 箱 16トレー 55cm 1, 818 株 2, 181 粒 22 箱 17トレー 台木をトレーに播種し 穂木を育苗箱にする場合 A+ Bの数量になる 2) 播種床土 10a 分の苗に必要な播種床土は3 袋 ( 台木 穂木なら6 袋 ) 培養土を5cm 程度の厚さに入れる セルトレーの場合 床土をトレーにのせて平板で平らにならす 詰めすぎると発芽不良になりやすい 水稲育苗箱に新聞紙を敷いてトレーをのせる 3) 育苗箱 への播種 土詰め後 底からしみ出す程度まで十分灌水する 条まき 条間 6cm 程度に板で型をつける 1 箱あたり100 粒程度になるよう播種する 覆土は5mm~1cm それ以上深いと発芽が悪くなり 浅いと皮かぶりになる 覆土後は不織布( パオパオ パスライトなど ) で被覆して乾燥防止し 適度な土壌水分を保つことで発芽が揃う セルトレー への播種 土詰め後 底からしみ出す程度まで十分灌水する この時 土が少し沈む 穴あけ器でセルの中心に5mm 程度の播種穴をあける 播種後 仕切りいっぱいまで覆土し 軽くならしたあと覆土がぬれるくらい灌水する 覆土後に強くならすと 種子が動いてしまうので注意 -14-

セルトレー育苗の発芽不良の原因 培土の詰めすぎ( コート種子が割れにくくなる ) 覆土が厚すぎる( ) 灌水のしすぎ( 酸素欠乏 ) 逆に土壌の乾燥 温度管理の不手際( 昼 28 度 夜 22 度を維持する) 4) 播種後 温床に隙間なくならべ 不織布をかけて その上から灌水する 半日そのまま放置し 種子に吸水させてから加温すると発芽が揃いやすい 発芽までは 覆土が乾くたびに軽く灌水する 5) 発芽後 播種後 4-5 日で30% の発芽状態になるので 不織布を除去する その後昼夜ともトンネル天井部分で換気し 密閉せずに表の温度を維持する 寒い場合はトンネルの上にラブシート等をかけて調整する 発芽が揃うまで灌水は控え 表面が乾いたら覆土が湿るくらい軽くかん水する 発芽が揃ったらぬるま湯を使用し 全体に行き渡るくらいかん水する 併せて水稲育苗箱を裏返しその上にトレーをのせる 発芽揃い後は日光に当て 双葉を大きく丈夫する 発芽揃い直後 夜間の床内温度の上げすぎに注意 本葉 1.5 葉頃に第一果房の着果節位が決まるので 最低 14 以下 最高 25 以上にしない 育苗期間の温度管理 発芽率 30% 100% 接ぎ木時活着以降鉢上げ定植前 気温 昼 28 25 28 25 夜 25 20 18 25 18 イメージ 20 16 外気 気温 地温 水分ともに 同じような強弱を付ける 地温 昼 22 28 20 28 20 18 夜 25 2 0 20 25 20 18 不織布除去換気高温多湿 天井換気外気にならす 水分 充分適湿充分適湿やや乾 -15-

床土の温度 ( 地温 ) はサーモスタットに頼らず必ず温度計をさして確認する 気温は昼温 夜温を最高最低温度計 ( 写真 ) で確実に把握する 2-5 ポット床土の調整 1) 床土の作り方 土は山土を使用し 無病で雑草の種子が混じっていないものを用いる ふるいにかけてできるだけ大きさをそろえる 肥料の吸着 有機物とのなじみやすさを均一にするため 有機物は 熟度をよく観察し 完熟した有機物を用いる( 未熟な堆肥は厳禁 ) 育苗期間中の窒素飢餓 有害物質による害を回避するため 以上の土 1に対し 有機物 1の割合で混合 この割合で前年夏に堆積して作った床土を使用する 速成床土の場合 完熟した稲わら主体の堆肥か 野菜専用の市販有機物を利用する 肥料の混合 ( 稲ワラ カヤ主体の堆肥の場合 ) 1 立米 ( 1 3 m ) あたり 窒素リン酸カリ石灰 混合する肥料の例硫安 1.0kg 過石 6kg 硫加 0.4kg 苦土石灰 12kg 投入する成分量 200 g 2000 g 200 g 4.8kg 必ず床土検査をおこない 必要な肥料 資材の量は加減してください 床土の適正値 ph: 6.2 ~ 6.8 適正 EC: 0.5 ~ 0.7 3 育苗床土の量は 10 アールあたり約 3m くん炭を 1-2 割程度入れると根張りがよくなる 必要ですが 必ず余裕を持って作ること 畜産堆肥の割合が多くなると 窒素 カリは減らす必要がある 油粕のように発酵するものや 石灰窒素など毒物が発生するものは使わない -16-

ポットの容量 ポットのサイズ (4.5 寸 ) 5 寸 寸法 13.5cm 15cm 1 ホ ットあたり培土の量 1 リットル 1.5 リットル 3 3 10 アール分の必要培土量 2m 3m 必ず余裕を持って 4m 3 作る 2) 床土の混合 1 平坦な場所に 地面の土が混入しないようシートを張る 2 上記 1) の材料を必要分計量して準備する 3 山土はふるいにかけて大きさを揃える 4あらかじめ堆肥にはリン酸を混ぜておく 5 山土に石灰 窒素 カリを混ぜる 6セメントをこねる要領で丁寧にとにかく丁寧に混和するカリ 窒素 苦土石灰 くん炭 堆肥 あらかじめ丁寧に混和 過石 1:1で丁寧に混合 あらかじめ丁寧に混和 ふるいにかけた 山土 2-6 床土の消毒 消毒の手順 1 混和した床土をビニルシートに広げる 3 2ガスタード微粒剤 バスアミド微粒剤を 1 立米 ( 1 m ) あたり300g丁寧に混和 3 水分が少ない場合 つかんでこわれない程度の水分 まで灌水する 4ビニルシートで密閉する 5 施設内であるので 風通し 防護マスク 保護メガネ 手袋 カッパなど着用する 6 被覆期間は30 日程度 7ガス抜きは2-3 回切り返し 薬害がピクリン錠剤のないよう3-4 日充分に期間をとる 場合 厚さ 30cm ご 薬害が心配な場合コマツナ 二十日ダとに錠剤をおいてイコンを直接播種し その生育具合を見るいき層状に積み重 ね30 日以上放置し ガス抜きする. -17-

2-7 移植床の準備 移植床の面積 10aあたり移植床面積 (5 寸ポット ) 移植直後 約 120m2 ずらしをする頃 300m2 フィルム抱き合わせで上部換気 床をかまぼこ型に成型し水がたまらないようにする防風ネットを敷くと地面と密着しない または端板で下駄を履かせる 黒マルチ 古ビニル 両隣の畦は鉢広げ予定のスペース 2-8 土詰め 1 床土を5 寸ポットのふちギリギリまで入れる 2 地面にトントンとあてて土を少し沈める 3 移植床表面にくぼみがないように床を作り 4 鉢上げ初期は隙間なくハウス真ん中列に並べる トントン -18-

2-9 接ぎ木 接ぎ木の目的 1 青枯病などの土壌病害の発生を防ぐ 29 月以降の樹勢維持 注意点 1 台木の吸肥力を考えて 基肥を調整する 2 接ぎ木だけでは土壌病害は完全には防げないため 土壌消毒等を併用する 播種日の違い( 品種によって違いがあるため確認が必要 ) 台木播種日 ( 育苗トレー ) 穂木播種日 ( 育苗箱 ) 0 日 2-3 日後 台木の特性 (1 基本情報に一覧表掲載 ) 接ぎ木時期台木 穂木とも草丈 4~5cm 残して接ぐ 本葉 2.5~3 枚展開茎径 1.5~1.8 mm 接ぎ木当日の朝に台木 穂木にかん水し 直射日光の当たらない場所で接ぎ木する 手順 1 台木を子葉の上で30 度の角度で斜めに切断 2 穂木も子葉の上で30 度の角度でスパッと切断 穂木は乾燥するのでまとめ切りはしない 病害防止のため穂木を水に浸けたりしない ウィズカッターを利用すると効率がよい 3 穂木と台木の切断面を合わせ スーハ ーウィス などで隙間なく密着させる 子葉の上で切断 台木が穂木より小さい場合 スーパーウィズを逆さまにして接ぐ 41トレーずつ接ぎ木が終了したら 直ちにトンネルに戻して保温する -19-

2-10 接ぎ木後の管理 1接ぎ木当日から2 日後までは 90% 以上に湿度を保つ ( ほぼ100% を維持 ) 2 接いだらセルトレーは3~4 枚ごとに10cmくらいすき間をあけて育苗床に移し 温床からの水分を蒸散させるようにして湿度を保つ 高温に注意し上部から換 気をおこなう シルバーなどで 80% 遮光する 必ず最高最低温度計を設置する 播種床に水を張り水稲育苗箱を裏返し その上に接ぎ木後のセルトレーを置く 3接ぎ木後 2 日間は トンネルを寒冷紗等で遮光するともに 日に1~2 回葉面に霧吹きをして湿度を保つ ( 温度は24~27 度程度 ) 4 2 日後くらいから 朝と夕方から少しずつ日に当てるようにするとともに 換気も行い 徐々に環境にならす 5接ぎ木後 7 日からは 終日陽に当て トンネルも日中は開放するようにする 育苗期間の温度管理 発芽率 30% 100% 接ぎ木時活着以降鉢上げ定植前 気温 昼 28 25 28 25 夜 25 20 18 25 18 イメージ 20 16 外気 気温 地温 水分ともに 同じような強弱を付ける 地温 昼 22 28 20 28 20 18 夜 25 2 0 20 25 20 18 不織布除去換気高温多湿 天井換気外気にならす 水分 充分適湿充分適湿やや乾 -20-

2-11 鉢上げ 育苗鉢の準備 1 鉢上げ時期は接ぎ木 活着の後 1 週間程度たってから 2 育苗鉢は鉢上げ3~4 日前までに育苗床にならべ十分にかん水し 地温を上げるためにポリ等で平張りしておく 3セル苗を果物フォークで抜き取り ポットに植える 購入苗到着後はできるだけ早く鉢上げする セル苗の鉢上げ フォークで抜き取るとセルの底をつまむより効率がいいこの時根を傷つけないよう注意 4 根が付いているので遮光は不要だが 移植当日に日射が強い場合のみ遮光する 5 根のブロックと床土が同じ面になる程度に植え付ける ( あまり深植えにはしない ) 木の棒でポット床土に穴をあけると効率がいい セルよりわずかに小さめのサイズ 植え付けは床土と同じ面になる深さ 71 回目の灌水は 鉢底からの水の出具合で判断する 8それ以降の灌水は 鉢の重さで判断 本葉 6-8 枚で急にのびるので注意 9 育苗後半に少し灌水を少な目にするが 育苗期間中 しおれは厳禁 -21-

2-12 鉢ずらし 鉢上げ初期は隙間なく並べる 1 回目の鉢広げ本葉 5-6 枚で間 1 列ずつ抜いて両隣の畦へ 両隣は鉢広げ予定のスペース 2 回目の鉢広げ 本葉 8 枚で間 1つずつ抜く これで 15 センチ間隔 点滴チューフ を鉢毎に設置した省力事例 ずらしが不十分な徒長苗 -22-