終末処理場 水処理 : 大別すると一次処理, 二次処理, 高度処理 一次処理 : 生下水中の固形物や浮遊物を物理的に沈殿 浮上させ分離除去. 二次処理 : 一次処理した下水から BOD, 残存浮遊物を除去. 高度処理 : 二次処理では十分に除去出来ない有機物, 窒素, リンなどの除去 15.7%(H19 年度 ) 水処理の副産物である汚泥 ( 固形物 ) 処理も重要
排水規制体系
排水規制体系 水質汚濁防止法より, 有害物質の排水基準と一般項目の排水基準が排水基準がある. 全国一律すべての公共用水域に. 参照 : 上載せ基準, 横だし基準 下水道法施工令での計画放流水質 放流水基準表 3.9
下水道の放流水質の技術基準
活性汚泥法
生物処理フロー
下水処理のフロー
沈殿法 重力沈降可能な SS を沈殿除 去して水と分離する方法 最初沈殿池と最終沈殿池で 利用 video
最初沈殿池 最初沈殿池は生物処理のため の予備処理であり, 下水中の 有機物を主体とする比重の大 きい SS を沈殿分離する. 沈殿時間は 1.5 2 時間, 有効水深 2.5 4m
最終沈殿池 video 最終沈殿池は生物処理により発生する汚泥 ( 微生物フロックを主体とする比重が小さいSS) と処理水に分離し, 沈殿した汚泥を濃縮する. 沈殿時間は 3 時間程度沈殿時間は 3 時間程度, 有効水深 2.5 4m
沈殿池の設計諸元 設計因子は流入水量を池の 表面積で割った水面積負荷 が重要 設計諸元は表 3.11
活性汚泥法 好気性微生物を利用 ( 空気を吹き込む必要 ) 水中の有機物 (BOD) は CO 2 と水と活性汚泥に変換され, 水は浄化. 活性汚泥と上澄水に分離して, 沈殿した汚泥の一部は反応タンクに戻す. 余分な汚泥は余剰汚泥 ( 廃棄物 ) として処理.
活性汚泥法における生物処理の概要 video 1. 汚濁物質が活性汚泥表面に吸着 2. 吸着された有機物が微生物に取り込まれ, 有機物の分解される. 酸化 ( 異化 ): 有機物 + O 2 CO 2 + H 2 O + エネルギー同化 : 有機物 + O 2 + エネルギー 活性汚泥微生物 + CO 2 +HO 2 内生呼吸 ( 自己分解 ): 活性汚泥微生物 + O 2 CO 2 + H 2O + エネルギー 曝気で膨大なエネルギー消費( 日本の電力消費の約 0.6% が下水処理場 ) 酸化されガス化するのは30% 程度 ( 余剰汚泥の発生大 ) 汚泥処理が重要 重力沈殿による処理水と汚泥の分離も鍵
環境因子 栄養バランス BOD: 窒素 : リンは100:5:1 程度 微量元素 ( 鉄, マグネシウム, ナトリウムなど ) も 温度は 15 25 ph は 6.0 8.0
有機物負荷 BOD-SS 負荷 [kgbod/(kgmlss 日)] =(1 日に反応タンクに流入する BOD の量 ) /( 反応タンクに存在する微生物の量 ) =( 反応タンク流入量 反応タンク流入水のBOD)/( 反応タンク内のMLSS 濃度 反応タンクの容積 ) 標準活性汚泥法のBOD-SS 負荷 BOD/(kgMLSS 日 ) 0.2 0.4kg
水理学的滞留時間 下水が反応タンクに滞留する時間 水理学的滞留時間 [ 日 ]θ = VA/Q = 反応タンクの容積 / 1 日あたりの反応タンク流入水量
固形物滞留時間 水処理系内に汚泥が滞留する日数 SRT[ 日 ]= 水処理系内に存在する活性汚泥量 /1 日あたり系外に排出される活性汚泥量 = 反応タンクの容積 反応タンク内のMLSS 濃度 / 余剰汚泥量 余剰汚泥の SS 濃度 +(1 日あたりの反応タンク流入水量 - 余剰汚泥量 ) 処理水中のSS 濃度 = 反応タンクの容積 反応タンク内の MLSS 濃度 / 余剰汚泥量 余剰汚泥のSS 濃度
返送汚泥比 R 反応タンク内の MLSS 濃度 X =Q(RX -X )/Q(1+R) A R E =(RX -X )/(1+ R). R E X E は RX R の値に較べて小さいので X =RX /(1+ R), A R 式を変形し R=X /(X -X A R A )
汚泥の沈降性 video SV30: 容量 1Lのメスシリンダーに反応タンクの混合液をとり,30 分静置したときの沈殿汚泥容積を % で表したもの. SVI: 反応タンク内混合液を 30 分間静置した場合,1gの活性汚泥浮遊物が占める容積を ml で表したもの. 通常 50 100, バルキングでは200 以上
バルキング 活性汚泥が沈降を妨げる障害微 生物の著しい増殖によって, 沈 降分離が不良になる現象. バルキングには糸状性と非糸状 性 ( ズーグレアバルキング : 汚 泥が親水コロイド化し, 安定分 散相を呈する ) があるが, 通常 は糸状性の場合をいう.
バルキングの対策 すべてのバルキングに応用できる制御方法は確立されていないが, 主な対策は (1) 金属塩凝集剤を添加する. (2) BOD 負荷を低下させる. (3) エアレーションタンクを押し出し流れにする. などである. また嫌気 好気活性汚泥法には糸状性バルキングの抑制効果がある.
反応タンク video 多槽完全混合形タンクが多い. 水深は5mが普通,10mの深層式も 必要空気量 : 活性汚泥に必要な空気を供給し, タンク内を撹拌. 通常, 流入 BOD 量あたり 0.7kgO /kgbod 程度 ( 硝化なし ). 2 DO は 1 2mg/L, 標準活性汚泥法の場合, 流入下水量の3 7 倍程度の空気量.
エアレーションの方法 下図参照
活性汚泥法のポイント 下水と活性汚泥との混合 混合液に対する酸素供給 混合液の沈降分離 最終沈殿池からの汚泥引き抜き と反応タンクへの返送
活性汚泥法の変法 ステップエアレーション法 オキシデーションディッチ法ションディッチ法 回分式活性汚泥法
ステップエアレーション法 標準活性汚泥法では下水はエアレーションタンクの最初の部分にだけ流入するので, 活性汚泥微生物に対する負荷が一度にかかり, 酸素利用量も少なくなる. そこでエアレーションタンクを流下する混合液の流れにそって, 3 4 ヶ所で下水を均等に分割注加し,BOD-SS 負荷を均一化し, 混合液の酸素利用量も均一にする. 標準法と同一 BOD-SS 負荷で運転した場合, 平均 MLSS 濃度が高くできるので曝気時間を短く出来, 処理効率が高くなる. またエアレーションタンクから流出する混合液の MLSS 濃度を低くできるので,SVIが高くなった場合でも対応出来やすい.
オキシデーションディッチ法ションディッチ法 最初沈殿池を設けず, 機械式エアレーション装置を有する無終端水路を反応タンクとし, 低負荷で活性汚泥処理をおこない, 最終沈殿池で固液分離をおこなう下水処理方式である. 低負荷で運転するので, 安定した処理が可能である. また, 硝化反応が進みやすく, 水路内に無酸素ゾーンを設けることで窒素除去が期待できる. 広い処理場用地が必要であり, 小規模処理場に適している.
オキシデーション ディッチ法 鬼無里浄化センター
オキシデーションディッチ法ションディッチ法
オキシデーションション ディッチ法
オキシデーションディッチ法シ 嫌気ゾーンと好気ゾーンゾ ( 硝化 脱窒素 )
プレハブ式オキシデーションディッチ法ションディッチ法 設計の省力化 ( システムのパッケージ化 ) 工期の短縮と品質向上 ( 部材のプレハブ化 ) 維持管理が容易で経済的
回分式活性汚泥法 一つの回分槽に反応タンクと最終沈殿池の機能をもたせ, 活性汚泥による反応と混合液の沈殿, 上澄み液の排水, 沈殿汚泥の排泥の工程を時間的に繰り返す処理法. 流入下水量の量や質に応じ, エアレーション時間, 沈殿時間などを自由に設定でき, 混合液を理想的な静置状態で沈殿させるため固液分離が良好であること, 有機物除去と同時にリンや窒素の除去が可能である. 中小規模の処理場で採用.
下水道の放流水質の技術基準
放流水水質の技術基準