TNF 受容体関連周期性症候群 1. 概要近年 国内外で注目されている自己炎症性症候群の一つであり 発熱 皮疹 筋肉痛 関節痛 漿膜炎などを繰り返し 時にアミロイドーシスを合併する事もある疾患です TNF 受容体 1 型の遺伝子変異が原因ですが 詳しい病態は解明されていません 全身型若年性特発性関節

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己炎症性疾患と言います 具体的な症例それでは狭義の自己炎症性疾患の具体的な症例を 2 つほどご紹介致しましょう 症例は 12 歳の女性ですが 発熱 右下腹部痛を主訴に受診されました 理学所見で右下腹部に圧痛があり 血液検査で CRP 及び白血球上昇をみとめ 急性虫垂炎と診断 外科手術を受けました し

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られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

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とが多いのが他の蕁麻疹との相違点です 難治例ではこの刺激感のために日常生活に支障が生じ 重篤な随伴症状としてはまれに血管性浮腫 気管支喘息 めまい 腹痛 嘔気 アナフィラキシーを伴うことがあります 通常は暑い夏に悪化しますが 一部の症例では冬期の運動 入浴で皮疹が悪化することがあり 温度差や日常の運

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ある ARS は アミノ酸を trna の 3 末端に結合させる酵素で 20 種類すべてのアミノ酸に対応する ARS が細胞質内に存在しています 抗 Jo-1 抗体は ARS に対する自己抗体の中で最初に発見された抗体で ヒスチジル trna 合成酵素が対応抗原です その後 抗スレオニル trna

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インスリンが十分に働かない ってどういうこと 糖尿病になると インスリンが十分に働かなくなり 血糖をうまく細胞に取り込めなくなります それには 2つの仕組みがあります ( 図2 インスリンが十分に働かない ) ①インスリン分泌不足 ②インスリン抵抗性 インスリン 鍵 が不足していて 糖が細胞の イン


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クリオピリン関連周期熱症候群 (CAPS) 1. 概要その名の通りクリオピリン (cryopyrin) の異常により発症する自己炎症性疾患の総称であり 軽症型である家族性寒冷蕁麻疹 中間型のマッカルウェルズ (Muckle-Wells) 症候群 重症型のシンカ (CINCA) 症候群 ( 別名ノーミッド <NOMID> 症候群 ) の3 症候群が含まれます 炎症性サイトカインIL-1βの過剰産生により 周期性或いは持続性に全身の炎症を来すのが特徴です 2. 疫学本邦における患者数は 100 人程度と推定されています 3. 原因炎症性のサイトカインである IL-1 の活性化を制御するクリオピリン ( 遺伝子は NLRP3) の機能獲 得型変異により発症します この異常により 単球系細胞からの IL-1β 産生が亢進して全身性の炎 症が起きると考えられています 家族性寒冷蕁麻疹やマッカルウェルズ症候群の多くは家族例です が 重症型のシンカ症候群の大部分は孤発例で その半数は体細胞モザイク ( 身体の一部の細胞の みに遺伝子異常がある状態 ) で発症する事が知られています 4. 症状蕁麻疹様の発疹 発熱が新生児 乳児期より認められます これらの症状は 軽症例では寒冷刺激 ( 急に寒い環境に曝される 冷たいものに触れた場合など ) により誘発されますが 重症例では持続的に認められます 関節炎の他 重症例では骨幹端の変形により成長が障害され 著しい低身長となります 重症例では 慢性の髄膜炎をしばしば認め 頭痛 嘔吐 うっ血乳頭などを伴います その他 感音声難聴やぶどう膜炎を認める事もあります 5. 合併症重症例では 中枢神経の炎症による発達障害 知能低下 関節病変による拘縮 変形の他 持続的な全身炎症に伴うアミロイドーシスを合併します 6. 治療法ステロイドは無効ですが 抗 IL-1β 療法が有効です リコンビナントヒトIL-1 受容体拮抗薬であるアナキンラや抗 IL-1βヒト化モノクローナル抗体であるカナキヌマブが著効します 関節拘縮に対しては外科的な療法が必要となる場合があります

TNF 受容体関連周期性症候群 1. 概要近年 国内外で注目されている自己炎症性症候群の一つであり 発熱 皮疹 筋肉痛 関節痛 漿膜炎などを繰り返し 時にアミロイドーシスを合併する事もある疾患です TNF 受容体 1 型の遺伝子変異が原因ですが 詳しい病態は解明されていません 全身型若年性特発性関節炎や成人スチル病と症状が類似しており 鑑別が重要となる疾患です 2. 疫学本邦で約 30 名の存在が推定されています 3. 原因 1999 年に責任遺伝子としてTNF 受容体 1 型が同定され 常染色体優性遺伝形式をとるものの 孤発例も報告されています 遺伝子変異はTNF 受容体 1 型細胞外領域の特定ドメインに集中しており 受容体の構造変化が病態の形成に係っていると考えられていますが 詳しい機構は不明です 4. 症状原因不明の発熱に加え 腹痛 筋肉痛 皮疹 関節痛 結膜炎 眼窩周囲浮腫 胸痛などの症状の内 幾つかを合併します 発熱発作は通常 5 日以上持続し 長い場合には数カ月続く事もあります これらの症状は数週間から数年の周期で繰り返されます 5. 合併症最も重要な合併症はアミロイドーシスであり 約 10% に認められます その他 筋膜炎 心外膜炎 血管炎 多発性硬化症などの合併が報告されています 6. 治療法発作時に副腎皮質ステロイド剤を使用される場合が多いのですが 症状の程度にばらつきがあり 非ステロイド性消炎鎮痛剤 (NSAID) でコントロール可能な症例から ステロイド剤に抵抗性を示す症例まで存在します 難治性症例に対し 抗 TNF 製剤 ( エタネルセプト ) が有効な場合があります

高 IgD 症候群 1. 概要コレステロール生合成経路に関わるメバロン酸キナーゼ (MK) の活性低下により発症する周期性発熱症候群です 残存 MK 活性により 先天奇形や精神発達遅滞などの神経学的症状を伴う重症型のメバロン酸尿症 ( 酵素活性 1% 未満 ) と 軽症型である高 IgD 症候群 ( 同 1-10%) とに分類されますが 両疾患を連続性のあるメバロン酸キナーゼ欠損症 (MKD) として捉えるのが現在の主流です 血清 IgD 値が高値である例が多い事が疾患名の由来ですが 本邦の症例ではIgDの上昇を認めない事が多く 診断には注意を要します 2. 疫学本邦では 6 症例で診断が確定しており 10 名程度の潜在患者が予想される 3. 原因コレステロール生合成に関わるメバロン酸キナーゼ (MK) の機能低下が原因であり 遺伝子 MVKの異常による常染色体劣性遺伝形式をとります 残存 MK 活性により 先天奇形や精神発達遅滞などの神経学的症状を伴う重症型のメバロン酸尿症 ( 酵素活性 1% 未満 ) と 軽症型である高 IgD 症候群 ( 同 1-10%) とに分類されます 然しながら メバロン酸キナーゼ (MK) の機能低下が周期性発熱を引き起こす分子機構に関しては 未だに解明されていません 4. 症状乳児期より始まる周期性発熱発作が大きな特徴であり 発作の持続期間は4~6 日が多く 頭痛 嘔吐 下痢 腹痛 リンパ節腫脹等を伴います その他 肝脾腫 発疹 関節痛 アフタ性口内炎を伴う事もあります 海外からの報告では 80% 以上の症例で血清 IgD 値の上昇を認めるとされていますが 本邦での診断例の殆どでは血清 IgD 値は正常です 5. 合併症腹膜炎に続発する腹腔内癒着 間接拘縮 アミロイドーシスなどが認められ 重症例では精神発達遅滞や痙攣を合併する症例も存在します 又 乳児期からの発熱発作による学習の遅れも半数の症例で認められ 社会的機能への影響もあります 6. 治療法本疾患の具体的治療指針は未だ定まっていませんが 発作時の副腎皮質ホルモンの短期的全身投与が多くの症例で有効とされており メバロン酸の合成に関わるHMG-CoA 還元酵素を阻害するスタチンも一定の患者に対して有効です 近年 抗 IL-1β 製剤であるアナキンラや抗 TNF 製剤であるエタネルセプトの有効例が報告されています コルヒチンが使用される事もあり 根治療法としての造血幹細胞移植も海外では報告されています

ブラウ症候群 / 若年性サルコイドーシス 1. 概要 NOD2 遺伝子の変異により 皮膚 関節 眼に肉芽腫を来す疾患で 優性遺伝により家族性発症する症例をブラウ症候群 孤発例を若年性サルコイドーシスと呼んでいますが 本質的には同一の疾患です 自然免疫系に関与する分子の異常により発症する自己炎症性疾患に分類されますが 適切な診断を受ける機会がなく 治療介入が遅れる症例が多いと考えられます 2. 疫学本邦には およそ 50 名程度の患者さんがおられると推定されています 3. 原因 2001 年 NOD2 分子に恒常的な活性化をもたらす遺伝子変異がブラウ症候群の原因である事が確認されました その後 ほぼ同一の臨床症状を呈するものの遺伝性の明らかでない若年性サルコイドーシス症例に於いても同じNOD2 分子の異常が確認され 両疾患が同じ原因により発症する疾患である事が確認されました しかし NOD2の遺伝子異常がどの様にして肉芽腫性の炎症を引き起こすのか その機構は明らかになっていません 4. 症状 4 歳以前に発症する 皮疹 ( 紅潮を伴う充実性丘疹 ) 関節症状( 腱鞘炎 ) 眼症状( 全眼球性ぶどう膜炎 ) が3 主徴であり 組織学的には非乾酪性巨細胞性肉芽腫を特徴とします 成人型のサルコイドーシスに特徴的とされる肺門部のリンパ腫脹は認めません 5. 合併症関節症状の進行に伴う脱臼や拘縮 眼症状の進行による失明の可能性があります 6. 治療法進行例には主に副腎皮質ステロイドの内服が行われており 眼症状の進行ある程度抑える事が確認されています その他 サリドマイドや抗 TNF 製剤の使用例も報告されていますが 症例報告のレベルに留まっています

家族性地中海熱 1. 概要その名の通り地中海沿岸のユダヤ系民族を中心に トルコ アルメニア アラブの人々に多発する周期性発熱症候群であり 発熱時間が6~96 時間と比較的短く 漿膜の無菌性炎症による腹痛 胸痛 関節痛を伴う事を特徴とします 2. 疫学本邦でおよそ 500 人の患者の存在が推定されています 3. 原因国際家族性地中海熱研究会の詳細な連鎖解析により 責任遺伝子としてMEFV ( Familial Mediterranean Fever gene) 遺伝子が同定されました 本疾患は常染色体劣性遺伝形式をとり 患者は原則的に変異型 MEFVのホモ接合体もしくは複合ヘテロ接合体となりますが 臨床的に家族性地中海熱と診断されてもMEFV 遺伝子に変異を認めない例や 優性遺伝形式と思われる遺伝形式を呈する家系も報告されています MEFV 遺伝子のコードする蛋白であるパイリン (pyrin) の機能異常が病態に関係している事が示唆されていますが 詳細な原因は不明です 4. 症状殆どの症例で38 以上の周期性発熱を認め 副症状として胸膜炎 腹膜炎及び関節炎が認められます 頻度は低いものの 漿膜の炎症として心膜炎や精巣漿膜炎 足関節周囲や足背に丹毒様紅斑を認める事があります 稀に無菌性の髄膜炎を発症する場合もあります 5. 合併症わが国での頻度は低いものの 反復する炎症により 2 次性のアミロイドーシスを合併する事があります 6. 治療法コルヒチンが有効で 8 割以上の患者で症状の改善が認められます

化膿性関節炎 壊疽性膿皮症 座瘡 (PAPA) 症候群 1. 概要 1997 年に報告された 常染色体優性遺伝形式をとる稀な自己炎症性疾患であり 無菌性化膿性関節炎を臨床像の主体とし 壊疽性膿皮症と囊腫性座瘡を伴う事を特徴とします 2. 疫学本邦で 2 例の確定例があり 数名の潜在患者がいると思われます 3. 原因 15q24に位置するPSTPIP1 遺伝子の変異が原因である事が報告されていますが 詳細な発症機構については解明されていません PSTPIP1はパイリン (pyrin) に結合する蛋白であり 変異によりこの結合が亢進する事が知られている為 結合亢進により結果的にパイリンの抗炎症作用が減弱する事が原因ではないかと考えられています 4. 症状無菌性の化膿性関節炎を主体とし 壊死性膿皮症 囊腫性座瘡を伴います 関節炎は幼少期より発症し再発性ですが 思春期に近づく頃より皮膚症状が前面に出る様になり 10 歳前後より無菌性の壊疽性膿皮症が下肢を中心に認められるようになり 再発性で次第に潰瘍性変化が強くなります 思春期以降には囊腫性座瘡を繰り返す様になります その他 注射部位の膿瘍形成や過敏性腸症候群 アフタ性口内炎が認められます 5. 合併症繰り返す関節炎による関節破壊 拘縮が問題となります 6. 治療法副腎皮質ステロイド剤が用いられるますが 長期的な使用による副作用の発現が問題となります 抗 IL-1 製剤や抗 TNF 製剤の有効例も報告されています

中條 - 西村症候群 1. 概要慢性反復性の炎症と進行性のやせ 消耗を特徴とする 特異な遺伝性自己炎症疾患であり 1939 年の中條 1950 年の西村の報告以来 和歌山 泉南を中心とした関西と関東 東北から報告があります 幼小児期に凍瘡様皮疹にて発症し 結節性紅斑様皮疹や周期性発熱を繰り返しながら 次第に長く節くれ立った指 顔面と上肢を主体とする部分的脂肪筋肉萎縮が進行する疾患です 本邦特有の疾患とされてきましたが 2010 年に欧米 中東から報告されたJMP 症候群 CANDLE 症候群と臨床的に酷似しており いずれもプロテアソーム機能不全症であることが明らかとなりました 2. 疫学国内で約 40 例程度の報告があり 30-40 歳代の報告が大半ですが 幼児例も存在しています 3. 原因免疫プロテアソームのβ5iサブユニットをコードするPSMB8 遺伝子のG201Vホモ変異が原因です この変異によってプロテアソーム複合体による細胞内蛋白質分解機能が低下し 細胞内にユビキチン化 酸化蛋白質が蓄積する結果 炎症や組織変性が起こると考えられています 検索し得た本邦患者全てに同じ変異を認め 強い創始者効果が認められています 尚 JMP 症候群のすべてとCANDLE 症候群の多くの症例にPSMB8 遺伝子のT75Mホモ変異が見出された一方で CANDLE 症候群では2 症例にT75Mへテロ変異 ユダヤ人の1 症例にC135Xホモ変異を認め 変異のない症例も1 例確認されています 4. 症状幼小児期に手足の凍瘡様皮疹にて発症し その後結節性紅斑様の皮疹 周期性発熱や筋炎症状を繰り返すようになります 早期より大脳基底核の石灰化を伴いますが 明らかな成長発達障害は認められません 次第に 特徴的な長く節くれ立った指と 顔面と上肢を主体とする部分的脂肪筋肉萎縮 やせが進行し 手指や肘関節の屈曲拘縮を来す場合があります LDH CPK CRPやアミロイドが高値で 抗核抗体が陽性になることがあります 一方 ステロイド内服により逆に腹部や下半身の肥満を来す場合もあります 脂質代謝異常ははっきりしませんが 呼吸障害や心機能低下のために早世する場合が多いとされています 5. 合併症手指や肘関節の屈曲拘縮 やせ 筋力低下 肺 心臓 肝臓機能低下などが認められます 6. 治療法標準的治療法はありません ステロイドの内服が行われ 発熱 皮疹などの炎症の軽減には有効ですが 萎縮や痩せには無効であり むしろ長期内服による成長障害 代償性肥満 緑内障 骨粗鬆症など弊害が多いとされています

若年性特発性関節炎 ( 全身型 ) 1. 概要自己免疫現象を基盤とする全身性の慢性炎症性疾患であり 関節のみならず皮膚 粘膜 血管系 ( 血管が密に分布する腎 肺 中枢神経系を含む ) を標的とし 成人スチル病と同一 或いは類似した病態と考えられています 2. 疫学有病率は 小児人口 10 万人に 4.5 人程度です 3. 原因原因は解明されていませんが IL-6を中心とした炎症性サイトカインの過剰産生が病態の中心と考えられています IL-6の過剰産生はIL-6 受容体 (R) 産生を促し 形成されたIL-6/IL-6R 複合体が標的細胞表面の受容体であるgp130に結合する事により 様々な生物学的反応が惹起されると考えられています 4. 症状発症時には強い全身性の炎症症状を呈します 数週間以上にわたり弛張熱が持続し 発熱時にリウマトイド疹を認めます 全身性のリンパ節腫脹や肝脾腫を伴い 多くの症例で関節痛や関節腫脹 心膜炎などの漿膜炎を認めます 5. 合併症約 10% の症例で活動期にマクロファージ活性化症候群への移行が認められ 適切な治療がなされなければ 血管内皮や臓器細胞の障害と播種性血管内凝固症候群の進行から多臓器不全に至ります 6. 治療法副腎皮質ステロイド剤への依存性が極めて高く 寛解導入には高用量の経口ステロイド剤をはじめ メチルプレドニゾロンパルス療法や血漿交換療法が用いられます 近年 ヒト型抗 IL-6R 抗体の有効性が報告されており 近い将来に標準治療となる可能性があります

周期性発熱 アフタ性口内炎 咽頭炎 リンパ節炎症候群 (PFAPA) 1. 概要周期性発熱 アフタ性口内炎 咽頭炎 頸部リンパ節炎を主症状とし 主に幼児期に発症する 最も頻度の高い非遺伝性の自己炎症性疾患です 2. 疫学正確な頻度は不明ですが 他の周期熱疾患に比較して多い疾患です 3. 原因病因 病態は殆ど解明されておらず 他の多くの自己炎症性疾患と異なり 明らかな遺伝性も認められません 4. 症状通常 3~6 日間続く周期性発熱発作が主症状であり アフタ性口内炎 頸部リンパ節炎 咽頭炎などの随伴所見の幾つかを認めます 発作は3~8 週間毎に繰り返し 間欠期には全く無症状です 5. 合併症基本的に予後は良好であり 通常 4~8 年程で治癒し 成長 発達障害を認めません 6. 治療法有効性が最も高いのは発作時の副腎皮質ステロイド剤の投与ですが 発作間隔を短縮し 次の発作が早く発来したり 発熱以外の症状が残存する場合が有るなどの問題もあります その他では ヒスタミンH2 受容体拮抗薬であるシメチジンや ロイコトリエン拮抗薬が一部の症例に有効であることが示されています 内科的治療に抵抗する症例には扁桃摘出術が行われ 高い有効性 ( 寛解率 70~80%) が示されています

小児期発症全身性エリテマトーデス 1. 概要自己抗体の存在と多臓器障害を特徴とする全身性の自己免疫性炎症疾患です 特に皮膚 関節 血液 腎臓に影響をもたらし 寛解と増悪を繰り返します 小児の全身性エリテマトーデスは通常 5 ~15 歳で発症し 男女比はおよそ1:4です 2. 疫学小児では年間 5/1,000,000 人の割合で発症しますが 5 歳未満での発症は非常に稀です 3. 原因発症のそもそもの原因については今のところ不明です 複数の遺伝要因と 日光刺激 感染症 薬剤などの環境要因の双方が関連する多因子遺伝性疾患と考えられています 4. 症状疲労 倦怠感 発熱と言った非特異的症状に加え 皮膚症状 ( 蝶形紅斑 日光過敏 円板状皮疹 レイノー現象など ) 粘膜潰瘍 関節炎 漿膜炎( 胸膜炎 心外膜炎 ) 腎障害 中枢神経障害( 頭痛 痙攣 鬱症状など ) 汎血球減少など 様々な症状が認められます 5. 合併症腎障害が強い症例では腎不全に至る事があり 中枢神経症状がある場合と共に積極的な治療が必要です 他の膠原病 特に抗リン脂質抗体症候群の合併が多く シェーグレン症候群の合併も多く認められます そのほか皮膚筋炎 多発筋炎 全身性強皮症との合併もあり 特に全身性強皮症との合併は それぞれの診断基準を完全に満たす場合をオーバーラップ症候群と呼びます すべての診断基準を不完全にしか満たさない症例では 混合性結合組織病という別の疾患に診断される場合があります 6. 治療法副腎皮質ステロイド剤が治療の中心であり シクロホスファミドやアザチオプリンなどの免疫抑制剤を併用する場合もあります 痛みと関節痛の治療には非ステロイド性消炎鎮痛剤 (NSAID) が用いられます

川崎病 1. 概要主に乳幼児が罹患する急性発熱疾患であり 小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群 (MCLS) とも呼ばれます 全身の中型血管の炎症を主体とし 一部に冠動脈の拡張や瘤を合併する事が特徴です 2. 疫学本邦では年間およそ 10,000 人の患者が発症します 3. 原因夏と冬に発生が多く 地域流行性があることから何らかの病原体との関連が示唆されていいます 又 特定の腸内細菌との関連や遺伝的素因の関与も明らかにされていますが 現時点では発症の原因は不明です 又 冠動脈を中心に合併症が起こる機序も解明されていません 4. 症状主要症状は次の通りです 1)5 日以上続く発熱 2) 両側眼球結膜の充血 3) 手足の硬性浮腫 膜様落屑 4) 皮膚の不定型発疹 5) 口唇口腔咽頭粘膜のびまん性発赤 いちご舌 6) 有痛性非化膿性頸部リンパ節腫脹 5. 合併症初回の免疫グロブリン大量療法に不応な例の約 25% に冠動脈拡張 瘤形成が合併します 一部の症例では巨大冠動脈瘤を合併し 血栓や冠動脈瘤破裂による心筋梗塞の可能性もあります 6. 治療法免疫グロブリン大量療法が標準治療であり 通常血栓予防にアスピリンを併用します この併用療法により48 時間以内に解熱しない または2 週間以内に再燃が見られる場合を不応例とし 免疫グロブリンの再投与や副腎皮質ステロイド剤の投与 血漿交換療法 シクロスポリンの投与などが試みられています 近年 TNF 阻害薬の有効性も報告されています

慢性再発性多発性骨髄炎 1. 概要小児期から青年期にかけて発症する 無菌性の化膿性骨髄炎を主体とする疾患であり 痛みを伴う骨髄炎が多発し 寛解と像悪を繰り返す事が特徴です 掌蹠膿疱症などの皮膚症状を合併する事も多く サホー (SAPHO) 症候群も同一或いは類似した疾患と考えられています 2 歳以下で慢性再発性多発性骨髄炎を発症し 先天性の赤血球異形成貧血とスウィート (Sweet) 症候群などの皮膚炎を合併する常染色体劣性遺伝疾患をマジード (Majeed) 症候群と呼びます マジード症候群の原因は LPIN2 遺伝子の異常である事が判明しています 2. 疫学稀な疾患であり 本邦での患者数は不明です 3. 原因慢性再発性多発性骨髄炎の病態生理は解明されていませんが 双生児での検討などから遺伝的な要因が確認されており 感受性遺伝子座が18q21.3-22にある事が報告されています マジード症候群の原因がLPIN2 遺伝子の変異である事は判明していますが 遺伝子の作用や発症の機構は未だ不明です 4. 症状痛みを伴う無菌性の骨髄炎が多発し 寛解と増悪を繰り返すのが特徴です 症状は 数日で軽快する場合から 数年の及ぶ事もあります 長管骨の骨幹端や鎖骨に起こりやすく 脊椎 骨盤 肋骨 下顎骨などにも認められる場合があります 画像検査では骨融解と骨硬化像が認められます 皮膚症状としては 掌蹠膿疱症や乾癬 スウィート症候群 壊疽性膿皮症などが報告されています マジード症候群では 先天性赤血球異形成貧血を合併します 5. 合併症多くの症例は数カ月から数年で自然寛解しますが 炎症が長期に及ぶ例では関節の拘縮が問題となる場合があります 6. 治療法確立された治療法はありませんが 非ステロイド性消炎鎮痛剤 (NSAID) で治療される事が多く 最近ではビスフォスフォネート剤の有効性が報告されています 難治例に対しては抗 TNF 療法も行われます