裁判官が足りない 裁判が危ない! 増えない裁判官 裁判官の定員は 平成 21 年度で最高裁判所判事 15 人 高裁長官 8 人のほか判事 判事補合せて 2,737 人です ( 他に簡易裁判所判事 806 人 ) ここ10 年間で裁判官の定員が600 人増員されているといわれていますが その間の弁護士

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Transcription:

を増やそう 納得できる裁判のため 裁判所予算の大幅増加を!

裁判官が足りない 裁判が危ない! 増えない裁判官 裁判官の定員は 平成 21 年度で最高裁判所判事 15 人 高裁長官 8 人のほか判事 判事補合せて 2,737 人です ( 他に簡易裁判所判事 806 人 ) ここ10 年間で裁判官の定員が600 人増員されているといわれていますが その間の弁護士数の増加と比較すると 最高裁がこれまで裁判官の人数を積極的に増やしてこなかったことが分かります 急増 多様化する処理事件 これだけの裁判官でどれだけの事件を処理 解決しているのでしょうか 地方裁判所が平成 20 年に新しく受理した民事 行政事件は約 82 万件 そのうち第一審訴訟事件は 約 20 万件でした 平成元年は約 11 万件でしたか ら 20 年間で約 2 倍に増えています 家庭裁判所が受理した家事事件の平成 20 年の新受件数は約 73 万件 平成元年は約 34 万件ですから 20 年間で2 倍以上 増えています さらに複雑 高度化した社会を反映して裁判所が取り扱う事件も 破産 再生事件 消費者関連事件や医療過誤 建 築紛争 知的財産等の専門的な事件など多様化しています また新しい制度として成年後見や労働審判が新設され 刑事事件では裁判員裁判も始まりました 超多忙な裁判官も 大都市の裁判官は 常時 1 人あたり単独事件を200 件 合議事件を約 80 件抱えているといわれています さらに毎月約 45 件の新件が配点されるので その新件数以上の手持ち事件を処理していかないと どんどん未済事件が増えて行きます ( 裁判所内ではこれを 赤字 と呼んでいます ) この間の過払金請求事件等の急増に伴い 新件や手持ち事件の数がさらに増え 裁判官の負担はますます重くなっているといわれています 超多忙な裁判官は 赤字 を出さないよう 連日 夜中の2 時 3 時まで仕事 土曜 日曜日もまた仕事という生活をしながら 必死になって判決などを書いているといわれています 超多忙なのは大都市の裁判官だけではありません 大都市以外の本庁や支部の裁判官も多くの事件を抱えており しかも支部の裁判官は 民事 家事 刑事 少年事件など複数の種類の事件を処理しなければならず 大変です 1

事件審理に影響も 赤字 を避けるために 心ならずも調べる証人数を制限したり 鑑定や現場検証を省略する裁判官 もいるといわれています それが今や全国的にひろがっているのではないかと危惧されています 証人調べや検証が年々減少しているのは右図表のとおりですが 平成 19 年に全国の地方裁判所で処理した約 17 万件のうち 証人調べをしたのは8.8% 鑑 定を採用したのは0.6% 検証に至っては0.1% にすぎません 理由もないのに立証を制限して審理を促進するこ とは本末転倒であり 審理の充実 適正を犠牲にしてはなりません そのような事態では 裁判を受ける国民も十分な審理をしてもらったと納得することができませんし 誤判の虞れすらあるといわざるを得ません ( 鑑定 検証実施率グラフ ) 忙しすぎる現状を変えよう 多くの裁判官は いい裁判をしたいという願いと 誇りを持っています 国民の期待もまたそこにあります そのためには 余裕をもって審理ができるよう裁 判官の忙しすぎる現状を変えなければなりません 裁判官 1 人あたりの新受件数を 今より大幅に減ら すべきです 裁判官も赤字解消に必死 元裁判官のコメントから 新件が毎月 45 件あると 中には取下げで終了したり 和解で解決するものもありますが 毎月 15 件くらいは骨の折れる判決を書かなければなりません 裁判がある日は審理 ない日は和解等で時間を使いますので 記録を読み返し 考えをまとめ 判決を書くのは 夜間あるいは早朝そして土 日 すなわち普通にいう残業でやることになります 1 件あたり10 時間かけたとしても 月 150 時間の 残業 をこなさなければ 赤字 になってしまいます 2

裁判所裁判官のいない消防署消防士のいない病院裁判所に裁判官がいない? 裁判官が常時いない支部が 48 か所も 地方裁判所及び家庭裁判所には 全国に50か所の本庁のほか203か所の支部があります ところが 裁判官が常駐していない支部が48か所もあるのです このような支部では 本庁または他の支部の裁判官が応援に行きますが その頻度が少ない ため 月に数回しか裁判が開けない支部もあります その日に各種事件 ( 民事 刑事 家事な ど ) の審理が集中するため 裁判官は多忙を極め 十分な審理時間が確保できないことや次回 期日が相当先にしか決まらないといった弊害が指摘されています 10 8 1 2 4 3 5 7 13 14 9 12 15 16 17 18 6 すべての支部に裁判官を常駐させよう! 支部所在地の住民にも もちろん 裁判を受ける権利があります こ の権利を実質的に等しく保障するためには むしろ支部の司法機能が強 化されなければなりません そのためには すべての支部に裁判官を常駐させることや常駐の裁判 官をさらに増員することが大前提となります 裁判所に裁判官がいない 状況や 裁判官がいても裁判ができない状況が改善されなければなりま せん その実現のためにも裁判官の大幅増員が必要なのです 低下する支部の司法機能 11 支部では もともと行政事件や簡易裁判所の裁判に対する控訴事件を取り扱うことができませんが 現時点では 労働審判も取り扱っておらず 裁判員裁判も10か所の支部で取 35 り扱うだけです そのため これらの事件の当事者や関係者 33 は わざわざ遠い本庁まで出向かなければな 34 りません 当事者や関係者に負担を与えているわけです 42 その上さらに 医療過誤などの専門的な訴 43 41 44 訟や民事執行事件なども 支部で取り扱わ 46 47 45 医師のいない32 31 30 29 36 38 37 27 40 39 28 25 26 24 20 23 19 21 22 ず 本庁に集約する傾向も出てきています 裁判官の人数が足りず 支部に十分に裁判官を配置できないから 支部の機能を充実で 48 きないばかりか 少なくさせる結果となって いるのです 3

今 支部は多くの問題を抱えています - 日弁連会員からの声 裁判所支部の現状に問題があることについては 支部を利用する地元の日弁連会員から多くの声が寄せられています 支部の裁判官を増員することや施設を拡充することは 喫緊の重要課題となっています 長野県飯田市の会員 飯田支部は長野市の本庁から離れており ( 隣県の名古屋地方裁判所の方が近い ) すべてにおいて不便 支部の取り扱い事件の拡大が切に望まれる 大分県杵築市の会員 保釈の決定が遅れる 保釈請求する曜日によっては 決定が 1 週間後になる 広島県福山市の会員 福山支部は裁判官が5 人いて 合議体もあり 通常の民事事件はほとんどやっていたが 医療過誤事件を約 100 キロ離れた広島市の本庁に集約するようになった 支部で医療過誤はできない 裁判員裁判はできない 重大事件は本庁 労働審判も本庁というように 事件がどんどん本庁へ集められていけば 地域に弁護士が増えないし 地域で司法サービスを受ける機会をどんどん失わせることになる 群馬県沼田市の会員 刑事事件はすべて前橋市の本庁で取り扱っている 沼田支部管内の刑事事件は本庁まで出向かなければならない 刑事記録も前橋地方検察庁にあるので 記録の閲覧にも前橋市まで出向かなければならない 北海道稚内市の会員 稚内簡易裁判所の判決が控訴されると 250 キロ離れた旭川市の本庁での合議事件になり 控訴を断念する温床になるおそれがある 高知県安芸市の会員 建物が小さく 調停室も少ないので DV 事件などの場合 依頼者の安全を確保することが容易ではない 鹿児島県奄美市の会員 刑事の単独事件は 鹿児島市の本庁から応援で来る裁判官が担当するので 公判期日が入りにくく 起訴から第 1 回公判まで2か月もかかる 神奈川県相模原市の会員 相模原支部では労働審判を取り扱わないので 相談者が労働審判を断念したことがある 長崎県対馬市の会員 支部では審理できない不服申立 ( 準抗告 ) をすると 裁判所職員が記録を持って飛行機で長崎市の本庁まで行っている 群馬県高崎市の会員 時間を要する検証をしない 証人尋問や本人尋問の極端な時間制限をする 4

外国にはたくさんの裁判官 諸外国では たくさんの裁判官が活動しています 下の表は 各国の2009 年 ( 平成 21 年 ) 現在の裁判官 1 人あたりの国民の数を比較したものです わが国では 下の表のとおり裁判官 1 人あたり約 4 万 6,000 人程度ですが アメリカ イギリス ドイツ フランスの4 国のうち 一番裁判官の数が少ないイギリスでも裁判官 1 人あたり約 1 万 4,000 人です ドイツに至っては 裁判官 1 人あたり約 4,000 人ですから わが国の10 倍以上になります わが国の裁判官がいかに少ないか この数字が物語っています ( 単位 : 人 ) 日本アメリカイギリスドイツフランス 2009 年 2009 年 2009 年 2009 年 2009 年 人口 127,692,000 304,059,724 54,072,000 82,217,830 62,448,977 裁判官 2,760 31,709 3,865 20,138 5,806 裁判官 1 人あたり 46,265 9,589 13,990 4,083 10,756 数字は 裁判所データブック 2009 より なお 日本の裁判官は簡裁判事を除いた数字を記載 5

裁判所予算の大幅増加を! 裁判所予算の国の一般会計歳出予算に占める割合は 下のグラフにあるように 昭和 30 年度 0.93% 昭和 40 年度 0.74% 昭和 50 年度 0.59% 昭和 52 年度 0.50% 昭和 60 年度 0.42% 平成 8 年度 0.40% と低下の一途をたどり 平成 11 年度には0.38% にまで落ち込みました 対 GNP 比も同じように低下しています 平成 20 年度の裁判所予算は 国家予算 83 兆円のうち わずか0.39% の3,275 億円にすぎません 裁判所予算のほとんどは 裁判官 書記官などの人件費といわれています したがって 裁判官を倍増するためには 予算を2 倍近くに大幅増加する必要があります 平成 20 年度の裁判所予算は3,275 億円ですから 裁判官倍増のためには 同額近くの予算の増加が必要です しかし それでも予算規模としては 平成 21 年度補正予算に盛り込まれた環境対応車 ( エコカー ) への買い替え 購入補助金制度の予算総額 3,700 億円にも及びません 裁判官を大幅に増加させ 裁判所施設をさらに拡充させるためには 現状ではあまりにも少ない裁判所予算を大幅に増加させる必要があるのです 6

日弁連はこう考えます 日本弁護士連合会は 市民の司法 を実現するための司法改革を進めています 市民の司法 とは 市民にとって身近で利用しやすく頼りがいのある司法であり 市民一人ひとりが尊重され基本的人権が保障される司法をいいます その 市民の司法 を わが国社会のさまざまな分野や地域において実現するためには 公正かつ適正に紛争を解決し また 人権救済のための最終的な司法判断を行う裁判所の機能や役割を一層拡充することが必要です 社会経済のグローバル化や規制緩和が進むわが国社会にあっては 格差や貧困が拡大し さまざまな差別や虐待などの人権侵害 過労死 環境汚染 薬害等もあとを絶ちません このような 21 世紀のわが国社会において 司法の役割の重要性は今よりはるかに増大し その中核に位置する裁判所の役割もさらに重要性を増していくでしょう そして 裁判所の司法機能や役割が十全に果たされるためには それを支える裁判官を大幅に増員することが不可欠なのです 私たちは このパンフレットで見てきたような 裁判官不足により 裁判官が多忙で 余裕のないことが 充実した裁判や市民が納得できる裁判を行うことへの支障となるおそれがあること 裁判官が常駐していない裁判所支部が全国で 48 か所もあること そのことにより地域住民の裁判を受ける権利が損なわれることもあること などの状況を 裁判官を大幅に増員することにより 即刻改善しなければならないと考えています そして同時に 裁判官の大幅増員や裁判所施設をさらに拡充するための財政的措置として このパンフレットで指摘した裁判所予算の大幅増加も実現させなければなりません 日本弁護士連合会は 平成 15 年 10 月 裁判官及び検察官の倍増を求める意見書 を公表し 裁判官 ( 判事 判事補 ) を 今後 10 年間で少なくとも 2,300 人増員し 2 倍にする必要がある と提言しました しかし その後 6 年間で 裁判官 ( 判事 判事補定員 ) 数は 2,333 人 ( 平成 15 年 ) から 2,737 人 ( 平成 21 年 ) に増員されたものの その増加数は 404 人 増員率はわずか約 17.3% にすぎず 提言が掲げた倍増という到達目標にはほど遠い現状にあります したがって 近い将来 提言が掲げた倍増目標に到達するよう 裁判官を大幅増員させる必要が裁判官にあると考えます 市民の暮らしを 日本弁護士連合会 2010 年 3 月発行 東京都千代田区霞が関 1-1-3 電話 03(3580)9841( 代 ) FAX 03(3580)2866( 代 ) ホームページ http://www.nichibenren.or.jp 7