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機械安全国際規格の紹介 - IEC 60204-1 内容 国際規格とJIS IEC 60204-1の改定動向 IEC 60204-1の紹介 - 概略 - 制御回路 - 制御機能 - 起動 停止 - 非常停止 - ケーブルレス制御機器 - 保護インタロック - 故障時の制御機能 おわりに 2

機械類の安全性 国際規格と JIS http://www.jmf.or.jp/japanese/standard/4_1.html 3

IEC 60204-1 の改定動向 第 1 版 IEC 204-1: 1967 第 2 版 IEC 204-1: 1981 第 3 版 IEC 60204-1: 1992 第 4 版 IEC 60204-1: 1997 第 5 版 IEC 60204-1: 2005 現行 JIS B9960-1: 2008 (MOD) 技術的内容に修正あり 第 6 版 IEC 60204-1: 201x - スケジュール - 2009 年 2 月改定作業開始 - 2010 年 11 月 CD 発行 ------------------------------------------ 現在 CDに対して提出されたコメントの審議中 2012 年 1 月に第 13 回ミーティング予定 - 2012 年 2 月 : 第 2CD - 2012 年 11 月 :CDV - 2013 年 11 月 :FDIS - 2014 年 5 月 :IS 4

IEC 60204-1 と JIS IEC 60204-1: 2005 JIS B9960-1: 2008 (MOD) 技術的内容に修正あり Amendment 1: 2008 追補 1 2011 年発行 ( 国際規格に無い変更も加えて 技術的内容を変更して作成した JIS の追補である 注 : 当資料の日本語は JIS B9960-1: 2008 追補 1:2011 による 5

IEC 60204-1 の紹介 概略 イントロダクション 1. 適用範囲 2. 引用規格 3. 用語及び定義 - 短絡電流定格の定義 * 4. 一般要求事項 - EMC * 5. 入力電源導体の接続 断路器及び開路用機 - 入力電源導体の接続 - 外部保護接地システムを接続する端子 - 表 1- 外部保護導体 ( 銅 ) の最小断面積 * *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト定義は検討継続中 EMC 関連附属書追加 表 1: 35mm 2 以上の断面積の追加 6

IEC 60204-1 の紹介 6. 感電保護 - 直接接触に対する保護 - 間接接触に対する保護 7. 装置の保護 - 過電流保護 - 電動機の温度上昇保護 8. 等電位ボンディング回路 - 図 2 等電位ボンディング例 * - 保護ボンディング回路 * 9. 制御回路及び制御機能 *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト図 2 検討継続中 7

IEC 60204-1 の紹介 10. オペレータインターフェース及び機械に取り付けた制御機器 - 押しボタン - 非常停止用機器 11. 制御装置 : 配置 取付け及びエンクロージャ - 熱の影響 - 制御装置へのアクセス * 12. 導体及びケーブル - 導体及びケーブルの電圧低下 13. 配線 - 導体の識別 14. 電動機及び関連装置 *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト IEC 60364-7-729 参照追加 8

IEC 60204-1 の紹介 15. 附属品及び照明 16. マーキング 警告標識及び符号 17. 技術文書 - 提供情報 * 18. 検証 *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト IEC 61335 へのリンク 関連規格一覧の附属書追加 IEC 61355 DB (http://std.iec.ch/iec61355) 9

IEC 60204-1 の紹介 附属書 A TN 接地系統における間接接触保護 ( 規定 ) * 附属書 B 機械の電気装置のための調査書 ( 参考 ) 附属書 C この規格を適用する機会の例 ( 参考 ) 附属書 D 機械の電気装置の導体及びケーブルの電気容量 及び過電流保護 ( 参考 ) 附属書 E 非常操作機能の説明 ( 参考 ) 附属書 F この規格の適用指針 ( 参考 ) 附属書 G 代表的導体断面積の比較 ( 参考 ) *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト TT 接地系統における間接接触保護追加 附属書 ( 規定 ) Measures to reduce the effects of electromagnetic influences 追加 10

IEC 60204-1 の紹介 第 4 版から第 5 版への改定のポイント - 第 4 版の 11. 項 Electronic equipment が削除された 以下の項目番号が繰上げとなった - Annex A ( 規定 ) として TN システムにおける間接接触 ( 故障状態における感電 ) に対する保護の項目が追加された - Annex F ( 参考 ) として この規格を適用するに当たっての考え方が述べられている - Annex G( 参考 ) として IEC と AWG の線径の比較が掲載されている - 上記に伴い Annex の項目記号や順番が変更 11

IEC 60204-1 の紹介 イントロダクションこの規格の目的 - 人及び財産 ( 装置, 機器, 部材 ) の安全 (safety of persons and property) - 制御応答の一貫性 ( 正しい制御 応答 ) (consistency of control response) - 保全の容易性の確保 (ease of maintenance) 適用に関する指針 : 附属書 F - 機械の電気装置のための一般的要求事項を数多く規定しているが 要求事項には 特定の機械の電気装置に対しては 適用できるものと適用できないものがある 12

IEC 60204-1 の紹介 イントロダクション ( 続き ) F.1 適用の指針 - a) 全体を適用する - b) 関連する要求事項の中から最も適切なものを選択して適用する - c) 当該機械の電気装置に対して 特定の要求事項を適切に規定する他の規格がある場合 必要に応じてこの規格の該当箇条を変更して適用する この規格から選択又は変更して適用する場合は リスクアセスメントによってその機械に要求される保護のレベルを悪化させないことが必要である 13

IEC 60204-1 の紹介 1 章適用範囲 稼動中には手で運搬できない機械に用いる 電気 電子 プログラマブル電子の 装置及びシステムについて規定する 連係して稼働する一群の機械も適用範囲に含む 注記 - 電気装置 => 電気装置 電気 電子 プログラマブル電子装置 - 人 => すべての個人 機械の使用者 当該機械の使用及び手入れを仕事として割り当てられ 指示された人を含む 14

IEC 60204-1 の紹介 1 章適用範囲 ( 続き ) 機械の電気装置の電源接続点から内側 公称電源電圧 : 交流 1,000V 以下 直流 1,500V 以下 公称周波数 :200Hz 以下 電気的器権限以外の危険源から人を保護する必要な他の規格又は規則が要求する事項 ( 例 : ガード インタロック又は制御 ) のすべてを扱うわけではない IEC 60364 シリーズ IEC 60204-1 建物内給電施設 機械の電気装置 個別 C 規格等 機械 15

IEC 60204-1 の紹介 1 章適用範囲 ( 続き ) 適用対象は 3.35 で定義する機械の電気装置を含むが これだけに限定しない - 3.35 項定義連結された部分又は構成品の組合せで そのうち尐なくとも一つは適切な機械アクチュエーター 制御回路及び動力回路を備えて動くものであって 特に 材料の加工 処理 移動 梱包などの用途に合うように結合されたもの 注記 : 附属書 C - 適用できる電気装置を用いる機械の例 ; - 金属工作機械 - 射出成形機 - 木工加工機械 - 組立機械 - ロボット - 食品機械 - 印刷機 等々 16

9 章制御回路及び制御機能 9 章制御回路及び制御機能 - 構成 制御回路 (9.1) 制御回路電源 (9.1.1) 制御回路電圧 (9.1.2) 保護 (9.1.3) 起動機能 (9.2.1) 制御機能 (9.2) 停止機能 (9.2.2) 運転モード (9.2.3) 安全機能及び保護方策の中断 (9.2.4) 17

9 章制御回路及び制御機能 運転 (9.2.5) 一般事項 (9.2.5.1) 起動 (9.2.5.2) 停止 (9.2.5.3) 非常操作 (9.2.5.4) 一般事項 (9.2.5.4.1) 非常停止 (9.2.5.4.2) 非常スイッチングオフ (9.2.5.4.3) 指令した動きの監視 (9.2.5.5) 制御機能 (9.2) その他制御機能 (9.2.6) ケーブルレス制御 (9.2.7) ホールドツゥラン制御 (9.2.6.1) 両手操作制御 (9.2.6.2) イネーブル制御 (9.2.6.3) 起動と停止をかねる制御 (9.2.6.4) 一般事項 (9.2.7.1) 制御の制限 (9.2.7.2) 停止 (9.2.7.3) 複数の操作盤 (9.2.7.4) 電池電源を用いる操作盤 (9.2.7.5) 18

9 章制御回路及び制御機能 インタロック付き安全防護物の再閉鎖又はリセット (9.3.1) 保護インタロック (9.3) 故障時の制御機能 (9.4) 作動限界からの逸脱 (9.3.2) 補助機能の作動 (9.3.3) 異なる作動及び相反する動きを防止するインタロック (9.3.4) 逆相制動 (9.3.5) 一般要求事項 (9.4.1) 故障時のリスクを最小にする方策 (9.4.2) 地絡 瞬時停電及び導通不良による誤動作に対する保護 (9.4.3) 実証された回路技術及び部品の使用 (9.4.2.1) 部分的又は全体的冗長性の採用 (9.4.2.2) ダイバーシティ ( 多様化設計 ) の採用 (9.4.2.3) 機能試験の採用 (9.4.2.4) 地絡 (9.4.3.1) 瞬時停電 (9.4.3.2) 導通性の喪失 (9.4.3.3) 19

9.1 制御回路 9.1.1 制御回路電源 - 制御回路に交流電源を供給する場合は 制御回路用の変圧器を用いなければならない この変圧器は 分離巻線型 ( 複巻 ) でなければならない - 交流電源から変換した直流電源を用いる制御回路が保護ボンディング回路に接続される場合は その制御用直流電源回路へ供給する交流電源は 交流の制御回路に用いる変圧器の分離巻線から ( 変圧器を共有して ) 供給するか 別の制御回路用変圧器から供給しなければならない 9.1.2 制御回路電圧 - 変圧器から供給する回路の公称電圧は 277V を超えてはならない 9.1.3 保護 - 制御回路には 7.2.4 及び 7.2.10 による過電流保護を備えなければならない V<277V 過電流保護 V 過電流保護 交流制御回路 AC/DC 直流制御回路 20

9.2 制御機能 9.2.1 起動機能 - 起動機能は 関連回路に電気を通じることによって作動するものでなければならない ( 例 : コンタクタのコイル励磁 ) 9.2.5.2 起動 - 関連するすべての安全機能 / 保護方策が有効に機能しているときだけ可能 ( 例 : インタロック付きドア ) - 安全方策 / 保護方策を設けることができない機械 ( 例 : 移動機械 ) では 手動操作はホールドツゥラン制御 ( 必要があればイネーブル機器を併用 ) - 正しい順序で起動するように インタロック機能を設けなければならない 21

9.2 制御機能 9.2.2 停止機能 - 停止カテゴリ 9.2.5.3 停止 * - ( 一つ又は複数の ) 必要な停止機能 ( カテゴリ 0, 1 又は 2) を備えなければならない - リスクアセスメント又は機械の機能要求による - 起動機能に優先 ( 割り込み ) して作動しなければならない - 保護機器又はインタロックを用いて機械を停止させる場合 - これらの機器の状態を制御システムの論理回路に伝達 - 停止機能をリセットしたとき 危険状態を引き起こしてはならない - 複数の操作盤を設ける場合 - 停止機能はどの操作盤からも有効 ( リスクアセスメントによる ) *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト停止にはエネルギー放出の停止 ( ヒーター ランプ レーザー等を含む ( 注記にて ) 22

9.2 制御機能 9.2.2 停止機能停止カテゴリ カテゴリ停止状態の説明定義 非常停止への適用 0 1 2 機械アクチュエータの電源を即時に遮断することによる停止電源断路器での停止 停止するために機械アクチュエータが電源を使える状態で停止し 停止が完了してから電源を遮断する制御停止 停止完了後も機械アクチュエータに電力を供給したままにする制御停止 * 3.53: 機械アクチュエータへの電力供給を絶つことによる停止 3.11: 機械の停止プロセスを実行している間 機械アクチュエータへの電力供給を維持する機械の停止 可 可 同上不可 * *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト ISO 13850 第 3 版ドラフト ISO 13850:2006 (JIS B9703:2011 機械類の安全性ー非常停止ー設計原則 23

9.2 制御機能 9.2.3 運転モード * 機械は その種類及び用途に応じて幾つかの運転モードをもつことがある - 手動モード 自動モード 設定モード 保守モードなど モード選択によって危険状態が起こり得る場合は - 適切な手段 ( 例えば キースイッチ アクセスコード ) によって 無許可及び / 又は不注意によるモード選択が行われることを防止しなければならない モードを選択しただけで機械が運転を開始してはならない - 別の起動制御を必要とする 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト - 選択中のモードの表示など 24

9.2 制御機能 9.2.4 安全機能及び / 又は保護方策の中断 * 安全機能及び / 又は保護方策を ( 例えば 段取り又は保全のため ) 中断する必要がある場合は 次のことによって保護を確実に達成しなければならない - 他のすべての運転 ( 制御 ) モードを作動不能にする - 他の関連手段を用いる - ホールド ツゥ ラン - 非常停止付きの携行式操作盤 例えば... ロボットの動作領域に入る場合 ( ドアインタロックをバイパスして ) - 自動モードの禁止 - ホールド ツゥ ラン イネーブリング機能付きペンダントでの操作 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト - 関連手段の細分化 保護インタロックの項に移動など 25

9.2 制御機能 9.2.5 運転 9.2.5.1 一般事項 安全な運転のために 必要な安全機能及び / 又は保護方策 ( 例えばインタロック ) を設けなければならない ( 危険な状態になる可能性を減尐させるために必要ならば )* 機械がどのような理由で停止した場合でも ( ロックアウト 電源障害...) - 停止後に意図 / 予期しない動きをはじめることの防止する方策 複数の操作盤をもつ機械の場合 - 異なる操作盤からの指令が危険状態を引き起こさない *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト 26

9.2 制御機能 9.2.5.4 非常操作 ( 非常停止 非常スイッチングオフ ) 9.2.5.4.1 一般事項 - この二つの停止機能は人の一度の操作行為によって始動する - 停止指令の効果は 停止指令を解除するまで持続しなければならない - 指令の解除は その指令操作を行った場所での手動操作によってだけ可能 - 停止指令の解除は 再起動を許すだけであって 停止指令の解除によって機械が再起動してはならない - 注記 : 非常停止及び非常スイッチングオフは 補助的な保護方策であり... 抜本的なリスク低減手段ではない * - 非常操作については 附属書 E に記載あり *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフトでは注記から本文へ 27

9.2 制御機能 附属書 E ( 参考 ) - 非常停止 : 危険になったプロセス又は運動を停止させるための非常操作 - 非常スイッチングオフ : 感電のリスク又は電気に起因するその他のリスクを発生した設備の全体又はその一部に対し 電気エネルギーの供給を遮断するための非常操作 上記の他 ; - 非常起動 - 非常スイッチングオン 28

9.2 制御機能 9.2.5.4 非常停止 * - 設計原則は ISO13850(JIS B 9703) に規定されている - 停止カテゴリは 0 又は 1 リスクアセスメントの結果により決定 - 9.2.5.3( 停止機能 ) の要求に加えて - すべてのモードにおいて 他の機能及び操作に優先 - 危険状態を引き起こし得る機械アクチュエータの電源を直ちに遮断 ( 停止カテゴリ 0) 又は - 他の危険源を発生させること無くできるだけ早く危険な動きを停止する方法 ( 停止カテゴリ 1) - 非常停止の解除によって再起動してはならない *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフトレスポンスタイムの要求追加 (500ms 未満 ) 29

9.2 制御機能 9.2.5.4.2 非常スイッチングオフ - 機能的側面は IEC 60364-5-53(JIS C 60364-5-53) の 536.4 に規定 - 次の場合に備えることが望ましい - 直接接触 ( 導体ワイヤ バー等 ) に対する保護が充電部を手が届かない場所に取り付けるか オブスタクルを置くことだけによる - 直接接触以外に 電気による危険源又は被害が発生する可能性 - 非常スイッチングオフは - 関連する入力電源を電気機械的 ( 非半導体 ) スイッチでスイッチングオフ - 機械アクチュエータをカテゴリ 0 で停止 - カテゴリ 0 停止を設けることができない場合 ( 機械の性質上 ) - 他の方策が必要 ( 直接接触に対して非常スイッチングオフを必要としない ) 30

9.2 制御機能 9.2.7 ケーブルレス制御 * 9.2.7.1 一般事項 * 機械の制御系と操作盤の間の指令及び信号の伝達手段にケーブルレス技術 ( 例えば 無線 赤外線 ) を用いる制御システムに必要な機能要求事項を規定 操作盤の電源を容易に切り離す手段を備えなければならない (9.2.7.3 参照 ) 操作盤の無断使用を防止するための手段 ( 例えばキースイッチ アクセスコード ) を 必要により備えなければならない 各操作盤には どの機械がその操作盤で制御されるかが明確にわかるような表示をしなければならない *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト 新規格開発中 :IEC 62745 Safety of machinery Requirements for the interfacing of cableless controllers to machinery 31

9.2 制御機能 9.2.7.2 制御の制限 * - 制御指令には 次のことが保証されるような方策を用いなければならない - 指令が 意図した機械だけに作用する - 指令が 意図した機能だけに作用する - 指定の操作盤以外からの信号によって機械が作動しないような方策を用いなければならない - 必要な場合は 機械があらかじめ指定した区域又は場所 ( 一つ又は複数 ) にある操作盤によってだけ制御できるような手段を備えなければならない *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト 新規格開発中 :IEC 62745 Safety of machinery Requirements for the interfacing of cableless controllers to machinery 32

9.2 制御機能 9.2.7.3 停止 * - ケーブルレス操作盤には 機械の運転停止機能又は危険状態を起こし得るすべての運転を停止する機能をもち 他の操作器から分離していて明確に識別できる停止手段を備えなければならない - 停止機能によって機械を非常停止できる場合であっても この停止機能を作動させるための操作器に 非常停止を示すマーキング又はラベル付けをしてはならない * - ケーブルレス制御機能を備えた機械は 次の状況において自動的に機械を停止する手段及び潜在的に危険な運転を防止する手段をもたなければならない - 停止信号を受信したとき - ケーブルレスシステム内の障害を検出したとき - 有効な信号 ( 通信が確立 維持されていることを確認する信号を含む ) が規定時間内に検出されなかったとき - ただし 事前にプログラムされた作業を危険状態が発生し得ない状況においてケーブルレス制御の範囲外で実行している場合を除く *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフトケーブルレス制御による非常停止容認の方向 新規格開発中 :IEC 62745 Safety of machinery Requirements for the interfacing of cableless controllers to machinery 33

9.2 制御機能 9.2.7.4 複数の操作盤 * - 機械が ケーブルレス操作盤も含めて複数の操作盤をもつ場合 同時に操作可能な操作盤は一つだけとなることを保証する方策を用いなければならない - 機械のリスクアセスメントによって決まる適切な場所に どの操作盤が機械を制御しているかを表示しなければならない - 例外停止指令は 機械のリスクアセスメントによって要求される場合は どの操作盤からも有効でなければならない *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト要求項目の修正 追加 新規格開発中 :IEC 62745 Safety of machinery Requirements for the interfacing of cableless controllers to machinery 34

9.2 制御機能 9.2.7.5 電池電源を用いる操作盤 * - 電池電源の電圧変動によって危険状態を生じてはならない - 幾つかの潜在的に危険な運動を 電池電源式のケーブルレス制御盤で操作する場合は 電池電源が規定値以下になったとき オペレータに明確な警告を与えなければならない - このような状況下でもケーブルレス操作盤は 機械を危険のない状態にするために十分な時間とその機能を保持しなければならない *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト要求項目の修正 追加 (Loss of ability のひとつとして ) 新規格開発中 :IEC 62745 Safety of machinery Requirements for the interfacing of cableless controllers to machinery 35

9.3 保護インタロック 9.3.1 インタロック付き安全防護物の再閉鎖又はリセット - インタロック付き安全防護物を再び閉じたとき又リセットしたとき 危険状態を招くような機械の運転が始動されてはならない - 注記起動機能付きインタロック付きガード ( 制御式ガード ) に関する要求事項は ISO 12100-2(JIS B9700-2) の 5.3.2.5 * に規定されている インタロックの設計原則は ISO 14119:1998/JIS B9710:2006 機械類の安全性ーガードと共同するインタロック装置ー設計及び選択のための原則 *: ISO 12100: 2010, 6.3.3.2.5 Requirements for interlocking guards with a start function (control guards) JIS 版は現在開発中 36

保護インタロック 9.3.2 作動限界からの逸脱 - 機械が 作動限界 ( 例えば 速度 圧力 位置の限界 ) を逸脱して危険状態に至ることが起こりえる場合には 決められた限界を超える行き過ぎを検出して適切な制御を行う手段を備えなければならない 9.3.3 補助機能の作動 - 補助機能が正しく作動することを 適切な機器 ( 例えば 圧力センサ ) によって確認しなければならない - 補助機能 ( 例えば 潤滑油の給油 冷却剤供給 切りくず除去 ) に用いる電動機又は機器の不作動が危険な状態を招く場合 又は機械若しくは加工中の工作物に損傷を与える場合は 適切なインタロック機能を備えなければならない 37

9.4 故障時の制御機能 9.4.1 一般要求事項 - 電気装置内の故障又は干渉妨害が 危険な状態を招くおそれがある場合 又は機械若しくは加工中の工作物を損傷するおそれがある場合には そのような故障又は妨害が起こる可能性を最小にするために適切な方策をとらなければならない - どのような方策が必要か どの程度の規模で実施するか 及び個別に実施するか組合わせて実施するかは リスクのレベルによって決定する - 電気制御回路には 機械のリスクアセスメントによって決定された適切な安全性能レベルが必要である - 電気制御回路には IEC 62061 * (JIS B9961) 及び / 又は ISO13849-1 * (JIS B9705-1) ISO13849-2 * の要求事項を適用しなければならない * * *: IEC 62061: 現在アメンドメント 1 開発中, ISO 13849-1: 現在アメンドメント 1 開発中 ISO 13849-2 現在改定作業中 IEC 62061 と ISO 13849-1 の統合に向けた活動開始 * *: 要求の修正 追加検討中 38

9.4 故障時の制御機能 9.4.1 一般要求事項 - 電気装置の故障によるリスクを軽減する方策には次のものがあるが これらだけに限定されない - 機械の保護機器 ( 例えば インタロック付きガード トリップ機器 ) - 電気回路の保護インタロック - 実証された回路技術及び部品 (9.4.2.1 参照 ) の使用 - 部分的若しくは全体的冗長性 (9.4.2.2 参照 ) 又はダイバーシティ (9.4.2.3 参照 ) の採用 - 機能試験 (9.4.2.4 参照 ) の採用 - メモリを電池で保持する場合は 電池の故障又は取外しによって生じる危険状態を防止しなければならない - 例えば かぎ アクセスコード又は工具によって 無許可の又は不注意によるメモリ改変を防止しなければならない 39

9.4 故障時の制御機能 9.4.2 故障時のリスクを最小にする方策 ( 次のものがあるが これらだけに限定されない ) - 制御回路を機能接地用保護ボンディング回路に接続する - 制御機器を 9.4.3.1 に従って接続する - 非通電による停止 - 被制御装置への制御回路導体をすべて開閉 - 直接開路動作機能をもつ開閉機器の使用 - 望ましくない作動を起こす故障を低減するような回路設計 40

9.4 故障時の制御機能 制御回路を機能接地用保護ボンディング回路に接続する (9.4.3.1 及び図 2 参照 ) 41

9.4 故障時の制御機能 制御機器を 9.4.3.1 に従って接続する - 9.4.3.1 地絡 - 制御回路の地絡が 予期しない起動及び危険な運動を引き起こすこと 又は機械の停止を妨げることがあってはならない - 交流電源を用いる制御回路でこれらの要求事項を満たす方法には次のものがあるが これらだけに限定されない - a) 方法 a 制御回路電源を 制御変圧器から給電し 次の 1) 又は 2) の要求を満たす - 1) 制御回路電源を接地する場合 - 制御回路の共通導体は 電源接続点 ( 変圧器二次側の一端 ) において保護ボンディング回路に接続 - 電磁的機器又はその他の機器 ( 例えば リレー 表示灯 ) を制御するすべての接点 半導体素子などは 開閉される側の導体とコイル又は機器の端末との間に接続する - コイル又は機器のもう一方の端末には開閉素子を接続せず 制御回路電源の共通導体へ直接接続する - 2) 制御回路電源を接地しない場合 - 制御変圧器から給電するが 制御用電源の一端を保護ボンディング回路に接続しない場合には 地絡発生時に自動的に回路を遮断する機器を設ける * *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフト例外の追加 : 遮断によりリスクが増大する場合 絶縁監視装置 (IEC 61557-8) でよい 42

9.4 故障時の制御機能 非通電による停止 - 基本安全原則 : - de-energisation principle (ISO 13849-2, Table D.1) - 安全状態は関連する装置の非通電 (De-energing) によって得られる - Start/stopping of a mechanism (ISO 12100, 6.2.11.3 [JIS B 9700-2, 4.11.3]) - 停止又は減速の最初の動作は 電圧若しくは流体圧力の除去又は低減によって実行すべきである すなわち もし 2 値論理の要素を考慮する場合 ( もし 1 の状態を最も高いエネルギー状態で表すならば ) 1 の状態から 0 の状態への移行によって実行すべきである 43

9.4 故障時の制御機能 被制御装置への制御回路導体をすべて開閉 (9.4.3.1 参照 ) ( 例えば コイルの両端 *) *: 改定中事項 :IEC 60204-1 第 6 版ドラフトで追加予定 44

9.4 故障時の制御機能 直接開路動作機能をもつ開閉機器の使用 (IEC 60947-5-1/JIS C 8201-5-1 附属書 K 参照 ) - IEC 60947-5-1/JIS C8201-5-1, 附属書 K K.2.1 直接回路動作機能付き制御スイッチ - 操作部と接点の間に 弾性構造材 ( 例えばスプリング ) を介在することなく 遮断接点素子が動作する制御スイッチで 製造業者が指定する力を加えることによって 直接回路動作までの動作距離 ( 含む角度 ) を操作部が移動したとき 遮断接点素子のすべての接点が回路するスイッチ - ISO 13849-2, Table D.3 Well-tried components に記載 - 押しボタン - ポジションスイッチ等 - シンボル 45

9.4 故障時の制御機能 望ましくない作動を起こす故障を低減するような回路設計 - 基本安全原則 - ISO 13849-2, Table D.2 : Minimize possibility of fault - 安全関連機能と他の機能との分離 Fault 3: once Fault 3: twice Fault 4: Not hazardous Prevents stopping Prevents stopping Not hazardous Not likely Not likely Short to earth Results in stopping Results in stopping Fault 1: once Fault 1: twice Fault 2: Conductor together per pole Not hazardous Prevents stopping Not hazardous Conductor separated per pole Not hazardous Not likely Not hazardous 46

9.4 故障時の制御機能 9.4.2.2 部分的又は全体的冗長性の採用 - 部分的又は全体的な冗長性を備えることによって 電気回路の単一故障が危険状態を生む可能性を最小にすることができる - 冗長性は 定常運転中に冗長系も働いているようにする ( オンライン冗長系 ) か 定常運転中働いている保護機能が故障したときに初めて冗長系がその機能を引き継いで作動する別回路 ( オフライン冗長系 ) として設計できる - 定常運転中は作動しないオフライン冗長系を採用する場合は この冗長機能が必要なときに確実に作動することを保証する適切な方策をとらなければならない ISO 12100, 6.2.12.4 Duplication (redundancy) of components or subsystem JIS B 9700-2, 4.12.3 構成品又はサブシステムの二重系 ( 又は冗長系 ) - 機械の安全関連部の設計において 構成品の二重系 ( 又は冗長系 ) は もし一つの構成品が故障したなら 別の構成品 [ 又は他の構成品 ( 複数 )] がその機能の遂行続けるよう用いられ これによって安全機能を引き続き使用できることを確実にする - 適切な作動の開始を許可するため 自動監視によって 又はある状況において点検間隔を構成品の予測される寿命より短くした定期的な点検によって 構成品の故障を可能な限り検出しなければならない 47

9.4 故障時の制御機能 9.4.2.3 ダイバーシティ ( 多様化設計 ) の採用 - お互いに異なる作動原理若しくは異なる種類の部品又は機器をもつ制御回路を用いることによって 障害及び / 又は故障による危険源を低減することができる - ダイバーシティの例 ; - インタロック付きガードによって作動する常時閉接点 (NC) 及び常時開接点 (NO) の組合わせ使用 - 制御回路内に異なる制御回路部品を用いる - 電気機械的機器 ( 非半導体機器 ) と電子的機器 ( 半導体機器 ) とを組合わせて冗長構成 - 電気を用いるシステムと電気を用いない ( 例えば 機械的 液圧 空圧 ) システムの組合わせによっても 冗長機能をもつダイバーシティを備えることができる ISO 12100, 6.2.12.4/JIS B9700-2, 4.12.3 - 設計及び / 又は技術の多様性 ( ダイバーシティ ) は 共通原因故障 ( 例えば電波障害による ) 又は共通モード故障を回避するために使用することができる 48

9.4 故障時の制御機能 9.4.2.4 機能試験の採用 - 機能試験は 制御システムによる自動試験 作業者が行う検査又は試験 起動試験及び一定間隔の周期的試験 又はこれらを組合わせた試験として適切なものを実施する (17.2 及び 18.6 参照 ) - 17.2 提供情報 - 電気装置とともに提供 ( 納入 ) する情報 ( 技術文書 ) には 次のことを含めなければならない - b) 6) 機能試験の頻度及び方法 - 18.6 機能試験 - 電気装置の機能は試験しなければならない - 電気的安全のための回路の機能 ( 例えば地絡検出 ) は 試験しなければならない 49

おわりに 改定中規格 - IEC 60204-1, 第 6 版 - ISO 13849-2, 第 2 版 - ISO 13850, 第 3 版 開発中規格 - IEC 62061, 追補 1 - ISO 13849-1, 追補 1 - IEC 62745 ( ケーブルレスコントローラー ) - IEC 62061とISO13849-1の統合ご清聴ありがとうございました 50