捻挫について 捻挫について 理学療法士 中田宏樹
今日の流れ 捻挫とは? 足の解剖から捻挫の定義まで 捻挫の受傷起点 救急処置 長期的観点から見た捻挫 再損傷予防 捻挫について 22
足の解剖 脛骨 腓骨 距骨 踵骨 33
足の解剖 捻挫について 44
足の解剖 前距腓 後距腓 踵腓 捻挫について 55
足の運動学 背屈と底屈 66
足の運動学 外反と内反 77
捻挫とは 骨と骨を繋ぐ可動部関節周辺部位の損傷 関節を包む関節包や骨と骨を繋ぐ靭帯及び 軟部組織 ( 内臓 骨以外の総称 ) を損傷した 状態を指す 要するに 捻挫について ひねったりした後の痛いやつ 88
足首の捻挫 足首の場合の捻挫は足の外側の靭帯の損傷が 9 割以上 外側靱帯 前距腓靭帯 踵腓靭帯 後距腓靱帯 捻挫について 99
捻挫について 1100
今日の流れ 捻挫とは? 足の解剖から捻挫の定義まで 捻挫の受傷起点 救急処置 長期的観点から見た捻挫 再損傷予防 捻挫について 1111
受傷起点 つまずいたり ぶつかったり ジャンプの着地だったり 捻挫について 1122
なんで外側の靱帯損傷が多い? 1 外側の靱帯は弱い 2 足の動きの問題 3 骨の問題 捻挫について 1133
1 外側の靱帯は弱い 強度対決内側靱帯 ( 三角靱帯 ) VS 外側靱帯 ( 前距腓 踵腓 後距腓靱帯 ) WINNER 内側靱帯! 捻挫について 1144
靱帯の総面積 内側 > 外側 捻挫について 1155
2 足の動きの問題 親指 小指 足先を下に向けると ( 底屈 ) 自然と小指側が下がる 親指 捻挫について小指 1166
外側靱帯は底屈 内反で受傷 底屈 : 足先を下に向ける運動 内反 : 小指側を下に向ける運動 捻挫について 1177
親指 捻挫について 親指 小指 小指 1188
3 骨の問題 外反した場合は骨によって運動が止まりやすい 外反と比較し 内反した場合は骨で運動は止まりにくい 捻挫について 1199
内果 外果 捻挫について 2200 外反した場合は骨で運動が止まりやすい
骨折について少し 捻挫について 2211
骨折について少し 捻挫について 2222
内側の捻挫について 内果の下側に圧痛があれば三角靱帯損傷を疑う 内側靱帯は強靭なため 内果の剥離骨折や腓骨骨折を生じることが多い 捻挫について 2233
三角靱帯損傷は サッカー選手に多い 捻挫について 2244
内側捻挫の骨折 捻挫について 2255
今日の流れ 捻挫とは? 足の解剖から捻挫の定義まで 捻挫の受傷起点 救急処置 長期的観点から見た捻挫 再損傷予防 捻挫について 2266
救急処置 足が痛い 捻ったみたいやけど まずどうする? 状態の判断 &RICE(PRICE) 処置捻挫について 2277
足の捻挫とその他障害 捻挫について 2288
成長期特有の骨折 若木骨折 成長期の子供において 骨が大人のように 硬くないため 完全に折れてない状態で骨 折をすることがある 骨端線損傷 骨端線骨折 成長線での骨折 成長障害を伴うことも 捻挫について 2299
骨折と捻挫の見分け方 早期 断裂した靱帯部分の圧痛 = 靱帯損傷 ( 捻挫 ) 踵などを叩打し 内果や外果へ疼痛が波及 = 骨折 腫脹がみられてくると 捻挫と骨折の判別は基本的に困難 捻挫でも骨折でも捻挫について医療機関の受診は必要 3300
捻挫の救急処置で大事なこと 1 損傷靱帯の保護 2 炎症反応の抑制 3 機能低下の防止 捻挫について 3311
①靱帯の保護 基本的に安静にすること ギプス どんな環境でも確実に損傷靱帯の保護が可能 固定期間は8 10週 6週 3 1週と様々 徐々に短縮されている傾向 捻挫について 靱帯や腱の修復過程では生理的な関節の動きが治癒を促進する 3322
2 炎症反応の抑制 靭帯が損傷すると 靭帯と周囲の関節包を 通る血管が切断されるため出血が起こる 出血と腫脹を最小限に抑える 捻挫について 3333
PRICE 処置 Protection: 保護 Rest : 安静 Ice : 冷却 Compression: 圧迫 Elevation: 挙上 Protection: 保護捻挫であれば 靱帯にストレスを加えない状態での固定や管理 捻挫について 3344
PRICE 処置 これらの初期介入のうち 出血を抑えるのに最も重要な処置はおそらく圧迫である 冷却処置の主な作用は痛みを抑えることである 捻挫をしたら直ちに PRICE 処置を開始し 以後 24~48 時間圧迫を継続すれば 靭帯損傷による出血や腫脹を大幅に抑えることができる 捻挫について FIFA 医療評価研究センター 3355
圧迫 まずは シンプルに ただ純粋に 手で圧迫する そして弾性包帯などでの圧迫を行う 捻挫について 3366
包帯での固定の前に スポンジやガーゼを損傷部位付近 ( 外果周囲 ) に当てる 捻挫について 3377 より圧迫が可能となり腫脹の抑制が可能
固定のポイント 足関節底背屈中間位で巻く 巻き始めは包帯を折って 三角を作るとほどけにくい 足の外側を上げる 3388
アイシング 捻挫について 3399
アイシング アイシングを作る時のポイント 1ビニール袋に氷を詰める 2 袋の中の空気を抜く ( 冷却効果のムラをなくす ) 時間 15~20 分 ( 感覚がなくなるまで ) 当て 感覚が戻ってくるまで休憩する 感覚が戻ってくるともう一度アイシングを行い 休 捻挫について 4400 憩する この繰り返し
アイシングの作り方 1 ビニール袋に氷を詰める 2 患部にあった形状に並べる 3 袋の中の空気を吸い出す ( 冷却効果のムラをなくす ) 4 縛る 捻挫について 4411
圧迫と冷却を同時に行う 捻挫について 4422
湿布について 湿布っていいの? 温湿布と冷湿布がある 温湿布はあっためる作用冷湿布は冷やす作用 やから急性期でも冷湿布ならいいよ これほんま? 捻挫について 4433
冷湿布の成分 メントール 冷感を引き起こすTRPM8と呼ばれる受容体活性化チャネルを刺激 実際の冷却効果はない また 局所血管拡張作用 カンフル 血行促進作用や鎮痛作用 消炎作用 ハッカ ( ミント ) すーっとする 効果は疑問 捻挫について 4444
ではいつまでが急性期? 急性炎症期は受傷直後から 72 時間 増殖期は 6 週間 ( 損傷部位が肉芽組織へと変化 ) 成熟期は数ヶ月 ( 肉芽組織が瘢痕組織に置き換わる ) 修復靱帯のリモデリングの全過程には 6 12 ヶ月 捻挫について 4455
今日の流れ 捻挫とは? 足の解剖から捻挫の定義まで 捻挫の受傷起点 救急処置 長期的観点から見た捻挫 再損傷予防 捻挫について 4466
捻挫は再発する? 1 回以上捻挫したことがある人が足関節を捻挫するリスクは 過去に捻挫したことのない足関節の 5 倍である また そのリスクは捻挫したのが最近であるほど高い 足関節捻挫から 6~12 ヵ月後までの捻挫率は 過去に捻挫したことがない足関節の 10 倍近く高い 捻挫について 4477
捻挫の再発 なぜ再発するの? 関節が不安定になってしまったため 原因 1 靱帯が緩んでいる 2 足関節周囲筋の筋力低下 3 関節固有感覚の低下 捻挫について 4488
関節が不安定になる原因 1 靱帯が緩んでいる 読んで字のごとし 2 足関節周囲筋の筋力低下 主に腓骨筋群の筋力低下 腓骨筋 = 外反筋 ( 足の小指側を上に上げる ) 捻挫について 4499
腓骨筋 腓骨筋は足の小指側を上に上げる作用捻挫について = 外反 5500
関節が不安定になる原因 3 足関節固有感覚の低下 靱帯には固有受容器 ( ゴルジ腱受容器とパチニ小体 自由神経終末 ) が存在し 関節の運動方向を検出 靱帯損傷によってこの受容器の働きが低下する 捻挫について 5511
関節が不安定になる原因 要するに 固有受容器の働きの低下により 足の感覚が鈍ってるため バランスが取りにくくなった状態 捻挫について固有受容器がとんでもないほど敏感な赤ちゃんならば 5522
捻挫にいい運動 タオルギャザーによる足の指のトレーニング 捻挫についてゴムバンドによる腓骨筋トレーニング 5533
捻挫にいい運動 ボールを踏んだり転がしたりして足固有感覚のトレーニング 捻挫について 5544
まとめ 捻挫は内反して受傷する場合が 9 割 早期の処置がその後の状態を大きく左右する 早期の処置は PRICE 処置が重要 圧迫は腫脹を抑制する 捻挫は癖になりやすい よって軽い捻挫と侮らず 医療機関への受診は行うべきではないか? 5555
おまけ 5566
その他障害 突き指 基本的にPRICE 処置 オスグッド 大腿四頭筋のストレッチ 有痛性外脛骨 足底板 ( 扁平足の改善 ) 腰椎分離症 ハムストリングスのストレッチ 捻挫について 5577
オスグッド病 5588
子供に対する筋トレ 伸張が伸びなくなる? 関節を痛める? 骨の成長は骨端軟骨部が増殖して起こる この 部位の強度は腱の 50% 以下 この部位に大きな負荷が生じると炎症や損傷が 生じ オスグッド病などの症状となる可能性があ る 捻挫について 5599
子供に対する筋トレ 小学生筋量の増加は成人の50% 程度高強度のトレーニングは1RMアップも筋量は増加しない 骨の異常や障害はなかった 適切な指導のもとでは怪我の受傷率は他のスポーツや運動と変わらない 中学生 捻挫について 6600 筋肥大が認められる 5RM は大学生と同じ比率で上昇
子供に対する筋トレ どうする? チューブとかで安全に or12~15 回反復できる負荷 ペナルティとして用いない ポジティブなイメージで行わせる 捻挫について 6611
成長期特有の足部機能障害 4 5 歳時の第一次成長 第二次成長女子平均 8 歳 男子 10 歳 身長は第二次成長で急激な伸び 足長や足幅も急激に成長 内側縦アーチ ( 土踏まず ) の形成は 14 歳以降 同一の靴を 8 ヶ月以上履く群は外反母趾角 15 以上 4 ヶ月以下は 5 以内の子供が多い 正常は 14 捻挫について 6622
成長期特有の足部機能障害 昔の子供靴は学校の上履き シンプルな物は大人の足型の縮小 しかし子供の足型は踵骨が発展途上の逆三角形 また 靴底の硬い靴は正常歩行から逸脱する 捻挫について 6633
ご清聴ありがとうございました