Baxter International Inc. One Baxter Parkway Deerfield, Illinois 60015-4625 USA 2012 www.baxter.com sustainability.baxter.com. Baxter International Inc., 2013. All rights reserved. >> sustainability.baxter.com
全体像 企業概要バクスターの使命は患者さんの生命を守ることです 当社は日々 何百万人もの患者さんの生命を支えています 多様性に富んだグローバルヘルスケア企業として バクスターは医薬品 医療機器 バイオテクノロジーの専門技術を活用し 世界の医療の向上に寄与する製品を創出しています 私たちは イノベーションを推進し 当社製品へのアクセス向上に取り組むとともに 創造的な協業を通して 世界中のより多くの患者さんのために当社の使命を果たしてまいります バクスターのサステナビリティ 患者さんの生命を守る この当社の使命は あらゆるステークホルダーの皆さんへ長きにわたって社会的 環境的 経済的価値を提供するという サステナビリティにかける私たちの情熱に支えられています 当社のサステナビリティの取り組みは広範にわたりますが 優先事項を定め 重点的に取り組むことが重要だと考えています 当社はサステナビリティに関する9つの優先事項を定め それらを 従業員 事業活動と製品 社会 の 3 つのカテゴリーに分類し 各優先事項について達成目標を設定しています ( P. 2 を参照 ) これらの優先事項では 当社にとって最も重要な課題や 特に大きな貢献ができる分野を取り上げています 当社の役員により構成するサステナビリティ運営委員会は長期的なサステナビリティ戦略を策定し サステナビリティと日々の事業活動を一体化させる取り組みを牽引しています 同委員会は サステナビリティの優先事項を支援し 経営幹部とともに 2 0 15 年目標の達成責任を負っています 四半期ごとに開催する会議では 目標に対する進捗状況を確認し 実績と目標とのギャップへの対応を議論するとともに 新たなサステナビリティの取り組みを検討しています 第三者検証バクスターはビューローベリタス ノースアメリカ社 (Bureau Veritas North America, Inc.) に委託し 2012 年サステナビリティ報告書オンライン版の環境 衛生 安全 (EHS) サプライチェーン 製品責任 ( 一部 ) のセクションと本冊子中の関連情報について第三者検証を実施しました 検証の結果 正確性と信頼性があり 重大な誤りや虚偽の記載がないと判断された項目には このチェックマークが付いています 第三者検証に関する詳細についてはオンライン版 ( 英語 ) をご覧ください 会長兼 CEO からのメッセージ ステークホルダーの皆さんヘルスケア企業としてのバクスターの目標は サステナビリティの優先事項にしっかりと組み込まれています 当社の使命は患者さんの生命を守ることであると同時に 事業活動において長きにわたる社会的 環境的 経済的価値を創出することにより 世界中のステークホルダーの皆さんに豊かになっていただけるよう取り組んでいます バクスターは 患者や医療関係者の皆さん 政府や保険者 投資家の皆さん 従業員 そして当社が事業を展開している地域社会など 世の中のさまざまなニーズに応えようとしています 責任ある効果的な事業活動を通して あらゆるステークホルダーの皆さんのニーズに応え 治療の向上に貢献することを目標としています 当社が最も重要とする方針のひとつは 質の高い医療へのアクセスを拡大するために新たな方法を模索することにあります これまでの取り組みによって 患者さんの医療へのアクセスと治療効果の向上だけでなく 医療費の抑制にもつながることを目的とした 画期的な官民パートナーシップが多数実現しています 2012 年にはこのような提携事業を数多く開始し 例えばブラジルでは 遺伝子組換え型の血友病治療薬の供給力向上と 地域経済における機会創出をもたらす提携事業を立ち上げました 当社は事業活動全体を通して常にサステナビリティを考慮しています そのひとつとして全世界の事業所においてカーボンフットプリントの削減に取り組んでおり インドではバイオマスエネルギーを利用し マルタでは当社最大規模となる太陽光発電システムを設置しました このような新たなアイディアにより 事業所の使用電力の20% を再生可能エネルギーにするという 2015 年目標を3 年前倒しで達成することができました サステナビリティの取り組みは 新たなチャンス チャレンジ そしてステークホルダーのニーズを踏まえたビジネス戦略を常に反映したものでなければなりません 現在 当社が最大の影響力をもたらすことのできる分野において重点的に取り組んでいけるような 2020 年に向けたサステナビリティ目標を定める作業を進めています 今日の成功を導いた世界中のバクスターの従業員が発揮したリーダーシップと発想力に感謝します 従業員の情熱が今後も進化を続ける原動力となるでしょう また ステークホルダーの皆さんに感謝します 皆さんのニーズや優先事項が将来のイノベーションの方向を示してくれるのです 2013 年 7 月バクスターインターナショナルインク会長兼 CEO ロバート L パーキンソン ジュニア C sustainability.baxter.com/sustainability/baxters-approach.html sustainability.baxter.com/sustainability/chairman-ceo-letter.html 1
バクスターにおけるサステナビリティの優先事項と目標 ( 特に記載のない限り 2015 年の目標 ) 業 る に ん の る と 従業員の安全確保と健康増進のための業界トップレベルのプログラムを実施し 業界トップ 3 に入る実績を達成します 多様な意見や考え方 経 経験が尊重される受容性のある企業文化を築き 維持します 以下の行動を通じて 社内外で 倫理的な営業およびマーケティング活動をリードします 米国医療コンプライアンスプログラムと国際腐敗防止方針を強化し 実施します 米国内外の業界団体 NGO 政府と協力し 医療従事者との金 授受に関する基準を統一して実施することにより 製品とサービスに関する適切な教育 研究 対 を促進し 不適切なインセンティブを抑制します 事業 と サ ー ー リ の の の の ダク ス ー の 当社の購入計画に サステナブル原則を適用します 1 米国内の社用車の 行 1km 当たりの排ガス量を 2007 年比で 20% 削減します 売上高を指標として 温室効果ガス排出量を 2005 年比で 45% 削減します 事業所におけるエネルギー使用量に再生可能エネルギーが占める割合を 全体の 20% まで高めます 売上高を指標として エネルギー使用量を 2005 年比で 30% 削減します 売上高を指標として 水資源使用量を 2005 年比で 35% 削減します この目標達成に向け 2010 年までに当社の事業所に関連する水源のうち 弱性が われるものを評価し リスクの高い地域の水資源保全のための積極的な目標を設定します 弱な水源を保 し 地域の人々の な水へのアクセスを拡大するためのプロジェクトを 2 件実施します 売上高を指標として 廃棄物発生量を 2005 年比で 30% 削減します への製品配送に使用する包装資材を 2007 年比で 5,000 トン削減します ライフサイクル インパクトの評価および最小化と新製品および包装資材における環境負荷物質の排除または軽減により 環境に配慮した 持続可能な製品設計を推進します 動物試験の代替手段の利用 (replace) 回数の削減 (reduce) 改善 (refine) の 3R の原則を実践できる新たな機会を特定します 1 より正確に取り組みの内容を表現し また すべてのサプライヤーに対してサステナブル原則を導入するための取り組みを反映するため 特定のサプライヤー 100 社 の記載を 2015 年目標から削除しました の の ク ス さ と BOP 市場または発展 上国において医療へのアクセスを改善する新たなビジネスモデルを構築します 外部の協力機関とともに 2010 年以 の製品の無償提供に関する計画を策定し 実施します 災害や 事において製品を 速に現地へ供給すること 最も必要とされる製品の安定供給に向け製品を提供すること 発展 上国において最も必要とされる製品を提供することなどを目的として 製品の無償提供を行います シカゴ公立学校の教師および学生を対象に バイオテクノロジー教育を実施し 理数科教育を促進します また シカゴ以外の地域においても 教育機関と連携して同様の教育機会を提供します 2 sustainability.baxter.com/priorities-goals 3
安全で健康な活力ある職場づくりを推進します 多様性に富んだ受容性のある職場環境を推進します 安全で健康な活力ある職場づくりはバクスターの重要な課題です 当社は 従業員が職場で負傷する危険性をさらに低減し 健康増進を図るための方法を常に追求しています 2011 年現在の最新データによるヘルスケア企業 16 社との比較 1 において 当社の労働損失を伴う業務上の傷病発生率 2 は3 番目に低い数値を誇っています この結果を見ると順調に 2 0 15 年目標を達成できるように思われますが この地位を維持する あるいはさらに上位を目指すには絶えず安全体制を改善し 戦略を強化することが必要になります エクササイズチャレンジ でバレーボールを楽しむインドのアラサール ( A l a t h u r) 事業所の従業員 バクスターは安全文化と実績を向上させるために以下の戦略を実施しています 傷病の主な原因である人間工学的な危険要因への取り組み 人間工学面での安全実績を高めるために 全世界の事業所でベストプラクティスを共有するメカニズムを構築 バイオサイエンス事業における高危険源を重点的に特定するシステムの継続的な配備と 北米 欧州 中東およびアフリカ地域の最前線にいる従業員が危険要因を特定できるようにする携帯機器技術の試験運用 同業他社とのベンチマークを行うことにより 社内タスクフォース 未来の安全 (Future State of Safety) の一環として 次なるレベルの安全実績の達成に向けて取るべき対策を検討 当社は従業員の健康増進を目的とした さまざまな取り組みを統合したプログラム BeWell@Baxter を実施しています その基軸として 個人および事業所単位で健康リスク情報を提供するオンラインツール 従業員健康調査票 (Personal Wellness Profile) があります 自分の数値を知る (Know Your Numbers) というテーマの下 2012 年末までに全世界の従業員の 30% が調査票の記入を完了しました また 2012 年には世界中で 1 万人を超える従業員が 従業員の運動促進キャンペーン BeWell@Baxterエクササイズチャレンジ の一環として 15 万時間以上におよぶ運動を行いました 1 16 社のうち 8 社はマーサー社 ( 旧 ORC 社 ) にグローバルな安全性データを報告 7 社はバクスターの依頼に基づきデータを提供 1 社は企業ホームページにて報告 2 発生翌日から 1 日以上の休業を伴う業務上の傷病の常勤従業員 100 人当たりの発生率 従業員の多様性を維持することは インクルージョン ( 多様性を尊重し 受容すること ) の重要な側面ですが それだけでは十分ではありません 当社は従業員が互いを尊重し すべての従業員が効果的に協力し合える企業文化の醸成に努めています 一人ひとりの多様な貢献を尊重することを含め バクスターで期待されるリーダーシップの要素 に示す行動を従業員一人ひとりが実行するよう求めています 当社は 従業員の人種や性別の多様性を高めるために全社的な取り組みを続けています 2012 年も引き続き 上級管理職は 受容性のある職場環境づくり そして能力のある多様な従業員の採用や登用の責務を負っています 当社のグローバル インクルージョン協議会も 受容性に富んだ企業文化をさらに強化するべく ソートリーダシップやガイダンス サポートを提供しています 当社の各地域 各事業部 各部門は同協議会と協力し それぞれのインクルージョン計画を策定しています これらの計画には 地域や部門特有の優先事項や要件への対応だけでなく 企業全体を対象としたさまざまな機会も組み込んでいます 2012 年にはさらに アフリカ系アメリカ人のリーダーシップ カウンシル African-American Leadership Council アジア人のリーダーシップ ネットワーク Asian Leadership Network 性的少数者のための Baxter Equality Network という 3つのビジネス リソース グループ (BRG) を新設しました BRGにはその他 2011 年に設置された女性リーダーの育成を図る Building Women Leaders やラテン系従業員のための Latinos@Baxter そして欧州 中東 アフリカ地域の女性従業員のための Female Talent Matters などがあります これらのグループはバクスターの運営委員会 (Operations Committee) のメンバーによる後援の下 従業員がスキルを開発し 有意義な文化的つながりを経験し 重要な取り組みをサポートできる機会を提供してバクスターのビジネス リソース グルーいます プは事業目標の達成を支援し 従業員一人ひとりの成長と多文化理解を推進すると同時に 従業員同士の関係やステークまた 当社は小規模なサプライヤーホルダーとの関係を強化することを目的をはじめ 多様なサプライヤーと相としています 互に利益をもたらす関係の構築に引き続き取り組んでいます 2012 年に行った米国およびプエルトリコの小規模企業との取引には およそ 3 億 6,600 万ドルを支出しました また これらの地域において女性が経営する企業との取引には約 9,000 万ドル マイノリティが経営する企業との取引には約 3,400 万ドルを支出しています 4 sustainability.baxter.com/environment-health-safety sustainability.baxter.com/employees 5
倫理的な行動と法令遵守を推進します 持続可能なサプライチェーンを推進します 腐敗行為は世界経済に重大な問題をもたらし ヘルスケア企業や患者さんを危険にさらす可能性もあります 持続的な発展を妨げ 格差を助長し 公的機関を弱体化させ 経済成長を減速させる原因となります ヘルスケア業界の腐敗行為は 患者さんやその他のステークホルダーの信頼を損ない 事業コストを増加させるとともに 法的問題や企業の評判にかかわる重大なリスクをもたらします 当社は包括的な行動規範や方針 研修 その他のプログラムを通じて 従業員に求められる行動を規定し 管理しています 特に 米国内外における倫理的な営業 マーケティング活動の推進に力を注いでいます 当社では世界各国の医療従事者および公務員との交流に関する規程を設けています 当社の倫理 コンプライアンス基準に抵触する可能性がある不適切な意思決定や行動を防ぐため 正式なチャネルを通じて助言を求め 問題を報告するよう従業員に促しています 2012 年には独立した 人権ポリシー を設け また ビジネスパートナーにも人権分野において同じような取り組みを行うことを奨励するために サプライヤー向け倫理 コンプライアンス基準 を更新しました 第三者との取引承認に関わる国際汚職防止ポリシー も引き続き世界各国で施行し 特に米国外の医療従事者や政府機関と接触するビジネスパートナーを対象として重点的に取り組みました 米国内では医師への支払情報の開示を義務づけるサンシャイン法 (Physician Payment Sunshine Act) を遵守するためのプログラムの実施に引き続き取り組みました 営業担当者向けのコンプライアンス教育 研修も強化しました また 法務担当者や特定の市場の営業部門のリーダー向けに腐敗行為防止に関する集中的なリスク教育を導入し リスクに基づいた腐敗行為防止教育を強化しました これは日常的に公務員や医療従事者と接触する従業員向けの腐敗行為防止に関する年次の総合研修を補完するものです 欧州における第三者との腐敗行為防止の取り組みについては引き続き 欧州医療機器産業連合会 (Eucomed) および米国先端医療技術工業会 (AdvaMed) と連携し 認識を共有しています また バクスター中国法人の倫理 コンプライアンスチームは 外資系製薬企業の業界団体である 中国研究開発製薬企業協会 (RDPAC) とともに 営業 マーケティング活動に関する業界全体の倫理規範の策定に引き続き取り組みました 当社の事業活動がもたらす環境負荷の大半は サプライチェーンにかかわるものです 当社は 環境負荷の少ない原材料やその他の物資とサービスの調達 サプライヤーの環境パフォーマンス改善の支援 輸送関連の排ガス量の最小化 人権の促進などに重点的に取り組んでいます 当社は購買手続きに20の環境関連基準を導入し サプライヤーのサステナビリティの取り組みを評価する枠組みを設けています この基準に沿って 特定のサプライヤー 100 社の環境パフォーマンスを評価する年次調査を実施しています 前年と比較するために調査対象は一貫して同じ企業としていますが サプライヤーの事業内容の変更や契約上のニーズ あるいはその他の理由により対象企業を追加することもあれば対象から除外することもあります 調査結果を通じて サプライヤーのサステナビリティの取り組みに関する情報を収集し 当社とサプライヤーの環境パフォーマンス向上に向け ベストプラクティスを共有し 互いに協力する機会を特定しています 持続可能性があると評価されたサプライヤーの割合 (%) 判定基準の例 : 環境データを測定し 報告している 判定基準の例 : カーボンフットプリントの削減 目標を設定し プログラムを実施している 判定基準の例 : 廃棄物発生量の削減目標を 設定し 取り組みを行っている 判定基準の例 : プロダクト スチュワードシップ ライフサイクル アプローチを採用している 判定基準の例 : 従業員およびサプライヤーに 対して倫理的かつ合法的な 用 行を実践 している 各カテゴリーの質問の 90% 以上に対して 定的な回 ( はい または 進行中 ) をした場合 当 カテゴリーについて そのサプライヤーは 持続可能性がある と評価される 6 sustainability.baxter.com/governance-ethics-compliance sustainability.baxter.com/supply-chain 7
カーボンフットプリントの削減を推進します 資源使用量の削減を推進します 気候変動に影響を及ぼす温室効果ガスの排出削減に対して 企業は重要な役割を担っています そのためには まず温室効果ガス (GHG) がもたらす影響を理解し 目標を設定し 画期的なプログラムを通じて排出量を削減することが重要です 当社は多面的なアプローチを通じて 事業活動全体にわたる GHG 排出量の測定と管理を行っています 2012 年の事業活動に伴うGHG 純排出量は CO2 換算で688,000 トンでした 売上高を指標とした場合 2005 年から 39% 絶対値では 12% の削減となりました 2012 年の事業活動に伴うエネルギー使用量の22% は再生可能エネルギー源によるもので 2015 年目標をすでに上回っています そのうち 8% は3 事業所で使用されたボイラー用バイオマス燃料で 14% は再生可能エネルギー源による電力の購入 (11%) と再生可能電力証書 (3%) を合わせたものです また 量は少ないものの 複数の事業所に設置された地熱システム 太陽光発電システム 太陽光温水システムによる再生可能エネルギーも含まれています 次世代に多くの資源を残せるよう 当社は資源の有効活用に取り組んでいます その取り組みが当社の環境パフォーマンスや競争力の向上にもつながっています 資源使用量の2015 年までの削減目標達成に向けて前進し続けています 売上高を指標とした場合の削減率 (%) 0-5 -10-15 -20-25 -30-35 0% -20% -20% -21% -26% -27% -30% 0% -26% -29% -31% -33% -34% -35% 0% -11% -13% -21% -10% -23% -30% 2011 年 欧州で実施した製品回収により 年間総発生量の 13% に当たる約 9,400 トンの廃棄物が発生した これを除外した場合 2011 年の廃棄物発生量は 2005 年から絶対値で 9% 増加し 売上高を指標として 23% 減少した 総量 =CO2 換算で 470 万トン 全体に占める割合 (%) 物資およびサービスの購入... 23.0% 資本財...3.1% 燃料およびエネルギー関連活動...1.6% 上流段階の輸送 流通... 12.0% 事業活動に伴う廃棄物...0.1% 従業員の出張...1.1% 従業員の通勤...1.9% 上流段階のリース資産...0.6% エネルギー : 事業所のエネルギー評価を含むリーンエネルギープログラムや コジェネレーション 地熱システムなどの革新的な技術の導入を中心として エネルギーの節減に取り組んでいます 2 0 0 5 年以来 さまざまな省エネルギーの取り組みを通じて 年換算で累計約 3,4 0 0 万ドルのコスト削減を実現しています 排出量は GHG プロトコル (GHG Protocol(Scope 1 and Scope 2) およびコーポレート バリューチェーン スタンダート (Corporate Value Chain (Scope 3) Accounting and Reporting Standard) に従って表示 当社は現在 販売製品の加工 および 下流段階のリース資産 について スコープ 3 の排出量は報告していない 事業所 車両による燃料使用 ( スコープ 1)..7.4% 購入エネルギー ( スコープ 2)...9.5% 下流段階の輸送 流通...0.4% 販売製品の使用... 38.2% 販売製品の使用後対応...0.8% フランチャイズ...0.2% 投資...0.1% 2012 年には オーストラリアのトゥーンギャビー事業所に画期的な太陽光発電システムを導入し 空調を除くオフィスビルのすべての電力を賄っています オーストリアのオルト事業所では広範な地熱システムを設置し マルタ事業所では照明設備の95% をLEDに変更しました 水 資 源 : 水処理とエネルギー使用は密接に関連しているため 節水はリーンエネルギープログラムや事業所のエネルギー評価において重要なポイントとなっています このような取り組みによって各事業所は さらなる節水が可能な分野を特定することができます 廃 棄 物 : プラスチック廃棄物削減の取り組みを続けています 2012 年には70 0トン以上の削減を達成しました プラスチックごみは大量に発生する当社の廃棄物のひとつであり 無害廃棄物のおよそ3 分の1を占めています 包 装 : 使用材料が少ない画期的なデザインを開発し 可能な限り使用素材を環境にやさしいものに変更することにより 環境負荷の軽減に取り組んでいます 8 sustainability.baxter.com/environment-health-safety sustainability.baxter.com/environment-health-safety 9
環境保全のための製品責任 ( プロダクト スチュワードシップ ) の強化を図ります 1 製品開発や効果的な製品の無償提供を通して 医療へのアクセスを向上させます 当社は 環境負荷を最小限にとどめ 人々の生命を守る製品を開発することに全力を注いでいます そのためには 製品設計や材料選定の初期段階から 製造 輸送 そして製品の使用後に至るまで 全体を見渡した包括的なアプローチが欠かせません 当社の持続可能な製品設計プログラムは 製品のサステナビリティ評価 (Product Sustainability Review, PSR) から始まります PSRは 輸液の容器から透析装置まで すべての医療機器の開発初期段階に適用されます この評価結果に基づいて 製品化の実現可能性の確認 製品要件の明確化 健康や環境への影響の最小化を図っています 当社製の世界で唯一の軟質プラスチックバッグ入りのアルブミン製剤 FLEXBUMIN ( ヒトアルブミン ) は 2012 年初めにカーボントラスト社によるカーボンフットプリントの再認証を受け 世界各地で販売展開を続けています F L E X B U M I N は2009 年に医療用品として世界で初めて カーボンフットプリント認証を受けています また 2011 年には合成高分子膜ダイアライザー XENIUM+ が 当社製品としては 2 件目となるカーボンフットプリント認証を受けました 当社の多言語で医療教育を提供するプログラム Bilingual Healthcare Educator を通じて 血友病患者さん当社は 動物試験に関するにスペイン語の教材を提供する准看護師のエスペランサ ラモスさん 3R(Replacement= 代替手段の利用 Reduction= 回数の削減 Refinement= 改善 ) の原則を通じて 動物福祉の向上に力を注いでいます 2012 年に実施したものも含め さまざまな画期的な取り組みを行っています 1 第三者検証の対象は この優先事項の 1 つ目の目標 持続可能な製品設計の推進 P.3 を 参照のこと 社会基盤の不備 政情不安 教育不足 貧困 厳しい規制 医療品の供給力や購買力の不足など さまざまな要因に阻まれて医療を受けられない人々がいます 当社は 世界中で医療へのアクセスを向上させることに取り組んでいます 2012 年も引き続き アメリケアーズ (AmeriCares) およびダイレクト リリーフ インターナショナル (Direct Relief International) と協力し 支援が行き届かない地域のニーズや非常事態に対応するため 製品の備蓄を行いました このような積極的な製品無償提供によってタイムリーに支援できた国は63ヵ国に上ります 当社の備蓄製品は カリブ諸国や米国東海岸を襲ったハリケーン サンディの災害救援として 300 以上の提携先に送付されました また 輸バクスターインターナショナル基金液を含むハリケーン対策用のパッの助成を受けてカリフォルニア州サザンオークスの Ride On Therapeutic クを米国南東部沿岸の医療機関 Horsemanshipで障害者乗馬療法をに提供しました これらはその後 受ける子ども 理学療法 言語療法または作業療法を必要とする子どもたちハリケーン アイリーンの被害をが馬上での運動を利用してリハビリを受けた米国ノースカロライナ州や行っています 2 0 12 年のトロピカルストーム アイザックの被害を受けたハイチにおいて配布されました また 医療使節団が外科手術で使用する麻酔およびバイオサージェリー製品をアメリケアーズへ無償提供しました 当社とバクスターインターナショナル基金による 2012 年の寄付総額は 5,600 万ドルを超えました その大半が医療へのアクセス向上に向けた取り組みに活用されています 医療へのアクセス向上に向けた当社の取り組みには もうひとつ重要な側面があります それは 経済ピラミッドの底辺 といわれるBOP 市場を対象とした画期的な製品の開発とビジネスモデルの革新です B O P 市場には 年間 1, 5 0 0 ドル以下で生活し 医療へのアクセスが限られている人々が世界に約 4 0 億人います 2 0 12 年 B O P 市場の問題と医療イノベーションに取り組む人々から学ぶために 当社は国際持続可能企業研究所 (International Institute for Sustainable Enterprise) そして世界経済フォーラムと提携する画期的な医療提供のための国際パートナーシップ (International Partnership for Innovative Healthcare Delivery) に参加しました 10 sustainability.baxter.com/product-responsibility sustainability.baxter.com/access-to-healthcare 11
理数科を中心とした教育支援を推進します 世界中のリーダーは 現代の青少年にとって最も重要な課題のひとつとして 科学 技術 工学 数学 (STEM) 教育を挙げています ヘルスケア企業である当社は この分野において果たすべき重要な責任があります そこで 専門能力の開発や実践的な体験学習を交え 既存の教育プログラムの充実を図る取り組みを地域単位で実施し 未来を担う世代の啓発に取り組んでいます 2011 年から始まる学年度において シカゴの公立学校を対象とした複数年にわたるプログラム Science@Work: Expanding Minds with Real-World Science ( 生きた科学を学び 視野を広げる ) には 教師向けのバイオテクノロジーに関する綿密な指導や授業計画の提供を通じて 約 14,000 人の学生と約 190 人の教師が参加しました 2008 年以来 のべ 6 万人以上の学生と720 人以上の教師がこのプログラムに参加し これはこの地区の全高校 145 校のうち 45% になります この他にも シカゴやその他の地域において 当社はさまざまな教育支援活動を行いました 2012 年には シカゴのリンドブロム理数アカデミー (Lindblom イリノイ州ディアフィールドにあるバクスター本社を訪問し 将来の職業につ Math and Science Academy) いて話し合う学生 の高校生向け有給インターンシップ プログラムも実施しました これは 企業や非営利団体 政府機関に対してホワイトハウスのコミュニティ ソリューション評議会 (Council for Community Solutions) と米国労働省が参加を要請した Summer Jobs+ プログラムの一環として行われたものです さらに 当社は2012 年に ノースウェスタン大学の STEM 教育パートナーシップ事務局 (Office of STEM Education Partnerships) やリンドブロム理数アカデミーのバイオテクノロジー センター オブ エクセレンス (Biotechnology Center of Excellence) と提携して バイオテクノロジーの教師を支援するための専門能力開発ワークショップも開催しました ワークショップに参加した教師はノースウェスタン大学やリンドブロム理数アカデミーの研究室で実際に実験を行うとともに イリノイ州ラウンドレークにある当社の研究所を訪問し アカデミアや企業における研究の実情を学びました その他の教育支援活動として FIRST (For Inspiration and Recognition of Science and Technology) の一環である地方大会や全国大会における地元学生の支援 ジュニア アチーブメント (Junior Achievement) の一環としての米国内外での財務会計の指導 法律に関する非営利の啓発団体である Street Law, Inc. との協力による各学校でのさまざまな法律問題に関する授業などを行いました データ概要 詳細なデータとグラフについては オンライン版 ( 英語 ) の関連項目をご覧ください 売上高 ( 単位 :100 万ドル ) 12,843 13,893 14,190 研究開発費 ( 単位 :100 万ドル ) 915 946 1,156 従業員総数 47,600 48,500 51,000 性別の多様性 ( 女性の比率 ) 51.9% 51.3% 50.8% 事業活動に伴うエネルギー使用量 ( 単位 : ジュール ) 1 8,979 9,113 9,181 事業活動に伴う GHG 純排出量 ( 単位 :CO2 換算 1,000トン ) 2 714 723 688 廃棄物の総発生量 ( 単位 : トン ) 3 58,600 72,820 63,430 水資源使用量 ( 単位 :1,000m 3 ) 13,358 13,943 14,002 4,5 記録対象となる傷病の発生率 1.00 0.95 0.90 4,5 労働損失を伴う傷病の発生率 0.17 0.16 0.15 4,5 労働損失日数率 4.56 5.47 4.35 寄付総額 ( 単位 :100 万ドル ) 6 79.41 80.14 56.67 1 固定発生源 ( オンライン版の表 エネルギー使用量と温室効果ガス排出量 (Baxter Value Chain Energy Usage and Greenhouse Gas Emissions) の 固定発生源小計 (Stationary Sources Subtotal) の項目 ) を含み 社用車 材料および製品の配送 従業員の通勤 出張によるエネルギー使用量を除く 2 事業所におけるエネルギー使用量 ( 消費燃料および購入電力の双方に由来するもの ) 営業用および配送用車両 その他の車両 冷却材の損失に関係する排出量が含まれる 再生可能エネルギーの購入 カーボンクレジット カーボンオフセットも勘案されている ビューローベリタス ノースアメリカ社 (Bureau Veritas North America, Inc.) が 当社が管轄する全世界の事業活動に由来する2012 年のスコープ 1およびスコープ 2のGHG 排出量 およびスコープ 3のGHG 排出量を計算するために用いられた方法と排出係数を検証 3 現状では患者さんが未使用の製品を廃棄したい場合 当社に返却するよりも 自分で廃棄する可能性が高いため 米国腎疾患在宅医療 (United States Renal Home Care) の事業に関連する廃棄物は除く 建設および取り壊しによる廃材 修復に伴う廃棄物 廃水処理による汚泥も除く 全社の合計値からこれらの廃棄物カテゴリーを除外することにより 事業所の成果と長期的な傾向について より一貫性のある評価が可能になる 4 比率はすべて20 万時間 ( 常勤従業員 100 人の1 年間の就業時間数に相当 ) 当たりの発生件数または日数 米国労働安全衛生局 (OSHA) が定める記録管理法を全社的に適用 休業や労働制限が適用される日数について異なる医学的見解が示された場合は 最も権威のある医師の見解に基づいて記録 5 記録対象となる傷病 : 応急手当以上の治療を必要とする業務上の傷病 ( 労働損失を伴う傷病を含む ) 労働損失を伴う傷病 : 事故発生日翌日から1 日以上の休業を伴う業務上の傷病 労働損失日数 : 業務上の傷病により休業した日数 ( 土日 祝日を含む ) 最も権威ある医師の見解に基づく 傷病発生日と完全に職務復帰した日は含まない 6 製品の無償提供 当社の事業部および事業所が行った資金援助 バクスターインターナショナル基金による寄付を含む 金額の年次変動は 地域のニーズや災害救援活動の規模 規制環境 製造工程 製品構成およびマーケティングの変化などによる 適宜地域のニーズに応じて無償提供の機会を特定している 12 sustainability.baxter.com/community-support sustainability.baxter.com/quick-links/data-index.html 13