2016 年 4 月版 これからの資産形成と NISA 活用 CONTENTS 1. ライフイベントと必要な資金額 2. 運用商品を選ぶ上での注意点 3. NISA 活用による効率的な資産形成
1 1. ライフイベントと必要な資金額 生活設計を立てている人はどれくらい? 生活設計あり 39.2% 生活設計なし 55.7% わからない 5.1% さて 生活設計 ( ライフプランニング ) はどれくらいの人が行っているのでしょうか? 調査 ( 1) によると 具体的な生活設計を立てている人の割合は 39.2%(5 人に 2 人 ) に過ぎません ライフサイクルは 時代にあわせて変化しており 以前の常識が当てはまらないケースがある中 ライフプランニングを全く考えないことは 地図やナビゲーション無しでドライブを行うようなものです さて それではどのようにライフプランニングを考えればよいのでしょうか? 答えは一つではないですが 次ページ以降で具体的な方法を考えていきます 1 生命保険文化センター 平成 25 年度生活保障に関する調査
2 1. ライフイベントと必要な資金額 ライフプランイメージ 1: 現役世代のサラリーマン 現在の金融資産額 収入 ( 主に給与収入 ) 退職金 リタイア時の金融資産額 現在 支出 子供の教育費 ( 入学金 授業料 ) 住宅購入費 ( 頭金 住宅ローン ) リタイア時 現役世代のプランには 大きな資金が必要となる 3 大ライフイベント 教育資金 住宅資金 老後資金 を考慮して リタイア時点で幾ら金融資産を積み上げるかがポイントです
3 1. ライフイベントと必要な資金額 ライフプランイメージ 2: セカンドライフの退職者 現在の金融資産額 遺したい金融資産 収入 現在 ( リタイア時 ) 支出 支出 > 収入 不足額合計が老後の生活資金の不足分 平均余命 退職者は 収入が減った中で お子様 お孫様にどれくらいご資産を残したいか がポイントになります
4 1. ライフイベントと必要な資金額 子供 1 人当たりの学習費用 幼稚園 3 歳から高校 3 学年迄の 15 年間の学習費総額 1 学習費総額 ( 1) 幼稚園小学校中学校高校 合計 ケース 1( 全て公立 ) 約 63 万円 ( 公立 ) 約 149 万円 ( 私立 ) 約 192 万円 ( 公立 ) 約 922 万円 ( 私立 ) 約 144 万円 ( 公立 ) 約 402 万円 ( 私立 ) 約 123 万円 ( 公立 ) 約 297 万円 ( 私立 ) 約 523 万円 ( 公 公 公 公 ) ケース 2( 高校のみ私立 ) 約 698 万円 ( 公 公 公 私 ) ケース 3( 小学校だけ公立 ) 約 1,041 万円 ( 私 公 私 私 ) ケース 4( 全て私立 ) 約 1,770 万円 ( 私 私 私 私 ) 更に 大学まで通うとなると 入学先別の卒業迄の費用 2 私立短大国公立大学私立大学文系私立大学理系 費用累計 ( 入学費用 + 在学費用 ) 約 363 万円約 511 万円約 692 万円約 788 万円 幼稚園 ~ 高校まで全て私立で 私立大学理系に進むと 学習費用は計 2,558 万円になります
5 1. ライフイベントと必要な資金額 住宅購入費用はローン金利で上下 1 返済期間を 35 年とするケース 総返済額 ( 月額 ) 金利 1.0% 金利 1.5% 金利 2.0% 1 シミュレーションは 1 2 共に 元利均等返済 ボーナス返済なし 返済期間中に金利変動なし を前提として試算 なお諸費用は考慮していません 返済期間を 20 年とするケース 総返済額 ( 月額 ) 金利 1.0% 金利 1.5% 金利 2.0% 借入額 2,000 万円 2,371 万円 (5.6 万円 ) 2,572 万円 (6.1 万円 ) 2,783 万円 (6.6 万円 ) 借入額 2,000 万円 2,207 万円 (9.2 万円 ) 2,316 万円 (9.7 万円 ) 2,428 万円 (10.1 万円 ) 借入額 3,000 万円 3,557 万円 (8.5 万円 ) 3,858 万円 (9.2 万円 ) 4,174 万円 (9.9 万円 ) 借入額 3,000 万円 3,311 万円 (13.8 万円 ) 3,474 万円 (14.5 万円 ) 3,642 万円 (15.2 万円 ) 金利が低いほど 又返済期間が短いほど 総返済額は少なくなります 但し 返済期間が短いと 月々の返済額はその分大きくなります 家計に無理のない条件設定が必要です 一般的に住宅ローンの年間返済額は 年収の 20% 以内 に抑えるべきで 頭金は 購入価格の 20% 以上 準備すべき とよく言われます 低金利とはいえ 無理な借り入れは家計に重い負担となります
1. ライフイベントと必要な資金額 老後の生活資金 (a) 高齢無職世帯の家計収支 ( 総世帯 )- 平成 26 年 - 1 社会保障給付 14.7 万円 (86.0%) 実収入 :17.1 万円 その他 2.4 万円 不足分 6.0 万円 支出合計 :23.0 万円 非消費支出 2.3 万円 食費 5.3 万円 住居費 1.5 万円 光熱 水道 1.9 万円 教養娯楽 2.2 万円 その他消費支出 4.7 万円 交際費 2.3 万円 一般的に 夫婦 2 人で生活を送る上での最低日常生活費は月額 22.0 万円 ゆとりをもった老後生活を送るには 月額 35.4 万円の生活費が必要と言われています ( 2) 1 総務省統計局 家計調査年報 ( 家計収支編 ) 平成 26 年家計の概況 2 生命保険文化センター平成 25 年度 生活保障に関する調査 6
7 1. ライフイベントと必要な資金額 遺したいお金 (b) 夫婦及び子供世帯での相続税負担額イメージ ( 1) 課税価格 ( 基礎控除前 ) 子供 1 人 子供 2 人 一次相続時二次相続時一次相続時二次相続時 1 億円 385 万円 1,220 万円 315 万円 770 万円 2 億円 1,670 万円 4,860 万円 1,350 万円 3,340 万円 3 億円 3,460 万円 9,180 万円 2,860 万円 6,920 万円 5 億円 7,605 万円 19,000 万円 6,555 万円 15,210 万円 10 億円 19,750 万円 45,820 万円 17,810 万円 39,500 万円 1 夫婦が順に相続発生し 法定相続分通りに相続したと仮定した場合に一次相続及び二次相続 ( 子供のみ ) で係ると想定される相続税負担額 簡略化のため 二次相続の相続税負担額計算においても 課税価格は一次相続時と同じと仮定 200 万円程度と言われる 葬儀費用 に加えて 相続税負担見込額 は 家族に迷惑をかけないように 現金で遺したい と考える方もおられるようです 2015 年より相続税の税率構造が変更になりました 配偶者の税額軽減 が使えない二次相続まで考えると かなり負担が重くなる資産家のご世帯もあると思われます
8 1. ライフイベントと必要な資金額 必要額は?(a+b) 老後の生活資金 : 月間の不足分 月数 + 遺したいお金 = : 希望額 リタイア時点での目標額 老後の生活資金については 不足分の発生が見込まれる場合 ご自身の想定されるリタイア年齢における平均余命から 必要額を試算できます 例 : リタイア年齢 60 歳の男性 ( 平均余命 : 約 23 年 ) 月間の生活費不足額 6.0 万円のケース 6.0 万円 12 ヶ月 23 年 ( )=1,656 万円 ご夫婦で年齢が離れているケース等 長い方を用いるなど適宜年数を調整して下さい
9 2. 運用商品を選ぶ上での注意点 2. 運用商品を選ぶ上での注意点
2. 運用商品を選ぶ上での注意点 2001 年以降 (~2014 年 ) の騰落率推移 1 2001~2014 年における平均騰落率 / 標準偏差 1 資産クラス 騰落率 標準偏差 国内株式 +0.7% 17.8% 国内債券 +2.0% 1.9% 海外株式 +5.6% 19.8% 海外債券 +6.9% 9.8% 4 つの資産クラスの騰落率推移 標準偏差 ( 資産価格の振れ幅 ) を見ると 国内株式や海外株式は振れ幅が比較的大きく 国内債券は振れ幅が小さいようです 過去データと今後のパフォーマンスとは異なるかもしれませんが どの程度のリスクを取る必要があるかを考える上での参考として下さい 1 出所 : ブル - ムバーク使用している指数は 国内株式 :TOPIX 国内債券 :NOMURA-BPI 総合インデックス海外株式 :MSCI コクサイインデックス ( 円換算ベース ) 海外債券 : シティグループ世界国際インデックス ( 除く日本 円換算ベース ) 10
11 2. 運用商品を選ぶ上での注意点 資産クラスの分散 投資タイミングの分散 使途が決まった資金の活用 等の運用の工夫によって ある程度リスクを抑えることができます 資産クラスの分散 資産クラス 騰落率 標準偏差 国内株式 +0.7% 17.8% 国内債券 +2.0% 1.9% 海外株式 +5.6% 19.8% 海外債券 +6.9% 9.8% 4 資産分散 +4.2% 9.4%
12 2. 運用商品を選ぶ上での注意点 投資タイミングの分散 価格 過去 将来? 今後 価格が上昇するか下落するかの判断は プロの投資家でも難しいものです 投資タイミングを分散させることで 高値掴みのリスクを避けることが出来ます 具体的には 等金額で期間を分けて購入する ドル コスト平均法 が広く知られています ドル コスト平均法での購入イメージ 第 1 期第 2 期第 3 期第 4 期第 5 期 購入価格 10,000 円 5,000 円 15,000 円 8,000 円 12,000 円 1 口当りの平均購入価格 8,696 円 口数 60 口 120 口 40 口 75 口 50 口計 345 口 投資金額 60 万円 60 万円 60 万円 60 万円 60 万円計 300 万円 安いときは 口数が多い 高いときは 口数が少ない
13 2. 運用商品を選ぶ上での注意点 使途が決まった資金の活用 区分教育費用 内容例 2 長男 (10 歳 ) の大学卒業までの学習費用 ( 内 高校以降 989 万円 ) 3 長女 (5 歳 ) の大学卒業までの学習費用 ( 内 高校以降 989 万円 ) 住宅購入費用 43 年後の住宅購入のための頭金 + ローン費用 ( 金利負担含む ) 資金の活用例 項目 金額 期間 複利利回り 運用結果 3 長男の学習費用の活用 989 万円 5 年 0.321% 1,005 万円 長女の学習費用の活用 989 万円 10 年 0.712% 1,061 万円 頭金の支払資金の活用 1,000 万円 3 年 0.247% 1,007 万円 合計 2,978 万円 +96 万円 3,074 万円 使途予定資金も期間を区切って 運用に廻すことで 余剰資金の運用において必要となる利回り ( 及び取るべきリスク量 ) を抑えることができます
14 3. NISA 活用による効率的な資産形成 3. NISA 活用による効率的な資産形成
15 3. NISA 活用による効率的な資産形成 20 歳以上が対象の NISA について 年間投資上限額が 従来の 100 万円から 120 万円に上がりました 19 歳以下が対象の ジュニア NISA が新たにスタートしました 年間投資上限額は 80 万円です *1 いずれも口座開設年の 1 月 1 日現在 *2 3 月 31 日現在で 18 歳である都市の前年 12 月 31 日 ( 一般に 高校 3 年生の 12 月 31 日 ) まで *3 1 月 1 日現在で 20 歳である年の前年 12 月 31 日まで
16 3. NISA 活用による効率的な資産形成 Point 21 NISA ジュニア NISA 共通 年間投資上限額で使い切らなかった分は 翌年以降に繰り越しはできません 毎年の NISA 枠は 計画的にご活用下さい Point 2 NISA ジュニア NISA 共通 上場株式等 ( 1) の配当等の受取方法について 株式数比例配分方式 ( 2) を選択していないと株式の配当金を非課税で受取ることはできません 1: 非上場公募株式投資信託の分配金は選択不要 2: 株式を保管している証券口座に株数按分で入金される方式 指定した銀行に振り込む方式や郵便局等の窓口で受領する方式では 非課税で受け取れません
17 3. NISA 活用による効率的な資産形成 Point 23 NISA ジュニア NISA 共通 NISA やジュニア NISA 口座で ( 途中売却せずに ) 非課税期間が終了する 5 年後の年末を迎えた場合 原則として年末時価をもって課税口座 ( 特定口座或いは一般口座 ) に移管されます 但し 引き続き非課税での運用を希望する場合 翌年から新たに設けられる非課税枠を利用して投資を続けられます (= ロールオーバー ) NISA での投資イメージ
18 3. NISA 活用による効率的な資産形成 Point 24 ジュニア NISA のみ ジュニア NISA 口座は 一般に高校 3 年生である年 (3 月 31 日現在で 18 歳である年 ) の 1 月 1 日以降 払い出しが可能になります それ以前に払い出す場合 過去の利益に対して課税されます 折角のジュニア NISA の利点が無くなるので要注意です ジュニア NISA のイメージ *1 3 月 31 日現在で 18 歳である年の 1 月 1 日以降 ( 一般に 高校 3 年生の 1 月 1 日以降 ) *2 災害等やむを得ない場合には 非課税での払出しが可能
19 3. NISA 活用による効率的な資産形成 Point 25 ジュニア NISA のみ ジュニア NISA 口座は 非課税期間は 5 年となっていますが 時価 80 万円を上限に ロールオーバーによって 20 歳になるまでは非課税で運用できます また 20 歳になれば 2023 年までは 120 万円を上限に NISA 口座に移して 非課税での運用を続けることが可能です ジュニア NISA での投資イメージ * 1 月 1 日現在で 20 歳である年の前年 12 月 31 日まで
3. NISA 活用による効率的な資産形成 NISA 口座と課税口座での手取り金額の差 ( 運用利回り 3% と想定した場合 ) 共通部分 投資年度金額運用期間 NISA 口座での手取り金額 課税口座での手取り金額 1 年目 100 万円 5 年 1,159,274 1,125,380 2 年目 100 万円 4 年 1,125,509 1,099,106 3 年目 100 万円 3 年 1,092,727 1,073,445 5 年間 毎年 100 万円ずつ 利回り 3% で運用を行なえたと想定して 5 年後の NISA 口座と課税口座の手取り金額の差を試算 ( ) 4 年目 100 万円 2 年 1,060,900 1,048,382 5 年目 100 万円 1 年 1,030,000 1,023,906 合計額 5,468,410 5,370,219 5 年間の合計額では NISA 口座での手取り金額が約 10 万円多くなることが読み取れます 長期投資を行うことで NISA やジュニア NISA のような非課税口座での運用メリットが大きくなることを期待できます 課税口座での運用益は もし課税口座で別の損失があれば損益通算ができますが ここでは単純化のため損益通算はないものとして試算 20
21 3. NISA 活用による効率的な資産形成 NISA 口座を活用した分散投資 投資クラスの分散 資産クラス 騰落率 標準偏差 国内株式 +0.7% 17.8% 国内債券 +2.0% 1.9% 海外株式 +5.6% 19.8% 海外債券 +6.9% 9.8% 4 資産分散 +4.2% 9.4% 投資タイミングの分散 価格 過去 将来? 2023 年まで開設可能な NISA 口座の非課税枠 ( 毎年 120 万円 ) を活用することで 時間分散を図りつつ 効率的に手取り金額を増やす運用が可能です 投資対象も NISA 口座の対象となる株式投資信託を通じて 少額からでも株式だけでなく 国内債券や外国債券 更にリート ヘッジファンド運用 及び複数の資産クラスに分散投資するバランスファンド等へ投資できます
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