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57巻S‐A(総会号)/NKRP‐02(会長あいさつ)

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サカナに逃げろ!と指令する神経細胞の分子メカニズムを解明 -個性的な神経細胞のでき方の理解につながり,難聴治療の創薬標的への応用に期待-

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報道発表資料 2007 年 4 月 11 日 独立行政法人理化学研究所 傷害を受けた網膜細胞を薬で再生する手法を発見 - 移植治療と異なる薬物による新たな再生治療への第一歩 - ポイント マウス サルの網膜の再生を促進することに成功 網膜だけでなく 難治性神経変性疾患の再生治療にも期待できる 神経回

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

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医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる

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ランゲルハンス細胞の過去まず LC の過去についてお話しします LC は 1868 年に 当時ドイツのベルリン大学の医学生であった Paul Langerhans により発見されました しかしながら 当初は 細胞の形状から神経のように見えたため 神経細胞と勘違いされていました その後 約 100 年

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平成 26 年 3 月 4 日 件名 : がん化学療法の障害となる多剤排出トランスポーターの結晶構造 - 体内動態や脳内移行に優れたくすりの開発にも期待 - 本研究成果のポイント P 糖タンパク質 ( ヒト ABC 多剤排出トランスポーター ) と構造および機能が相同の CmABCB1 を温泉に棲む真核生物から世界で初めて発見しました CmABCB1 の原子分解能の構造を X 線結晶解析で決定しました CmABCB1 の動きを止めるユニークな阻害剤を発見し阻害様式を解明しました CmABCB1 が多種多様な化合物を排出するメカニズムが原子レベルで解明されました 京都大学 ( 総長 : 松本紘 ) の薬学研究科加藤博章教授 ( 理化学研究所客員研究員を兼務 ) と物質 細胞統合システム拠点 icems 植田和光教授 化学研究所平竹潤教授 東京大学理学系研究科菅裕明教授らの研究グループは がん化学療法の障害となっている ABC 多剤排出トランスポーターと非常によく似た構造と機能を示す膜タンパク質 CmABCB1 を温泉に棲む真核生物から発見し その分子構造と多剤排出メカニズムを解明しました 最初の抗がん剤治療で残った癌細胞が ABC 多剤排出トランスポーターを多数作ることによって多様な抗がん剤に耐性を獲得することは 化学療法の障害となっております 本研究では X 線結晶構造解析の手法を用いて その分子構造を詳細に解明することにより 多様な化学構造の分子を排出する仕組みを明らかにしました 本研究成果は 3 月 3 日午後 3 時 ( 米国東部時間 ) に米国科学アカデミー機関誌 Proceedings of the National Academy of Sciences の先行オンライン版に掲載される予定です 研究成果の概要 生物はトランスポーターという膜タンパク質を用いて細胞膜の内外の物質輸送を行っています なかでも ATP をその駆動エネルギーとして作用するものが ABC(ATP Binding Cassette; ATP 結合カセット ) トランスポーターと呼ばれています 特に有名なのが P 糖タンパク質 ( または MDR1) ともよばれる ABCB1 で 多種多様な化学構造の化合物を細胞外へと排出することが知られています

ABCB1 は 小腸 血液脳関門 肝臓 腎臓 生殖器に多く存在しており 外界の異物から生体を守る役割を果たしています 一方で 経口投与された薬も ABCB1 によって体外へと排出されることから ABCB1 との相性が薬の効力と大きく関係しています 生体防御の要である ABCB1 ですが がんの化学療法を阻害する原因になっています 最初に見つかったがんに対して抗がん剤を投与すると良く効いてがんのほとんどが死滅します ところが 生き残った癌細胞は ABCB1 を大量に作ります すると 初回に用いた抗がん剤だけでなく 未使用のいろいろな抗がん剤まで効かない多剤耐性を獲得してしまうのです したがって ABCB1 の分子構造を解明することにより この多剤排出という不思議な機能を解明することは 基礎科学的に重要なことはもちろん 創薬や医療にとっても重要な意義をもっています この ABCB1 遺伝子は 植田和光博士が多剤耐性癌細胞から 1986 年に世界で初めて単 それ以来 多剤排出という ABCB1 の不思議なメカニズムを明らかにするために 当研究グループをはじめ世界中の研究者が結晶構造解析を 30 年近く試みてきました しかし ABCB1 は細胞から取り出すと安定性が低く 詳細な分子構造の決定はこれまで不可能でした そこで 当研究グループは ヒトの ABCB1 が不安定で結晶にならないのであれば 高温に棲む生物から性質の良く似た分子を探すことにしました そして シゾン (Cyanidioschyzon merolae) という温泉に棲む真核生物に着目しました そして ヒト ABCB1 と遺伝子配列の良く似た CmABCB1( シゾンの ABCB1 という意味で命名した ) を発見しました そして 当時薬学研究科の大学院生だった崎山慶太が結晶化に成功しました その後 icems の小段篤史特任助教が数年かけて結晶の分解能を向上させ 薬学研究科の中津亨准教授といっしょに結晶構造の決定に成功しました 分解能の向上には 化学研究所の渡辺文太助教と大学院生池口圭司の合成した化合物が役立ちました 一方 CmABCB1 がヒト ABCB1 と良く似た化合物排出作用を示すことは 薬学研究科の山口知宏助教を中心に大学院生の藤岡あかね 農学研究科の木村泰久助教の共同研究で明らかになりました さらに 東京大学理学系研究科の Chris Hipolito 研究員が CmABCB1 の排出扉に外側から閂を掛けるような仕組みの阻害剤 acap を作り出しました (acap は さらに結晶の分解能を向上させました ) この acap が CmABCB1 と結合している姿の構造決定に大きく関わったのは薬学研究科の大学院生廣兼諒でした また 不安定な膜タンパク質の結晶であることから X 線結晶構造解析では大型放射光施設 SPring-8 の利用が必須でした CmABCB1 の構造と機能 CmABCB1 は 細胞膜に埋め込まれた排出ポンプ領域 TMD と細胞質に浮かぶ ATP 駆動エンジン領域 NBD からできています ( 図 1) TMD は 6 本の円柱状構造 (α

ヘリックス ) の 2 組 合計 12 本が巧みに編み込まれることで中央に巨大な空洞を作り その細胞外側を 1 番と 6 番のαヘリックス (TM1 と TM6)2 組 4 本で 細胞質側を 3 番と 4 番のαヘリックス (TM3 と TM4) 2 組 4 本で それぞれ開口部を作り それらを結ぶ 2 番と 5 番のαヘリックス (TM2 と TM5) 2 組 4 本で築かれています その結果 TMD には 細胞膜と細胞質が接する境界付近に横へ大きく口を開けた化合物取り込み部位ができあがり そのゲートが化合物の大きさに応じて変化できる柔らかさを持っていることが初めて分りました そして その取り込み口の奥 すなわち TMD の中央部に巨大な空洞が作られ その天井は疎水性の化合物が吸着しやすい構造であることが分かりました さらに 天井の横には天井の中央の開口部 (TM1 と TM6 の 2 組 ) を開く引き金となるスイッチがあることも分りました TMD と NBD は短い連結部位によって結ばれており ATP の結合 分解 解離の周期で構造変化する NBD エンジンの動作が 2 番と 5 番の αヘリックス (TM2 と TM5) 2 組 4 本を介して TMD に伝わる仕組みが見えてきました これらの構造と機能解析から導出された多剤排出のメカニズムは 次のようになります ( 図 2) 細胞膜を通過しやすい疎水性の化合物は細胞質には溶け難いため 外界から細胞へと侵入して来ると一時的に細胞膜と細胞質の境界に溜まります それを CmABCB1 は大きさ自在な取り込み口で内部の空洞へと吸い込みます その空洞の天井は疎水性の化合物を吸着しやすいため 化学構造の違いをあまり問わず 何でも吸い込むことができると考えられます そして 天井近くの化合物がスイッチに触れることを引き金に天井の扉 (TM1 と TM6) が開き 化合物は細胞の外へ排出されるというものです 今回の成果により 多剤排出の基本的な仕組み また ABCB1 に特異的に結合する阻害剤の新たな設計指針が明らかになりました これらの情報は, 薬の設計合成あるいは薬物治療の改良に役立つものと期待されます 今後 研究チームでは CmABCB1 の作用に伴う動きの全貌を解明し ABC 多剤排出トランスポーターの仕組みと弱点を詳しく解明する予定です また CmABCB1 で判明したことがヒト ABCB1 についても当てはまるかどうかを研究する予定です

< 用語説明 > ABC トランスポーター :ATP Binding Cassette という ATP によって駆動される部位を共通にもっている一群のタンパク質分子 ヒトでは 48 種類が知られており そのほとんどが病気と関連している ABCB ファミリーに属する P 糖タンパク質は最も有名で 多剤排出トランスポーターとして作用する この遺伝子を最初に単離したのは 当時米国 NIH へ留学していた icems の植田和光教授である P 糖タンパク質 : 世界で最初に発見された多剤排出トランスポーターであり 後に ABC トランスポーターファミリーに属することが判明した 生体を外界の異物から保護する重要な分子であるが がん細胞で沢山作られ がんの多剤耐性の原因として抗がん剤治療の障害ともなっている 多剤耐性 : 微生物からがん細胞に至る様々なヒトの外敵が 様々な薬物に対して抵抗性となってしまうこと 不十分に用いられた抗生物質などで生き残った病原菌などが 初回に用いた薬だけでなく いろいろな薬に対して抵抗性となってしまい 治療を困難にしている 多剤排出トランスポーターの高発現も原因となることが多い 特に がん細胞では P 糖タンパク質 (ABCB1) MRP1(ABCC1) BCRP(ABCG2) の 3 種類の ABC トランスポーターが多剤耐性と関わると考えられている 疎水性と親水性 : 化合物は 水に溶けやすい 親水性 の物質と油に溶けやすい すなわち 水には溶け難い 疎水性 の物質がある また その両方の性質をもつ 両親媒性 という洗剤のような物質もある 疎水性の化合物は リン脂質でできている細胞膜になじみやすく細胞膜を透過しやすい しかし 高塩濃度水溶液である細胞質には溶け難い TMD: 膜貫通領域 (trans-membrane domain) とは 膜内在性のタンパク質の膜 中に埋め込まれた領域のこと ABC トランスポーターの多くは この領域が化合 物輸送のポンプとなっている NBD: ヌクレオチド結合領域 (nucleotide binding domain) とは ABC トランスポーターに共通する ATP を燃料とするエンジンのこと ATP は ヌクレオチドという化合物の 1 つである 2 つの塊でできており その中央部に ATP を結合して分解する装置を持っている そして ATP との結合 ATP を ADP とリン酸に分解 生成した ADP からの解離 を 1 サイクルとして 2 つの塊が結合と解離を繰り返し動力を発生する これが TMD に伝わりポンプが駆動される

< 図の説明 > 図 1 CmABCB1 の結晶構造の模式図 CmABCB1 は 2 つのサブユニットが 1 組で作用する 一方を彩色し 他方は灰色で表した 彩色したサブユニットでは TMD を構成する 6 本の円柱状構造 (αヘリックス TM1 TM6) に番号 1 6 をつけた αヘリックスはリボンで表している TM2( ブルーグリーンと灰色 ) の細胞外と細胞膜の境界付近には阻害剤 acap( 黄色と黒 ) が結合している また 細胞膜との関係がわかるように 膜を構成するリン脂質をモデルで示した 図 2 多剤排出のメカニズム細胞膜を通過しやすい疎水性の化合物は細胞質には溶け難いため 外界から細胞へと侵入して来ると一時的に細胞膜と細胞質の境界に溜まります それを CmABCB1 は大きさ自在な取り込み口で内部の空洞へと吸い込みます その空洞の天井は疎水性の化合物を吸着しやすいため 化学構造の違いをあまり問わず 何でも吸い込むことができると考えられます そして 天井近くの化合物がスイッチに触れることを引き金に天井の扉 (TM1 と TM6) が開き 化合物は細胞の外へと排出される 天井および細胞質側のそれぞれの扉の開閉の動力は ATP エンジン (NBD) の動きが供給している

図 1 図 2