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Taro-22 No19 大網中(中和と塩

Taro-化学3 酸塩基 最新版

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CERT化学2013前期_問題

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高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ

酢酸エチルの合成

2 単元の評価規準関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 知識 理解 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事物 現象に興味 関心を持ち, それを科学的に探究しようとするとともに, 事象を日常生活との関わりで捉えようとする 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事象 現象の中に問題を見いだし,

留意点 指導面 物質量について物質を扱うとき, 体積や質量で表すことが多い しかし, 化学変化は, 物質の構成粒子が切り離されたり, 結合したりすることによっておこるため, 粒子の個数で表した方が都合がよい 一方, 物質の構成粒子は非常に小さく,1 個ずつ数えることはできない また, 私たちが日常取

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() 実験 Ⅱ. 太陽の寿命を計算する 秒あたりに太陽が放出している全エネルギー量を計測データをもとに求める 太陽の放出エネルギーの起源は, 水素の原子核 4 個が核融合しヘリウムになるときのエネルギーと仮定し, 質量とエネルギーの等価性から 回の核融合で放出される全放射エネルギーを求める 3.から

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実験手順 1 試料の精秤 2 定容試料を 5%HPO3 酸で1ml に定容し 試料溶液とする この時 アスコルビン酸濃度は1~4mg/1ml の範囲がよい 3 酸化試験管を試料の (a) 総ビタミン C 定量用 (b)daa( 酸化型ビタミン C) 定量用 (d) 空試験用の3 本 (c) 各標準液

3

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7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

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実験題吊  「加速度センサーを作ってみよう《

1 次の問い ( 問 1~ 問 5) に答えよ (23 点 ) 問 1 次の単位変換のうち, 正しいもののみをすべて含む組み合わせは どれか マーク式解答欄 1 (a) 1.0 kg = mg (b) 1.0 dl = ml (c) 1.0 g/cm 3 = 1.

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目次 1 研究の動機 1 2 研究を始める前に 1 (1) インターネットで調べる (2) 水中シャボン玉をつくってみる 3 研究の目的 3 4 研究の内容 3 追究 1 水中シャボン玉をつくってみよう 3 追究 2 水中シャボン玉が確実にできる組み合わせを見つけよう 5 追究 3 洗剤の種類で水中

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A6/25 アンモニウム ( インドフェノールブルー法 ) 測定範囲 : 0.20~8.00 mg/l NH 4-N 0.26~10.30 mg/l NH ~8.00 mg/l NH 3-N 0.24~9.73 mg/l NH 3 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の

1 Q A 82% 89% 88% 82% 88% 82%

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水溶液を薄める際の計算方法薄める前の塩酸の濃度 % 体積 密度 = 薄めた後の塩酸の濃度 % 体積 密度であるから 3% の塩酸 200mL 作る場合は 35% XmL 密度 =3% 200mL 密度 X=17.1mL ここでは薄める前と薄めた後の塩酸の密度は同じくらいとして計算した よって 水に濃

i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH

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産総研プレス発表資料

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現行の学習指導要領(1998年公示,2002年実施)は,教育の総合化をキーワードに,「生きる力の育成」と「ゆとりある教育」をねらいとしている

プロトコール集 ( 研究用試薬 ) < 目次 > 免疫組織染色手順 ( 前処理なし ) p2 免疫組織染色手順 ( マイクロウェーブ前処理 ) p3 免疫組織染色手順 ( オートクレーブ前処理 ) p4 免疫組織染色手順 ( トリプシン前処理 ) p5 免疫組織染色手順 ( ギ酸処理 ) p6 免疫

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6年 ゆで卵を取り出そう

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留意点 指導面 化学に対する興味 関心を高めることが主なねらいなので, 原理については簡単に触れる程度にとどめる 身の回りにある合成高分子に気付かせ, それらが化学の先人の研究成果によって作られたものであることから, 化学が人間生活に果たしている役割について触れる 分子量が約 1 万以上の分子からな

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土壌溶出量試験(簡易分析)

2017 年度一般入試前期 A 日程 ( 1 月 23 日実施 ) 化学問題 (63 ページ 74 ページ ) 問題は大問 Ⅰ Ⅳ までありますが 一部 他科目との共通問題となっています 大問 Ⅰ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問 Ⅰ と共通の問題です 大問 Ⅱ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問

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前ページの反応から ビタミン C はヨウ素によって酸化され ヨウ素はビタミン C によって還元された と説明できます あるいはビタミン C は還元剤として働き ヨウ素は酸化剤として働いた ともいう事ができます 定量法 ある物質の量や濃度を知りたいとき いくつかの定量法を使って調べることができます こ

Problem P5

▲ 電離平衡

平成27年度 前期日程 化学 解答例

“にがり”の成分や表示等についてテストしました

Ⅲ 化学変化とイオン 単元における観察 実験の位置付け 学習活動備考 課題 どのような水溶液が電流を通すのだろうか 実験 1 電解質や非電解質の水溶液について電流を通すか調べる実験 様々な水溶液を用意するが この後に 塩化銅水溶液や塩酸の電気分解に触れるため この 2 つの水溶液は用意しておくとよい

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31132 糖含有物から効率よく糖を取り出す方法を探る 要旨近年問題となっているエネルギー問題においてバイオエタノールは新エネルギーの 1つとして注目されている しかし原料はトウモロコシやサトウキビといった穀物が中心であり 世界的に食料として食べられているものを使うため 食料不足につながりかねない そこでここでは木材を使ったバイオエタノールの生成について考える バイオエタノールの生成には単糖類のグルコースやそれによる多糖類を取り出すことが必要となる そこで私は硫酸を利用した実験を行った その結果 硫酸によって加水分解された糖を取り出すことができ 実験は一定の成果を上げることができたといえる また 上記の実験の効率を上げるために硫酸の電気分解を利用して硫酸の回収と再利用についても研究を行った 本文 木質糖化について 1 目的木質とは細胞壁の主成分であるセルロースとその周囲を覆うと呼ばれる高分子結晶から成る セルロースとは結合することで ( リグノセルロース ) 科学的に安定し 非常に結合が強く 今までバイオエタノールの原料には適さないと言われていた 今回の研究の目的はセルロースとの結合を切り離すことにある まずリグノセルロースの結合について調べるため 木屑を蒸して見ることにした グルコース 2 使用した器具など (1) 使用器具 ビーカー試験管蒸し器駒込ピペットろうとろ紙蒸発皿 (2) 使用薬品など フェーリング溶液 純水 32-1

3 実験の手順 1 3 つの蒸発皿に木屑をそれぞれ 3.0gずつ入れる 2 1 つの蒸発皿はそのまま 100ml の純水で洗い その水を試験管に入れる 3 もう 2 つの蒸発皿は蒸し器に入れて それぞれ 1,2 時間ずつ蒸す (15 分ごとに攪拌する ) 4 3の木屑をそれぞれ 100ml の純水で洗い その水を試験管に入れる 5 2と4で得た溶液にフェーリング溶液を少量入れ 加熱して反応を見る 木屑を蒸した時間とフェーリ ング反応の関係性を調べたもの 4 結果 実験結果は次の通り 純水 0 時間 1 時間 2 時間 沸騰石あり 沸騰石なし はじめ フェーリング溶液を加えて加熱する際に 試験管に沸騰石をいれていた しかし 沸騰石を入れた試験管からは フェーリング反応が得られないはずのない純水でもフェーリング反応が見られた このことから この実験で沸騰石を使用するのは避けるべきであると分かった 沸騰石なしの実験では 純水以外のすべての試験管でフェーリング反応が見られた しかし時間ごとの量の変化についてはフェーリング反応では明確な結果を得ることができなかった 光学糖度計を使用したところ 数値を測定することが出来ないほど微小であることが分かった 以上のことから とセルロースは熱や湿気では分解されないことが分かった そこでの性質について調べ 別の方法について探ることにした 32-2

硫酸法について 1 目的はじめの実験の後 リグノセルロースについて調べたところ 硫酸を用いて分解する方法 ( 硫酸法 ) があることを知った 硫酸法は希硫酸法と濃硫酸法の 2 つがあるが 後者は硫酸の回収 再利用が可能ということで 今回は濃硫酸法を行った セルロース硫酸で加水分解の硫酸による加水分解のイメージ セルロース 2 使用した器具 装置など (1) 使用器具ビーカー試験管温度計 ph 試験紙ガスバーナーマイクロピペット駒込ピペットスターラ (2) 使用薬品 95% 濃硫酸水酸化カルシウムフェーリング溶液純水 3 実験の手順 1 95% 濃硫酸を 濃度 75% になるように純水で希釈する 2 濃度 75% の硫酸 10 グラムをおがくずが 2~3 グラム入ったビーカーに入れ 40 で湯煎しながら 15 分間攪拌する 3 15 分攪拌したら 硫酸濃度が 15 パーセントになるように純水を加え 加水する ( 硫酸 : 純水 =2:3) ラップして 蒸発を防ぐ 4 加水後 90 で 35 分湯煎しながら攪拌する 5 このままでは酸性で バイオエタノールの材料としては使えないので 水酸化カルシウムで中和する 硫酸によって分解された木屑 水酸化カルシウムで中和する 32-3

4 結果硫酸を用いることによって 木質内のセルロースととの結合を分解することに成功し フェーリング反応によって確認することができたが 木屑の量と硫酸の量の最も良い比率までは分からなかった また 実験で用いたサンプルが微量であったため 詳しく調べることが出来なかった このことから今回の実験が最も効率が良かったとは言えない そこで 次の研究 実験で効率のよい方法について探る 硫酸の回収 再利用について 1 目的上にも書いたとおり 硫酸を中和する方法で木質糖化をすると 大量の硫酸が必要となり 生成のコストとエネルギーがかかってしまう これでは効率がいいとは言えない むしろエネルギーの無駄遣いといっても過言ではない そこで 私は硫酸を再利用 回収する方法について研究を行った 地方独立行政法人北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場の HP から硫酸の再利用に関する資料を入手し 同試験場からの指導の元 硫酸の電気化学セルの作成を実験を行った 2 使用材料 シリコンゴムシートアニオン交換膜アクリル板接着剤 3 作成の手順 1 アクリル板を任意の大きさに切る 2 枚作成 2 シリコンゴムシートをアクリル板と同じ大きさに切り 上部を切り取りカタカナの コ の字型に切り取る 3 アニオン交換膜をシリコンゴムシートの コ の内枠より 若干大きめにカットする 4 シリコンゴムシートとアニオン交換膜を交互に重ねて層を作る 5 4で作った物の両端を1で作成したアクリル板で挟み込み 水槽にする 6 アクリル板とシリコンゴムシート シリコンゴムシートとシリコンゴムシートの間を接着剤で隙間の無いように接着する このセルは はじめアクリル板ではなく ガラス板を使っていたが 接着面での水漏れやセルの重量など 扱いにくい部分が多かったのでアクリル板に変えた 32-4

大きさは外枠縦 100 mm 横 150 mm内枠縦 85 mm 横 130 mm シリコンゴムシートの厚みは 5 mm これが 5 枚重なっており 容積は 85 130 25=276250 mm3であるセルを作成した このセルで実験を行ってみたところ 実験がしにくい部分が多かったので 大きさの違う電気化学セルを作成した 実験の様子 セルの大きさに比べ 厚みがなく 電極の大きさともあっていないことが実験しにくい原因であった 違う電気化学セルでは外枠縦 60 mm 横 80 mm 内枠 40 mm 40 mm シリコンゴムシートの厚みは 5 mm これが 8 枚重なっており 容積は 40 40 40=64000 mm ³ であり 前のセルのおおよそ 1/4 の程度の大きさとなった (1/4.3164063) 新しい電気化学セル セルを上から見た イメージ図 4 結果地方独立行政法人北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場の協力 指導のおかげで 電気化学セルの作成をすることが出来た また 実験を行うことで出てきた課題に対し 答えを出すことが出来たのも 1 つ成果であったと言える 次項では今回製作したセルを使った電気透析について述べる 硫酸の電気透析について作成したセルを用いて電気透析を行ったが セルに不具合などが生じ 実験がうまくできなかったため 今回は結果を残すことはできなかったが 以下にその理論を述べる 硫酸の電気透析による各電極の反応式は +)2H₂О O₂+4H++4e -)2H++2e H₂ である 32-5

前貢の式から陽極側に水素イオン 陰極側に硫酸イオンが集まり 両極間の電荷に違いが生じる ここで両極間の電荷を均一にするためイオンが移動を始める この時セル内にあるアニオン交換膜があるため陽イオンである水素イオンは移動が出来ず 陰イオンである硫酸イオンだけが陽極側に移動する 以上の反応で陽極側は硫酸が 陰極側は水が生成される そして陽極側の硫酸を回収することで 再利用可能になる 電気透析の様子今回の実験では 各電極では気体が発生し 陽極側では 1ml 当たりの質量が増え 陰極側では質量が減っていた またその中間では陽極より若干質量が小さいという結果になった 以上の事と 始めの濃硫酸法を組み合わせると陰極側からグルコース水溶液が取り出せる また陽極側の硫酸はもう 1 度硫酸法での加水分解が出来る これを繰り返すことで硫酸法の効率を上げることが出来る 感想今回の一連の実験 研究 調査をおこなって 硫酸法の効率化について考察をすることが出来た しかし細かい部分でまだはっきりと考察をすることが出来なかったので これからも実験 研究を続け 真に 効率が上がった と言われるような結果を出せるように頑張っていきたいと思う また 濃硫酸法並びに電気透析についてご指導くださった地方独立行政法人北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場の皆さまに感謝申し上げます 協力機関 地方独立行政法人北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場 32-6