同じ年の年収を変えずに 社会保険料を 大きく 削減する方法 ~ 前篇 ~ ラックコンサルティングファーム代表取締役 社会保険労務士新島哲
節減の対象となる社会保険料 健康保険 健康保険 社会保険 介護保険 厚生年金 雇用保険 労働保険 労災保険 概要 業務外の傷病に関する給付を行う 政府管掌 健康保険 ( 協会けんぽ ) と組合管掌健康保険 ( 健保組合 ) がある 介護や家事支援などの給付 ( サービス ) を提 老齢 障害 死亡 ( 遺 失業等に関する保険給 供 満 40 歳以上の人が族 ) に対する保険給付 付 対象 業務上 通勤途上の傷病 障害 死亡に関する保険給付 会社負担 4.985% 0.775% 8.206% 0.85% 0.30% 保険料率社員負担 4.985% 0.775% 8.206% 0.50% なし 合計 9.970% 1.550% 16.412% 1.35% 0.30% * 協会けんぽの保険料率 ( 介護保険含む ) は都道府県ごとに違う * 組合健保は各組合ごとに保険料率が違う 上がりつづける健康保険料 ( 介護保険料を含む ) 厚生年金保険料 この 2 つを削減対象としてお伝えします
毎年負担が重くなる社会保険料 1 厚生年金保険料平成 16 年から毎年 0.354%( 会社負担は 0.177%) ずつアップし続けている 最終的には 18.3%( 会社負担 9.15%) で固定される 期間 保険料率 (%) アップ率 累計 平成 16 年 9 月まで 6.790 平成 16 年 10 月から 6.967 0.177 0.177 平成 17 年 9 月から 7.144 0.177 0.354 平成 18 年 9 月から 7.321 0.177 0.531 平成 19 年 9 月から 7.498 0.177 0.708 平成 20 年 9 月から 7.675 0.177 0.885 平成 21 年 9 月から 7.852 0.177 1.062 平成 22 年 9 月から 8.029 0.177 1.239 平成 23 年 9 月から 8.206 0.177 1.416 平成 24 年 9 月から 8.383 0.177 1.593 平成 25 年 9 月から 8.560 0.177 1.770 平成 26 年 9 月から 8.737 0.177 1.947 平成 27 年 9 月から 8.914 0.177 2.124 平成 28 年 9 月から 9.091 0.177 2.301 平成 29 年 9 月から 9.150 0.059 2.360 現在でも非常に負担が 大きくなっていますが これから先も更に 負担が大きくなっていきます
毎年負担が重くなる社会保険料 2 平均年収 400 万円の社員が 50 人いる会社では 毎年約 35 万円の保険料アップ ( 厚生年金会社負担分だけ ) 400 万円 50 人 0.177% = 354,000 円 平成 16 年から既に 8 回値上がりしているので これまでに累計で約 280 万円 ( 年間 ) の負担増になっている 354,000 円 8 年間 = 2,832,000 円 仮に粗利益や経費の金額が変わらないとしても社会保険料が増加し続けるため 社会保険料が原因で 減益 となるケースも現実となってきます
毎年負担が重くなる社会保険料 3 健康保険料と介護保険料 医療や介護は高齢者への支払いが増えるとほぼ自動的に保険料 ( 後期高齢者医療制度への支援金 ) が増える仕組み 健康保険料率の変更は 各都道府県支部の協会健保が毎年の運営状況から料率変更の申請を大臣に行って 厚生労働大臣が認可することで変更ができる ( 平成 18 年 6 月健康保険法の改正 実施は平成 21 年 9 月 ) 健康保険料 介護保険料 期間 保険料率 アップ率 保険料率 アップ率 平成 21 年 10 月から 4.09 0.595 平成 22 年 4 月から 4.66 0.57 0.75 0.155 平成 23 年 4 月から 4.74 0.08 0.755 0.005 平成 24 年 4 月から 4.985 0.245 0.775 0.02 * 数値は企業負担分のみ 法的な決定事項ではありませんが 健康保険料も増加を続けています 高齢化の一層の進展を考えれば 今後も増え続けることが 容易に想像できるでしょう
約300万円累計 3600 万円の 300万円毎年負担が重くなる社会保険料 4 平均年収 400 万円 社員 50 名の会社の場合 毎年 0.3% ずつ保険料がアップすると仮定すると 毎年 60 万円の負担増が見込まれる これまで増加した社会保険料 負担増! 35 万円 35 万円 これまでの負担増平成 16 年から 24 年までの累計約 1300 万円 これからさらに増加する社会保険料 60 万円 60 万円 これからの負担増約 900 万円 これまでの負担増平成 24 年から 29 年まで継続約 1400 万円 (280 万円 5 年 ) 約平成 16 年平成 24 年平成 29 年 事例の会社であれば 法改正から現在まで 1300 万円の保険料が増加しています 更に今後 5 年で 2300 万円増加する見込み となります 売上に換算すれば 2 億円以上の損失ということになります 利益率の低い会社であれば 20 億円を 超える損失となるかもしれません
社会保険料の不思議 1 年収 400 万円の場合 1 月給 25 万円ボーナス 50 万円 2 回年間保険料 582,694 円 2 月給 26 万円ボーナス 44 万円 2 回年間保険料 565,722 円 3 月給 24 万 9999 円ボーナス 50 万 6 円 2 回年間保険料 548,746 円 同じ年収でももらい方で保険料が違って来る 月給とボーナスでは 社会保険料の計算方法が異なります 月給の社会保険料は等級表で決まる ボーナスの社会保険料は 料率をかけて決まる そのため 年収が同じでも月給とボーナスの比率が変わるだけで社会保険料の金額も変わります よってこのように不合理な結果が生じます
社会保険料の不思議 2 年収 270 万円と 330 万円の社員 1 社員 A 年収 270 万円通常月 20 万 9 カ月 4~6 月 30 万 3 カ月年間保険料 509,148 円 2 社員 B 年収 330 万円通常月 30 万 9 カ月 4~6 月 20 万 3 カ月年間保険料 339,432 円 社員 A のほうが年収が少ないのに社会保険料は多くなっている 月給の社会保険料は原則として 4~6 月の給与で決まります 年収に必ずしも左右されません よって このような不合理な結果が生じることとなります 仕組みを知らないと 損をする上手に仕組みを使えば得をすることも
社会保険料削減パターン 30 項目 標準報酬等級の上限を利用 標準報酬等級における報酬月額の枠を利用 標準賞与額の上限を利用 標準報酬等級の改定の仕組みを利用 被保険者の資格得喪の時期を利用 被保険者資格の有無を利用 社会保険料がかからない外部人材の活用 休職制度の見直し 退職所得制度を利用 在職老齢年金制度の活用 第 2 退職金制度の活用 役員報酬の見直し 育児休業の月変の活用 社宅制度の活用 手法年間の賞与を12 等分して 月額給与に配分する枠内の余裕額に賞与の一部を割り振る賃金制度における等級毎の基本給を 標準報酬等級の報酬月額の上限に設定する賞与の支給を年一回とする 4,5,6 月の残業代を減らす 7 月に賃金の改定 ( 昇給 降給 ) を行う退職日は月末以外に設定する採用は1 日付けで実施する正規社員をパートタイマーと取り替える新規に採用する場合 可能な限りパートタイマーとして契約する新規に契約する場合 雇用契約期間を 2ヶ月以内で契約する請負契約を活用する委託契約を活用する人材派遣を活用する現在の休職期間を見直して 可能であれば短縮する休職期間中の社会保険料については 休職者も負担 ( 折半 ) することを明記する 59 歳時点の賞与をなくし 退職金に上乗せする賞与の一部を退職金の積立へまわす給与の一部を401kの掛金にまわす定年後の雇用延長は 再雇用で雇用する定年後の再雇用では 賃金水準を下げる再雇用時の賃金水準の更なる引き下げを行い かつ 手取額の増額常勤役員を非常勤役員に変更する役員退職慰労金を支払うことで 役員報酬を減額する育児休業終了時の月額変更届の活用借上げ社宅の家賃を補助する 検討必要事項賃金規程の改定 不利益変更の対応賃金規程の改定等級制度 賃金制度の改定賃金規程の改定 老齢厚生年金額との関係業務の見直し 対処開始月 (3 月から ) 不利益変更の対応退職手続きの見直し採用手続きの見直し業務の見直し業務の見直し業務の見直し業務の見直し業務の見直し業務の見直し休職規定の整備就業規則の見直し社員との個別同意賃金規程の改定前払退職金制度社員との個別同意社員との個別同意社員との個別同意役員の同意 役員関連規程の整備役員の同意 役員関連規程の整備社内手続きの見直し社内規程の整備 どのパターンも確実に成果が表れる手法です 一方 次のいずれかの問題点があり なかなか決定打となり得えません ハードルが高く実現性が低い 実現可能性が高いが効果がうすい 制度変更が必要で社員の理解を得るのが大変 手間や経費が大きく効果が薄い 生涯収入は維持できるが 直近の所得が減る
会社が取り組むべき削減法 実現性が高い 削減額が多い 大きな制度変更の必要がない 社員へ負担を強いることがない 経費がかからないあるいはごく僅かで済む 次回後篇では この問題を解決した具体的事例をご紹介します お楽しみに! < お問い合わせ> ラックコンサルティングファーム新島哲新潟市中央区米山 3-5-8 TEL 025-246-1270 info@j-kaikaku.com