受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税 35 外国法人税 36 適用時期等 38-2-

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法人税 住民税及び事業税等に関する会計基準 ( 案 ) について PwC あらた有限責任監査法人第 3 製造 流通 サービス部パートナー市原順二 はじめに 2016 年 11 月 9 日 企業会計基準委員会は企業会計基準公開草案第 59 号 法人税 住民税及び事業税等に関する会計基準 ( 案 )(

設例 [ 設例 1] 法定実効税率の算定方法 [ 設例 2] 改正地方税法等が決算日以前に成立し 当該改正地方税法等を受けた改正条例が当該決算日に成立していない場合の法定実効税率の算定 本適用指針の公表による他の会計基準等についての修正 -2-

第 298 回企業会計基準委員会 資料番号 日付 審議事項 (2)-4 DT 年 10 月 23 日 プロジェクト 項目 税効果会計 今後の検討の進め方 本資料の目的 1. 本資料は 繰延税金資産の回収可能性に関わるグループ 2 の検討状況を踏まえ 今 後の検討の進め方につ

税効果会計シリーズ(3)_法定実効税率

改正法人税法により平成 24 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度については法人税率が 30% から 25.5% に引き下げられ また 復興財源確保法により平成 24 年 4 月 1 日から平成 27 年 3 月 31 日までの間に開始する事業年度については基準法人税額の 10% が復興特別法人

その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の

適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

税されるときは 給与等課税事由が生じた日 ( 権利行使日 ) に 法人において 当該役務提供に係る費用の額が損金に算入されますので ( 法人税法第 54 条第 1 項 ) ストック オプションの付与時において将来減算一時差異に該当し 税効果会計の対象となります Q3: 削除 Ⅱ 中間財務諸表等におけ

IFRS基礎講座 IAS第12号 法人所得税

参考 企業会計基準第 25 号 ( 平成 22 年 6 月 ) からの改正点 平成 24 年 6 月 29 日 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 の設例 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 ( 平成 22 年 6 月 30 日 ) の設例を次のように改正

目的 1. 本会計基準は 企業会計審議会が平成 10 年 10 月に公表した 税効果会計に係る会計基準 ( 以下 税効果会計基準 という ) 及び 税効果会計に係る会計基準注解 ( 以下 税効果会計基準注解 という ) のうち開示に関する事項を改正することを目的とする 会計基準 開示表示 2. 税効

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公開草案なお 重要性が乏しい場合には当該注記を省略できる 現行 適用時期等 平成 XX 年改正の本適用指針 ( 以下 平成 XX 年改正適用指針 という ) は 公表日以後適用する 適用時期等 結論の背景経緯 平成 24 年 1 月 31 日付で 厚生労働省通知 厚生年金基金

Microsoft Word - 公開草案「中小企業の会計に関する指針」新旧対照表

7. 我が国の場合 第 4 項に示される政府が企業に課す賦課金の例としては 固定資産税 特別土地保有税 自動車取得税などが挙げられる 8. 日本基準において諸税金に関する会計処理については 監査 保証委員会実務指針第 63 号 諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取り扱い があるが ここでは

日本基準でいう 法人税等 に相当するものです 繰延税金負債 将来加算一時差異に関連して将来の期に課される税額をいいます 繰延税金資産 将来減算一時差異 税務上の欠損金の繰越し 税額控除の繰越し に関連して将来の期に 回収されることとなる税額をいいます 一時差異 ある資産または負債の財政状態計算書上の

Report

貸借対照表 (2019 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科目 金額 科目 金額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 流動資産 3,784,729 流動負債 244,841 現金及び預金 3,621,845 リース債務 94,106 前払費用 156,652 未払金 18,745

Microsoft Word - zeisyou9記載の手引.doc

できる 105. 前項の取扱いを適用する場合には 次の事項を注記する (1) その旨及び決算月に実施した計量の日から決算日までに生じた収益の見積りが極めて困難と認められる理由 (2) 当連結会計年度及び当事業年度の決算月の翌月に実施した計量により確認した使用量に基づく収益の額 ( この収益の額が 決

目次 1. 回収可能性適用指針の公表について (1) 公表の経緯 (2) 税効果会計プロジェクトの全体像 (3) 適用時期 2. 回収可能性適用指針の概要 (1) 繰延税金資産の回収可能性の基本的な考え方 (2) 課税所得と一時差異等加減算前課税所得 (3) 企業の分類に応じた取扱い総論 (4) 各

第6期決算公告

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

営業活動によるキャッシュ フロー の区分には 税引前当期純利益 減価償却費などの非資金損益項目 有価証券売却損益などの投資活動や財務活動の区分に含まれる損益項目 営業活動に係る資産 負債の増減 利息および配当金の受取額等が表示されます この中で 小計欄 ( 1) の上と下で性質が異なる取引が表示され

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

用者の予測とは大きく異なった内容で突然開示されることがあり 繰延税金資産の回収可能性について事前に予測を行う観点からは 現行の税効果会計基準における繰延税金資産に関して開示されている情報では不十分である (3) 回収可能性に係る監査の指針を会計の指針に移管することから 会計処理だけでなく 開示につい

Microsoft Word - 決箊喬å‚−表紎_18年度(第26æœ�ï¼›

粉飾決算と過年度損益修正 1. 概要 経営上の諸般の事情により やむを得ず粉飾して架空売上や架空在庫を計上する場合があります 前期以前の 過年度の決算が間違っていた場合は 会計上は当期の期首で修正できます ただし 過年度の損失を当期に損金算入すれば その事業年度に損金計上すべきであり 過年度の損失は

本実務対応報告の概要 以下の概要は 本実務対応報告の内容を要約したものです 範囲 ( 本実務対応報告第 3 項 ) 本実務対応報告は 資金決済法に規定する仮想通貨を対象とする ただし 自己 ( 自己の関係会社を含む ) の発行した資金決済法に規定する仮想通貨は除く 仮想通貨交換業者又はが保有する仮想

企業会計の利益 法人税法上の所得金額 売上原価販売費一般管理費営業外費用特別損失 売上 営業外収益特別利益 損金の額原価費用損失の額 益金の額 ( 収益の額 ) 当期純利益所得の金額 2 益金の額に算入すべき金額とは何か益金の額に算入すべき金額とは 法人税法の規定や他の法令で 益金の額に算入する 又

リース取引に関する会計基準

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特集 : 税効果会計の見直しについて 企業会計基準適用指針第 26 号 繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針 の公表について PwCあらた監査法人第 3 製造 流通 サービス部パートナー加藤達也 はじめに 2015 年 12 月 28 日 企業会計基準委員会 ( 以下 ASBJ という ) より

貸借対照表 平成 28 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 千円 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 資産の部 負債の部 流動資産 (63,628,517) 流動負債 (72,772,267) 現金及び預金 33,016,731 買掛金 379,893 売掛金 426,495 未払金 38,59

業結合ステップ2に関連するJICPA実務指針等の改正について⑧・連結税効果実務指針(その3)

各項目における一時差異の取扱い 35 解消見込年度が長期にわたる将来減算一時差異の取扱い 35 固定資産の減損損失に係る将来減算一時差異の取扱い 36 役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異の取扱い 37 その他有価証券の評価差額に係る一時差異の取扱い 38 退職給付に係る負債に関する一時差異の取

企業会計基準第 16 号持分法に関する会計基準 平成 20 年 3 月 10 日改正平成 20 年 12 月 26 日企業会計基準委員会 本会計基準は 平成 27 年 3 月 26 日までに公表された次の会計基準等による修正が反映されている 実務対応報告第 18 号 連結財務諸表作成における在外子会

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企業結合ステップ2に関連するJICPA実務指針等の改正について⑦・連結税効果実務指針(その2)

財務諸表 金融商品取引法第 193 条の 2 第 1 項の規定に基づき 当社の貸借対照表 損益計算書 株主資本等変動計算書及び附属明細表については 有限責任あずさ監査法人の監査証明を受けております 貸借対照表 科目 ( 資産の部 ) 流動資産 平成 27 年度末平成 28 年 3 月 31 日現在

解消見込年度が長期にわたる将来減算一時差異の取扱い 35 固定資産の減損損失に係る将来減算一時差異の取扱い 36 役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異の取扱い 37 その他有価証券の評価差額に係る一時差異の取扱い 38 退職給付に係る負債に関する一時差異の取扱い 43 繰延ヘッジ損益に係る一時差

第4期 決算報告書

固定資産の減損損失に係る将来減算一時差異の取扱い 36 役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異の取扱い 37 その他有価証券の評価差額に係る一時差異の取扱い 38 退職給付に係る負債に関する一時差異の取扱い 43 繰延ヘッジ損益に係る一時差異の取扱い 46 繰越外国税額控除に係る繰延税金資産 47

変更の内容 変更の理由 原則的な遡及適用の場合 原則的な遡及適用が実務上不可能な場合 変更の内容 変更の理由 変更による影響額 ( 注 1) 変更による影響額 ( 注 2) 原則的な遡及適用が実務上不可能な理由 会計方針の変更の適用方法 会計方針の変更の適用開始時期 ( 注 1) 原則的な遡及適用に

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( 注 ) ( 注 ) リスク分担型企業年金では 標準掛金額に相当する額 特別掛金額に相当する額及びリスク対応掛金額に相当する額を合算した額が掛金として規約に定められるため 本実務対応報告では 規約に定められる掛金の内訳として 標準掛金相当額 特別掛金相当額 及び リスク対応掛金相当額 という用語を

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

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目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

( 資産の部 ) ( 負債の部 ) Ⅰ 特定資産の部 1. 流動負債 366,211,036 1 年内返済予定 1. 流動資産 580,621,275 特定社債 302,000,000 信託預金 580,621,275 事業未払金 2,363, 固定資産 6,029,788,716 未払

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

このガイドラインは 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する留意事項 ( 制定 発出時点において最適と考えられる法令解釈 運用等 ) を示したものである 第一章 総則 1-1 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令 ( 平成 19 年

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野村アセットマネジメント株式会社 平成30年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

第8期(平成26年度)貸借対照表および損益計算書(改版)

第 3 期決算公告 (2018 年 6 月 29 日開示 ) 東京都江東区木場一丁目 5 番 65 号 りそなアセットマネジメント株式会社 代表取締役西岡明彦 貸借対照表 (2018 年 3 月 31 日現在 ) 科目金額科目金額 ( 単位 : 円 ) 資産の部 流動資産 負債の部 流動負債 預金

平成23年度税制改正の主要項目

東京電力エナジーパートナー

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投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

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従って IFRSにおいては これらの減価償却計算の構成要素について どこまで どのように厳密に見積りを行うかについて下記の 減価償却とIFRS についての説明で述べるような論点が生じます なお 無形固定資産の償却については 日本基準では一般に税法に準拠して定額法によることが多いですが IFRSにおい

地方公営企業会計基準の見直しについて(完成)

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085 貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準 新株予約権 少数株主持分を株主資本に計上しない理由重要度 新株予約権を株主資本に計上しない理由 非支配株主持分を株主資本に計上しない理由 Keyword 株主とは異なる新株予約権者 返済義務 新株予約権は 返済義務のある負債ではない したがって

平成 29 年度連結計算書類 計算書類 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 連結計算書類 連結財政状態計算書 53 連結損益計算書 54 連結包括利益計算書 ( ご参考 ) 55 連結持分変動計算書 56 計算書類 貸借対照表 57 損益計算書 58 株主

実務対応報告第 18 号連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い 平成 18 年 5 月 17 日改正平成 22 年 2 月 19 日改正平成 27 年 3 月 26 日改正平成 29 年 3 月 29 日最終改正平成 30 年 9 月 14 日企業会計基準委員会 目的 本


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[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

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に限る ) は その追徴すべき不足税額 ( 当該減額更正前に賦課した税額から当該減額更正に基因して変更した税額を控除した金額 ( 還付金の額に相当する税額を含む ) に達するまでの部分に相当する税額に限る 以下この項において同じ ) については 次に掲げる期間 ( 令第 4 8 条の9の9 第 4

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

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別表六 ( 一 ) 所得税額の控除に関する明細書 1 この明細書の用途この明細書は 法人が当期中に支払を受ける利子及び配当等並びに懸賞金等及び償還差益について課された所得税の額について 法第 68 条第 1 項 (( 所得税額の控除 ))( 復興財源確保法第 33 条第 2 項 (( 復興特別所得税

平成30年公認会計士試験

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

表紙 EDINET 提出書類 寺崎電気産業株式会社 (E0176 訂正有価証券報告書 提出書類 根拠条文 提出先 提出日 有価証券報告書の訂正報告書金融商品取引法第 24 条の2 第 1 項近畿財務局長平成 30 年 9 月 21 日 事業年度 第 38 期 ( 自平成 29 年 4 月 1 日至平

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「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)

IFRS 第 15 号の定めの表現の置換え 4. 下表では IFRS 第 15 号の基準本文 ( 適用指針を含む ) の日本語訳を左の列に示し 表現を見直した文案を右の列に示している (1) 表に用いられている色は 以下を表す ( ) は IFRS 第 15 号における項番号を表す 青色 : 企業会

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

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「経済政策論(後期)《運営方法と予定表(1997、三井)

貸借対照表 ( 平成 25 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科目金額科目金額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 流動資産 14,146,891 流動負債 10,030,277 現金及び預金 2,491,769 買 掛 金 7,290,606 売 掛 金 9,256,869 リ

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平成 28 年 11 月 9 日 企業会計基準公開草案第 59 号法人税 住民税及び事業税等に関する会計基準 ( 案 ) 平成 XX 年 XX 月 XX 日企業会計基準委員会 目次項 目的 1 会計基準 2 範囲 2 用語の定義 3 会計処理 4 当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等 4 更正等による追徴及び還付 5 開示 8 当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等 8 受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税 12 外国法人税 13 更正等による追徴及び還付 14 適用時期等 18 結論の背景 22 経緯 22 範囲 24 用語の定義 26 会計処理 27 当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等 27 更正等による追徴及び還付 28 追徴税額について課税を不服として法的手段を取る場合の取扱い 32 開示 34-1-

受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税 35 外国法人税 36 適用時期等 38-2-

目的 1. 本会計基準は 主として法人税 地方法人税 住民税及び事業税 ( 以下 法人税 住民税及び事業税等 という ) に関する会計処理及び開示を定めることを目的とする 会計基準 範囲 2. 本会計基準は 連結財務諸表及び個別財務諸表における次の事項に適用する (1) 我が国の法令に従い納付する税金のうち法人税 住民税及び事業税等に関する会計処理及び開示 (2) 我が国の法令に従い納付する税金のうち受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税に関する開示 (3) 外国の法令に従い納付する税金のうち外国法人税に関する開示なお 本会計基準は 特に明示しない限り 個別財務諸表における会計処理及び開示を想定して定めている 連結財務諸表における会計処理及び開示は 個別財務諸表における会計処理及び開示に準じて行う 用語の定義 3. 本会計基準における用語の定義は次のとおりとする (1) 法人税 とは 法人税法( 昭和 40 年法律第 34 号 ) の規定に基づく税金をいう (2) 地方法人税 とは 地方法人税法( 平成 26 年法律第 11 号 ) の規定に基づく税金をいう (3) 住民税 とは 地方税法( 昭和 25 年法律第 226 号 ) の規定に基づく税金のうち 道府県民税及び市町村民税をいう なお 道府県に関する規定は都に 市町村に関する規定は特別区に準用することとされている ( 地方税法第 1 条第 2 項 ) (4) 事業税 とは 地方税法の規定に基づく税金であり 法人の行う事業に対して都道府県が課すものをいう 事業税には 付加価値額によって課すもの ( 以下 付加価値割 という ) 資本金等の額によって課すもの( 以下 資本割 という ) 所得によって課すもの ( 以下 所得割 という ) がある (5) 受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税 とは 所得税法( 昭和 40 年法律第 33 号 ) 第 174 条各号に規定する利子等 配当等 給付補てん金 利息 利益 差益 利益の分配又は賞金の支払を受ける場合に 同法の規定により課される所得税をいう -3-

(6) 外国法人税 とは 外国の法令により課される法人税に相当する税金をいう (7) 所得 とは 法人税の関係法令又は事業税の関係法令の規定に基づき算定した各事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額をいう (8) 更正 とは 法人税 住民税及び事業税等について 提出した申告書に記載された課税標準又は税額の計算が法令に従っていなかった場合やその他当該課税標準又は税額が税務署長又は地方公共団体の長の調査したところと異なる場合に その調査により 当該申告書に係る課税標準又は税額を変更することをいう (9) 修正申告 とは 法人税 住民税及び事業税等について 提出した申告書に納付すべきものとして記載した税額に不足額がある場合や提出した申告書に記載した純損失の金額が過大であった場合に 当該申告書に記載された課税標準又は税額を修正する申告書を税務署長又は地方公共団体の長に提出することにより 提出した申告書に係る課税標準又は税額を変更することをいう なお 本会計基準において 更正及び修正申告を 更正等 という 会計処理当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等 ( 注 4. 当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等 ) については 法令に従い算定した額 ( 税務上の欠損金の繰戻しにより還付を請求する法人税額及び地方法人税額を含む ) を損益に計上する ( 注 ) 所得等に対する法人税 住民税及び事業税等 には 所得に対する法人税 地方法人税 住民税及び事業税 ( 所得割 ) のほかに 住民税 ( 均等割 ) 及び事業税 ( 付加価値割及び資本割 ) を含むものとする 更正等による追徴及び還付 5. 過年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等について 更正等により追加で徴収される可能性が高く 当該追徴税額を合理的に見積ることができる場合 企業会計基準第 24 号 会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準 ( 以下 企業会計基準第 24 号 という ) 第 4 項 (8) に定める誤謬に該当するときを除き 原則として 当該追徴税額を損益に計上する なお 追徴に伴う延滞税 加算税 延滞金及び加算金については 当該追徴税額に含めて処理する 6. 過年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等について 更正等により還付されることが確実に見込まれ 当該還付税額を合理的に見積ることができる場合 企業会計基準第 24 号第 4 項 (8) に定める誤謬に該当するときを除き 当該還付税額を損益に計上する 7. 過年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等について 更正等により追徴税額を納付したが 当該追徴の内容を不服として法的手段を取る場合において 還付 -4-

されることが確実に見込まれ 当該還付税額を合理的に見積ることができる場合 第 6 項と同様に 企業会計基準第 24 号第 4 項 (8) に定める誤謬に該当するときを除き 当該還付税額を損益に計上する 開示当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等 8. 法人税 地方法人税 住民税及び事業税 ( 所得割 ) は 損益計算書の税引前当期純利益 ( 又は損失 ) の次に 法人税 住民税及び事業税などその内容を示す科目をもって表示する 9. 事業税 ( 付加価値割及び資本割 ) は 原則として 損益計算書の販売費及び一般管理費として表示する ただし 合理的な配分方法に基づきその一部を売上原価として表示することができる 10. 法人税 住民税及び事業税等のうち納付されていない税額は 貸借対照表の流動負債の区分に 未払法人税等などその内容を示す科目をもって表示する 11. 法人税 住民税及び事業税等の税額が 中間申告により納付された税額を下回る場合等により還付されるとき 当該還付税額のうち受領されていない税額は 貸借対照表の流動資産の区分に 未収還付法人税等などその内容を示す科目をもって表示する 受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税 12. 受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税のうち法人税法等に基づき税額控除の適用を受けない税額は 損益計算書の営業外費用として表示する ただし 当該金額の重要性が乏しい場合 法人税 地方法人税 住民税及び事業税 ( 所得割 ) に含めて表示することができる ( 第 8 項参照 ) 外国法人税 13. 外国法人税のうち法人税法等に基づき税額控除の適用を受けない税額について 利益に関する金額を課税標準とする税額は 法人税 地方法人税 住民税及び事業税 ( 所得割 ) に含めて表示する ( 第 8 項参照 ) 利益に関する金額を課税標準とする税額以外の税額は その内容に応じて 損益計算書の売上原価 販売費及び一般管理費又は営業外費用として表示する 更正等による追徴及び還付 14. 法人税 地方法人税 住民税及び事業税 ( 所得割 ) の更正等による追徴税額及び還付税額は 法人税 地方法人税 住民税及び事業税 ( 所得割 ) を表示した科目 ( 第 8 項参照 ) の次に その内容を示す科目をもって表示する ただし これらの金額の重 -5-

要性が乏しい場合 法人税 地方法人税 住民税及び事業税 ( 所得割 ) に含めて表示することができる ( 第 8 項参照 ) 15. 事業税 ( 付加価値割及び資本割 ) の更正等による追徴税額及び還付税額は 原則として 損益計算書の販売費及び一般管理費として表示する ただし 合理的な配分方法に基づきその一部を売上原価として表示することができる ( 第 9 項参照 ) 16. 法人税 住民税及び事業税等の更正等による追徴税額のうち納付されていない税額は 当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等のうち納付されていない税額に含めて表示する ( 第 10 項参照 ) 17. 法人税 住民税及び事業税等の更正等による還付税額のうち受領されていない税額は 当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等の還付税額のうち受領されていない税額に含めて表示する ( 第 11 項参照 ) 適用時期等 18. 本会計基準は 公表日以後適用する 19. 本会計基準の適用については 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更に該当しないものとして取り扱う 20. 本会計基準の公表に伴い 実務対応報告第 12 号 法人事業税における外形標準課税部分の損益計算書上の表示についての実務上の取扱い ( 以下 実務対応報告第 12 号 という ) は廃止する 21. 当委員会は 日本公認会計士協会に 監査 保証実務委員会実務指針第 63 号 諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取扱い ( 以下 監査保証実務指針第 63 号 という ) の改廃を検討することを依頼する -6-

結論の背景 経緯 22. 平成 25 年 12 月に開催された第 277 回企業会計基準委員会において 公益財団法人財務会計基準機構内に設けられている基準諮問会議より 日本公認会計士協会における税効果会計に関する実務指針 ( 会計に関する部分 ) について当委員会で審議を行うことが提言された この提言を受けて 当委員会は 税効果会計専門委員会を設置して 平成 26 年 2 月から審議を開始した その後 当委員会は 繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針を先行して開発することとし 平成 27 年 12 月に 企業会計基準適用指針第 26 号 繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針 ( 以下 回収可能性適用指針 という ) を公表した 23. 当委員会では 回収可能性適用指針の公表後 日本公認会計士協会における税効果会計に関する実務指針のうち回収可能性適用指針に含まれないものについて 当委員会に移管すべく審議を行っている 当該審議においては 監査保証実務指針第 63 号についても税効果会計に関連するため 併せて当委員会の会計基準として開発することとした 具体的には 監査保証実務指針第 63 号及び日本公認会計士協会会計制度委員会 税効果会計に関する Q&A ( 以下 税効果 Q&A という ) における税金の会計処理及び開示に関する部分のほか 実務対応報告第 12 号に定められていた事業税 ( 付加価値割及び資本割 ) の開示について 基本的にその内容を踏襲した上で表現の見直しや考え方の整理等を行い 公開草案として公表することとした 範囲 24. 監査保証実務指針第 63 号において取り扱う税金は 法人税 都道府県民税及び市町村民税 事業税 事業所税並びに特別土地保有税 とされていたが これらを適用範囲とした理由については 監査保証実務指針第 63 号には特段記載されていなかった 監査保証実務指針第 63 号を本会計基準に移管するにあたっては 本会計基準に含める税金の適用範囲について 金額的な重要性や検討すべき課題の有無等により 実務において会計上の取扱いを明らかにする必要性が高いものとすることが考えられる 法人税 住民税及び事業税等については 一般的に金額的な重要性が高く 追徴税額や還付税額の取扱いを明らかにする必要性が高いと考えられるため これらに関する会計処理及び開示を本会計基準の適用範囲に含めることとした これに伴い 事業税については 利益に関連する金額を課税標準とする事業税 ( 所得割 ) だけではなく それ以外の事業税 ( 付加価値割及び資本割 ) も本会計基準の適用範囲とし 実務対応報告第 12 号の内容を本会計基準に統合することとした ( 第 9 項及び第 15 項参照 ) -7-

一方 監査保証実務指針第 63 号において取り扱っていた事業所税及び特別土地保有税については 一般的に金額的な重要性が高いとは言えず 営業費用等で会計処理を行っている実務が浸透しており 会計上の取扱いを明らかにする必要性が高くはないことから 本会計基準の適用範囲に含めないこととした また 消費税については 日本公認会計士協会の消費税の会計処理に関するプロジェクトチームより 消費税の会計処理について ( 中間報告 ) が公表されており 実務上 当該報告に従って 一部の企業を除き 税抜方式で会計処理を行っている実務が浸透しており 会計上の取扱いを明らかにする必要性が高くはないと考えられることや 検討中の収益認識に関する会計基準の開発にあたって論点となり得ることから 本会計基準の適用範囲に含めないこととした さらに 固定資産税については 一部の業種を除き 一般的に金額的な重要性が高いとは言えないため 会計上の取扱いを明らかにする必要性が高くはないと考え 本会計基準の適用範囲に含めないこととした なお 監査保証実務指針第 63 号において 法人税法等の税額控除に関連し 受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税の表示についても定められていたことから 本会計基準においては当該記載内容を踏襲し 本会計基準の適用範囲に含めることとした ( 第 2 項 (2) 参照 ) 25. 審議の過程では 在外子会社や在外支店等が所在地国の法令に従い納付する税金を適用範囲に含めるかどうかについて検討を行った 在外子会社が所在地国の法令に従い納付する税金については 在外子会社の財務諸表が 国際財務報告基準 (IFRS) 又は米国会計基準に準拠して作成される場合 実務対応報告第 18 号 連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い に基づき 当該財務諸表を連結決算手続上利用できるものと整理されているため 当該税金は IFRS 又は米国会計基準に従って処理されることが考えられる 在外支店等が所在地国の法令に従い納付する税金については 当該税金の種類は多様であるため 従来どおり その会計処理を実務の判断に委ねることが考えられる したがって 在外子会社や在外支店等が所在地国の法令に従い納付する税金の会計処理については 本会計基準の適用範囲に含めないこととした ただし これまでの実務を踏まえ 親会社及び国内子会社が外国の法令に従い納付する税金のうち外国法人税の表示については 監査保証実務指針第 63 号及び税効果 Q&A の記載内容を基本的に踏襲し 本会計基準の適用範囲に含めることとした ( 第 2 項 (3) 参照 ) 用語の定義 26. 本会計基準では 監査保証実務指針第 63 号等において使用されている用語のうち 必要と考えられる用語の定義を定めることとした ( 第 3 項参照 ) -8-

会計処理当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等 27. 監査保証実務指針第 63 号では 法人税 住民税及び事業税について 表示に関する取扱いは 法人税 住民税及び利益に関連する金額を課税標準として課される事業税は 法人税 住民税及び事業税 として損益計算書の税引前当期純利益金額又は税引前当期純損失金額の次に記載する と記載されていたが 会計処理に関する取扱いは記載されていなかった このため 当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等についての会計処理に関する取扱いとして 法令に従い算定した額を損益に計上することを明示することとした ( 第 4 項参照 ) 更正等による追徴及び還付 28. 監査保証実務指針第 63 号では 更正等による追徴及び還付について 法人税等の更正 決定等による追徴税額及び還付税額は 過年度遡及会計基準及び過年度遡及適用指針に基づき処理することになる ( 過年度遡及会計基準第 55 項参照 ) なお これらが過去の誤謬に起因するものでない場合には 損益計算書上 法人税 住民税及び事業税 の次にその内容を示す名称を付した科目をもって記載する と記載され 企業会計基準第 24 号第 55 項が参照されていた 本会計基準では この定めの内容を基本的に踏襲している 29. また 監査保証実務指針第 63 号では 還付の会計処理については 還付されることが確定しているもの及び還付額を合理的に見積もることが可能な ものを計上することが記載されていたが 追徴の会計処理については どの時点で認識すべきかについて記載がなかったため 本会計基準において追徴と還付の会計処理をどのように記載するかについて検討を行った 30. 追徴の会計処理については 監査保証実務指針第 63 号では第 28 項に引用した記載以外は記載されていなかったため 偶発事象を負債として認識する場合の我が国における一般的な考え方を参考に 更正等により追加で徴収される可能性が高く 当該追徴税額を合理的に見積ることができる場合 当該追徴税額を損益に計上することとした ( 第 5 項参照 ) 一方 還付の会計処理については 還付額を合理的に見積もることが可能な という表現を踏襲しつつ 同様に 偶発事象を資産として認識する場合の我が国における一般的な考え方を参考に 還付されることが確実に見込まれ 当該還付税額を合理的に見積ることができる場合 当該還付税額を損益に計上することとした ( 第 6 項参照 ) 31. なお 本会計基準において 追徴税額に関する負債の認識の閾値と還付税額に関す -9-

る資産の認識の閾値を異なるものとしているが 国際的な会計基準 ( 米国会計基準では FASB Accounting Standards Codification(FASB による会計基準のコード化体系 ) の Topic740 法人所得税 に定められ IFRS では IFRS 解釈指針委員会より 法人所得税務処理に関する不確実性 に関する IFRIC 解釈指針の公開草案が公表されている ) では 両者の認識の閾値を同じものとしているため これらの会計基準における記載は 本会計基準のものと相違することとなる この点 今回の実務指針の移管においては 我が国のこれまでの会計慣行に照らした取扱いを重視し 監査保証実務指針第 63 号における取扱いを踏襲することとしている 追徴税額について課税を不服として法的手段を取る場合の取扱い 32. 監査保証実務指針第 63 号では 追徴税額について法的手段を取る場合の取扱いについて 追徴税額に関して 課税を不服としてその撤回を求め法的手段を取ることを会社が予定している場合も想定されるが その場合であっても 法的手段を取る会社の意思のみでは未納付額の不計上あるいは納付税額の仮払処理を行うことは適当ではない と記載されており 当該取扱いにおいて追徴税額を費用として計上しないケースや納付税額を資産として計上するケースは排除されていないと考えられる 本会計基準では この趣旨を踏襲して 原則として 当該追徴税額を損益として計上する との表現を用いている ( 第 5 項参照 ) 33. 監査保証実務指針第 63 号では 追徴税額の還付可能性の判断について 法的手段を取った後の経緯 会社及び課税当局 ( 国外を含む ) の主張 相互協議の成否 裁判になった場合は当該裁判の中での双方の主張等総合的に判断し 追徴税額の還付可能性を判断する必要がある と記載されていた 当該記載には 双方の主張 等監査上の観点から用いられていた表現があると考えられるため 本会計基準にはこの記載を踏襲していないが 第 7 項を適用するにあたっては 従来と同様に企業の置かれた状況を総合的に判断する必要があると考えられる 開示 34. 本会計基準は 監査保証実務指針第 63 号 税効果 Q&A 及び実務対応報告第 12 号に記載されている表示に関する取扱いのうち 本会計基準の適用範囲とした税金の表示に関する取扱いの内容を踏襲している 受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税 35. 監査保証実務指針第 63 号では 受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税について 受取利子 配当等に課される源泉所得税のうち 法人税法及び地方税法上の -10-

税額控除の適用を受ける金額は 損益計算書上 法人税 住民税及び事業税 に含めて処理する と記載されていた この記載について 税額控除の適用を受ける場合 第 4 項に定めた当事業年度の所得等に対する法人税 住民税及び事業税等の額に含まれ 法人税 地方法人税 住民税及び事業税 ( 所得割 ) に含めて表示することが明らかであるため 本会計基準には踏襲していない 外国法人税 36. 監査保証実務指針第 63 号では 外国法人税について 外国法人税のうち 法人税法上の税額控除の適用を受ける金額は 損益計算書上 法人税 住民税及び事業税 に含めて処理する とされていた記載についても 第 35 項と同様の理由により 本会計基準には踏襲していない 37. 税効果 Q&A では 外国子会社からの配当等の額に係る外国源泉所得税は 当該子会社の利益に関する金額を課税標準とする税金と考えられるため 法人税 住民税及び事業税 に含めて表示することが適当と考えられます とされていた 本会計基準では 外国子会社からの受取配当金等に課される外国源泉所得税のうち法人税法等に基づき税額控除の適用を受けない税額については 第 13 項に従い 法人税 地方法人税 住民税及び事業税 ( 所得割 ) に含めて表示することとなる 適用時期等 38. 本会計基準では 監査保証実務指針第 63 号等における税金の会計処理及び開示に関する部分について 基本的にその内容を踏襲した上で表現の見直しや考え方の整理等を行っており 実質的な内容の変更は意図していないため 公表日以後適用することとした また 同様の理由により 本会計基準の適用については 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更に該当しないものとして取り扱うこととした ( 第 18 項及び第 19 項参照 ) 以上 -11-