資料 3 不動産投資市場の社会的意義 目標の設定等について ( 事務局説明資料 ) Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
1. 不動産投資市場の役割 ➀ 国民生活 経済成長を支える不動産ストックの形成 再生 活用 社会経済の変化に的確に対応した 不動産ストックの形成 再生 活用 を通じて 国民生活の向上 経済成長に貢献 不動産ストックの高度化 付加価値の向上による貢献 超高齢社会に対応した高齢者向け住宅や介護 医療のサービス拠点の整備など 高齢者が安心して暮らせる基盤の整備 E コマースの拡大等に伴う高機能の大型物流施設等の整備 インバウンド観光客の急増等に対応したホテル 旅館等の供給拡大 質的向上 国際金融センターの構築など 世界の企業やビジネスマンを引きつける環境の整備 都市再生や地方創生に向けた 古民家等の地域資産や空き家 空き店舗等の有効活用 耐震化や老朽不動産の再生 公的不動産 (PRE) の活用 環境性能の向上や AI 等の技術革新 シェアリングエコノミーへの対応 など 不動産関連サービスの量的 質的な拡大による貢献 1
1. 不動産投資市場の役割 2 民間の資金 ノウハウの活用による不動産ストックの形成 再生 活用 不動産ストックの形成 再生 活用 には 民間の資金 ノウハウの活用が不可欠であり 不動産投資市場は これに大きな役割を果たしている 資金調達の重要なマーケットとして 不動産開発等を促進不動産投資市場を通じた多様な民間資金の活用により 質の高い不動産形成 再生事業や新規の企業投資の促進に寄与 不動産の流動化を促進不動産の流動化が図られることにより 需要に的確に対応した事業等への有効活用 資産効率の改善等に寄与 エクイティ出資を通じ 不動産ストックの収益力を向上不動産の開発 運営のための多様な民間投資家によるエクイティ出資 ( リスクとリターンの共有 ) により 民間のノウハウ 目利き力を活かした事業の質 収益力の向上に寄与 長期 安定的な不動産運営の受け皿を提供長期 安定的な不動産運営を支える上場 私募リートの拡大により 不動産開発の促進や運営事業者の事業拡大に寄与 ( 出口戦略の受け皿 ) 関連ビジネスの拡大 高度化を促進 アセット マネジメント プロパティ マネジメント 法務 会計 税務などの関連ビジネスの拡大 高度化を通じた不動産サービスの付加価値向上に寄与 など 不動産ストックの形成 再生 活用 を広げて行くためにも 不動産投資市場の裾野と厚みの拡大が必要 2
1. 不動産投資市場の役割 3 金融資産運用の適切なポートフォリオ形成と金融市場の魅力向上 不動産分野の投資機会の拡大は 多様な投資家の安定的な資産運用に資する投資商品の多様化 金融市場の魅力向上に資するものであり 不動産投資市場はこれに大きな役割を果たしている 新たな投資機会の提供 流動性の向上 不動産分野での新たな投資機会の提供により 機関投資家や個人投資家等の投資を活性化するとともに 金融市場の拡大を通じた金融資産の流動性の向上に寄与 リスク分散が可能な投資環境の形成 ミドルリスク ミドルリターン特性を有する投資商品の提供により オルタナティブ投資環境を充実し 年金基金等の機関投資家 個人投資家等の安定的な資産運用環境の形成に寄与 金融ビジネスの活性化デットの貸し手の多様化や金融商品開発の促進等を通じた金融ビジネスの活性化に寄与 対日投資の促進海外投資家の幅広い資金を円滑かつ安定的に誘導するための投資環境の形成に寄与 金融市場の国際競争力の強化 我が国の金融市場の求心力を高め 世界の成長力を惹きつける国際金融センターに向けた 金融市場の国際競争力の強化に寄与 など 金融市場の求心力向上のためにも 不動産投資市場の裾野と厚みの拡大が必要 3
2. 不動産投資市場の目標のあり方 ➀ リート市場規模の国際比較 18.% 16.% 14.% 12.% 1.% 8.% 6.% 4.% 2.%.% 7.% REIT 市場の株式市場規模に対する比率 6.% 5.% 4.% 3.% 2.% 1.%.% 6.26% 3.54% REIT 市場の名目 GDP に対する比率 平均 :3.29 2.2% 6.78% 1.78% 6.98% 18.38% 3.18% 2.85% 6.44% 3.5% 2.27% 2.56% 7.88%.6% 9.32%.5% REIT 市場規模の名目 GDP に対する比率 : リート市場時価総額 (215 年 3 月末 ) 名目 GDP(214 年 12 月末 ) にて算定平均は 各国の REIT 市場時価総額 (215 年 3 月末 ) 総額 各国の名目 GDP(214 年 12 月末 ) 総額にて算定 平均 :4.55 4.69% REIT 市場時価総額 (215 年 3 月末時点 )( 億円 ) アメリカ日本オーストラリアフランスイギリスシンガポールカナダ南アフリカ香港ドイツヨーロッパ ( 参考 ) 出典 :ARES 不動産証券化ハンドブックなお ヨーロッパ ( 参考 ) はフランス イギリス ドイツ ベルギー オランダの合計金額 アメリカ日本オーストラリアフランスイギリスシンガポールカナダ南アフリカ香港ドイツ 出典 :IMF 資料より 国土交通省作成なお 214 年平均の為替レートで換算 株式市場時価総額 (215 年 3 月末時点 )( 億円 ) アメリカ日本オーストラリアシンガポールカナダ南アフリカ香港ヨーロッパ ( 参考 ) 17,158 1,151,8 16,66 95,373 89,179 59,945 57,79 29,229 28,379 2,219 299,834 名目 GDP(214 年 12 月末時点 )( 兆円 ) 487.7 152.9 3.3 312.6 32.6 189.2 37.1 3.8 41.5 6,14,22 1,572,633 93,254 2,541,359 1,142,61 4,766,25 6,392,692 1838.2 32,524,856 REIT 市場規模の株式市場規模に対する比率 :REIT 市場時価総額 (215 年 3 月末 ) 株式市場時価総額 (215 年 3 月末 ) にて算定平均は 各国の REIT 市場時価総額 (215 年 3 月末 ) 総額 株式市場時価総額 (215 年 3 月末 ) 総額にて算定 出典 : 国際取引所連合 (WFE)HP 資料より 国土交通省作成なお アメリカはNasdaq(US) NYSEの合計 日本は日本証券取引所グループ オーストラリアはAustralian Securities Exchange シンガポールはSingapore Exchange カナダはTMX Group 南アフリカはJohannesburg Stock Exchange 香港はHong Kong Exchanges and Clearing ヨーロッパ( 参考 ) はEuronext Deutsche Boerseの合計の金額 また 215 年 3 月末時点の為替レートで換算 4
2. 不動産投資市場の目標のあり方 2 各大型年金基金の不動産配分推移 (CAD Billion) カナダ国民年金基金不動産配分推移 3 11.6% 11.5% 25 1.6% 1.8% 2 15 1 6.5% 5.6% 5.5% 4.9% 4.3% 7.3% 5 1.% 1.% 24 25 26 27 28 29 21 211 212 213 214 215 14.% 12.% 1.% 8.% 6.% 4.% 2.%.% (KRN Billion) ノルウェー政府年金基金不動産配分推移 8, 7, 3.% 6, 5, 2.2% 4, 3, 1.% 2,.7% 1,.3% 211 212 213 214 215 3.5% 3.% 2.5% 2.% 1.5% 1.%.5%.% 6 5 4 3 2 1 ( 兆ウォン ).9% 韓国国民年金基金 (NPS) 不動産配分推移 3.9% 3.9% 4.% 3.3% 2.7% 2.1% 1.6% 4.5% 4.% 3.5% 3.% 2.5% 2.% 1.5% 1.%.5% (1 億ドル ) 米 CalPERS 不動産配分推移 35 3 1.% 9.5% 25 2 15 1 5 8.% 8.1% 7.3% 7.3% 5.1% 9.2% 8.% 9.3% 7.4% 7.4% 8.1% 12.% 1.% 8.% 6.% 4.% 2.% 28 29 21 211 212 213 214 215.% 23 25 27 29 211 213 215.% 総資産不動産資産不動産配分 (%) ( 出所 ) 各基金開示資料をもとにニッセイ基礎研究所が作成 5
( 参考 ) 成長分野における質の高い不動産ストックの形成等 人々のライフスタイル 働き方の変化 ICT の活用等が進み 高齢者 女性 外国人等の多様な人材が活躍する社会において 高度できめ細やかなサービスと一体となった質の高い不動産の形成 再生を促進し 経済成長に貢献 不動産ストックの高質化 国民生活の質の向上 ICT 等技術革新との融合 ビジネス 経済活動の生産性の向上 不動産関連ビジネスの活性化 経済成長 サービス付き高齢者向け住宅等超高齢社会への対応を図るための 質の高い設備 サービスを備えたヘルスケア施設の供給拡大 ホテルインバウンド観光の増大への対応を図るための 立地の優位性等で競争力の高いホテルの供給拡大 開発 リニューアル事例 リートの資産規模拡大に伴い ポートフォリオ全体でリスクを吸収の上 投資法人のバランスシート内で 老朽化ビルの建替 大規模リニューアル工事を行う事例も存在 物流施設 E コマースの拡大や労働力不足への対応を図るための 加工 仕分け 梱包等が可能な高機能の大型物流施設の供給拡大 < 日本橋ライフサイエンスビルディング ( 三井不動産 )> 生産性を高めるオフィス 医療分野をテーマにしたビルに関連企業や研究機関等がテナントとして集まり 事業ニーズのマッチング 新規ビジネスの創出を促進 <KOIL( 柏の葉オープンイノベーションラボ> 交流を通じて新産業を生み出すイノベーション拠点 会員制共有ワークスペース オフィス デジタルものづくり工房 カフェ スタジオ等を併設 6
( 参考 ) 国際競争力の強化に資する不動産ストックの形成 アジアを始めとする世界の成長力を我が国に取り込むには 都市の国際競争力強化が不可欠 国家戦略特区において 規制緩和を活用して MICE 機能の強化や国際ビジネス拠点の整備を促進するなど 都市の国際競争力強化に資する世界水準の不動産の形成が必要 虎ノ門地区における国際ビジネス拠点機能の整備都市計画法のワンストップ特例を活用して 22 年オリンピック パラリンピックに向けて虎ノ門一丁目地区及び東京メトロ日比谷線虎ノ門新駅 ( 仮称 ) を整備 大丸有地区における MICE 機能の強化都市計画法のワンストップ特例を活用して MICE 機能の強化に資する多目的ホールと賑わい広場 世界最高水準の宿泊施設等を整備 横浜市都市再生国家戦略住宅整備事業の住宅容積率の特例を活用して グローバル企業誘致に不可欠な都市居住促進のための国家戦略住宅を供給 グローバルレジデントに応える施設デザイン 環境配慮 充実した共用施設 24 時間常駐の多言語コンシェルジュ 多言語対応のメディカルモール 外国人対応保育 子育て支援施設 優れた防災 減災性能 ハイクラスの防犯性能 資料 : 第 4 回東京圏国家戦略特別区域会議東京都提出資料 資料 : 第 7 回東京圏国家戦略特別区域会議横浜市都市再生関連資料 7
( 参考 ) 不動産ビジネスのサービス高度化事例 ( シェアリング エコノミー ) 近年 不特定多数の人々とインターネット等を介して遊休資産を共有するサービスである シェアリング エコノミー の市場規模が拡大しており 今後もその傾向は続く見込み 遊休不動産を再生し シェアハウスやシェアオフィス等の新しいライフスタイル 働き方を提供する場を創出するなど 不動産サービスの質を高め 経済成長につなげることに期待 ( 単位 : 百万円 ) 5, 4, 3, 2, 1, 国内のシェアリング エコノミー市場規模 23,276 29, 35, 4,7 出典 : 矢野経済研究所 シェアリングエコノミー ( 共有経済 ) 市場に関する調査結果 215 ~ 自動車 賃貸 旅行 衣料 人材 金融業界などを変革する共有経済 ~ ( 単位 :1 億ドル ) 4 3 2 1 46,2 214 年度 215 年度 216 年度 217 年度 218 年度 ( 見込 ) ( 予測 ) ( 予測 ) ( 予測 ) 世界のシェアリング エコノミー市場規模 15 335 213 年 225 年 出典 :PwC The sharing economy - sizing the revenue opportunity 既存の不動産ストックを用いて共有サービスを提供する例 シェア奥沢 ( 一財 ) 世田谷トラストまちづくりによる支援事業の対象 オーナーの自宅に隣接する大正末期建築の空き部屋 ( 約 9 m2 ) を活用 音楽や料理などの共通のテーマで集まる人たちの交流の場を提供 the C リビタの取組 老朽化したオフィスビルを事務所から一部寄宿舎へと用途変更し シェア型複合施設へとコンバージョン 出典 :( 一財 ) 世田谷トラストウェブサイト国土交通省第 2 回 不動産ストック再生 利用推進検討会議 資料 3 リビタウェブサイト 8