1. 気象庁の津波警報の概要 2. 東北地方太平洋沖地震に対する津波警報 3. 津波警報の改善について 2

Similar documents
津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新

津波情報に活用する観測地点の追加について 別紙 津波情報への活用を開始する海底津波計の分布図 活用を開始する海底津波計沿岸の津波観測点 GPS 波浪計海底津波計 活用を開始する海底津波計の地点名称は 沖 を省略して記載しています ( 宮城牡鹿沖 及び 茨城神栖沖 を除く)

東北地方太平洋沖地震への 気象庁の対応について ( 報告 ) 気象業務の評価に関する懇談会 平成 23 年 5 月 31 日 気象庁 1


目次 概要 1. はじめに 2. 東北地方太平洋沖地震で明らかになった津波警報の課題 2.1 津波警報発表の経緯と津波警報第 1 報が過小な予測となった要因 (1) 今回の地震における津波警報発表経緯 (2) 実際に観測された津波に比べて過小な予測となった要因 (3) これまでの津波警報改善の経過と

目次 1. はじめに 2. 津波警報改善の方向性及び検討会の検討事項 2.1 津波警報改善の方向性 2.2 検討会の検討事項 3. 検討会での議論の概要 意見募集結果 3.1 検討会における意見 3.2 提言案に対する一般や自治体の意見 4. 提言 4.1 津波警報や津波情報の見直しに関する基本方針

日本海溝海底地震津波観測網の整備と緊急津波速報 ( 仮称 ) システムの現状と将来像 < 日本海溝海底地震津波観測網の整備 > 地震情報 津波情報 その他 ( 研究活動に必要な情報等 ) 海底観測網の整備及び活用の現状 陸域と比べ海域の観測点 ( 地震計 ) は少ない ( 陸上 : 1378 点海域

目 次 1. 想定する巨大地震 強震断層モデルと震度分布... 2 (1) 推計の考え方... 2 (2) 震度分布の推計結果 津波断層モデルと津波高 浸水域等... 8 (1) 推計の考え方... 8 (2) 津波高等の推計結果 時間差を持って地震が

平成 30 年 4 月 9 日 01 時 32 分頃の島根県西部の地震 震度分布図 各地域の震度分布 : 震央 各観測点の震度分布図 ( 震央近傍を拡大 )

東日本大震災 鳴らされていた警鐘

地震の概要 検知時刻 : 1 月 3 日 18 時分 10 発生時刻 : 1 月 3 日 18 時 10 分 マグニチュード: 5.1( 暫定値 ; 速報値 5.0から更新 ) 場所および深さ: 熊本県熊本地方 深さ10km( 暫定値 ) 発震機構 : 南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型 ( 速報

平成28年4月 地震・火山月報(防災編)

Microsoft PowerPoint - 平成23年度ANET取組2

津波の怖さを知っていますか? 平成 5 年 (1993 年 ) 北海道南西沖地震では地震発生から 5 分と経たないうちに大津波が押し寄せ 死者 202 人 行方不明者 28 人などの被害が生じました ( 写真は函館海洋気象台職員撮影 ) 宮崎地方気象台

<4D F736F F F696E74202D AD482C682E882DC82C682DF90E096BE8E9197BF C C C816A2E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

< F2D81798B438FDB817A95BD90AC E93788EC090D1955D89BF>

佐賀県の地震活動概況 (2018 年 12 月 ) ( 1 / 10) 平成 31 年 1 月 15 日佐賀地方気象台 12 月の地震活動概況 12 月に佐賀県内で震度 1 以上を観測した地震は1 回でした (11 月はなし ) 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 図 1 震央分布図 (2018 年 1

凡例震度 7 震度 6 強震度 6 弱震度 5 強震度 5 弱震度 4 震度 3 震度 2 震度 1 陸前高田市 震央 ( 本震について発表したマグニチュード ) 3 月 11 日 14 時 49 分発表 M:7.9( 気象庁マグニチュード : 速報値 ) 3

気象庁 札幌管区気象台 資料 -6 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 平成 29 年度防災気象情報の改善 5 日先までの 警報級の可能性 について 危険度を色分けした時系列で分かりやすく提供 大雨警報 ( 浸水害 )

Hazard_ pptx

2019 年1月3日熊本県熊本地方の地震の評価(平成31年2月12日公表)

<4D F736F F D208C46967B926E906B82CC96C6906B8C9A95A8899E939A89F090CD>

報道発表 平成 30 年 9 月 6 日 05 時 10 分地震火山部 平成 30 年 9 月 6 日 03 時 08 分頃の胆振地方中東部の地震について 地震の概要検知時刻 : 9 月 6 日 03 時 08 分 ( 最初に地震を検知した時刻 ) 発生時刻 : 9 月 6 日 03 時 07 分

津波に対する水門 陸閘等の操作指針について 1. 目的 本指針は, 水門 陸閘等に関して, 海岸, 河川, 港湾, 漁港等の管理者 ( 以下 施設管理者 という ) と現場操作員が平常時及び津波発生時に実施すべき事項や, 施設に関する閉鎖基準等及び配備体制などの基本的な方針を定め, 本県沿岸に襲来す

この資料は速報値であり 後日の調査で変更されることがあります 時間帯 最大震度別回数 震度 1 以上を観測した回数 弱 5 強 6 弱 6 強 7 回数 累計 4/14 21 時 -24 時 /15 00 時 -24 時 30

日向灘 佐伯市で震度 2 を観測 8 日 08 時 33 分に日向灘で発生した M3.9 の地震 ( 深さ 31km) により 佐伯市 愛媛県西予市 高知県宿毛市などで震度 2 を観測したほか 大分県 宮崎県 愛媛県および高知県で震度 1 を観測しました ( 図 1) 今回の地震の震源付近 ( 図

平成 28 年 4 月 16 日 01 時 25 分頃の熊本県熊本地方の地震 震度分布図 各地域の震度分布 : 震央 各観測点の震度分布図 ( 震央近傍を拡大 )

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF C E08A748AAF965B817A966B92A9914E82C982E682E9837E B94AD8ECB8E9688C482D682CC91CE899E82C982C282A282C42E B8CDD8AB B83685D>

(/9) 07 年に発生した地震の概要. 佐賀県の地震活動 07 年に佐賀県で震度 以上を観測した地震は 9 回 (06 年は 85 回 ) でした ( 表 図 3) このうち 震度 3 以上を観測した地震はありませんでした (06 年は 9 回 ) 表 07 年に佐賀県内で震度 以上を観測した地震

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF E894A8AFA8B7982D191E495978AFA82C982A882AF82E996688DD091D490A882CC8BAD89BB82C982C282A282C4816A48502E646F63>

平成 30 年 6 月 18 日 07 時 58 分頃の大阪府北部の地震 震度分布図 各地域の震度分布 : 震央 各観測点の震度分布図 ( 震央近傍を拡大 )

Microsoft Word SDR

資料6 (気象庁提出資料)

GPS 海洋ブイの概要 GPS 衛星 GPS 衛星 陸上局 ( 基準点 ) 基準点の測位 RTK-GPS 補正データ 観測データ 観測点の測位 GPS 海洋観測ブイ 20km RTK (Real Time Kinematic) 測位 数 cm オーダの測位精度 観測センター GPS 測位により 海面

本ワーキンググループにおけるこれまでの検討事項

H19年度

Q4. ミサイルは発射から何分位で日本に飛んでくるのでしょうか A4. 北朝鮮から弾道ミサイルが発射され 日本に飛来する場合 極めて短時間で日本に飛来することが予想されます 例えば 本年 2 月 7 日に北朝鮮西岸の東倉里 ( トンチャンリ ) 付近から発射された弾道ミサイルは 約 10 分後に 発

あおぞら彩時記 2017 第 5 号今号の話題 トリオ : 地方勤務の先輩記者からの質問です 気象庁は今年度 (H 29 年度 )7 月 4 日から これまで発表していた土砂災害警戒判定メッシュ情報に加え 浸水害や洪水害の危険度の高まりが一目で分かる 危険度分布 の提供を開始したというのは本当ですか

東日本大震災初動期復旧期復興期創造的復興2

ことを呼びかけます Q4. ミサイルが落下する可能性がある との情報伝達があった場合は どうすれば良いのでしょうか A4. 屋外にいる場合 近くの建物 ( できれば頑丈な建物 ) の中又は地下に避難してください 近くに適当な建物等がない場合は 物陰に身を隠すか地面に伏せ頭部を守ってください 屋内にい

<4D F736F F D E9197BF31817A975C91AA907D C4816A82C982C282A282C491CE8FDB926E906B82CC90E096BE2E646F63>

Microsoft Word - 概要版(案)_ docx

< F2D81798B438FDB817A95BD90AC E93788EC090D1955D89BF>

対応すべき行動_0921

Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

図 東北地方太平洋沖地震以降の震源分布図 ( 福島第一 第二原子力発電所周辺 ) 図 3 東北地方太平洋沖地震前後の主ひずみ分布図 ( 福島第一 第二原子力発電所周辺 )

<4D F736F F D F193B994AD955C8E9197BF816A89C482A982E78F4882C982A982AF82C482CC92AA88CA2E646F63>

<4D F736F F D CA A F976E82AF8D9E82DD94C581698F4390B3816A2E646F6378>

Microsoft PowerPoint - 【確定】資料3-1_110527(避難者外し).pptx

日本海溝海底地震津波観測網の構築機関について 観測網の整備 運用機関について 防災科学技術研究所は 我が国の防災研究の中核的機関として 地震防災研究を支える基盤観測網 (Hi-net F-net K-net 等 ) を整備 運用していることから 日本海溝海底観測網についても同研究所が整備 運用するこ

スライド 1

id5-通信局.indd

1 想定地震の概要南海トラフで発生する地震は 多様な地震発生のパターンが考えられることから 次の地震の震源域の広がりを正確に予測することは 現時点の科学的知見では困難です そのため 本市では 南海トラフで発生する地震として 次の2つの地震を想定して被害予測調査を行いました (1) 過去の地震を考慮し

プレス発表資料 平成 27 年 3 月 10 日独立行政法人防災科学技術研究所 インドネシア フィリピン チリにおけるリアルタイム 津波予測システムを公開 独立行政法人防災科学技術研究所 ( 理事長 : 岡田義光 以下 防災科研 ) は インドネシア フィリピン チリにおけるリアルタイム地震パラメー

<4D F736F F F696E74202D208E518D6C8E9197BF325F94F093EF8AA98D CC94AD97DF82CC94BB92668AEE8F8082C98AD682B782E992B28DB88C8B89CA2E B8CDD8AB B83685D>

PowerPoint プレゼンテーション

(2) 日本の領土 領海の上空を通過した場合 旧 1 ミサイル発射情報 避難の呼びかけ 新 ミサイル発射情報 ミサイル発射情報 先程 北朝鮮からミサイルが発射された模様です 続報が入り次第お知らせします ミサイル発射 ミサイル発射 北朝鮮からミサイルが発射された模様です 頑丈な建物や地下に避難して下

令和元年6月 地震・火山月報(防災編)

火山防災対策会議の充実と火山活動が活発化した際の協議会の枠組み等の活用について(報告)【参考資料】

PowerPoint プレゼンテーション

04_テクレポ22_内田様.indd

Microsoft Word - j-contents5.doc

九州地方とその周辺の地震活動(2016年5月~10月)

11-1 最近の地震観測の精度 ~気象庁における地震観測業務~

火山活動解説資料平成 31 年 4 月 14 日 17 時 50 分発表 阿蘇山の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベルを1( 活火山であることに留意 ) から2( 火口周辺規制 ) に引上げ> 阿蘇山では 火山性微動の振幅が 3 月 15 日以降 小さい状態

概論 : 人工の爆発と自然地震の違い ~ 波形の違いを調べる前に ~ 人為起源の爆発が起こり得ない場所がある 震源決定の結果から 人為起源の爆発ではない事象が ある程度ふるい分けられる 1 深い場所 ( 深さ約 2km 以上での爆発は困難 ) 2 海底下 ( 海底下での爆発は技術的に困難 ) 海中や

<95BD90AC E E29938C966B926E95FB91BE95BD976D89AB926E906B5F906B937895CA89F C B C88FE3816A C88D7E5F35944

U2. 北朝鮮のミサイルについて Q3. 北朝鮮によるミサイル発射の現状はどうなっているのか 北朝鮮は 過去に例を見ない頻度でミサイルを発射しており 平成 28 年 8 月以降 ミサイルが日本の排他的経済水域 (EEZ) 内に落下する事例も起こっています Q4. ミサイルは 発射から何分位で日本に飛

Q4. ミサイルは発射から何分位で日本に飛んでくるのでしょうか A4. 北朝鮮から弾道ミサイルが発射され 日本に飛来する場合 極めて短時間で日本に飛来することが予想されます 例えば 平成 28 年 2 月 7 日に北朝鮮西岸の東倉里 ( トンチャンリ ) 付近から 発射された弾道ミサイルは 約 10


<4D F736F F D CC94C5817A B83678B4C8ED294AD955C C4817A E646F63>

布 ) の提供を開始するとともに 国民に対し分かりやすい説明を行い普及に努めること 図った 複数地震の同時発生時においても緊急地震速報の精度を維持するための手法を導入するとともに 緊急地震速報の迅速化を進める 特に 日本海溝沿いで発生する地震については 緊急地震速報 ( 予報 ) の第 1 報を発表

資料 計57-(4) DONET/DONET2の進捗について

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流

その時点で改めて ミサイルが落下する可能性がある旨を伝達し 直ちに避難することを呼びかけます Q4. ミサイルが落下する可能性がある との情報伝達があった場合は どうすれば良いのでしょうか A4. 屋外にいる場合 近くの建物 ( できれば頑丈な建物 ) の中又は地下に避難してください 近くに適当な建

続報を伝達しますので 引き続き屋内に避難していて下さい 弾道ミサイルが日本の上空を通過した場合には 他に追尾しているミサイルやミサイルから分離した落下物が我が国の領土 領海に落下する可能性が無いことを確認した後 弾道ミサイルが通過した旨の情報をお知らせします ((2)2) 引き続き屋内に避難する必要

PowerPoint プレゼンテーション

共同住宅の空き家について分析-平成25年住宅・土地統計調査(速報集計結果)からの推計-

第1章 災害予防計画

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

新潟県中越沖地震を踏まえた地下構造特性調査結果および駿河湾の地震で敷地内の揺れに違いが生じた要因の分析状況について

Microsoft Word - H doc

橡Ⅰ.企業の天候リスクマネジメントと中長期気象情

平成 26 年 3 月 28 日 気象庁 特別警報の認知度等に関する調査結果 ( 概要 ) I 調査の概要 1 目的 国民の特別警報に対する認知度 理解度を把握し 今後の特別警報の運用や利活用の促進 当庁 の周知 広報活動に資するための資料の収集 2 調査内容 (1) 特別警報の認知状況 (2) 特

東日本大震災に係る災害等廃棄物処理事業の実地調査について

背景 現状と問題点 背景緊急地震速報の高度利用者向け先行提供開始から 8 年 一般提供開始及び警報化から 7 年が経過し 情報伝達手段をはじめ社会環境が変化している 緊急地震速報 ( 予報 ) は 導入当初 機器 設備等の制御等への活用に大きな期待が寄せられた 緊急地震速報 ( 警報 ) の認知度は

Microsoft PowerPoint - 資料4-1.ppt [互換モード]

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 29 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

家族みんなの防災ハンドブック 保存版

<8BFA98488E7391CF906B89FC8F4391A390698C7689E C4816A82C991CE82B782E988D38CA995E58F5782CC8F4997B982C982C282A282C42D332E706466>

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

<4D F736F F D C835894AD955C8E9197BF5F8BAD906B A835E5F31322E646F63>

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 30 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

Earthquakes 101

資料 総25-(8) 総合部会委員提出資料

別紙2(世界の主な地震活動)

0524.xdw

火山活動解説資料平成 31 年 4 月 19 日 19 時 40 分発表 阿蘇山の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベル2( 火口周辺規制 ) が継続 > 中岳第一火口では 16 日にごく小規模な噴火が発生しました その後 本日 (19 日 )08 時 24

振子車両の地点検出と 車体傾斜システムの開発

Transcription:

平成 24 年度気象 地震等の情報に関する講習会 津波警報の改善について 2012.5.18 気象庁地震火山部地震津波監視課 1

1. 気象庁の津波警報の概要 2. 東北地方太平洋沖地震に対する津波警報 3. 津波警報の改善について 2

1. 気象庁の津波警報の概要 3

気象庁の津波警報業務の歴史 年 出来事 1952 年 気象庁の津波警報業務開始 1982 年 気象資料自動編集中継装置 (ADESS) の地震処理業務開始 1983 年 日本海中部地震で沿岸に約 7 分で津波到達 1987 年 地震活動等総合監視システム (EPOS) の導入 1993 年 北海道南西沖地震で沿岸に数分程度で津波到達 1994 年 津波地震早期検知網の導入 ( 約 180 箇所の地震計ネットワーク ) 1999 年 量的津波警報システムの導入 2006 年 緊急地震速報技術の導入 20 15 10 5 0 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 4

津波警報の原理 津波 ( 遅い ) 地震波 ( 速い ) 迅速に津波警報を発表するため 地震波の解析結果に基づき津波警報 ( 第 1 報 ) を作成 発表 日本周辺の 津波による被害が発生した地震及び津波予報を行った地震のうち約 4 割は 沿岸に 20 分以内で津波が来襲する領域 ( ピンク ) で発生している その後の解析 観測結果等により順次更新 5

気象庁の地震津波情報発表の流れ 緊急地震速報 自動処理 津波警報 津波情報 ( 津波の到達予想時刻 予想される津波の高さ ) 震度速報 自動処理 地震情報 ( 震源 マグニチュード ) 震源 震度に関する情報 津波情報 ( 津波観測 ( 高さ 到達時刻 ) 各地の震度に関する情報 6

地震活動の監視 : 津波地震観測装置等 (220 地点 ) ( 内多機能型地震計地震観測点 215 地点 ) : (3 式 ) : 海底地震計群列地震観測システム (1 式 ) : 各種特殊地震計 (1 式 ) 群列地震観測システム 地震観測点 : 気象庁 ----- 628 : 自治体 --- 2,844 : 防災科研 ----- 778 計 : 4,250 震度計 地震計 7

震源 マグニチュードの決定 平成 23 年 (2011 年 ) 東北地方太平洋沖地震の例 震源決定 地震波形 観測点毎に P 波到達時刻 S 波到達時刻最大振幅 を読み取る 8

津波警報 津波注意報の作成 予め地震を想定して津波の高さを計算した結果をデータベース化しておく 実際に地震が発生した場合には地震の震源 規模 ( マグニチュード ) に適合する結果をデータベースから探し出して得られた予測値に基づき津波警報 津波注意報を発表する 北海道日本海沿岸南部 北海道日本海沿岸北部 北海道太平洋沿岸西部 オホーツク海沿岸 北海道太平洋沿岸中部 北海道太平洋沿岸東部 青森県日本海沿岸陸奥湾 青森県太平洋沿岸 8m 以上 8m~2m 4m~2m 2m~1m 1m 以下 8m 以上 8m~2m 4m~2m 2m~1m 1m 以下 津波データベースデータベース 8m 以上 8m~2m 4m~2m 2m~1m 1m 以下 宮城県 岩手県 大津波 津波 津波注意 予報区域ごとに津波の高さの予想と到達予想時刻を発表 9

津波予報区 (66 区 ) 津波防災の利便性のため 予報区の区域割りを行政単位である都道府県の海岸線と合わせる 海岸の形状等による津波の高さの系統的な違いを数値解析で求め この結果をもとにして更に細分化 最終的には それぞれの地方公共団体と協議して決定 10

気象庁が津波監視に用いている津波観測点 沿岸の津波観測点 (173) < 内訳 > 気象庁 (76) 海上保安庁 (20) 港湾局 (56) 国土地理院 (14) 内閣府 (1) 自治体 民間 (6) 沖合津波計 GPS 波浪計 ( 港湾局 )(15) 海底水圧計 (35) < 内訳 > 気象庁 (6) 東京大学地震研究所 (2) 海洋研究開発機構 (24) 防災科学技術研究所 (3) 平成 24 年 3 月 27 日現在 0

2. 東北地方太平洋沖地震に対する津波警報 12

平成 23 年 (2011 年 ) 東北地方太平洋沖地震 最大震度 7( 宮城県栗原市 ) 8.5m 以上宮古 ( 岩手県 ) 8.6m 以上鮎川 ( 宮城県 ) 9.3m 以上相馬 ( 福島県 ) 等 震度分布 地震発生日時 :3 月 11 日 14 時 46 分 マグニチュード : 9.0 ( 日本観測史上最大 ) 観測された津波 震源 : 38.1N, 142.9E 深さ 24km ( 暫定値 ) 13

津波警報発表経緯 ( 図 ) 3/11 14:49 3/11 15:14 3/11 15:30 3/11 16:08 3/11 18:47 3/11 21:35 3/11 22:53 3/12 3:20 3/12 3:20 3/12 13:50 3/12 20:20 3/13 7:30 3/13 17:58 解除 7 回上方修正 4 回引き下げ 発表 ~ 全解除まで 2 日 3 時間 14

東北地方太平洋沖地震で発表した津波警報第 1 報 14 時 49 分発表 地震発生後 約 2 分 40 秒の波形を用いて緊急会話検測を実施 長周期成分が顕在化する兆候なし 津波警報 注意報平成 23 年 3 月 11 日 14 時 49 分気象庁発表 緊急会話検測による震源決定では 東京 大阪中枢ともに深さ 10km M7.9 に決まる 津波警報を発表した沿岸は次のとおりです < 大津波 > * 岩手県 宮城県 福島県 < 津波 > 北海道太平洋沿岸中部 青森県太平洋沿岸 茨城県 千葉県九十九里 外房 伊豆諸島 これらの沿岸では 直ちに安全な場所へ避難してください 津波到達予想時刻および予想される津波の高さは次のとおりです 予報区名津波到達予想時刻予想される津波の高さ < 大津波 > 岩手県既に津波到達と推測 3m 宮城県 11 日 15 時 00 分 6m 福島県 11 日 15 時 10 分 3m 大津波警報 津波警報 津波注意報 15

青森県 岩手県 5m 1m 1m 3m 3m 8m 3m 8m 3m 10m 以上 6m ( 以降欠測 ) 10m 以上 6m ( 以降欠測 ) 津波警報発表経緯 ( 青森県太平洋沿岸 ~ 福島県 ) 3/11 14:46 地震発生 13/11 14:49 津波警報の発表 14:50 岩手 3m, 宮城 6m, 福島 3m( 大津波 ) 青森県太平洋沿岸 1m( 津波 ) 23/11 15:14 津波警報の更新岩手 6m, 宮城 10m 以上, 福島 6m 青森県太平洋沿岸 3m( 大津波 ) ( 以降欠測 ) 10m 以上 6m 33/11 15:30 津波警報の更新 15:31 岩手 ~ 千葉九十九里 外房 10m 以上 青森県太平洋沿岸 8m( 大津波 ) 3m ( 以降欠測 ) 宮城県 福島県 6m 3m 3m 10m 以上 ( 以降欠測 ) 10m 以上 6m 6m 10m 以上 ( 以降欠測 ) 津波警報第 1 報 (1) の発表後 GPS 波浪計等で津波が観測され これに基づき警報を切り替え (2 3) その後 15:40 頃 Mw8.8 が得られた 潮位観測データ ( 実況監視していたもの ) 潮位観測データ ( データ断となり後日回収されたもの ) 1 2 3 津波の高さの予想 14:49 Mj7.9 15:40 頃 Mw8.8 を推定 15:43 PTWC( 太平洋津波警報センター : 米国 ) より M8.8 入電 報道発表気象庁マグニチュード 8.4 16:00 モーメントマグニチュード 8.8 17:30 16

地震の規模 ( マグニチュード ) 計算経緯と課題 津波警報第 1 報の迅速な発表のため 気象庁マグニチュード (7.9) を地震発生から 3 分以内で計算 の例 国内の広帯域地震計データを用いてモーメントマグニチュードを自動計算するも ほぼ全点振り切れのため計算できず 振り切れていなければ 15 分程度でモーメントマグニチュード (8.8) と計算可能であった 振り切れのない国外の広帯域地震計のデータを用いて モーメントマグニチュード (8.8) を約 50 分で計算 ( 報道発表は精査後の 17:30) モーメントマグニチュードの計算に必要なデータ長 発震機構 ( 逆断層 ) も合わせて計算される 使用する観測点の組み合わせを変えながら最適解を計算 Mw8.8 と推定 (15:40) 17

マグニチュードについて マグニチュードは地震の規模を表す指標であり 観測された地震の記録を用いて計算される 様々な手法があるが 気象庁では 気象庁マグニチュード (Mj) と モーメントマグニチュード (Mw) の二つの方式を用いている Mj は地震波形の最大振幅の値を用いて計算する方法で 地震発生から 3 分程度以内で計算可能であり速報性に優れているが マグニチュード 8 を超える巨大地震の場合 頭打ちとなり 地震の規模を正確に表現できない Mw は 地震の断層運動の規模に基づく指標で 巨大地震についても規模を正確に表現できる しかし周期数十秒以上の非常に長い周期の地震波も含めた解析が必要であり 推定にある程度時間を要する 津波警報においては 迅速性に優れる Mj により第 1 報を発表し その後 Mw により必要に応じ更新することを基本としている 18

3. 津波警報の改善について 19

東北地方太平洋沖地震における津波警報の課題 東北地方太平洋沖地震発生直後における津波警報等の発表状況 第 1 報 : 地震発生後 3 分で発表 第 2 報 : 地震発生後 28 分 実際の津波の高さ分布 3 分で求めた地震の規模 M7.9 に基づき発表 津波警報大津波 津波 津波注意報 岩手予想 :3m 宮城予想 :6m 福島予想 :3m 速やかに津波監視を開始 沖合の津波観測データに基づき発表 岩手予想 :6m 宮城予想 :10m 以上福島予想 :6m 主要課題 1 地震発生 3 分後に発表した津波警報第 1 報での地震規模推定が過小評価 2 第 1 報で発表した 予想される津波の高さ 3m が避難の遅れに繋がったと考えられる 3 広帯域地震計が振り切れ 地震の規模 ( マグニチュード,M) の精査ができなかった また 沖合津波計のデータを利用した津波警報更新の手段が不十分であった 4 観測結果 第 1 波 0.2m 等の情報が 避難の遅れや中断に繋がったと考えられる 有識者や関係防災機関等のご意見を踏まえ 津波警報改善に向けての方策を検討した 20

津波警報改善に向けた検討 平成 23 年 6~9 月 東北地方太平洋沖地震による津波被害を踏まえた津波警報改善に向けた勉強会 ( 第 1~3 回 ) 改善の方向性を整理 9 月 12 日 津波警報の改善の方向性について とりまとめ 公表 10 月 ~ 平成 24 年 1 月津波警報の発表基準等と情報文のあり方に関する検討会 ( 第 1~3 回 ) 2 月 7 日 津波警報の発表基準等と情報文のあり方に関する提言 とりまとめ 公表 発表基準 情報文の内容等を整理 21

津波警報改善の基本方針 早期警戒 : 第 1 報の迅速性は確保し 地震発生後 3 分程度以内の発表を目指すものとし 時間とともに得られるデータ 解析結果に基づき確度を高めた警報に更新する ただし 更新された警報が伝わらない可能性も考慮する 安全サイド : 津波波源の推定に不確定性が残っている間は 不確定性の幅の中で安全サイドに立った警報発表を行う 強い揺れを感じたら自らの判断で避難する ことを改めて周知徹底したうえで 上記方針のもと 数十年から数百年に 1 回というような巨大津波にも的確に対応できるようにする 頻繁に発表される M8 程度以下の通常の地震に対する津波警報 注意報の確度を高めるよう努め 住民の避難を適切に支援することが重要である 22

津波警報の具体的な改善策 1. 第 1 報で使用するマグニチュード 津波警報の迅速性確保のため 地震の規模推定は 3 分程度で計算可能な気象庁マ グニチュード (Mj) を用いることを基本 M8 を超えるような巨大地震等の場合 地震の規模を過小評価している可能性を速や かに認識する監視 判定手法を用意 この手法により 過小評価の可能性ありと判断されたら 当該海域で想定される最大 マグニチュード または 当手法により得られるマグニチュードの概算値により警報第 1 報を発表 2. 初期段階での地震規模の適切な推定 警報のより迅速な更新 モーメントマグニチュード (Mw) を 15 分程度で迅速かつ安定的に求めるため 強震動 まで測定できる広帯域地震計の活用を進める 津波警報第 1 報の後 15 分後に得られる CMT 解析結果による Mw により津波警報を 更新 ケーブル式沖合津波計も津波警報更新に活用 23

第 1 報段階で巨大地震の可能性を認識する監視手法の例 2011 年東北地方太平洋沖地震強震域の広がりから地震の規模を推定し 気象庁マグニチュードの値と比較 2003 年十勝沖地震 すべり分布は Yoshida et al. (2011) によるコンター間隔は 5m すべり分布は吉田 (2005) によるコンター間隔は 1m 時間の経過とともに揺れが伝わっていく様子 気象研究所 24

津波警報改善策による警報発表の流れ YES or 不明震源 気象庁マグニチュードの緊急決定過小評価の可能性を評価想定される最大マグニチュード or 過小評価を認識する手法により得られるマグニチュードによる津波警報 注意報津波予想高さ 到達予想時刻 CMT 解によるモーメントマグニチュード ~ 15 分 3 分 NO 気象庁マグニチュードによる津波警報 注意報津波予想高さ 到達予想時刻高さは発表せず 情報文により危機感を伝える津波検出開始 ( 沖合 沿岸 ) 安全サイドに立った想定更新モーメントマグニチュードによる津波警報等の更新沖合 沿岸津波観測データによる津波警報等の更新津波予想高さ 到達予想時刻津波予想高さ 到達予想時刻 25

津波警報等の情報文の見直しに関する基本方針 1. 簡潔な表現受け手の立場に立って 簡潔で分かりやすい内容や表現とする 2. 行動に結びつく表現予想される津波の高さだけではなく その津波により起こりうる災害を容易にイメージできるようにし とるべき避難等の防災行動を明示的に伝える 3. 情報精度と発表タイミングを考慮した表現伝える内容は 情報の精度と発表のタイミングを考慮して 定性的表現と数値等 ( 観測値や予測値等 ) を有効に組み合わせたものとする 4. 重要事項が分かる表現警報や情報の重要事項を見出し部に示すとともに 警報や情報の更新にあたっては フラグ ( 識別符 ) を付す等して 重要な変更部分が的確に伝わるような発表方法とする 26

津波警報等の情報文の改善の検討 1 27 警報等の分類は変更なし 大津波警報 という名称も検討 警報 ( 大津波 津波 ) 注意報の基準となる高さは別途検討 予想される津波の高さの区分を現行の 8 段階から 5 段階程度に 警報等の分類 解説 予測の津波情報で発表される 予想される津波の高さ 津波警報 大津波 津波 高いところで 3m 程度以上の津波が予想されますので 厳重に警戒してください 高いところで 2m 程度の津波が予想されますので 警戒してください 3m 4m 6m 8m 10m 以上 1m 2m 津波注意報 高いところで 0.5m 程度の津波が予想されますので 注意してください 0.5m

津波警報等の情報文の改善の検討 2 津波情報 ( 津波到達予想時刻 予想される津波の高さに関する情報 ) 津波到達予想時刻および予想される津波の高さは次のとおりです 予報区名 津波到達予想時刻 予想される津波の高さ < 大津波 > 岩手県 既に津波到達と推測 3m 宮城県 11 日 15 時 00 分 6m 福島県 11 日 15 時 10 分 3m < 津波 > 北海道太平洋沿岸中部 11 日 15 時 30 分 1m 津波情報 ( 津波観測に関する情報 ) [ 各地の検潮所で観測した津波の観測値 ] 場所によっては 検潮所で観測した津波の高さより更に大きな津波が到達していることが考えられます今後 津波の高さは更に高くなることも考えられます 11 日 14 時 58 分現在 検潮所での観測値は次のとおりです 大船渡第 1 波 11 日 14 時 46 分 (-) 0.2m 最大波 11 日 14 時 54 分 0.2m 警報第 1 報の不確定性が高い段階では数値は発表せず危機感を効果的に伝える定性的な表現に 観測された第 1 波は 後続波が大きくなることを踏まえ 避難行動を抑制しないよう発表方法を改善 情報文を より避難を促す表現に見直す ( 警報の本文も含む ) 28

到達予想時刻 第 1 波到達時刻と最大波時刻 同一予報区何の津波到達時刻の差の例 東北地方太平洋沖地震の第 1 報における 宮城県 予報区内の到達予想時刻 地点名 津波情報による到達予想時刻 石巻市鮎川 15:10 仙台港 15:40 東北地方太平洋沖地震の第 1 報における 和歌山県 予報区内の到達予想時刻 地点名 津波情報による到達予想時刻 那智勝浦町浦神 16:10 和歌山 17:20 1 時間以上の差 第 1 波到達時刻と最大波の時刻の差の例 ( 東北地方太平洋沖地震の例 ) ばらつきが大きい 地点名 第 1 波到達時刻 ( 第 1 波の高さ ) 最大波の時刻 ( 最大波の高さ ) 第 1 波到達 ~ 最大波の時間差 根室市花咲 15:43 (+2.9m) 15:57(2.9m) 14 分 釧路 15:35 (+2.1m) 23:39(2.1m) 8 時間 4 分 八戸 15:21 (-0.7m) 16:57(4.2m 翌 3 時頃よりデータ断 ) 1 時間 36 分 宮古 15:01 (-1.2m) 15:26 以降 (8.5mで振り切れ) 25 分以上 いわき市小名浜 15:08 (+2.6m) 15:39(3.3m) 31 分 大洗 15:17 (+1.7m) 16:52(4.0m) 1 時間 35 分 銚子 15:13 (+2.3m) 17:22(2.5m) 2 時間 9 分 29

気象研の断層解析による津波伝播シミュレーション 30

津波の高さ予想の区分と津波警報の分類との対応 津波警報等発表の考え方 津波警報 陸上に遡上する津波が予想された場合津波警報 ( 大津波 ) 住家の全壊が見られるなど災害の様相が変わるおそれがある場合津波注意報 沿岸部の海上 海中及び海岸付近への注意の呼びかけ 上記の警報の考え方及び沿岸での津波の高さと被害との関係から 船舶被害及び漁業施設被害が20cm 程度から 注意報は20cmから居住区域の浸水や住家床下浸水が1m 程度から 警報は1mから住家の全壊が3m 程度から 警報 ( 大津波 ) は3mから ( 居住区域の浸水等が沿岸での津波の高さ 1m 程度から見られることから 沿岸部の標高を 1m 程度と見なすとすれば 浸水深 2m の被害 ( 木造建物の全壊増加 ) が沿岸での津波の高さが 3m(=2m ( 浸水深 )+1m( 沿岸部の標高 )) 程度から見られるとも考えられる ) さらに 5m( 浸水深 4m に対応 ) 程度から被害状況に違いが見られる 予想高さ境界に 5m 追加 とりうる防災対応の段階や 高さが高いほど誤差が大きい 予想高さ境界に 10m を追加 警報 注意報の分類津波警報 ( 大津波 ) 津波警報 ( 津波 ) 津波注意報 津波の高さ予想の区分 10m 以上 5~10m 3~5m 1m~3m 20cm~1m 警報や情報文中では 現行の 津波警報 ( 大津波 ) を 大津波警報 と表記する 巨大津波警報 は設けない 既存の津波警報 ( 大津波 津波 ) への危機感が低下するおそれがある 31

津波警報 津波観測情報の主な改善点 津波警報等の発表基準と津波の高さ予想の区分 現行 津波警報等の高さ予想の区分を 8 段階から 5 段階にする 改善案 警報 注意報の分類 発表される 表現 津波高さ予想の 津波の高さ 数値 定性的表現 区分 10 m 超 10 m< 高さ 10 m 以上 8 m 10 m 巨大 5 m< 高さ 10 m 大津波警報 6 m 4 m 3 m 5 m 3 m< 高さ 5 m 津波警報 2 m 1 m 3 m 高い 1 m< 高さ 3 m 津波注意報 0.5 m 1 m ( なし ) 20 cm 高さ 1 m 地震規模推定の不確定性が大きい場合の津波の高さは 数値なしの定性的表現で発表 予想する津波の高さは 予想区分の高い方の値を用いる 津波観測情報の内容と表現方法 警報 注意報の分類 大津波警報 津波警報 津波注意報 現行 第 1 波としては 高さを発表せず 到達した時刻と押し引きのみを発表 最大波 は これまでの最大波 として発表 改善案 第 1 波 最大波 第 1 波 最大波 観測値 >1m ( それ以下は 観測中 ) 第 1 波の到達時刻すべて数値で発表 第 1 波の到達時刻観測値 0.2m( それ未満は 押し引き ( ごく小さい場合は 押し引き 観測中 ) 第 1 波の高さ 微弱 ) すべて数値で発表 ( ごく小さ い場合は 微弱 ) 沖合で津波を観測した場合の情報の新設沖合での津波観測情報を従来の観測情報とは別に新設 最大波は 観測した値が予想される高さに比べて十分小さい場合は 定性的表現で発表 32

津波警報の高さ区分の基準と警報 情報文中の表現の対応 法規上の区分 分類 津波の高さ表現 ( 丸括弧内は予想される範囲 ) 警報等とハザードマップとの関係 想定される津波のリスクととるべき行動 < 呼びかけ 指示を主体に > 避難の呼びかけ とるべき行動 警報 情報文中の表現注 ) < 解説を主体に > 高さに応じたリスク 警報 注意報 大津波警報 津波警報 津波注意報 10m 超 (10m~) 10m (5~10m) 5m (3~5m) 3m (1~3m) 1m (0.2~1m) 津波警報と避難指示等やハザードマップなどの津波防災対策との関係の明確化 巨大な津波が襲い壊滅的な被害が生じる 木造家屋が全壊 流失し 人は津波による流れに巻き込まれる ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難 大きな津波が襲い甚大な被害が発生します 沿岸部や川沿いにいる人はただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難してください 津波は繰り返し襲ってきます 巨大な津波が襲い甚大な被害が生じる 警報が解除されるまで安全な場 木造家屋が全壊 流失し 人は津波に所から離れないでください よる流れに巻き込まれる ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難 津波が襲い甚大な被害が生じる 木造家屋が全壊 流失し 人は津波による流れに巻き込まれる ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難 標高の低いところでは津波が襲い被害が生じる 浸水被害が発生し 人は津波による流れに巻き込まれる ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難 巨大な津波が襲い壊滅的な被害が生じる 木造家屋が全壊 流失し 人は津波による流れに巻き込まれる 巨大な津波が襲い甚大な被害が生じる 木造家屋が全壊 流失し 人は津波による流れに巻き込まれる 津波が襲い甚大な被害が生じる 木造家屋が全壊 流失し 人は津波による流れに巻き込まれる 津波による被害が発生します 標高の低いところでは津 沿岸部や川沿いにいる人はただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難してください 津波は繰り返し襲ってきます 波が襲い被害が生じる 木造家屋で浸水被害が発生し 人は津波による流 れに巻き込まれる 警報が解除されるまで安全な場所から離れないでください 海中や海岸付近では津波による被害が海中や海岸付近は危険です 生じる 海中にいる人はただちに海か 海中にいると速い流れに巻き込まれる ら上がって 海岸から離れてく 養殖筏の流失や小型船舶の転覆などが生じる ただちに海から離れること ださい 潮の流れが速い状態が続きますので 注意報が解除されるまで海に入ったり海岸に近づいたりしないようにしてください 海中では人は速い流れに巻き込まれる 養殖筏が流失し小型船舶が転覆する 注 ) この表現は 現時点において整理 記載したもので 今後 より有効な表現を取り入れる必要がある 33

改善した津波警報の内容例 ( 高さの定性的表現 ) 津波到達予想時刻 予想される津波の高さに関する情報平成 23 年 3 月 11 日 14 時 49 分気象庁発表 現行改善後 津波到達予想時刻 予想される津波の高さに関する情報平成 23 年 3 月 11 日 14 時 49 分気象庁発表 [ 津波到達予想時刻 予想される津波の高さ ] 津波到達予想時刻および予想される津波の高さは次のとおりです 予報区名 津波到達予想時刻 予想される津波の高さ < 大津波 > 岩手県 既に津波到達と推測 3m 宮城県 11 日 15 時 00 分 6m 福島県 11 日 15 時 10 分 3m < 津波 > 北海道太平洋沿岸中部 11 日 15 時 30 分 1m 青森県太平洋沿岸 11 日 15 時 30 分 1m 茨城県 11 日 15 時 30 分 2m 千葉県九十九里 外房 11 日 15 時 20 分 2m 伊豆諸島 11 日 15 時 20 分 1m < 津波注意 > 北海道太平洋沿岸東部 11 日 15 時 30 分 0.5m 北海道太平洋沿岸西部 11 日 15 時 40 分 0.5m 青森県日本海沿岸 11 日 16 時 10 分 0.5m 千葉県内房 11 日 15 時 20 分 0.5m 小笠原諸島 11 日 16 時 00 分 0.5m 相模湾 三浦半島 11 日 15 時 30 分 0.5m 静岡県 11 日 15 時 30 分 0.5m 愛知県外海 11 日 16 時 10 分 0.5m 三重県南部 11 日 16 時 00 分 0.5m 和歌山県 11 日 16 時 10 分 0.5m 徳島県 11 日 16 時 40 分 0.5m 高知県 11 日 16 時 30 分 0.5m 宮崎県 11 日 17 時 00 分 0.5m 種子島 屋久島地方 11 日 17 時 10 分 0.5m 奄美諸島 トカラ列島 11 日 17 時 10 分 0.5m なお 場所によっては津波の高さが 予想される津波の高さ より高くなる可能性がありますこれ以外の沿岸でも 若干の海面変動があるかもしれませんが 被害の心配はありません詳しくは津波予報 ( 若干の海面変動 ) を参照ください [ 震源 規模 ] きょう 11 日 14 時 46 分頃地震がありました 震源地は 三陸沖 ( 北緯 38.0 度 東経 142.9 度 牡鹿半島の東南東 130km 付近 ) で 震源の深さは約 10km 地震の規模 ( マグニチュード ) は 8.9 と推定されます [ 津波到達予想時刻 予想される津波の高さ ] $ 印は優先度の高い重要な情報を示す記号です 津波到達予想時刻および予想される津波の高さは次のとおりです 予報区名 第 1 波の到達予想時刻予想される津波の最大波の高さ < 大津波警報 > $ 岩手県 津波到達中と推測 巨大 $ 宮城県 11 日 15 時 00 分 巨大 $ 福島県 11 日 15 時 10 分 巨大 < 津波警報 > 北海道太平洋沿岸中部 11 日 15 時 30 分 高い 青森県太平洋沿岸 11 日 15 時 30 分 高い 茨城県 11 日 15 時 30 分 高い 千葉県九十九里 外房 11 日 15 時 20 分 高い 伊豆諸島 11 日 15 時 20 分 高い < 津波注意報 > 北海道太平洋沿岸東部 11 日 15 時 30 分 北海道太平洋沿岸西部 11 日 15 時 40 分 青森県日本海沿岸 11 日 16 時 10 分 千葉県内房 11 日 15 時 20 分 小笠原諸島 11 日 16 時 00 分 相模湾 三浦半島 11 日 15 時 30 分 静岡県 11 日 15 時 30 分 愛知県外海 11 日 16 時 10 分 三重県南部 11 日 16 時 00 分 和歌山県 11 日 16 時 10 分 徳島県 11 日 16 時 40 分 高知県 11 日 16 時 30 分 宮崎県 11 日 17 時 00 分 種子島 屋久島地方 11 日 17 時 10 分 奄美諸島 トカラ列島 11 日 17 時 10 分 警報が発表された沿岸部や川沿いにいる人はただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難してください 到達予想時刻は 予報区のなかで最も早く津波が到達する時刻です 場所によっては この時刻よりもかなり遅れて津波が襲ってくることがあります 到達予想時刻から津波が最も高くなるまでに数時間以上かかることがありますので 観測された津波の高さにかかわらず 警報が解除されるまで安全な場所から離れないでください これ以外の沿岸でも 若干の海面変動があるかもしれませんが 被害の心配はありません詳しくは津波予報 ( 若干の海面変動 ) を参照ください [ 震源 規模 ] きょう 11 日 14 時 46 分頃地震がありました 震源地は 三陸沖 ( 北緯 38.0 度 東経 142.9 度 牡鹿半島の東南東 130km 付近 ) で 震源の深さは約 10km 地震の規模 ( マグニチュード ) は 8 を超える巨大地震と推定されます 高さを定性的に発表する場合は削除 34

改善した津波観測情報の内容例 ( 観測情報 ) 津波情報 ( 津波観測に関する情報 ) 平成 23 年 3 月 11 日 15 時 01 分気象庁発表 現行改善案 津波情報 ( 津波観測に関する情報 ) 平成 23 年 3 月 11 日 15 時 01 分気象庁発表 [ 各地の検潮所で観測した津波の観測値 ] 場所によっては 検潮所で観測した津波の高さより更に大きな津波が到達し ていることが考えられます 今後 津波の高さは更に高くなることも考えられます 11 日 15 時 00 分現在の 津波の観測値をお知らせします むつ市関根浜 第 1 波 11 日 14 時 48 分 (+) 微弱 最大波 11 日 14 時 54 分 微弱 宮古 第 1 波 11 日 14 時 48 分 ( 不明 ) 最大波 ( 今後最大波到達 ) 大船渡 第 1 波 11 日 14 時 46 分 (-) 0.2m 最大波 11 日 14 時 54 分 0.2m 釜石 第 1 波 11 日 14 時 46 分 (+) 0.1m 最大波 11 日 14 時 56 分 3.2m 岩手釜石沖 * 第 1 波 11 日 14 時 50 分 ( 不明 ) 石巻市鮎川 第 1 波 11 日 14 時 46 分 (+) 0.1m 最大波 11 日 14 時 52 分 0.5m [ 各地の検潮所で観測した津波の観測値 ] 11 日 15 時 00 分現在の 津波の観測値をお知らせします $ 印は優先度の高い重要な情報を示す記号です # 印は新たに発表 あるいは情報を更新した箇所です + 印は現在潮位が上昇中であることを表します むつ市関根浜 第 1 波到達時刻 #11 日 14 時 48 分 押し これまでの最大波 # 観測中 宮古第 1 波到達時刻 #11 日 14 時 48 分 これまでの最大波 # 観測中 大船渡第 1 波到達時刻 11 日 14 時 46 分 引き これまでの最大波 観測中 釜石第 1 波到達時刻 #11 日 14 時 46 分 押し これまでの最大波 $#11 日 14 時 56 分 3.2m+ 石巻市鮎川 第 1 波到達時刻 11 日 14 時 46 分 押し これまでの最大波 観測中 津波による潮位変化が観測されてから最大波が観測されるまでに数時間以上かかることがあります 場所によっては 観測した津波の高さよりさらに大きな津波が到達しているおそれがあります 今後 津波の高さは更に高くなることも考えられます ~ 中略 ~ [ 震源 規模 ] きょう 11 日 14 時 46 分頃地震がありました震源地は 三陸沖 ( 北緯 38.0 度 東経 142.9 度 牡鹿半島の東南東 130km 付近 ) で 震源の深さは約 10km 地震の規模 ( マグニチュード ) は 8.9 と推定されます ~ 中略 ~ [ 震源 規模 ] きょう 11 日 14 時 46 分頃地震がありました 震源地は 三陸沖 ( 北緯 38.0 度 東経 142.9 度 牡鹿半島の東南東 130km 付近 ) で 震源の深さは約 10km 地震の規模 ( マグニチュード ) は 8.9 と推定されます 35

- 改善した津波観測情報の内容例 ( 沖合津波観測情報 ( 新設 )) 現行改善案 津波情報 ( 沖合の津波観測に関する情報 ) 平成 23 年 3 月 11 日 15 時 14 分気象庁発表 高い津波を沖合で観測しました 岩手三陸沖 1 警報の更新が必要であればまず警報更新報を優先して発表 [ 沖合で観測した津波の観測値 ] 11 日 15 時 10 分現在 沖合の観測値は次のとおりです # 印は新たに発表 あるいは情報を更新した箇所です + 印は現在潮位が上昇中であることを表します 沖合での観測値であり 沿岸では津波はさらに高くなります 岩手釜石沖第 1 波到達時刻 11 日 14 時 50 分 引き これまでの最大波 #11 日 15 時 10 分 4.1m 岩手宮古沖第 1 波到達時刻 11 日 14 時 50 分 引き これまでの最大波 #11 日 14 時 52 分 4.2m 福島小名浜沖第 1 波到達時刻 11 日 14 時 52 分 押し これまでの最大波 観測中 岩手三陸沖 1 第 1 波到達時刻 11 日 14 時 48 分 押し これまでの最大波 #11 日 14 時 52 分 0.5m+ [ 沖合の観測値から推定される沿岸の津波の高さ ] 沿岸での津波到達時刻および津波の高さは以下のとおりと推定されます $ 印は優先度の高い重要な情報を示す記号です # 印は新たに発表 あるいは情報を更新した箇所です 早いところでは 既に津波が到達していると推定されます 岩手県第 1 波の推定到達時刻これまでの最大波の推定到達時刻推定される津波の高さ福島県第 1 波の推定到達時刻これまでの最大波の推定到達時刻推定される津波の高さ 11 日 14 時 55 分 #11 日 15 時 15 分 $#10m 超 #11 日 14 時 57 分 # 推定中 # 推定中 [ 震源 規模 ] きょう 11 日 14 時 46 分頃地震がありました 震源地は 三陸沖 ( 北緯 38.0 度 東経 142.9 度 牡鹿半島の東南東 130km 付近 ) で 震源の深さは約 10km 地震の規模 ( マグニチュード ) は 8.9 と推定されます 36

防災計画との連携等 津波警報の分類や予想される津波の高さの設定と防災対応のリンク 津波警報 ( 大津波 津波 ) や津波注意報 予想される津波の高さ区分と 避難行動や避難計画等防災対応の連携 関係機関も含めた横断的な検討 ( 中央防災会議 災害時の避難に関する専門調査会 津波防災に関するワーキンググループ の議論を踏まえた対応 ) 広報周知活動 全国の気象台による 地域の特性を活かした重点的かつ長期的な取り組み 本庁の示す方針のもと 各地の気象台が地域的な利点を活かして地震 津波の減災に向け積極的に関与 津波警報の伝達 電力 通信などのインフラ施設や 防災行政無線 J アラートなどの防災施設の業務継続能力の維持向上 携帯電話の活用 海岸や海上など音声放送が聞こえづらい場所の人々への効果的な伝達手段の確保 37

津波観測ネットワークの復旧整備対象地点今後の取り組み ( 津波 地震観測網の強化 ) 現在更新作業中 津波観測網強化 観測機器の更新 ( 電波式検潮儀 ) 電波式検潮儀への更新 非常用電源の増強 衛星通信による通信二重化 巨大津波観測計 ( 水圧式津波計 ) の新設 38

今後の取り組み ( 地震 津波観測網の強化 ) 強震動でも振り切れない広帯域強震計による国内地震観測網の強化 国内地震観測網による速報 地震発生 3 次補正で 80 ヶ所に整備する広帯域強震計による長周期成分の観測 沖合津波観測網の強化 3 次補正で東北地方太平洋沖 3 ヶ所へ ブイ式海底津波計の整備等 津波警報 ( 地震発生から 3 分以内 ) 広帯域強震計の観測データを含め再評価 津波警報続報 ( 地震発生から 15 分程度 ) 15 分以内に巨大地震のマグニチュードを精度良く把握し 適切な津波警報を発表する 今後 関係省庁と連携して重点的に観測を強化する海域 ケーブル式海底水圧計 ( 気象庁 東大 JAMSTEC) 国交省港湾局 GPS 波浪計 DONET( ケーブル式 JAMSTEC) より確度の高い津波警報とその更新報を 迅速確実に発表する 39

ブイ式海底津波計の配置案 ( より詳細な位置は今後の調整により若干変更の可能性がある ) JAMSTEC D21401 JAMSTEC 青森八戸沖 岩手久慈沖 津波地震の想定震源域 N41 C (40.4N, 146.2E) 岩手宮古沖 岩手釜石沖気仙沼広田湾沖宮城金華山沖 B N39 (38.7N, 145.6E) D21418 E141 E143 福島小名浜沖 E145 E147 A (37.3N, 145.7E) N37 E149 E151 E153 アウターライズ地震の想定震源域 新設海底津波計の予定位置 既存のDARTブイ 房総 3 房総 2 津波地震の想定震源域 N35 既存のケーブル式海底津波計 GPS 波浪計 40

まとめ 津波警報第 1 報 地震発生後 3 分程度で発表 気象庁マグニチュードに基づく発表を基本とするが 新たに導入する過小評価判定ツールにより地震規模を過小に見積もっていると判断された場合 当該海域で想定される最大のマグニチュードで警報を発表 その場合 予想される高さは定性的表現とする 津波警報続報 速やかにモーメントマグニチュードを求め 地震発生後 15 分程度でモーメントマグニチュードにより警報を更新する モーメントマグニチュードを確実に求めるため 広帯域強震計を整備する 津波警報の迅速 的確な更新に資するため 関係機関とも協力しつつ 沖合津波計の整備を進める 沖合津波計の津波警報への活用技術開発を進める 津波警報等の情報文 予想される津波の高さを 8 段階から 5 段階とする また 警報を 当該海域で想定される最大のマグニチュードで発表する場合 予想される津波の高さは 巨大 等の定性的表現で発表 予想される津波の高さに比べ観測値が小さい間は 観測値を数字で発表せず 観測中 とする 沖合津波観測情報を新設する 広報周知活動 警報の改善のみならず 強い揺れを感じたら直ちに避難すべきこと 津波警報の意味や限界など 津波避難に関する周知広報を進めていくことが重要 41